戦略-構造-成果パラダイム
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(4) 144. 横浜経営研究. 第. 調 している点にあ る。 したがって現代における. 1. 巻. 第. 2. 号 (19㏄ ). 体性・特殊相を 与える「機能」「目標」との 関. にあ る。 経営目標は利潤,売上高など企業の達 成すべ き 未来の状態を 表わす。 経営戦略は経営 目標を達成するための 手段として位置づげられ る。 一方,経営理俳は経営者が企業を 統率して. 連をとり扱っていかなければならない。. いく指導原理であ り,企業が社会・ 個人に対し. 企業を論じていくためには ,組織であ ることを. 基軸としながら ,組織一般としてではなく ,具 最高経. 営 層は組織の制約のなかで ,機能の特定化,そ てどのような 役割を果たすべきかについての 経 のための体制づくり ,. 目標に対する 達成度を表. わす成果についての 決定を行っていく。 そこ. 営者の信俳をいう、。, 。 経営戦略の形成・ 維持に. 対して影響を 与えることはいうまでもない。. で,次に経営戦略,構造,成果の 意味内容を明. 以上のような 性格をもった 経営戦略は企業の. らかにしていきたい。. レベルア. こ則してみると ,次のように分類するこ. とができる。 従来これらの 戦略はばらばらにと. (1). りあ げられることが. 経営戦略. 経営戦略とほ 社会における 企業そのものの 存 続・成長のための 方向づ け とそれに伴 資源 配 う. 分 をい. う. ") 。 すなわち,企業が特定の目標を 達. 成するために ,. 自らの活動領域 (Domain). を. 多く,経営戦略の内容とし て統一的にとりあ げられることが 少なかったと いう現状を打破する 試みでもあ る。 第一の経営戦略は「製品一市場戦略」 (Product-Market Strategy) であ る。 これは企業が. 選択し,それに対して資源配分を 行 ことであ る。 したがって経営戦略は 企業の長期的体質に. 社会に果たすべき 経済的機能の 内容を具体化す ることであ り,社会に対してどのような 財 ・サ. 関する決定であ り,将来における 企業の方向性. ービスを生産・ 分配するのかについての 決定を. を 示す決定に他ならない。. い. う. 企業は自らの 活動領. う. 。 すなわち,変動する市場環境に直面し. 域を拡大したり , 縮 少しながら,環境における. て, 自らの事業範囲を 確定することが 製品一市. 自らの姿勢を 明確なものにしていく ") 。 こうし. 場戦略に他ならない。 現在の製品で 市場拡大を 図るという拡大化戦略,新製品・ 新事業の展開 を 目ざす多角化戦略, 他 企業の吸収・ 合併を行 5 合併戦略,企業が製造職能にとどまらず 他の 職能を内部化する 垂直的統合戦略などがこれに. て企業は環境からの 問題に次々と 直面し問題 解決に努力しその 問題解決の成果を 蓄積する ことによって ,電灯企業から総合電機 へ,. メ. 一ヵ 一. 国内企業から 国際企業へというように ,企. 業の基本的属性を 変容していく ,。, 。 企業の基本. 含まれる, " 。 この分野 は 企業戦略論,経営政策. 的属性の変化をもたらす 要因こそ企業の 経営 戦 略 に他ならない。 また環境における 企業の活動. 論において最も 蓄積された領域であ 第 2 の経営戦略が「海覚戦略」. 領域の設定であ る経営戦略策定過程は 組織内部 の権 力関係,企業と環境との権 力関係の反映と しての側面をもつ。 経営戦略は経営目標,経営理俳と密接な関係. (Fo,eign St,ategy) であ る,㊤。企業が国際社会において Ⅰ. 5). 16) 12). この経営戦略の 定義は,経営目標の策定という A.. 要素をいれていないことにおいて ,. チャン. ドラ一の定義とは 異なる。 cf. A. Chandler, かぽ加化 , ch. l.. S か功徳ノ andS. 13) 加護野忠男「組織と 環境」,『神戸大学経営学年 報 J1 24. 1978.. p. 145.. 14) 衣笠洋輔丁日本企業の 国際化戦略 , 日本経済 新聞社, 1979, 第 1 章 。 コ. る ") 。. 経営理俳については , R. Eells, T レ丑 @eeantnng oⅠ Moodem Business, Columbia Univ. Press> 1960 ,中川敬一郎 (編 ) 『経営理俳 コグィ ヤモン ド 社, 1972, などを参照のこと。 cf. A. Chandler, op. cit., ch. l, ルメルト. [ 多角化戦略と 経済成果』, 東洋経済, 1976 。 1. Ansoff, Corporate Stragyノ , Penguin, 1965. 17) 最近の研究としては , R. Miles & Snow, O ゃ ゑほれ Z ほ % 0 れ S ⅠⅠ化 9 ノ, S Ⅰ㌃ れ ちび Ⅰ e, Ⅰれば P Ⅰ to ピ苫タ, M ぬ raw. h Ⅲ, 1978 が注目に値する。 18) Stopford & Wells,,Ma4%agzi n,g: れ ThhteM ね ア れん劫 Ⅰ ガon ㎡ E れ佗ゆ ni,,, 1972, 邦訳 (山崎 訳汀 多国籍 企業の組織と 所有政策 コ,グイヤモンド 社 , 1976, Ⅰ. Ⅰ. 古. 第 上部参照。. Ⅰ. Ⅰ.
(5) 145. 戦略構造成果, ラ ダ イム ( 山倉健嗣 ). どのような活動領域を 選択するのかに 関する戦 略をい. う. 。 したがって企業の 海外戦略は海外へ. の地域的拡大・ 縮 少を意味する。 しかし国内に おける地域的拡大・ 縮 少とほ異なる。 なぜなら ば,. 国際化した企業では ,. 一つの企業のなかを. 略 ( 社会一般における 企業の役割の 決定 ) が最 高経営層の経営戦略に 関する決定内容であ るこ とはい. う. までもない。. また三つの経営戦略は 決して孤立して 存在す るわけではない。 個々の経営戦略は 他の戦略と. 多くの国境 線 が走っており ,その企業は 異なる. の 有機的関連のなかで 把握していかなければな. 法制・文化・ 経済・政治をもつ 多数の国みから なる国際環境のなかで 存続していかなければな. らないであ ろう。 製品一市場戦略と 海外戦略と の連関のモデルには ,. らないからであ る,9)。 国際企業の解明にとっ. 績,衣笠氏の成長戦略論が ,製品一市場戦略と. て ,国内企業とは異なった環境要因の 摘出が重. 社会戦略との 関係を解くものにアッ ヵ一 マンの. 要であ ろう。 企業の海外戦略は①直接輸出②技術輸出③海 外直接生塵の 開始④その展開という 段階をへて 発展していく。 この発展は企業全体の 統合要求. 業績があ ることを指摘しておぎたい , 2)0. と 受け入れ国の. 自立化要求との " ランスのなか. スト,ブ フォー. ト. の業. (2) 構 造 最高経営層の 第 2 の意思決定は ,企業全体お よび企業 一 利害者集団間の 構造. ( 機構 ). につい. ての決定であ る。 構造決定は企業を 円滑に運営. で行われる,。 '。. にしたいり。 この戦略は市場環境に 限定されな. していくための 内 ・外の体制づくり ,企業全体 0 枠組みの設定を 意味する。 こうした構造決定 には,①組織構造の決定と②組織間構造の 決定 という 2 種類の決定が 含まれている。 従来, 構 造 決定は前者に 限定する傾向があ るが,前者に. い社会環境に 対する企業の 姿勢についての 決定. お とらず,後者の 企業と利害者集団との 関係の. であ り,企業が社会環境からの 正統性を獲得し. 枠組みの決定も 経営者の重要な 決定事項として. ていくプロセスでもあ る。 この戦略は , ①企業. とりあ げなければならな、. 第. 3. の経営戦略は ,企業にとって本来の活動. であ る経済的機能以覚の 機能. ( これを「社会的」. 機能とよぶ ) の 遂行に関する 戦略であ り, これ を「社会戦略」 (SocietalStrategy) と よ ぶこと. による文化財団の 設立,教育機関の創設,政治 への参加などのような 企業の本来的活動とは 直 接に関連しない 活動領域への 参加と②公害防止. 組織構造は企業が 目標を達成していくための 分化と統合の 仕組みであ り,組織の " ターン化 した安定した 公式的な側面を ぃ. 組織の各. 部門間の関係は 権 限を基礎として 調整されてい. 対応を迫られている 領域への参加とに 分類する ことができる。. ような要素から 構成されている 湖 。. ︶ め︶ 幼︶ 乙. ,製品の安全性などのように 企業の経済的機能 の 遂行によって 社会に負の効果を 与えたために. こうした製品一市場戦略. 海外戦略. ( 海外における. ( 事業範囲の確定. ),. る。. 組織構造とそれをワークさせる 過程は次の. ①部門の分化基準 ②部門間の接着剤としての 権 限・責任システ. 事業の確定 ), 社会戦. ム. ③部門間の権 限,システムを円滑にするための , 清報. システム. 22). Stopford & Wells, 0中 Ct., R. Ackeman, oタ cit.,衣笠,前掲書 。 23) cf. A. Chandle,, op. c わ ・,邦訳,p. 29 24)@ J Galbraith@ &@ D , Nathanson , op cit , ch , 7 , また H. Minzberg, Str は仮 ning れ o/ Or ぎa ん ・. ・. ・. ・. ・. zation. , P ,H ,. 1979.
(6) 146. 横浜経営研究. 第1巻. ④部門間の水平的関係の 統合を促進する 機構 ( 統合機構 ) ⑤企業の目標を 設定しそれをコントロール する計画・統制システム ⑥個人の欲求と 組織の目標との 統合を図る報 酬 システム. の従業員の採用・. これらの要素は 組織において 統合された全体 (Integrated Whole) として存在し , 諸要素の 組み合わせにより ,組織内部における 統合と自 主位のディレンマが 解決される。 組織構造の決定は 事業部 制 ・職能 制 ・マトリ ックス形態などという 企業全体の構造の 決定に とどまらない。 全社的立場から 行われる新しい ( スタ. 2. 号 (1980). 係 が形成される。 組織間関係は 組織内部のよう に権 限によって調整されるわけではなく ,資源 依存による力関係 ( それにもとづく 合意 ) によっ て調整されている れ 。 したがって企業は①自ら. の自律性の確保②自らの 支配の拡大をめざし , できるかぎり 利害者集団に 対する依存を 回避. 昇進・配転・ 教育などの人. 事管理システム. 部門. 第. ,フも含む ) の設置,統合機構であ. る新たなプロジェクトチームの 編成なども構造 決定として含むこと Vこしたい 劫 。 したがって,. 海外戦略の発展にともな 5 国際事業部の 設置, 社会戦略を遂行するための 社会的責任対策室の 創設も決定事項として 含まれることになる。 ま た企業の海外戦略の 展開は海外子会社の 設立・ 増加を意味する。 したがって,構造としての 側 面からとらえれば ,国際企業は本社と複数の 国 籍 をもつ海外子会社から 編成される企業グルー. し利害者集団から 自らへの依存を 拡大しよう とする。 企業が利害者集団との 依存関係を処理 する戦略には ,依存の操作そのもののちがいに より, 3 つに大別することができる ,。'。 ①依存. そのものの吸収・ 回避をめざす 自律的戦略②依 存そのものを 認めた えで利害者集団との 直接 的調整を追求する 協調戦略③依存関係が 当事者 レベルではなく 第三者によって 間接的に操作さ れる政治戦略がそれであ る。 ぅ. したがって企業は 自律性志向と 他への従属性. 志向とのディレンマのなかで ,利害者集団との 関係を構造化していく。 最高経営層の 重要な意思決定であ る組織構 造 ,組織間構造の決定は企業にとって 相互補完 的な側面と代替的な 側面を合わせ 持っているこ とを指摘しておぎたい。. (3) 経営成果 経営成果は企業全体の. 目標達成度,企業の 成. プであ る。 したがって本社機構の 編成ととも. 功・失敗の尺度であ る。 したがって経営者が 経. に,本社 一 海外子会社関係の 分析も重要なテー. 営成果を評価することは ,企業があらかじめ設. マとなる。. 定した目標が 達成されたかどうか , またどの 種. 組織構造が企業内部の 部門間・個人間の 調整 メカニズムとするなら ,組織間構造は企業と利 害者集団との 関係を調整する 機構に他ならな い,㊤。企業は存続していくためにほ 資源を保有. 度 達成されたかどうかの 判断に他ならない。 企 業はこうした 業績評価に よ り,将来における 戦 略・構造の修正を 導くのであ る,。 '。. 経営成果は利潤 ( 率 ), 売上高,投下資本収益.
(7) 戦略構造成果,ラ ダ イム. 率などで表現される 経済成果だけでなく・ の. ノ. ン " 一の満足度・モラールのような. 企業 人間成. 果,企業の社会的業績を表わす社会成果から 構 成されている。 以上,われわれは基本概念であ る経営戦略,. ( 山倉健嗣 ). 147. れぞれ明らかにした "' 。 それとともに ,. 戦 mを一. 構造関係。こついての理論研究も 推進された。. ウ. リアムソンの「市場と 階層」, マイルズ & ス. ィ. ノウ による 適 応 . サイクルの発想などはその 例と いえる,2) 。. 構造, 成果について ,検討を行ってきた,つぎ. 以上の流れをふまえ ,理論的・実証的に展開. のテーマは戦略 一 構造一成果関係を 明らかにす. してぎた戦略 一 構造一成果関係について ,現時. ることであ る。 しかし個別にとりあ げた経営戦. 点 における到達点を 明確なものとしたい。 そこ. 略の規定田やその 形成過程を検討するのではな. でわれわれば 戦略 一 構造一成果関係について ,. く. ,むしろ個々の戦略の共通性に. 注目し次節. 以下で,経営戦略一 構造一成果関係をめぐる 議. その展開をしくっかの 課題に分けて 整理するこ. とにする。. 論を展開することにしたい。. 第一の課題 は ,経営戦略と構造との適合性に あ り,戦略に適合した構造の索出にあ る。 それ. IV.. と 関連し,戦略一 構造の適合性と. 戦略 一 構造一成果関係. 経営成果との. 関係も含む。 すなわち,高い 成果をもたらす 戦. 前節。こ よって定義された 経営戦略,構造,経 昭一構造関係を 発見することであ り,戦略一構 営成果の相互関係について 考えることが 次の課 造 関係がどのような 成果をもたらすのかという 題であ る。 本節と次節において. S 一 S 一P " ラ. ダイムの主要内容を 示すことにしょう。 「戦略と構造」に 関する研究は , によって, 「構造 は 戦略に従. う. 課題であ る。 この課題は組織のコンティンジェ 、/ シ 一理論によって 積極的。ことりあ げられた テ. チャンドラ一. (Structure fol-. 一. %に他 ならなかった り 。. 第二の課題は ,経営戦略と構造の因果関係に. Iows strategy)」という命題が 提示され, 戦略. かかわっている。 周知のごとく ,. 一 構造関係についての 端初が 与えられた。 その. は ,環境変化づ 環境の知覚 づ 新しい経営戦略の. 対象領域の拡大であ. 後の一つの展開方向は. っ. チャンドラー. 策定づ C 管理問題の発生 ) づ業績低下づ 新たな 組. た。 すなわち, 国内企業を前提とした 戦略 一 構. 織 構造の設計 づ 業績回復というプロセスより. 造の分析はスト ,プフォード &. 構造は戦略に 従. ウ ,ルズ, フ. う. ,. という有名な 命題を導ぎだし. ランコ わ によって,多国籍企業の領域へ, アッ. たが, この因果関係がはたして よ いのかどうか. カーマンによって 企業の社会戦略と 構造という. については問われなければならない。. 領域へ拡大していった 30)。 また, アメリカ,そ. 第三には,企業組織は段階を通じて 単純な形. の他の国々において ,戦略一 構造一成果関係に. 態からょり複雑な 形態へと変遷して い くことで. ついて, 多数の組織についての 実証研究が推進. あ る。 したがって企業組織の 発展段階の説明が. されたのも一つの 展開であ った。 ルメルトは, 戦後アメリ ヵ の大企業の多角化戦略一組織構造 一 経済成果の関係をまた ,. 31). シャノ ン は戦後イギ. て. 32). 多角化戦略と 事業部 制 採用との時間的ずれをそ. ・. 33) 30)@. cf Stopford@&@Wells,@. oft , cit ,@ Franko. ・. 戸e はれ. Ackerman. ・. ルぬん研こ fto れ 0 ね , Greylock ・. , op. ・. cit. ・. , Euro-. Preg, 1976,. ・. ・. リスの大企業の 経営戦略と組織構造との 対応関 保を, フランコは ョ一 ロッ " 大陸企業における. Rumelt, p力 e 尭・, D. Channon, T んhie 3% Ⅰ切花 君ノ St7,zzczぴ re o/ B ㎡九$ん E れ 加ゆ Hse, 1973, L , Franko , "The@ Move@ Toward@a@Multi , Divi sinal@ Structure@ in@ European O ganlZalonS " t" " , A. S. Q, 19, 1974, pp. 493 一 506 O. E. vⅤ 汀 Ⅱ amson, 八グ 巳 Ⅰ ゐ ef5 乙れイ H わ乙ぽん佗s, Free@ Press , 1975 , R Miles@ &@ Snow , op , cit. はれ イ. 組織のコンティンジェンシ 一理論については , & Lorsch, OTgぎanizatio れ an ピ E 卍 が ro れ笏e れ t, Harvard Univ. Press, 1967, 参照. Lawrence. のこと。.
(8) 148. 横浜経営研究. 第 1巻. 第 2 号. (1980). 課題として設定される。 これが企業の 継特約・ 長期的分析を 意味することはい までもない。 第四の課題は 企業組織の移行過程の 分析であ う. る。 企業組織があ る段階から次の 段階へなぜ のようにして 移行するのかについて 問 い. う. う. ど. ことを. 。 それは第二,第三の課題と密接に 関連し. ている。 われわれはそれぞれの 課題にっ L.、 て解決のた. めの提案を行わなければならない。. 第一の課題. のとり組みに 比べて,それ以外の課題について は積極的にとり 扱っていないのが 現状であ る。. そこで本節では 最も議論が展開されている 第一 の課題をとりあ げ,次節において,企業組織の 発展段階を中心として ,戦略一 構造一成果の 因 果 関係,企業組織の移行過程について 検討する ことにしたい。 経営戦略と適合した 組織構造。こついての議論. は垂直的統合戦略一集権 的職能 制 ,製品多角化 戦略 一 複数事業部 制 という形で,経営戦略と 企 業 全体の枠組みとの 対 .C 関係の研究から 始まっ た。 ついで組織構造 ( 組織の公式的側面 ) を構 成している諸次元であ る,計画・統制システ 図4. ム,報酬システム ,人事管理システム,統合綴 構 と経営戦略との. 適合関係を発見していった。. は ,チャンドラロ. ゴツ ギ ン らによって示唆が. また組織構造を 構成する次元は 単独で存在する. 与えられていることを 指摘しておくにとどめ. わけではなく ,他の次元と相互に関連してい. る,6). る。 したがって,組織構造の 設計は経営戦略と. 組織構造次元の 適合性,構造次元間の適合性を. 以上の考察. よ. りわれわれは ,経営戦略とそれ. はかることにあ った。 こうした戦略と 構造との. に適合した組織構造から 構成される組織形態を 索 出することができる。 組織形態の基本形 は 単. 適合性が高成果をもたらすと 考えたからに 他な. 純形態,集権的職能 制 ,分権的複数事業部 制 ,. らない。 したがって経営戦略一組織構造一経営. 持株会社形態であ る。 次節において ,. これらの. 成果関係は次のように 図示することができ 35) Chandler はデュポンにおける 分化と権 限シス. る 34)。. このよ引こ,一定の成果をあ げるためにほ , 戦略と適合した 構造諸次元を 発見することが 必. テムの設計からはじまり ,情報システムなどの 設計にいたるプロセスを 描いた 0 また Gogg 泣. 要 であ るが,戦略と 構造次元との 複合的適合性. 織の採用と適合した 計画統制システム ,報酬シ ステム,人事管理システム ,統合機構の導入過. をどのようにして 獲得していくのかという. プロ. セス の解明も重要であ る。 この問題について 3%). GaIbraid Ⅰ & Nathansan,. o中. ・. として私なりに 再構成した。. cit,,p,96,. を 中 , L). はダウニコーニンク. 社におけるマトリックス. ,組. 程を描いている o A. Chandler, 坤 ・。れ, ; W.. Gogglns, "How. the Multl.DlmenslonaI Struc.. tureWorksatDow.Cornlng", Had の ar ガ Buぴ siness Re ㎡。w, 52, 1974, pp. 騒円 5..
(9) 戦略構造成果,ラ ダ イム. 組織形態の意味,それを構成する諸特性,諸特 性間の適合関係が ,企業の発展の議論との関連. ( 山倉健嗣 ). 149. で示されることになる。 したがってここでは ,. 係の分析にとどまらず ,時間の流れの中での企 業の経営戦略と 構造の変化に 注目しなければた らない。 こうした企業の 発展を明らかにするこ. 経営戦略とそれに 適合した組織構造の 適合性の. とほ企業の生成・ 発展・変質・ 衰退というサイ. 意味を確認するにとどめたい。. クルに焦点をあ てることを意味する。 この テ一. しかしこのモデルにはいくつかの 留意点があ. て は企業および 企業社会の生成・ 発展・変質を. る。 その一つは組織構造に 影響を与える 要因が. 対象とする企業論にとって 不可欠な課題に 他な らない。 本節でほ,企業がより単純な形態から. 経営戦略に限定されるものではないことであ る。 従来の研究では ,生産技術 (J. ウ,ドヮ 一 ドリ,規模. &. 、/ ズ. て. アストンバループリ ,環境 , 一 く. スト一カ. づ ,市場状態. てフ,フ ,一. 也Ⅰが組織構造に 影響を与える 変数として指摘. 複雑な形態に 変化していく 姿. ( 企業の発展 ). に. 注目しそれと 関連して企業の 移行過程につい ても論ずることにしたい。 で は 企業の発展とは 何を意味するのだろう. されている,。 , 。 第 2 に,経営成果の規定 因 ぼこ. か。 発展とは企業の 規模,年齢・ 売上高の増加. こでとりあ げた組織構造というよりも ,部門間. とする見方があ る。 しかしこうした 量的基準で. 』. ヮ. 一やコンフリクト 解決様式という 組織の潜. は 企業の質的変化を. 把握することはできない。. 在構造ではないかという 指摘であ る。 この点は. そこで,われわれは,企業の形態変化に着目. 日本企業の実証研究にもとづき ,加護野 によっ. し 最高経常層の 重要な意思決定であ る戦略と. て提示され だ ⑰。 われわれは組織の 公式的側面. 構造を重視する 立場から, 「戦略 一 構造関係の. にとどまらず ,組織風土といった潜在的側面を モデルに組みいれる 必要があ る。. 変化」を企業の. 発展と考えたい ,。, 。. なぜなら. ともあ れ 第 Ⅱ節において 提起した問題辞のう. ば,変動する環境に対処するための 経営戦略の 策定は企業自体にとっては 新しい多様性 ( 刺激 ). ち,第3 の問題であ った,「企業にとって,一. を付け加えることであ り, これに対応するため. 定の成果をもたらす 戦略・構造とは 何か」につ. には,従来とは異なる組織の 分化と統合の 枠組 (組織構造 ) を選択することになるからであ る。 「企業の活動領域とそれに 対応した分化と 統合. いて従来の研究をふまえ ,整理したわけであ る 38). O. の仕組み」。 。 ' の 変化が企業の 発展に他ならない。. V. S 一S 一P. 企業組織の発展段階. 』ラダイムの. 全体像を描くために. は ,一時点における戦略 一 構造一成果の 適合関. 36) J. Woodward, Burns&. Industrial OrganjzaHon, 1665,. StaIker,A@ao. れ agem. れ名 後 tn/. Tav おtock, 1961, L S.Pugh. Ⅰれれ ova お0 れ,. Conceptual Scheme for Organizadonal AnaIys た A.S.G v0 几 8, pp. 289 一 316. J. Pfe Ⅱer & H. Leblebici, "The E Ⅱect of Compet 而 ion on Some Dimensions of Organizational Struc. ture", ぢ㏄ 肋 月。ばの, 52, 1973, pp. 268-79. し. et ㎡・,. "A. ㌧. し. Ⅰ. したがって,企業の 発展段階は経営戦略と 組織 構造から構成される「組織形態」 (OrgmnzatioⅡ 乃つ es) の変化として 描くことができる。 しかし企業の 形態変化はスムーズに 連続的に 累積的に行われるわけではない。 企業の形態は. 一定期間パターン 化し固定化している。 そこで 企業の形態を 変化させるためには ,危機の時期 を経過しなければならない。 したがって企業 は. 比較的安定した 進化の時期と 急激な革命の 時期 39) 企業の質的変化を 表わす他の方法としては ,生. 37) 加護野忠男『経営組織の 環境適応」, 白桃書房,. 産技術,所有形態,製品, く 体制 ノ などがあ. 1980 ,を参照のこと。 38). その他の重要文献に , J. Hage, Theorics が 0 ㎎4%izatio ぬ , WiIey, 1980 ,がある。. 40). る。 これは企業組織の 編成原理ともいってもよいで あ ろう。.
(10) 150. 横浜経営研究. 第 2 号 (1980). 第1巻. の 交替のなかで 変遷していく。" 。 この ょぅァこ 企. 業の発展はスムーズな 連続的な変化ではたく , 突然で不連続な 戦略 一 構造関係の変遷に 他なら. 0 持株会社形態 一無 関連的な複数製品,実質的 に独立した企業から 構成され,それぞれの 日 常業務を遂行する 単位であ る企業は自立的で. ない。. あ り, こうした自立的単位が 戦略的決定をも. 形態変化に基づく 企業の発展段階のモデルは チャンドラ一の 業績をふまえ , て, ステージ 1. テージⅡ. ト. によっ. ( 単一製品・単一職能企業 ) ス. ( 集権 的職能 制 ). 品事業部 制 ). スコ ". という 3. ステージⅢ. 0 複数製. 段階モデルが 提示され. た 。 その後の研究は 組織形態として ,持株会社 形態や地域事業部など 他の形態を付け 加える方. 向で発展するとともに ,海外戦略と 結びつげ て, 国際事業部をもった 複数事業部 制 ,. 担当し , 主として金融機能を 担. グロー. バル形態の提示が 行われた 朗 。. がも. う. う. 最高経営 層. げられている。. また,企業の海外への地域的拡大を 重視し 国内型 (Domestic Form), 世界志向型 (Gl0bal Form) とに分類する。 0 国内型 : 戦略,構造とも国内的視野にもとづ いて形成されている 形態 0 世界志向型一戦略が 世界的視野にもとづ い て 形成され,組織の仕事が世界規模で 分化さ れ,それぞれに分化した単位は 国内活動と海. こうした検討をふまえ ,段階を表現する組織 形態は組織の 根本的変化に 注目し次のように 分 類することができる。 3)0. 世界的視野に 立って企業を 運営していく 経営. 0 単純形態 一 単一製品 ; 単一機能企業. げられている。. 0 集権 的職能 制一 単一製品 ; 組織の仕事は 職能 で 分化され,それぞれの職能に専門化した 部 門がおかれ,部門間の調整・補助するために 最高経営 層 ,スタッフが設けられる。 0 複数事業部 制一 複数製品 ; 組織の仕事が 単位 別 ( 製品,地域など) に分化され,それぞれ の事業についての 日常業務を遂行するために 必要な権 限・責任を与えられている 事業部が おかれ,事業部間の資源配分,経営戦略に専. 以上により,組織形態の基木型として ,国内. 念する最高経営 層と 事業部に対して 助言と サ 一 ビスを行. う. 本社スタッフがもうげられてい. org Ⅹ @ f ほろ n. 4 Ⅰ. る。. Hao 穏 4% Business Revicw, 1975. 42)@ Galbraith@&@ Nathason , op cit , , ch 8.@ @fi@o ・. ・. 外 活動との有機的連関を 重視して運営され , 者と助言サービスを 担. 5. 本社スタッフがも. う. 単純形態,国内集権的職能 制 ,国内複数事業部 制 ,国内持株会社形態,世界志向型集権 的職能 制 ,世界志向型複数事業部,世界志向型持株会 社形態を索出することができる。 各々の形態は 組織の構造次元を 表わしているのみならず ,そ こから生成する 価値観・行動様式をも 表わして いる。 組織形態 は ( 表 -% のような特徴をも つ '。 '. われわれは,企業の発展を組織形態の 変遷 と してとらえ,組織形態についての 考察を行って きた。 また企業のあ る段階からあ る段階への変 化はたとえば 集権 職能制から事業部 制 へという 形態変化ゼ こ他ならない。 そこで,企業の発展段 階のモデルをジェイ・ガルブレイスの り. 所説によ. 提示することにしたい 45)(図 -2 コ。. 43) この分類では ,地域別事業部制 と製品事業部別. このモデルの 第一の特色は 出発点として 単一. は 分化の墓 準が 「単位」であ り,統合のメカ 二. 製品・単一職能の 単純形態を設定し 新たな多 様性をもたらす 経営戦略の策定に 適合した構造 選択により, より複雑な組織形態へ 発展してい. ズムも同一であ ることに注目し ,同じ事業部制 としてとり扱 う ことにした。 また国際事業部を もった事業部 制は 一つの形態としてはとり 扱わ なかった。 なぜならば,たとえ ,国際事業部で あ っても企業に 対してほ国内事業部の 付加とほ ぼ同じ影響と 考えたからであ る。. 44)@ Galbraith@ &@ Nathanson , op , cit ・, 45) Galbrai h, iみ fみ㌧ p. 15 と. Ⅰ. p,. 118.
(11) 戦略構造成果 " ラグィム 表 1. 経営戦略. ⑤. ③. 蕊ぞ. $. 絶. 学 -- 製品. 職. 単. 能. 興. 一. 単位間関係 市場関係. 組織形態の基本型 ⑧. 制. ,ロ, 。ロ " ロ". ⑭. 複数事業部. 持 株 会 社 lU. Ⅱ. Ⅰ. 垂直的統合. 151. ( 山倉健嗣 ). 取得による成長 無 関連的多角化. 回申中中. 関 連 ・. 制. 型多角化. (内部成長 十 取得 ). ⑥ グローバルー⑰ 複数の国々における. 複数 製 ,,. 国回回 ・. 職能. 集権 的職能. 制. 分. 権. 小. 研究開発. 制度化され ていない. 個人的接触 主観的. 新しい製 ,,のための. 制度的探索. コスト,生産性に もとづく非人格的. 投下収益率,収益性. 投下収益率,収益性. 投下収益率,製品ごと. にもとづく非人格的. なものの増加 主観的. nt,,価. にもとづく非人格的 評価に全体への 貢献. 国別に適合した 利潤の ような多元的目標によ. 度という主観的要因 を加味. る非人格的評価. 能. 専 門 家 一戸. 職. 能 横. 断 的. ただし,事業部内. 一 現金報酬 職. 能・事 業 横断的. 音 仏氏@. 職能横断的ジェネ. 権). 子会社間 本社一 チ 会社間の移動. 戦略決定のトップ. 既 作事業内の業務・. 業務の委譲. 業務の委譲. る 戦略的. コントロール. 戦略の完全委譲. 成果による間接的コ. 成果による間接的コン. 業務的決定 0 人格的 コ. 事務,計画策定. 成果による間接的コ. ントロール. 手続の委譲. ントロール. 既存事業内の 戦略の. 各回や既行事業内の. 経営者選択. 若干の委譲. 略の委譲. アによ. シトロール. 所有者の欲. 米村企業 の 欲求. 度 度度の 策 、 7 程 百列 の 白糸. 戦略的選択 事項. 事業部間. 本社一事業部間の 移 動. ラリスト. リータ。 -様 式 と統 %@J (分権 / 集. 礎 基. 職. 標. 一一株式報酬. 自存 両賞 什た. 礎 をおく. 賞ぢ ,ただし⑨より. 九 %. は 主観的. 杓 い. 摂誠心に基. 多を. い係. 利潤に基礎をおいた. 門家. (製品/ 地域). ための制度的探索 一一中央の指示. 投 -ド 収益率あ るいは. 単一職能 事. ブロフ 仁;, トセンター. 新しい製品・ 改良の. と関 童の. 歴. 部. 収益率による 公式に もとづく賞与. 家族主義的. 経. 本. 世界規模での 分権 的. ための制度的 探 系 一分権 化. 性巣 加. 非体系的. lJ). 新しい製品・ 改良の. 生っの. 酬. な. . C. 月. 良をめぐって 制度. 産た増. 報. さ. P. ノ. 製品・プロセス 改 化. 業績評価. 的. (製品. @. 単 @. 権 ︵ 分. 組織構造 (狭義の ). Ⅰ・回し回回. 資本調達. 多様化の程度 事業の型 取得目標 事 茉への 参 人と退出、. トロール 戦. まだ,政治的委任 個別事業の資源配分 事 漿への琴人と 退出 戊辰 率. ・事業,投資回の横断. 的な資源配分 ・事業,進出国への参. 人と退出 ・所有の程度,投資国 へのコミットメント. の型.
(12) 152. 横浜経営研究. ヒヒ 単 単 純 Ⅰ. ブレイスの所説により 検討してきた。 しかし 企業があ る段階から次の 段階へ発展していくと いう姿は明らかになったものの. ,. あ る段階から. 次の段階への 移行過程についてほ 何も明らか vこ なっていない。 そこで企業の 発展段階についての 議論を豊富 なものとしていくためには ,企業組織の転換過. 程の説明を行わなければならない。 われわれは 経営戦略策定過程とそれに 対応した組織構造形 成過程の分析を 必要としている。. 型制. キ手世時. 量的拡大. 第 2 号 (19㏄ ). 第1巻. 本稿では,組織構造形成過程に焦点をあ てて. 論ずることとしたい。 もちろん経営戦略策定 過 理分折の意義を 無視するわけではない。 この構 造形成過程の 分析は組織の 継特約分析を 意味 し,組織論のフロンティアを構成している。" 。. では, なぜ企業は新たな 組織構造の選択を 必 要 とするのであ ろうか。 この構造変革への 契機 は 一般的には一定の 要求水準以上に 達成してい. 。 ら走 あ向ょ 職制ごい て る れ. た経営成果が 既存の組織構造では 達成できない ときに 他 ならない 蝿 。 そこで組織構造転換過程. は経営者が低迷する 業績をょり よ い業績に是正 していこちとする 主体的努力の 過程であ り,要. 求水準以上の 経営成果を達成する 組織構造を発. 見していく過程に 他ならない。 また組織がさま. ざまな利害をもつ 権 力集団の ネ, トワークでも. あ ると考えるなら ,組織構造転換過程は既存の. 組織構造とわかちがたくむすびついている. 構造. ( 部門間の. 権力. " ワウ ,ランス) を崩し,既得. 権 や利害関係に 重大な影響を 与える。 そこで組. 織内の各主体はできるかぎり 一. 自らの利害・ " ヮ. 望んでい. を維持・拡大する 方向の再編成を. る。 したがって組織構造転換過程は 主体間の利. 害対立と調整から 形成される組織の 権 力構造の 転換過程でもあ る。。 , 。. はを の わ 線 能 6 4. こうした性格をもつ 組織構造の転換はどのよ. 47). 48). 49). cf. W. M. Evan, ed,, Frro れ tie符肋 0 れ隻乙巌 zatinn a 後 み 五 れとれ aee 笏ピれ t, Praeger, 1979. J.C MarcH & H. A. Simon, O 乙ざa んzafio れこ, John Wiley, 1958, ch. 7. たとえば Stopford 8 WeIIs, op. お九 , 5, 参照。 Ⅰ. ・.
(13) 戦略構造成果 ". 153. ラ ダ イム ( 山倉健嗣 ). 転換を説明する 要因について 体系的に提示され. 策の設定をいう。 したがって権 力の制度化によ り,権力保有者は自己に 有利な方向へ 構造を形. ているものはない 50)。 したがって本稿の 説明は. 成することができる。 しかし権 力の制度化は 権. あ くまでも試論的なものであ る。. 力保有者をして 組織目標。こ対する貢献よりも. う. に行われていくのだろうか。. しかし組織構造. われわれは何よりも 組織構造変革が 組織内覚. 自. らの存続のために 権 力を拡張するという 逆 機能. の 諸制約のなかで -行われる最高経営層の 選択で. をもたらすこともあ る。 組織構造転換の 方向と. あ ることを強調したい。 そこで,組織構造転換. 速度は組織におけるインターナル・ポリティッ. の方向・速度を 規定する第一の 要因は最高経営 層 の問題認識 (Attention), 経歴, 理念であ. クスにも依存している。. る 。 まず組織構造転換はどのように 組織の欠陥. る。 しかしこれらの 要因は 模 ,技術,環境であ. が認識されるのかに 依存している。 最高経営者. く影響されている。 また最高経営者が 抱く組織. それ自体構造選択に 影響を与えるというより も,経営者の選択を媒介として 影響を与える 要 因として考えておきたい。 組織構造転換過程は 以上の要因に 規定されな がら,①新たな組織構造の必要件の 認識,②組 織構造についての 代替案の発見と 分析,③新た. 改革についての 理念も重要な 要因であ る。 彼ら. な組織構造の 選択という段階を 通じて行われ. が明確な理俳をもてばもつほど ,構造転換は促 進 されるであ ろう。 また最高経営 層 がどのよう. る。 しかしながら 組織の移行過程における 経営 戦. な経歴の人間であ るかどうかも 考慮しなければ. 略 ,組織構造,成果の 関係 は 経営戦略の策定 う. ならない。. 業績低下づ新たな 組織構造の選択づ 業績回復と. がこうした欠陥を 認識するのに 必要な時間的余 裕があ るか, また欠陥を「組織問題」としてと らえるのかどうか ,彼らを援助する情報システ ム ( その担い手も 含む ) があ るかどうかに 大き. 第. 3. の要因は状況要因であ る。 状況要因は規. 第 2 の要因は組織内部の 権 力構造であ る。 す. いうような単純な 関係ではない。 そこで企業の. でにのべた よう に組織構造転換は 既存の権 力構. 移行 期 における経営戦略 一 構造一成果の 複合し. 造を変化させる。 したがって, その転換によっ. た 関係に議論を 進めよう。 これらの関係は 次の. て 権 力を失. ように図示することができる 5,,。. う. 集団は変革に 対して強く抵抗す. 基準 ) をめぐって互いの 集団の利害が 相反する場合,. S-S-P の複合した関係を 上記の図に従って 考 えてみることにしたい。 そこで単一製品・ 集権. 集団間の交渉過程によって , 彼らの利害は 調整. 白. る。 また転換の方向. ( たとえば部門化の. 9 職能 制 組織であ る企業が新しい 戦略として 多. されることになる。 構造選択においてどの 集団 の利害が貫徹するのかどうかは①組織にとって 屯要 な問題の処理能力をどの 集団がもっている. 角化 戦略を選択、 しだという例をとりあ げる。. のか②権 力の制度化に 依存している。 ここでい. 制が成立しているならば ,業績を維持すること ができ る 。 この場合には ,構造変化への動機づ. ぅ. 権 力の制理化とほ 組織内の集団が 自らの影響. を有利なものとする 相対的に永続的な 構造・ 政 50) A . ChandlIer, Jr. の 4 社の事例, Stopford & W,ells, S. Allen, "Understandjng Reorganization of Djvisionalized Org.", Ac 材 em y oダ. も. し企業が既存の 市場にない新製品の 販売に よ る 一時的独占 やヵ ルテルなどに よ る市場競争の 規. 績. け はおこらない。 しかし市場における 競争状態 のもとでは, 経営戦略と組織構造の 不適合は業. 低下へ 導. @. では企業は業績低下に 対してどのように 対応. こ. 八. %. 枇留 e 援億 Ⅰ. よn ぴ れ切, 1979,. R . Ackerman,. op. cit., J. Hage, oP. cit., ch. 8, Pfe Ⅱer &. Salancik, oP . cit., などは参考となった 文献で あ った。. するのであ ろうか。 企業をひきいる 最高経営 層 は, ①複数事業部制の 採用,③専業化戦略への 51)@. Galbraith@. &@ Nathanson. , op . cit , ,. p , 141.
(14) 154. 横浜経営研究. 第1巻. 第 2 号 (1980). 段階 N 戦略 ". N 構造. 戦略 (N 十 l)の採用 段階 N+l 段階 N. 戦略 構造. 不適合. 市場における 安. 競争 状態. 定 的関係の成立 不適合ではあ. 業績低下. るが業績維持. N 十 Ⅰ構造 への変化. 業績回復. N 戦略 への復活. 業績回復. 段階 N+l. 段階 N での. での適合. 適合性. 境の形成. への影響力. 業績回復 一一不適合の 持 続. 最高経営 眉 間 の ポリティカルプロセスの 結果 図 -3. 復帰,②競争業者とのカルテル形成,流通網の 整備などの企業 一 利害者集団関係の 調整という. 三つの代替 案 のなかから選択する。 企業がどの代替案を 選ぶかは最高経営者間の パワーダイナ ,,クスに依存している。 この例. で ほ生産担当副社長などの 変革抵抗派と 若手で 多角化路線を 推進する変革推進派との 対立とし て 現われる。 どの集団の意志が 貫徹するかは 現 境からかせられた 重要な問題を 処理する能力と. 権 力の制度化に 依存している。 この ょう に図 3 ほ 次の点において 評価するこ とができる。. ① S ギ -P の複合した関係を 見事に描いたこ と。. ②業績低下に 対する企業の 対応として,経営 戦略,組織構造,組織間構造を 三つの代替 案 として提示したこと。 ③しかも三つの 代替案の選択が 最高経営 層の 権 力関係という 組織の内部過程に 依存して. いることを指摘したこと。. VI. 結 ひ にかえて われわれは, S-S-P". ラダイムという 企業論. の一つの概念枠組がいったいどういうものであ るかをモティーフとしながら ,その基本発想で あ るマナジリアル・パ 一. スペクティブ ,墓木概. 念 , S-S-P 関係,企業の発展などについて 検討. してきた。 特に,始祖であ るチャンドラ 一の 間 題意識を中心として , s-S-P. パラダイムの 主要. 内容を明らかにした。 マナジリアル・パースペ クティブによって 支えられた S-S-P. パラダイ. ムが 企業論を発展させるための 手掛りと考えた からに他ならない。 S-S-P" ラダイムを今後展開していくため. ひこ. は ,製品市場戦略の規定田,形成過程といった. より具体的なレベルにおいて 議論を進めるばか. りでなく,次のような点を明らかにしなければ ならない 02)。. 52)その他に日本的特質をどのようにくみいれるの かがあ る。 特に経営戦略,構造の 形成過程との 関連においてとらえる 必要があ る。.
(15) 戦略構造成果パラバ ィム. 第一には, 「企業の経営戦略・ 構造が他の事 象,社会にどのような影響を及 ますのか」につ ク. ( 山倉健嗣 ). 155. つの接近方法があ る。 第二には,所有・ 市場機構など 企業をささえ. いての研究であ る。 ①企業を社会の ; クロコス. る「制度」と 経営戦略・構造によってさざえら. モスと考え , 他の制度に同型のものを 発見する. れ だ 「企業行動」との 関連を明らかにすること. こと,②経営戦略・ 構造に支えられた 個別企業 の行動が経済,社会を変容していく 姿を描ぎだ. であ る。 内部組織の経済学,株式所有をめぐる 種々の議論によって 端祝 が与えられている。. すこと,③企業から社会への影響を 個別企業の 経営戦略・構造が 他企業・他の 制度へ d Ⅸ use して い くプロセスとして 分析することという 三. ( 横浜国立大学経営学部助教授. コ.
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