• 検索結果がありません。

新人看護師の職場適応を支援する取り組み : Home Coming Dayを行って

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "新人看護師の職場適応を支援する取り組み : Home Coming Dayを行って"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

そのイ也

新人看護師の職場適応を支援する取り組み

- Home Coming Day

を行って-蔵谷範子1) 吉村恵美子1) 松本佳子1) 高野真由美1) 要 旨 本学では、新人看護師(卒業生)の職場適応を支援するための取り組みのーっとして、平成22 年度に初めてHomeComing Dayを行った。その結果、ほとんどの参加者が『参加の満足度

J

r

今 後の参加の意思』について、「とてもよかった

J

I

ぜひ参加したい」と回答した。また、アンケー トの感想・意見欄では、「皆に会えて、皆と話せて、話が聞けて良かった、うれしかった、楽しかっ た」の記載が多くみられ、その他に「また頑張ろうと思えた

J

I

リフレッシュできた、息抜きになっ たJ

I

もっと他の教員にも会いたい」などの感想・意見があった。 十分な成果を確認できるまでには至らなかったが、同期と集う機会を提供する場としての意味 を見出すことができた。その活動を紹介するとともに、看護基礎教育施設が行える新人看護師(卒 業生)の支援について考えたので、報告する。 キーワード:新人看護師、職場適応、支援、教育機関

はじめに

平成22年 4月に、「新人看護職の卒後臨床研修が 努力義務化」された。新人看護師の離職については、 看護界全体でもその原因や対策について継続的に取 り組まれている。また、新人看護師の技術不足や事 故への不安等の状況への対処として、新たに看護研 修制度についても検討されてきている。本学卒業生 においても、就職後うまく職場に適応できていない 状況や退職に至ったものなど、少数ではあるがいる ことを伝え聞く。 新卒看護師の支援に関して、大久保1)は新卒看 護師のストレスに対して「行われているサポートは 主に{新卒採用時オリエンテーション>(卒後研修} 《プリセプター制度》の

3

つであった」と報告して いる。また、日比野ら2)は、「卒後支援として大学 に期待すること」として、「転職、再就職情報

JI

卒 業生ネットワーク

J

I

看護トピックスに対応した研 修

J

I

メンタルサポート」が主な内容であったと報 告している。 本学では新人看護師(卒業生)の職場適応を支援す 1)川崎市立看護短期大学 るためのーっとして、平成22年度に初めてHome Coming Dayを行った。これは、日比野らの「卒業 生ネットワーク」を作る・広げることに繋がる。十 分な成果を確認できるまでには至らなかったが、そ の活動を紹介し、看護基礎教育施設が行える新人看 護師(卒業生)の支援について考えたので、報告する。

1

l

H

ome Coming Day

J

の企画 1. Home Coming Day開催の計画

1)実施目的

本企画の目的は、新人看護師(卒業生)の 職場適応を支援することである。そのため、

l

H

ome Coming Day

J

では「ほっとできる、 皆と語り合える、大変だけど頑張ってみよう と思える、元気が出る」ことを中心に置き、 計画案を検討した。

2

)

実施時期・時間 実施時期は、新人看護師が体験する困難や 離職を考える時期などの文献3)4) 5)を参考に、 7月、 10月の開催を計画した。また、開催時 間は、当日日勤者以外は参加できる時聞を考 え、 11時開始とした。 q a 可 t

(2)

3)具体的な実施計画 第l回目は、入職後3ヶ月日にあたる6月 に開催案内を通知し、参加者を募った。7月 9日(土)に第I回目を計画した。開催場所は、 互いの物理的距離を近くできるよう、参加者 に比して少し狭い部屋を準備した。開催案内 通知は、在学時の連絡先 (メーリングリスト) を用いて行った。連絡手段に在学時のメーリ ングリストを用いることについては、案内通 知にその旨記載した。教員にも開催を案内し た。 当日は、簡単な部屋の飾り付けを行い、ま た、飲み物と軽食を準備することとした。進 行の大まかな案として、主催者の簡単な挨拶 のあと、歓談、 近況報告、その後は自由に歓 談を行うことを計画した。さらに、お土産と してメッセージカー ドを用意した。 写 真1 蜘 山3

u.ω ,. ゐe如意.傘.... ω 平成 22年度はじめての実施であり、その 効果を知ると共に、今後、本学の果たす卒業 生支援の役割について考える資料を得るl

として、簡単なアンケー ト調査を計画した。 アンケー トの内容は、 (1)参加して良かっ たかどうか (4肢択一)(2)今後の開催時 に参加しようと思うかどうか

(

4

肢択一)(

3

)

当日の感想や意見、である。 第

2

回目は、

1

0

3

0

日 (土)を予定した。 入戦後6ヶ月目にあたる9月に開催案内を通 知し、 参加者を募った。開催案内を通知方法 は、 l回目と同様の方法の他、前回出席者に はl回目に了解を得ている住所やメールに連 絡を入れるとともに、連絡先のわかる同級生 には連絡してもらうよう依頼した。 具体的な実施計画は、概ねl回目と同様に 計画した。

E

施結果

l

l

回目

Home

Com

i

n

g

Da

y

(平 成 22年7 月9日)の状況 事前 に 参加する旨連絡があったのは11名 だったが、当日は総勢 24名となった。卒業校 の所在市、県はもとより、県外からの出席者も あった。また、夜勤明けや夜勤入りでの出席者 も複数いた。来校した卒業生たちは、まず玄関 フロアに掲示されている同級生たちのそれぞれ の職場での写真と近況報告などのメ ッセージ (当該施設からのもの)にかなりの時間立ち止 まり、懐かしんでいた。ある桂度の人数が集まっ たところで会をはじめ、歓談しあった。 近況報告では、それぞれが、自分の今の状況 を「覚えることだらけで大変なんですけど毎日 楽しく器械出ししています

J

r

子供の泣き声と かで、すごく大変なんですけど、夜勤も始まっ てもうすぐ一人立ちって言われてます

J

1

1

か らもう全部初めてだらけなんですけど、なんか ちっちゃい子に癒されて、すっごいかわいいで す

J

r

結構焦りつつ 、すごくうれしかったこ とは、摘使はだれにもできないくらい上手って いわれて、何かありましたら私やりますので」 といったように、困難な状況とともに成長やポ ジティブな気持ちを合わせて報告していた。「や めたいとは思いますが、

J

r

常にやめたいって 言ってるんですけど、 j という報告もあったが、 それらの言葉に「これからもがんばりたいと思 います

J

r

何かがんばってやってます」と続い ていた。また、各自の発言に対し、 たとえば前 述の「常にやめたいって言ってるんですけど、 何かがんばってやってます」には「続けてくだ さい」と、また r(予備校で)勉強頑張ってるっ ていうことで」には「がんばれ」というように 参加者から発言者に合いの手が入る場面がいく つか見られた。ほとんどすべての卒業生が「が んばります

J

という報告をしていた。近況報告 の内容を録音すること、および録音内容を実践 報告等で発表することについては口頭で了解を 得て行った。11時開始し2時間程度を考えて いたが、歓談が続いた。最後に記念写真を撮り

(3)

写真 2 お土産を手渡し、在校生や同期生に向けたメッ セ ー ジ カ ー ドと連絡先をかいてもらい、

1

4

時 ころにひとまず閉会した。終了時に、アンケー ト調査への協力を依頼した。調査にあたっては 使用目的 ・方法と共に、研究協力は各自の自由 意志によること、 断っても不利益を被ることは ないことを口頭及び文書で伝え同意を得た。ま た、会の中で撮影した写真の使用についても同 様に了解を得た。 終了後も複数人が残って歓談し最終的には 4 時過ぎに終了した。教員は4名(協力教員)が 参加した。 後日、当日の参加者と参加予定者で当日参加 できなくなった卒業生に、当日の様子を簡単に まとめた便りと集合写真の写しを郵送した。

2

.

2

回目

HomeCom

i

ng Day

(平成

2

2

1

0

3

0

日)の状況 当初の計画に沿って、また l回目の結果を受 け、軽食をカレー作りに置き換え、ほほ同様の 内容で計画した。しかし、当日は台風の接近に 伴う警報の発令で、君、遠開催を中止した。在校 生l名 を 含 む4名 ( 卒 業 生3名は前回出席者) が集まり、 11時 ~4 時ころまで歓談した。 開催中止にしたため、アンケート調査は行わ なかった。

3

.

1

回目終了後のアンケー ト結 果 1)参加の満足度 21名から回答が得られた (回答率87.5%)。 結果は表lのとおりである。20名が「良かっ た

J

1名が「まあ良かった」であった。 表1 参加の満足度 問l 今日は参加してどうでしたかり 該当するものにOをつけてください 項目 とてもよかった まあ良かった あまりよくなかった 全くよくなかった 2) 今後の参加の意思 数 20

n=21 21名 か ら 回 答 が 得 ら れ た ( 回 答 率 87.5%)。 結 果 は 表2のとおりである。 20 名が「ぜひ参加したい

J

1名が「まあ参加 したい」であった。 表 2 今後の参加の意思 問 2 今後またこのよう会を開催した場合、 参加しようと恩われますかワ n=21 項目 ぜひ参加したい また参加したい あまり参加したくない 全く参加したくない 3) 参加しての感想・意見 数 20

参加しての感想 ・意見は表3のとおりで ある。総 数28のうち、「楽しかった、よかっ た 」 と い う も の が17件あった。そのうち

9

件は

r

l

皆に会えてj また、「皆と話せて、 話が聞けて」良かった、うれしかった、楽 しかった』であった。 「また頑張ろうと思えた」が2件、「リフ レッシュできた、息抜きになった」が3件 あった。「もっと他の教員にも会いたい」 が

2

件あった。

考 察

1

新 人 看 護 師(卒 業 生)の職場適応の支援とし ての

HomeComi

ng

Day

の意味 l回目終了後のアンケー ト結果では、開催 及び再開催に対して、全員が「良かった・ま あ良かった」と答えている。感想・意見でも 「皆に会えて

J

I

皆と話せて、話が聞けて」良 かった、うれしかった、楽しかったとの答え があった。これらは、同感想・意見にある「ま た頑張ろうと思えた

J

I

リフレッシュできた、 -75

(4)

-表 3 参 加 し て の 感 想 ・ 意 見 間 3: 今 日 の 感 想 や ご 意 見 を お 書 き く だ さ い ( 複 数 回 答 ) . n=18 総 数 28 卒 業 し て し ま う と な か な か み ん な と 会 う 機 会 が な く な る の で 久 し ぶ り に 会 え て と て も う れ し か ったです. 違 う 病 院 に 行 っ た 子 と か に , な か な か 会 え な い の で 今 日 久 し ぶ り に 会 え て よ か っ た で す . 久 し ぶ り に 皆 に 会 え て う れ し か っ た . 久 し ぶ り に み ん な に 会 え て 楽 し か っ た で す . 久 し ぶ り に 会 う 人 も い た の で , す ご く な っ か し か っ た で す . 久 々 に 学 校 に 来 て , 先 生 や 友 達 に あ え て 学 生 時 代 を 思 い 出 し 楽 し か っ た で す . い ろ い ろ な 話 が 聞 け て 楽 し か っ た . 皆 と 話 せ た こ と , 先 生 の 話 を 聞 け た こ と が よ か っ た で す . 同 じ 病 院 や 同 期 だ か ら 会 う 人 も い る け れ ど , 学 校 で , あ ま り 会 え な い 人 と も 会 え て 近 況 報 告 し 合 えたのでよかったです。 そ れ ぞ れ の 仕 事 の 話 も 聞 け て 良 か っ た で す . と て も 楽 し か っ た で す す っ ご い 楽 し か っ た の で ま た や っ て ほ し い で す り 楽 し か っ た で す (2) 今 日 は 楽 し か っ た で す . 楽しかったですり す ご く 楽 し か っ た で す . 参 加 し て 良 か っ た と 思 い ま し た . 皆 の 近 況 も 聞 け て ま た , 明 日 か ら が ん ば ろ う と 思 え ま し た . 病 棟 で 新 卒 一 人 で 頼 れ る 人 い な く て ど う し よ う … っ て 感 じ て た け ど , 皆 が ん ば っ て る か ら ま た 頑 張 ろ う と 思 え た . 学 生 時 代 に 戻 っ た 気 分 に な れ て リ フ レ ッ シ ュ で き ま し た . 楽 し か っ た し , い い リ フ レ ッ シ ュ に な り ま し た . 息 抜 き に な り ま し た ! 盛 り 上 が り ま し た ね り お や つ や 飲 み 物 も あ り が と う ご ざ い ま し た 大 ま た ち ょ こ ち ょ こ 来 ま す . も っ と た く さ ん の 先 生 方 に お 会 い で き た ら よ か っ た で す . も っ と ほ か の 先 生 に も 会 い た く な り ま し た .

(5)

息抜きになった j ことに繋がったと思われ、 新人看護師(卒業生)の支援として効果があっ たと考える。神立ら6)による「新卒看護師が 仕事を続ける上で支えになっていること」の 調査結果では、回答数の多い順に「同期の支 えJ1""休日のリフレッシュ」などが挙げられ ている。また、柳田ら7)の調査でも支えになっ たこととして「同期との励まし合ぃ

H

家族や 友人の励まし」が挙げられているO これらの 結果と同様の結果が

HomeComing Day

の開 催から得られており、同期と集う機会を提供 する場として意味があったと考える。 また、当該年度の近況報告からは、困難や 辛い状況、やめたい気持ちを表明しつつ同時 にそれを乗り越えて頑張るという言葉が述べ られており、それらを同期が耳にする、同期 も同じ気持ちであることの確認ができたこと などは、まさに励まし合い・支えになってい たと考える。 しかし、今回のアンケート調査は回終了直 後の

l

回だけの結果であり、久しぶりに会っ た同級生同士の反応として、上記結果は当然 の結果ともいえる。実施に関しでも

1

回のみ の実施であることから、.

Home Coming Day

の開催が職場適応への効果にまで、に繋がった 引用・参考文献 かどうかは十分に確認できておらず、明確な 成果を確認するには至らなかった。 2.新人看護師(卒業生)支援に関する今後の 課題 唐津ら自)は、「就職後

1

カ月と

3

カ月の母 校からほしい支援の内容に大きな違いはな く、[駆け込み寺のような存在] [自分をよく 知る人とのつながりを感じられる機会](中 略)が抽出され、教員や同級生とのつながり に関して支援を求めていた」と述べているO 継続的な実施とともに教員の参加等につい て、より一層拡大していくことは一つの課題 と言えるのまた、新人看護師(卒業生)への 連絡方法に関して、十分なルート確保が必要 と考える。

おわりに

本学では「あってよかった大学」をスローガンの 一つに挙げているo

Home Coming Day

の開催は、 はじめての試みであったが、新人看護師(卒業生) の職場適応支援のーっとしてその意味や課題を見出 すことができた。母校としての支援を考えていくた めの一助として今後も継続的に、取り組んでいきた し、O 1)大久保仁司.新卒看護師が入職後3ヶ月までに感じるストレスと望まれる支援.奈良県立医科大学医学部看護学 科紀要.

V

o

L

4

2

0

0

8

p

.2

6

-

3

3

.

2)日比野直子,野呂千鶴子,山路由実子ー看護大学における卒業生サポートネットワークの構築を目指した卒後動 向の把握および支援ニースに関する研究.保健師ジャーナル.

V

o

L

6

5

n

o

.

8

2

0

0

9

p

.

6

7

6-

6

8

2

.

3

)西田朋子 就職

3

ヶ月日の看護師が体験する困難と必要とする支援.日本赤十字看護大学紀要.

V

o

L

2

0

2

0

0

6

p

.2

1

-

3

1

4)唐津由美子他.就職後 1カ月と 3カ月に新人看護者が感じる職務上の困難とほしい支援.長野県立看護大学紀要

Vo

LlO,

2

0

0

8

p

.

7

9

-

8

7

5

)

柳田美喜子他.新卒看護師の早期離職防止を勘案した教育・支援体制の検討

A

病院における調査結果から.第

3

8

回日本看護学会論文集一看護管理 •

2

0

0

7

p

.

3

1

8

-

3

2

0

.

6

)

神立陽子,上野雅英,池田優子.公的病院における新卒看護師の職業性ストレスと離職願望との関連性.第

4

1

回 日本看護学会論文集一看護管理一

2

0

1

0

p

.2

9

4

-

2

9

7

.

7)前掲書

5

)p

.

3

1

9

.

8)前掲書4)p.83.

参照

関連したドキュメント

「社会人基礎力」とは、 「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な 力」として、経済産業省が 2006

の 立病院との連携が必要で、 立病院のケース ー ーに訪問看護の を らせ、利用者の をしてもらえるよう 報活動をする。 の ・看護 ・ケア

では,訪問看護認定看護師が在宅ケアの推進・質の高い看護の実践に対して,どのような活動

今回、新たな制度ができることをきっかけに、ステークホルダー別に寄せられている声を分析

に至ったことである︒

い︑商人たる顧客の営業範囲に属する取引によるものについては︑それが利息の損失に限定されることになった︒商人たる顧客は

 今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ