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途上国と日本の看護技術の違いとその根拠 メキシコ現地視察から

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Academic year: 2021

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国外ニ ュース 宮越幸代 日本 の看 護 技 術 との違 い とそ の根 拠 日本政府が開発途上国への看護分野の国際協力を開始 して以来、既 に半世紀を迎えようとしている。 しか し、現地で実際に看護を行 う際の日本 との違いや、その違いを超えて協力する方法を検討 した資料 はほぼ見当た らない。そ こで筆者は開発途上国と日本の看護技術の違いを調べ、そ こか ら国際協力を行 う際の示唆を得るという研究・ に共同参加 した。前回はメキシヨの看護大学で分娩台に設置されたケリー パ ッ ドの写真を紹介 したが、ところ変われば看護 も異なるのか、筆者が分担 したメキシコの現地視察で は、異なる看護場面を認めた際は、可能な限 りその根拠 も確認 した。 たとえば点満の針を固定する絆創膏には、患者の氏名、実施 した看護師の名前などの情報が大きく書き 込まれ、四隅は緩やかなカーブもしくは斜めに切 り取 られる。これは絆創膏を剥がれにくくするためか、 とこちらの解釈を確認すると「大事なのは見た 目」だという。また、ベッ ドメーキングの際、防水シーツ は横 シーツによって完全に覆われるが、メキシコでは横シーツの上端を防水シーツの下に折 り込むため、 患者の背部は横に分厚い段差 と常に接触することになる。 これは横 シーツの端を見せないための工夫だ という。つま リメキシヨにおいては、見た 目の方が重視される看護技術 もあるようだ。 日本 との看 護 技 術 の違 い を国 際協 力 に活 か す 本研究の報告書では、 このような 日本 と途上国における看護技術の違いに関する総合的な結果を次の 通 りまとめた。①医療行為な どを行 うなど、看護師の役割の違いがある、②社会制度の違いに基づき看護 師の職務範囲が異なる、③気候の違いによ り異なる方法でケアが行われる、④文化の違 いに基づき異な るケアが行われる、⑤物品の不足などによ り代用手段が取 られるために異なるケアが行われる、⑥世界 的な基準か らみると、不適切と考えられることも行われている。このような 日本 と異なる点を批判・否定 するのではな く、看護は様々な因子の影響を受けてその国独 自のものが発展 していることを理解 し、 日 本 との違いに影響を与える因子や理由を考慮 しなが ら、その国の方法を踏襲 して行 うべきこと、改善す べきことを見極めて現地での看護にあたることが重要であろう。 ところで、メキシコにはかつて麻酔看護師がいた。現地での面談 によれば、看護師 と職域を争う医師の 反撃にあって廃止されたそ うであるが、事実は定かではない。一方、地方の簡易保健所な どでは、簡単な 処方や縫合、創の切除などの処置を看護師が行わなければ、医師の不在を補 うことができない。看護師の 職務拡大については日本でも実現 に向けた検討が加速化 しているが、 日本の業務範囲を超えた看護が求 め られる途上国への国際協力では、どのような ことが起 こってきたのだろう。 日本の看護師が現地の一 スタッフとして協働する時、日本での経験がない、日本では看護師の職務範囲ではない、ということを理 由に緊急の要請に応えずにいられるものだろうか。我が国の国際協力の歴史や経験は豊かに蓄積されつ つあるが、国際協力において も、看護師の業務範囲について導かれた知見を整理 し、引き継 ぐ作業が早急 に求め られている。

*森

淑江ほか,「日本 と開発途上国の看護技術の差異に関する研究」平成19年度∼平成

21年

度科学研究 費補助金 (基盤

C)研

究成果報告書

,平

22年

3月

参照

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