論 文
簡易形光ファイバリンクの試作
守澤治幸
高原幹夫(昭和56年8月31日受理)
Trial Manufacture of a Optical Fiber Link
HaruyukiMORISAWA MikioTAKAHARA Abstra」ct Most marketed optical丘ber links are composed of a modulized optical source and optical detector in order to improve the total ef丘ciency of the link. But, if we should have broken down these modules, we can not easily get them because of thier high price and some other causes. Then we attempt to compose a simplified optical丘ber link using marketed discrete parts, e.g.,1igh emitting diode and photo diode, which we can easily get at a low price. These discrete parts are set up in a input and output reseptackle of the optical fiber cable, respectively. By means of large diameter and large numerical aperture(NA)of the used optical fiber, we can make an optical fiber link which shows comparatively good characteristics. The optical fiber link made on an experimental basis requires the average least optical power for random signal cf−40.9 dBm at IMb/s bit−rate for 10−g error−rate. This result玉s not behind the reported best data by about 4 dB. 1, まえがき 光ファイバリンクは,現在,国内各社より数mか ら10数mの光ファイバケーブル付で数万ないしは10 数万円程度の金額で発売されている。これら光ファイ バリンクはどれもその光源部(変調部)および受光 部(検波部)共に,コネクタに発光ダイオード(以下LEDと略す)または,フォトダイオード(以下PD
と略す)等が取り付けられた,いわゆるモジュールで 構成されている。したがって,使用者はAC100Vの 電源に接続さえすれば所用の性能が得られ,光を扱う という異和感は全くない。これがモジュール化の利点 であるが,一方,もし,何らかの原因でLEDまたは PDを破損したときには,そのモジュールすべてを捨 てねばならず,しかもその価格が数万から10数万円も するので,ほとんどの場合,新しいリンクを買う方が よい位であるという欠点がある。 本文で述べる光ファイバリンクは,このよ’うな欠点 を補うために,市販の汎用素子を用い,かつ,光ファ イバとの接合部を簡略化することにより,光ファイバ 240mによる簡易形の光ファイバリンクを構成,試作 した。そして,試作された光ファイバリンクの各部の 接続損失や誤り率等を測定し,このような方法でも十 分光ファイバリンクが構成できることを確かめた。 当光ファイバリンクは当初コンピュータ間の接続の x, 意図をもって設計されたが,途中,種々の事情でこの 接続ができなくなった。しかし,1Mb/sのランダム パルス伝送による模擬伝送試験においても十分に良好 な結果を示したので十分使用に耐えるものと思われ る。なお,ここで使用した光ファイバは,180μm/320 μmのコア径,クラッド径をもつシリコン樹脂クラッ ドのグレーデッドィンデクス(以下GIと略す)形光 ファイバである。 2.方式設計と主要部品 2.1 方式設計 本節では光ファイバリンクを試作するに当たって 要求される種々の仕様について説明し,それに合わせた方式設計について述べる。 (1) 伝送距離 当初予定していた端末コンピュータ間の距離が約 200mであるので,実際に布設することを考慮し 240mとする。 (2)伝送速度 当該コンピュータ間で現在行われている伝送速度は 9600b/sであり,この種のコンピュータ間の伝送速度 は一般に数kb/sから数10kb/s程度である。したが って,伝送速度は100kb/sあれぽ十分であると考え られるが,将来,多重化することも考慮し,本試作に おいては1Mb/sとする。また,この程度の伝送速度 の信号はTTL−ICで処理することが可能である。 (3)符号形式 一般にデジタル光ファイバリンクにおいては,光源 の直線性に関する問題や回路構成上の簡便さから,ユ ニポーラ符号が最も多く用いられている。本試作の場 合,伝送距離240m,伝送速度IMb/sと短距離,低 速であるので,符号間干渉の影響はほとんどないと考 えられる。そこで,本試作では回路構成の容易さも考 慮し,ユニポーラNRZ符号を用いる。
(4)光源
現在,光ファイバリンクの光源としてレーザダイオ ード(以下LDと略す)と,発光ダイナード(以下 LEDと略す)の二つが一般に考えられる。今回のよ うに短距離間の通信では,光ファイバによる伝送損失 は小さいと考えられ,しかも,伝送速度が低いので, 出力が大きく,収束性に優れたLDを用いる必要は なく,LEDで十分である。その上, LDに比べて LEDは安価で入手し易い。以上の理由から本試作で は光源としてLEDを用いる。 / (5)光検波器 光検波器としてはアバランシェフォトダイオード (以下APDと略す)と, pin一フォトダイオード(以 下pin−PDと略す)が一般に用いられている。本試 作では伝送距離が短かく電力の損失が小さいと考えら れるので,高感度なAPDを用いる必要はなく,また バイアス回路の容易さと経済性を考慮し,pin−PDを 用いる。 (6)光フアイバ 光ファイバは断面内の屈折率分布からマルチモード グレーデッドィンデクス(以下MGIと略す)形・マ ルチモードステップィンデクス(以下MSIと略す), シングルモード(以下SMと略す)形がある。今回 は結合効率の点で優れ,現在最も普及しているMGI 形を用いる。 (7)接続方法 光ファイバリンクを構成するためには光源(LED) と光検波器(pin−PD)を光ファイバの両端にコネク タを用いて接続する必要がある。その際,接合部の結 合損失を小さくするためにはLED, pin−PDをそれ ぞれコネクタと一体化したモジュールタイプのものを 使用することが望ましい。しかし,これらモジュール タイプのものは一般に高価で入手が難しく,破損の際 にも修理が困難である。そこで,ある程度の結合損失 を許せば市販の光素子を用いて安価に製作でき,修理 も容易な接続方法があろうと考え,今回は金属レセプ タクルの単体に光素子を取り付ける方法を試る。 (8)誤り率 誤り率とは送信データがいかに正確に受信されたか を示す度合いであり,デジタル伝送系で伝送品質の評 価として使われている。誤り率にはビット誤り率,誤 字率,ブロック誤り率の三種類がある。今回は最も一 般的で,かつ,誤りを検出する上で回路構成の簡単な ビット誤り率を用いて,試作した光ファイバリンクの 評価を行う。 一般に,データ伝送が正常に行われるためには10−9 以下のビット誤り率が要求されるが,本試作では,短 距離間の伝送であることを考え,十分なマージンをも って10−9以下のビット誤り率を達成できるようにす る。 以上をまとめて表一1に示す。また,光ファイバリ 表一1 光ファイバリンクの仕様 Table l specification of optical fiber link・ 項 目 方 式伝送距離
伝送速度
符号形式
光 源光検波器
光フアイバ接続方式
誤 り 率約240m
lMb/sユニポーラNRZ符号
発光ダイオード pin一フォトダイオード マルチモード・グレーデッドインデク ス形光ファイバ 自作モジュ 一一ル ビヅト誤り率10’9以下 送 送 信 1 デ 信%
1 タ 部 LED 光フアイバ 約240m %一一一Q→一一z. 受 受 信脅
信 デ1 部 タ 一PD 図一1 光ファイバリンクの構成 Fig.1 Configuration of optical丘ber link・昭和56年12月 山梨大学工学部研究報告 第32号 ンク全体の構成を図一1に示す。 2.2 主要部品の仕様 (1) 発光ダイオード* 日立高出力赤外発光ダイオードHLP 40RG, Ga−
Al−As形,発光中心波長840nm,発光出力20mW
(2) pin一フォトダイオード*浜松テレビ製pin一シリコンフォトダイオード
S1190−01,有効受光面積1.3mm2,感度0.45A/W (3)光フアイバ 日立電線マルチモードグレーデッドインデクス形 単心光ファイバコードS1810, NA=0.4,コア:石 英外径180μm,クラッド:シリコン樹脂 外径320μm,伝送損失10dB/km以下,伝送帯域10MHz以
上 3.送受信回路 3.1送信回路 送信信号としてユニポーラ符号を用いているので, LEDの駆動電流対光出力特性の直線性はあまり重要 ではない。したがって,送信回路には図一2に示すよ うな簡単なスイッチング回路を用いた。ただし,トラ ンジスタには高速スイッチングトランジスタを用い, 逆電流防止用のシリコソダイオードをLEDと逆並列 に入れる。 3.2受信回路 受信回路を図一3に示し,三つの部分に分けて説明 を行う。 (1) pin−PDバイアス回路 pin−PDは定電流動作をするため,出力抵抗RLは 大きいほど大きな出力電圧が得られるが,pin−PDのもつ入力容量Cinのために,時定数RLCin分の遅
れが生じるために,RLをむやみに大きくすることは できない。入力容量Cinは高電圧に逆バイアスされ るほど小さくなる傾向があるので,逆バイアス電圧は 電源の統一性も考慮し,できるだけ大きくとり,この 時の入力容量ぱπと出力抵抗RLによる時定数が伝 送符号(1Mb/s, NRZ符号)の1タイムスロットの10 %以内になるようにRLを選んだ。 (2) 前置増幅器 pin−PDによって光一一電変換された信号をビデオアンプμA733により約40dB増幅する。μA733は用
意された3段階のゲインを設定できる上に,周波数特 性に優れているので10Mb/s以上の伝送にも使用可 *発光ダイオード,およびpin−PDびの選定はケー ブルメーカからの示唆による。且
IN 図一2送 信 回 路 Fig.2 Transmitting circuit. IC1:μA733, IC2:AA710 図一3 受 信 回 路 Fig.3 Receiving circuit.争
LED
十12V 十6V∫L
OUT
一6V 能である。 (3) 識別回路 前置増幅器で増幅された信号は高速コンパレータ μA710に加えられ,しきい値電圧により“1”,“0” に識別される。しきい値電圧は信号強度により可変抵 抗器yRsによって設定する。コンパレータの入力電 圧がこのしきい値電圧より4mV以上高いと“1”と 判定され,コンパレータの出力は3.2Vとなり,それ 以外の場合は“0”と判定されてコンパレータの出力 は約一〇.4Vとなる。 以上の送受信回路において.8ビットのパターン・ パルスを伝送した時の信号波形の写真を図一4に,ラ ンダム・パルスを伝送した時の写真を図一5に示す。 それぞれの図において,CH−1はビデオアンプの出力 であり,CH−2はコンパレータの出力である。 4.1・ED, pi皿・PDのモジュール化 光ファイバリンクを安価に構成しようとする場合, 問題となるのが光源一光ファイバ,光ファイバー光検 波器の接続である。光源からの信号電力を効率よく光 ファイバに供給し,また,光ファイバから効率よく光 出力を取り出すためには接続部の光学的,機械的精度 が要求される。従来,このように結合を効率よく行う ために,光源と光検波器をそれぞれコネクタと一体化 したモジュールタイプのものが多く使用されている。、.・;i;;ぎ鍛、〃.、 CHI CH2 CHI:ビデすアンプ川ノ1 t).2V/div.2μs/div CH2; コン’、レー タ日1ノ) 5V/di、’. 2AS/div 図一4 ハtX一ン・ハ・」ス伝送波形 Fig.4Patem pulse tl・ansmissi・n wavef・1・m. 涙 2.4 1、7 図一6 レ七プタクノしの形状 Fig. 6 Receptackle 9. hape, CF.〔];1い‘‘一” 停漕目●葡自b哨冑弊糠 鞠 司彩 麟㊧癌膠笥島鱒CHl CHI:已デオアンソ出.り1).2V/div、1μs/div CH2: :1ン パL・.一 ,コtil力 [v/div, 1μs/div 図一5 ラン介ム・yt・Lス伝送波形 Fig. 5 Random pulse transmissinn waveform、 ただL..これらのモジュー’しタr.ノ.の光源おJlぴ光枚 波器は一・般に高価であり.破損の際にも修理が困難で ある。そこで,今回は市販さ才zているLED, pin−PD をくD属製のレー1:『ノPtt」’t(形二「1こを図一6に示す)に取 り付けることにより経済性と修理の簡使さを考慮L. た。 4.] LEDのモジュール化 LEDをレ七フ’yク’レに固定するためのス‘∫一ブは LEDの放熱を考慮L、黄銅を使用した。また, LED の取り付け位置は光’・アイ・ミをレ.ヒ.ノタク・レに接続L た状態におL・て供給電ノ」が最大となるように調整し. た。図一7にLEDモジュー・しの構.造を示す。 4.2 pin−PDのモジュール化 今回川いたpin−PDのハッb1一ジがアノードと共 通とな・)ていることと.pin−PDはほとんど発熱しな いことから,同定用のスリープに:よ絶縁材料(ビ=:一 ル)を用いた。取りト1ーけ位置はレセプ「i〃」Lに光『ノァ
LED
,|ILI)401ttili 図一7 L . じ 1’一.ノ L’.1 LEDモジュール.の購造 Fig.7s tructLLre of LED module. pin・PD rl190−0]’1 図一8 Fig.8 @‘‘ ラ .‘:一,1 Nフr[ pin−PDモジューLの構造 Structuτe of T]in−PD niodule. イバを接続した状態において,pin−PDの出力電流が 最大となる〔立置にLた。図一8にpin−PDモシュー一ル の構造を示す。 5,特性の測定 5.1LEDの駆動電流対光出力特性 LEDの駆動電流に対する光出力の変化をレーヒプ ’」クル開rl部に.おいて測定した。測定回路と測定畠」i 果をそれぞれ図一9、図一10に示t。昭和56年12月 山梨大学工学部研究報告 第32号 電流計 直流電源 光パワーメータ 図一9 LEDの測定回路 Fig. g Measurement circuit of LED characteristics. 冨 主 工 100 90 80 70 60 50 40 30’ 20 10 0 一_一一_一___∼_L_in 10 20 30 40 駆動電流∫[mA] 図一1 OLEDの駆動電流対光出力特性 Fig・10 Driving current v.s. optical output power characteristics of LED. 5.2 pin・PDの入射光電力対電流出力特性 pin−PDの入射光電力に対する出力電流の変化を 図一11の測定回路において測定し,その結果を図一12 に示す。 5.3 リンク各部の損失測定 当光ファイバリンクの損失として以下五つが考えら れる。 ①LEDとレセプタクルの取り付けによる損失
②LED側レセプタクルと光ファイバの結合損失
③光ファイバの伝送損失④光ファイバとpin−PD側レセプタクルの結合
損失 電流計 A LED−1,⊥ら
光フアイバv
I=− Rr.E
#
ピ
オシロスコープ 図一11pin−PDの測定回路 Fig.11 Measurement circuit of pin−PD characteristics. 90 80 70 ? 五 60「 :コ50−llll
20 10 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 入射光電力P[nW] 図一12pin−PDの入射光電力対電流出力特性 Fig・12 1nput optical power v.s. output current characteristics of pin−PD ⑤pin−PDとレセプタクルの取り付けによる損失 以上①∼⑤の損失はそれぞれ次のように求めた。①LED単本の光電力の測定値とLED側レセプ
タクル開口部での光電力の測定値から求める。②LED側レセプタクル開口部での光電力の測定
値とファイバ接続時の受信端での光電力の測定 値,それに③で求めるファイバ240mの伝送 損失から求める。 ③メーカ側データから換算する。 ④と⑤に関しては,pin−PDの有効受光面積がファLED
レセプタクル コネクタロ
ド計②L二③
・光ファイバ コネクタ 約240m且=→/==目コ
レセプタクル 18.8dB 2.4dB 図一13 光ファイバリンク各部の損失 Fig・13 Each connection loss of optica]fiber link. pin−PDイバのコア径に比べて十分大きいことから,損 失は極めて小さいと考えられるので,④と⑤を 一括して,ファイバ受信端での光電力の測定値 とpin−PD単体の入射電力対電流出力特性か ら求める。 ただし,測定に使用する光パワーメータのセンサ部 分の面積は十分大きいので,測定による電力損失はな いものと考える。 以上の結果より得られた各部の損失を図一1 3にまと めて示す。 5.4ランダムパルスによる誤り率の測定 測定系を図一14に示す。測定原理は次のとおりであ る。ランダムな信号源として白色雑音を用い,これを
コンパレータに加えることによりTTLレベルに変
換し,次にシフトレジスタの直列入力端子に加え, 1MHzのシフトパルスに同期したランダムパルスを 得る。図中のカウンタ1によりシフト数,すなわち送 信ビット数を計数する。また,同時に,シフトレジス タの並列出力端子からnビット遅れの信号を取り出 し,これと増幅,識別された再生信号とを比較するこ とにより誤り検出を行い,誤り数をカウンタ2によっ て計数する。ただし,上記のnは送信信号の遅延ビッ ト数であり,主に光ファイバの長さによって異なる。 以上よりビット誤り率は次式のようになる。ビ・・誤り率一;㌶i膿馨籠;1劃
マーク率を1/2としたときのビット誤り率と平均受 信電力との関係を図一15に示す。 5.5信号遅延時間の測定 ランダムパルスを用いた誤り率測定の際,誤り検出 を行うために送信信号に遅延をかけたものと受信再生 信号との同期をとった結果,遅延ビット数は1ビット であった。伝送速度は1Mb/sであるから,遅延時間 は1μsに相当する。しかし,1μs以下の遅延時間を 測定するためには伝送速度を大きくする必要がある。 そこで,伝送速度および誤り率測定系の制御クPックを10MHzとし,10Mb/sのランダムパルスにおい
て同期をとることにより遅延時間の測定を行った。 測定の結果,遅延ビット数は13ビットであった。し たがって,遅延時間は1.3μsであることがわかった。 制御 部 ランダムパルスュ 生 LED駆動 カゥンタ1 遅延回路 LED @ 夕一 フアイバ @ <一 カウンタ2 誤り検出 増幅・識別 pin−PD 図一14 誤り率の測定系 Fig.14 Error−rate measuring set up. 一5 一6 迂 旦 樟一7 ひ 舗≦ 一一一@8 一96.考
察 6.1結合損失について 図一13においてLED側の結合損失と取り付けによ る損失の合計が22.4dBと大きい原因は, LEDから 一42.0 −41.5 −41.0 平均受信電力P[dBm] 図一15 ランダムパルスによる誤り率特性 Fi9.15 Error−rate characteristics for random pulse transmission. の光がレンズによって十分収束されないまま光ファイ バに入射するためであると考えられる。しかし,今回 用いた光ファイバはコア径180μm,NA=0.4であり, これはGIタイプの中でも特に大きな値であり,結合 の容易さを示している。したがって,コア径の小さな 通常の光ファイバ(コア径50μm)を用いた場合には 損失がさらに大きくなると考えられる。以上の理由か ら,今回のような自作モジュールによる結合はコア径 の大きな光ファイバに対して有効であると言える。 また,pin−PD側の損失が微少であった原因とし て,LEDの場合とは逆に,光ファイバからの収束し た光がpin−PDの比較的面積の広いセルに入射して いるからであると考えられる。 6.2 マージンについて 図一15よりビット誤り率を10−9以下にするために昭和56年12月 山梨大学工学部研究報告 第32号 は一40.9dBm以上の平均受信電力を必要とすること がわかる。また,当光ファイバリンクの最大受光電力 は一13.8dBmであることから,誤り率10−9におけ るマージンは27.1dBとなる。この値は使用した光フ ァイバと同形のものを2.7km以上延長可能とする値 であり,マージンとして十分であると言える。 7. ま と め 以上述べたように,試作した光ファイバリンクは 1Mb/s,240mの伝送条件,10−9の誤り率評価の下で, 約27dBと十分なマージンをもつことがわかった。こ のような大きな余裕は,光ファイバのコア径が180 μmと大きなものを使用したことにより光入射部の損 失を小さくできたこと,出力の大きいLEDを使用で きたことによるものと思われる。