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竹 Parallel Strand Lumber (PSL) の製造と強度

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竹 Parallel Strand Lumber (PSL) の製造と強度

2013 年

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目 次

第1 章 序論 ... 1 1. 研究の背景と意義・目的 ... 1 1.1. 木材・竹材の利用に関する現状 ... 1 1.2. ベトナムにおける木材・竹材の利用に関する現状 ... 1

1.3. 竹材と竹製の PSL(Parallel Strand Lumber)の特徴と用途 ... 2

1.3.1. 竹材の特徴 ... 2 1.3.2. PSL と竹製の PSL の特徴 ... 2 1.3.3. 竹製のPSL の用途と展望 ... 2 1.4. 研究の意義と目的 ... 3 2. 既往の研究 ... 3 2.1. 竹利用の歴史に関する研究 ... 3 2.2. 竹資源・環境に関する研究 ... 4 2.3. 竹材の基礎的性質に関する研究 ... 5 2.3.1. 竹材の細胞学的組織・構造 ... 5 2.3.2. 竹材の強度 ... 5 2.3.3. 竹材の加工性能 ... 6 2.3.3.1. 単板切削 ... 6 2.3.3.2. 研削 ... 7 2.4. 構造用材やボード類などの原料としての利用に関する研究 ... 7 2.5. 環境制御分野への利用や成分の利用に関する研究 ... 8 2.6. 植物系円筒状構造材料に関する研究 ... 9 2.7. 既往の研究の文献リスト ... 10 3. 本研究の位置付け ... 12 4. 論文の概要 ... 12 4.1. 第 1 章(序論) ... 12 4.1.1. 研究の背景と意義・目的 ... 12 4.1.2. 既往の研究 ... 13 4.1.2.1. 竹利用の歴史に関する研究 ... 13 4.1.2.2. 竹資源・環境に関する研究 ... 13 4.1.2.3. 竹材の基礎的性質に関する研究 ... 13 4.1.3. 本研究の位置付け ... 14 4.2. 第2章 竹 PSL の強度(接合部が無い場合) ... 14 4.2.1. 本章の目的 ... 14 4.2.2. 竹PSL の断面形状による呼称 ... 15 4.2.3. 実験1(竹エレメントの強度) ... 15 4.2.4. 実験2(接着剤塗布量と養生時間の決定) ... 15

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2 4.2.5. 実験3(竹PSL の強度) ... 15 4.3. 第3章 竹 PSL 接合部の強度 ... 16 4.3.1. 本章の目的 ... 16 4.3.2. 結果 ... 16 4.4. 第4章 竹 PSL の強度(竹マットの接合部を階段状にずらした場合) ... 16 4.4.1. 本章の目的 ... 16 4.4.2. 結果 ... 16 4.5. 第5章 総括 ... 16 4.6. 文献 ... 17 第2章 竹PSL の強度(接合部が無い場合) ... 19 1. はじめに ... 19 2. 竹 PSL の断面形状による呼称 ... 19 3. 実験1(竹エレメントの強度) ... 19 3.1. 目的 ... 19 3.2. 実験方法 ... 19 3.2.1. 試験片 ... 19 3.2.2. 試験機 ... 19 3.3. 結果と考察 ... 19 4. 実験2(接着剤塗布量と養生時間の決定) ... 20 4.1. 目的 ... 20 4.2. 供試接着剤 ... 20 4.3. 試験体の作製と実験方法 ... 20 4.4. 試験機と変形量の測定 ... 20 4.5. 結果と考察 ... 20 4.6. 結論 ... 21 5. 実験3 ... 21 5.1. 竹 PSL の作製 ... 21 5.2. 強度試験 ... 21 5.3. 結果および考察 ... 22 5.3.1. 曲げ ... 22 5.3.2. 縦圧縮 ... 22 5.3.3. 横圧縮 ... 23 5.3.4. 座屈 ... 23 5.4. 結論 ... 24 6. 文献 ... 25 第3章 竹PSL 接合部の強度 ... 41 1. はじめに(本章の目的) ... 41 2. 実験 ... 41 2.1. 供試竹エレメント ... 41

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3 2.2. 供試接着剤 ... 41 2.3. 接合部を持った竹 PSL の作製 ... 41 2.4. 接合部の強度試験方法 ... 42 3. 結果および考察 ... 42 3.1. 曲げ ... 42 3.1.1. 接合部が外側の場合 ... 42 3.1.1.1. 接合部の影響 ... 42 3.1.1.2. 中実と中空との比較 ... 42 3.1.2. 接合部が内側の場合 ... 42 3.1.2.1. 接合部の影響 ... 42 3.1.2.2. 中実と中空との比較 ... 43 3.1.3. 内側巻き数と外側巻き数との比(中実) ... 43 3.1.4. 内側巻き数と外側巻き数との比(中空) ... 43 3.2. 座屈 ... 44 3.2.1. 内側巻き数と外側巻き数との比(外側) ... 44 3.2.2. 内側巻き数と外側巻き数との比(内側) ... 44 4. 結論 ... 44 5. 文献 ... 45 第4章 竹PSL の強度 (竹マットの接合部を階段状にずらした場合) ... 52 1. 目的 ... 52 2. 実験 ... 52 2.1. 供試竹エレメント・竹マット・接着剤 ... 52 2.2. 竹 PSL の作製 ... 52 2.3. 強度性能試験方法 ... 53 2.3.1. 曲げ ... 53 2.3.2. 座屈 ... 53 3. 結果および考察 ... 53 3.1. 曲げ ... 53 3.1.1. 巻き芯に接合部が無い場合 ... 53 3.1.2. 巻き芯に接合部が有る場合 ... 53 3.2. 座屈 ... 54 3.2.1. 巻き芯部に接合部が無い場合 ... 54 3.2.2. 巻き芯に接合部が有る場合 ... 54 4. 結論 ... 54 第5 章 総括 ... 70 1. 目的 ... 70 2. 竹 PSL の強度(接合部が無い場合) ... 70 2.1. 実験1(接着剤塗布量と養生時間の決定) ... 70 2.2. 実験2(竹 PSL の強度) ... 70

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3. 竹 PSL 接合部の強度 ... 70

4. 竹 PSL の強度(竹マットの接合部を階段状にずらした場合) ... 71

和文要旨 ... 72

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第 1 章 序論

1. 研究の背景と意義・目的 1.1. 木材・竹材の利用に関する現状 木材資源は世界的には減少しており、木材の有効利用の必要性が一段と高まってい る。同時に、木材に代わる資源の利用についても検討する必要を求められている 1) このように森林資源が枯渇する中で、住宅・建築産業においては、柱材や梁材等建築 構造材料の高強度・高耐久材料としての高品質な木材の確保が困難になり、端材や廃 材等を利用した集成材や耐力パネル材料の使用を余儀なくされることが予想されて いる2)。また、木材関連産業や住宅関連産業では、未利用材・廃材の有効利用技術や 低質木材の高品質化技術の開発が近年極めて重要視されてきている。このような現状 の下、木材と同様に再生産可能な資源であり、さらに木材よりも成長が早い竹類3) 利用が考えられる。 竹は、我々の生活に密着した材料のひとつとして古くから利用されてきた。植物資源 の有効利用がこれまで以上に重要視されている今日、成長が速く、かつ工業材料として の供給量が見込める竹やケナフなどの早生植物の利用が注目されている。しかしながら、 竹は構造用材料に供される木材の代替材料として期待できる性質や蓄積があるにもか かわらず十分活用されていない。 日本における竹林蓄積量は森林総面積の 0.6 %(24240 万 m3)程である4)が、竹林 のほとんどが私有林であり、十分な管理がなされていない放置竹林が急増しているのが 現状である。一方、世界中の竹林の約70 %がアジアの温暖帯に存在しており、その多 くは低次な加工による利用で工業的な利用はほとんどなされていない5), 6) このような現況を打開するためにも、構造用材料として竹材が利用できるならば、我 が国はもとよりアジア諸国に生育する潜在的資源の有効活用と地域振興にも寄与でき るものと思われる。 これまでに、竹材をエレメントとして開発研究されてきた構造用材料には、高周波加 熱あるいは温水浸漬・加熱による軟化による竹平板7), 8)、竹積層材9)、割竹を直交方向 に圧密積層・接着した圧密竹合板 10), 11),竹稈壁から得たパーティクルを用いたパーテ ィクルボード 12)、竹チップを高圧蒸煮処理によって解繊して得られた竹繊維を用いた 竹ファイバーボード 13)、すだれ状に割裂加工した竹ゼファーを積層・接着した竹ゼフ ァーボード14)等の面材料が報告されている。 竹材は強度性能に優れており、特に繊維方向における引張り、曲げ、圧縮強度は木材 に優るといえる15)~18)。また、竹繊維の高い配向性に由来して割裂性がある。 1.2. ベトナムにおける木材・竹材の利用に関する現状 熱帯地域の東南アジアや中南米の国々では、伝統的な住宅の材料に多くの竹材が使 用されており、重要な建築材料とされている。ベトナムでは、竹類の種類も蓄積も多 い22)(第1表) 現在、ベトナムにおける竹材の利用は、そのままの形で利用するこ とが多く、加工程度は低いことが多い。 また、ベトナムにおいても、日本と同様に、 今後は木材の有効利用と未利用資源の利用促進が益々重要になってくると考えられ

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第1表 ベトナムにおける竹林の面積

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天然

人工

1999

779715

55103

2002

788713

59066

2003

806301

78957

2004

799131

81484

2005

783667

86911

2006

659979

81307

2007

644861

85564

2008

641331

89847

竹林(ha)

る。従って、ベトナムにおける竹類の蓄積や性質に関するデータを集め、特性を理解 した上で建築や土木材料等として有効に利用することが重要である。

1.3. 竹材と竹製の PSL(Parallel Strand Lumber)の特徴と用途

1.3.1. 竹材の特徴 竹材の特徴は、長さ方向(繊維方向)の強度が大きいことである。従って、その性 質を最も良く活かせる利用方法は軸材料としての利用であると考えられる。しかし竹 は中空であり、それ自体としては合理的構造と形状を持っているが、竹材を使って一 定寸法の材料に整形するのが難しい。 1.3.2. PSL と竹製の PSL の特徴

PSL(Parallel Strand Lumber)の特徴は、一旦エレメント化してから成形するの で、欠点が除去あるいは分散され、強度や形状のバラツキが小さくなり、乾燥割れが 無く、信頼性の高いエンジニアードウッドになりうること、寸法や断面形状が自由に 設計できることである。また、接着剤は耐水性の高いフェノール樹脂接着剤を用いれ ば、耐水性・耐久性が高く、水分変化に対しても狂いが生じにくいことである。 竹製の PSL は、PSL と同じ特徴を持つが、さらに、断面が円形で中実あるいは中 空(円筒形)の軸材料を製造する場合には、細い棒状のエレメントを束ねて柱状に成 形するので、集成材のように断面が角形の集成材を製造した後に断面を円形や円筒形 に加工する必要がないので優位性がある。また、意匠的にも特徴がある。またさらに、 断面が角形で中実・中空のものも製造できる。 1.3.3. 竹製の PSL の用途と展望 これらの特徴を積極的に生かせば、素材円柱、集成材を代替できる部分もあると考 えられ、建築材料であるのでかなりの消費量が期待できる。さらに、建築用資材のみ ならず、土木分野、たとえば足場丸太や支柱にも用途が広がるものと考えられ、その

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3 将来性は高い。 1.4. 研究の意義と目的 以上のことから、様々な断面形状をもった竹製の軸材料の効率的な製造技術を開発 し、その性能を評価することは、研究として意義があるものと考えられる。 したがって、日本とベトナムにおける竹材の蓄積量や性質を比較検討した上で、こ のような新しい軸材料を開発・評価し、建築や土木材料としての利用を可能にする基 礎資料を得ることで、日本やベトナムにおける竹の有効利用に資することを目的とし た。 そのために、もっとも効果的に竹材を利用する方法のひとつとして,竹製の PSL に ついて検討した。竹製の PSL として、細長いひご状の竹(以下、「竹エレメント」)を ナイロン繊維で織り合わせたすだれ状の竹製のマット(以下、「竹マット」)を軸方向に 平行に,かつ断面が円形(中実・中空)状あるいは角形(中実・中空)状に巻き重ねて 棒状のものを考案・作製し、この竹製の PSL(以下、「竹 PSL」)の強度について検討 した。また、無垢材の強度特性との比較を行なうために,これらとほぼ同様の角形断面 寸法を有するスギ材についても同様の強度試験を実施した。 中空構造は軽量であり,同じ実質断面積を有する中実の軸材よりも断面二次モーメン トが大きいとされ,中空部は配管あるいは配線スペースとして利用できる等の利点が考 えられる19~21) 2. 既往の研究 2.1. 竹利用の歴史に関する研究 竹は,古くから日用品や工芸品に多く利用されてきた。竹が身近な素材のひとつで あり,我々の周囲に豊富に存在し,入手が容易であったことも,その大きな理由であ るが,竹の持つ性質を活用して様々な用途に使用するための工夫がなされて来たため であろうA1)。古くから農具として,刈り取った草などを入れて運ぶ「草刈かご」、穀 物を選別する「箕(み)」などがあるA2)。漁具には,捕った魚介類を入れる「魚籠(び く)」,川に仕掛けてウナギを捕る「筌(うけ)」等がある。台所用品としての,茹で たものを鍋からすくう「ゆで上げざる」やご飯を腐りにくくする「飯かご」などがあ る。日用品や玩具にも数多くみられ,「扇子」,「和傘」,「水鉄砲」,「竹とんぼ」,「竹 笛」などが代表的なものである。茶道における「茶杓」も良く知られている。書道の 「毛筆」,剣道の「竹刀(しない)」や「胴」,弓道における「弓」と「矢」もよく知 られている。竹はまた,その稈の空洞を生かすことで,管楽器としてよく利用され, 雅楽の「笙(しょう)」や歌舞伎・能で使われる「能管」がある。尺八も竹を利用し た伝統楽器であり,各地の民俗芸能では地域で考えられた種々の伝統的楽器があるA3) 竹はまた,古来より宗教や精神的な深淵に関連しており,人々は「陰」と「陽」の 状態を作成するために線香や竹棒が燃やされる。旧正月には人々は中庭に竹を植え, 護符を振りかざす習慣がある。近年は,構造用材や建築の足場丸太の代替材料として 広く利用されている。 菅原弘美ら A4,A5) は,我が国の伝統竹工芸である「編組竹」技術の啓蒙と伝承を目

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4 的に,代表的な 65 種類を選び,竹材料の寸法形状・色調および組み上げ工程を集大 成した。 ベトナムでは,「竹はゆりかごから墓場まで」と言われている。田舎の新生児は竹 のゆりかごで育ち,人生の最期には,村人たちが墓にゆっくりと棺を提げるために竹 の棒を使用する A6)と言われるように,ベトナムにおいて竹は古くから伝統的に利用 されてきた。メコン周辺の民家などでも見られるように,屋根の梁材として活用され ている。また,他の東南アジア諸国とほぼ同様で,建材の一部としてアンペラ(竹の 平ヒゴをアジロ編みでシート状にした物)を壁材や床材に使っているたり,丸竹のま まを物入れ小屋の柱材,梁材等で使っている A7)。さらに,水上交通の手段のひとつ としての籃舟(かごふね)の材料にも竹が古来より利用されてきた。水スコップ,く わ,ハンドルなどのバンブーロッドやトラップ等の伝統的な漁具や農具を創るために も竹に依存してきたA8) 竹は日本文化の源流であるとする考えがある A9)一方で,国際的にも竹に関心を寄 せ,鋭い観察と熱意を表す事象があった。昭和56年に京都市で開催された国際林業 研究機関連合(IUFRO)において,「竹の研究」が初めて国際研究の場にとりあげら れた。 野中 A10)は,日本で竹が生育していたという記録は縄文時代にさかのぼるとの説を 発表した。青森県・是川遺跡や亀ヶ岡遺跡などでの縄文晩期の遺跡から土器や木器を はじめ籃胎(らんたい),漆器や櫛などの精巧な竹工芸品が発掘されていることが報 告されている A11)。これは竹籠に漆を塗ったもので,今日でも我が国の久留米や高松 で見られ,また竹を産するタイやミャンマーでも作られているといわれている。 食用タケノコの代表竹種となっているモウソウチクは中国からの渡来種であると されているA11) 平安時代末期から鎌倉時代に僧侶の間で広まった茶事は,次第に武士階級に波及し, そして一般人に流行した。竹は茶道具として茶筅(ちゃせん),柄杓(ひしゃく),蓋 置(ふたおき)などとして利用され,今日まで竹文化を支えているA11) 2.2. 竹資源・環境に関する研究 竹類は温暖で湿潤な気候で良く繁殖する植物で,わが国では古くから竹材生産やタ ケノコ生産を目的に各地で栽培されてきた。特に,わが国では温暖な九州に多く,面 積でみると全国の約7 割を占めている。平成元年以降の竹林面積の推移をみると,平 成元年,10 年および 20 年の竹林面積は,それぞれ 88,190 ha,59,452 ha および 34,443 ha であったB1,B2) このことから,平成元年の竹林面積を100 としてみると,平成 10 年には 70,平成 15 年では 57,そして平成 20 年では 37 にまで減少していることになる。わが国の竹 林面積は竹材生産,タケノコ生産を含め,年々減少している。竹類は日本だけに自生 する植物ではない。世界的には,赤道を中心に北緯・南緯ともに 35 度までにもっと も多く自生分布している B3)。気候が温暖で,湿潤な環境に育つ植物であるから,温 暖であっても極端に雨の少ない砂漠や乾燥地域では育たない。したがって,雨量が 1,000 mm 以下の地域での自然分布は稀である。ササ類の北限はサハリンだが,タケ

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類の北限は日本である。世界的な竹林の面積は明かではないが,アジアでは中国 340 万ha,タイ 81 万 ha,ベトナム 148 万 ha,ミャンマー 220 万 ha,インド 957 万 ha などと言われている。また,アジアの竹林面積は世界の面積の8割程度を占める のではないかとも言われているB3) 環境問題が社会的な課題となっている今日,森林を保護する活動が活発化している。 木材を利用することは,樹木が固定した二酸化炭素を空気中に放出せずに木材の形で 蓄えておくことは意義のあることである B4)。森林で樹木が成長するには長い期間が 必要となる。一方,竹は約3年程度で成竹となるので,二酸化炭素の固定が短期間で 済むので,竹林の伐採から利用・再生までの竹林管理を適正に行うことは,環境保護 に繋がる。ただし近年,後継者不足による管理不足による放置竹林の増加が環境劣化 を招くとの社会問題になりつつある。一方,宅地造成のため竹林が消滅しつつあると いう問題も存在するB5) 2.3. 竹材の基礎的性質に関する研究 2.3.1. 竹材の細胞学的組織・構造 竹類は,その形や性質の違いで「タケ」「ササ」「バンブー」の3つのグループに 分類されB3),「タケ」は地下茎が横に伸びていく。タケノコが成長すると皮(稈鞘) が剥がれ落ちる。代表的なものには,マダケやモウソウチクがある。 「ササ」は一般に地下茎は横に伸びていき,タケノコが成長しても皮(稈鞘)が剥 がれ落ちないクマザサやミヤコザサなどは代表的なササである。「バンブー」は一般 に地下茎は横に伸びず短い。熱帯・亜熱帯性のもので,地上部の稈が群がって株立ち 状態になる。ホウライチクやホウショウチク,コマチダケなど種類が多く,国内では 九州や沖縄でも生育している。 樹木の幹は形成層と呼ばれる肥大成長組織をもち,年々伸長成長するとともに半径 方向太くなって年輪を形成するのに対し,多くの竹稈は内部が空洞になっていて形成 層を有しないので,年々半径方向に成長せず,年輪もなく,太くならない。つまり, 竹の稈は1年目でその太さが決まり,その後は太くならない。竹材の稈壁を構成する 要素の大半は靭皮繊維を主とする維管束・柔組織であり,表皮層・厚膜細胞層がわず かに存在する。 鈴木は,モウソウチクの稈壁の気乾比重を測定し,維管束の密な表皮層ほど高く, 内壁に近づくに従い減少し,かつ垂直方向(地上高)の位置によっても変化がみられ ることを報告したC1,C2)。さらに,表皮層・厚膜細胞層ともに比重が1以上とみられ, 中間部の柔組織とは異なる点が多く,竹の材質を評価するに当たってはこの層を削除 する必要があるとしているC3) 2.3.2. 竹材の強度 中馬らは,モウソウチクの複合構造,特に維管束の分布に注目し,引張特性との関 係を吟味した C4)。その結果,維管束の体積率は内皮から外皮に向けて放物線的に増 加した。また地上高とともに相対的に増加するが、これに従い比重および縦弾性係数 も維管束体積率と同様な増加を呈したと報告している。

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Panshin らは,南米アンデス地方産竹(樹種不明)の平均的強度を明らかにした

C5)。渋沢は本邦産モウソウチクおよびマダケの基礎的性質を明らかにし,モウソウチ

クの密度は 0.76 g/cm3, 曲げ強さは 140 MPa, 縦圧縮強さは 75.0 MPa, 引張強さは

170 MPa, せん断強さは 16.5 MPa, 曲げ弾性係数は 12.5 GPa と報告しているC6)

また,化学的成分についても記述しており,竹材は木材と同様に,セルロース,ヘミ セルロース,リグニンから構成されており,その化学的な成分については,抽出成分 に含まれる糖分や灰分が多いとしている。 Shukla らは,インド産竹 11種について強度性能を調べた結果,地上高の違いに よる部位と強度との間には相関性が認められなかったC7) Lakkad らは,竹および構造用材料数種類(軟鋼,ポリエステル樹脂,指向性 GRP 等)について,単位比重に対する強度諸量を比較検討した結果,竹の強度はプラスチ ック材料よりも強いことを明らかにしたC8) 太田らは,竹材の繊維方向圧縮(縦圧縮)における破断面の角度について C9),節間 内における材質の変化について C10),竹稈における維管束の配列状態について C11) 含水率と引張強さ C12,C13),圧縮強さ C14),せん断強さ C15)との関係および竹の含水率 変化に対する諸強度の換算式C16)について,それぞれ報告した。 Lee らは,米国サウス・カロライナ産マダケの比重,生竹含水率,収縮率,縦圧縮 強さ,縦引張強さ,MOE,MOR について測定し,地上高が高くなるにしたがって強 度特性は漸減したと報告しているC17) 2.3.3. 竹材の加工性能 2.3.3.1. 単板切削 我が国における竹材の切削に関する基礎的研究は木下によって,始まったといって も過言ではない D1,D2)。モウソウチクの切削機構は維管束の密度によって著しく支配 され,稈壁の中間層では基本組織のみを切削している部分と維管束のみを切削してい る部分とでは切削機構および切削抵抗が異なることを明らかにした。また,内皮は破 壊型切屑を生成し,表皮層では主として流れ型切削が行われた。含水率が増加するに したがい連断型または破壊型切削から流れ型切削に移行し,切削面も平滑になってい った。 杉山は,竹稈壁接線断面の二次元横切削を実施し,切削抵抗に影響及ぼす容積重の変 化について検討し,竹稈壁位置が表皮層側から稈内側(向心方向)へ移行するに従い 気乾容積重は指数関数的に減少したと報告している D3)。切削抵抗主分力は皮表層に おいて最大となり,半径方向(向心方向)への変化につれ指数関数的な減少傾向を示 し,背分力は工具が被削材によって跳ね返される方向に作用する場合と工具が被削材 内へ喰い込む方向に作用する場合とがあり,切屑のカール半径は切込量が厚くなるに したがい増大した D4)。また,竹稈のロータリー単板切削では,節間部稈壁と節部稈 壁とを同時に切削する。切削抵抗主分力は,いずれの稈壁半径方向の位置においても, 節部稈壁の場合より節間部稈壁の場合に大きい値を示し,工具すくい面における背分 力は節間部稈壁と節部稈壁の違い等によって作用方向が異なった D5)。さらに,摩擦 係数は切込量に関係なく,稈内側(向心方向)に向うにしたがって減少傾向にあった

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7 と報告しているD6) 2.3.3.2. 研削 木下は,回転する円盤状多孔性砥石に竹材を押し付けることによって竹材の研削加 工を行った D7)。時間の経過とともに砥石に目づまりが生じるが,その防止・抑制策 として、被削材を砥石の回転方向に対し直角となる方向に摺動(往復運動)させた。 このことは,すでに当時に「振動研削加工」の有効性について検討していたことにな る。 八高らは,砥粒径の異なる研磨紙を用いて,モウソウチクの外表皮から内表皮まで のアブレッシブ摩耗特性を調べた D8)。その結果,竹材は外表皮側近くが最も摩耗し にくく,内表皮に向うにしたがって摩耗しやすくなった。しかし,最も摩耗しやすい 部分は内表皮から4mm ほど内側であった。竹材のアブレッシブ摩耗における研磨紙 の砥粒径依存性は2つのタイプ(①臨界砥粒径効果があるタイプ,②摩耗率が砥粒径 に対し直線的に増加するタイプ,③摩耗率がある砥粒径から急激に増加するタイプ) が確認され,特にタイプ③タイプは竹材特有の現象であることが明らかとなった。こ の現象は,維管束部分の座屈がタイプ③の摩耗原因であることが考察された。 2.4. 構造用材やボード類などの原料としての利用に関する研究 前述のように,竹は古い時代から国内外で利用され,主要な工業材料であった時代 もあり,金属や木材の代替材料としての役割を果たしてきた。ベトナムでは今日でも, 鉄筋の代わりに竹を用いた竹筋コンクリートが構造物に使われていたり,建築現場の 足場支柱として広く利用されている。 木質ボード類の原料としての竹材の利用は,1963~1965 に北海道岩内において, ネマガリダケを原料とした炬燵天板用竹パーティクルボードの製造に端を発してい るといえるE1) 竹パーティクルボードでは,マッチの軸程度に粉砕された竹の小片をエレメントと するため,竹が持つ強靭な維管束という特徴が抹殺されてしまう。渋沢ら E2)および Nugroho, N.ら E3)はそれぞれ個別に研究を進め,長い維管束繊維を取り出せるとい う竹の特徴を活かしたボードとして「竹ゼファーボード」を開発し,ボード比重の増 加およびゼファーストランド寸法の細小化によって飛躍的強度性能および寸法安定 性の向上が認められた。竹を縦に2~4割りして,V字状の溝のついた2つのローラ ー間を通して圧壊したすだれ状の繊維の束(ゼファーシート)をボード(ゼファーボ ード)のエレメントとした。 さらに、渋沢らはゼファーシートを合板製造と同様に数枚積層した。その際,各層 のゼファーシートにおける繊維の方向を交互に直行させて積層することでボードの 強度異方性を低減させた E4)。木材と同様な製造条件で竹ゼファーボードを製造する と,木材を用いた場合と同等の強度性能が得られたとしている。 張は,非木材リグノセルロース系早生森林資源の代表格である竹の稈壁を解繊した 竹ファイバー,竹稈を薄く剝いた竹ストランドに広葉樹ファイバーを加えて原料とし た3層構造複合ボードを開発した E5)。強度特性を検討した結果,3層構造複合ボー

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8 ドの耐水性,寸法安定性,比強度(MOR/密度)および非ヤング率(MOE/密度) はいずれも合板より優れていたと報告している。 米蔵 優らは竹のフローリング用材としての利用を想定して,4分割した竹を高周 波加熱方式によって軟化させ,加圧によって平板化する技術を開発したE6,E7) 日高らは,強靭な竹繊維を効率的に解繊するため,円筒縦方オートクレーブで竹割 材を160~200℃,15~120分間蒸煮した。乾燥させた後,プラスチックハンマーで叩 き潰し,面状の粗い板の間にはさみ擦り合わせることによって竹繊維を得た。ホット プレスを用い,160~200 ℃,10~30分,10 MPaの条件にて,熱圧締し自己接着(バ インダーレス)で成形した。得られたボードの曲げおよび引張強度試験を行った結果, 従来の竹材強度に比べ,高い強度を有する材料が得られたE8) 松本らは,竹ファイバーボードの作製を目的に,竹チップを高圧シングルディスク ファイナーにより蒸煮処理によって解繊して得られた竹繊維を用いた竹ファイバー ボードを開発したE9)。その材質を検討した結果,竹ボードの常態MORは木材ボード と同等の値を示したが,MORではどの密度領域においても低い値を示した。 株式会社テクノートは,特殊スライサーで厚さ約 0.3 mm の薄板(竹シート材)を 削りだした。竹シート材は,繊維と直角方向に裂けやすい欠点があるので,裏面に薄 い不織布を接着して裂けにくくした。竹シート材を数枚積層した竹集成材の製造技術 を開発した E10)。西川らおよび藤川らは、それぞれ割竹を直行方向に圧密積層・接着 した圧密竹合板を開発したE11,E12) 大内らは,竹製車椅子のフレーム部材である竹積層材の強度性能を明らかにするべ く,曲げ試験及び木ネジ保持力試験を行った E13)。曲げ試験において竹単板厚さの違 いによる曲げ強度への影響は積層厚さが同一であるならば,竹単板厚さが薄いものを 多く積層した方が高くなる傾向が見られた。木ネジ保持力試験においては,板目面: 2.97 kN,柾目面:2.79 kN と差はあまり見られなかったが,スギ材の約 2.6 倍の値 であった. 高橋らは,竹繊維を補強材として用いて,木質成形体の機械的特性の向上を目的に, 蒸気処理ブナ木粉と爆砕竹繊維との複合化を試みたE14)。竹繊維の重量配合比率を25 ~75%とし,木粉と竹繊維を 3 ~7 層に積層して成形体を作製し,物性を検討した。 その結果,竹繊維含有率が大きいほど,成形体の曲げ強さ,引張強さは大きくなり, 竹繊維75%の成形体では,木粉 100%の成形体に比べ,引張強さは 3.8~ 5.8 倍,曲 げ強さは3.5 倍程度に向上した。 2.5. 環境制御分野への利用や成分の利用に関する研究 環境制御分野への竹利用として,竹炭による湿度調節が試みられている E15)。竹炭 は炭化温度が上昇することに従って,アルカリから酸性へと変化した。化学成分のう ち,灰分,カリウムおよびマグシウム含有量は竹炭のpH によって異なった。木炭に 比して灰分が多く,また,調湿機能が優れており,住環境への応用が期待され,床下 調湿のための竹炭の敷炭や埋炭,また粉炭に加工して壁紙や塗料を開発するなどの取 り組みが行われているE16) また,竹の化学的成分に注目が集まっている。竹には抗菌性・抗酸化性や鮮度保持

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9 の機能性化学成分が多く含まれており,消臭剤・白セン菌(水虫)抗菌剤など竹の医 学分野への利用の可能性が示唆されたE17,E18)。古い時代から地方で行われている「竹 酒の宴」の行事は,最近になって癌封じの効能が認められた E19)。青竹の筒中に含ま れているビタミンK,クロロフィルが癌封じに著効ということに着目された。 2.6. 植物系円筒状構造材料に関する研究 寺社建築における伝統的木造建築物の柱やイベントホールなどにおける大型構造 物の化粧柱に木材円柱が使われている。通直で大径の木材の入手が困難となり,また 円柱状に加工するには多大な労力と時間を要し,高価な商品となっている。 このような背景から,木材および木質系構造用円柱材料の代替材料の開発が検討さ れてきた。栃木・川崎らは,通直であり薄肉円筒状の竹の構造と力学的特性に着目し, 単板を用いて「竹」構造の再現(製造)を試みたF1,F2)。すなわち,ベルトの張力と3 個のローラー相互の接触圧を利用して天芯にラワン単板を繊維直行方向に巻き取り, 巻き取り後に天芯を抜き取ることで,中空で円筒状に成形する「巻単板積層材」の製 造技術を開発し,適正な製造条件を明らかにした。さらに,「巻単板積層材」の基礎 的性質として,引張りせん断接着力,縦および横圧縮試強さ,曲げ強さおよび座屈強 さについて検討を行った。その結果,引張せん断接着力に対して,圧締時間ならびに 製造装置のローラー回転数による影響はほとんど認め難く,またある程度以上の肉厚 では,通常の条件で製造された LVL とほぼ同等のせん断接着力を得た。縦圧縮にお いては,特に肉厚の薄い場合に局所的座屈が生じ,強度が低下した。一方,横圧縮最 大荷重は,実用に供するには,何らかの対策が求められるほど小さな値であり,改善 が求められたF3,F4)曲げ強さについては,試験体保持治具を用いず直接付加した場合, 容易に横断面の変形が生じた。保持具を用いた場合でも曲げ破壊係数は矩形横断面を 有する LVL を下回り,曲げたわみ量は大きな値となった。座屈試験は中間柱領域で 実施したが,薄板の座屈から導かれた理論値をかなり下まわったが,ジョンソン式に より求められる値とほぼ一致したF5,F6) 川井・佐々木らは、「巻単板積層材」は単板が平巻きされていることから,長尺材 料の製造が困難であった点を改善し,木質円筒形材料の生産性向上を目指して,主と して紙管や FRP 管の製造に用いられているスパイラルワインディング法を適用した F7,F8)。スパイラルワインディング法とは,マンドレルと呼ばれる鋼製の巻き芯に帯状 の単板をらせん状に巻き重ねる方法である。巻き上げる帯状単板の回旋方向を一層ご とにS旋回,Z旋回と交互になるようにすることで,「円筒形単板積層材料」の弾性 率の低減を抑制した。裏割れによる単板の強度低下を防ぐべく,ミシンで繊維直行方 向を縫製する方法を考案し,採用したF9)。また、スギやクロマツの単板による円筒形 単板積層材の内圧強さ,曲げおよび圧縮性能を巻き重ね壁厚との関係において検討し た F10)。秋田県立木材高度加工研究所と(財)秋田県木材加工推進機構とによって, ホテルやホールなどの大空間における室内柱としての利用を目的に,最大直径1.5 m, 長さ15 m の大円筒形 LVL の製造を進めているF11) Thuy および共同研究者らは,効果的に竹材を利用する方法のひとつとして,竹素 材エレメントを用い,構造用軸材料の開発を目的とした基礎資料を得ることを目的に

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検討を試みた。竹材を用いた構造用軸材料として PSL(Parallel Strand Lumber) について検討した。竹製 PSL の検討の第一段階として,竹を細長く加工したひごエ レメントを軸方向に平行に,かつ円筒状あるいは角筒状に巻き重ね,肉厚のある中空 軸材とした。中空構造は軽量であり,同じ実質断面積を有する軸材よりも断面二次モ ーメントが大きいとされ,中空部は配管あるいは配線スペースとして利用できる等の 利点があるF12, F13, F14, F15, F16) 2.7. 既往の研究の文献リスト A)竹利用の歴史(伝統的利用)に関する研究 A1)渋沢龍也:グリーン・エイジ,376 号,4-27 (2005) A2)室井 綽:“ものと人間の文化史 10, 竹”,法政大学出版局,43-126 (2010) A3)沖浦和光:“竹の民俗誌”,岩波書店,(1991),243p A4)大分県別府産業工芸試験場編:“竹編組技術資料集(基礎技術編)”,(1990), 164p A5)大分県別府産業工芸試験場編:“竹編組技術資料集(応用技術編)”,(1991), 122p

A6)Tran Doan Lam: Official Information (License No.203/GP-TTTD), Ministry of Information and Communication of Vietnam (2011)

A7)大分県別府産業工芸試験場編:“竹編組技術資料集(アジアと日本の竹文化資 料編)”,(1999),116p A8)佐久間光好:富士竹類植物園報告,53, 83-88 (2010) A9)植田弘一郎:竹づくし文化考、京都新聞,223 (1986) A10)野中重之:福岡県森林技術センター研究報告,4 号,1-52 (2003) A11)渡辺政俊:グリーン・エイジ,376, 8-11 (2005) B)竹資源・環境に関する研究 B1)農林統計協会編:“図説林業白書(平成 11 年度版)”,参考付表p.9 (1999) B2)岩松文代:Bamboo J., 27, 5-18 (2010) B3)ミュージアムパーク茨城県自然博物館:“開館 15 周年記念・第 45 回企画 ・ 竹展:しなやかな空間への招待”,3 (2009) B4)渋沢龍也:林業技術,672, 23-26 (1998) B5)朝日新聞:“シリーズ・グラフ文化史 竹博物誌”,162 (1985) C)竹材の基礎的性質に関する研究 C-1)竹材の細胞学的組織・構造 C1)鈴木 寧:東京大学農学部演習林報告,36 号, 135-156 (1948) C2)鈴木 寧:材料、12(121), 734-739 (1964) C3)鈴木 寧:東京大学農学部演習林報告,36 号, 187-203 (1948) C-2)竹材の強度 C4)中馬 丞ら:材料,39(442), 15-19 (1990)

C5)Panshin, et al.: Textbook of Wood Technology, McGrawhill Book Co., pp.504 (1952)

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C6)渋沢龍也:木材工業, 65(11), 544 (2010)

C7)Shukla,N.K.et al.:J. Aca. Wood Sci., 19(2), 63-80 (1988) C8) Lakkad,S.C.et al.: Fiber Sci. and Tech., 14, 319-322 (1990-81) C9)太田 基:第4回日本林学会九州支部研究抄報, 49-51 (1952) C10)太田 基:第6回日本林学会九州支部研究抄報, 56-59 (1952) C11)太田 基・杉 修吉:日本林學會誌. 33 (12), 449(1951) C12)太田 基:第8回日本林学会九州支部研究抄報告, pp.84 (1953) C13)太田 基:九州大学農学部演習林報告, 23 号, 155-164 (1954) C14)太田 基:九州大学農学部演習林報告, 22 号, 87-108 (1953) C15)太田 基:九州大学農学部演習林報告, 25 号, 121-131 (1955) C16)太田 基:九州大学農学部演習林報告, 26 号, 103-115 (1956) C17)Lee, A.W.C., et al.:Forest Products J., 44(9), 40-46 (1994) D)竹材の加工性能 D-1)単板切削 D1)木下直治:木材工業,4(4), 8-12 (1949) D2)木下直治:科学研究所報告,30(3),180-189 (1954) D3)杉山 滋:長崎大学教育学部自然科学研究報告,49 号, 91-106 (1993) D4)杉山 滋:長崎大学教育学部自然科学研究報告,49 号, 107-119 (1993) D5)杉山 滋:長崎大学教育学部自然科学研究報告,50 号, 33-50 (1994) D6)杉山 滋:長崎大学教育学部自然科学研究報告,53 号, 57-71 (1995) D-2)研削 D7)木下直治:木材工業,4(10), 1-54 (1949) D8)八高隆雄ら:木材学会誌,45(4), 281-288 (1999) E)竹を利用した構造用材(代替材料としての竹利用)に関する研究 E1)渋沢龍也:木材工業,26(4), 152-157 (2008) E2)渋沢龍也:現代林業,397 号,30-33 (1999)

E3)Nugroho,N. and Ando,N.: J.Wood Sci., 46, 68-74 (2000) E4)渋沢龍也:林業技術,672 号, 23-26 (1998) E5)張 敏:木材研究・資料, 33 号, 33-70 (1997) E6) 米蔵 優ほか:鹿児島県工業技術センター研究報告, 4, 103-116 (1990) E7) 米蔵 優ほか:鹿児島県工業技術センター研究報告, 7, 49-52 (1993) E8)日高富男ほか:鹿児島県工業センター研究報告, 23, 87-91 (2009) E9)松本久美子ほか:木材学会誌, 47(2), 111-119 (2001) E10)株式会社テクノート:高強度竹素材・開発資料, http://www.tcn.co.jp/bamboo/take_sheet.pdf(2013 年 9 月 24 日閲覧) E11)西川 徹ほか:日本建築学会九州支部研究報告,44, 465-468 (2005) E12)藤川将登ほか:日本建築学会九州支部研究報告,45, 293-296 (2006) E13)大内成司ほか:大分県産業科学技術センター平成 12 年度 研究報告, 121-124(2002) E14)高橋勤子ら:愛知県産業技術研究所 2010 研究報告, 14-16 (2010)

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12 E15)藤原 敏:津山工業高等専門学校紀要,44, 7-12 (2003) E16)徳永 陽子・荒木 光:京都教育大学環境教育研究年報,15,99-123(2007) E17)清岡久幸:技苑,123, 49-54 (2006) E18)(株)アクティベイト/ホームページ, http://www.activate-jp.com/tokucho/index.html (2013 年 9 月 24 日閲覧) E19)室井 綽:“ものと人間の文化史 10, 竹”,法政大学出版局,158-159 (2010) F)植物系円筒状構造材料に関する研究 F1)栃木紀郎ほか:第 28 回日本木材学会大会研究発表要旨,p.218 (1978) F2)栃木紀郎ほか:木材学会誌,27(7), 556-565 (1981) F3)栃木紀郎ほか:第 30 回日本木材学会大会研究発表要旨,p.146(1980) F4)川崎 久ほか:木材学会誌,28(2), 107-114 (1982) F5)川崎 久ほか:第 30 回日本木材学会大会研究発表要旨,p.147 (1980) F6)川崎 久ほか:木材学会誌,28(2), 122-128 (1982)

F7)Hara, Y., et al.: Wood Research, 81, 24 (1994) F8)山内秀文ほか:木材学会誌,43(9), 747-753 (1997) F9)山内秀文:APAST, 31, pp.15-18 (1999)

F10)山内秀文ほか:材料,47(4), 350-355 (1998)

F11)Ma, L.F., et al.:Proc. the Symp. on Utilization of Agri. And Forestry

Residues, 253-259 (2001) F12)Thuy, C.T.:東京農業大学大学院林学専攻修士論文,(2010) F13)Thuy, C.T. 他:第 60 回日本木材学会大会研究発表要旨(宮崎大学),p.133 (2010) F14)Thuy, C.T. ほか:第 61 回日本木材学会大会研究発表要旨(京都大学) CD-ROM 版 I19—P-AM07 (2011) F15)Thuy, C.T. ほか:第 62 回日本木材学会大会研究発表要旨(北海道大学),p.46 (2012) F16)チュウ・タン・ツォイほか:木材工業,67(7), 290-295 (2012) 3. 本研究の位置付け これまで、このような竹の資源的特徴と強度的性質を活かした建築用の軸材料とし ての利用に関する研究は少ない。今後、このような利用方法に関する研究が必要とさ れるようになると考えられる。 4. 論文の概要 4.1. 第 1 章(序論) 4.1.1. 研究の背景と意義・目的 木材資源は世界的には減少しており、木材の有効利用の必要性が一段と高まってい る。同時に、木材に代わる資源の利用についても検討する必要を求められている。こ のような現状の下、木材と同様に再生産可能な資源であり、さらに木材よりも成長が 早い竹類の利用が考えられる。 しかしながら,竹は構造用材料に供される木材の代替材料として期待できる性質や

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13 蓄積があるにもかかわらず十分活用されていない。現在ベトナムでは、竹類の種類も 蓄積も多いが、ベトナムにおける竹材の利用は、そのままの形で利用することが多く、 加工程度は低いことが多い。構造用材料として竹材が利用できるならば,我が国はも とよりアジア諸国に生育する潜在的資源の有効活用と地域振興にも寄与できるもの と思われる。 竹材は強度性能に優れており,特に繊維方向における引張り,曲げ,圧縮強度は木 材に優るといえる。また,竹繊維の高い配向性に由来して割裂性がある。 このような竹材に係わる諸要件を考慮し,竹材を用いた構造用軸材料の開発への基礎 資料を得ることを目的に,もっとも効果的に竹材を利用する方法のひとつとして,竹製 のPSL(Parallel Strand Lumber)(以下、「竹 PSL」)の強度特性について検討した。

4.1.2. 既往の研究 4.1.2.1. 竹利用の歴史に関する研究 竹は,古くから日用品や工芸品に多く利用されてきた。野中は,日本で竹が生育し ていたという記録は縄文時代にさかのぼるとの説を発表した。ベトナムでは,「竹は ゆりかごから墓場まで」と言われている。田舎の新生児は竹のゆりかごで育ち,人生 の最期には,村人たちが墓にゆっくりと棺を提げるために竹の棒を使用すると言われ るように,ベトナムにおいて竹は古くから伝統的に利用されてきた。 昭和56年に京都市で開催された国際林業研究機関連合(IUFRO)において,「竹 の研究」が初めて国際研究の場にとりあげられた。 4.1.2.2. 竹資源・環境に関する研究 平成元年以降の竹林面積の推移をみると,平成元年,10 年および 20 年の竹林面積 は,それぞれ88,190 ha, 59,452 ha および 34,443 ha であった。

アジアでは中国 340 万 ha,タイ 81 万 ha,ベトナム 148 万 ha,ミャンマー 220 万ha,インド 957 万 ha などと言われている。 環境問題が社会的な課題となっている今日,森林を保護する活動が活発化している。 森林で樹木が成長するには長い期間が必要となる。一方,竹は約3年程度で成竹とな るので,二酸化炭素の固定が短期間で済むので,竹林の伐採から利用・再生までの竹 林管理を適正に行うことは,環境保護に繋がる。 4.1.2.3. 竹材の基礎的性質に関する研究 竹材の細胞学的組織・構造に関して、竹類は,その形や性質の違いで「タケ」「サ サ」「バンブー」の3つのグループに分類される。竹材の稈壁を構成する要素の大半 は靭皮繊維を主とする維管束・柔組織であり,表皮層・厚膜細胞層がわずかに存在す る。 竹材の強度に関して、中馬らは,モウソウチクの複合構造,特に維管束の分布に注 目し,引張特性との関係を吟味した。地上高さとともに相対的に増加するに従い,比 重および縦弾性係数も維管束体積率と同様な増加を呈したと報告している。また、渋

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沢は本邦産モウソウチクおよびマダケの基礎的性質を明らかにし,モウソウチクの密 度は 0.76 g/cm3,曲げ強さは 140 MPa,縦圧縮強さは 75.0 MPa,引張強さは 170 MPa,

せん断強さは16.5 MPa,曲げ弾性係数は 12.5 GPa と報告している。 構造用材やボード類などの原料としての利用に関して、ベトナムでは今日でも,鉄 筋の代わりに竹を用いた竹筋コンクリートが構造物に使われていたり,建築現場の足 場支柱として広く利用されている。また、木質ボード類の原料としての竹材の利用は, 1963~1965 に北海道岩内において,ネマガリダケを原料とした炬燵天板用竹パーテ ィクルボードの製造に端を発しているといえる。竹パーティクルボードでは,マッチ の軸程度に粉砕された竹の小片をエレメントとするため,竹が持つ強靭な維管束とい う特徴が抹殺されてしまう。渋沢らおよびNugroho, N らはそれぞれ個別に研究を進 め,長い維管束繊維を取り出せるという竹の特徴を活かしたボードとして「竹ゼファ ーボード」を開発した。 環境制御分野への竹利用では、竹炭はによる湿度調節が試みられている。木炭に比 して灰分が多く,調湿機能が優れている。さらに、粉炭に加工して壁紙や塗料を開発 するなどの取り組みが行われている。また,竹の化学的成分に注目が集まっている。 竹には抗菌性・抗酸化性や鮮度保持の機能性化学成分が多く含まれており,消臭剤・ 白セン菌(水虫)抗菌剤など竹の医学分野への利用の可能性が示唆された。 植物系円筒状構造材料に関して、寺社建築における伝統的木造建築物の柱やイベン トホールなどにおける大型構造物の化粧柱に木材円柱が使われている。通直で大径の 木材の入手が困難となり,また円柱状に加工するには多大な労力と時間を要し,高価 な商品となっている。このような背景から,栃木・川崎らは,通直であり薄肉円筒状 の竹の構造と力学的特性に着目し,単板を用いて「竹」構造の再現(製造)を試みた。 中空で円筒状に成形する「巻単板積層材」の製造技術を開発し,適正な製造条件を明 らかにした。また、Thuy および共同研究者らは,効果的に竹材を利用する方法のひ とつとして,竹素材エレメントを用い,構造用軸材料の開発を目的とした基礎資料を 得ることを目的に検討を試みた。竹材を用いた構造用軸材料として竹 PSL について 検討した。 4.1.3. 本研究の位置付け これまで、このような竹の資源的特徴と強度的性質を活かした建築用の軸材料とし ての利用に関する研究は少ない。今後、このような利用方法に関する研究が必要とさ れるようになると考えられる。 4.2. 第2章 竹 PSL の強度(接合部が無い場合) 4.2.1. 本章の目的 節部を含めた長さ約1 m の小断面のひご状の竹(以下、「竹エレメント」)をナイロ ン繊維で織り合わせたすだれ状の竹製のマット(以下、「竹マット」)を断面が円形(中 実・中空)あるいは角形(中実・中空)に巻き重ねて竹製の PSL を作製し、この竹

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15 製のPSL(以下、「竹 PSL」)の強度について検討することを目的とした。 無垢材の強度特性との比較を行なうために,これらとほぼ近似の角形断面寸法を有 するスギ材についても同様の強度試験を実施して比較した。 4.2.2. 竹PSL の断面形状による呼称 断面形状により,円形中実竹PSL、円形中空竹 PSL、角形中実竹 PSL、角形中空 竹PSL と呼ぶことにした。 4.2.3. 実験1(竹エレメントの強度) 竹PSL の強度に直接的に影響を与える竹エレメントの密度や強度を調べた。 その結果、竹エレメントの曲げヤング係数は竹 PSL(円形中実)のそれより 25% ほど大きかったがスギより 35%ほど小さく、竹エレメントの曲げ強さは竹 PSL(円 形中実)やスギのそれの約2 倍であった。 4.2.4. 実験2(接着剤塗布量と養生時間の決定) 試験体を作製する際の適切な接着剤塗布量と接着剤の硬化に必要な養生時間を決 定するために、接着剤塗布量と接着剤塗布後の養生時間を変化させて横圧縮強度に与 える影響を調べた。 その結果、接着剤塗布量は1 m2あたり400 g とし、試験体を作製してから恒温恒 湿室で4 日間養生した後に強度試験を行うことにした。 4.2.5. 実験3(竹PSL の強度) 断面が円形(中実・中空)あるいは角形(中実・中空)の軸材料として竹 PSL を 作製して強度試験を行った。比較のために,同様の断面を持つスギについても検討し た。 曲げ特性を比較すると,円形竹PSL の方が角形竹 PSL よりもたわみ量が少なかっ た。また円形および角形竹 PSL ともに,中実竹 PSL の方が中空竹 PSL よりも曲げ 荷重によるたわみ量が少なかった。中空軸材料は曲げ荷重によって横断面変形による 横座屈を起しやすいため横架材として用いる際は,これらの点について配慮する必要 があと思われる。曲げ強さは,スギ>円形中空>角形中空>角形中実>円形中実であ り,曲げヤング率は,スギ>角形中空>角形中実>円形中空>円形中実,縦圧縮強さ は,スギ=円形中実>角形中実>角形中空>円形中空であり,座屈強さは,スギ=角 形中実=円形中実>角形中空>円形中空であった。 竹 PSL は,全般的にスギ材よりもやや強度は劣るが粘り強く,一定の形状に成形 できることや強度特性のばらつきを小さくできると考えられるので,部材としては竹 素材にはない優れた特徴を持つと考える。

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16 4.3. 第3章 竹 PSL 接合部の強度 4.3.1. 本章の目的 本章では,一定の長さの竹 PSL を軸方向に接合して使用する際の接合方法につい て検討した。その際、接合部が外側の場合と接合部が内側の場合について検討した。 4.3.2. 結果 曲げでは,接合部が外側にある場合(以下,「接合(外側)」),圧縮応力が作用する 側の接合部の影響は小さいが,引張り応力が作用する側の外側にある接合部が引張り に弱いので,強さ・最大荷重・曲げヤング率を顕著に低下させる。 一方,接合部が内側にある場合(以下,「接合(内側)」),引張り応力が作用する側 の外側に接合部がないので,接合部の影響は比較的小さい。また、中実の場合,接合 (外側)と接合(内側)の強さが等しくなる巻き数は中実(12‐2)であり,その強 さは接合部がない場合のおよそ 73 %となった。一方,中空の場合,接合(外側)と 接合(内側)の強さが等しくなる巻き数は中空(5‐2)で,接合部がない場合のおよ そ87 %となった。 座屈では,中実の場合,接合(外側)と接合(内側)の強さが等しくなる巻き数は 中実(11‐3)であり,その強さは接合部がない場合のおよそ 75 %となった。一方, 中空の場合,接合(外側)と接合(内側)の強さが等しくなる巻き数は中空(3‐4) であり,その強さは接合部がない場合のおよそ85 %となった。 4.4. 第4章 竹 PSL の強度(竹マットの接合部を階段状にずらした場合) 4.4.1. 本章の目的 一定長さの竹マットを巻き重ねる際に、一層あるいは数層毎に竹マットの接合部を 階段状にずらしながら巻き重ねれば無限に長い竹 PSL を製造することができる。そこ で、隣接する竹マットの接合部をどの程度離せば竹 PSL の強度低下を小さくできるか について検討することを目的とした。 4.4.2. 結果 竹マットの接合部を階段状にずらして分散させ長い竹 PSL を作製する場合には、接 合部の間隔は LVL と同様 30 倍以上離すことが必要であることがわかった。また、巻 き芯に接合部を設ける必要がある場合には、竹マットの接合部と同一断面に存在しな いようにし、できるだけ離すことが望ましいことがわかった。 4.5. 第5章 総括 竹材を用いた構造用軸材料の開発への基礎資料を得ることを目的に,もっとも効果的 に竹材を利用する方法のひとつとして,竹製のPSL の強度について検討した。 竹 PSL は,全般的にスギ材よりもやや強度は劣るが粘り強く,一定の形状に成形 できることや強度特性のばらつきを小さくできると考えられるので,部材としては竹

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17 素材にはない優れた特徴を持つと考える。 接合部がある曲げでは,接合部が外側にある場合(以下,「接合(外側)」),圧縮応 力が作用する側の接合部の影響は小さいが,引張り応力が作用する側の外側にある接 合部が引張りに弱いので,強さ・最大荷重・曲げヤング率を顕著に低下させる。一方, 接合部が内側にある場合(以下,「接合(内側)」),引張り応力が作用する側の外側に 接合部がないので,接合部の影響は比較的小さい。また、中実の場合,接合(外側) と接合(内側)の強さが等しくなる強さは接合部がない場合のおよそ73 %となった。 一方,中空の場合,接合(外側)と接合(内側)の強さが等しくなる強さは接合部が ない場合のおよそ87 %となった。 竹マットの接合部を階段状にずらして分散させ長い竹 PSL を作製する場合には、 接合部の間隔は LVL と同様 30 倍以上離すことが必要であることがわかった。また、 巻き芯に接合部を設ける必要がある場合には、竹マットの接合部と同一断面に存在し ないようにし、できるだけ離すことが望ましいことがわかった。 4.6. 文献 1) 平成 23 年度 森林・林業白書,(2012) p.7-8 2) 大内成司ほか:研究報告 大分県産業科学技術センター,43-45 (1999) 3) 大内成司ほか:Bamboo Journal ,No.17,63-68 (2000)

4) 渋沢龍也:木材工業,63,152-157 (2008)

5) Thuy, C. T.:東京農業大学修士論文(大学院農学研究科林学専攻)(2010) 6) Lee, A. W. C. and Addis, S. C.: Forest Products Journal,51(2),88-89 (2001) 7) 米藏 優ほか:鹿児島県工業技術センター研究報告,4,103-116 (1990) 8) 米藏 優ほか:鹿児島県工業技術センター研究報告,7,49-52 (1993) 9) 大内成司ほか:平成 12 年度大分県産業科学技術センター研究報告,121-124 (2000) 10) 西川徹ほか:日本建築学会九州支部研究報告,44,465-468 (2005) 11) 藤川将登ほか:日本建築学会九州支部研究報告,45,293-296 (2006) 12) 張 敏:木材研究・資料,33 号,33-70 (1997) 13) 松本久美子ほか:木材学会誌,47(2),111-119 (2001)

14) Nugroho, N. and Ando, N. : Journal of Wood Science,46,68-74 (2000) 15) 中馬 丞ほか:材料,39(442),847-851 (1990)

16) Lakkad, S. C. and Patel, J. M.: Fibre Science and Technology, 14(4),319-322 (1980)

17) Lee, A. W. C. et al.:Forest Products Journal, 44(9), 40-46 (1994)

18) Shukla, N.K. et al.: Journal of the Indian Academy of Wood Science, 19(2),63-80 (1988)

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18 20) 山内秀文:木材工業,57,426-432 (2002) 21) 日本木材学会物理・工学編編集委員会:“木材科学実験書Ⅰ 物理・工学編”,中外産 業調査会(1985),p.344 22) http://www.kiemlam.org.vn/Desktop.aspx/List/So-lieu-dien-bien-rung-hang-na m/ (2013.7.25. sited)

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19

第2章 竹 PSL の強度(接合部が無い場合)

1. はじめに 節部を含めた長さ約 1 m の小断面のひご状の竹をナイロン繊維で織り合わせたす だれ状の竹製のマットを断面が円形(中実・中空)あるいは角形(中実・中空)に巻 き重ねて竹製のPSL を作製し、この竹製の PSL の強度について検討することを目的 とした。 中空構造は軽量であり,同じ実質断面積を有する中実の軸材よりも断面二次モーメ ントが大きいとされ,中空部は配管あるいは配線スペースとして利用できる等の利点 が考えられる1), 2)。なお,無垢材の強度特性との比較を行なうために,これらとほぼ 近似の角形断面寸法を有するスギ材についても同様の強度試験を実施して比較した。 2. 竹 PSL の断面形状による呼称 節部を含めた長さが約1 m で小断面〔幅(竹桿壁の周囲方向)約 4.2 mm×厚さ(竹 桿壁の放射方向)約1.7 mm〕の細長いひご状の竹(以下、「竹エレメント」)を平行 に並べてナイロン繊維で編み上げて長さ(竹エレメントの長さ方向)約1m のすだれ 状のマットにしたもの(以下、「竹マット」:写真1)を断面が円形(中実・中空)あ るいは角形(中実・中空)状に巻き重ねて竹製の PSL(以下、「竹 PSL」)を作製し た。 竹PSL は,断面形状により,第1表に示したように呼称した。 3. 実験1(竹エレメントの強度) 3.1. 目的 竹 PSL の強度に直接的に影響を与える竹エレメントの密度や強度を調べることを 目的とした。 3.2. 実験方法 3.2.1. 試験片 曲げ試験用試験片の断面形状は竹エレメントの断面形状(半楕円形:長径4.4mm、 短径2.8mm、長径に沿って二分)そのままとし、長さは 100mm とした。 3.2.2. 試験機 試験機には卓上小型試験機(島津製作所製 EZ―test)を用いた。曲げ試験に当た ってはスパン20mm(写真 1)とし、半楕円の凸面(断面の観察からは維管束の密度 が高いので表皮に近い側であると判断した)からの荷重と平面からの荷重をほぼ同数 の試験片(約10 本づつ、合計約 20 本)について行った。 3.3. 結果と考察 荷重たわみ曲線の形は最大荷重までは木材のそれとほぼ同様であったが、最大荷重 に達した後の破壊の進行は木材よりも緩やかであった(第 1 図)。曲げ試験の結果を

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20 第 1 表に示した。竹エレメントの曲げヤング係数は竹 PSL(円形中実)のそれより 25%ほど大きかったがスギより 35%ほど小さく、竹エレメントの曲げ強さは竹 PSL (円形中実)やスギのそれの約2 倍であった(第 2 章、第 3 表を参照)。 荷重たわみ曲線の形は、半楕円の凸面から荷重した場合と平面から荷重した場合と 比較すると若干異なり、平面から荷重した方がやや脆かった。引張り側(凸面)の断 面係数が小さく、そのため応力が大きく作用するためだと思う。 4. 実験2(接着剤塗布量と養生時間の決定) 4.1. 目的 試験体を作製する際の適切な接着剤塗布量と接着剤の硬化に必要な養生時間を決 定するために、接着剤塗布量と接着剤塗布後の養生時間を変化させて強度に与える影 響を調べた。強度としては、接着剤の硬化程度の影響を受けやすいと考えて横圧縮を 取り上げた。 4.2. 供試接着剤 接着剤には水性高分子イソシアネート系木材接着剤(オーシカ製:鹿印ピーアイボ ンドTP-111,架橋剤 H-3M)を使用した。なお,接着剤塗布量は 400 g/m2 とした。 4.3. 試験体の作製と実験方法 竹マット〔幅(竹エレメントの長軸・繊維方向)87 cm×長さ 103 cm〕の裏面に水 性高分子イソシアネート系木材接着剤をゴムローラーで1 m2あたり200 g、300 g、 400 g になるように塗布し、これを断面が直径 5 cm の円形状になるように巻き重ね た。これにシリコンコーティングされた紙を巻き、梱包用紙バンドあるいは PP(ポ リプロピレン)バンドを用いて十分密着するように 10 cm 間隔でしばった。このよう にして接着剤塗布量毎に 3 本ずつ(合計 9 本)の円形中実竹 PSL を作製した。1 本 の円形中実竹PSL から長さ 10 cm になるように丸鋸で切断して横圧縮用の試験片を 8 個作製し、接着剤塗布量毎に 24 個(3 本×8 個)、合計 72 個(9 本×8 個)の試験片 を作製した。 養生時間は 5 水準(12、24、48、96、168 時間)とし、全ての試験片(72 個)を恒 温恒湿室(温度 20±1 ℃、65 ±2%)に入れ、養生時間が経過する毎に接着剤塗布量 毎に 3 個ずつをランダムに取り出し、合計 45 個の試験片につき横圧縮試験を行った。 4.4. 試験機と変形量の測定 横圧縮試験には万能試験機(島津製作所製UEH-10)を用いた。変形量の測定には LINER GAUGE SENSOR(小野測器製 GS503)と DIGITAL-ANALOG OUT GAUGE(小野測器 DG450)を用いた。

4.5. 結果と考察

養生時間が 12 時間で接着剤塗布量が異なる試験体について、横圧縮試験で得られ た荷重-変形量曲線図(3 本の平均)を第 3 図に示した。第 3 図に示すように、接着

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21 剤の塗布量にかかわらず、荷重の増加にともなって変形量は大きくなるが、荷重初期 における曲線の傾き(荷重/変形量)は接着剤塗布量が大きいほど大きくなった(第 3 図)。この荷重-変形量曲線図において、荷重300 kgf までのプロットに直線をあて はめると、この直線の傾きは接着剤塗布量が多いほど大きかった(第 4 図)。 上記のような傾向は、養生期間(12、24、48、96、168 時間)が異なっても同様で あった(第 3~12 図)。 養生時間の違いに注目すると、第 13 図に示すように、接着剤塗布量にかかわらず、 養生時間が長くなるほど傾きは大きくなったが、塗布量が多いほど速く一定値に近づ く傾向が見られた。 4.6. 結論 上記の結果から、接着剤塗布量は1 m2あたり400 g とし、試験体を作製してから 恒温恒湿室で4 日間養生した後に強度試験を行うことにした。 5. 実験3 5.1. 竹 PSL の作製 円形中空竹PSL の場合は、塩ビパイプ(直径 26 mm)を芯として直径 5 cm にな るようにローラーを用いて竹マットの裏面に接着剤を塗布した竹マットを巻き付け、 全周を10 cm 間隔で梱包用の紙(あるいは PP)バンドを用いて十分密着するように 縛った。 角形中空竹PSL の場合はアルミ製角棒(20 mm ×20 mm)を芯として外寸法が 5 cm になるようにローラーを用いて竹マットの裏面に接着剤を塗布した竹マットを巻 き付け,万力と万能試験機を用いて,断面に対し直角4 方向からアルミ角筒を介して 十分密着するように加圧した。 それぞれ常温で4 日間接着剤を硬化させた後に芯を取り外し、高温高湿室(20±1℃、 65±2%)で 4 日間の養生を行った後に試験に供した。 円形および角形の中実竹 PSL の場合は,芯を用いずに竹マットを巻き,その後は 中空竹PSL と同様に整形・養生を行い試験に供した。 5.2. 強度試験 曲げ試験は、中央集中荷重(試験体長=870mm、スパン長=770 mm)によりオル ゼン型万能試験機(森試験機製)を用いて行った。縦・横圧縮(試験体長=100 mm) および座屈試験(試験体長=770 mm:中間柱、座屈応力=最大荷重/断面積)は、万 能試験機(島津製作所製UEH-10)を用いておこなった。それぞれ供試材 5 個につい て測定を行った。たわみや縮みの測定には、デジタルリニアゲージを用いた。 さらに,無垢材の強度特性との比較を行なうために,これらとほぼ近似の角形断面寸 法(42 mm×42 mm)を有するスギ材(東京農業大学奥多摩演習林産)についても同

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22 様の強度試験を5 個ずつ実施した。 5.3. 結果および考察 5.3.1. 曲げ 曲げ試験(写真3)における竹 PSL の応力-たわみ線図の一例を第 14 図に示した。 第15 図に断面形状の違いによる曲げ強さを示した。また,第 3 表 には竹 PSL の曲 げ諸性能を示した。 円形竹PSL の応力-たわみ曲線の形を中空と中実とで比較すると,第 14 図に示し たように,たわみが10 mm(曲げ応力 30 N/mm2)付近までは差がないが,それを 超えると中空では傾きが徐々に小さくなり,たわみが20 mm を超えると曲げ応力が 約40 N/mm2で一定となり,その後たわみが40 mm を超えると曲げ応力は低下した。 中実では,たわみが10 mm(曲げ応力 30 N/mm2)を超えると傾きは徐々に小さく なるが,たわみが40 mm を超えても一定になることはなかった。このような違いは, 中空の場合、中央集中荷重を受けた部分がつぶれて変形したことによるためだと考え る。 スギ材と円形竹 PSL とを比較すると,スギ材では曲げ破壊応力に達すると突然に 折れて破壊し,応力は急激に減少したが,円形竹 PSL では,中空および中実のいず れも全体的にたわみは急増したが,完全に折れて応力が急激に小さくなることはなか った。また円形竹 PSL では,弾性領域をやや超えても負荷を除くと,中央集中荷重 を受けた部分はへこんだままだが,ほとんど試験前の状態に戻った。竹エレメントで は、曲げヤング係数は竹 PSL(円形中実)のそれより 25%ほど大きかったがスギよ り 35%ほど小さく、曲げ強さは竹 PSL(円形中実)やスギのそれの約 2 倍であった (第 2 章、第 3 表を参照)ので、この竹 PSL の製造方法では竹あるいは竹エレメン トの性能を十分に発揮できていない可能性がある。 以上のような傾向は,角形中空竹PSL と角形中実竹 PSL においても同様にみられ た。 角形竹 PSL の場合,曲げ強さおよび曲げヤング率(E )は中実の方が中空よりも 大きかった(第 3 表)。 円形竹PSL と角形竹 PSL を比較すると,円形の方が角形よりも,曲げ荷重による たわみが少なかった。 中実竹PSL と中空 PSL を比較すると,円形・角形に関わらず,中実の方が中空よ りも曲げ荷重によるたわみが少なかった。中空軸材料は集中荷重を受けた部分に横座 屈を起しやすく,中立面において水平せん断力の影響を大きく受けるので,横架材と して用いる際は、これらの点について配慮する必要があろう。 5.3.2. 縦圧縮 竹 PSL の縦圧縮試験(写真 4)において得られた縦圧縮応力-ひずみ線図を第 16

参照

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