Title
発刊によせて
Author(s)
畠山, 龍郎
Citation
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of the Faculty of
Humanities and Social Sciences(1): i-ii
Issue Date
2000-03-31
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/6033
発刊によせて
畠山龍郎 沖縄大学に人文学部が開設され、国際コミュニケーション学科と福祉文化学科が設置 されたのは1999年4月であり、ちょうど1周年をむかえることになった。 本年は2000年という節目の年であり、沖縄で主要国首脳会議(サミット)が開催さ れ、国際的にも文化面でも沖縄をアピールする絶好の機会でもある。国際コミュニケー ション学科と福祉文化学科は沖縄の地域とその生活に根ざした魅力あるものであり、こ の時期に地理的、歴史的、文化的差異や国際的交流の実際および福祉社会とその実践に ついて研究するための人文学部紀要を刊行できることは望外の喜びである。 本紀要が、沖縄が昔からそうであったように今日もアジアと本土および諸外国をつな ぐ海の交差点となる役割をアピールするための学術研究に貢献することを願うものであ る。 わが国全体を覆う停滞感や閉塞的な状況は根深いものがあり、21世紀へ向けての混迷 を突き抜けるための指針の一助となる研究が期待されていよう。沖縄大学人文学部紀要 はその期待に応えるための研究紀要であってほしいと願っている。 国際コミュニケーション学科では、沖縄という比較的異文化に対する受容力も高く平 和への希求の念も総体的に高い土壌の中で、英語・中国語等を中心とする実学的な語学 の習得を基礎にした異文化の理解・コミュニケーション能力とその技法を備え、国際的 な場でも活躍できる人材の育成を目標としている。一方、福祉文化学科は長寿県沖縄、 相互扶助的なユイマールなど温暖な海洋的自然環境、精神的にも癒しの場を提供しうる 土壌の中で、旧来の前近代的な福祉の概念から進んで積極的・肯定的な実践援助活動を 地域において展開しうる高度な専門ワーカー(ソーシャルワーカー)の育成を目標にし ている。 大学は今、設置基準の大綱化、少子化の傾向による生き残り対策、教育改革、自己評 価等を迫られている。沖縄大学も大転換期の渦中にある。このような社会的情況を外圧 として受動的に受けとめるのではなく、新しく発足した人文学部は積極的・前進的な役 割が期待されていると理解している。人文学部の研究紀要の発刊を契機として、学生の勉学意欲を高め教員の教育。研究を 推進し沖縄大学人文学部のアイデンティティの確立につとめたいものである。 多くの制約や課題が前途に待ちうけている現実を自覚しなくてはなるまい。人文学部 の新しい展望、視野を切り開き構築していくためには、人文学部を構成する全メンバー の総力を結集する必要がある。 沖縄大学人文学部という新しい酒の今後の熟成と芳醇な香りが匂い立つ曰が近いこと を期待するものである。 11