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目 次 1. はじめに 1 2. ワーキンググループの目的 1 3. ワーキンググループにおける検討 1 4. ワーキンググループの検討結果 1 5. まとめ 3 別添一覧別添 1. 経済産業省の要請 ( 経済産業省ホームページより抜粋 ) 別添 2. ウインドパーク笠取発電所 CK-19 号機風車

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(1)

洋上風力発電等技術研究開発委員会

平成

25 年度 風車事故対策ワーキンググループ

洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の運転に向けて

告 書

2013 年 6 月 20 日

風車事故対策ワーキンググループ

(2)

目 次

1. はじめに ··· 1

2. ワーキンググループの目的 ··· 1

3. ワーキンググループにおける検討 ··· 1

4. ワーキンググループの検討結果 ··· 1

5. まとめ ··· 3

別添一覧

別添1.経済産業省の要請(経済産業省ホームページより抜粋)

別添2.ウインドパーク笠取発電所

CK-19 号機風車 ナセル脱落事故について(最

終報告)(経済産業省ホームページより抜粋)

別添3.洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の事業実施者報告

(3)

1

1. はじめに

平成

25 年 4 月 7 日にウインドパーク笠取風力発電所において風車の落下事故が発生

した。洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)は、同風力発電所の事故機と基本

的に同一機種であるため、同事故の原因を踏まえ、風車の安全対策に万全を期するとと

もに、今後の風力発電技術開発に活かしていく必要がある。

そこで、洋上風力発電等技術研究開発委員会に技術専門家からなる風車事故対策ワー

キンググループ(以下、

「ワーキンググループ」

)を設置し、洋上風力発電システム実証

研究(北九州市沖)における風車の安全対策の妥当性について評価を行った。

2. ワーキンググループの目的

技術専門家からなるワーキンググループを設置し、洋上風力発電システム実証研究

(北九州市沖)における洋上風車の安全対策の妥当性について、以下の二項目を検討す

ることを目的とした。

<ワーキンググループの目的>

①ウインドパーク笠取風力発電所の風車事故を踏まえ、洋上風力発電システム実証研

究(北九州市沖)に必要となる安全対策について、技術的見地から評価を行うとと

もに、安全性の確認を行った。

②その他、風車の安全性確認に必要な事項について検討を行った。

<ワーキンググループの委員>

ワーキンググループの委員は以下の通りである。

氏名

所属・役職

勝呂 幸男(主査) 一般社団法人 日本風力エネルギー学会 会長

石原 孟

東京大学 大学院工学系研究科 社会基盤学専攻 教授

前田 太佳夫

三重大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 教授

注1)主査を除き委員は五十音順 注2)敬称略

3.ワーキング

グループ

における検討

ワーキンググループでは、別添

1 の経済産業省の要請、及び別添 2 に示すウインドパ

ーク笠取風力発電所において発生したナセル脱落事故報告の結果を参照し、その事故原

因を精査すると共に、洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の安全対策の検討

を行った。加えて別添

3 に示す洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の事業実

施者から現況を聴取すると共に、技術的な検討を行い、その結果を報告書にまとめた。

4.ワーキンググループにおける検討結果

洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の洋上風車は、ウインドパーク笠取

風力発電所事故機と同機種の㈱日本製鋼所社製 J-82 を使用しているが、事故原因と

(4)

2

なったピッチモータブレーキを構成するスプラインについては、別添 3 のとおり不適

切とされる材質は使われていない。したがって、ワーキンググループでは、洋上風力

発電システム実証研究(北九州市沖)と同じピッチモータブレーキを使用し、運転実

績がある既設風力発電所データとの比較を基に以下の検討を行った。

4-1 洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の洋上風車(ピッチモータブレーキ)

の設計・製作の妥当性について

洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の洋上風車の基本的な構造は、現状

の J-82 と同様にドイツの認証機関である Germanischer Lloyd(GL)のプロトタイプ

の設計認証を受けている。

ピッチモータブレーキの設計に関しては風車メーカーが必要な保持トルクを解析に

よって求め、これをピッチモータメーカーへの要求仕様としている。このピッチモー

タブレーキのスプライン材質は製品証明書に示された鋼材を使用しており、本材質は

ウインドパーク笠取風力発電所の事故機と異なった材料である。風車の設計と製造は

審査登録された ISO9001 にて品質管理されていることから、ピッチモータブレーキの

設計・製作については妥当と判断した。

4-2 ブレーキライニングの磨耗量及びスプラインの材質について

ウインドパーク笠取風力発電所事故機の場合には、アルミ合金製のスプラインを採

用していたため、スプラインの接触部に摩耗が発生し、その摩耗粉によりブレーキラ

イニングが摩耗して必要な保持力が保たれなくなったことが原因とされている。同発

電所の風車においては対策の一環としてステンレス製の材料に変更するとの報告で

ある。

洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の洋上風車は、他の陸上サイトで 2

年を超える発電実績を有する既設風力発電所のスプライン構成と同じ鋼・鋼(オス・

メス)を採用していることから、ブレーキライニングの摩耗の発生について、既設風

力発電所における摩耗の実測値及びピッチモータメーカーから提供された製品証明

書を用いて、評価を行った。

既設風力発電所のピッチモータブレーキのギャップ測定結果から、過去 2 年 3 ヶ月

の間に発生した摩耗量は 0~0.2mm であり、鋼製のスプラインを採用したピッチモー

タブレーキにおけるブレーキライニング摩耗の発生は、最大約 0.1mm/年と推定され

た。また、0~0.2mm の磨耗量は、ピッチモータメーカーから提供された製品証明書

に示される管理値内に収まっている。以上のことから、鋼製のスプラインを用いたピ

ッチモータブレーキは、適切なメンテナンス下にあっては、十分なブレーキ保持力が

確保されるものであると評価した。

洋上風車におけるピッチモータブレーキのスプライン材質は C45・C43(オス・メ

ス)であり、これは JIS の S45C・S43C (機械構造用炭素鋼)に相当するもので、オ

(5)

3

ス・メス共に、鋼製であることから、ウインドパーク笠取風力発電所事故機で発生し

たスプラインの異常摩耗の可能性は極めて少ない。S45C・S43C の違いは炭素量の差

であるが、製鋼上からはその差異は小さく、現実的に材質の差異はほとんどない。

C45・C43 の硬度差がほとんどないことから、スプラインの摩耗は少なく、ウインド

パーク笠取風力発電所で発生した材質差異による摩耗の問題は発生しないものと考

えられる。

なお、鋼製の硬度が 180-230 であるのに対し、ステンレスは 180 であり、硬度は、

鋼製の方がステンレスより高く、摩耗は硬度に依存することから、鋼・鋼の組合せは

鋼・ステンレスに比べて同等以上の寿命と考えられる。

4-3 ピッチモータブレーキのメンテナンスについて

ピッチモータブレーキのメンテナンスについては、メーカー推奨期間が

3 年間と

なっている。

2 年以上運転を行っている既設風力発電所の運転実績から求められる安

全側である最大の摩耗量 0.1mm/年を想定して計算した結果、3 年間のギャップ進行

予想値は初期のギャップ値を安全側に取った場合でも十分管理値内におさまること

が認められた。そこで、メンテナンス間隔は十分な間隔である

1 年を原則とし、更

なる安全を考慮して当初は

6 ヶ月で点検することとし、その後状況により 3 ヶ月ず

つ延長することとした。

4-4 ブレーキ保持力のチェック機能と過回転対策の強化について

過回転対策については、これまで空力ブレーキを独立する保安装置が採用されて

いる。洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の洋上風車ではこれに加え、

ピッチモータブレーキのブレーキ保持力のチェック機能や回転数制御を追加するこ

とにより更なる安全を図る。

5.まとめ

ワーキンググループにおいて、洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の

洋上風車における安全性について検討した結果、以下の項目について、安全性は妥

当であると判断され、運転を開始するに必要な安全性が確保されていることが確認

された。

1) 洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)洋上風車(ピッチモータブレーキ)

の設計・製作の妥当性について

2) ブレーキライニングの磨耗量及びスプラインの材質について

3) ピッチモータブレーキのメンテナンスについて

4) ブレーキ保持力のチェック機能と過回転対策の強化について

(6)

経 済 産 業 省

2013FY004

平成25年5月2日

九州産業保安監督部

部長 守屋 猛 殿

経済産業省商務流通保安グループ

電力安全課長 村上 博之

発電用風力設備の安全確認について

平成25年4月7日にウインドパーク笠取風力発電所において発生した風車の落下及び支持物

折損事故については、事故調査の結果、別紙のとおり、風車の一部材料において、不適切な材質

で製造されたものを使用していたことが判明しています。

本事故については、引き続き調査を実施し、再発防止対策の実施が必要となりますが、上記の

状況に鑑み、公共の安全の確保の観点から、発電用風力設備の安全管理に万全を期すため、管内

の発電用風力設備の設置者に対し、下記の措置を講じるよう、要請をお願いします。

1.風車の製造事業者が同発電所と同じ設備である場合には、下記の措置を講じること。

① 風車の安全な状態の確保に係る保安点検及び必要に応じ補修等の対策を実施すること。そ

の際には、通常実施する点検に加え、ピッチモータブレーキなど制御装置を中心に、運転開

始以降、当該部位における事故・故障、修理履歴等を調査し、当該部位における摩耗等が発

生している、又はその恐れがある場合は、速やかに当該部位を取り替えるなどの対策を講じ

た上で、これらの結果を評価すること。

② 点検終了までの間、一般公衆の接近防止措置を強化又は必要に応じ運転停止等の適切な安

全確保措置を講じること。

③ ①及び②の対策を講じた結果を、5月23日を目途に報告すること。

2.風車の製造事業者が同発電所と同じ設備でない場合には、今般の事故に係る調査状況に鑑み、

速やかに点検等保守管理を確実に実施すること。

別添1

(7)

(別紙)

平成25年4月7日にウインドパーク笠取風力発電所で発生した風車落下及び支持

物折損事故の概要について

1.設置者:株式会社シーテック

2.発電所の概要

(1)発電所名:ウインドパーク笠取風力発電所

(2)住所:三重県津市美里町及び伊賀市上阿波地内

(3)運転開始年月:平成22年2月(第1期)

、12月(第2期)

(4)出力:38,000kW

2,000kW風車10基(第1期)

2,000kW風車 9基(第2期)

3.事故発生概要:

(1)事故発生日時:平成25年4月7日(日)16時37分~16時55分の間(推定日時)

(2)事故事象:19号の風車上部(地上65m)から風車(ブレード、ナセル)が地上に落

下。更に、タワーが中央付近で折損(5度傾斜)

(3)事故原因:ピッチモータブレーキを構成するスプラインが耐摩耗性の低い不適切な材質

で製造されたため、異常摩耗が発生し、3枚のブレードのピッチ制御が出来な

くなるとともに、過回転が発生。また、過回転時にブレードがタワーに接触し、

風車が地上に落下。

引き続き調査を実施し、再発防止対策を検討。

4.風車の製造事業者:株式会社日本製鋼所

(同社の2,000kW級同型機は、現在国内に約110基設置され運転中)

(8)

経 済 産 業 省

2 0 1 3 F Y 0 1 3

平成25年6月19日

九州産業保安監督部

部長 守屋 猛 殿

経済産業省商務流通保安グループ

電力安全課長 村上 博之

ウインドパーク笠取風力発電所事故を踏まえた対応について

平成25年6月4日付け2013FY011をもって、太鼓山風力発電所及びウインドパーク

笠取風力発電所事故を踏まえた当面の対応について周知を要請したところですが、ウインドパー

ク笠取風力発電所において発生した風車の落下事故に関し、平成25年6月18日付けで、同発

電所の設置者である株式会社シーテックから 中部近畿産業保安監督部長宛てに事故報告書(最

終報告)が別紙のとおり提出されました。

同報告では、学識経験者等から構成される事故調査委員会での検討を経て、今般の事故に至る

原因究明及び再発防止対策がまとめられています。

同報告における再発防止対策は、公共の安全の確保の観点から推奨すべき内容であり、有用な

情報を含んでいることから、発電用風力設備の安全管理に万全を期すため、管内の発電用風力設

備の設置者に対し、同報告の内容の周知をお願いします。

併せて、風車の製造事業者がウインドパーク笠取風力発電所と同じである設置者に対しては、

下記の措置についても周知をお願いします。

今般の事故報告の内容を十分踏まえた上で、下記の措置を講じることが望ましい。

なお、ピッチモータブレーキに係る不備が新たに確認された場合は、速やかに国に報告するこ

と。

1.ピッチモータブレーキを構成するスプラインに摩耗の可能性のある材料を使用していた事実

が確認された発電設備について

① ウインドパーク笠取風力発電所で確認されたものと同様の設備にあっては、既に摩耗に強

い材料のものへ交換されているが、こうした設備における関係材料は、今後消耗品と位置づ

けて管理することとし、交換した材料の摩耗状況やギャップ測定等を含めた当該設備の健全

性について、定期的に確認すること。また、こうした点検に係るマニュアル等を整備し取り

組むこと。なお、ピッチモータブレーキの健全性が十分確認されるまでの間、一般公衆の接

近防止措置等の継続を図ること。

② ピッチモータブレーキの保持力が正常であることを確認するため、定期的な保持力確認機

(9)

能の追加や、強風時前後における当該保持力の確認等、必要な対策を講じること。

③ 風車がフェザリング状態においてロータ回転数が許容値を超えた場合、発電機をモータ駆

動させることにより、ロータ回転数を抑制するための過回転防止機能を追加すること。

2.ピッチモータブレーキを構成するスプラインに摩耗の可能性のある材料を使用していない発

電設備について

1.を参考に必要な措置を講じること。

(10)

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-1-別添2

出典:経済産業省 電力安全課ホームページ

http://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2013/06/250619-1-3.pdf

(11)

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洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の事業実施者報告

1)

ピッチモータブレーキの設計・製造の妥当性

洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の洋上風車は、現状の J-82 市場機

と同様に GL のプロトタイプの認証を受け、また風車の設計と製造は審査登録され

た ISO9001 にて品質管理されている。

また、洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の洋上風車のピッチモータ

ブレーキのスプラインのオス材質及びメス材質共に鋼製であり、これはウィンドパ

ーク笠取風力発電所 19 号機のオス材質の鋼、メス材質のアルミと異なり、更に硬

度が高いものである。洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の洋上風車同

様、スプラインのオス材質及びメス材質共に鋼製である風車については、事業実施

者が発電事業を行っている、既設風力発電所においてこれまで 2 年 3 か月の運転実

績があり、この間にピッチモータブレーキのスプラインに関する問題は発生してい

ない。

表 1. 設計条件等の比較

地点

製作

モータ仕様

ブレーキ

容量

ブレーキ仕様

型式

ブレーキ

ギャップ

スプライン

仕様

メス/オス

乱流強度

(H=40m)

笠取

A 社

11kw/230V

誘導電動機

200Nm

BXW-20-10-12

0.15-0.35mm

A2017/S45C

既設風力

B 社

11kw/230V

誘導電動機

150Nm

FD07

0.4-0.7-mm

C43/C45

0.133

洋上

同上

同上

同上

同上

同上

同上

0.118

また、洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の洋上風車及び既設風力発

電所にピッチモータブレーキを供給している B 社のピッチモータブレーキは世界の

風車市場で十分な実績があり(シェア 30%、BTM 調査報告 2011.11)、重大な故障・

事故の発生も無く、洋上風車の納入実績もある。

そのため、これまでの設計や運転実績から洋上風力発電システム実証研究(北九

州市沖)の洋上風車に採用されているピッチモータブレーキは、安全面で問題は無

いと考えられる。

2)

ピッチモータブレーキ(ディスクブレーキ)の摩耗量の妥当性

ピッチモータブレーキ(ディスクブレーキ)の摩耗量(ギャップ)について、洋

上風力発電システム実証研究(北九州市沖)の洋上風車と同じ材質を使っている、

別添3

(14)

2

既設風力発電所の実績を調査した結果、表 2 に示す通り全てメーカーのギャップ管

理値である 0.4~0.7mm 内にあった。運転開始時のギャップ測定記録が無いため、

管理値の最小 0.4mm を初期値と仮定すると、2 年 3 ヶ月の運転で、0mm~0.2mm 摩

耗したことになる。さらに、この結果を基に、洋上風力発電システム実証研究(北

九州市沖)の洋上風車の摩耗量を推定すると、表 3 に示す通り最大でも約 0.1mm/

年程度の小さな値になることがわかる。

表 2.既設風力発電所におけるギャップ測定値

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3

表 3.既設風力発電所におけるプレーキ摩耗量

3)

ピッチモータブレーキのメンテナンスの妥当性

ピッチモータブレーキのメンテナンスについては、メーカー推奨期間が 3 年間で

あるが、ピッチモータブレーキのブレーキライニングの最大摩耗量を想定し 0.1

㎜/年で計算した場合でも、1 年間の摩耗であれば十分な管理値内におさまること

が認められた。これよりメンテナンスは原則 1 年とし、更なる安全を考慮し当初

は 6 ヶ月で点検し、その後状況により 3 ヶ月ずつ延長を判断することとする。

参照

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