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博物館の学びと甲殻類(シンポジウム報告 博物館の学びと甲殻類)

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博物館の学びと甲殻類

Museum education with Crustacea

奥野淳児

l Junji Okuno 圃 は じ め に 長引く不景気による予算や人員の削減は,安定し ていた多くのものを瓦解させた.博物館もその渦に 巻き込まれており,公立・私立を問わず多くの博物 館が閉館や統合に追い込まれ,まさに冬の時代が到 来している(緒方, 2012). そのように厳しい立場 に置かれている博物館は,人々の知的好奇心を満た す社会教育機関のひとつである.筆者が勤務する博 物館では,主催する教育普及行事の定員充足率がこ こ数年横這いどころか若干の上昇すら見られる傾向 にある.このことから,目的意識を持った利用者に とって,博物館は景気の変動に干渉されることなく 普遍的に必要とされ続けているように思われる. かつて博物館の教育というと,展示を見るだけ, 行事に参加しでも講師の話を聞くだけ,のように, 一方的な知識の伝達となっていることが多く,それ ばかりか,博物館の展示には担当学芸員の伝えたい ことがさっぱりわからない難解なものさえ少なくな かった(菅根, 1998).近年では, 1980年代後半か らの生涯学習体系への移行期を経て,博物館の教育 は来館者の自発性を重視した学習と,双方向性に注 目したコミュニケーション機能が主流となっている (新藤,2011).その具体的な方法として,欧米の博 物館教育理論に活路が求められ,おそらくこれまで に日本の博物館で執られてきた 「教育普及」との差 l千葉県立中央博物館分館海の博物館 干299-5242 千葉県勝浦市吉尾123 Coastal BranchofNatural History Museum and lnstitute, Chiba, 123 Yoshio, Katsuura, Chiha 299-5242, Japan E-mai1: okuno@chiba-muse.or.jp Carcinological Society

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Japan 別化を計るために 「ミュージアム ・エデュケーショ ン

J["博物館の学び」と称されて,人文系博物館や

美術館,科学館といったジャンルを問わず,来館者 の視点、に立った教育活動を展開している.また博物 館のうち,自然誌系博物館(自然誌を扱う総合博物 館を含む)では,特徴的な教育活動として野外にお ける自然観察会を行うため(矢島, 2012),同じく 西欧の教育理論である 「環境教育Jを基盤とした活 動が見られる館もある(例えは、布谷, 2006). これ らの教育理論の根幹にあるのは,興味を引き出し, もっとよく知りたいと関心を深める自由な学びであ り(日本生態系協会編, 2001;小笠原, 2006),そ の延長として利用者の意識を環境への配慮や科学へ の正しい理解に導くことである.そして,このよう な理論に基つ‘き学習意欲を啓発するための技術とし て 「インタープリテーション」や「サイエンス ・コ ミュニケーションJがあり,インタープリターやサ イエンス・コミュニケーターを十分に配置すること は,教育活動を活性化に導くものと思われる(粕 谷, 1992;小川, 2007).以上のように,社会教育 機関として博物館の担う教育(ノンフォーマル教 育)は,国によって方針を固められた学校教育制度 で執られがちになっている,知識を詰め込み覚えさ せる定型的教育(フォーマル教育)とは異なった, 教育方法の多様性のひとつと解釈することができる (丸山・太田編,2013). 筆者の所属する千葉県立中央博物館分館海の博物 館(以下,海の博物館と略す)は,千葉県勝浦市の 沿岸部(図1)に平成11年 3月にオープンした.当 館の設立目的や施設の概要については, 筆者の同僚 がそれぞれの所属する学会の刊行物に紹介している 日 本 甲 穀 類 学 会 旬 明 湖m崎 町t

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図1. 海の博物館と大潮干出時の周辺の海岸.主 に「観察エリアjで観察会を行う.海の博物 館展示ノfネルを改変. ため,それらを参照されたい(菊地, 1999;高山, 1999) 当館は海の自然誌の専門館であることから, すべての活動の基盤に置かれているのは海洋生物で ある.そのうち,カニを中心とした甲殻類は,多く の人が「知識の下地」を持っているために親しみや すく,観察会などの行事や企画展示の主題に適した 生物であるといえよう.筆者はこれまで15年に渡 り,環境教育やミュージアム ・エデュケーションの 考え方やインタープリテーションの技術を取り込み ながら,専門である十脚甲殻類を題材とした行事や 企画展示のプログラムを立案し,実践してきた.本 報告は,以下にその具体的な事例を紹介していくも のである.

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学び」の事例 博物館における教育活動の形態は様々であるが (木下・横山,

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,ここでは,海の博物館で実施 してきた事例を 「博物館主催の観察会ji外部団体 との連携行事j

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個別質問への対応」の 4項目に分けて紹介する. 1. 博物館主催の観察会 海の博物館から勝浦市の市道を挟んだ反対側は海 岸で(図1),そこには干潮時に広大な岩場が干出 し,たくさんの潮だまりができる.当館の主催する 野外行事は主にこの岩礁で実施され,それには 2種 類ある.ひとつは 「観察会」で,それぞれの研究員

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の専門性に則した題材を使って行われる.実施時間 は約 2時間で,参加希望者には事前申し込みをして もらう. もうひとつは実施時聞がl時間ほどのミニ 観察会「磯・いそ探検隊」で,開催日時は設定しで あるが,行事への参加申し込みは当日受ける.その ため, 参加者の目的意識は「観察会」に比べて低い と言える.こちらは,対象とする生物が分類群を問 わず潮間帯で見られるもの全般である.各職員は毎 年少なくとも観察会をl回,磯・いそ探検隊を2回 担当する.ここでは,海の博物館の開館以来筆者が 担当した野外行事のうち,甲殻類を主題とする観察 会の内容に触れてみたい. この観察会を始めた当初は,筆者がその場で見つ けたものと,自由観察時聞を設けて参加者自らが採 集したものの同定と簡単に種の特徴を解説すること を中心に展開していた.そのねらいは,たくさんの 種類や珍しい甲殻類の実物をそれらが生息していた 場所で見てもらうことにあった.参加者は野外なら ではと言える体験をしているため,それなりに好奇 心を満たしていると思われるが, 筆者としては単に 知識を伝達するという行為の延長線上から脱却でき ていないようで,不完全燃焼感を否めなかった.そ こで回を重ねるごとに,i参加者に発見があるこ とj,i一方的な説明にならないことj,i価値観の押 し付けにならないことj,i安全性に考慮することj, 「地域の特性を活かすことji環境を意識できるよう にすること」に配慮して内容を改良した.現時点 (平成26年)では,最干潮の前後l時間という短い 観察時間の中で,親子の参加者

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名程度)を対 象としたいくつかのアクティビティを組み合わせた 以下のプログラムを実施している.甲殻類を題材と した環境教育の一例として,紹介したい. アクティビティその1iヒライソガニの観察j: ヒライソガニは日本沿岸の岩礁潮間帯ではごく普通 に見られるカニである.一般にイメージされる典型 的なカニの形をしているせいか,ヒライソガニを見 つけると喜ぶ参加者が多い.そこで観察会の導入部 分として, ヒライソガニが優先的に生息する,人頭 大の転石が干出している小規模な砂浜海岸(図 2A) に誘導し,石めくりを促す.参加者の多くは,観察 会がスター卜すると水のある方へ行きたがる. しか し,転石地帯でひとつの石をめくると物陰に隠れよ

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博物館の学びと甲殻額 図2. 甲殻類を観察する様子.A~C,観察会への導入となるヒライソガニのアクティビティ.小道具として雌 雄の腹節の違いを図示したパネルを使用 (C);D,

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ガラス細工」のようなエどを探すイソスジエビとスジ エビモドキのアクティビティ. うとするヒライソカ、ニをすぐに発見できるため,参 加者のボルテージは急上昇する(図28).参加者は 瞬く聞に何個体ものヒライソガニを採集するため, 各自に配った透明なプラスチックケースにこれを入 れ,詳しい観察を開始する.これらのカニは,参加 者自らが採集した教材ということになる.観察ポイ ントは,個体ごとに大きく異なる色彩を示すが甲の 輪郭や平らなことは共通しており,どれも閉じ種類 であること,カニの腹節の形態によって雌雄が見分 けられること,受精した卵はしばらくの間,雌の腹 節で抱えられることなどである(図2C).また,波 打ち際と反対側の砂浜上部に海藻が帯のように並ん で打ち上げられている部分が満潮時の波打ち際であ り,カニを見つけた場所は普段海底であることも紹 介する.一歩海岸に足を踏み入れるとそこは紛れも ない海の一部であり,日常では見られない生物相が 存在することに気づいてもらうためである.さら に,めくった石を元の向きに戻すことが,環境への 配慮につながることに触れる.開始から15分後, 採集したカニを逃がして,次のアクティビティを行 う場所へ移動する. アクティビティその2

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イソスジエビとスジエビ モドキ

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続いて,海水がたっぷり取り残された潮 だまりにおいて,小さなタモ網で潮だまり壁面の海 藻類を漉すようにすると,

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ガラス細工のように透 明なエビ」が採集できるという ヒントを出す.参加 者のひとりがものの数分でl匹目のエビを採集する ので,それを見たまわりの人たちも我も我もと採集 に熱中する(図2D).ガラス細工のようなエビと は,日本各地で普通に見られるイソスジエビやスジ エビモドキで,透き通った体に尾肢の黄色い紋が美 しく,観察会で喜ばれる甲殻類のひとつである.こ うして短時間でそれぞれの手許には透明なエビが複 数個体行き渡る.それを教材として, ヒライソガニ の時とは逆に, 1種類と思えるほど類似した形や模 様を持つ異なった穫が同所的に生息することを, じっくりと観察してもらう.額角の形態と体に入る 暗色の縞模様の長さの違いをパネルで示し,参加者 は手許の個体を比較する.ここでも,観察を終えた ら,エビを潮だまりに返してもらう.約15分のア クティビティである. アクティビティその3Iイワガニ釣り

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図3. 甲殻類を観察する様子.A, s,親子でイワガニを釣るアクティビティ :C磯にくらす十脚甲殻類の種の 多様性を体験するアクティビティ:

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,振り返りのためのツールのひとつ 「海の生きもの観察ノートJ. 間帯上部の沢山の亀裂のある岩盤付近に移動する. ここでは,長さ30cmほどの針金の先に餌として生 イカの切り身を刺したものを参加者に配り,亀裂の 中に隠れるイワガニを釣り上げるアクティビティを 実施する.カニ釣り用道具をカニのいる亀裂に近付 けた途端,カニは餌に飛びついてくる(図3A). し かし,カニを岩の隙聞から引きずり出すのはなかな か難しく,参加者はしばらくの間,餌だけを亀裂の 中に持っていこうとするカニと悪戦苦闘することに なる.その際,餌を引っ張るイワガニの力が思った 以上にあり,また警戒心が強いことを体験する.こ のカニ釣りにハマってしまう参加者は多く,30分 を経てもなかなか腰を上げない(図 38). その聞に 数匹を釣る親子もいれば,残念ながらl匹も釣り上 げることのできなかった親子もいる.誰が釣り上げ たものでも,この場所ではイワガニが共通の教材と なり,これを通して潮間帯上部にあたる干出した磯 では大型の水中生物に狙われることはないが,この ような場所のカニは水鳥の餌になる場合があること を紹介したり,またイワガニはフクロムシ類による 寄生率が高いため,一見カニの卵のように見える 「寄生虫」の存在を知ってもらう場にもなる. 114

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Can僧 r24 (2015) アクティビティその

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十脚類の多様性

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:次の アクティビティは,潮間帯下部の転石地帯に移動す る.このような場所で石をめくると,アシナガモエ ビモドキやマダラテッポウエビなどのコエビ類,ケ ブカヒメヨコパ‘サミやホシゾラホンヤドカリ,イソ カニダマシなどの異尾類, ヒメソバガラカーニやフタ パベニツケヵーニなどのカニ類といった,様々な十脚 類を発見できるため,終了間際までを自由時間と し,参加者各自でエビやヤドカリ,カニを探しても らう(図3C). ここでは腺くらいまで海水に浸かる ことになるが,参加者は観察会のスター卜からしば らく磯を歩いているため,この時点では多少足場が 悪いところでも危な気なく歩けるほど慣れている. 海の博物館前の磯では,このような場所から60種 近い十脚類が見つかっている.参加者各人に集めて もらった十脚類をーケ所に集めると,さながらエビ カニ・ミニ水族館の様相を呈し,日本の暖温帯性 common speciesの実物を手にしながら名前やその由 来,珍しい習性などを紹介することができる.十脚 甲殻類の分類を専門とする筆者が最も本領発揮でき るアクティビティである. アクティビティその5Iまとめ

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2時間に及ぶ観

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察会の締めの部分をきちんとしておかなければ,そ れまでのアクティビティが環境教育ではなく単なる 磯遊びで終わってしまう(入門者にとってはこれで 良いのかも知れないが).まず,勝浦の磯といって も転石地帯や亀裂の多い岩盤,海藻が繁った潮だま りなど,様々な環境があること,そしてそれぞれの 環境で出現する種の個体数や顔ぶれが異なっている ということをおさらいする.ここで「種の多様性」 という言葉を使い,環境を考える上でしばしば耳に するキーワードの意味を肌で感じてもらうことがね らいのひとつである.そして, 2時間という短時間 に勝浦の磯ーケ所だけでこれ程の多様性を確認でき たのだから,千葉県全体の海岸でエビやカニの多様 性を考えるとどれだけ豊かなのか想像してほしい, と提案する.環境教育では,地域の実情に即しなが ら,よりグローパノレな観点で考える力を身につける ことを重視している(日本生態系協会編, 2001). つまり,この観察会の大きなねらいは,エビやカニ を通してそれぞれの生息環境 (habitat)を実際に見 ることでより広範な環境 (environment)を意識で きるように導くことにある.また,環境教育では興 味を持続させるために 「振り返り」が重要とされて いるため(佐々木, 2011),そのツールとして,こ の観察会では海の博物館の刊行物のひとつ「海の生 きもの観察ノート l 磯で見られるエビ ・ヤドカ リ・カニ

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(図3D)と,実 際 に 現 場 で 見 た 種 を チェックしてもらうために使った,勝浦の磯に生息 する種名のリストを持ち帰ってもらう. 2. 外部団体との連携行事 ここで取り上げるのは,海の博物館の主催ではな く,学校の校外行事や,近隣市町村の自治体行事, 博物館と閉じ社会教育機関である公民館主催の行事 など,外部からの申し出に対応したものである.こ れらの場合,午前中に磯で観察をし,午後に博物館 内の実験室を使って午前中に集めた生物を教材とし たワークショップを行う場合が多い.館と行事の主 催者側で十分な事前協議の時聞を持ち,磯における 観察では,主催者側には主に参加者の安全面での対 応に従事してもらい,生物の解説等,専門的な部分 を海の博物館の研究員が担当するという形で引き受 けることが多い.ただし,ひとりの研究員が大勢の 博物館の学びとltI接頬 参加者を対応することがほとんどなので,海の博物 館主催行事のようにきめ細かなプログラムを進行す ることは困難である.そのため,磯での生物の探し 方や安全な(参加者にとっても生物にとっても)観 察方法を説明した後,小さなタモ網やバケツを配っ てすぐに自由観察をしてもらう.参加者が見つけた 生物は観察終了間際,集めて上述のエピ・カニ観察 会アクティビティ4のようにミニ水族館のような形 で簡単な解説をする.余談であるが,岩礁潮間帯に は,分類学的階層である 「門」のレベルで多岐に渡 る無脊椎動物が生息する.種レベルの同定まで求め られることはないが,参加者が見つけてきた生物が 少なくとも「何の仲間」であるかを説明する必要が 生じる.古瀬 (2014) は,海で活動するインタープ リターには海洋生物学などの自然科学的観点が求め られ,その知識を高める必要性を指摘している.磯 での観察会で見つかる生物の高次分類に関する知識 は,まさにこの指摘に該当するものと思われる. 筆者の場合,午後のワークショップでは 「ヤドカ リのアクティビティ」を実施する.その教材とする ために,午前の磯観察では必ずヤドカリを探し,こ れを確保しておくことを参加者各自にお願いする. 行事への参加者,あるいは展示室への来館者から受 けたヤドカリに関する質問には,

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ヤドカリはどう やって貝殻を作っているのですか?Jというものが ある.長年甲殻類に興味を持ってきた者にとっては 驚樗の発想だが,このように問い合わせてくるのは 一人や二人ではない.そこで実施しているのが,ヤ ドカリを貝殻から出し,体の造りを観察することに よってエビやカニに近い動物であることを体験して もらうアクティビティなのである.ヤドカリを貝殻 から出すために,これまでに様々な方法が用いられ ているが,ここでは水をしぼったタオルを電子レン ジで暖めた蒸しタオルを使う.これにヤドカリを乗 せて貝殻を熱くすると,たまらずヤドカリが出てく るのである(図 4A,B).一般には貝殻から出たヤド カリを見る機会はないので,それだけで 「驚き」に なり,ヤドカリにも貝殻にもダメージがないので, 元の員殻に戻る行動も観察できる.このように,ヤ ドカリと貝殻がまったく別の動物であることを認識 してもらった上で,次にホンドオニヤドカリやイシ ダタミヤドカリなどの大型種の標本を使って,体各

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図 4. 連携行事での定番にしているヤドカリのアクティビティ.A,蒸しタオルにヤドカリの貝殻を押し付け て熱する;B,たまらず貝殻から出て来たホシゾラホンヤドカリ. 部の構造や,生殖孔の開口する位置によって雌雄が 見分けられることなどを確認してもらう. 実は,蒸しタオルを使ってヤドカリを貝殻から出 す画期的方法を考案したのは,連携行事のひとつと して地元県立高校とサイエンス ・バートナーシッ プ・プログラム (spp)を実施した時に参加した女 子高校生であった.プログラム終了後も理科担当教 諭とたびたび来館し,追加データを取り続けた.担 当教諭と協議の上,生徒たちの名義でこの興味深い ヤドカリ追い出し方法を地元の生物学会誌に報告し てもらい(荻ら, 2006),以後これを 「引用」して アクティビティを実施しているのである. 3. 企画展示 博物館では,常設展示を補完することや,新しい 研究成果を展示に反映するといった目的のため,企 画展示を開催する(臼根, 1996). 海の博物館では 例年,研究員が専門とする研究テーマをわかりやす く紹介する 「マリンサイエンスギャラリー

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を年度 末から次年度のゴールデンウィークまで(開館当初 は秋期)と,夏休みに来館者の海洋生物への興味を 啓発するための 「収蔵資料展」という, 2種類の企 画展示を実施している.日頃の調査研究や,その成 果をどのように展示に活かすかというストーリー作 り,不足資料の手配など,十分な準備期間を要する ため, ひとりの研究員が担当責任者となるのは数年 にl回のサイクルであり, 筆者はこれまでに,マリ ンサイエンスギャラリー 「ヤドカリの世界

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(2002 年 II月 2 日~12 月 23 日開催),同 「海の生きものの 共 生ーバートナーシップの多様性一

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(2010年 2月 116

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15) 20 日 ~5 月 20日開催),収蔵資料展 「夏休みスペ シ ャ ル 海 の カ ニ・JIIのカニ

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(2012年 7 月 14日~9 月2日開催)を担当した.海の博物館には,隣接す る財団法人勝浦海中公園センターが運営する海中展 望 塔 (図l参照)を観光目的で利用する際に立ち寄 る来館者が圧倒的に多い.つまり,海洋生物につい て積極的に学ぼうとするよりは,海の博物館の展示 が様々な海洋生物の存在を知り,興味を抱くきっか けになるケースが多いと想定される.このような来 館者に対し,筆者のねらいは 「親しみ」と 「驚き」 を通して主題となる動物により深く興味を抱いても らうことである.ここでは,一方的な説明とは異な り,来館者が自発的に行動するための展示技法に甲 殻類を使った場合の事例を中心に,ヤドカリとカニ の企画展示を紹介したい. 「ヤドカリの世界

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:背負った貝殻を 「家」に見立 て,号!っ越しをする動物として,ヤドカリは大変有 名である.また, 食材として親しまれているタラバ ガニやハナサキガニが短尾下目のカニではなくヤド カリの仲間であることを知っている人や,かつて縁 日などでオカヤドカリ類が売られていたこと(オオ カワ, 2002)を覚えている人も少なくない.このよ うに,展示への親しみとなる 「知識の下地」との関 連性が多くの人にあるため,筆者が海の博物館に勤 務して初めて担当した企画展示の主題をヤドカリと した.さらに, この展示の企画書を作成していた 頃,

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エビ・カニガイドフックー伊豆諸島・八丈島 の海から

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(加藤・奥野, 2001) を執筆するため に種の同定や原稿執筆をしており, もともとコエビ 類の分類を専門とする筆者自身が八丈島に分布する

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博物館の学びと申鍛類 図5. 海の博物館企画展示「ヤドカ リの世界」の様子. A,B,ヤドカリと貝殻が別の生物であることを示すハン ズ・オン展示.ケース上面の貝殻の一部だけがスライドし,巻貝の中のヤドカリの腹節が見えるように なっている;

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,短尾類であるタカアシガニと異尾類のアブラガニの相違点を比較するためのハンズ・オ ン展示;D,色彩の美しいサンゴヤドカリ属やゼブラヤドカリ属を紹介している展示. 種を通してヤドカリへの興味を強めていた時であっ た.このようなタイミングもあり,おそらく日本の 博物館では初めてとなるヤドカリだけを題材とした 企画展示を開催することとなったのである. 展示室への来館者や行事への参加者から受けたヤ ドカリに関する質問は,展示構成を検討するにあた り,大いに参考になる.その中には上述したとお り,ヤドカリと貝殻の関係を誤認しているものがあ る.そこで,展示会場の導線のスタート地点となる 部分では,

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ヤドカリはエビやカニと閉じ甲殻類で, 軟体動物腹足類の一部である員殻を道具として使っ ている」ことを紹介した.ここでの展示では, ハン ズ・オンという技法を使った(図5A,B).これは, 受動的に展示室の解説ノマネルを読むだけではなく, 能動的に展示物に触れることによって一層の驚きゃ 楽しみを誘発するのに効果的な実行型展示であり, 海の博物館の展示基本設計を進めている頃に日本で 急速に普及した(山本.2002).この展示技法は, 続くコーナーでもカニ型のヤドカリであるアブラガ ニと短尾下目(“ホンモノ ワ の カニ類であるタカア シガニの腹節の相違(ねじれているかまっすぐか) 乞 乾 燥 標 本 を 手 に と っ て比較できる部分にも導入 した (図5C).その際,乾燥標本は,予めハサミや 脚を除去し,ニスを何重にも塗り,内臓を取り出し た部分に発泡ウレタンを詰めるなどして何度触られ でも壊れにくいよう,強度を保ったものを使用し た. さらなる「驚き」を誘発するため,一般に知られ ているヤドカリよりも大型になるケスジヤドカリや イシダタミヤドカリの乾燥標本,色彩の美しいサン ゴヤドカリ属やゼブラヤドカリ属を飼育した水槽や パネル(図5D) を展示した.ちなみに,アンケー トの「面白かった展示コーナーは

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いう設問で 最も票を得ていたのは,ケスジヤドカリやイボアシ ヤドカリとヤドカリイソギンチャクやベニヒモイソ ギンチャクとの共生を紹介した 「ヤドカ リとイソギ ンチャクはなかよし

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という項目であった(各項目 のタイトルが幸見しみやすいものになるようアイデア をひねり出すのも,ひと苦労である).イボアシヤ ドカリが貝殻交換の際に古い貝殻から器用にイソギ

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図6.海の博物館企画展示 「夏休みスペシャル 海のカニ・川のカニ」の様子.A,ヘイケガニとその近似種 の甲が写し出されるモニターが右手にあり,最も怖いと思った種類にシールを貼るマインズ・オン展示 (写真左手); 8,ヘイケガニ,サメハダヘイケガニ,キメンガニの甲を入れたプラスチックシャーレ.こ れを拡大カメラの下に置くとモニターに「顔」が写し出される. ンチャクを剥がすシーンを収めたビデオ映像が印象 的だったようである. 「夏 休 み ス ペ シ ャ ル 海 の カ ニリ11のカニ

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:カニ を主題とした企画展示はこれまでに様々な博物館や 水族館で開催されており,形の変わった種や深海性 の稀種が目玉として展示されることが多かった.目 玉展示物役として,当館で所蔵している稀少なカニ のl種であるクメジマドウクツガザミの液浸標本を 公開したが,この展示のねらいはカニへの親しみを 喚起することに置いていたため,展示の中心はカニ を飼育した水槽であった.夏休み期間の開催である ため,来館者には若年齢層が多く,生体の展示が喜 ばれるからである.水槽内に展示したカニは珍しい 種ではなく,陸水性のサワガニやモクズガニ,半陸 性のアカテガニやベンケイガニ,博物館の前の磯で 見られるイソクズガニやスベスベマンジュウガ、ニな どである.さらに, この年は NHKの大河ドラマで 「平清盛」が放映されていたため,それに便乗して へイケヵーニとその近似種を展示した.その方法は, 液浸標本の陳列に加え,ヘイケガニ,サメハダヘイ ケガニ,キメンカニの3種の甲をそれぞれに入れた プラスチックシャーレ(図 6B)を拡大カメラの下 にセットすると,モニターに恨みのこもった人面が 現われる(図6A)というハンズ・オン展示である. またここでは,来館者の心理的な動きを伴って展示 物により親しめる効果を期待し,マインズ・オン展 示も組み込むこととした.その手法は単純で,上述 の3種のうち最も「怖い顔」と思った種類にタック シールで1票を投じるもので,

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来館者が感じたこ 118

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僧r24(2015) と」が展示の一部になるという仕組みである(図 6A). タックシールとはチープな展示アイテムと思 われるかも知れないが,来館者のうちの4割以上が この展示に参加して下さり(参考までに,回答者の 6割 以 上 が ヘ イ ケ ガ ニ を 最 も 怖 い顔と回答した), 限られた予算や準備期聞をアイデアで補うことがで きたと考えている. 4. 個別質問への対応 いわゆる博物館のレファレンスサービスのひとつ である(木下・横山, 2012).具体的には,潮のよ く号│く時期などに目の前の磯で見つけたカニが持ち 込まれて名前を聞かれることや,甲殻類に関する報 道機関からの質問対応,ダイパーが嫌影した甲殻類 の写真を同定することなどが挙げられる.この中 で,博物館関連法規のうちの 「博物館の設置及び運 営上の望ましい基準」第l条第2項や第 3条第3項に あるような地域への貢献や,地域からの要望に留意 した活動となっていると考えられるのが,夏休みの 自由研究へのアドパイスである.例えば夏休みに勝 浦の祖父母の家に来たらカニが庭を歩いていたの で,飼育して観察したいというものなど,甲殻類に 興味を持つ児童・生徒は多い 中には,小学校低学 年時から卒業するまで一貫してヤドカりを調べた り,ダンゴムシの実験を小学校の6年間継続したと いう児童もいる.このような児童には,手取り足取 り時聞をかけて対応するわけではないが,もともと 本人の意志で興味を持っただけあり,筆者が“ポン と軽く肩をたたく"程度のアドバイスでどんどんア

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イデアを膨らませてくれる.こうしてまとめた自由 研究が地元地域や千葉県の科学論文コンクールで受 賞することも少なくない.質問を寄せてくれた児 童・生徒の関心が継続されたということが最も大切 であるが,受賞は本人にとって大変な励みになる し , 当館の名前を出してもらえることは,地域に対 して存在をアピールできる良い広報となる.お互い にウィン・ウィンの関係を築ける活動として,博物 館にとって必要不可欠な教育方法のひとつだと捉え ている. 園 奇 議の課題 梨本 (2012) は,学校教育における「学習指導要 領」のように基準となるものがないため,博物館の 教育内容は定まっていないことを指摘している.博 物館では,

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博物館の設置及び運営上の望ましい基 準」第3条第l項にあるように,各館ごとに基本的 運営方針を策定するため,教育目標や実践内容に圏 内の博物館全体としての基準は見られない.現実と して,博物館教育の具体的な内容は,各館の教育担 当学芸員の目的意識や技量に委ねられている部分が 大きく,そのために館ごとにかなりの温度差が生じ ているものと考えられる.また,樽ほか (2001) が 言及しているように,日本とは教育システムも博物 館業務も大きく異なる欧米の教育内容が,わが国の 博物館運営にとって無条件に有効であるとは言い難 い.博物館を含む日本の教育の現状に上手く馴染ま せていかなければ,従来の教育普及ではない「博物 館の学び」の重要性が広く認識されないであろうこ とは,博物館教育専門職の学芸員(ミュージアム ・ エデュケーター)を配置する館が未だに少ないこと からも想像される. 筆者の勤務する館は,ひとりの学芸員が資料管理 や調査研究,教育活動などのすべての博物館業務を こなさなければならない日本の典型的な中・小規模 館であり,慢性的な人員と時間の不足から抜け出せ ない.さらに日本の博物館の現状として,来館者を 増やすために短時間で即効性のあるイベン トを頻繁 に行わなければならず,こういったイベントが継続 性や連続性を欠いたまま実施されている(藤田, 2009). そのような中で,

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博物館主催の観察会」の 博物館の学びと甲殻類 事例として紹介したように,教育理論を取り込んだ 短時間のイベント用プログラムを整えることは,日 本の博物館の現状に即した教育方法のひとつなので はないかと恩われる.筆者の体験からすると,観察 会プログラムに教育理論やインタープリテーション の技術を導入する前と後では,明らかに参加者の反 応が異なっているものと判断したい.観察会の中で 話をしている途中に,参加者が他の生物の観察を始 めてしまうケースが減ったためである.ここで強調 しておきたいのは,筆者が甲殻類の分類という専門 分野を持っていたことにより,上述した教育活動の プログラム作りと実施が可能であったという点であ る.企画展示においても,テーマの選定や展示ス トーリーの構築,展示物の収集などにおいて,専門 性が十分に発揮されたことは言うまでもない.指導 者が専門性を持つことの重要性については,大学教 員として多くの学生に海洋生物学を指導してきたウ ミウシ類の専門家・平野義明博士による「自分のよ くわかっていないことは,人にちゃんと説明できな い

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(平野, 2000) という言葉に集約される. しか しながら,行政機構の中で専門職としての学芸員に 対する評価は決して高くない(高橋, 1999).その 原因のひとつは,調査研究の成果が市民に触れにく く,専門性や研究に裏打ちされた事象が博物館の教 育活動に必要不可欠であることを伝えきれていない ためだと考える.研究の成果を教育プログラムに反 映するなどして市民や行政に対して上手に認知させ ていくことも,博物館が冬の時代から抜け出すため の重要な課題のひとつであろう. 地域の要望や社会からの要請に合致し,市民や行 政に存在感を示すことのできる博物館活動を展開し ていくことは容易ならざることである.しかしなが ら,伊藤 (1991)が絶賛しているように,神奈川県 の平塚市博物館では,実際に効果的な活動を行って きている.すなわち,

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放課後博物館

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(浜口, 2000) や「ト コロジスト

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(浜口, 2014) といった考え方 とその実践は,地元地域に軸足を置いていること, 学際的であること,市民が積極的に参加しているこ と,継続性があること,環境への意識に導いている ことという,和製ミュージアム・エデュケーション や日本型環境教育というべき活動を社会教育機関と して見事に展開してきた.今後,甲殻類を題材とし Cancer 24 (2015)

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て,博物館に来館する人ばかりでなく,このように 地域へ積極的に打って出るプログラムを開発してい きたい,という筆者自身の抱負を落としどころとし て, 本稿の筆を置く.

語 辞

同僚である千葉県立中央博物館分館 海の博 物館 の本吉 正 宏 主 席 研 究 員には原稿を校 閲 していただ き,貴重な示唆を頂戴した.記して御礼を申し上げ る. 圃 文 蔽 藤田 茂,2009.オートポイエーシス論におけるイン タープリターの教育的意義 ミュージアム ・ワー クショップを通じてー.教育学雑誌,(44)・101 -116 古瀬浩史, 2014 海におけるインタープリテーショ ン.インタープリター・トレーニング:自然、・文 化・人をつなぐインタープリテーションへのアプ ローチ(津村俊 充・増田直広・古 瀬 浩 史・小林 毅編) ナカニシヤ出版,東京,pp目52-55. 浜口哲一,2000.放課後博物館へょうこそ :地域と市 民を結ぶ博物館.地人書館,東京,239 pp 浜口哲一,2014 トコロジストのすすめ :その場の専 門家になろう. トコロジス 卜.自然観察からはじ まる 「場所の専門家J(箱田敦只).日本野鳥の会, 東京, pp. 233-240. 日根之和,1996.企画展の企画. ミュージアム ・マ ネージメント:博物館運営の方法と実践(大堀 哲・小林達雄・端 信 行・諸岡博熊編).東京堂 出版,東京, pp.I92-201. 平野義明,2000. ウミウシ学:海の宝石,その謎を探 る.東海大学出版会,東京,222 pp. 伊藤寿朗,1990.岩波ブックレッ トNo. 188・ひらけ, 博物館.岩波書庖,東京,62 pp. 粕谷 崇, 1992.博物館とインタープリター.園皐院 大壁博物館撃紀要, (17): 19-27 加藤昌一・奥野厚見,2001. エビ・カニガイ ドブック 伊 豆 諸 島・八丈島の海から . TBSブリタニ カ,東京,157 pp 菊地則雄, 1999.海の近くの自然昔、博物館一千葉県立 中央博物館分館海の博物館の場合 .藻類,(47): 143-145. 木下周一・横山千品, 2012.教育活動の諸形態.j専物 館教育論:新しい博物館教育を描きだす(小笠原

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図 3 . 甲殻類を観察する様子. A ,  s ,親子でイワガニを釣るアクティビティ :C 磯にくらす十脚甲殻類の種の 多様性を体験するアクティビティ: D ,振り返りのためのツ ールのひとつ 「 海の生きもの観察ノートJ
図 6 . 海の博物館企画展示 「 夏休みス ペシャル 海のカニ・川のカニ」の 様子. A ,ヘイケガニとその近似種 の甲が写し 出されるモニターが右手にあり,最も怖いと思った種類にシールを貼るマインズ・オン展示 (写真左手);  8 ,ヘイケガ ニ,サメ ハダヘイケガ ニ,キメンガニの甲を入れたプラスチ ックシャ ーレ.こ れを拡大カメラの下に置くとモニターに「顔」が写し出される

参照

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