第 45 講 日本の国際貢献
PKO〔国連平和維持活動〕協力法
日本の PKO 参加5原則 ①当事者間の停戦合意 ②当事国の合意 ③中立・公平 ④武器使用は正当防衛の場合のみ ⑤上記①~③の3原則が崩れれば撤収か中断 PKO 監視団 停戦監視団 選挙監視団 (6章半活動) PKF(平和維持軍) ※2001 年には PKF(平和維持軍)本体業務の凍結が解除され、武器使用条件が拡大された ※PKO 活動は国連憲章に明記されていない有事法制
◇日米安保共同宣言(1996) ◆アジア・太平洋地域の安全(再定義)、新ガイドラインの策定(1997) ※日米安全保障条約や新日米安全保障条約、旧ガイドラインでは「極東における国際平和と 安全の維持」が目的であったが、アジア・太平洋地域の安全へと拡大された。 →ガイドライン関連三法の制定 周辺事態法の制定、自衛隊法の改正、日米物品役務相互提供協定の改正 ◆周辺事態法(1999) ・自衛隊が「戦闘地域一線を画した後方地域」で食料・燃料補給など(武器提供は除く)の 支援活動や捜索・救難活動などを実施できる。戦いに共闘 ◆テロ対策特別措置法(2001) ・物品の輸送などの協力支援活動(外国、陸上での武器の輸送はダメ) ・活動は非戦闘地域のみ。 ・武器使用も周辺事態法と同じく限定的に認めている。 ※テロ対策特別措置法は2007 年 11 月に失効し、補給支援特別措置法(新テロ対策特別措置 法)が成立した(2008 年1月)。 ◇イラク戦争(2003):大量破壊兵器の保有を理由に、米・英が先制攻撃 ◆イラク人道復興支援特別措置法(2003) ・非戦闘地域において、医療などの人道復興支援活動、安全確保支援活動などを行う。武器 使用も同じく限定的に可能 ◇その他重要法令、組織の改編 ◆有事関連三法の制定(2003) :武力攻撃事態対処法の制定、自衛隊法、安全保障会議設置法の改正 ※武力攻撃事態対処法:武力攻撃事態と武力攻撃予測事態に対応 ※有事:日本が外部から攻撃される、または攻撃されるおそれがある場合を指す。「戦争状 態」のこと ◆有事関連七法の制定(2004) ●国民保護法:国民の避難・救援の手続き、国民の協力のあり方を規定、私権の制限も明記 ◆統合幕僚監部への改編(2006) ◆防衛省への格上げ(2007) 改正自衛隊法、改正防衛庁設置法 ・「庁」から「省」へ格上げ ・自衛隊の海外活動は付随的業務から本来業務へ変更 ◆海賊対処法(2009):ソマリア沖に自衛隊を派遣
次の文章を読んで,後の各問に答えなさい。〔東京経済大学〕 戦後日本は,平和国家として歩みを続けてきた。明治憲法(大日本帝国憲法)では,天皇大 権の一つとして「 A の独立」(11 条)が認められていたため,軍部に対する政府のコント ロールには,大きな障害があった。この反省もあって,非武装国家から出発した戦後日本が, 警察予備隊の創設を皮切りに防衛体制を整えていくなかでも,文民統制(シビリアン=コン トロール)の原則は,不動の位置を占めた。 (1)日本国憲法9 条が誕生した背景には,戦争違法化へ向けた国際的な努力があった。1928 年に締結された不戦条約(ケロッグ=ブリアン条約)は,国際紛争を解決する手段として戦争 に訴えることを非とした。(2)第二次世界大戦の連合国が中心となって発足した国際連合は,(3) 集団安全保障の考え方の下で,その憲章2 条 4 項において,「武力による B 又は武力の 行使」をすべての加盟国が原則として慎まなければならない,と定めている。 日本国憲法は,こうした国際条約の思想を直接に受け継いでいる。9 条 1 項は,「国権の 発動たる戦争と,武力による B 又は武力の行使は,国際紛争を解決する手段としては, 永久にこれを放棄する」としたが,この考え方は当時の国際法を反映したものであった。日 本国憲法が画期的だったのは,戦争放棄を実現する手段として,同条2 項に,「前項の目的 を達するため,陸海空軍その他の戦力は,これを保持しない。国の交戦権は,これを認めな い」としたことにある。 戦後日本は,こうした9 条の下,専守防衛の実力部隊として,1954 年の(4)自衛隊創設以降 も,1967 年に初めて表明された武器輸出(禁止)三原則や 1971 年に国会決議された(5)非核三 原則,1976 年に国防会議と閣議で定められた防衛関係費の GNP C といった日本特有の 平和的防衛政策が打ち出された。自衛隊の海外派兵の禁止や,(6)集団的自衛権の不行使とい った原則も,9 条なくしてはありえないものであった。
問1 文中の空所 A に入れるのに最も適切な語句を,次の①~⑤の中から一つ選び,マーク して答えなさい。 ① 行政権 ② 執政権 ③ 統帥権 ④ 外交権 ⑤ 統幕権 問2 文中の空所 B に入れるのに最も適切な語句を,次の①~⑤の中から一つ選び,マーク して答えなさい。 ① 圧迫 ② 威嚇 ③ 制裁 ④ 制圧 ⑤ 脅迫 問3 文中の空所 C に入れるのに最も適切な語句を,次の①~⑤の中から一つ選び,マーク して答えなさい。 ① 0.5%枠 ② 1%枠 ③ 1.5%枠 ④ 2%枠 ⑤ 2.5%枠 問4 下線部(1)に関し,憲法 9 条制定過程の説明として,最も適切なものを,次の①~⑤の 中から一つ選び,マークして答えなさい。 ① 日本政府が,明治憲法の改正を検討するために設置した憲法問題調査委員会(松 本委員会)が,戦争放棄を発案した。 ② 高野岩三郎ら,民間の知識人をメンバーとする憲法研究会が作成した憲法草案要 綱に,戦力不保持の条項があった。 ③ 憲法草案作成方針を示したマッカーサーノートの中に,戦争の放棄,非武装など が盛り込まれていた。 ④ 日本政府が,第90 帝国議会に提出した明治憲法改正案の中では,戦争の放棄は 書かれていたが,戦力不保持条項は存在しなかった。 ⑤ 戦力不保持条項は,第90 帝国議会における衆議院での審議の際に,日本社会党 によって初めて提案された。
問5 下線部(2)に関し,国際連合の発足に当たり,国際連合憲章の原案を討議した会議はど れか。最も適切なものを,次の①~⑤の中から一つ選び,マークして答えなさい。 ① ダンバートン=オークス会議 ② サンフランシスコ会議 ③ ウィーン会議 ④ モスクワ会議 ⑤ ウェストファリア会議 問6 下線部(3)に関する説明として,最も適切なものを,次の①~⑤の中から一つ選び,マ ークして答えなさい。 ① 集団安全保障は,仮想敵国の存在を想定している。 ② 集団安全保障は,二大勢力の力の均衡による世界平和の維持を目標にしている。 ③ 集団安全保障は,個別的自衛権の行使を認めない体制である。 ④ 集団安全保障は,国際連合加盟国が集団で平和の破壊に対処する体制である。 ⑤ 集団安全保障は,あらゆる地域的取極とりきめを排除する。 問7 下線部(4)に関する説明として,最も適切なものを,次の①~⑤の中から一つ選び,マ ークして答えなさい。 ① 自衛隊は,内閣総理大臣の命令により,何度も治安出動をしている。 ② 自衛隊の最高指揮監督権者である内閣総理大臣は,文民でなければならない。 ③ 自衛隊の合憲性は,最高裁判所の判決で確定している。 ④ 自衛隊の一組織として,海上の警備に当たる海上保安庁がある。 ⑤ 自衛隊を管理・運営する防衛庁は,省庁再編にあわせて2001 年に防衛省となっ た。 問 8 下線部(5)に関し,非核三原則を日本政府の方針として初めて打ち出した首相は誰か。 最も適切なものを,次の①~⑤の中から一つ選び,マークして答えなさい。 ① 三木武夫 ② 田中角栄 ③ 池田勇人 ④ 福田赳夫
問9 下線部(6)に関し,集団的自衛権の説明として,最も適切なものを,次の①~⑤の中か ら一つ選び,マークして答えなさい。 ① 集団的自衛権とは,自国に対する攻撃があった際に,反撃を同盟国に全面的に委 ねる権利である。 ② 集団的自衛権とは,自国に対する攻撃がなくても,同盟国が攻撃を受けた際に, それを自国に対する脅威とみなして,実力で反撃する権利である。 ③ 集団的自衛権とは,自国の民間人が他国で紛争に巻き込まれた際に,実力で自国 民を救出する権利である。 ④ 集団的自衛権とは,自国に対する攻撃があった際に,軍事力以外の手段で反撃に あたる権利である。 ⑤ 集団的自衛権とは,自国や同盟国に対して,いまだ攻撃がなくても,先制的に敵 対国に攻撃を加える権利である。 問10 下線部(7)に関し,1992 年に PKO(国連平和維持活動)協力法が制定され,最初に自衛 隊が派遣された国・地域はどれか。最も適切なものを,次の①~⑤の中から一つ選び,マ ークして答えなさい。 ① ルワンダ ② 東ティモール ③ ゴラン高原 ④ カンボジア ⑤ アフガニスタン 問 11 下線部(8)に関し,日米安保共同宣言を行った当時の日本の首相とアメリカの大統領 の組合せとして,最も適切なものを,次の①~⑤の中から一つ選び,マークして答えなさ い。 ① 橋本龍太郎=クリントン ② 小渕恵三=ブッシュ(第 43 代) ③ 宮沢喜一=ブッシュ(第 41 代) ④ 村山富市=クリントン ⑤ 森喜朗=ブッシュ(第 43 代)
問 12 下線部(9)に関する説明として,最も適切なものを,次の①~⑤の中から一つ選び, マークして答えなさい。 ① テロ対策特別措置法に基づいて,航空自衛隊がアフガニスタンにおいて空爆を行 った。 ② ソマリア沖の海賊対策のための海上自衛隊の派遣は,根拠法が成立していないた め,いまだ実現していない。 ③ イラク復興支援特別措置法に基づいて,陸上自衛隊は戦闘地域で武装勢力との交 戦を行った。 ④ 有事関連法として成立した国民保護法では,国民の財産を守るため,私権の制限 は認められていない。 ⑤ PKO(国連平和維持活動)協力法の改正により,自衛隊による停戦監視などの PK F(国連平和維持軍)本体業務が可能となっている。