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集団討論の会合における住民の発言メカニズムに関する研究

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59

集団討論の会合 にお ける住民の発言 メカニズムに関する研究

谷本圭志 。喜多秀行 ・山根佑司

鳥取大学工学部社会開発システムエ学科 。コ株式会社一条工務店山陰

Opinion Choice]νlcchanisni of Participants in Group Discussion

Keishi TANIMOTO,Hidcyuki Kr「

A and島ども

ji YAMANEコ

Department of social systcms engincering,Faculty of Enginecring

Tottori Universit,ち TottOri,680-8552,Japan

E…maili tanimoto@ssc,tottOriぃ u,ac.jp ¬IChttO COrpOration,Ltd,Shimanc,693-0058 Japan

Abstractt ln a folllm to build conscnsus regal・ding to the public proiect,thC participants often tcnd to choose thcir opinions same to thc maionty due tO confornuty Whcn they choose their opinions in such a manncr,thc resuh of group discussion cannot reacct each

participantis true prefercncc.Thus,it is irnportant to take a mcasurc to encourage participants to state thcir trtle opinion ln this study,

ヽVC COnStruct a modcl how palticipants in a group choose thcir opinlons by use of game theory and dynanttc programHung hen,、 vc sho、v that this modcl can be uscful to evaluatc the effcctivcness of thc measurcs to encourage participants to state their true prcfcrcncc by mcans of numcrical analysis

Key wordsi Opinion choice,Conforlnitゝ Game theortt Dynalac programllung

1日 は じめに 近年の公共事業 において

,住

民の間で計画案 に関 する集団討論 を実施することで合意形成 を促す場面 が増加 している。これにより

,住

民の間での利害 を 解消 し

,住

民 にとって納得性の高い事業の執行が期 待 されている。 集団討論 の会合 に参加する住民は

,他

の住民 との 意見交換 を通 じて事業に対する自らの選好性 を表明 することになるが

,利

害の解消のためには住民が互 いの選好 を把握 し

,利

害の構造 を共通の認識 にする ことが重要である。 したがって

,全

ての住民が事業 に対する真の選好 を表明することが合意形成の出発 点であると言える。 しか し

,我

が国では「事 なかれ主義」や「周囲 と の調和」を美徳 とする国民性に留意 しなければなら ない

.つ

ま り

,あ

る住民が「自分 の真意を発言する ことは場違いではないだろうか」 と感 じた場合

,自

分の真意 を表明せずに周囲の多 くの住民が発言する 意見 を表明 してその場をや り過ごす ことがあろう。 このことは

,事

業 に対す る強い選好 をもっていない 住民 ほ どその リス クを感 じる と考 え られ

,そ

の よう な住民が多 くを占め る集団討論 の会合 では

,そ

こで 得 られ た発言 は住民 の真 の選好 を必ず しも反映 しえ ない

.こ

の ため

,参

加者が真 意 を言 いやすい よう会 合 を運営す ることが事業者 の課題 であ る。 しか し, これ に関す る既往 の研 究は事例分析がほ とんどであ り

,そ

の事例 の範囲で運営方策の是非 を論 じること がで きて も

,そ

の意義 や効 果 を一般化 して検討 す る には限界 が ある。 そ こで本研 究で は

,集

団討論 の会合 に参加 した住 民 の発 言 メカニズム を説明す る数理モ デル を構築す る とともに

,そ

のモ デルを用 いて会合 の運営方策 の 意義 や効果 を理論 的 に分析 しうる ことを示す。住民 の発言行動 に関す る既往の研究 として谷本 ら[1],[2] が あ り

,進

化 ゲーム を用 いて住民 の発言行動 をモデ ル化 してい る。そ こでは適応 的に発言 を選択す ると い う住民の行動が仮定 されているが

,我

々の現実の 行動 は

,今

発言す る ことが今後 も続 く会合 において どの ような意味 を持 つのか を吟味 し

,場

合 によって は発言 を保留す る こ とも含 めて, どの状態や タイ ミ ングで どの発言 をすべ きか を自分 な りに思考す るこ

(2)

とが一般的であろ う。本研究では

,進

化 ゲームに動 的計画法 を組み込 む ことで

,上

記 の思考 を反映 しう るようモデル化 を試みる

.構

築 したモデルを用 いて 住民の発言行動 に関す る基本 的 な理解 を得 るととも に

,真

意 を発言す るための運営方策 をい くつか例示 し,その効果や意義 について検討 しうることを示す。

2.集

団討論 の会 合 と住 民 の発 言行動

2. 1集

団討論 の会 合 ある公共事 業 に関す る住民 の意見 を聴取す るため に

,複

数回か らなる住民 間での集 団討論 の会合 を事 業者が提供す る場面 を想定す る。個 々の住民 は事 業 に対す る賛成か反対 かの態度 を有 してお り

,そ

の態 度 は会合 を繰 り返 し開催 す る過程 において変化 しな い もの とす る。会合の回数 は予 め決め られてお り, 各 々の回において住民 は「賛成」,「反対」,「発言 を保 留」か ら一つ を発 言す る。選択 した発言 を全 ての住 民が同時 に表 明 し,その後 に「賛成」,「反対」「保留」 を選択 した住民 の分布 (以後,「発言分布」と呼 び, 保留 も発言の一形態 とす る

)を

知 ることがで きる。 会合 を繰 り返す過程 にお ける住民 の 自発 的な離脱, 新規の住民の参加 についてはひ とまず考 えない こと にす る。会合 にお ける住民 の発言が どの程度事業 に 反映 されるかは未定 であ る。 た とえ最後の会合 にお いて住民の発言が一つ に集約 されていた として も, それは事業 の内容 の決定 を意味す る ものではない。 2日

2住

民の発 言 行動 ´回目に開催 された集団討論の会合 において住民が 発言 を選択す る場面 を想定 しよう。なお

,以

下では, ′回目に開催 された会合 を「′期 の会合」と言 う.住民は ′期 の会合 における発言の選択 にあたって,卜1期 の会 合の発言分布 をもとに す期以降の発言分布 を予測する。 ただ し,初回の会合 においては前期 の会合が存在 しな いため,住民 は自分 の経験 に基づいて発言分布 を予測

,発

言 を選択す る。一度賛成 もしくは反対 を一旦発 言す ると,その発言の撤 回には非常 に大 きなコス トが かかると住民が認識 している もの とす る。この想定は, 簡単 に発言 を変更 した とすると,自 身の主張の一貫性 のなさに関 して周 囲の住民か ら白い 日で見 られる と の思い込みが住民 にある場面 と解釈 しうる。 ′期 の発言分布 に関 して,住民 は基本 的には 卜1期 の集団討論 において最 も「有利」(その定義 について は次章の

3節

で述べ る

)で

あ った発言が多 くを占め る発言分布 に推移す ると予測す る。 しか しなが ら, その予測通 りに行動 しない住民 も幾 人 か はい ること を知 ってお り

,そ

れ らの住 民の存在 に よ り次 回の発 言分布 は不確実 となる。住民 は

,任

意 の発言分布 の 生起確率 を算定 し,′期 において生起 しうる全 ての発 言分布 において どの発言 を選択 す るか を計 画す る。 さ らに す期 以降の会合 について も同様 の計 画 を行 っ た上 で,今 現在 どの発言 を選択すべ きか を決定す る. 任 意の期 において賛成や反対 を発 言 した場合

,そ

れ 以 降の期 において同一の意見 を発言せ ざるを得 ない 一方

,発

言 を保留す るとそれ以降の適 当 な期 におい て 自 らの選好 す る意見 を選ぶ機 会が保 たれ る。つ ま り

,発

言 を保留 す ることは発言選択 の柔軟性 を有す る選択肢 といえる。

3B住

民 の発 言行動のモデル化

3. 1

利得 住民 は任 意 の期 の会合 において発 言 を選択 し

,そ

の結果 として一つの発言分布が生起す る。ある発言 を選択 して獲得 す る利得 は発言分布 に依存 す る。任 意 の発 言分布 の もとで住民 が発言 に よってその会合 で得 る利得 は

,自

分 と他 の一人一人の住 民 間でのゲ ームにおいて得 る利得の平均値 である。以下では任 意 の二 人の住民 の間でのゲームにおけ る利得 の構成 要素 につ いて述べ る。 住民が真 意 を発言すれば満足感 αlを得 る。 また, 相手 の住 民 と同一の発言 を選択 してい る場合

,安

堵 感 α

2,異

なる発言 を選択 していれば一α2を得 る

.選

択 しようとす る発言が賛成 もしくは反対 で ある場合, 前期 の会合 において保留以外 を選択 した住 民 の うち 何 割 の住民 にその発言が選択 されていたか を

Pで

表 す。す る と

,よ

り多 くの住民 によって発 言が なされ てい る とい う意味 での会合 の雰囲気 に拠 つてい る安 堵 感 に基 づ く利 得 要素 を ,3υ)で与 え る こ とが で き る。

Pが

小 さい場合

,そ

の発言が場違 いで ある とい う不 安感 が生 じる ことか ら,31P)は負 の値 もと りう る.ρ=0.5の場合 は安堵感 も不安感 も生 じない こ と か ら,α3(0・5)=0と す る。住民 は これ らの利 得要素(,1, α2,α 3)を保留 以外 の発言 を選択 した場合 に相手 の発 言 に応 じて獲得 し

,保

留 を発言 した場 合 にはそれ ら の どれ も獲得 しない。 保留 を除 くあ る発言が住民全員 に とって何 らかの 共通 の根拠 を もつ場合

,本

研究 で はその発 言 には大 義名分 が あ る と言 う。大義名分 のある発 言 を選択 し てい る限 りは利 得要素 α3ψ)を得 ない。この意味 にお いて,利得 要素,3骸)は発言の根拠 を発 言分 布 に求め るこ とで生 じる要素であ り

,他

に根拠 が あればその

(3)

発 言 賛 成 5こ女す 保 留 賛成 '2 W2 0 反 対 α 「 α2+α3骸) αl+α2+α 3ψ) '1+93ψ) 保 留 0 0 0 鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 33号 61 表

1

要素ゲームの利得行列 要素は生 じない と解釈で きる。以上 に よ り

,大

義名 分が賛成 にある状 況下で

,真

意が反対 にあ る住 民の 間でのゲームの利 得行列 は表1のように表 され る. なお

,ゲ

ームは対称 的であ り

,そ

の性 質によ り表 1 には行 プレイヤーの利得 のみ を表 している

.表

1は 1回の会合 にお けるゲームであ り

,こ

のゲーム を要 素ゲーム と呼ぶ. 以後

,賛

,反

,保

留 をそれぞれ ∫とが2が

3,参

加 者の総数 を η人

,賛

,反

,保

留 を選択 してい る 人数 をそれぞれσ(∫1),σ(∫2),。(d3),発言分布 をベ ク ト ル∝(σ(dl),σ(∫2),σ (d3))で表す。

3.2住

民 の限定合理性 谷本 ら[1]は

,住

民が発言分布 の推移 を観察 しつつ 適応 的 に発言 を選択 してい く住民の行動 を進化 ゲー ムを用 いてモデル化 している。進化ゲームは住民の 限定合理性 で特徴づ け られ

,そ

れ らは以下 の三点で ある. ・近視眼 ある人が戦略 を変更す る ときには

,現

在 の戦略分 布 を所与 としてそれ に対す る最適 な戦略の 中の1つ に変更す る もの と考 え られ る。これ を近視眼 とい う. 人々が 自分 と同 じように現在 の戦略分布 を所与 とし て戦略 を変 えた場合 には

,周

囲の戦略分布 が変 わる ことになるか ら

,最

適戦略が現在 の戦略分布 を所与 とした最適 戦略 とは異 なる ものになるか も しれない. 近視眼 とはこの ようなことを考 えない ことを意味す る。 ・慣性 決 まった戦略 を もって要素 ゲームに臨むが

,戦

略 の変更 にはコス トが伴 うことか ら

,全

ての人々が毎 期戦略 を変更す るこ とはない と考 え られる。社 会の 戦略分布が徐 々に調整 されてい く世界 を想定するこ とになる。これを′買性 とい う。 ・試行錯誤 革新 的なプ レイヤーは最適戦略 にこだわ らず に 様々な戦略 を試みているか もしれない。人口の一部 が毎期入れ替わるような状況では

,現

状 に適応せず に新 しい戦略 を採用す る新 しい世代 が登場 す るか も しれ ない。既存 の戦略分布 を毎期撹乱 す る要因が試 行錯誤又 は実験 と呼ばれ る. これ らの うち

,近

視限の仮定 に着 目 しよう。 この 仮定の下 で住 民 は,′期 の発言分布 は 卜1期のそれ と 不変である とす る。つ ま り

,将

来 の分布 は現在 のそ れ と変 わ らない と住民が考 える世界 を想定 してお り, その もとで は我 々が現実 に行使 しうる保留 の意義 を 説 明 しえない。 また

,住

民 は試行錯誤 を行 う可能性 を認識 してお り

,だ

か らこそ発言 を保留 して様子 を うかが う行 動 を選択す るのであ る。そ こで本研 究で は

,限

定合理性 の概念 を以下の ように4多正す る。 ・近視眼 チ期 の会合 において住民 は卜1期 の会合 で実現 した 発言分布 を もとに ′期 における分布 の生起確率 を推 定す る。また,′期 以降について も ヶ期 にお ける分布 か ら推移 しうるあ らゆる分布 の生起確 率 を推定す る. その上 で

,今

現在 と りうる戦略の 中か ら最適 な戦略 を選択す る。人々が 自分 と同 じように現在 の戦略分 布 とその後 に引 き続 く戦略分布 の推移 を所 与 と して 戦略 を変 えた場合 には

,周

囲の戦略分布 の生起確率 が変 わるこ とになるか ら

,最

適戦略が現在 の戦略分 布 を所与 と した最適戦略 とは異 なる もの になるか も しれ ない。住 民 はこの ような ことを考 えない もの と す る. ・慣′陛 先 に述べ た慣性 の定義 とほぼ同様 であ るが

,賛

成 も しくは反対 を一旦発言す る とその変更 には多大 な コス トを伴 うと住民が認識 してい る場面 を考 える. す なわち, これ らを発言す る と

,将

来 にわたつてそ その発言 を選択 し続 けることになる と住民が認識 し てい る もの とす る. ・試行錯誤 既存 の戦略分布 を毎期撹乱す る住 民 の存在 を住民 が認識 してお り

,そ

の ような住民 が どれほ どい るか を推測す る もの とす る。

3.3発

言分 布 の推移 任 意 の発 言分布σの下で住 民 が その会合 において 得 る「瞬 間の利 得」 onstantaneous payoり を ,1(σ), '2(σ),'3(σ)で表す。 これ らは表 1に示 す利得行列 を 前提 とす る と以下 の ように求め るこ とがで きる。

(4)

,1(σ)=[α2×σ(∫1),α2×σ(∫2)]/刀 (1) '2(σ)=[(αェーα2+α3(ン ))×σ(∫1)+(αl+rr2+α3(″ ))×σ(∫2) 十(91+930つ)×σ(∫3)]//1 '3(σ

)=0

任意の発言分布σの もとでの各発言の「有利 さ」を 以下の れ(σ),/2(σ ),狗(σ)で定義する。 民 が反対 を選択 す る確 率 をμ

,保

留 を選択 す る確 率 を 卜μとす る。試行錯誤 を行 う住民 を χ人

,そ

の う ち反対 を選択す る住民 を た1人

,保

留 を選択す る住民 をχ_た1人とす る と,う 1(σⅢl)人の中か らχ人が試行錯 誤す る確率 臼,万 人が試行錯誤 をす るとの条件の も とでその 万人の 中か られ人が反対 を選択す る確率?2 はそれぞれ以下 の二項モデルで表 される。 上式 よ り,う1(σ 「 1)人 の中か らた1人が反対 を発言す る石荏署三T3=伽?2カSイ尋ら才化る . 同様 に

,賛

成以外 の発言 を選択する住民について も確率を求めることがで きる。すると,ガ,ノ,電 をそれ ぞれう1(σ 「1),う 2(σ「 1),う 3(σ卜1)人の中か ら試行錯誤 を行 う住民の人数,れ を χ人の中か ら反対 を選択する人 数,娩 を ッ人の中か ら賛成 を選択する人数,Fc3を そ 人の中か ら賛成 を選択する人数であるとすると

,試

行錯誤 を行 う住民の存在の もとでの r期 の発言分布 σ′は次式で表 される。また

,そ

れ らの下式 を図式的 に整理 したものが図 1で ある。 2   3 rl(σ)=(,(∫1)一,(∫2))十 (,(sl)一,(∫3)) r2(σ)=(,(∫2) '(∫1))十 (,(∫2) ′ (∫3)) ち(σ)=(,(∫3) '(∫ 1))+(,(∫ 3) '(∫ 2)) (4) (5) (6) (10) う 々 μ 一 Q μ > ム e 一 h 早 ヽ 停 ノ χ   歩 V I I I I 人 ヽ ツ rЮ χ う / 1 ︲ ︲ く 〓 ρ y > 勇 8 一 h 早 ヽ 停 ノ 住 Ψ   ぇ う r l i ︲ ヽ 〓 ? 各発 言 の「有利 さ」とは

,発

言分布σにお いて当該 の発言 によって得 る瞬間の利得が他 の発言のそれ よ りもどれだけ大 きいかで測 られる。 卜

1期

に賛成 もしくは反対 を選択 した住民 はそれ を発言 し続 けるはずであるか ら

,住

民が チ期 の発言 分布 を予測す るには

,卜

1期

に保留 を選択 した住民 (以後,「卜1期の保留者」 と呼ぶ

)が

′期 に どの発 言 を選択す るか を検討すれば よい。以下 で は説明を 容易 にす るため

, 1)試

行錯誤 を行 う住民 がい ない との想定の下で,卜1期か ら ′期へ の発 言分布 の推移 をどの ように推定す るか をまず述べ

, 2)次

いで試 行錯誤 を行 う住 民 の存在 の もとでの発 言分布 の推定 について二段 階 に分 けて述べ る。 卜1期における発言分布 をσⅢlで表す。試行錯誤 を 行 う住民 がい ない場合,卜1期の保留者σ 「 1(∫3)人に関 す るす期 の発 言分布 う(σ 「1)=(う 1(σⅢl),う 2(σ 「 1),う 3(σ庁1)) は発言の有利 さが大 きいほ ど増加率 も大 きい として 以下の ように定式化す る。ただ し,先(≧o)は係 数であ る, 仇(σ′1)= ιλ■(σ′_1) ι勝1(Cr_1)十 ιλ'2(σィ_1)十ゼλる(σ′_1) σ′1(ざ1) (7) σr(∫1)=σⅢl(∫1)+う 1(σ 「1)=χ+娩十た3 σ′(∫2)=σ´1(∫2)+う 2(σ′1)一ノ+た1+てTた3 σr(S3)=う3(σ卜1)一そ+χ―た1+ノー娩 賛 成 保 留 反 対 試行錯誤 を行 う住民 の存在 の もとでの 発 言分布 の推移 μ 一 Q た ︲ . ヽ μ , χ 猛 / 1 ︲ ︲ く 〓 ? (13) (14) (15) 的

=

00

先(σ′

.)=

ιχ4(σ′_1) ι崩二(。11)十 ιλ′ '(σ r_1)十 ι先'3(σ′1) σ卜1(d3) (9) 次いで

,上

式 により求め られた ぅ(σⅢl)を もとに試 行錯誤 を行 う住民がいる場合の発言分布 を求める. その際

,Kandon,α

′.[3]に よる試行錯誤のモデルに 基づ く

,卜

1期

の保留者 の うち

,賛

成 を発 言す る う1(σⅢl)人の 住民に注目しよう。その住民が試行錯誤 を行 う確率 を8,試行錯誤 を行 うとの条件の もとで住 図 1 -1期 の分布 各住 民 が保 留者 の推移 を予想 試 行錯誤 によって 発言分 布が撹乱 ′期 の分布

(5)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 33号 63 た1,/C2,た3について も同様 の考 えに基づ き,これ らの と りうる範 囲 として次式 に得 る。 ここで χ,メ,そ は非負 であ り

,そ

れぞれ う1(σⅢl), う20「1),う3値庁1)を超過 しえない ことか ら,χ,メ ,そ の と りうる範囲 と して次式 を得 る。 に賛成

,反

,保

留 を選択 す るこ とで ′期以 降に得 られ る総期待 割引利 得 をそれぞれ yl(σ 「 1),y2(σ「 1), y3(σ 「 1)で 表す。それ らは次式の ように定式化す るこ とがで きる。 yl(σ ′判)=Σ[P(σ′lσ1),1(σ r)

Σρ

(σrl。

.lyl(σ

.)] (25)

y2(σ r l)=Σ[ρ (σIIσ

)'2(σr) +β

Σ

P(σ

.ly2(σrrl)] (26) 73(σ

)=Σ

[0+ΣP(σr引 lσ

) maX[yl(σ ′.),72(σ ′刊),73(σ′■)]](27) ここに,β(0<β<1)は割引因子である。住民は最 も 総期待割引利得の高い発言 を選択する。よって

,任

意の 卜

1期

において発言分布σ 「 1の もとで得 られる 総期待割引利得Kσ,1)は次式で表 される。 KσⅢl)=max[yI(σ 卜1),y2(σ 「 1),73(σ「

1)] (28)

会合の最終回を

T期

とすると

,T期

か ら後ろ向き に動的計画問題 を解 き, どの期 にどの発言 を選択す べ きかを住民は計画することがで きる。

43運

営方策の効果分析 以下では合意形成の会合 に関するい くつかの通営 方策 を例示 し

,そ

の方策を導入す ることによって住 民 による真意の発言 を支援 しうるかについて構築 し たモデルを用いて検討する.

4. 1場

面設定 住民の真意が事業 に対す る反対 にあ り

,大

義名分 が賛成 にある場面 を想定する。これは

,真

意 を表明 しづ らい とい う意味で悲観的な状況 を想定 している ことになる。 賛成 または反対 を選択 した場合 の慣性 は非常 に 強 く

,一

度選択 した発言の変更はで きない と住民が 認識 しているもの として発言行動 を前章 に定式化 し たが

,以

下では賛成お よび反対 を選択 した住民 は以 後の集団討論の会合 において発言の変更 を実際にし ない もの とする。保留が最適戦略 となる場合につい 0≦ χ ≦うと(σ庁1) 0 ≦ ノ≦う2(σ卜1) 0 ≦ ぞ≦う3(σ卜1) 0≦ た1≦死 0≦ /C2≦ノ 0≦ 猛 ≦そ (16) (17) (18) (19) (20) (21) そ   レ 幣 V I I I 人 ヽ ν 住 Ψ   て

一︲             、 ︲ /

鰊 Σ 測 偽 toィ.デ 一即 tσ Σ 劇 ち 〓 発 言 分布 σⅢlを所 与 と して任 意 のσrに 関 して(13) ∼(15)式よ りた2,た3を以下 の よ うに表 す こ とが で きる. た2=う3(σⅢl)―σr(∫3) そ+χ一た二十ノ (22) た3=σたI(S2) σ′(d2)+う 2(σ■1)―メ+た1-rz (23) 以 上 よ り

,発

言分 布 がσ 「 1か らσrへ推 移 す る確 率 P(σ】σ 「 1)を次 式 の よ うに得 る こ とが で きる。 P(σ ′lσ1)

×

8住+メ

Q-8)や

〕司

×μは1■2肖)│_μ )は キ中 汗←二

"報

3) O④

なお

,上

式 の右辺 にはσ′に関す る項が表面上現れ てい ないが,(22),(23)式に示す よう た2,た3がσどに依存 してい る。

3. 4総

期待割 引利得 毎期 の会合 において

,住

民 は各発言 を選択 した場 合の瞬 間の利得 とその期 以 降に得 られ る利得 を計算 した上 で,それ らの和が最 も大 きい発言 を選択す る。 以下 で は

,動

的計 画法 を用 いて住 民の発言行動 を記 述す る。卜1期における発 言分布がσ卜1であった とき

(6)

ては

,保

留 を選択 しうる住民の半数が保留 に戦略 を 変更す る慣性が働 くもの とす る。 戦略 を変更す る住 民 は

,試

行錯誤 を行 って最適戦 略以外 の戦略 をラ ングムに選択す る場合がある。戦 略 を変更す る住 民 は

05の

確率 で試行錯誤 を行 う も の とする。以上 を整理する と,テ期 においては前期 に 保留 を選択 したσ←1(∫3)人の うちσ 「 1(∫3)/2人 は引 き続 き保留を選択 し,σⅢl(∫3)/4人は試行錯誤を行い

,残

りのσ 「 1(∫3)/4人が最適 な戦略を選択する。 利得要素を次式の ように与える。なお

,こ

の利得 要素の下で要素ゲームには支配戦略が存在せず

,発

言分布によって最適戦略が異なる. 4 6 8 10 12 14 16 18 20 反対を発言している人数 図

2最

終状態のサ ンプル数 20 18 16 14 12 10 8 6 4 2 期 図

3保

留 を選択す る住民がい な くなる期 表

2

最終期 における発言分布 と 保留 を発言す る住民がいな くなる期 筆 ミ ト ハ ︷ 20 15 ︲0 5 0 黒 ミ ト ハ 本 αl=1 '2=1・5 α)=2αψ-0.5) α=1.5 割引因子 をβ→

1と

,試

行錯誤 を行 う確率8, 行錯誤の後 に賛成 または反対 を発言する確率μ, 性 を表す係数λを以下のように設定する. e=0.5 μ=0.5 )し=0.8 試 慣 (29) (30) (31) (32) (33) (34) (35) 以上 の想定の もとでシミュ レーシ ョン分析 を行 う。その際

,20人

の住民か ら構成 される

20回

の会 合 を 1サ ンプル とし

,25サ

ンプルについてシミュレ ーションを行 った。 まずは

,方

策 を導入 しない場面 を想定 してシミュ レーシ ョンを行 った。その結果を図

2,3,表

2の「方 策なし」に示す。これ らによると,会 合の終了時点に おいての最終的な発言分布 に住民の真意ではない賛 成が多 くを占めるサ ンプルが幾つか見 られる。保留 を選択する住民がいな くなる期は全て 6期 以降であ り

,17期

まで保留 を選択 し続ける住民がいるサ ンプ ル も見 られる。これにより

,住

民はす ぐには賛成 も しくは反対 を選択せず

,何

期か様子 を見てからそれ らを選択 していることがわかる。これは発言分布の 推移の不確実性 によ り

,保

留 を選択す ることで得 ら れる総期待割引利得が高いためと考えられる。 以上により

,方

策 を導入 しない場合では真意を発 言 しに くい過程がlヒ較的多 く生起すると言える。 方策 な し 方策I 方策 Ⅱ 留 反 対 賛 成 期* 保 留 反 対 賛 成 期半 保 留 反 対 賛 成 期* 7 3 0 7 4 16 0 6 4 0 6 7 0 8

6 14 0

5 0 6 3 0 6 5 15 0 6 3 7 0 7 4 0 7

4 16 0

6 4 0 6 10 0 0 10

6 14 0

4 6 0 7 10 0 0 10 17 3 0 7 6 4 0 13 7 0 17 9 1 0 7 5 5 0 7 3 0 7 7 3 0 6 6 4 0 9 1 0 6 4 0 6 3 7 0 5 0 7 8 2 0 6 4 6 0 5 0 7 3 0 6 2 0 9 1 0 7 4 6 0 6 4 6 0 7 10 0 0 8 2 0 6 7 3 0 9 0 8 2 0 6 2 0 7 3 0 7 4 0 6 2 0 7 3 0 6 6 4 0 6 6 4 0 6 15 5 0 7 5 0 7 5 5 0 6 6 14 0 7 3 0 7 7 3 0 6 17 3 0 7 15 5 0 7 3 0 6 13 7 0 7 13 0 4 6 0 6

6 14 0

6 5 15 0 7 6 4 0 6 8 12 0 9

4 16 0

6 4 0 6 15 5 0 7

7 13 0

7 6 4 0 6

7 13 0

6 9 11 0 6 4 0 6 14 6 0 7 7 13 0 7 3 0 6 キ:保留 を発言す る住民 が い な くなる期

(7)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 33号 65

4.2運

営方策の例示

(1)方

1

第二者による説明 事業のメリッ ト

,デ

メリットを説明する第三者を 会合 に参加 させ る方策を想定する

.第

三者は事業に 関 して特定の主張 をすることな く

,中

立的な立場 を 維持する。つ ま り

,事

業の利点

,欠

点 を客観的に提 供 し

,事

業 に賛成すべ きか反対すべ きかについては 何 ら主張をしない. 第三者が会合 に参加 し

,事

業に関する説明を行 う ことは

,賛

成 を選択する住民 にとっては賛成の援軍 に

,反

対 を選択する住民 にとっては反対の援軍 にな りうる。また

,第

三者の説明は他の住民による発言 よりも大 きな影響力 を持 つていると考えられる。そ こでシ ミュレーシ ョン分析では

,第

三者の参加 によ る効果を発言分布のσす(∫1),σr(∫2)にそれぞれ

5人

を加 えることで表現する。

(2)方

策 ‖ 会合の多数化 一般 的に合意形成の会合 は昼 間に仕事 を行 つて いる世代の住民が参加 しやすいよう

,夜

間に行 われ る。 しか し

,夜

間だけの開催では夜間に仕事 を持つ 就業者や高齢者 には参加 しづ らい。また

,開

催場所 によっては

,地

理的

,時

間的制約のため

,参

加で き ない住民 もいるであろう。そこで,「会合の開催時間 を多様化する」,「会場 を複数設ける」,「会合の開催 頻度 を高 くす る」等 を行 うことにより,よ り多 くの住 民が会合に参加で きるようにする。場所や時間の都 合によって会合 に参加で きる住民 とで きない住民が いるため

,こ

れ らを実施することによって会合に参 加する住民の入れ替わ りが活性化する。この場合, 以前か ら参加 している住民にとって新規の住民の参 加は会合 を「撹乱する」要因になろう。つ まり

,試

行錯誤 をする住民の確率8が増加す る。ただ し

,会

合 に参加する人数の総数は常 に一定であるとする。シ ミュレーシ ョン分析においてはcを o.5から0,9に高 めることでこの方策の効果を表す。 以上 に示 した運営方策の導入効果の解釈 を試み よう。第三者 による説明を導入 した場合

,説

明の効 果 は住民の発言分布(σ(sl),σ(∫2),σ(ざ3))に(れ,れ,0), 倣≧o)を加 えることに対応 している.す ると

,会

合全 体の発言分布 は (れ十σ(∫1),/4■σ(d2),σ(d3))と な り

,第

三者の影響力が非常に強い場合は 附→∞ として(1,1,

0)に

1又束する。つまり

,賛

,反

対 を選択する住民 の比率が均等化 される。このとき,3骸)は 0に 近付 き, α2も 「全 ての住 民十第三者 (2躍 人 に相 当

)と

の要素 ゲーム」 を通 じて相殺 され る

.よ

って瞬 間の利得 を 決定す る要素 は真 意 を発言 した ことの満足感のみ に なる

.結

果 として

,真

意 である反対 を発 言す ること の有利 さが高 ま り

,次

期 において も反女寸が多 くを占 め る発 言分布 に推移す る確率が高 くなる と住民 は予 測す る

.ま

,発

言分布 の分散 も小 さ くなるため, 保留 を発言す る必要 はな くなる

.以

上 よ り

,真

意で ある反対 を早期 に選択す る住民の数が増 える と考 え られる。 会合 の多数化 を行 った場合 の極端 な想 定 と して, 参加す る住民が毎期入 れ替 わ り,8が 1に近付 く場合 を検討 しよう。 この場合

,会

合 に参加 す る住民 は, 他 の住民 のほ とん どは最適戦略以外 を選択 す る と予 測す る

.そ

の予測の もとでは会合 を繰 り返 してい く 過程で発言分布 は次第 に平滑化 してい く

,つ

ま り,ヶ 期 に有利 であ つた発言 はr4_1期にはあ ま り選択 され な くな り,不利 になる とい う過程 を経 る こ とに よ り, 発言の有利 さのバ ランスが是正 され る。 この結果, 会合 を多数 回線 り返せ ば最終的 には方策 Iと 同様, 賛成

,反

対 を選択す る住民の比率 は均 等化 し

,反

対 を選択 しやす くなる と考 える。ただ し

,そ

の効果 を 得 るには会合 を十分 な回数 だけ繰 り返 さな くてはな らない。 よって この方策 は

,十

分 な回数 の会合 を繰 り返す ことで よ り顕著 な効果 を発揮す る と考 え られ る. 4日

3結

果 と考察 方策を導入 した場合の結果 を図

2,3,表

2の「方策 I」,「方策 Ⅱ」に示す。これによると

,会

合の終了時 の最終状態に関 しては

,方

策Iを導入 した場合

,賛

成が過半数 を占める分布が見 られるものの

,多

くの サ ンプルでは反対が多 くを占める最終状態 に至 った。 方策 Ⅱを導入 した場合については

,全

てのサ ンプル において反対が多 くを占める発言分布 に至 っている。 いずれの方策の導入においても

,方

策 を導入 しない 場合 と比べ て反対が多 くを占める発言分布 に至 るケ ースが増えている。また

,参

加 した住民全員が賛成 もしくは反対 を発言 した期 に関 しては

,方

策 Iで は 三期

,方

策 Ⅱで も四期 ほど方策 を導入 しなかった場 合 と比べて早 くなっている

.以

上の結果 より

,こ

れ ら二つの方策は住民が真意の発言を選択 しやすい集 団討論の運営方策 として有効であるといえる

.以

上 に例示 した同様のアプローチによることで

,他

の運 営方策の導入効果 について評価す ることが可能であ る。

(8)

5.お

わりに 本研究では

,住

民の限定合理性のうち

,近

視眼の仮 定に修正を加えることによリーィ住民の発言行動

,特

に 保留を用いるこ との意義を説明しうるモデルを構築 した。また

,そ

のモデルを用いて合意形成の会合にお いて住民が│どのような状態ゃタイミングでどの発言 を選択するかという発言行動を分析 しうることを示 した。 本研究においては

,合

意形成の最終会の結果を受 けて

,公

共事業においてどのような意思決定がなさ れるかについては直接的な関連がないものとして検 討 した。しかし

,近

年では住民による意思→決定を事 業での意思決定.とする事業執行 も現実的となってお ― り

,合

意形成 における意思決定ルールの役割や意義― に関する理解が必要となっている

.本

モデルを拡張 することにより

,そ

の分析は可能であると考えてい るが

,そ

の検討は今後の課題である。 参考文1献 [1〕 谷本圭志

,喜

多秀行

,三

ツ国篤志 :合意形成の場に おける雰囲気の1形成とその下での住民の発言行動 に関するゲーーム論的考察.,土木計画学研究 .論文 集,No.18,pp.89つ 5;2001. 121忍 田国大

,谷

本圭志

,喜

多秀行 :合 意形成の場におけ る住民 の発言行動の推移過程 に関す る研究,土木学会中 国支部研究発表会発表概要集,pp.555-556,2001.

[3]Kando ,M,,G.J.Mallath and R,Rob:蠍剛 ng)Mutatim,

and Long Run tq lb a in Cames, Econometrica 61, lpp.29■56,1993.

参照

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