• 検索結果がありません。

コンクリート躯体の施工の信頼性向上技術の研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "コンクリート躯体の施工の信頼性向上技術の研究"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

コンクリート躯体の施工の信頼性向上技術の研究

[研究代表者]瀬古繁喜(工学部建築学科)

[共同研究者]小島正朗(

(株)竹中工務店))

研究成果の概要 近年の土木工事や建築工事ではCIM や BIM を活用した情報化施工の実施例が多く見られるようになっている。 筆者らは、建築でのコンクリート工事における情報化施工技術に関する研究開発を従前から行っており、「打ち重ね 工法のための打込み管理・打設計画支援システム」の開発において、コンクリート打込み状況を可視化し時間管理を 可能とするプログラムを概ね完成させた。型枠中でのコンクリートの流動状態を三次元的にシミュレートできるプロ グラムを現場で試行し、出力結果が実際の工事の状況と整合することを確認してきている。 本研究の最終的な目標は、コンクリートの打込み計画の立案をナビゲートするシステムの構築である。ここでは、実 際の工事におけるコンクリートの打込み状況の管理を自動で行うプログラムに関する研究の成果を述べる。プログラ ムでは、コンクリートの流動状態を三次元的にシミュレートする部分を主体とし、工事の進行に合わせて自動的に実 行できるよう、コンクリートの打込み位置認識、ポンプ車の打込み速度のモニタリングを統合する。実際の建築工事 現場においてBIM モデルを作製し、ポンプ車の打込み速度をリアルタイムで取り込みながらプログラムを実行させ る試行を行うとともに、準天頂衛星の高精度GPS による位置認識精度の検証を行った。 その結果、今回の現場試行では打込み位置を測定者が手入力で行っており実際の打込み位置を正確に反映したデータ ではないが、可視化されたコンクリートの流動状況は型枠中での実際の状態をほぼ再現できたことが確認できた。準 天頂衛星による高精度GPS の測位精度は、RTK 測量には劣るものの、誤差が 1m 以内であることが確認された。な お、GPS アンテナを設置する方向などの影響を受けるため、本研究で使用する実際の状況では注意を要することが 分かった。 研究分野:

建築材料・施工

キーワード:

コンクリート、打重ね時間、三次元モデル、吐出量、打込み位置、準天頂衛星

1.研究開始当初の背景

近年、BIM(Building Information Modeling)は鉄骨工事や 配筋工事で計画から施工段階まで活用されている。しかし、 設計案に沿った形に型枠を組立てることで自由な形状が 得られるコンクリート工事では、型枠内をコンクリートが 流動する特性を持っていること、また形状が不定形なため、 BIM などのシステムの活用が難しい現状がある。現場監 督は図面上で打込み順序や時間の計画を行っているが、計 画どおりに打込まれないことがあり、その場で熟練技能者 が打込み順序を決定していることも多い。その結果、JASS 5 で定められている打重ね時間を超過し、コールドジョイ ント等の不具合が発生する問題が解決されない状況が続 いている。 2.研究の目的 本研究の最終的な目標は、コンクリート工事の計画立案 から実際の打込みを適切にナビゲートするシステムを構 築することである。これまで研究を進めてきた施工管理シ ステムでは、三次元の型枠モデルに3~5cm 角のコンクリ ートブロックを流し込み、コンクリートの軟らかさや型枠 の断面寸法などによって流動勾配を決定し、実際の流動状 態をシミュレートして三次元モデルとして可視化する。 今年度は、実際の建築現場でシステムを実行させて、コ ンクリート打込み中の打込み量をリアルタイムでプログ 35

(2)

ラムに取り込み、実際の打込み状況を三次元的に再現でき ることを確認することとした。また、打込み位置情報の取 得方法として、準天頂衛星システムを利用した場合の測位 精度を確認することを目的とした。 3.研究の方法 (1) コンクリート施工管理システムの試行 実際の現場でCON 管理システムを実行させ、1 分毎に 打込み量を取り込んで計算する仕組みがタイミングよく 進み、コンクリートの流動状況が現場で再現できるかを確 認することが目的である。ポンプ車のセンサーで測定され た打込み量のデータと実際の打込み量(荷卸し量)との整 合性の確認も行うこととした。なお、打込み位置を自動測 定して取り込む部分は未完成であるため、打込み位置は測 定者が自分の手で図面上に入力する方法とした。試行の対 象とした建築現場は、東京都内の大規模水泳施設である。 図1 流動シミュレーションのイメージ (2) 準天頂衛星システムの測位精度の確認 コンクリート施工管理システムの実行中に打込み位置 情報を取得するために、準天頂衛星システムによる緯度・ 経度データを用いることとし、その測位精度を確認するこ とが目的である。ここでは、大学構内の広場における 17.4m までの範囲での実験について主に示す。 実験1 固定点における測定では、図 2 に示す座標で位 置情報を測定した。実験2 歩きながらの測定および実験 3 持ち方の違いによる測定では、図3 に示すような番号順で 矢印の向きに移動しながら位置情報を測定した。 図2 実験 1 の測定位置 図3 実験 2・3 の測定順序 4.研究成果 (1) コンクリート施工管理システムの試行 コンクリートの打込みは8 時 34 分から行われた。当日 の打込み順序を図4 に示す。打込み位置の移動に合わせて 位置を徹底し、動作確認を行ったところ、コンクリートの 打込み状況がCON 管理システム上に表示されていること が確認できた。図4 の④箇所が終了した時点でのシステム の打設状況を図5 に示す。 図4 当日のコンクリート打込み順序 図5 施工管理システム上での再現状況 (2) 準天頂衛星システムの測位精度の確認 実験1 での測位結果を図 6 に示す。設定した座標と測位 結果のずれは、最大で3.7m、最小で 0.0m であった。測定 した18 地点中 10 地点が緯度・経度方向ともに 1.0m 以下 の誤差に収まる結果となった。これは、昨年度のRTK 測 量に比べると大きな誤差といえる。 図6 実験 1 での測位結果 5.本研究に関する発表 (1) 特願 2019-75129:現場打ちコンクリートの施工管理シ ステム 17.4 1.53.0 5.1 10.2 15 17.4 1.5 3.0 5.1 10.2 15 m m ①⑤ ② ③⑥ ④ -21 -18 -15 -12 -9 -6 -3 0 3 -3 0 3 6 9 12 15 18 21 X軸 Y軸 XY軸 X軸(m) 軸 (m) Y 36

参照

関連したドキュメント

情報理工学研究科 情報・通信工学専攻. 2012/7/12

第4 回モニ タリン グ技 術等の 船 舶建造工 程へ の適用 に関す る調査 研究 委員 会開催( レー ザ溶接 技術の 船舶建 造工 程への 適

代表研究者 小川 莞生 共同研究者 岡本 将駒、深津 雪葉、村上

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

【対応者】 :David M Ingram 教授(エディンバラ大学工学部 エネルギーシステム研究所). Alistair G。L。 Borthwick

【 大学共 同研究 】 【個人特 別研究 】 【受託 研究】 【学 外共同 研究】 【寄 付研究 】.

共同研究者 関口 東冶

世界規模でのがん研究支援を行っている。当会は UICC 国内委員会を通じて、その研究支