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マアナゴ(Astroconger myriaster BREVOORT)の胃内容物について-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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6 マアナゴ(AstrocomgermyriasterI紬EVdoRT)の胃内容物について 田 中 ′J、治郎 高 杉 輝 雄 ノ合 田 理 (香川県水産試験場) 1) 岡臥 内田,松原の著書「日本魚瑛図説」に・よれば,マアナゴほ本邦にては,北海道より九州に・至 る沿岸および韓巨酌こ広く分布し,本邦のアナゴ簸中漁獲盈が最も多く,高級魚として攻扱われている・・ この魚は香川児沿岸−・帯に.おいて,小型底曳網によって漁連されているほか,僻讃瀬戸,播磨灘両海 区におト、ては延縄,アナゴ舐等に・よっても漁獲されている・その漁獲は,年間約375トン前後である が,盈的には上位のうちに数えられ,また価格の点でも高級魚に属するので,本県の沿岸漁業者にと っては,重要な漁獲対象生物とな・つている・ 2) $) ところでこの魚の食性については,すでに・,末広,富山の諸学者に・よって多少報告されている. さて筆者等が小型底曳網で漁獲されるマアナゴの食性について調査を行った結果,新たに知見二, ≡が得られたので,同学者ならびに当業者の参考に贋するためにり その概略をいまここに報告する次 第である. ところでこの際の調査方港は,燵灘および備讃瀬戸西部に・おいて操業される′J、型底曳網によって, 観音寺,丸亀の各漁業協同 鰯且合に,水揚げされたもの を供試とし,1957年5月か ら1958年4月に至る1年間 調べた.被検魚は10%ホル マリンで固定され,体長, 体蚤等の外部形態の測定が 行われ,その後胃内容にあ る閉生物の徳貫分けならび にその爵畳が測定された. 本調査に用いられた検査 表1 月 別 餌 生 物 胃 内 容 盈 6

1 尾数ほ432尾であって,体 二‡茎・の最大103..5g最小6g,

平均35“94gである. 三 さて供試材料の胃内容物 二 から推測するにマアナゴが 【・1 i」捕食する餌生物の笹瑛ほ・ そのほとんどが動物性のも

ので,甲殻塀,魚類,頭

足現,毛足撰等相当広範囲 にわたり,稜撰の判明され たものほ,35種以上であ り,その詳細ほ表1に.示す 通りである..これらの餌生 物のほかに,稀に海藻額, 砂泥等が発見されている  ̄ 番了砺面河「両頭

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7 が,これほ偶然的に捕食されたものかと思われる..いわば「いかもの喰い.」に属する現象だといえよ う.なお興味深いことには,魚体重103g,63g,40gというような大型のマアナゴに,マアナゴの当 才魚と思われる幼魚を捕食しているものが稀にみられたが,これだけの試料をもってこの魚が「共喰 い」の習性を有すると断定することは,困難かと思われる. 以上のような調査の結果をもって,マアナゴの食性について多少考察してみよう まず表1に.よって胃内容の餌生物組成の季節的変化をみると,時期によってその割合が異っている ようであるが,魚類,甲殻探が調査の全期間を通じてその大半を占めているい 例えば1957年5月に調 べた結果によると,検査魚50尾のうち,テンジクダイを49尾数え,アカエビは31尾,エビジャコ20局 数える.その他は1∼5尾である.このように調べてみるとマアナゴは主として魚奨,エビ瑛を捕食 しでいるのでこれらが主食物となり,したがってマアナゴが肉食魚であることが,はっきりといいえ られる. さ1ンマアナゴが魚体の大きさによって閑生物の種類を異にするかどうかと.いうことについて少しく 調べてみよう..まず魚体蛋35g以上のものと,35g臥下のものとに分けて−みると,魚体重の大きさつま り年令によって,餌生物の種贋を異にするように思える.すなわち大型のアナゴ程,大型の魚瑛,甲 殻窺を捕食し,その種潜も多くなる傾向がみられる..しかしながらマアナゴの年令査定が今のところ 十分になされていないりで,今後の研究に・またなければならない.それほ.それとして魚体重と胃内容 物の盈との問に,どのような相関があるかということについて調べてみた.すなわち月別に相関係数 を静出してみると,1957年12月および1958年4月には,明らかな相関は認められないが,1957年5月 と9,10,11月の3か月間とにほ,かなり強い相関があることが認められた それはともかくとし,アナゴほ日中ほ多く砂泥中に潜伏し,夜間になって索餌活動を行うが,前に 述べた35程の閉生物の渉泳屑からみて−,そ・の済泳層ほあまり広くないように思われる。 ところで筆者等が由べた披露魚432尾のうち,空胃個体(胃内容物が完全に消化されているもの) が31尾で,僅か7..1%であった。このことからアナゴの閉生物の消化時間について,推測してみるに・メ この魚は前述のように,昼間は索餌をしないので,この検査魚ほ前夜かまたはその前夜に餌を捕食し, それを消化したものと考えられるので,胃で消化される時間は12∼24時間であろうかという示唆が与 えられる さて筆者等は,アナゴが−・晩中に捕食する飼の盈について推測するために,月別の胃内容物重量比 (胃内容量の魚体蛋に対サる割合)を算出してみると,最高4月11%,5月19%,6月23%,7月17 %,8月11%,9月16%,10月15%,11月15%であって,この魚ほ食食性であることが考えられる また月別平均胃内容物墓畳比から,捕食畳の季節的な変化をみるときは,夏期および冬期に捕食畳ほ 少い傾向が認められるようである. 摘 要 本調査ほ,観音寺,丸亀に.水揚げされた,マアナゴの胃内容物について調べられたのであるが,そ の結果の要点ほ歌の通りである 1本調査の供試材料からえ.られたマアナゴの閉生物は,そのほとんどが動物性のもので,甲殻 貫,魚煤,頭足額,毛足額の4類L35種以上であった. 2 飼生物組成の季節的な変化は,あまりみられず,魚芙頁,甲殻類がその大草を占めている. 3 胃内容物のほとんど消化されていない被検魚の月別胃内容物重量比を算出してみると,最高23 %を示し,会食性であると考えられる. 4 捕食蚤の季節的変化をみると,胃内容物露最比から推して,夏期および冬期ほ少い傾向を示し ている.

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8 参 考 文 献 1・岡田弥一郎,内田志太郎,松原喜代桧,1935:日凍魚類図説91 2・末広恭雄・1942:AS七udyontheDigestiveSystemandFeedingHabitsofFish.日本動物学時報昭和十 七年,第十巻,第一号 3・富山 惜,1956:マアナゴの全長組成と食餌について,山口県内海水試調研報告,8(1)53∼57 原稿受付 Dec.24,1958

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