12 年間お世話になった北野病院を、本年 3 月をもって退職いたしました。北野病院へは、ちょう
ど新病院への移転時に赴任してまいりました。旧病院にもしばらく勤めましたので、新旧病院施設
の入れ替え、さらにはその後の激動の数年間を経験しました。最初の頃の医師会からの叱咤激励、
身売りうわさまで流れた激動期でしたが、今ではとても勉強になったと感謝しています。その後の
電子カルテシステムの切り替え、経営の充実など、北野病院には思い出が多くあります。健診部、
リハビリテーションセンター、臨床工学部、栄養指導部、事務部などの充実はとても嬉しく思いま
す。また心臓センターとしても多くの懸案を解消してきました。CCU、心臓血管外科、不整脈科
の創設は感慨深いものがありますし、心臓リハビリテーション、大動脈ステントを含めた新治療の
導入は意義深いものがあります。スタッフは、研究、教育、臨床で目覚ましい活躍をしてくれまし
た。
これらの経験、さらには、現藤井院長じきじきの病院経営理念の薫陶と実践経験を宝に、次の国
家公務員共済組合連合会 枚方公済病院に赴任します。院長としての重責ですが、医療人としての
本質を再度見極めるべく精進する所存です。長い間お世話になりました。地域の先生方には引き続
き、北野病院を盛り上げていただき、赴任先の病院にも目を向けていただけましたら幸いです。あ
りがとうございました。
昭和 58 年に北野病院放射線科に入職して 30 年間勤務し、本年 3 月末で定年退職いたしました。
昭和 61 年からは放射線科部長として、平成 16 年からの 8 年間は副院長として働かせていただきま
した。後任の放射線科の責任者として、診断部門は奥村部長、治療部門は高木部長が担当いたしま
すので、宜しくお願いいたします。
私は旧病院時代から一貫して、主に CT、MRI、消化管透視、血管造影、シンチグラフィーなどの
検査・画像診断を担当いたしました。現在の本館が新築された平成 13 年からは放射線治療が開始
され、治療専門医も加わったことで診断、治療の両輪が揃い、放射線科としてより充実したと思い
ます。
今後ですが、欠員の補充のため放射線診断専門医を探して大学にも人材を要望しておりましたが、
全国的にも診断専門医は足りない現状もあり今年は補充が難しく、4 月からとりあえず 1 年間、放
射線科嘱託医として週 4 日お手伝いすることになりました。主に血管造影や消化管透視、診断のダ
ブルチェック、健診部の内視鏡などの仕事の担当する予定です。
在職中お世話になった開業医の先生方や医師会の先生方には誌面を借りて心よりお礼を申し上
げます。役職は離れましたが、北野病院に勤務しておりますので、引き続き宜しくお願い申し上げ
ます。
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公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 地域医療連携通信
内科系副院長退任のご挨拶 野原 隆司
診療支援系副院長 退任のご挨拶 光野 重根
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野原前副院長の退職・枚方公済病院院長就任に伴い、後任としてこの度 4
月 1 日付で副院長を拝命いたしました。医療を取り巻く環境が厳しい中、
身が引き締まる思いでおります。平成 14 年に小児科部長として赴任して以
来、地域の住民の皆様や開業医、勤務医の先生方の期待に応えられるよう
に小児科各領域専門医の獲得、若手医師の教育、育成、NICUの拡張、
重症患者様の診療のための準PICUの開設等小児科の充実を図ってまい
りました。今後は小児科主任部長としての診療に加え、病院全体の運営に
執行部の方々と力を合わせて取り組む所存です。内科系診療科の取りまと
め、医療情報システムの改良、円滑な入院退院管理、事務部診療サービス等を担当いたします。小
児科では数年前から 24 時間 365 日紹介救急患者様のほぼ全例受け入れを実現し、断らない医療を
実践しております。成人領域におきましても紹介救急患者様の全例受け入れを中核病院の責務と考
え、藤井院長のリーダーシップのもと病院をあげて取り組んでおります。小児科救急で培った経験
を生かし、患者様や紹介していただく先生方が満足していただけるような救急体制システムを構築
していきたいと思っております。
一方当院は大学病院に匹敵する高度な医療レベルを有する病院として昨年度急性期包括病院(D
PC病院)Ⅱ群の公示を受けました。担当の松田副院長を足立副院長と二人でサポートする体制で
さらなる病院機能の充実を図り、最先端の医療を提供できるように努めていきたいと思っておりま
す。当院に対し今まで以上のご指導、ご支援を宜しくお願い申し上げます。
平成 25 年 4 月 1 日付で診療支援系の副院長を拝命いたしました足立健
彦です。私は平成 14 年 5 月に北野病院に麻酔科部長として赴任し、平成
16 年には中央手術部部長を兼任し、今日まで主に手術麻酔の運営に携わっ
てまいりました。その間麻酔科管理症例は、平成 13 年度の 2056 例から、
平成 21 年度には最高となる 3969 例にまで増加しました。その後、麻酔科
のマンパワー不足等の要因から平成 22 年度には 3537 例まで減少しました
が、平成 24 年度には 3703 例まで再び増加しています。その間、平成 18
年には集中治療部の開設、平成 19 年には心臓血管外科の開設があり、麻
酔科としての仕事は症例数だけでなく、その質においても増大の一途をたどってまいりました。
麻酔科の仕事は地域の開業医の皆様と直接関わるものではありませんが、これまで、手術麻酔や
集中治療部での患者管理を通じて、皆様にご紹介頂いた患者様の北野病院での診療に幾ばくかの
貢献をできたのではないかと考えています。今回診療支援系の責任者をさせて頂くわけですが、
我々診療支援系の仕事はあくまで縁の下の力持ちであります。しかしながら各診療支援部門がそ
れぞれの責務を果たし、また、時に応じて各部門が一致協力して連携して支援することで、北野
病院における診療をより円滑で効率的に、また、質の高いものにしていくことができると考えて
おります。今後とも、病院の核となる診療部門に対して、医学の進歩に応じて診療支援部門が質
量ともにより充実したサポートができるシステム作りを目指し、微力ながら全力を尽くしたいと
考えております。皆様のご支援、ご指導を賜りますことを今後とも宜しくお願い申し上げます。
副院長就任のご挨拶
内科系副院長 兼 小児科主任部長
秦 大資
副院長就任のご挨拶
診療支援系副院長 兼 麻酔科主任部長 兼 中央手術部長
足立 健彦
2013.5 No.20 KITANO REVIEW
このたび、内科統括部長を拝命いたしました。あわせて、総合診療セン
ター 兼 健診部掌握統括部長を兼任いたします。
私は平成 5 年に北野病院に着任して、はや 20 年になります。はじめは免疫
血液内科医として、平成 17 年に免疫血液内科が血液内科とリウマチ膠原病
内科に分離してからは大阪北地域のリウマチ膠原病医療の核となれるよう
やってきたつもりです。これまでモットーにしてきたことは、「患者様の良
きパートナーとなる」という事です。また、専門化が進んできた内科診療
において痛切に感じてきたことは、「各専門分野の医療スタッフのチームワ
ークが如何に大事か」ということです。北野病院だけで地域の医療を支え
られる訳がありませんので、北野病院と北野病院を取り巻く各先生方との
よりよい信頼関係が患者様の信頼を得ることに繋がると思います。北野病院には現在、内科だけで
も 10 の診療科があります。患者様の信頼できるパートナーとなるためには各専門分野がチームワ
ークよく、地域の先生方と連携をとって、患者様の真の問題点・痛みに対して取り組んでいかない
といけません。よりよいチーム医療を施行するには何が必要か、常に念頭に考えて行きたいと思い
ます。これからも宜しくお願い申し上げます。
私は以前より、自ら病気をしないと患者様の痛みを真摯に捉えられないと思っていました。これ
は一面正しいと思いますが、しかし、歳をとってきますと、やはり体力がないと、患者様の言うこ
とを粘り強く聞けないと思う様になっています。現在、私が診療するにあたって大事に思っている
ことは、1 に体力、2 に誠意、3 つ目が「医療チームが仲良くハッピーであること」です。これらが
うまくマッチすることが患者様の高い満足度に繫がると思っています。今後、積極的に自らの健康
に留意して、患者様、先生方のご意見に真摯に耳を傾けてまいります。重ねて宜しくお願いいたし
ます。
本年 4 月 1 日からの新組織体制の発足に伴い、新設されました外科統括
部長を仰せつかりました齋藤伊三雄です。私は、昭和 56 年に京都大学を卒
業後、京都大学医学部附属病院、神戸市立中央市民病院で勤務し、大学院
修了後に佐賀医科大学(現在の佐賀大学医学部)に赴任いたしました。佐
賀医科大学在任中にはワシントン大学(セントルイス)に留学しました。
平成 12 年 5 月 1 日より菅 謙二 眼科部長の後任として北野病院に赴任いた
しました。ご承知のように、当院の外科系各科は国内トップクラスの実力
を持ち、先生方のご信頼をいただける診療実績を誇っております。卒業以
来、眼科一筋で生きてまいりました私には、外科統括部長という任は重す
ぎる大役ではありますが、外科系最古参部長として引き受けさせていただくこととなりました。
当院では、本年度より手術支援ロボット「ダヴィンチ」が導入されました。「ダヴィンチ」のみ
ならず、近年の外科系では、目覚しい速度で技術革新と手術支援環境の充実がもたらされており、
手術の低侵襲化が進むとともに手術はますます洗練され安全なものとなっております。外科系は、
今、かつてなく魅力にあふれる時代を迎えております。しかしながら、全国的に医師の「外科系離
れ」の傾向は残っており、外科系の医師不足による労働環境の悪化を生じております。当院は、そ
の中でも比較的に恵まれた環境にはありますが、外科系医師の疲弊を防ぐための環境改善が急務で
あることは例外ではありません。外科系医師が、自科の魅力を十分に感じて、疲弊することなく実
力を遺憾なく発揮し、より高いレベルで当院の理念である「信頼・安心・最善」の医療を患者様に
提供でき、ご紹介いただく地域医療の諸先生方のご期待にますますそえるように頑張らせていただ
く所存でございます。今後とも、何卒宜しくご指導、ご鞭撻ならびにご協力を賜りますよう心より
お願いいたします。
統括部長就任のご挨拶
外科統括部長 兼 眼科主任部長
齋藤 伊三雄
統括部長就任のご挨拶
内科統括部長 兼 リウマチ膠原病内科主任部長
八木田 正人
2013.5 No.20 KITANO REVIEW
4 月 1 日付で循環器内科部長、心臓センター長を拝命いたしました
猪子です。平成 13 年に北野に赴任して以来、野原前部長の指導の下、
地域医療への貢献を大きな目標としてまいりました。この間、先生方に
は大変お世話になりました。心臓センターは心臓カテーテル検査、治療
に加えて、心臓外科手術、不整脈アブレーション治療、大動脈ステント
グラフトなどの先進医療に取り組み実績を重ねてまいりました。また、
予後改善、QOL 改善を目指して、心臓リハビリテーションとリスクファ
クター管理を積極的に行ってまいりました。心臓センターに所属する3
つの科(循環器内科、心臓血管外科、不整脈科)はすでに一つのチームとして、循環器疾患の高
度な集学的治療を行っていますが、今後は、医師のみならず、薬剤師、看護師、理学療法士、栄
養士、健康運動指導士も交えて、このチームを一層充実させ、最善のオーダーメイド治療を実践
していく所存です。植山部長、春名部長とともにこれまで以上に地域医療に貢献してまいります
ので、これまで同様のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
私儀、平成 25 年 4 月に心臓センター心臓血管外科部長を拝命いたし
ました。平成 18 年まで 80 余年の北野病院の歴史において心臓血管外科
は存在せず、北野を頼りに思って頂いております患者様やご家族、周囲
の先生方に大変ご迷惑をお掛けしていましたが、平成 19 年当院におい
て心臓血管外科開設の任務を授かり、心臓センター心臓血管外科担当科
長の肩書を持って、これまで 6 年間その確立に努めてまいりました。お
陰様で先生方のご支援を頂き、手術症例は順調に増加し安定した治療結
果を得ております。私が常に心掛けておりますことは、個々の患者様に
とりまして医学的にも社会的にも最も相応しいと考えられる治療戦略を立て、精神的肉体的サポ
ートを行いながら全人的医療を遂行し「笑顔で退院」というゴールに向かっていくことです。そ
れを成し遂げるには患者様の親代わりである地域の先生方との信頼関係が極めて重要であります。
北野病院心臓センター心臓血管外科に、先生方に安心して患者様を委ねて頂けますよう一層の精
進をお約束いたします。今後も何卒先生方の変わらぬご指導、ご鞭撻を宜しくお願い申し上げる
次第です。
■ステントグラフト治療風景 ■アブレーション治療実施の模様
主任部長就任のご挨拶
心臓センター長 兼 心臓センター循環器内科主任部長
猪子 森明
部長就任のご挨拶
心臓センター 心臓血管外科部長
植山 浩二
2013.5 No.20 KITANO REVIEW
平素より多くの患者の御紹介をいただき、大変ありがとうございます。
若輩ながらこの度、小児血液・腫瘍部門部長を拝命いたしました。当科は
24 時間“断らない”小児救急体制を維持しながら、同時に小児悪性腫瘍
疾患に関しましても基本的に断らない医療を目指しており、患者 1 人 1
人に最適かつ丁寧な小児血液腫瘍治療を目指し、地域に根差した医療を心
がけております。
何の罪もない幼い子どもが“がん”という病に侵される状況は
とてつもなく悲しい状況であり、何とか治したい、少しでも以前の
生活に戻って欲しい、そういう思いから全員で協力して治療に取り組ん
でおります。具体的には白血病・悪性リンパ腫・神経芽腫・腎芽腫など
の悪性疾患に対し全国的なプロトコールに基づき標準的な治療を行って
おります。また脳腫瘍に対しては末梢血幹細胞移植を併用しながら全国規
模のプロトコールに基づき治療にあたっております。同時にITP・遺伝性
球状赤血球症・血友病などの良性疾患の診療も行っております。決して自
施設だけの判断のみで独善的な治療を行う事はせず、悩む症例や難治症例
に関しましては、全国の専門施設と相談しながら、最新で最適の治療を行
っていく方針を採っております。少しでも悩まれる患者や気になる患者が
おられましたら外来に御紹介していただいても、或いは直接塩田に電話し
ていただいても結構ですので、いずれにしろお気軽に相談していただけ
ると幸いです。
当院は昨年度より日本小児血液・がん学会の小児がん治療専門医研修施設に認定されましたが、
これもひとえに地域の先生方の多大な支援のお陰と感謝しております。また同学会の専門医制度委
員会委員も拝命し、ただ1 人の一般病院からの委員として地域に根差した同制度の確立に微力なが
ら尽力している次第です。悪性良性を問わず、少しでも地域の先生方のお役に立てるように努力し
たい所存ですので、今後とも宜しくお願いいたします。
■(左から時計回りに)小児科病棟の壁画 , HCU の内観 , ドクターカー出動の様子
新生児部門部長
水本 洋
小児血液・腫瘍部門部長
塩田 光隆
小児科 新体制のご紹介
小児科
塩田 光隆
2013.5 No.20 KITANO REVIEW
平成 25 年 4 月 1 日付で薬剤部長に就任しました尾上雅英です。
私は京都大学医学部附属病院で 17 年間勤務してまいりました。外来患
者様の多くが、保険薬局で薬を受け取っており、北野病院においても院外
処方せんの発行率は 90%を超えています。吸入薬につきましては、これ
まで呼吸器センターの福井先生などのお取り計らいにより、「吸入指導ネ
ットワーク」が発足され、大阪市北区を中心とした保険薬局に勤務する薬
剤師が共通の認識を持って吸入指導を行えるようになりました。その結果、
北野病院に勤務する職員と薬局薬剤師間の連携強化に繋がりました。この
取り組みは石巻市を始め全国の医療機関に注目を浴びてきています。
北野病院は「地域医療支援病院」に認定されています。我々病院薬剤師も後方支援することによ
って、保険薬局も加えた地域の医療機関が一体となって、良き医療を提供できる体制をより充実し
ていきたいと考えております。
地域の先生方のご支援を賜りながら、患者様から「信頼されて安心の得られる病院」を目指して、
薬剤部一同、日々精進に励んでいきたいと存じます。
今後とも多くの皆様方のお力添えが必要と考えていますので、ご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願い
申し上げます。
平素は、北野病院との地域医療連携にご尽力を賜り有り難うございます。
この度、4月1日付けで事務統括部長に採用になりました村田庄司です。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
私は、病院勤務が長く、前職は大阪警察病院その前は国立病院機構(前国立病
院)の近畿管内の数病院と近畿厚生局(旧地方医務局)、厚生労働省に勤務してお
りました。当然のことながら私立と国立とは役割・任務、機能が異なってはい
ますが、地域医療、病める人々への医療提供の使命は同様であると認識してい
ます。
さて、昨今の医療機関を取り巻く社会情勢は大変厳しく、診療報酬制度においては、次期改定でのプ
ラスは期待できなく控除対象外消費税の問題なども未だ解決されていません。
このような状況ではありますが、病院の任務・役割、在り方を再認識し基本に立ち返り、患者様とのコ
ミュニケーション並びに地域医療機関様との連携が十分になされることが一番重要と考えています。人
と人との関係は、目配り、気配り、心配り、手配りに心がけることであり、さらに迅速な対応も必要で
す。事務部門の役割は、院内においては、病院の方針を進めるうえでの各部門間との連携の調整役であ
り、院外においては、地域医療機関様との連携、そのための情報収集と伝達と考えております。安全で
安心される医療の提供により信頼され紹介され得る病院の継続のため先輩、先人の皆様が作り上げられ
た関係をさらに深め邁進努力する所存です。
今後とも歴史のある北野病院を宜しくお願い申し上げます。
薬剤部長 就任のご挨拶
薬剤部
尾上 雅英
事務統括部長 就任のご挨拶
事務部
村田 庄司
2013.5 No.20 KITANO REVIEW
産婦人科医療の危機、産婦人科医師不足が相変わらず解決されない中、現在当科では、非常勤 2 名も
含め、計 16 名の産婦人科医師が在籍し、診療にあたっています。
婦人科手術では、良性疾患に対しては、腹腔鏡下手術や子宮鏡下手術(レゼクトスコ-プ)といった
内視鏡下手術を中心に行っています。大きな子宮筋腫には偽閉経療法を数ヶ月から半年間施行してから
行うようにしております。これによって腹腔鏡手術が可能になったり(やや傷が大きくなりますが、腹
腔鏡の補助下に行なう子宮筋腫核出術 LAM も行ないます)、腹腔鏡が無理で開腹術をする場合でも、横
切開としたりという工夫を行っております。子宮摘出には、腟式子宮全摘(VT)、あるいは腹腔鏡下腟
式子宮全摘(LAVH)、腹腔鏡下子宮全摘術(LH)、全腹腔鏡下子宮摘出術(TLH)を第一選択とするよう
に心がけています。しかしながらその一方で、傷にこだわり過ぎて無謀な治療をしてしまうことがない
よう、関係スタッフで最善の手術方法などを十分に討議し、治療の方向性を決定しています。
悪性疾患に対しては、機能温存、QOL の維持をテーマに治療を行っております。子宮頸癌の基本的な
手術である広汎子宮全摘には、この手術の大きな副作用である排尿障害をできるだけ少なくする骨盤神
経温存の適応を常に考え、卵巣の温存についても可能な限り対応しています(卵巣温存は片側のみで、
基本的には側腹部皮下へ移動)。さらに腹腔鏡下の広汎手術も開始しております。
また、若い人の子宮頸癌に対しては広汎性子宮頸部摘出術(トラケレクトミー)という妊娠の可能性を
残す手術を、近畿では最多の症例に施行しています。進行度が軽い方に対しては、このトラケレクトミ
ーを腟式に行ない、リンパ節郭清を腹腔鏡で行なうこともあります。さらにこのような比較的初期の進
行癌では、リンパ節転移の有無の診断が極めて大事ですので、センチネルリンパ節検索という先進的な
対応も行なっています(腹腔鏡下でも可能)。頸癌のセンチネルリンパ節検索検討症例は50例を超え、
現在はセンチネルリンパ節が確認できて転移陰性であれば、他の郭清を省略するという方針となってお
ります(倫理委員会承認済)。これによりリンパ浮腫という大きな合併症の予防が可能となりました。
子宮体癌に対しては、先進医療手術(腹腔鏡下手術)を開始しております。当科の先進医療手術では
腹腔鏡の小さな傷が6箇所で済み、傍大動脈リンパ節を含むリンパ節郭清も施行可能です。そしてさら
に、体癌に対してもセンチネルリンパ節検索を開始しています(これも腹腔鏡下)。体癌先進医療手術
は現在全国で16施設で行われていますが、腹腔鏡下での傍大動脈リンパ節郭清を含めてセンチネルリ
ンパ節検索まで行っているのは当院のみです。
産科は、快適な個室環境を用意し、LDR も 4 室完備、大阪府産婦人科診療相互援助システム(OGCS)
の準基幹病院として数多くの小児科スタッフとともに安全な分娩管理を行っています。MFICU(母体・胎
児集中治療室)2 床を設置、緊急時の受け入れ体制を整備し、また 8 階の小児病棟には NICU(新生児集
中治療室)12 床、GCU(保育治療室)6 床を有し、万が一の異常分娩の際にも、産科、小児科が連携して
万全の体制を整えております。また HTLV-1陽性妊婦さまの母乳感染についての全国調査に積極的に参
加し、対策をたてております。分娩件数は、2012 年は 847 件でございました。
様々な先進的な医療を、安全に、しかし医療が本来持つべき患者様への温かな対応も忘れずに、これ
からも地域の先生方と共に歩んでまいりたく思っております。どうか宜しくお願い申し上げます。
(後列左から)
吉川、佛原、山本、瀬尾、自見、花田、野瀬、宮田
(前列左から)
熊倉、芝本、永野、寺川、隅野
産婦人科のご紹介
産婦人科部長
永野 忠義
2013.5 No.20 KITANO REVIEW
3 次元画像解析システムとは、検査画像から目的に応じた人体の部位を高精度な 3 次元画像として再
現することのできるシステムです。
従来、病変の位置を知るためには、CT や MRI 等で撮影した何百枚という画像を1枚ずつ読み取り、頭
の中でイメージしていました。これでは 3 次元画像構築に時間を要するうえ、作り手によって再現性の
違いが出るなど、諸々の問題点を抱えておりました。また、既存のシステムは導入後 10 年が経過してお
り、複数の診療科が解析できる操作環境の整備、診療科・職種相互のデータ共有や編集等の必要性も高
くなり、先進的な医療の実践には欠かせないシステムが必要な局面にありました。
このたび 3 次元画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」を導入したことで、まず、1 件あたりの作業時
間が 3 分の 1 に短縮されました。また、操作者によらず高精度な解析も可能となり、病変の位置関係を
より正確につかむことができるようになりました。さらに、放射線技師から担当医師がデータを引き継
いで診断・解析を実施することもでき、作業分散による医師の負担軽減にも役立っております。診断治
療の精度・効率が大幅に向上し、最適な手術治療が可能になることは、何をおいても患者様の身体的負
荷の軽減、早期の退院につながります。
すでに「SYNAPSE VINCENT」は、放射線科をはじめ、消化器センター、心臓センター、呼吸器センター、
脳神経外科といった外科系診療科、さらに健診部での運用が開始されております。本システムの活用に
より、地域の基幹病院として、今後もさらに安心・安全で質の高い医療の提供に取り組んでまいります。
入職 (平成 25 年 4 月 1 日現在)
氏 名 職 位 専門分野
西村貴文(にしむら たかふみ) 腫瘍内科 部長 がん化学療法
井関雅紀(いぜき まさのり) 整形外科 副部長 整形一般、脊椎脊髄外科
中川朋一(なかがわ ともかず) 神経内科 副部長 てんかん、神経内科全般
内田雅士(うちだ まさし) 麻酔科 副部長 麻酔科全般
白石裕介(しらいし ゆうすけ) 泌尿器科 副部長 泌尿器科全般、腎移植
山下純英(やました すみえ) 小児科 副部長 内分泌・代謝
坪倉 誠(つぼくら まこと) 神経精神科 副部長 精神科全般
小松研一(こまつ けんいち) 神経内科 副部長 神経内科全般
退職 (平成 25 年 3 月 31 日現在)
氏 名 職 位
古宮俊幸(こみや としゆき) 腎臓内科 副部長
長濱寛二(ながはま かんじ) 泌尿器科 副部長
林 英樹(はやし ひでき) 脳神経外科 副部長
尾崎彰彦(おざき あきひこ) 神経内科 副部長 ※非常勤勤務
中村由恵(なかむら よしえ) 小児科 副部長
木村忠貴(きむら ただき) 眼科 副部長 ※非常勤勤務
竹村昌也(たけむら まさや) 呼吸器内科グループ 副部長 ※非常勤勤務
藤田光一(ふじた こういち) 内科担当(消化器センター) 副部長
長 博之(ちょう ひろゆき) 呼吸器外科グループ 副部長
井内盛遠(いのうち もりとお) 神経内科 副部長
月野暁彦(つきの あきひこ) 形成外科 副部長
植野 司(うえの つかさ) 神経精神科 副部長
医師の人事情報
3 次元画像解析システムを導入しました
消化器センター長
寺嶋 宏明