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基礎講座 (騒音・振動)

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(1)

( 騒音 ・ 振動 )

2012年6月13日(水) 13:00~17:00 講師 : 藤井 圭次(藤井環境コンサルタント)

平成24年度 公害防止管理者等国家試験受験講習会

基 礎 講 座

Ⅰ.騒音の基礎

(2)

1.音とは、騒音とは①

 音波 空気中を伝搬する弾性波(空気の振動)、圧縮された密の部分 と膨張した疎の部分が次々と伝わっていく縦波、粗密波。 「圧力の変化」、「空気の振動」とも呼ばれる。  音 音波によって引き起こされる聴感覚。  騒音 望ましくない音と定義され、「音を聞いて望ましくないと思う」と いうこと。 Ⅰ.騒音の基礎 3

1.音とは、騒音とは②

4 Ⅰ.騒音の基礎 新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P140 図Ⅱ.6.1-1 正弦音波

(3)

2.音の性質①

(1) 音速 音速は空気中の音の伝搬速度で温度の影響を受ける。 5 Ⅰ.騒音の基礎 273 5 . 331 T c (m/s) T 273

(℃) 【計算例】 15℃(常温)   m/s 5 . 340 273 15 273 5 . 331    c

2.音の性質②

(2) 周波数  周波数は振動数ともいわれ、1秒間における空気の圧力の変化 の回数。  記号: f 単位:Hz  騒音の問題では、通常「周波数バンド」を使用。  オクターブバンド、1/3オクターブバンドが用いられる。 6 Ⅰ.騒音の基礎 • 騒音(可聴音) 20Hz~20000Hz 音圧レベル0~120dB • 超音波 20000Hz以上 • 超低周波音 20Hz以下 • 低周波音 100Hz以下

(4)

2.音の性質③

(3) 波長 音の場合、圧力変化の大きいところと、その次の大きいところとの長さ。 7 Ⅰ.騒音の基礎

λ

f

c

c

f

f

c

音速: c (m/s) 周波数: f (Hz) 波長: λ (m) 実効値 一般に大きさの変化する量を、これと等しいエネルギーを もつ一定の大きさの量で表す →変動値のエネルギー等価値 正弦波の場合の実効値 最大振幅の デシベル表示 実効値から求めたレベル=最大振幅から求めたレベル

2.音の性質④

8 Ⅰ.騒音の基礎

2

1

dB

3

(5)

2.音の性質⑤

9 Ⅰ.騒音の基礎 新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P122 図Ⅱ.4.5-1 変動騒音レベルと等価騒音レベルの概念図

3.音圧レベル、騒音レベル①

(1) 音圧レベル(dB) 音の圧力  実効値の2乗と基準音圧の2乗との比の常用対数の10倍。 (実効値と基準音圧との比の常用対数の20倍) 10 Ⅰ.騒音の基礎 2 0 2

log

10

p

p

L

0

log

20

p

p

L

(dB)

2

10

5

Pa

0 

p

p0 :基準値 p :実効値 通常こちらを使う  音圧レベル → 物理量  騒音レベル → 物理量に人間の感覚補正したもの

(6)

3.音圧レベル、騒音レベル②

【計算例】 11 Ⅰ.騒音の基礎

Pa

10

4

5

p

dB

6

3

.

0

20

)

2

log(

20

10

2

10

4

log

20

5 5





 

3

.

0

2

log

:実効値

2

10

5

Pa

0 

p

5 10 log 5 

3.音圧レベル、騒音レベル③

12 Ⅰ.騒音の基礎 :実効値

Pa

2

p

dB 100 10 log 20 10 1 log 20 10 2 2 log 20 5 5 5                 【計算例】 指数の計算 5 5 5

10

10

1

1

10

1

 最大値が2Paの場合

100

3

97

dB

(7)

3.音圧レベル、騒音レベル④

13 Ⅰ.騒音の基礎 :実効値

Pa

1

p

【計算例】 ) 10 log 20 2 log 20 ( 1 log 20 10 2 1 log 20 5   5       ①                  5 5 10 1 2 1 log 20 10 2 1 log 20 ②   dB 94 80 14 ) 10 log( 20 ) 5 log( 20  4     7 . 0 5 log  log104 4 dB 94 5 20 6 0     ) 10 5 log( 20 ) 10 5 . 0 log( 20  5   4 

3.音圧レベル、騒音レベル⑤

14 Ⅰ.騒音の基礎 新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P143 【音圧レベルを求める式】

(8)

3.音圧レベル、騒音レベル⑥

(2) 音圧レベル(dB) 音の強さ  音の強さから音圧レベルを求める。 (音の強さは音圧の2乗に比例する) 15 Ⅰ.騒音の基礎 0

log

10

I

I

L

(

dB

)

12 2 0

10

W/m

I

【計算例】 :基準値 2 6

W/m

10

I

dB

60

10

log

10

10

1

log

10

10

10

log

10

12 6 6 6





L

3.音圧レベル、騒音レベル⑦

(3) 音の強さと音圧の関係 16 Ⅰ.騒音の基礎 ) (W/m2 2 c P I

 c400 (W/m ) 400 2 2 P I  (Pa) 400I P (Pa)   cv P

音の強さ 音圧の実効値 P(Pa):音圧 ) (W/m2   pv I

(9)

3.音圧レベル、騒音レベル⑧

(4) 騒音レベル  人の聴感覚は周波数によって感じ方が変わるため、耳で聞く 音の大きさに補正したものが、騒音レベルである。  騒音レベルはA特性補正音圧レベルのことで、A特性補正は 周波数補正、聴感補正とも呼ばれる。  環境基準、騒音規制法等は騒音レベルで定められている。 17 Ⅰ.騒音の基礎

3.音圧レベル、騒音レベル⑨

18 Ⅰ.騒音の基礎  音圧レベル 音圧スペクトルレベル(周波数分析)の合成(デシベルの和)  騒音レベル 音圧スペクトルレベル-A特性補正値=騒音スペクトルレベル 騒音スペクトルレベルの合成(デシベルの和)

(10)

3.音圧レベル、騒音レベル⑩

19 Ⅰ.騒音の基礎 周波数 63 125 250 500 1k 2k 4k 補正値 -26 -16 -9 -3 0 +1 +1 音圧レベル 周波数250Hz 70dB 騒音レベル 周波数250Hz 61dB 音圧スペクトルレベル 周波数250Hz 70dB 周波数500Hz 70dB 音圧レベル73dB 騒音スペクトルレベル 周波数250Hz 70dB-9dB=61dB 周波数500Hz 70dB-3dB=67dB 騒音レベル 61dBと67dBの和 68dB A特性補正概略値(Hz/dB)

3.音圧レベル、騒音レベル⑪

 対数表の見方

log 2.1=0.322

log 2.11=0.324

20 Ⅰ.騒音の基礎

(11)

3.音圧レベル、騒音レベル⑫

新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P142 Ⅰ.騒音の基礎 21

3.音圧レベル、騒音レベル⑬

22 Ⅰ.騒音の基礎 (6) 正弦波最大値と実効値の関係 実効値=正弦波最大値 実効値=正弦波最大値-3dB 3 3 0 41 . 1 log 20 1 log 20 ) 2 / 1 log( 20      log1.41=0.15 【基本式】 x x 10 10 1 y x y x ) log log log(    y x y x/ ) log log log(   x n xn log log  2 1

(12)

4.等価騒音レベル、時間率騒音レベル①

 時間率騒音レベル 騒音規制法の変動騒音規制基準に用いられる。パーセントレベル とも呼ばれる統計量である。 23 Ⅰ.騒音の基礎 LA5 90パーセントレンジの上端値(評価値) LA50 90パーセントレンジの中央値 LA95 90パーセントレンジの下端値

4.等価騒音レベル、時間率騒音レベル②

 等価騒音レベル 環境基準の変動騒音の評価値に用いられる。エネルギーの平均 値である。  計算はデシベルの和からサンプル数の対数の10倍 10log(n)を差し引く。 24 Ⅰ.騒音の基礎

 

/10 Aeq

10

1

log

10

Li

n

L

n

L

L

Aeq

10

log

1

Ln個のデシベルの和 Aeq

L

等価騒音レベル

(13)

4.等価騒音レベル、時間率騒音レベル③

25 Ⅰ.騒音の基礎 新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P298

5.デシベルの計算の基礎①

(1)デシベルとは  騒音では音圧、単位はPa(パスカル)、公害振動では加速度、 単位はm/s2である。  人の感覚(心理量)は物理量(刺激)の対数に比例するため、環 境問題では人の感覚を加味した値、デシベルを使用している。  デシベル →「二つのパワーの比の常用対数の10倍」と定義されている。 26 Ⅰ.騒音の基礎

(14)

5.デシベルの計算の基礎②

(2) 指数 27 Ⅰ.騒音の基礎 5 ) 3 2 ( 3 2 ) (

10

10

10

10

:

10

10

10

a

b

ab

3 ) 2 5 ( 2 5 ) ( 10 10 10 10 : 10 10 10abab   -  6 3 2 3 2 ) (

10

10

)

10

(

:

10

)

10

(

x y

xy

001

.

0

1000

1

10

1

10

10

1

10

3 3

 

 

x x

5.デシベルの計算の基礎③

(3) 対数 28 Ⅰ.騒音の基礎 2 3 . 0 10 log 2 log ) 100 2 log( ) 200 log( log log ) log( 2         y x y x 2 3 . 0 10 log 2 log 00 1 2 log ) 02 . 0 log( log -log ) log( 2             y x y x 2 10 log 2 10 log log log 2   n x xn 0 1 log  log101

(15)

5.デシベルの計算の基礎④

(4) 常用対数表(試験問題に添付される)  対数の計算問題は試験問題に添付されている常用対数表を 用いて計算する。(常用対数表の表中の値は少数を示す)  少数1位までの数値は常用対数表の左の値2.5、少数2位の 数値は常用対数表上の値5  2.5と5の交点の値407が計算結果0.407となる。  対数表中703の小数1位までは左の5.0、小数2位は上の5 計算結果は5.05 29 Ⅰ.騒音の基礎

407

.

0

55

.

2

log

3

10

log

1000

log

3

3

10

log

3

10

log

log

log

x

n

n

x

  

3

05

.

5

10

0.703

【例題】

7.計算問題の基礎数学等(公式)①

 斜辺の長さ(直角三角形) 障壁の減音計算 30 Ⅰ.騒音の基礎 2 2 H A L  底辺の長さ:7m 高さ:3m 斜辺の長さ:7.6m 辺の長さ:L 底辺の長さ:A 高さ:H 6 . 7 58 9 49 3 72 2      L d B A  

170 f N   (dB) 13 log 10      N R フレネル数 減音量

(16)

7.計算問題の基礎数学等(公式)②

31

13

log

10

N

R

Ⅰ.騒音の基礎 新・公害防止の技術と法規 2012 騒音・振動編 P252

7.計算問題の基礎数学等(公式)③

 球の表面積、体積 消音器の伝達損失等 32 Ⅰ.騒音の基礎 2 4 r

3 3 4 r

 円の面積、円周  膨張型消音器(サイレンサー)(周波数と消音器の長さ) l c f 4  2 r

2

r  実効値 正弦振動(騒音、振動) dB 3 : ) 2 / 1 log( 20 : 2 / 1  ピーク値の

(17)

7.計算問題の基礎数学等(公式)④

 パワーの合成 騒音レベル、振動加速度レベル パワー:音圧、加速度の2乗に比例 33 Ⅰ.騒音の基礎  透過損失TL、透過率τ 総合透過損失 n P P P P12  2 2 2 2 1 2 n P P P P    22 2 2 1 P Pn P P  

1 log 10  TL

1

10

10 TL

1010 1 TL

 音圧レベル、音圧パワーレベル (騒音レベル、騒音パワーレベルも同じ)

7.計算問題の基礎数学等(公式)⑤

34 Ⅰ.騒音の基礎

)

log(

10

S

L

L

W

P

11

log

20

L

r

L

p W

8

log

20

L

r

L

p W 1  Q 2  Q S:放射表面積(m2

(18)

8.屋外の騒音伝搬

(1) 騒音の距離減衰 35 Ⅰ.騒音の基礎 点音源 m 0 . 1 1  r r2 50.0m 34 20 14 10 log 20 7 . 0 20 10 log 20 5 log 20 ) 10 5 log( 20 ) 1 / 50 log( 20 ) / log( 20 1 1 2 2 1            L r r L 7 . 0 5 log  倍距離6dBの減衰 6dB/DD 線音源 6 . 0 4 log  倍距離3dBの減衰 3dB/DD m 0 . 2 1  r r2 8.0m 6 4 log 10 ) 2 / 8 log( 10 ) / log( 10 2 1 2 1Lr r    L

9.屋内の騒音伝搬①

屋内の平均音圧レベル 36 Ⅰ.騒音の基礎

A

L

L

P

W

10

log

4

A

S

吸音処理による対策効果 1 2 1 2 2 1

10

log

10

log

A

A

L

L

A:吸音力(m2 S:室内全表面積(m2 平均吸音率

(19)

9.屋内の騒音伝搬②

37 音響透過損失 TL18log(mf)44質量(板厚)を2倍にすると音響透過損失は2倍でなく、5dB増加。 板厚30mm、音響透過損失15dBの板二重にしたときの透過損失は 20dBとなる。

18log(2)=5.4dB log2=0.3

2.5 4 ) log( 20 0 mfTL 44 ) log( 18   mf TL 音 音 TL:音響透過損失(dB) m:遮音材の面密度(kg/m2 f :周波数(Hz) Ⅰ.騒音の基礎 音圧レベルの測定 騒音計 周波数補正回路F(平坦)にセット 騒音レベルの測定 騒音計 周波数補正回路A特性にセット 環境基準 騒音計 周波数補正回路A 動特性S(スロー) 変動騒音の評価値 等価騒音レベル LAeq 騒音規制法 騒音計 周波数補正回路A 動特性F(ファースト) 変動騒音の評価値 時間率騒音レベル 90%レンジ上端値 L A5 測定結果 音圧レベル73dB 騒音レベル73dB 差 0 dB 周波数主成分1kHz 音圧レベル70dB 騒音レベル54dB 差 16dB 周波数主成分125Hz

10.騒音測定の基礎①

(1) 音圧レベルと騒音レベル 38 Ⅰ.騒音の基礎

(20)

10.騒音測定の基礎②

Ⅰ.騒音の基礎 新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P292 39

10.騒音測定の基礎③

40 Ⅰ.騒音の基礎 (2) 周波数分析 オクターブバンド 1/3オクターブバンド 定比帯域幅 FFT(1Hz毎) 定帯域幅 オクターブバンド中心周波数(Hz) m

f

1

f

2

f

下限帯域端周波数(Hz) 上限帯域端周波数(Hz) 2 1f f fmf2 2 f1 m m f f f 0.7 2 1   f2  2fm 1.4fm

(21)

10.騒音測定の基礎④

Ⅰ.騒音の基礎 新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P291 41

6.デシベルの計算①

 デシベルの和、差、平均は常用対数を使用して求められるが、 試験時間を考えると、概略計算表を使用して求める方法が適切。 (1) dBの和 騒音レベル、振動レベルの合成等 42 Ⅰ.騒音の基礎 レベル差 0,1 2~4 5~9 10~ 補正値 3 2 1 0 概略計算用 新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P162の表Ⅱ.8.3-1「dB 値の和の概算」を簡略化

(22)

6.デシベルの計算②

43 Ⅰ.騒音の基礎 【計算例1】 65dB 70dB 73dB 和 (概略計算) 73 70の差→3 補正値→2 73+2=75 10 dB以上の差は計算不要(65dB、75dB) 65 70の差→5 補正値→1 70+1=71 71 73の差→2 補正値→2 73+2=75 【計算例2】 (同じレベル)n個の和 60dB 5個の和 (概略計算) 60 60の差→0 補正値→3 60+3=63 63 63の差→0 補正値→3 63+3=66 66 60の差→6 補正値→1 66+1=67 2個の和 3個の和 4個の和 5個の和 dB 3  L L5dB L6dB L7dB レベル差 0,1 2~4 5~9 10~ 補正値 3 2 1 0

6.デシベルの計算③

(2) dBの差 暗騒音、暗振動の補正 44 Ⅰ.騒音の基礎 レベル差 3* 4,5 6~9 10~ 補正値 -3 -2 -1 0 *暗騒音補正には使用できない(再測定等) 概略計算用 新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P433

(23)

6.デシベルの計算④

45 Ⅰ.騒音の基礎 【計算例】 65dB 60dB 差 (概略計算) 60 65の差→5 補正値→-2 65-2=63 65dB 55dB 差 (概略計算) 65 55の差→10 補正値→0 65-0=65 10dB以上の差は計算不要 レベル差 3* 4,5 6~9 10~ 補正値 -3 -2 -1 0

6.デシベルの計算⑤

(3) dBの平均 等価騒音レベル、振動レベルのエネルギー平均

)

log(

10

n

L

L

L

dB

の和

n

個数

70 5 75 ) 3 log( 10 75    477 . 0 3 log  100.474.77 69 3 / ) 73 70 65 (    65dB 70dB 73dB 平均 dBの和=75 差が小さい場合はdB平均に近い値となる。 dB平均は算術平均より同じか大きくなる。 Ⅰ.騒音の基礎 算術平均すると… 46

(24)

Ⅱ.振動の基礎

1.公害振動とは

 振動とは、固体や流体(気体、液体)が揺れ動くという物理現象である。  公害振動となる地表面の振動は、地盤を伝わる振動波 (縦波、横波、表面波)によって生じるものである。  公害振動は、好ましくない振動と定義されている。  振動は物理現象であるが、公害振動は人が振動を感じて好ましくない という感覚であり、その結果を判断するのは、生理的、心理的要素が 大きく影響する。  振動は「物理」、公害振動は「物理」「感覚」「心理」の3つが含まれる。 48 Ⅱ.振動の基礎 縦波 P波 圧縮波 粗密波 体積変化 エネルギー 7% 横波 S波 せん断波 形の変形 エネルギー 26% 表面波 R波 縦波+横波 エネルギー 67%

(25)

波長 λ (m) 伝搬速度 v (m/s)

2.振動の性質①

(1) 周波数  周波数は振動数ともいわれ、1秒間における変化の回数  記号: f 単位:Hz  振動問題では通常、周波数1/3オクターブバンドを使用する。  公害振動の周波数範囲 1Hz~80Hz (2) 波長  振動の場合、振幅変化の大きいところと、その次の大きいところ との長さ 49 Ⅱ.振動の基礎

v ff v

f v

周波数 f (Hz)

2.振動の性質②

(3) 伝搬速度  地盤振動の伝搬速度は振動波の種類(縦波、横波、表面波)、 地盤の種類によって異なる。 50 Ⅱ.振動の基礎 (4) 実効値  実効値は一般に、大きさの変化する量を、これと等しい エネルギーをもつ一定の大きさの量で表す。 (変動値のエネルギー等価値)  正弦波の場合の実効値は、最大振幅の  デシベル表示 実効値から求めたレベル=最大振幅から求めたレベル-3dB 2 / 1

(26)

2.振動の性質③

(5) 変位、速度、加速度 振動変位 → 振幅の大(高い)小(低い) 振動速度 → 変位の変化する速さ 振動加速度 → 振動速度の変化する速さ 51 Ⅱ.振動の基礎 変位、速度、加速度関係式 0 2 0 0 v y a   a0 (2f)v0 (2f)2y0  2f 新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P210 式Ⅲ.6.2-4

3.振動加速度レベル、振動レベル①

(1) 振動加速度レベル(dB) 52 Ⅱ.振動の基礎 【計算例】 (実効値) 5 2 m/s 10 5   a 14 7 . 0 20 5 log 20 ) 10 / 10 5 log( 20  5 5     0 log 20 a a L 5 2 0 10 m/s   a 7 = 5 log

(27)

3.振動加速度レベル、振動レベル②

【計算例】 (実効値) 53 Ⅱ.振動の基礎 2 m/s 2  a 106 5 20 3 . 0 20 10 log 20 2 log 20 10 2 log 20 5  5            106 100 6 ) 10 log( 20 ) 2 log( 20 10 1 2 log 20 10 2 log 20 5 5  5                   3 . 0 = 2 log 【基本式】 x x 10 1 10  x 10x 10 1 x n xn log log 

3.振動加速度レベル、振動レベル③

(2) 振動レベル(dB)  振動加速度レベルは振動の物理的な大きさを表すものである のに対して、人が体で感じる振動の大きさは通常、振動レベル で表される。  人の振動感覚は周波数、振動の方向によって感じ方が変わる ため、人の振動感覚で補正したものが、振動レベルである。  音と比較すると 音圧レベル → 振動加速度レベル(物理量) 騒音レベル → 振動レベル(評価値)  振動レベルは振動感覚補正振動加速度レベルのことで、周波 数補正とも呼ばれる。  振動規正法等は振動レベルで定められている。 54 Ⅱ.振動の基礎

(28)

3.振動加速度レベル、振動レベル④

振動感覚補正値 中心周波数 (Hz) 1 2 4 8 16 31.5 63 補正値(鉛直) -6 -3 0 -0.9 -6 -12 -18 補正値(水平) -3 -9 -15 -21 -27 振動規制法 補正値(鉛直)

-6dB/oct

-2dB/1/3oct

Ⅱ.振動の基礎 55

3.振動加速度レベル、振動レベル⑤

【計算例】 56 Ⅱ.振動の基礎 振動加速度 レベル 振動加速度スペクトルレベル(周波数分析)の合成(デシベルの和) 振動レベル 振動加速度スペクトルレベル-振動感覚補正値 =振動スペクトルレベル 振動スペクトルレベルの合成(デシベルの和) 振動加速度 レベル 周波数16Hz 70dB 振動レベル 周波数16Hz 64dB(-6dB) 振動加速度 スペクトルレベル 周波数16Hz 70dB 周波数63Hz 70dB 振動加速度レベル73dB 振動 スペクトルレベル 周波数16Hz 70dB-6dB=64dB 周波数63Hz 70dB-16dB=54dB 振動レベル 64dBと54dBの和 64dB

(29)

3.振動加速度レベル、振動レベル⑥

Ⅱ.振動の基礎 新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P212 57 4.等価振動レベル(振動のエネルギー平均)、時間率振動レベル  時間率振動レベルは、振動規制法の変動振動規制基準に用い られる。パーセントレベルとも呼ばれる統計量である。 等価振動レベル(振動エネルギーの平均値)  等価振動レベルはエネルギーの平均値である。  計算はデシベルの和からサンプル数の対数の10倍10log(n)を 差し引く。 58 Ⅱ.振動の基礎 veq

L

L

10 veq L         /10 10 1 log 10 Li veq n L LveqL10log(n) L10 80パーセントレンジ上端値(評価値) L50 80パーセントレンジ中央値 L90 80パーセントレンジ下端値 (注)騒音は90パーセントレンジ L= n 個のデシベルの和

(30)

5.計算問題の基礎数学等(公式)①

59 Ⅱ.振動の基礎  三角関数 回転体のバランス 5 . 0 2 / 1 30 cos 60 sin    71 . 0 2 / 2 45 cos 45 sin    87 . 0 2 / 3 60 cos 30 sin     速度、周波数、波長 振動レベルの計算 f v v f f v              実効値 騒音レベル、振動レベルの計算 実効値 正弦振動(騒音、振動) ピーク値の 1/ 2:20log(1/ 2):3dB

5.計算問題の基礎数学等(公式)②

60 Ⅱ.振動の基礎  パワーの合成 騒音レベル、振動加速度レベル パワー:音圧、加速度の2乗に比例 n P P P P12 2 12 22 2 n P P P P    2 2 2 2 1 P Pn P P    変位、速度、加速度 振動加速度レベル、計器校正 0 0 0 2 a v y

0 0 0 2 ) 2 ( ) 2 ( f y  f va 2f

(31)

5.計算問題の基礎数学等(公式)③

新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P373 Ⅱ.振動の基礎 61

5.計算問題の基礎数学等(公式)④

 弾性支持 振動伝達力の低減計算 固有振動数 1 1 2 0            1 1 2 0         f f  1 1 0    f f  2f  ばね定数 m k f

2 1 0  k f m 2 ) 2 (

  回転機器の周波数 60 / rpm f  1分間の回転数

rpm

Ⅱ.振動の基礎 62

(32)

5.計算問題の基礎数学等(公式)⑤

63 Ⅱ.振動の基礎  動吸振器

M

K

m

k

 質量による対策

m

m

)

1

(

)

1

(

6.振動の伝搬

(1) 振動の距離減衰 64 Ⅱ.振動の基礎 02 . 0   r13.0m r290.0m 30 15 10 5 15 10 log 10 5 . 0 10 15 10 log 10 3 log 10 15 ) 10 3 log( 10 ) 3 90 ( 02 . 0 7 . 8 ) 3 / 90 log( 10 ) ( 7 . 8 ) / log( 20 1 1 2 1 2 2 1                      L n r r r r L  5 . 0  n 48 . 0 3 log  5 . 10 1 5 . 9 1 ) 3 log( 20 ) 3 9 ( 02 . 0 7 . 8 ) 3 / 9 log( 20 ) ( 7 . 8 ) / log( 20 2 1 2 1 2 1             L n r r r r L  477 . 0 3 log  表面波 0 . 1  n 0.02 r13.0m r29.0m 実体波

(33)

7.振動測定の基礎

 周波数分析 オクターブバンド 1/3オクターブバンド 定比帯域幅 FFT(1Hz毎) 定帯域幅 65 Ⅱ.振動の基礎 2 1f f fm  3 1 2 2 f f  1 6 2 m f f

f

6

f

m 2

2

1/3オクターブバンド中心周波数(Hz) m

f

1

f

2

f

下限帯域端周波数(Hz) 上限帯域端周波数(Hz)

<参考> 振動公害の現状

振動の閾値 50dB 騒音の閾値は0dB 66 Ⅱ.振動の基礎 <振動の例 震度と振動レベル> 震 度 名 称 振動レベル(dB) 0 無 感 55以下 Ⅰ 微 震 55~65 Ⅱ 軽 震 65~75 Ⅲ 弱 震 75~85 Ⅳ 中 震 85~95 Ⅴ 強 震 95~105 Ⅵ 烈 震 105~110 Ⅶ 激 震 110以下

(34)

弾性支持の計算①

Ⅱ.振動の基礎 新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P326 67

弾性支持の計算②

Ⅱ.振動の基礎 新・公害防止の技術と法規2012 騒音・振動編 P328-9 68

(35)

弾性支持の計算③

m

f

k

(

2

)

2  ばね定数 Ⅱ.振動の基礎 69

弾性支持の計算

Ⅱ.振動の基礎  動吸振器の計算例 上記の式より、質量(m)を求める場合・・・

M

K

m

k

70

参照

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