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2016年_05_06総合教育研究部紀要10_出井/三.indd

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2013 年楽天ジャパンオープン男子シングルスの

ゲーム分析に関する研究

4 打以内に着目して-

出 井 章 雅

.緒言

昨今錦織圭選手の活躍もあり、テニス競技がメディアに取り上げられること が多くなってきている。またこれまでも多くの日本人が世界で活躍している中、 錦織圭選手は日本テニス界の歴史を次々と塗り替え、2014 年全米オープンでは 日本人初の決勝へ進出したことは記憶に新しいだろう。日本のテニス界も第2 の錦織圭の誕生と発掘に力を入れている中、指導において次の言葉がよく耳に する。近年テニスの解説者を始め、選手自身も『戦術・戦略』という言葉をよ く口にすることがある。指導者は近年のスポーツ科学において科学的根拠を基 に指導理念が求められる。特にテニスの場合は、新版テニス指導教本(2008) にも書かれているように、オープンスキル型のスポーツであり、相手やボール の位置、スピードなど、絶えず変化する外的な状況に対応して、いろいろなシ ョットを選択し、それが効果的にスキルとして発揮されなければならないため、 『戦術・戦略』がいかに選手自身に重要であるかが考えられる。例えば、バレ ーボールやフィールドホッケーなどの他競技においては、その場でアナリスト 達が即座にゲームの状況を把握するために、専用のソフトを用いてゲーム分析 を行い、監督・コーチなどの指導者へ伝達している。しかしテニス競技の特性 として、試合中に監督・コーチからアドバイスを受けることが不可能なため(雨 天中断や日没の場合のみアドバイスが可能)、自分自身で考え戦わなければなら ないのが現状である。昨年 2014 年に開催された全米オープンの準決勝で錦織 圭 選 手 が 当 時 世 界 ラ ン キ ン グ1 位 の ノ バ ク ・ ジ ョ コ ビ ッ チ に 勝 利

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(6-4.1-6.7-6(4).6-3)した時に「頭を使い戦略を練れば、強大な相手でも倒すこ とができるのだ。」と述べていた。このようにトップ選手においても戦術や戦略 の重要性が考えられる。 テニス競技の特徴として、勝者には毎日のように試合が存在し、国際大会で は3 セットマッチや 5 セットマッチが主流だが、国内のジュニア大会は 6 ゲー ムや8 ゲームといったショートゲームを一日数試合することが多い。テニスの ような対人スポーツであればゲームの流れやあらゆる環境面でのストレスなど 勝敗にも多く影響するが、3 セットマッチや 5 セットマッチのような長時間の 試合ではもう一度立て直すことも可能となる。しかし、ショートゲームのよう な試合では、極力ミス(エラー)を最小限に抑え、いち早く相手の弱点を見出 し戦うことは戦術や戦略を考えるうえで最も重要であると言えよう。財団法人 日本テニス協会発行強化指導指針Ⅲにも記載されているように日本の18 歳未 満のジュニア選手は男女ともジャパンオープンジュニアやジュニア国別対抗戦、 ウィンブルドンジュニア選手権などの世界大会で数多く活躍しているが、18 歳 以上の選手は思うような結果が出せないでいるように思われる。毎年10 月に 開催される楽天ジャパン・オープン・テニス大会の予選には、18 歳以上の日本 人選手が出場し本戦に上がれるかどうかの熱い戦いが繰り広げられている。楽 天ジャパン・オープン・テニスは国内で最高峰の大会であり、その大会にて本 戦出場に向けて日本人選手も日々努力していることだろう。 テニスのゲーム分析において、新版テニス指導教本を始めショーンボーンの テニスコーチングBOOK やテニス勝利への戦術[シングルス編]など 1990 年以 降多くの書籍が発売されている。ショーンボーンらはハードコートでのラリー 回数が1~4 回以内が 55%~65%、5~8 回以内が 22~24%、9 回以上が 8~ 10%でポイントが決まっていると報告している。また平田らは大学女子テニス のエラーに関する研究では、技術の未熟さが原因であるという報告や柴原らの 年代別に見る男子テニス選手のアンフォースドエラーに関する研究では、63~ 73%が 6 ショット以内でポイントが決定するという報告がある。そしてテニス はストップとダッシュの連続の中でボールを正確に打つことが要求され、ボー ルの滞空時間やボールの速度・回転などに関する研究は多いが、ショットのコ ースにおいての研究は数少ない。 そこで本研究は、2013 年楽天オープン本戦の 1・2 回戦の男子シングルスの 試合を対象に、すべてのポイントにおいて4 打以内にどのような傾向が得られ るのか、またラリー回数やラリー時間などの特徴を明らかし、強化を目的とし た今後のコーチングに生かす基礎的資料を得ることとした。

. 方法

A.対象 1)テニス大会 対象とした大会は、『楽天・ジャパン・オープン・テニス・チャンピオンシッ プス2013』(以下:楽天オープン)とした。大会期間は 2013 年 9 月 30 日から 10 月 4 日まで 5 日間で行われ、分析対象試合数は、男子シングルス 1 回戦・2 回戦、合計6 試合とした。 全ての試合のコートサーフェスはハードコート(デコターフⅡ)であった。試 合方法は、各セット6 ゲームオール後 7 ポイントタイブレーク形式(ベストオ ブ3 タイブレークセットマッチ)で行われた。 2) テニス大会レベル

世界男子テニスツアー(ATP:Association of Tennis Professionals)はグレ ード1:ATP ワールドツアー(年 4 大会:グランドスラム)を頂点に、グレー ド2:ATP ワールド・マスターズ 1000(年 9 大会)、グレード 3:ATP ワール ドツアー500(年 13 大会)、グレード 4:ATP ワールドツアー250(年 39 大会)、 グレード5:ATP チャレンジャーツアー(年 178 大会)、グレード 6:フュー チャーズ〈ITF サーキット〉(年 673 大会)の 6 つのグレードに分けられてい る。そのグレード別において、楽天オープンは「グレード 3」に属しており、 国内最高峰レベルの大会である。今大会の出場選手は ATP ランキング(過去 52 週間に出場した上位 18 大会のポイントの合計で順位)TOP50 位以内の選手 が19 名出場している。

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(6-4.1-6.7-6(4).6-3)した時に「頭を使い戦略を練れば、強大な相手でも倒すこ とができるのだ。」と述べていた。このようにトップ選手においても戦術や戦略 の重要性が考えられる。 テニス競技の特徴として、勝者には毎日のように試合が存在し、国際大会で は3 セットマッチや 5 セットマッチが主流だが、国内のジュニア大会は 6 ゲー ムや8 ゲームといったショートゲームを一日数試合することが多い。テニスの ような対人スポーツであればゲームの流れやあらゆる環境面でのストレスなど 勝敗にも多く影響するが、3 セットマッチや 5 セットマッチのような長時間の 試合ではもう一度立て直すことも可能となる。しかし、ショートゲームのよう な試合では、極力ミス(エラー)を最小限に抑え、いち早く相手の弱点を見出 し戦うことは戦術や戦略を考えるうえで最も重要であると言えよう。財団法人 日本テニス協会発行強化指導指針Ⅲにも記載されているように日本の 18 歳未 満のジュニア選手は男女ともジャパンオープンジュニアやジュニア国別対抗戦、 ウィンブルドンジュニア選手権などの世界大会で数多く活躍しているが、18 歳 以上の選手は思うような結果が出せないでいるように思われる。毎年 10 月に 開催される楽天ジャパン・オープン・テニス大会の予選には、18 歳以上の日本 人選手が出場し本戦に上がれるかどうかの熱い戦いが繰り広げられている。楽 天ジャパン・オープン・テニスは国内で最高峰の大会であり、その大会にて本 戦出場に向けて日本人選手も日々努力していることだろう。 テニスのゲーム分析において、新版テニス指導教本を始めショーンボーンの テニスコーチングBOOK やテニス勝利への戦術[シングルス編]など 1990 年以 降多くの書籍が発売されている。ショーンボーンらはハードコートでのラリー 回数が1~4 回以内が 55%~65%、5~8 回以内が 22~24%、9 回以上が 8~ 10%でポイントが決まっていると報告している。また平田らは大学女子テニス のエラーに関する研究では、技術の未熟さが原因であるという報告や柴原らの 年代別に見る男子テニス選手のアンフォースドエラーに関する研究では、63~ 73%が 6 ショット以内でポイントが決定するという報告がある。そしてテニス はストップとダッシュの連続の中でボールを正確に打つことが要求され、ボー ルの滞空時間やボールの速度・回転などに関する研究は多いが、ショットのコ ースにおいての研究は数少ない。 そこで本研究は、2013 年楽天オープン本戦の 1・2 回戦の男子シングルスの 試合を対象に、すべてのポイントにおいて4 打以内にどのような傾向が得られ るのか、またラリー回数やラリー時間などの特徴を明らかし、強化を目的とし た今後のコーチングに生かす基礎的資料を得ることとした。

. 方法

A.対象 1)テニス大会 対象とした大会は、『楽天・ジャパン・オープン・テニス・チャンピオンシッ プス2013』(以下:楽天オープン)とした。大会期間は 2013 年 9 月 30 日から 10 月 4 日まで 5 日間で行われ、分析対象試合数は、男子シングルス 1 回戦・2 回戦、合計6 試合とした。 全ての試合のコートサーフェスはハードコート(デコターフⅡ)であった。試 合方法は、各セット6 ゲームオール後 7 ポイントタイブレーク形式(ベストオ ブ3 タイブレークセットマッチ)で行われた。 2) テニス大会レベル

世界男子テニスツアー(ATP:Association of Tennis Professionals)はグレ ード1:ATP ワールドツアー(年 4 大会:グランドスラム)を頂点に、グレー ド2:ATP ワールド・マスターズ 1000(年 9 大会)、グレード 3:ATP ワール ドツアー500(年 13 大会)、グレード 4:ATP ワールドツアー250(年 39 大会)、 グレード5:ATP チャレンジャーツアー(年 178 大会)、グレード 6:フュー チャーズ〈ITF サーキット〉(年 673 大会)の 6 つのグレードに分けられてい る。そのグレード別において、楽天オープンは「グレード 3」に属しており、 国内最高峰レベルの大会である。今大会の出場選手は ATP ランキング(過去 52 週間に出場した上位 18 大会のポイントの合計で順位)TOP50 位以内の選手 が19 名出場している。

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B. 分 析 方 法 1) プ レ ー 観 察 方 法 WOWOW 放 送 に て 録 画 を 行 い 、 画 面 か ら 独 自 の テ ニ ス ス コ ア ブ ッ ク と ス ト ッ プ ウ ォ ッ チ を 用 い て 記 録 し た 。ポ イ ン ト 間 の 時 間 は サ ー ビ ス の イ ン パ ク ト の 瞬 間 か ら ボ ー ル が デ ッ ト し た 瞬 間 ま で を ス ト ッ プ ウ ォ ッ チ で 計 測 し た 。ま た 、サ ー ビ ス コ ー ス は「 ワ イ ド ・ ボ デ ィ ・ セ ン タ ー 」( 図 1 ) の 3 コ ー ス に 分 け 、 シ ョ ッ ト の コ ー ス ( 図 2 ) の 区 分 け は 以 下 の よ う に ① ~ ⑨ と し た 。 [ サ ー ビ ス コ ー ス ] [ シ ョ ッ ト の コ ー ス ] 「 ワ イ ド ・ ボ デ ィ ・ セ ン タ ー 」 「 ① ~ ⑨ 」 2) 測 定 項 目 (1)平 均 ラ リ ー 回 数 (2)平 均 ラ リ ー 時 間 (3) ポ イ ン ト の 帰 結 (4)1 打 ~4 打 の 展 開 が ど の よ う に 行 わ れ て い る か (1st 及 び 2nd)の 4 つ の 項 目 と し た 。 ラ リ ー 回 数 に つ い て は 、 サ ー ビ ス を 1 打 含 め ボ ー ル が デ ッ ト ( ネ ッ ト に か か る か 、あ る い は ラ イ ン を 越 え た 即 ち ア ウ ト し た 瞬 間 )ま で の 有 効 打 数 と 規 定 し た 。ラ リ ー 時 間 に つ い て は 、サ ー バ ー が サ ー ビ ス 動 作 に 入 り 、ボ ー ル が ラ ケ ッ ト に 触 れ た 時( イ ン パ ク ト 時 点 ) か ら ボ ー ル が デ ッ ド に な る ま で の 時 間 と 規 定 し た 。 ポ イ ン ト の 帰 結 は 16 個 に 分 類 し 、 以 下 の 通 り と し た 。 ①SA=サ ー ビ ス エ ー ス ② DF=ダ ブ ル フ ォ ー ル ト ③ FSA=フ ォ ア ハ ン ド ス ト ロ ー ク エ ー ス ④FSM=フ ォ ア ハ ン ド ス ト ロ ー ク ミ ス ⑤FVA=フ ォ ア ハ ン ド ボ レ ー エ ー ス ⑥ FVM=フ ォ ア ハ ン ド ボ レ ー ミ ス ⑦FRA=フ ォ ア ハ ン ド リ タ ー ン エ ー ス ⑧ FRM= フ ォ ア ハ ン ド リ タ ー ン ミ ス ⑨SMA=ス マ ッ シ ュ エ ー ス ⑩ SMM=ス マ ッ シ ュ ミ ス ⑪ BSA=バ ッ ク ハ ン ド ス ト ロ ー ク エ ー ス ⑫BSM=バ ッ ク ハ ン ド ス ト ロ ー ク ミ ス ⑬ BVA=バ ッ ク ハ ン ド ボ レ ー エ ー ス ⑭BVM=バ ッ ク ハ ン ド ボ レ ー ミ ス ⑮ BRA=バ ッ ク ハ ン ド リ タ ー ン エ ー ス ⑯BRM=バ ッ ク ハ ン ド リ タ ー ン ミ ス

Ⅲ . 結 果

A. 大 会 平 均 身 長 と 利 き 手 出場選手の平均身長は186±6.8cm であった。また現代のテニス世界ランキ ングシステムにおいてもTOP100 位以内の選手の平均身長は 187.3cm である ため、世界のトップ選手が集結している大会と言えよう。錦織圭選手の身長は 178cm である。 また、分析対象とした11 選手の利き手は、右利き 10 名、左利き 1 名であっ た。宮地らは2013 年 10 月現在の ATP ランキング 100 位以内に左利きは 18 名存在するという報告がなされていることから大半が右利きであることがわか る。 B. 総 ゲ ー ム 数 お よ び 総 ポ イ ン ト 数 総 ゲ ー ム 数 は 145 ゲ ー ム 、 総 ポ イ ン ト 数 は 912 ポ イ ン ト で あ っ た 。

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B. 分 析 方 法 1) プ レ ー 観 察 方 法 WOWOW 放 送 に て 録 画 を 行 い 、 画 面 か ら 独 自 の テ ニ ス ス コ ア ブ ッ ク と ス ト ッ プ ウ ォ ッ チ を 用 い て 記 録 し た 。ポ イ ン ト 間 の 時 間 は サ ー ビ ス の イ ン パ ク ト の 瞬 間 か ら ボ ー ル が デ ッ ト し た 瞬 間 ま で を ス ト ッ プ ウ ォ ッ チ で 計 測 し た 。ま た 、サ ー ビ ス コ ー ス は「 ワ イ ド ・ ボ デ ィ ・ セ ン タ ー 」( 図 1 ) の 3 コ ー ス に 分 け 、 シ ョ ッ ト の コ ー ス ( 図 2 ) の 区 分 け は 以 下 の よ う に ① ~ ⑨ と し た 。 [ サ ー ビ ス コ ー ス ] [ シ ョ ッ ト の コ ー ス ] 「 ワ イ ド ・ ボ デ ィ ・ セ ン タ ー 」 「 ① ~ ⑨ 」 2) 測 定 項 目 (1)平 均 ラ リ ー 回 数 (2)平 均 ラ リ ー 時 間 (3) ポ イ ン ト の 帰 結 (4)1 打 ~4 打 の 展 開 が ど の よ う に 行 わ れ て い る か (1st 及 び 2nd)の 4 つ の 項 目 と し た 。 ラ リ ー 回 数 に つ い て は 、 サ ー ビ ス を 1 打 含 め ボ ー ル が デ ッ ト ( ネ ッ ト に か か る か 、あ る い は ラ イ ン を 越 え た 即 ち ア ウ ト し た 瞬 間 )ま で の 有 効 打 数 と 規 定 し た 。ラ リ ー 時 間 に つ い て は 、サ ー バ ー が サ ー ビ ス 動 作 に 入 り 、ボ ー ル が ラ ケ ッ ト に 触 れ た 時( イ ン パ ク ト 時 点 ) か ら ボ ー ル が デ ッ ド に な る ま で の 時 間 と 規 定 し た 。 ポ イ ン ト の 帰 結 は 16 個 に 分 類 し 、 以 下 の 通 り と し た 。 ①SA=サ ー ビ ス エ ー ス ② DF=ダ ブ ル フ ォ ー ル ト ③ FSA=フ ォ ア ハ ン ド ス ト ロ ー ク エ ー ス ④FSM=フ ォ ア ハ ン ド ス ト ロ ー ク ミ ス ⑤FVA=フ ォ ア ハ ン ド ボ レ ー エ ー ス ⑥ FVM=フ ォ ア ハ ン ド ボ レ ー ミ ス ⑦FRA=フ ォ ア ハ ン ド リ タ ー ン エ ー ス ⑧ FRM= フ ォ ア ハ ン ド リ タ ー ン ミ ス ⑨SMA=ス マ ッ シ ュ エ ー ス ⑩ SMM=ス マ ッ シ ュ ミ ス ⑪ BSA=バ ッ ク ハ ン ド ス ト ロ ー ク エ ー ス ⑫BSM=バ ッ ク ハ ン ド ス ト ロ ー ク ミ ス ⑬ BVA=バ ッ ク ハ ン ド ボ レ ー エ ー ス ⑭BVM=バ ッ ク ハ ン ド ボ レ ー ミ ス ⑮ BRA=バ ッ ク ハ ン ド リ タ ー ン エ ー ス ⑯BRM=バ ッ ク ハ ン ド リ タ ー ン ミ ス

Ⅲ . 結 果

A. 大 会 平 均 身 長 と 利 き 手 出場選手の平均身長は186±6.8cm であった。また現代のテニス世界ランキ ングシステムにおいてもTOP100 位以内の選手の平均身長は 187.3cm である ため、世界のトップ選手が集結している大会と言えよう。錦織圭選手の身長は 178cm である。 また、分析対象とした11 選手の利き手は、右利き 10 名、左利き 1 名であっ た。宮地らは2013 年 10 月現在の ATP ランキング 100 位以内に左利きは 18 名存在するという報告がなされていることから大半が右利きであることがわか る。 B. 総 ゲ ー ム 数 お よ び 総 ポ イ ン ト 数 総 ゲ ー ム 数 は 145 ゲ ー ム 、 総 ポ イ ン ト 数 は 912 ポ イ ン ト で あ っ た 。

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C.平均ラリー回数と平均ラリー時間 平均ラリー回数は4.1±0.57 回、平均ラリー時間は 4.7±0.80 秒であった。 先行研究において2013 年楽天オープン決勝・準決勝の 3 試合を分析したデー タでは平均ラリー回数は4.1±0.47 回、平均ラリー時間は 4.7±0.67 秒であっ た。 D.ポイント帰結 ポイント帰結の最終ショットを集計した結果、FSM(168 本)及び BSM(156 本)で多く帰結していることがわかる。次にBRM(117 本)SA(116 本)FSA (100 本)FRM(70 本)の順にポイントの帰結がなされている。また、グラ ンドストロークでのフォアハンド(FSA・FSM)・バックハンド(BSA・BSM) の総本数は、フォアハンドが268 本対してバックハンドは 201 本であった。 E.1st サービス後の展開について 1)1st⇒ワイドサービス後(表 2) 2 打目(リターン)において③のセンターを中心に返球していることが分か る。3 打目において①又は④のコーナーに展開していることが分かる。4 打目 において③に多く集中しているが、④のコーナーの返球や⑤のショートへ展開 していることが分かる。ミスにおいても2 打目が圧倒的に多く特に⑧のオーバ ーアウトが多いことがわかる。 2)1st⇒ボディサービス後(表 3) 2 打目(リターン)において③のセンターを中心に返球していることが分か る。3 打目において①のコーナーに展開している。4 打目において④又は①の コーナーに展開していることがわかる。ミスにおいても2 打目が圧倒的に多く 特に⑧のオーバーアウトが多いことがわかる。 3)1st⇒センターサービス後(表 4) 2 打目(リターン)において③のセンターを中心に返球していることが分か る。3 打目において④又は①のコーナーに展開していることがわかる。4 打目 において③又は①のコーナーに展開していることがわかる。ミスにおいても 2 打目が圧倒的に多く特に⑧のオーバーアウトが多いことがわかる。

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C.平均ラリー回数と平均ラリー時間 平均ラリー回数は4.1±0.57 回、平均ラリー時間は 4.7±0.80 秒であった。 先行研究において2013 年楽天オープン決勝・準決勝の 3 試合を分析したデー タでは平均ラリー回数は4.1±0.47 回、平均ラリー時間は 4.7±0.67 秒であっ た。 D.ポイント帰結 ポイント帰結の最終ショットを集計した結果、FSM(168 本)及び BSM(156 本)で多く帰結していることがわかる。次にBRM(117 本)SA(116 本)FSA (100 本)FRM(70 本)の順にポイントの帰結がなされている。また、グラ ンドストロークでのフォアハンド(FSA・FSM)・バックハンド(BSA・BSM) の総本数は、フォアハンドが268 本対してバックハンドは 201 本であった。 E.1st サービス後の展開について 1)1st⇒ワイドサービス後(表 2) 2 打目(リターン)において③のセンターを中心に返球していることが分か る。3 打目において①又は④のコーナーに展開していることが分かる。4 打目 において③に多く集中しているが、④のコーナーの返球や⑤のショートへ展開 していることが分かる。ミスにおいても2 打目が圧倒的に多く特に⑧のオーバ ーアウトが多いことがわかる。 2)1st⇒ボディサービス後(表 3) 2 打目(リターン)において③のセンターを中心に返球していることが分か る。3 打目において①のコーナーに展開している。4 打目において④又は①の コーナーに展開していることがわかる。ミスにおいても2 打目が圧倒的に多く 特に⑧のオーバーアウトが多いことがわかる。 3)1st⇒センターサービス後(表 4) 2 打目(リターン)において③のセンターを中心に返球していることが分か る。3 打目において④又は①のコーナーに展開していることがわかる。4 打目 において③又は①のコーナーに展開していることがわかる。ミスにおいても 2 打目が圧倒的に多く特に⑧のオーバーアウトが多いことがわかる。

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F.2nd サービス後の展開について 1)2nd⇒ワイドサービス後(表 5) 2 打目(リターン)において③のセンターを中心に返球していることが分か る。3 打目において③又は④に多く展開していることが分かる。4 打目におい て②又は③のセンターを中心に展開していることが分かる。ミスにおいては 2 打目3 打目 4 打目において⑧のオーバーアウトが多いことがわかる。 2)2nd⇒ボディサービス後(表 6) 2 打目(リターン)において③又は②のセンターを中心に返球していること が分かる。3 打目において③又は④に多く展開していることが分かる。4 打目 において③のセンターを中心に展開していることが分かる。ミスにおいても 2 打目が圧倒的に多く特に⑧のオーバーアウトが多いことがわかる。 3)2nd⇒ボディサービス後(表 7) 2 打目(リターン)において②、③、④のセンターを中心に返球しているこ とが分かる。3 打目において③又は④に多く展開していることが分かる。4 打 目において①③に多いことからダウンザラインに攻撃するかクロスコートへ展 開をしていることが分かる。ミスにおいても2 打目が圧倒的に多く特に⑧のオ ーバーアウトが多いことがわかる。

Ⅳ.考察

A. 総 ゲ ー ム 数 お よ び 総 ポ イ ン ト 数 総 ゲ ー ム 数 お よ び 総 ポ イ ン ト 数 か ら 1 ゲ ー ム 取 得 に 関 し て 約 6 ポ イ ン ト か か っ て い る こ と が わ か る 。

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F.2nd サービス後の展開について 1)2nd⇒ワイドサービス後(表 5) 2 打目(リターン)において③のセンターを中心に返球していることが分か る。3 打目において③又は④に多く展開していることが分かる。4 打目におい て②又は③のセンターを中心に展開していることが分かる。ミスにおいては 2 打目3 打目 4 打目において⑧のオーバーアウトが多いことがわかる。 2)2nd⇒ボディサービス後(表 6) 2 打目(リターン)において③又は②のセンターを中心に返球していること が分かる。3 打目において③又は④に多く展開していることが分かる。4 打目 において③のセンターを中心に展開していることが分かる。ミスにおいても 2 打目が圧倒的に多く特に⑧のオーバーアウトが多いことがわかる。 3)2nd⇒ボディサービス後(表 7) 2 打目(リターン)において②、③、④のセンターを中心に返球しているこ とが分かる。3 打目において③又は④に多く展開していることが分かる。4 打 目において①③に多いことからダウンザラインに攻撃するかクロスコートへ展 開をしていることが分かる。ミスにおいても2 打目が圧倒的に多く特に⑧のオ ーバーアウトが多いことがわかる。

Ⅳ.考察

A. 総 ゲ ー ム 数 お よ び 総 ポ イ ン ト 数 総 ゲ ー ム 数 お よ び 総 ポ イ ン ト 数 か ら 1 ゲ ー ム 取 得 に 関 し て 約 6 ポ イ ン ト か か っ て い る こ と が わ か る 。

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B.平均ラリー回数と平均ラリー時間 本研究及び先行研究のデータに基づき、1 回のラリーにつき約 1.1 秒という 速いテンポで試合が行われている。このことから練習時のラリーにおいて、時 間を測定しながら練習することはボールの速度や回転の工夫、深さや高さの調 整、コート上でのポジション取りなど多くの要素が必要となることから今後の 練習に取り入れるべきだと考えられる。ま た 、 本 研 究 対 象 の 1 ・ 2 回 戦 レ ベ ル と 先 行 研 究 に お け る 同 大 会 の 決 勝・準 決 勝 レ ベ ル の 比 較 か ら 平 均 ラ リ ー 時 間 及 び 平 均 ラ リ ー 回 数 に 差 が な い こ と も 明 ら か に な っ た 。 C.ポイント帰結 テニス競技の特性として世界トップ選手を始め多くの選手は、フォアハンド 7 割に対してバックハンド 3 割と言われている。よって本研究の対象とした選 手においても、エースやミスは自然と増しているが、フォアハンドを中心にゲ ームを組み立てて行っていると考えられる。またミスにおいて全体の約 4 割 (35%)がリターン(フォアハンド・バックハンド)によるミスで得点を与えている ことからサービスはもちろん、リターンの確率を上げることも重要であると考 えられる。ショーンボーンらもリターンは、近年テニスにおいて最も重要な打 球であり、リターンの良し悪しはサービスブレイク率と関係していると述べて いることからもリターンの重要性が明らかである。 新 版 テ ニ ス 指 導 教 本 に も シ ン グ ル ス の テ ニ ス コ ー ト は 縦 78 フィート (23.88m)横 27 フィート(8.23m)でありネットの高さはセンターが 3 フィ ート(0.914m)という長方形の形をしていることから戦術としてはクロスコー トへ返球であると述べ、左右の動きはもとより前後の動きが大変重要であると いえる。しかし、ネットプレーおいてボレー(FVA、FVM、BVA、BVM)や スマッシュ(SMM、SMA)でのポイント帰結が少ないことから、ネットプレ ーまでの組み立てる戦術を活用していくかが示唆された。 E.1st サービス後の展開について 1st サービス後の展開について、結果で明らかになったデータを基に以下の 図3 のように変換した。ワイドサービス、ボディサービス、センターサービス といったどのコースにおいても2 打目のリターンの返球は③に多く集められて いることが分かる。これは1st サービスの特徴としてサーバーが絶対有利にな り威力や角度、速度を自由に変えることが可能なため、レシーバーの攻略法と して安全に真ん中へ深く返球していると考えられる。また今大会の対象とした 選手は右利きが多いことから相手のバックハンド付近を狙ったリターンを返球 していると考えられる。 2 打目においては、オープンコートの左右深い場所へ返球していることから サーバーは自らが放つ1st サービス直後に即座に構え、3 打目を①又は④の深 いコースを狙えていることが考えられる。これは「準備の早さ」と「的確にコ ースを狙う技術の高さ」が必要なことから日々の練習においてもサービス直後 の動作の訓練が必要であると考えられる。 4 打目においては、3 打目がコーナーへ的確に返球していることから次の 4 打目を正確に相手のバックハンド側に返球していることが考えられる。 宮地らもテニスは8 割がミスで成り立ち、エースは僅かと述べているがミス には3 つ存在する。それがネットミス・サイドミス・オーバーミスである。指 導の現場においては、一番ミスしてはいけないのがネットミス、次にサイドミ スと言われている。このことからも本研究の試合ではサイドミスが少ないこと から指導に確証が得られる。 ショーンボーンらも世界の一流プレーヤーは約28%をレッドゾーン(サービ スラインとセンターラインが交わる付近)で72%をその周囲のゾーンでプレー していると述べていることから本研究においてのレベルの高さが伺える。

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B.平均ラリー回数と平均ラリー時間 本研究及び先行研究のデータに基づき、1 回のラリーにつき約 1.1 秒という 速いテンポで試合が行われている。このことから練習時のラリーにおいて、時 間を測定しながら練習することはボールの速度や回転の工夫、深さや高さの調 整、コート上でのポジション取りなど多くの要素が必要となることから今後の 練習に取り入れるべきだと考えられる。ま た 、 本 研 究 対 象 の 1 ・ 2 回 戦 レ ベ ル と 先 行 研 究 に お け る 同 大 会 の 決 勝・準 決 勝 レ ベ ル の 比 較 か ら 平 均 ラ リ ー 時 間 及 び 平 均 ラ リ ー 回 数 に 差 が な い こ と も 明 ら か に な っ た 。 C.ポイント帰結 テニス競技の特性として世界トップ選手を始め多くの選手は、フォアハンド 7 割に対してバックハンド 3 割と言われている。よって本研究の対象とした選 手においても、エースやミスは自然と増しているが、フォアハンドを中心にゲ ームを組み立てて行っていると考えられる。またミスにおいて全体の約 4 割 (35%)がリターン(フォアハンド・バックハンド)によるミスで得点を与えている ことからサービスはもちろん、リターンの確率を上げることも重要であると考 えられる。ショーンボーンらもリターンは、近年テニスにおいて最も重要な打 球であり、リターンの良し悪しはサービスブレイク率と関係していると述べて いることからもリターンの重要性が明らかである。 新 版 テ ニ ス 指 導 教 本 に も シ ン グ ル ス の テ ニ ス コ ー ト は 縦 78 フィート (23.88m)横 27 フィート(8.23m)でありネットの高さはセンターが 3 フィ ート(0.914m)という長方形の形をしていることから戦術としてはクロスコー トへ返球であると述べ、左右の動きはもとより前後の動きが大変重要であると いえる。しかし、ネットプレーおいてボレー(FVA、FVM、BVA、BVM)や スマッシュ(SMM、SMA)でのポイント帰結が少ないことから、ネットプレ ーまでの組み立てる戦術を活用していくかが示唆された。 E.1st サービス後の展開について 1st サービス後の展開について、結果で明らかになったデータを基に以下の 図3 のように変換した。ワイドサービス、ボディサービス、センターサービス といったどのコースにおいても2 打目のリターンの返球は③に多く集められて いることが分かる。これは1st サービスの特徴としてサーバーが絶対有利にな り威力や角度、速度を自由に変えることが可能なため、レシーバーの攻略法と して安全に真ん中へ深く返球していると考えられる。また今大会の対象とした 選手は右利きが多いことから相手のバックハンド付近を狙ったリターンを返球 していると考えられる。 2 打目においては、オープンコートの左右深い場所へ返球していることから サーバーは自らが放つ1st サービス直後に即座に構え、3 打目を①又は④の深 いコースを狙えていることが考えられる。これは「準備の早さ」と「的確にコ ースを狙う技術の高さ」が必要なことから日々の練習においてもサービス直後 の動作の訓練が必要であると考えられる。 4 打目においては、3 打目がコーナーへ的確に返球していることから次の 4 打目を正確に相手のバックハンド側に返球していることが考えられる。 宮地らもテニスは8 割がミスで成り立ち、エースは僅かと述べているがミス には3 つ存在する。それがネットミス・サイドミス・オーバーミスである。指 導の現場においては、一番ミスしてはいけないのがネットミス、次にサイドミ スと言われている。このことからも本研究の試合ではサイドミスが少ないこと から指導に確証が得られる。 ショーンボーンらも世界の一流プレーヤーは約28%をレッドゾーン(サービ スラインとセンターラインが交わる付近)で72%をその周囲のゾーンでプレー していると述べていることから本研究においてのレベルの高さが伺える。

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F.2nd サービス後の展開について 2nd サービス後の展開について、結果で明らかになったデータを基に以下の 図4 のように変換した。1st サービス後の展開と同様にワイドサービス、ボデ ィサービス、センターサービスといったどのコースにおいても2 打目のリター ンの返球は②③に多く集められていることが分かる。これは1st サービスより 2nd サービスの方が球威は減少するが、レシーバーの攻略法として安全に真ん 中へ深く返球していると考えられる。 3 打目 4 打目においては、今大会の対象とした選手は右利きが多いことから 相手のバックハンド側に狙ったコースが多い傾向にあった。 ミスにおいても1st サービス後の展開同様、サイドミスが少ないことから指 導に確証が与えられる。

Ⅴまとめ

本 研 究 で は 、2013 年 楽 天 オ ー プ ン 本 戦 の 1・2 回 戦 の 男 子 シ ン グ ル ス の 試 合 を 対 象 に 、す べ て の ポ イ ン ト に お い て 4 打 以 内 に ど の よ う な 傾 向 が 得 ら れ る の か 、ま た ラ リ ー 回 数 や ラ リ ー 時 間 な ど の 特 徴 を 明 ら か し 、 強 化 を 目 的 と し た 今後のコーチングに生かす基礎 的資料を得ることとした。 1. 試 合 中 の 1 回 の ラ リ ー 回 数 で か か る 時 間 が ト ッ プ 選 手 は 1.1 秒 で あ る こ と か ら ラ リ ー テ ン ポ が 非 常 に 速 い こ と か ら 、練 習 に お い て も テ ン ポ を 速 め る 訓 練 が 重 要 で あ り ボ ー ル の 速 度 、 ボ ー ル の 回 転 、ボ ー ル の 軌 道 、選 手 の ポ ジ シ ョ ン の 位 置 の 工 夫 が 必 要 と な る 。ま た そ れ は オ ー プ ン ス キ ル の テ ニ ス に と っ て 考 え る 力( 戦 術・戦 略 )が 増 す 意 味 と し て 大 変 重 要 で あ る 。

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F.2nd サービス後の展開について 2nd サービス後の展開について、結果で明らかになったデータを基に以下の 図4 のように変換した。1st サービス後の展開と同様にワイドサービス、ボデ ィサービス、センターサービスといったどのコースにおいても2 打目のリター ンの返球は②③に多く集められていることが分かる。これは1st サービスより 2nd サービスの方が球威は減少するが、レシーバーの攻略法として安全に真ん 中へ深く返球していると考えられる。 3 打目 4 打目においては、今大会の対象とした選手は右利きが多いことから 相手のバックハンド側に狙ったコースが多い傾向にあった。 ミスにおいても1st サービス後の展開同様、サイドミスが少ないことから指 導に確証が与えられる。

Ⅴまとめ

本 研 究 で は 、2013 年 楽 天 オ ー プ ン 本 戦 の 1・2 回 戦 の 男 子 シ ン グ ル ス の 試 合 を 対 象 に 、す べ て の ポ イ ン ト に お い て 4 打 以 内 に ど の よ う な 傾 向 が 得 ら れ る の か 、ま た ラ リ ー 回 数 や ラ リ ー 時 間 な ど の 特 徴 を 明 ら か し 、 強 化 を 目 的 と し た 今後のコーチングに生かす基礎 的資料を得ることとした。 1. 試 合 中 の 1 回 の ラ リ ー 回 数 で か か る 時 間 が ト ッ プ 選 手 は 1.1 秒 で あ る こ と か ら ラ リ ー テ ン ポ が 非 常 に 速 い こ と か ら 、練 習 に お い て も テ ン ポ を 速 め る 訓 練 が 重 要 で あ り ボ ー ル の 速 度 、 ボ ー ル の 回 転 、ボ ー ル の 軌 道 、選 手 の ポ ジ シ ョ ン の 位 置 の 工 夫 が 必 要 と な る 。ま た そ れ は オ ー プ ン ス キ ル の テ ニ ス に と っ て 考 え る 力( 戦 術・戦 略 )が 増 す 意 味 と し て 大 変 重 要 で あ る 。

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2. ミ ス の 4 割 が リ タ ー ン に よ る も の で あ る こ と か ら リ タ ー ン の 重 要 性 が 示 唆 さ れ サ ー ビ ス の 他 に リ タ ー ン 練 習 を 取 り 入 れ る 必 要 が あ る 。 3. グ ラ ン ド ス ト ロ ー ク で は フ ォ ア ハ ン ド と バ ッ ク ハ ン ド の ミ ス に 重 点 を 置 く の で は な く 、フ ォ ア ハ ン ド で は 攻 撃 性 が 求 め ら れ 、 バ ッ ク ハ ン ド は 安 定 性 が 求 め ら れ る 。 4. 1st サ ー ビ ス を ワ イ ド サ ー ビ ス 中 心 に 組 み 立 て を 行 っ て い る こ と か ら オ ー プ ン コ ー ト を 作 る 戦 術 が な さ れ て い る 。 5. 2nd サ ー ビ ス は ボ デ ィ サ ー ビ ス 中 心 で あ る こ と か ら 安 全 性 を 重 視 し 組 み 立 て を 行 っ て い る 。 こ れ は 平 均 身 長 が 186± 6.8cm で あ る こ と か ら ボ デ ィ の 方 が 非 常 に 有 効 で あ り リ タ ー ン の コ ー ス を 制 限 で き る こ と を 意 味 し て い る 。 6. リ タ ー ン ミ ス お い て オ ー バ ー ア ウ ト が 1st2nd 共 に 多 い が 、 深 く 返 球 し て い る こ と に よ る ミ ス で あ り 、ミ ス の 3 要 素 に お い て サ イ ド ア ウ ト が 少 な い こ と は 非 常 に 大 事 で あ る 。ま た 今 後 は ネ ッ ト ミ ス に お い て も 着 目 し て い き た い 。 7. 選 手 の 10/11 名 は 右 利 き で あ っ た こ と か ら 3 打 目 4 打 目 に お い て 相 手 の バ ッ ク ハ ン ド 側 に 返 球 し て お り 、特 に 2nd サ ー ビ ス 後 は 顕 著 に 表 れ た 。

参考文献

1 日本テニス協会編:新版テニス指導教本 71 大修館書店(2008) 2 リチャード・ショーンボーン:ショーンボーンのテニストレーニング BOOK 11-15 ベースボール・マガジン社(2007) 3 リチャード・ショーンボーン:ショーンボーンのテニスコーチングBOOK pages 112-125,171,194 ベースボール・マガジン社(2007) 4 錦織圭 さらなる高みへ:廣済堂出版(2015)pages150-151 5 テニスの試合における活動プロフィールと生理学的要求に関するレビュ ー:NSCA JAPAN Volume19、Number7、pages28-37

6 JTA TENNIS RULE BOOK 2015 pages35

7 テニスのゲーム分析のための技術の分類についての一考察 鹿屋体育大 学学術研究紀要1998,20 号 pages11-17 8 強化指導指針Ⅲ―トップへの道― 財団法人日本テニス協会(2011) pages17 9 エリートテニス選手のボール配球についての研究-左利きプレーヤーに 着目して:宮地弘太郎関西国際大学研究紀要15 巻 (2014)pages115-120

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2. ミ ス の 4 割 が リ タ ー ン に よ る も の で あ る こ と か ら リ タ ー ン の 重 要 性 が 示 唆 さ れ サ ー ビ ス の 他 に リ タ ー ン 練 習 を 取 り 入 れ る 必 要 が あ る 。 3. グ ラ ン ド ス ト ロ ー ク で は フ ォ ア ハ ン ド と バ ッ ク ハ ン ド の ミ ス に 重 点 を 置 く の で は な く 、フ ォ ア ハ ン ド で は 攻 撃 性 が 求 め ら れ 、 バ ッ ク ハ ン ド は 安 定 性 が 求 め ら れ る 。 4. 1st サ ー ビ ス を ワ イ ド サ ー ビ ス 中 心 に 組 み 立 て を 行 っ て い る こ と か ら オ ー プ ン コ ー ト を 作 る 戦 術 が な さ れ て い る 。 5. 2nd サ ー ビ ス は ボ デ ィ サ ー ビ ス 中 心 で あ る こ と か ら 安 全 性 を 重 視 し 組 み 立 て を 行 っ て い る 。 こ れ は 平 均 身 長 が 186± 6.8cm で あ る こ と か ら ボ デ ィ の 方 が 非 常 に 有 効 で あ り リ タ ー ン の コ ー ス を 制 限 で き る こ と を 意 味 し て い る 。 6. リ タ ー ン ミ ス お い て オ ー バ ー ア ウ ト が 1st2nd 共 に 多 い が 、 深 く 返 球 し て い る こ と に よ る ミ ス で あ り 、ミ ス の 3 要 素 に お い て サ イ ド ア ウ ト が 少 な い こ と は 非 常 に 大 事 で あ る 。ま た 今 後 は ネ ッ ト ミ ス に お い て も 着 目 し て い き た い 。 7. 選 手 の 10/11 名 は 右 利 き で あ っ た こ と か ら 3 打 目 4 打 目 に お い て 相 手 の バ ッ ク ハ ン ド 側 に 返 球 し て お り 、特 に 2nd サ ー ビ ス 後 は 顕 著 に 表 れ た 。

参考文献

1 日本テニス協会編:新版テニス指導教本 71 大修館書店(2008) 2 リチャード・ショーンボーン:ショーンボーンのテニストレーニング BOOK 11-15 ベースボール・マガジン社(2007) 3 リチャード・ショーンボーン:ショーンボーンのテニスコーチングBOOK pages 112-125,171,194 ベースボール・マガジン社(2007) 4 錦織圭 さらなる高みへ:廣済堂出版(2015)pages150-151 5 テニスの試合における活動プロフィールと生理学的要求に関するレビュ ー:NSCA JAPAN Volume19、Number7、pages28-37

6 JTA TENNIS RULE BOOK 2015 pages35

7 テニスのゲーム分析のための技術の分類についての一考察 鹿屋体育大 学学術研究紀要1998,20 号 pages11-17 8 強化指導指針Ⅲ―トップへの道― 財団法人日本テニス協会(2011) pages17 9 エリートテニス選手のボール配球についての研究-左利きプレーヤーに 着目して:宮地弘太郎関西国際大学研究紀要15 巻 (2014)pages115-120

参照

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