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タックスヘイブン対策税制 年度税制改正 -

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Tax Newsletter

© 2017 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

タックスヘイブン対策税制

- 2017 年度税制改正 -

I. 改正の概要 ……….……….. 2 II. 外国関係会社の定義及び区分 ……… 4 III. 会社単位の合算課税 ……… 8 IV. 受動的所得の合算課税(外国金融子会社等以外) ……… 9 V. 受動的所得の合算課税(外国金融子会社等) ………...…12 VI. 納税義務者及び課税対象金額・部分課税対象金額 ……… 13 VII. その他の改正点 ……….. 14 VIII. 今後の検討課題 ……….. 14 タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)とは、外国関係会社を利用した租 税回避を抑制するため、一定の条件に該当する外国関係会社の所得を日本の親会 社の所得とみなして合算し、日本で課税する制度です。 2017 年度税制改正では、経済協力開発機構(OECD)が 2015 年 10 月に公表した税 源浸食と利益移転(BEPS: Base Erosion and Profit Shifting)プロジェクトの行動 3 (タックスヘイブン対策税制の設計)に関する最終レポートを踏まえて、制度全体にわ たる改正が行われました。このニュースレターでは、タックスヘイブン対策税制の改 正の概要をご紹介いたします。 (タックスヘイブン対策税制は日本の居住者である個人にも適用がありますが、ここ では、原則として、内国法人が納税義務者である場合の取扱いについて解説いたし ます。)

19 July 2017

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I. 改正の概要 1. タックスヘイブン対策税制の全体像 下記の図は、改正前及び改正後のタックスヘイブン対策税制の全体像を、合算課税 の対象所得を判定するフローチャートで示したものです。 《改正前》 《改正後》 改正のポイントは以下のとおりです。

外国関係会社の租税負担割合は、改正前は、合算課税の対象となる法人を特定 する手段として、フローチャートの最初で用いられていましたが、改正後は、合算 課税の適用除外基準としてフローチャートの最後で用いられることになります。

「特定外国関係会社」という概念が新たに導入され、「特定外国関係会社」に該当 する場合には、その法人の租税負担割合が20%以上であっても、会社単位の合 算課税が適用されることになります。(ただし、適用除外基準により、租税負担割 合が30%以上であれば、合算課税の対象から外されます。)

外国関係会社に経済実体があるかどうかを判定するための基準の名称が、「適 用除外基準」から「経済活動基準」に変更されました。(内容の見直しについては、 II.3.及び 4.で解説いたします。) 外国関係会社 租税負担割合 20%以上 「適用除外基準」の いずれかを満たさない。 特定外国子会社等 租税負担割合20%未満 (無税国に本店が所在する ものを含む。) 「適用除外基準」の 全てを満たす。 会社単位の 合算課税 資産性所得の 合算課税 外国関係会社 特定外国関係会社

ペーパーカンパニー

キャッシュボックス

ブラックリストカンパニー 対象外国関係会社 「経済活動基準」の いずれかを満たさない。 特定外国関係会社 に該当しない。 部分対象外国関係会社 「経済活動基準」の 全てを満たす。 会社単位の 合算課税 受動的所得の 合算課税 租税負担割合 30%未満の場合 租税負担割合 20%未満の場合 租税負担割合 20%未満の場合

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タックスヘイブン対策税制の全体像を表で比較しますと、以下のとおりです。 《改正前》 租税負担割合 外国関係会社の区分 20%未満 20%以上 「適用除外基準」のいずれかを満たさない。 会社単位の 合算課税 (合算課税なし) 「適用除外基準」の全てを満たす。 資産性所得の 合算課税 《改正後》 租税負担割合 外国関係会社の区分 20%未満 20%以上かつ 30%未満 30%以上 特定外国関係会社(ペーパーカンパニー等) 特定外国関係会社 以外 対象外国関係会社 「経済活動基準」のいずれかを満たさない。 会社単位の 合算課税 (合算課税なし) 部分対象外国関係会社 「経済活動基準」の全てを満たす。 受動的所得の 合算課税 2. 適用開始時期 今回のタックスヘイブン対策税制の改正は、外国関係会社の2018 年 4 月 1 日以後 に開始する事業年度から適用されます。

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II. 外国関係会社の定義及び区分 このセクションでは、「外国関係会社」及び「特定外国関係会社」の定義並びに「対象 外国関係会社」と「部分対象外国関係会社」を区分するために用いられる「経済活動 基準」の改正内容をご紹介いたします。 1. 外国関係会社 「外国関係会社」の範囲は以下のように見直されました。 改正前 改正後 居住者及び内国法人並びに特殊関係 非居住者による直接及び間接の株式 保有割合等が50%超である外国法人

居住者及び内国法人並びに特殊関 係非居住者及び被支配外国法人に よる直接及び間接の株式保有割合 等が50%超である外国法人

居住者又は内国法人との間に実質 支配関係がある外国法人(被支配 外国法人) (特殊関係非居住者とは、居住者の親族等及び内国法人の役員等をいいます。) 「実質支配関係」とは、原則として、居住者又は内国法人(居住者等)と外国法人との 間に、次に掲げる事実その他これに類する事実が存在する場合における関係をいい ます。

居住者等が外国法人の残余財産のおおむね全部について分配を請求する権利 を有していること。

居住者等が外国法人の財産の処分の方針のおおむね全部を決定することがで きる旨の契約その他の取決めが存在すること(上記に掲げる事実が存在する場 合を除く。)。 また、間接保有割合は、改正前は掛け算方式により算定されていましたが、改正に より、内国法人等との間に 50%超の株式保有を通じた連鎖関係がある外国法人が 有する、判定対象の外国法人の株式保有割合等により算定されることになりました。 (例) 内国法人 A 外国法人 B X% 内国法人A による外国法人 C の間接保有割合 改正前: X% x Y% 改正後: Y%(X%が 50%超の場合) 0%(X%が 50%以下の場合) 外国法人 C Y%

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2. 特定外国関係会社 「特定外国関係会社」とはこの改正で導入された新しい概念で、以下の 3 つの外国 関係会社が該当することになります。 (1)ペーパーカンパニー 「ペーパーカンパニー」とは、以下のいずれにも該当しない外国関係会社をいいます。 (i) 実体基準 主たる事業を行うに必要と認められる事務所、店舗、工場そ の他の固定施設を有していること。 (ii) 管理支配基準 本店所在地国において、事業の管理、支配及び運営を自ら 行っていること。 なお、国税当局の職員が内国法人に、その外国関係会社が上記の要件を満たすこ とを証明する書類の提出等を求めた場合において、期限までにその提出等がないと きは、その外国関係会社は上記の要件を満たさないものと推定されることになります。 (2)キャッシュボックス 「キャッシュボックス」とは、以下のいずれにも該当する外国関係会社をいいます。 (i) 受動的所得 基準 受動的所得(IV. 1.)における(1)~(10) に相当する金額の合計額 > 30% 総資産の帳簿価額 (ii) 資産基準 有価証券、貸付金、貸付け用の有形固定資産 及び無形資産等の帳簿価額の合計額 > 50% 総資産の帳簿価額 特定外国関係会社に該当しないものとした場合に外国金融子会社等に該当すること となる外国関係会社の(i)受動的所得基準については、分子を「受動的所得(V. 2.) における(1)に相当する金額と(2)~(4)に相当する金額の合計額のうち、いずれか 多い金額」として判定します。 (3)ブラックリストカンパニー 「ブラックリストカンパニー」とは、租税に関する情報の交換に関する国際的な取組へ の協力が著しく不十分な国・地域として財務大臣が指定する国・地域に本店又は主 たる事務所を有する外国関係会社をいいます。 OECD は 2016 年 7 月に公表した判定基準に基づき、2017 年 7 月、トリニダード・ト バゴを「税の透明性に関する非協力的地域」に該当するとした報告書を公表しており、 同国が財務大臣により租税に関する情報の交換に関する国際的な取組への協力が 著しく不十分な国・地域として指定されるものと考えられます。

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3. 経済活動基準 「経済活動基準」は改正前の「適用除外基準」に相当するもので、外国関係会社に経 済実体があるか否かを判定する 4 つの基準です。タックスヘイブン対策税制の全体 像(I.1)で述べましたように、「特定外国関係会社」以外の外国関係会社は、「経済活 動基準」の全てを満たす場合には「部分対象外国関係会社」に、「経済活動基準」の いずれかを満たさない場合には「対象外国関係会社」に区分されることになります。 (1) 事業基準 主たる事業が以下のものでないこと。

株式等又は債券の保有

無形資産等の提供

船舶又は航空機の貸付け  事業持株会社の特例(従前どおり)  航空機リース会社の特例(新設) (2) 実体基準 本店所在地国において、主たる事業を行うに必要と認 められる事務所、店舗、工場その他の固定施設を有し ていること。  事業持株会社の特例(従前どおり)  保険会社の特例(拡充) (3) 管理支配基準 本店所在地国において、事業の管理、支配及び運営を 自ら行っていること。  保険会社の特例(拡充) (4) A. 非関連者基準 主たる事業における取引の 50%超が非関連者とのも のであること。 (主たる事業が、卸売業、銀行業、信託業、金融商品取 引業、保険業、水運業、航空運送業又は航空機リース 業である場合に適用)  物流統括会社の特例(従前どおり)  適用事業に航空機リース業の追加 B. 所在地国基準 主たる事業を主として本店所在地国で行っていること。 (主たる事業が、非関連者基準が適用される事業以外 である場合に適用)  来料加工等を行う会社の特例 (新設) なお、国税当局の職員が内国法人に、その外国関係会社が経済活動基準を満たす ことを証明する書類の提出等を求めた場合において、期限までにその提出等がない ときは、その外国関係会社は経済活動基準を満たさないものと推定されることになり ます。

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4. 特例 1)航空機リース会社の特例 外国関係会社の主たる事業が航空機リース事業である場合には、これまで、事業基 準を満たすことはありませんでしたが、改正により、以下の3 つの要件を満たす場合 には事業基準を満たすことができるようになりました。 (i) 業務従事基準 外国関係会社の役員又は使用人が本店所在地国において 航空機の貸付けを的確に遂行するために通常必要と認められる業務の全てに従事していること。 (ii) 業務委託費 vs. 人件費基準 航空機の貸付けに係る業務の委託に係る対価の支払額の合計額 ≦ 30% 航空機の貸付けに係る業務に従事する役員及び使用人に係る人件費の額の合計額 (ii) 人件費 vs. リース収益割合 基準 航空機の貸付けに係る業務に従事する役員及び使用人に係る人件費の額の合計額 > 5% 航空機の貸付けによる 収入金額 - 貸付けの用に供する航空機に係る 償却費の合計額 また、これまで、航空機リースを主たる事業とする外国関係会社には所在地国基準 が適用されていましたが、改正により、航空機リースを主たる事業とする外国関係会 社には非関連者基準が適用されることとなったことから、航空機の貸付けによる収入 金額の 50%超を非関連者から収入する場合には、この基準を満たすことができるよ うになりました。 (2)来料加工等を行う会社の特例 主たる事業が製造業である外国関係会社については、所在地国基準が適用されて おり、主として本店所在地国において製品の製造を行っている場合にこの基準を満 たすこととなります。 2017 年度改正では、この「製品の製造を行っている場合」に「製造における重要な業 務を通じて製造に主体的に関与していると認められる場合」が含まれることされまし た。これにより、来料加工等のように、外国関係会社の本店所在地国以外の国にお いて製品の製造が行われる場合であっても、外国関係会社が本店所在地国におい て製造における重要な業務を通じて製造に主体的に関与していると認められるとき は、所在地国基準を満たすことができるようになります。 (3)保険会社の特例 同一の内国法人によって直接又は間接に 100%保有されており、かつ、同一の国に おいて保険関連業務を一体として行うような2 つの外国関係会社(ロイズ市場におけ る保険引受会社と管理運営会社等)については、ペーパーカンパニーの判定(実体 基準・管理支配基準)及び経済活動基準(実体基準・管理支配基準・非関連者基準) において、一方が基準を満たす場合には、他方もその基準を満たすこととする等の 特例が設けられています。

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III. 会社単位の合算課税 特定外国関係会社及び対象外国関係会社の合算課税の対象となる「適用対象金額」 は、以下のように計算されます。 各事業年度の 決算に基づく所得

日本の法令又は本店所在地国の法令に準拠して調整子会社からの受取配当等を控除

他の外国関係会社からの一定の受取配当等を控除 基準所得金額

前7 年以内の繰越欠損金額を控除

法人所得税を控除 適用対象金額 1. 子会社からの受取配当等 上記で示したように、外国関係会社が子会社から受ける配当等は、原則として、適用 対象金額の計算プロセスにおいて控除されます。この子会社とは、外国関係会社が その持分の 25%以上を 6 ヵ月以上保有する法人とされていますが、資源投資会社 からの配当については、持株割合要件が10%に緩和されることとされました。 資源投資会社とは、以下の要件を満たす子会社をいいます。

主たる事業が化石燃料(原油、石油ガス、可燃性天然ガス又は石炭)を採取する 事業(自ら採取した化石燃料に密接に関連する事業を含む。)であること。

租税条約の締約国(日本以外)内に化石燃料を採取する場所を有していること。 2. 前 7 年以内に開始した事業年度の繰越欠損金額 適用対象金額の計算プロセスにおいて控除される「前7 年以内に開始した事業年度 の繰越欠損金額」の範囲が見直され、原則として、会社単位の合算課税が適用され る事業年度に生じた欠損金額に限られるものとされることになりました。 3. 適用除外基準 特定外国関係会社の租税負担割合が30%以上である事業年度又は対象外国関係 会社の租税負担割合が 20%以上である事業年度においては、会社単位の合算課 税は免除されることになります。

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IV. 受動的所得の合算課税(外国金融子会社等以外) 1. 受動的所得 部分対象外国関係会社の合算課税の対象となる所得は、以下の受動的所得です。 受動的所得の種類 除外されるもの 所得の金額の計算上 控除される費用等 (1) 配当 持分の25%以上(資源投資会社は 10%以上)を 6 ヵ月 以上保有する子会社から受ける配当等

直接費用

負債利子 (2) 利子

預貯金の利子(業務の通常の過程で生ずるもの)

割賦販売等の利子

貸金業の利子

グループファイナンス会社が受け取る利子

グループファイナンス会社又は外国金融子会社等か ら受け取る利子

直接費用 (3) 有価証券の貸付けによる対価

直接費用 (4) 有価証券の譲渡損益 持分の25%以上を保有する法人の株式等に係るもの

譲渡原価

直接費用 (5) デリバティブ取引に係る損益

ヘッジ取引として行った一定のデリバティブ取引に係 るもの

一定の商品先物取引業者等が行う一定の商品先物 取引に係るもの

その他一定のデリバティブ取引に係るもの (6) 外国為替差損益 事業(外国為替の売買相場の変動に伴って生ずる利益 を得ることを目的とする投機的な取引を行う事業を除 く。)に係る業務の通常の過程において生ずるもの (7) (1)から(6)までに掲げる所得 を生じさせる資産から生ずるこ れらの所得に類する所得 ヘッジ取引として行った一定の取引に係るもの (8) 有形固定資産の貸付けによる 対価

主として本店所在地国において使用に供される有形 固定資産(不動産等を除く。)の貸付けによる対価

本店所在地国にある不動産等の貸付けによる対価

4 つの要件(*1を満たす有形固定資産の貸付けによ る対価

直接費用(償却費を 含む。) (9) 無形資産等の使用料

自己開発した無形資産等に係るもの

相当の対価を支払って取得し、又は使用許諾を得た うえで一定の事業の用に供している無形資産等に係 るもの

直接費用(償却費を 含む。) (10) 無形資産等の譲渡損益

自己開発した無形資産等に係るもの

相当の対価を支払って取得したうえで一定の事業の 用に供している無形資産等に係るもの

譲渡原価

直接費用 (11) 異常所得(*2) (*14 つの要件とは、航空機リース会社の特例(II. 4.(1))で述べた 3 要件と同様の もの(「航空機」を「有形固定資産」へ置換え要。)及び経済活動基準(II. 3.)の実 体基準と同様のもの(「主たる事業」を「有形固定資産の貸付け」へ置換え要。)で す。

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*2異常所得とは、以下の算式で計算される所得をいいます。 異常所得 = (a)-(b) x 50% (a): 各事業年度の決算に基づく所得の金額 (上記の(1)から(10)の金額(「除外されるもの」を除かず、かつ、譲渡原価 以外の費用を控除せずに計算した金額)がないものとして算出した金額) (b): 総資産の帳簿価額 + 人件費 + 減価償却累計額 《参考》 改正前の資産性所得の範囲は以下のとおりですので、今回の改正により部分合算 課税の対象となる所得の範囲は大幅に拡大されることになります。 資産性所得の種類 除外されるもの 所得の金額の計算上 控除される費用等 (1) 配当 持分の10%以上を保有する法人から受ける配当等

直接費用

負債利子 (2) 債券の利子

直接費用

負債利子 (3) 債券の償還差益

直接費用

負債利子 (4) 株式の市場における譲渡等か ら生ずる譲渡益 持分の10%以上を保有する法人の株式等に係るもの

譲渡原価

直接費用 (5) 債券の市場における譲渡等か ら生ずる譲渡益

譲渡原価

直接費用 (6) 特許権等の使用料

自己開発した特許権等に係るもの

対価を支払って取得し、又は使用許諾を得たうえで 一定の事業の用に供している特許権等に係るもの

直接費用(償却費を 含む。) (7) 船舶・航空機の貸付けの対価

直接費用(償却費を 含む。) (1)から(5)については、特定外国子会社等が行う事業(適用除外基準の事業基準 に掲げられた事業を除く。)の性質上、重要で欠くことのできない業務から生じたもの は除かれます。

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2. 部分適用対象金額 部分対象外国関係会社の合算課税の対象となる「部分適用対象金額」は、以下のよ うに計算されます。 部分適用対象金額 = (A)+(B) (A):受動的所得のうち(1)(2)(3)(8)(9)(11)の合計額 (B):受動的所得のうち(4)(5)(6)(7)(10)の合計額 (合計額がマイナスの場合には、零とされます。ただし、そのマイナスの金額は、 原則として、7 年間繰り越され、その部分対象外国関係会社の(B)の金額の計 算上控除することができます。) 3. 適用除外基準 部分対象外国関係会社が以下のいずれかの基準を満たす場合には、その事業年度 においては、受動的所得の合算課税は免除されることになります。 (i) 租税負担割合 ≧ 20% (ii) 部分適用対象金額 ≦ 2,000 万円 (iii) 部分適用対象金額 ≦ 5% 決算に基づく(税引前)所得の金額 上記のうち、(i)は新設された基準であり、(iii)は改正前と同じ基準です。また、(ii)は、 改正前に「部分適用対象金額に係る収入金額の合計額 ≦ 1,000 万円」とされてい た基準ですが、今回上記のように緩和されています。

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V. 受動的所得の合算課税(外国金融子会社等) 1. 外国金融子会社等 (i)又は(ii)に該当する部分対象外国関係会社が「外国金融子会社等」とされ、合算 課税の対象となる受動的所得の範囲等について、外国金融子会社等以外の部分対 象外国関係会社とは異なる規定が設けられています。 (i) 外国金融機関 以下の要件を満たす部分対象外国関係会社

本店所在地国の法令に準拠して、銀行業、金融商品取引業又は保険業を行っている こと。

本店所在地国において役員又は使用人がこれらの事業を的確に遂行するために通常 必要と認められる業務の全てに従事していること。 (ii) 外国金融持株会社等 本店所在地国の法令に準拠して専ら外国金融機関及び他の外国金融持株会社等の経 営管理等を行っていること等一定の要件を満たす部分対象外国関係会社 2. 受動的所得(外国金融子会社等) 外国金融子会社等の受動的所得の範囲は、以下のとおりです。 受動的所得の種類 備考 (1) 異常な水準の資本に係る 所得 外国金融子会社等(一の内国法人に直接又は間 接に発行済株式等の全部を保有されている等の 要件を満たすもの)の異常な水準の資本に係る 所得の金額 (2) 有形固定資産の貸付けに よる対価 部分対象外国関係会社(外国金融子会社等以 外)の受動的所得(IV. 1.)の(8)に相当 (3) 無形資産等の使用料 部分対象外国関係会社(外国金融子会社等以 外)の受動的所得(IV. 1.)の(9)に相当 (4) 無形資産等の譲渡損益 部分対象外国関係会社(外国金融子会社等以 外)の受動的所得(IV. 1.)の(10)に相当 (5) 異常所得 部分対象外国関係会社(外国金融子会社等以 外)の受動的所得(IV. 1.)の(11)に相当 3. 部分適用対象金額(外国金融子会社等) 外国金融子会社等の合算課税の対象となる「金融子会社等部分適用対象金額」は、 以下のように計算されます。 金融子会社等部分適用対象金額 = (A)又は(B)のうちいずれか多い金額 (A):受動的所得のうち(1)の金額 (B):受動的所得のうち(2)(3)(4)(5)の合計額 ((4)の金額がマイナスの場合には、零とされます。ただし、そのマイナスの金 額は、原則として、7 年間繰り越され、その外国金融子会社等の(4)の金額の 計算上控除することができます。) 4. 適用除外基準(外国金融子会社等) 外国金融子会社等についても、部分対象外国関係会社(外国金融子会社等以外)の 受動的所得の適用除外基準(IV. 3.)と同様の規定が適用されます。

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VI. 納税義務者及び課税対象金額・部分課税対象金額 「実質支配関係」の概念が導入されたことに伴い、「納税義務者」(外国関係会社の 所得を合算して申告する内国法人)の範囲及び「課税対象金額」・「部分課税対象金 額」の算出方法が以下のように見直されました。 1. 納税義務者 改正前 改正後 (i) 外国関係会社を直接及び間接に 10%以上保有する内国法人 (ii) 外国関係会社を直接及び間接に 10%以上保有する同族株主グル ープに属する内国法人 (i) 外国関係会社を直接及び間接に 10%以上保有する内国法人 (ii) 外国関係会社を直接及び間接に 10%以上保有する同族株主グル ープに属する内国法人 (iii) 外国関係会社との間に実質支配 関係がある内国法人 (iv) 内国法人との間に実質支配関係 がある外国関係会社(被支配外国 法人)の他の外国関係会社に係る 直接及び間接の保有割合が 10% 以上である場合のその内国法人 2. 課税対象金額・部分課税対象金額 「課税対象金額」・「部分課税対象金額」(各納税義務者の課税所得に合算される金 額)は、それぞれ、適用対象金額(III.)・部分適用対象金額(IV. 2.)に、各納税義務者 の以下に掲げる保有割合を乗じて算定することになります。 納税義務者(改正後) 保有割合 (i) 外国関係会社を直接及び間接に 10%以上保有する内国法人 (ii) 外国関係会社を直接及び間接に 10%以上保有する同族株主グル ープに属する内国法人 内国法人が 直接及び間接に保有する割合 (iii) 外国関係会社との間に実質支配 関係がある内国法人 100% (iv) 外国関係会社を直接及び間接に 10%以上保有する被支配外国法 人との間に実質支配関係がある 内国法人 被支配外国法人が 直接及び間接に保有する割合 なお、間接保有割合は、原則として、改正前と同様に掛け算方式で算出します。

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VII. その他の改正点 1. 財務諸表等の添付 以下に掲げる外国関係会社の納税義務者とされる内国法人は、その外国関係会社 の財務諸表等を確定申告書に添付することが求められます。 租税負担割合 特定外国関係会社 該当 該当しない 30%以上 不要 不要 20%以上 30%未満 必要(*不要 20%未満 必要 必要 (* 改正により新たに財務諸表等の添付が必要とされることとなった範囲です。 2. 租税負担割合 外国関係会社の租税負担割合は、以下のように計算されます。 本店所在地国において 課される外国法人税 + 本店所在地国以外において 課される外国法人税 本店所在地国の 法令に基づく所得 + 本店所在地国の法令で 非課税とされる所得 + 損金算入支払配当 損金算入外国法人税 + 損金不算入の 保険準備金等 - 還付外国 法人税 今回の改正により、分子の計算上加算されることとされていた「みなし納付外国法人 税」(内国法人が間接外国税額控除の適用を受けるとした場合に、租税条約の規定 により外国関係会社が納付したものとみなされるもの)が、削除されました。 VIII. 今後の検討課題 今回のタックスヘイブン対策税制の改正の適用が開始されるまでに内国法人が検討 すべき項目としては、以下のポイント等が考えられます。

「実質支配関係」の概念導入により、新たに外国関係会社とされる外国法人がな いか。

租税負担割合が20%以上かつ 30%未満である外国関係会社のうち、特定外国 関係会社に該当する法人がないか。

新たに設けられた航空機リース会社の特例・来料加工等の特例等を適用するた めの要件を該当法人が満たしているか。

部分対象外国関係会社の所得について、新たに受動的所得とされることとなるも のはないか。

ペーパーカンパニーに該当しないための要件及び経済活動基準の要件を満たす ことを証明する書類を準備できるか。 具体的な適用関係について必ずしも明らかでないところがありますが、今後、改正に 対応した通達等の公表により明確化が図られることが期待されます。

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