人材調整準備本部(第1回) 議事録
(開催要領) 1 開催日時:2009 年6月 3 日(水)17:30~18:10 2 場所:総理大臣官邸3階南会議室 3 出席者: 〔本部長〕内閣府特命担当大臣(地方分権改革) 鳩山 夫 〔構成員〕内閣官房副長官(政務) 松本 純 内閣官房副長官(政務) 浅野 勝人 内閣官房副長官(事務) 漆間 巌 内閣府副大臣 宮澤 洋一 総務副大臣 倉田 雅年 厚生労働副大臣 渡辺 孝男 農林水産副大臣 石田 祝稔 経済産業副大臣 川 貴盛 国土交通副大臣 金子 恭之 環境副大臣 吉野 正芳 埼玉県知事 上田 清司 京都府知事 山田 啓二 兵庫県神戸市長 矢田 立郎 (代理:兵庫県神戸市副市長 梶本 日出夫) 岡山県新見市長 石垣 正夫 北海道乙部町長 寺島 光一郎 〔事務局〕内閣官房副長官補 福田 進 内閣府地方分権改革推進室長 小髙 章 内閣府地方分権改革推進室次長 金澤 和夫 内閣府地方分権改革推進室次長 枝廣 直幹 (議事次第) 1 開会・挨拶 2 議事 ・人材調整準備本部の運営について ・人材調整の主な課題について ・検討の進め方について 3 閉会 ○開会 (宮澤内閣府副大臣) ただ今から、人材調整準備本部の第1回会合を開催いたします。本日はお忙しい中、御参集を頂き、誠にありがとうございます。 内閣府副大臣の宮澤です。鳩山本部長から事前に御指名を頂き、本日の会議の進行を 務めさせていただきます。 さて、政府の地方分権改革推進本部では、去る3月 24 日に、国の地方支分部局、いわ ゆる出先機関について、今後おおむね3年間の改革の工程表を決定したところです。こ の人材調整準備本部は、同工程表に基づき、出先機関の事務・権限の見直しに伴う地方 公共団体への人員の移管等の仕組みについて、地方公共団体の協力を得つつ検討を行う ために、内閣総理大臣の決定により設けられたものです。 はじめに、この本部の本部長である鳩山特命担当大臣(地方分権改革)から、ごあい さつを頂きたいと思います。 ○鳩山特命担当大臣(地方分権改革)あいさつ (鳩山特命担当大臣) 本日は、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。 先ほど、宮澤副大臣からもお話のあったとおり、政府では、地方分権改革推進委員会 の第2次勧告を踏まえ、本年3月に「出先機関改革に係る工程表」を策定したところで す。この工程表では、今後、おおむね3年間のうちに出先機関改革を実現していくとい う方針と、そのための主な工程・スケジュールを定めています。 丹羽宇一郎委員長から麻生総理に第2次勧告が手渡された際、私はその場面に同席し ておりました。そのときにお2人で話しておられたこととして、人間の移動、人材の移 管というのは、まとめて何十人ぽんという話ではすまない。人間を移すというのは、一 人ずつ大変丁寧に、丁寧にやらなければいけないということを話しておられたことが印 象に残っております。それがこの人材調整準備本部の元となっております。 この本部は、工程表に基づき、国から地方への人員の移管等の仕組みづくりのため、 去る4月 16 日に政府の地方分権改革推進本部の本部長である総理の決定により、地方 分権改革の担当大臣である私を本部長として設置されたものです。人員の移管等は、国 の定員削減のために行うものではなく、事務・権限を地方公共団体に移譲する際に、そ れに伴い求められる技術や専門性を備えた人材を確保するために行うものであって、地 方分権改革を進める上で極めて重要な課題です。総理からも、「人材の移管等は、丁寧 に進めていく必要がある」との御発言も頂いており、この本部の果たす役割は大きいと 考えております。 なお、先般、総理から、新たな定員合理化計画を策定するよう御指示を頂いたところ ですが、出先機関改革に伴う地方への人員移管等に際しても、スリム化を徹底すること が前提となると考えております。この新たな定員合理化計画は純減ではなく、削減分だ けですが、これは5年 10%ということです。とりあえず 22 年度は2%ということにし まして、あとはこの問題の進行具合によって調整があるということになります。 国から地方への人員の移管等を円滑に行うための仕組みづくりは、国だけではなく、 地方公共団体の皆様のお知恵と御協力がなければ、成し得ません。国、地方が力を合わ せ、互いに理解を深めながら進めていきたいと考えておりますので、良い仕組み作りが できますよう、皆様方の格段の御協力をお願いして、冒頭のあいさつとさせていただき ます。ありがとうございました。
(宮澤内閣府副大臣) ありがとうございました。 ここで、報道関係者が退室されますので、少々お待ち下さい。 【報道関係者退室】 (宮澤内閣府副大臣) それでは、議事に入ります。本日は、「人材調整準備本部の運営に ついて」、「人材調整の主な課題について」、「検討の進め方について」が議題となってい ます。意見交換は一括して行うこととし、まず事務局から資料を説明してください。 (小髙内閣府地方分権改革推進室長) 内閣府地方分権改革推進室長の小髙でございます。 お手元の資料1から資料5まで一括して説明させていただきます。なお、参考1から参 考5まで、資料をつけておりますので適宜御参照を頂ければありがたいと思います。そ れから埼玉県、京都府及び新見市から資料が提出されていますことを併せて申し添えた いと思います。 それでは、資料1から順次説明させていただきます。 資料1は、人材調整準備本部の構成員名簿です。鳩山内閣府特命担当大臣(地方分権 改革)を本部長とし、本部員は、政務及び事務の内閣官房副長官、関係府省の副大臣の ほか、全国知事会、全国市長会及び全国町村会からそれぞれ御推薦を頂いた、上田埼玉 県知事、山田京都府知事、矢田神戸市長、石垣新見市長、寺島北海道乙部町長の皆様と なります。なお、本日は矢田神戸市長に代わりまして梶本副市長が御出席です。 引き続きまして資料2です。資料2は、当本部の公開等に関するものです。配布資料 及び議事録については、原則として公開したいと考えております。なお、本部会合自体 は、冒頭の頭撮りを除き、非公開で行いたいと考えておりますので、よろしくお願いし ます。 資料3は、本部設置の経緯、役割等を示したものです。先ほど、鳩山大臣、宮澤副大 臣からもお話のあったとおり、去る3月 24 日に政府の地方分権改革推進本部において 「出先機関改革の工程表」を策定したところです。その中で、116 項目にわたる出先機 関の事務・権限の見直しをし、地方公共団体への移譲などを行うこととしています。事 務・権限を移譲する際には、技術・専門性を備えた人材、そして必要な財源を地方公共 団体に確保することが必要です。当本部は、第2次勧告を提出した際の総理からの御指 摘も受けて、人員の移管等の仕組みについて、地方公共団体の協力を得つつ検討するた めに設けられたものです。 引き続きまして資料4です。資料4は、人員の移管等の仕組みの検討に際して、現段 階において議論する必要があると思われる主な課題を列挙したものです。 まず、今回の人員の移管に際して、どのように国から地方公共団体へと移管させてい くのかといった「基本的枠組み」に関する課題が1番です。移管される職員の給与をど のように取り扱うかという「給与の扱い」と、あわせて「退職手当の扱い」に関する課 題が2番、3番です。移管される職員の共済の適用をどのように扱うのかといった「共 済の扱い」に関する課題が4番目です。また、職員の技術水準を全国的に維持するため にはどうすれば良いかといった「技術水準・全国統一性確保のための措置」に関する課 題が5番目です。最後に、実際に人員の移管を行うための総合的な調整体制をどうする
かといった「円滑な移管のための体制」に関する課題が6番目です。 この資料では、現段階で想定される主な課題を列挙しているところですけれども、今 後、当本部、あるいはその下に置かれている幹事会、さらにその下に置かれている実務 者レベルでの検討を踏まえつつ、適宜、加筆・修正をしながら、整理を進めていきたい と考えています。 最後に資料5です。今後のスケジュール、検討の進め方を示したものです。本日の本 部会合後は、まず、「実態把握」として、人員の移管等を伴うこととなる事務・権限の 内容について、地方公共団体側の皆様に詳細に把握していただき、人員の移管等の前提 となる業務量の規模についての知見を共有していきたいと考えています。次に、そうし た実態も踏まえつつ、「共通的な仕組み」について、資料4で示した課題例や本日の御 議論も踏まえた課題の検討を順次進め、方向性を得たいと考えています。最後に、「個 別事業対応」として、個別の事務・権限によっては、共通的な仕組みではとらえ切れな い課題がある場合があると思いますので、それに対応していくことを考えています。 以上についての具体的な検討は、関係する府省及び地方公共団体の課長等により設け た「実務検討会」で丁寧に行っていく予定です。その間にも、必要に応じて、適宜、幹 事会、本部を開催することとしています。 こうした検討を行った後、改革大綱の策定前に最終の本部会合を開催し、年内に策定 する改革大綱に盛り込むという段取りにしたいと考えております。 簡単ではございますが、資料の説明は、以上です。 (宮澤内閣府副大臣) ただ今の説明に対し、御意見を伺いたいと思います。時間も限ら れていますので、恐縮ですが、御発言は、お一人、二分程度でお願いしたいと思います。 それでは、まず、上田埼玉県知事からお願いします。 (上田埼玉県知事) まず、冒頭に申し上げたいことがございます。 地方分権改革については、政府で決めた要綱や工程表がないわけではないのですが、 具体的な内容が出ていないということに、私たちとしては、若干の停滞感といいましょ うか、不満があります。また、今日も会議時間が 30 分で、意見交換の場での我々の発 言時間が各2分しかないということにも不満があります。埼玉県では、こういう意見交 換の場で2分しか発言時間がないようなセットをした役人は、2度と出世できないよう になっています。ただ、国と地方の役割分担の協議の場をこうして人材調整準備本部と して設けていただいたことには、大変感謝を申し上げたいと思いますし、鳩山大臣のリ ーダーシップに大変期待をしております。 私は、この本部会合では、先ほどの資料4の1番の基本的枠組みをきっちり議論する ことが第一であり、2番以下については幹事会とか実務検討会でよいのではないかと思 っています。そういう意味でまず基本的な考え方です。 地方は人員削減についてかなり努力しているということをまず申し上げたいと思いま す。国はこの5年間で9千人、2.6%の削減ですが、地方は 11 万人、10.1%を削減して います。地方は平均値です。一般的に言えば、市町村レベルほど、より削減をしていま す。そういう実情があります。そういうことも考えて、国の方ではあまりやっていない ということを、まず申し上げたいと思っています。埼玉県では、例えば県民1万人に対 して現在の職員数が 12.8 人です。全国平均が 24.6 人ですので、その1/2くらいで仕
事をしています。どこもここも人員を削減しながら仕事をしている経過がありますので、 人員の移管については、現在国で従事している職員のレベルで考えられたら困る。例え ば国が 100 人で仕事をしている部分を、埼玉県では仮に 50 人でしているとすると、や はり 50 人分の受入れになるという論点になってくると思います。基本的には、受入れ について地方が主体的にできるよう、私達が意見をきちっと述べて、そしてそれについ て理解をしていただく仕組みが必要ではないかと考えています。 二点目のどのような人材を国から受け入れるのかということであれば、当然、県とし ても、例えばヤミ専従であるとかタクシー券の問題を起こした人たちを地方に放たれた らたまらない。感染してしまう。感染してうつるような弱さでは困るが、そういう方々 は基本的に困ります。旧国鉄職員の受入れなどをした経験も持っていますので、事務レ ベル的にはいろいろな話合いもできると思っておりますけれども、基本的には、こうい う方であれば、と地方が受け入れることができるようにしてもらいたい。先ほどのお話 でも、人は人ですから一人ひとり丁寧にということを総理と丹羽委員長とでお話があっ たと聞いています。そういう意味で、地方も人員についても有能な人材を確保するとい うことであって、仮にも国の定数削減の道具に地方がなることがあってはならないと思 っています。 もとより財源と権限もセットであり、人だけを受け入れるという話ではないと思って います。特に二点です。人員の移管に際しては、国で従事しているメンバーがその仕事 だったらそのまま地方に来ますよということにはなりませんよということが1点目で す。その分だけ地方は削減してやっているということですので、国はそこまでやってい ないじゃないですかという議論です。それから人材に関してはやはり地方に必要な方を しっかり受け入れさせていただくという考え方が2点目です。こうした枠組みについて 御理解を賜りたいと思っています。以上です。 (鳩山特命担当大臣) こういう実態であるのに、いまだに予算委員会等の答弁等でも、 地方はプライマリーバランスが黒字化しているのはまだ余裕があるのだという答弁が 出てくるので、それは違いますと、地方は血のにじむような骨まで切るような行政改革 をやったからそうなっているのだということを、私は説明しています。このことはもっ と国民にも理解を頂けたらいいなと私は思っています。 それから上田知事がお話になった中で、まったくおっしゃるとおりですが、事務・権 限が移るから人が移るのであって、その人が移る分は、国家公務員の定員合理化計画で はノーカウントにするつもりです。だから地方に移して国の定員をごまかすことはしな いつもりです。 (上田埼玉県知事) これまで5年間で2%だったものを、来年度、平成 22 年度の1年間 でやられるということですか。 (鳩山特命担当大臣) 純減について言えば、平成 22 年度までの5年間で 5.7%までは行 きます。それは行かせます。 (上田埼玉県知事) 先ほどの平成 22 年度だけで2%という話は純減のお話ですか。 (鳩山特命担当大臣) いえ、それは純減ではなく、定員合理化計画の話です。 (宮澤内閣府副大臣) 純減の話は、平成 22 年度までに 5.7%を減らして、その後どうし ていこうかという話になります。
それでは、続きまして山田京都府知事からお願いします。 (山田京都府知事) 今日は、発言の機会を頂きありがとうございます。また鳩山大臣に は、直轄負担金問題等で非常に寄与していただき、積極的に発言を頂いておりますし、 地方分権改革にもこうして熱心にお取組みを頂き、感謝いたしたいと思っております。 私からも、重なる部分はありますが、申し上げたいと思います。まず、一点目につき まして、人員移管等の全体像を示していただきたい。我々、これから食べる料理の量が 分からないまま、一皿目でどれだけ食べてしまうのだろうか、これからどれだけ出てく るのか分からないままで行きますと、後でそれこそ消化不良を起こしてしまっては困り ます。やはり全体像が示されてこないと、なかなか具体的な話には入れないという気が します。また、それがフランス料理かイタリア料理か中華料理かが分からないときに、 フォークで食べるのかナイフで食べるのかお箸で食べるのかと言われても難しい点が あります。できる限り全体像をお示しいただきたいというのが、一点です。 それから、特に鳩山大臣に申し上げたいのは、どうも国家公務員と地方公務員の間で この定数の問題がダブルスタンダードになっているのではないか。さっき申しましたよ うに地方公務員の 10%に対して国家公務員がまったく削減されていないというのが、ダ ブルスタンダードの一つです。それから私どもから提出した資料にもあるのですけれど も、地方公共団体の、特に都道府県の職員は、70%は警察官と小中学校の先生でして、 これらは法令定数で縛られています。国の場合には、例えば自衛隊等の職種は除かれて います。ところが地方の場合は除かれていない。全くこれもダブルスタンダードになっ ていまして、その結果、実は知事部局に今ものすごくしわ寄せがきています。例えば 10% の削減だとすると、京都府ですと知事部局には大体 14~15%くらいが掛かるかたちにな る。私は漆間副長官がまだ警察庁長官のときに警察官の増員をお願いに参りましたから、 言いにくい点もあるのですけれども、このあたりも職種できちっと国同様に分けていた だきたい。 それからもう一点は、国の場合には、純減かどうかというのが、ちょっと曖昧なまま 出てまいります。私どもは否応なく交付税を減らされて純減一辺倒でくるわけです。今 年も交付税を減らされて2万4千人のカットというのは、交付税措置の中に盛り込まれ ているわけですので、このあたりからすると正直言ってダブルスタンダードになってい るのではないか。国家公務員の定数管理をされる総務大臣であり、地方公務員の定数管 理をされる総務大臣でもありますのでぜひともこのダブルスタンダードは何とかして いただきたいと思います。 それから具体的移管に当たっては、一点目は、移管の前の事務の必要性を検討して徹 底したスリム化を図っていただくという事務見直しの徹底を原則としていただきたい。 それから、二点目は、その上で民営化が良いのか、本省でやった方が良いのか、それと も地方公共団体がやった方が良いのかという、実施主体の適性についての議論について もやっていただきたい。それから三点目として、その中で私たちはやはり意欲を持った 職員を受け入れたい。当該職種分野だけではなく、国鉄の改革のときに受け入れた多く の職員が、今や幹部候補生として働いている現状がありますので、ぜひ意欲を持った方 を迎え入れたい。ということで、これから、地方支分部局の人たちについてもできるだ け人材を確保していただきたい。四点目は財源措置の問題です。今、実は、道路と河川
の権限移譲が正直言ってストップしています。ちょっと石田副大臣の前では言いにくい のですけれども、高知県で道路の移管がなされたのですけれども、財源措置がなされな かったのです。このケースはちょっと特殊なケースでして、国道として移管されたので はなく、県道として移管されたということがあるのですけれども、ただ対象路線でした ので、その点について財源措置を今もう一度明確にしていただきたいと求めています。 (鳩山特命担当大臣) それは直轄国道が県道になったものですか。 (山田京都府知事) そうです。ですからこういったところについてやっぱり財源措置の 問題というのは、早めに明確化していただかないと止まってしまう。こうした大きな枠 組みをこの場で議論させていただきたいなと思っております。形式的な議論に終わらな いようにお願いをしたいということを申し上げたいと思います。以上です。 (宮澤内閣府副大臣) ありがとうございました。それでは、続きまして梶本神戸市副市 長からお願いします。 (梶本神戸市副市長) ぜひお願いしたいのは、今 116 の事務・権限の見直しが挙げられ ていますけれども、権限の地方への移譲あるいは人員の地方への移管を円滑に進める上 で、具体的な中身について徹底して示していただきたい。それによって国と地方の間で 十分な検討の期間を確保し、できる限り双方の合意に基づいてやらせていただきたいと 思っています。移管に当たって一人ひとりの職員を丁寧に進めていくのだと、先ほど始 めの話にありました。まったくそのとおりだと思います。その趣旨から、ぜひ具体的な 協議・検討をお願いしたいと思っています。 政令指定都市としての関連で申し上げますと、既に各政令市では、国以上の大幅な職 員定数の見直しを行ってきたところです。ちなみに申し上げますと、平成 16 年から 19 年の3か年において、政令都市の全体では3か年で約 6.7%の実質的な定員削減をやっ ています。それに対して国の方では、3か年で 1.3%というわけです。この中で国では 独法化とか公社化などをカウントしていますが、地方では純粋の定数減がこれだけある ということです。移管について検討するに当たって、議会ないし市民に説明する上でも、 徹底した削減努力を国にしていただきたい。ちなみに神戸市の例で申し上げますと、震 災以降のこの 15 年間の中で 5,200 人の定数削減をしています。平成7年度、震災の直 後には2万 1,700 人いたわけですけれども、今は1万 6,500 人になっています。いわゆ る民間委託等と事務の見直しを徹底してやってきた。これは神戸市だけではありません。 政令市ではこういった実質的な削減努力をしてきたところです。したがいまして、職員 の移管を必要としないことも含めて、協議検討の場でしっかりした議論をやっていただ きたいなぁと思っております。 財源についても、職員の退職手当等を含めて、将来的にも完全に措置をしていただき たいと考えています。また、この4月、5月に政令指定都市市長会で国の出先機関の改 革について意見書を提出させていただいています。この意見に対する国としての見解を ぜひ具体的に示していただきたいというのが、要望でございます。 (宮澤内閣府副大臣) ありがとうございました。続きまして石垣新見市長からお願いし ます。 (石垣新見市長) 鳩山大臣には本当に地方を思っていただきまして、我々非常に感謝い たしております。新見市では資料を皆様に提出していますので、見ていただければと思
います。 国の人員削減について我々が感じたのは、地方に比べてかなり低いという気がすると いうことです。地方は行財政改革集中プランを作成し、これを総務省に提出し、そのプ ランを目標に今でも一生懸命人員削減をしております。また、それ以上に我々は人員削 減しています。国としても、地方への人員調整を図るためには、徹底したスリム化をお 願いしたいと思います。新見市はこの4年間で、これは一般職だけで 15.5%減らしてい ますし、平成 21 年度までに 20%を目指すということで進めているような状況です。こ れは総務省にもお世話になりまして、情報化を進めて市民サービスが下がらないよう努 力しているような状況です。 もう一点ですが、地方が国から人材を受け入れる前には、地方が主体的に選考できる ような仕組みを作っていただきたい。一方的に押し付けられるようなことがないように お願いしたい。よろしくお願いします。 (宮澤内閣府副大臣) ありがとうございました。それでは、寺島乙部町長からお願いし ます。 (寺島乙部町長) 北海道の寺島です。北海道で「かまど」というのは、自分の家の経済 のことですが、特に町村では、交付税が少なくなったら自分の「かまど」を合わせない といけないので、乙部町でも平成 15 年から 19 年までの5年間、人員削減のため、完全 に採用をストップしています。去年から半減採用し、3割まで減らすと、言葉は悪いで すが、いずれ国は交付税を減らしてくるだろうと、それほどやっている最中です。 そういう意味で言えば、ぜひ私は、鳩山大臣には特に一番頼りにしています。地方の 元気は日本の元気ということで非常に頑張っていただきたいと思います。 そうは言っても、国もいずれはやるだろうということで、自民党の当時の政調会長に 「国も我々と一緒になって痛みを苦しもうと、我々だけではなく国もやってくれと。や っていないじゃないか」と言ったら、そのときは黙って聞いておられたのですが、一週 間後に行ったら「国がやっていないというけれども国のほうがやっているんだよ」と財 務省が作った資料を出して来られたのです。そこで、「政調会長、分かりましたけれど も、資料を見せてください。一週間後に反論しますからと、国が我々ほどやっているは ずがないと」。その資料を分析したら、やはり警察官の増と介護の関係で増えているの と、教員の法定定数で増やした分をもって、増えている前の年次をあてがっていまして、 地方が増えているとしている。だから今日の資料に反論してくるとすればおそらく、さ かのぼって国が一番いいときと法定の人数が増えないときの人数を持ってきて、いや国 はやっているのだと言うと思うのです。現実的に国の地方支分部局を見てもそんなに減 っていないです。ですからぜひまずお互いに痛みを分かち合って、信頼できるところま で減らして移管すべきだと思うのです。当然移管するときにはもっと合理化できるわけ ですから、例えば7掛けでいいですねとかなるのだろうと思います。 もう一つは我々が事業をやるときには、直轄事業で国が事業費1億円掛けてやる事業 を、都道府県であればおそらく 8,500 万円くらいでできるだろう、町村だったら7千万 円でできるだろうと、2~3割くらいの事業費が浮くと一般に言われている。ですから、 直轄事業でなくやった方が良い。だから国は人数が多いのだと。特に国の事業をやって いる出先機関は、地方負担金があり、事業費で賄われている職員がいますから、ぜひそ
の辺もきちんと見直した中で、お互いに理解した中で、権限とともに人を渡していただ きたいと思います。それがなければ、地方に来ても結局今までより事業費が高くなるの だったら何の意味もないということになる。おそらく県はそれを心配しているのだと思 います。 権限と財源ですが、減らせるだけ減らして渡してもらいたい。それからその前にやは り地方と同じくらい国においても、もう一度見直して、肉ではなくて骨まで削って、雑 巾が絞れないくらいまでやってほしいと思います。以上です。 (上田埼玉県知事) 消防とか警察だけが増えている。33 年前からそうですが、他は全部 減っているのです。 (鳩山特命担当大臣) 警察と消防は増えているわけですね。 (山田京都府知事) そこは治安の問題もありまして。 (鳩山特命担当大臣) 教員はどうですか。 (上田埼玉県知事) 教員はちょっとだけ増えていますけれども、ほとんど変わっていま せん。 (鳩山特命担当大臣) 職員を増やして、子どもが減って、増と減でちょうどというとこ ろですか。 (山田京都府知事) 私どもの配布資料を見ていただくと、この5年間で京都府では1万 5,600 人が1万 5,763 人になった程度です。 (寺島乙部町長) 介護も何年か前から増えてきていますけれども、市町村もその分を被 ってきている。それも入れて2、3割くらいの削減を、我々はやってきています。それ をみると、我々から見れば国はまだまだ余裕があると思います。 (石垣新見市長) 介護とか、福祉の方がもう少し増えていますでしょうか。一般職はも のすごく減っています。 (宮澤内閣府副大臣) 倉田副大臣から何か御発言がありますか。 (倉田総務副大臣) いろいろとお話を聞かせていただいたところですけれども、出先機 関改革に当たり、国も要らない職員を地方に押し付けるようなことは絶対にあってはい けないと思いますし、財源と権限とを同時に移譲することも考えなければならないと思 います。私はやはり、国と地方公共団体がそれぞれ協力して、最終的にはどちらも納得 するような人材の移動等が行えるようにすることを目指すべきと考えています。公務員 一人ひとりの意思を尊重しながら進めていくべきだろうと思います。 (鳩山特命担当大臣) 総務省で作った資料で、財務省には異論もあるようですが、社会 福祉のうち、県や市町村が単独で行っている事業費がかなりの額あるのですね。これが なければ、国全体の社会保障は成り立っていない。 (山田京都府知事) 地方の方は、特に乳幼児医療ですとか、障害者福祉とか、老人医療 のところをいわばセーフティネットを担っている。ですから国の制度が変わっても、そ れをうまく地方がきちっとフォローしていくことによって、国民の皆さんの不満を抑え ているところがありますので、ぜひとも国・地方を通じたかたちで福祉という全体像を 考えてやっていただきたい。 (鳩山特命担当大臣) 現在、地方単独での社会福祉が 7.9 兆円となっていますが、それ を経済財政諮問会議の方でも、なかなか理解してくれない。
(上田埼玉県知事) 特別養護老人ホームの建設には、かつて厚生労働省が補助金をたく さん出していたのです。ですが、建設費を抜く事件がありまして、厚生労働省が突然補 助金を打ち切ったのです。そうするとしょうがない。特別養護老人ホームがなくなって しまうわけにはいかないので、埼玉県では、1平方メートルあたり 300 万円補助体制を 作ったりするわけです。いきなりそういうカットがされたときでも、社会保障分野につ いては、お金があろうとなかろうと地方はやらなくてはいけない。その後翌々年に医療 金融公庫の方から貸付けが出るようにはなったのですけれども。いずれにしてもそうい った社会福祉的なものに関する国の支出がいきなり削減されたりカットされたりして も、地方の立場では、皆さん我慢してくださいとは言えない。国は少し離れていますが、 我々はできません。 (梶本神戸市副市長) 福祉の関係でも、例えば保育所や高齢者の介護施設の関係でも、 対象人数の増大に合わせて公務員の定数を合わせていたら、いくらでも増えていく。民 間の社会福祉法人の力を借りて、増えてくる人数に対してできるだけ対応している。そ れを定数に反映したら、すごいことになってくると思う。 参考5の資料で、国の定員が約 50 万人減ったと言っていますが、私どもから見ると独 法化や公社化によって減った分を削減という視点で扱うのはおかしい。そういうカウン トではなく、実質的な意味の定数はどうあるべきかという議論をしっかりやっていただ きたい。 (寺島乙部町長) 町村でどんどん人を減らしている中で、いわゆる福祉や介護はなかな か減らせない。おそらくは3割以上、4割近くはその分野の職員になっている。他の企 画や総務などはどんどん減らしている。そこに集中しているということは、調べたら出 てくるのではないかと思う。 (山田京都府知事) プライマリーバランスの話が出ましたけれども、私どもは一方で、 例えば赤字の起債は臨時財政対策債とか限られたもので、いわゆる赤字地方債は発行で きませんし、総務省から示された財政再建団体の指針の中で何とかやっていかないとす ぐに破綻するというところで、ぎりぎりの線で頑張っています。それでプライマリーバ ランスが良いと言われてもどうかと思います。 (上田埼玉県知事) 今度初めて国家公務員の給与を地方よりも削減するのですけれども、 地方はずっと前からやっているわけです。 (山田京都府知事) おそらく首長とか職員の給与削減をしていない都道府県はほとんど ないのではないでしょうか。 (寺島乙部町長) ずっと前からやっていますよ。でないと、もたないです。 (上田埼玉県知事) 大阪が目立っていますけど、かなり下げたといわれる大阪でもまだ 7番目に高いです。そのくらい、他のところでは下げています。 (寺島乙部町長) それを下げると、また余裕があると言われてしまう。赤字を出すと財 政再建団体に成り下がりますし、黒字を出すと余裕があると言われてしまう。言わば生 かさず、殺さずの状態にするという、生殺与奪と一緒ですよ。 (宮澤内閣府副大臣) ありがとうございました。 この他にも御発言されたいことはおありかと思いますが、時間の関係もありますので、 これにて第1回本部会合の意見交換を終わらせていただきたいと思います。最後に、鳩
山本部長より御発言を頂きたいと思います。 ○鳩山特命担当大臣(地方分権改革)あいさつ (鳩山特命担当大臣) 今日、知事、市町長の方のお話を承って、実際に地方六団体とも 頻繁に協議をしたつもりであっても、こういう具体的な生のお話を承りますと、非常に 響くものがございます。そのことを今後の事務・権限の移譲、その細かいやり方、意思 統一に活かしてまいります。それから地方にとって必要な人材が移らないことではいけ ません。今日の話は非常に分かることで、非常に有意義でございました。ただ時間が短 くて、大変申し訳なく思います。 これからいよいよ始まります。国と地方の息が完全に合っておりませんとうまくいか ないことでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。 (宮澤内閣府副大臣) ありがとうございました。 なお、次回の本部の開催については、事務局より追って御連絡をいたしますので、よ ろしくお願いいたします。 また、本会合には、必要に応じ、構成員以外の関係者の出席を求めることができるこ とになっていますが、その場合は、本部長から出席を求めることといたしたいと考えて います。 本日はどうもありがとうございました。 (以上)