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Academic year: 2021

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(1)

走行中非接触給電システムの電力伝達特性に

配線インピーダンスが与える影響の定量的評価と抑制

学生員

武田 広大

∗ 正 員

古関 隆章

Evaluation and Suppression of E

ffect on Power Transfer Characteristics

by Cable Impedance for Dynamic Wireless Power Transfer System

Kodai Takeda∗, Student Member, Takafumi Koseki∗, Member

Electric vehicle (EV) is an attractive technology because of its environment friendliness, but it has some drawbacks such as short driving range and huge battery. To solve these drawbacks, dynamic wireless power transfer (DWPT) has been proposed. In this paper, multi-paralleled DWPT system is assumed and cable impedance between consecutive primary coils is analyzed. This paper proposes a new method to evaluate an effect of the impedance, and we reveal that the impedance causes voltage drop and decrease in efficiency. Moreover, compensation method is proposed to reduce this voltage drop. Verification by numerical calculation shows that the proposed method can cancel almost all the voltage drop.

キーワード:走行中非接触給電,電気自動車,配線,電圧降下,電圧降下補償

Keywords:dynamic wireless power transfer, electric vehicle, cable, voltage drop, compensation for voltage drop

Fig. 1. A structure of dynamic wireless power transfer system 1. はじめに 近年の環境問題への意識の高まりから電気自動車に注目 が集まっている。しかし、普及は進んでいないのが現実で ある。理由には電気自動車の航続距離がガソリン車に比べ 短いという点が挙げられる。そこで、走行中の電気自動車 に非接触で給電することにより等価的に航続距離を伸ばす 方法が提案されている。(1) (2) (3)。本稿では磁界共振方式を用 いたFig.1のように車長程度のコイルを飛び飛びで並べる 方式について検討する。この方式は進行方向に長いコイル を用いる方式に比べ漏洩電磁界が少なく伝送効率が高いと いう利点がある(4)一方、この方式では車両の位置に合わせ てコイルに流れる電流を制御する必要が有り、その制御方 ∗東京大学 〒113-8656 東京都文京区本郷7-3-1 The University of Tokyo.

7-3-1, Hongo, Bunkyo-Ku, Tokyo, Japan 113-8656

Fig. 2. The schematic diagram of the system

法が問題となっている。この制御法には現時点では大きく 二つの方法があり、一つは車両を検知し車が来た時のみ電 源を投入する方法、もう一つは車両が来ると自動的に送電 が行われ車両がいなくなると自動的に電流を抑える回路構 成を用いる方法である(5) (6)。特に本稿ではインバータの利 用率改善の面から複数の送電コイルをインバータに並列に つなぐ回路を前提にしている。 先行研究では、複数のコイルをインバータに繋いで運用し た場合の送電を行っていないコイルでの損失に関する評価 や全体の効率についての実験結果を示すにとどまり、イン バータから送電コイルまでの距離が離れるほど配線が持っ ているインピーダンスの影響が大きくなることが予想され るにもかかわらず、送電コイル同士を繋げる配線の影響を 考慮している研究は見当たらない。そこで本研究では配線 の持つインピーダンスを分類し、簡単な繰り返し計算によ り配線インピーダンスが回路の各特性に与える影響を分析 する方法を提案し、回路シミュレータによって手法の妥当 性を評価する。さらに、分析により得られた影響を低減す る方法について説明し、数値解析により効果を示す。

(2)

2. 複数コイル並列接続走行中給電システム 〈2・1〉 走行中給電システムの概要 本研究で想定す るシステムを説明する。電力の伝送には磁界共振方式を用 いる。道路側に送電コイルを埋設し、車両に受電コイルを 搭載することで、車両が道路上を走っている間給電を行う。 そして、送電コイルと受電コイルの大きさは同程度であり、 Fig.1のように送電コイルは一列に等間隔で並べられ、隣接 する送電コイル同士は磁気的な結合は無視できるだけ離れ て埋設されている。また、送電コイルは電源から敷いた共 通のAC busに対して並列に繋がれている。 〈2・2〉 インピーダンス関数 本稿では解析を行うた めに送電コイル一つ、受電コイル一つの場合の入出力特性 を簡易化する。送受電コイルが結合係数kで結合している ときに電力を供給する電源から見た回路のインピーダンス はある値になる。コイルの自己インダクタンスやキャパシ タンスなどの回路素子のパラメータが結合係数に対して一 定とすると、電源から見たインピーダンスは結合係数の関 数として扱え、その中には受電側の回路の影響も含まれる。 この結合係数kに対応するインピーダンス関数は 電源電圧 をV、電源電流をISとすると、式1で求められる。 Z(k)= V IS (1) このインピーダンス関数を用いることで、電源に送電コイル が並列に繋がれている回路の送電を行っている状態をFig.2 のように、はしご型回路として記述・解析することができ るようになる。インピーダンス関数は回路の素子構成に対 して決まるので、この関数を書き換えることで様々な補償 回路を持ったシステム構成の解析も可能となる。たとえば、 車両を検知して車両のある位置だけのコイルを駆動するシ ステムであれば受電側と結合のある送電コイル以外のイン ピーダンスが無限大になるインピーダンス関数を定義すれ ばよい。 3. 配線のモデル化 〈3・1〉 配線を集中定数として扱う妥当性 配線を考 慮する場合、分布定数回路として扱うか集中定数回路とし て扱うかが問題になる。電磁波の波長を 周波数を f [Hz],光 速をc[m/s],波長をλ[m]として次のように計算できる。 λ = c f (2) 電気自動車への給電で標準化が進められている85 kHzの 周波数では、f = 85kHz,c = 3 ∗ 108m/sを代入すると波長λ ≈ 3.5kmとなる。今回の検討ではひとつのインバータ でまとめて駆動するコイルの設置距離は数m∼十数mを想 定しているため波長短縮率を考慮しても配線を集中定数回 路として扱うのは妥当だといえる。 〈3・2〉 配線のもつインピーダンスの種類 配線がも

Fig. 3. The position of two lines

Fig. 4. The equivalent circuit model of line impedance

つインピーダンスとして主なものは •直流抵抗 •近接効果・表皮効果 •自己インダクタンス •線間容量 •対地容量 •誘電体損 が挙げられる。以下では配線にLitz線を用いるとして配線 インピーダンスを順にみていく。 〈3・21〉 配線の持つ抵抗値と自己インダクタンス 百 kHz程度の電源周波数では導線としてLitz線が用いられる のが一般的である。しかし長いLitz線の近接効果や表皮効 果を厳密に評価すると非常に複雑になるため(8) (9)、本検討 ではこれらをまとめて導線のもつ抵抗値Rlineとして実測値 を用いる。同様に導線の持つ自己インダクタンスLlineも、 回路を形成した場合にインダクタンス成分を減らすために ツイストするなど理論的な検討は複雑になるため実測値を 用いる。 〈3・22〉 配線同士の線間容量と対地容量 線間容量 Cline[F/m]はLitz線をひとつの導体としてみると次のよう に計算できる。ただし、rは導線の半径、dは導線の中心同 士が離れている距離を表し、二つの導線の間は誘電率ϵrの 物質で満たされているとする。Fig.3に図示する。 Cline= πϵr log(d−rr ) (3) 同様に対地容量Ce[F/m]は、地面の上に二本の導線を這わ せてあることを想定する。対地容量を求めるために鏡像法

(3)

を用いる。地面までの距離をDとすると、導線と仮想の導 線との間の距離が2Dとなり、式(3)を用いることで対地 容量は次の式で計算可能である。 Ce= πϵr log(2Dr−r) (4) 〈3・23〉 誘電体損 コンデンサに交番電界が加えら れた場合、誘電体を含んでいると電流の位相が90°よりも 少し遅れることにより誘電体損が発生する。この誘電体損 の大きさを表す係数として損失角tanδが用いられる。ある コンデンサCに誘電率ϵrの誘電体が用いられ、実効値電圧 V[V]の交番電界が加えられた場合その誘電体損Pcは次の ように表される。 Pc= 2πCV2tanδ f2 (5) したがって、周波数固定で損失角が変わらなければ誘電体 損失はコンデンサに並列に繋がれた抵抗として扱うことが でき、その大きさRcは次のようになる。 Rc= V2 Pc · · · ·(6) = 1 2πC tan δ f2· · · ·(7) ここまでの検討をすべて踏まえると、Fig.4のような配線イ ンピーダンスが想定できる。 4. 配線インピーダンス影響の簡易計算方法 〈4・1〉 システムの特性を評価する量の定義 ここで は、配線の影響を評価する量として、送電端電圧と出力電 力、システム効率、配線ロス、アイドリングロスを定義す る。以降の検討では導線の周りは空気で満たされており誘 電率は真空と同じ、損失角は0とする。ひとつのインバー タにN個のコイルが接続された回路をFig.5に示す。図の ように、配線インピーダンスとあるひとつのインピーダン ス関数をまとめたものをセクションと呼ぶ。セクションは 電源に近いほうから1∼Nまで順に番号を振る。また、n 番目のセクションの送電コイルと受電コイルとの結合係数 をknとし回路状態行列Knを以下の式で定義する。配線の 影響を検討するにあたり隣接するコイル同士は結合ない距 離だけ離してあるものとする。さらに、送電コイルは受電 コイルと一対一の結合の場合のみ検討する。 K= [k1k2 . . . kN] (8) 送電を行っているt番目のコイルユニットの両端にかかっ ている電圧を送電端電圧Vtと定義する。このとき、車両側 の負荷抵抗値での出力電力をPout(Vt)と定義し、システム 効率ηは電源の出力した有効電力に対する出力電力の和で 求め、式(9)で定義する。これには送電を行っていないコ イルでの損失や配線での損失も含まれている点に注意が必 要である。

Fig. 5. ladder circuit network considering line impedance

Table 1. The size of capacitance

Parameter Capacitance Reactance Cline 40pF 46.8 kΩ

Ce 40pF 46.8 kΩ

Fig. 6. The equivalent simple circuit model of line impedance η = ∑ tPout(Vt) Vℜ(IS) (9) 次に配線ロスとアイドリングロスを定義する。電源から負 荷までの間の損失を、配線のもつ抵抗による損失と、送電を 行っていない送電コイルによる損失にわける。配線ロスPline は配線の持つ抵抗分で消費される電力の総和とし、アイドリ ングロスPidlingは電力の伝送を行っているコイルユニット 以外の送電を行っていないコイルユニットで消費される電 力の総和で定義する。ただし、Plineloss(i)Pidlingloss(i)i

目のセクションにおける配線抵抗と待機中送電コイルによ る損失を意味する。 Pline= ∑ i Plineloss(i)· · · (10) Pidling= ∑ i,t

Pidlingloss(i) · · · (11)

〈4・2〉 配線を考慮したシステムの等価回路 二本の 導線にかかわる数値をd≈ 3rD≈ 1.5rであると仮定する。 この値を式(3)(4)に代入するとそれぞれの容量と85kHzに おけるリアクタンスの値はTable.1のようになる。このリ アクタンスの大きさは他の素子に比べ非常に大きいため無 視できる。さらに、計算上二本の導線に存在するリアクタ ンスと抵抗値は片側にまとめることができる。したがって、 以降はFig.6のような配線インピーダンスを想定する。 〈4・3〉 配線インピーダンスによる損失の計算 Fig.5 に基づいて各点から見た入力インピーダンスZin(n)を計算 すると次のようになる。

(4)

Fig. 7. The equivalent circuit of PS Zin(N)= Z(kN)+ Zline · · · ·(12) Zin(n)= 1 1 Zin(n+1)+ 1 Z(kn) + Zline(1≤ n < N) · · · ·(13) Zin(1)がわかると、電源が入力する電力PinV2/Rin(1)と 計算できる。そこで、次に各コイルにかかる電圧を求める 。n番目のコイルにかかる電圧をVnとすると、その電圧は 次の式で順に求められる。 V1= Zin(1)− Zline Zin(1) V · · · (14) Vn= Zin(n)− Zline Zin(n) Vn−1(1< n ≤ N) · · · (15) さらに、配線抵抗にかかる電圧から損失を計算できる。n番 目のセクションの配線抵抗にかかる電圧をVrnとすると次 のように求められる。 Vr1= Rline Zin(1) V· · · (16) Vrn= Rline Zin(n) Vn−1(1< n ≤ N)· · · (17) 以上の式を用いて、PlinePidlingは次の式で求められる。 Pline= Ni=1 |Vri|2 Rline · · · (18) Pidling= ∑ i,t |Vi|2 ℜ (Z(0)) · · · (19) 5. 数値解析による配線インピーダンスの影響とそ の低減方法 この章ではPS方式を例として提案手法の妥当性検討を数 値解析により行う。まず提案した計算方法が有効かどうか を回路シミュレータの結果と比較する。次に、配線インピー ダンスがシステムの特性に与える影響を数値計算によって 明らかにする。さらに、この配線インピーダンスの影響を 低減する方法について説明しその有効性を数値計算によっ て示す。 〈5・1〉 PS方 式 〈5・11〉 PS方式のインピーダンス関数の導出 まず、 一次側に並列共振、二次側に直列共振を用いたPS方式のイ ンピーダンス関数を導出する。PS方式の等価回路をFig.7 に示す。この検討ではコンデンサが持つ抵抗は影響が小さ いとして無視する。正弦波電源電圧の実効値をV、電源の 角周波数をω、コイル同士の相互インダクタンスをLm、一 次側、二次側の巻き線抵抗、インダクタンス、キャパシタ ンスをそれぞれR1, R2, L1, L2, C1, C2、負荷抵抗値をRLとす る。さらに、一次側、二次側のコイルを流れる電流の実効 値をI1, I2とすると、回路方程式は次のようになる。ただし 、ZL= jωL1+ R1, M = ωLm, Z2 = jωL2+ jωC12+ R2+ RLと する。    V0    =    − jMZL − jMZ 2       II1 2    (20) この方程式を解くと、電流I1, I2は(21),(22)となる。 I1= V ZL+M 2 Z2 · · · (21) I2= jMV Z2ZL+ M2 · · · (22) 電源に流れる電流の実効値をISとすると、その値は(23)と なる。 IS = I1+ jωC1V (23) したがって、インピーダンス関数は Z(k)= 1 ZL+M 2 Z2 + 1 jωC1 (24) となる。 〈5・12〉 コンデンサの選定と出力電力 一般的なPS 方式ではQs= ωL2/(RL+ R2)として、結合係数kに合わせ て常に電源力率が1となるように式(25)でC1を決め、C2 はL2と共振するように設定する(7)。 C1= C2L2 L1 1 Q2 sk4+ 1 (25) しかし、本検討では走行中給電での利用を想定しコンデン サの値は一定にし、二次側コイルと一次側コイルの結合が ないときの入力インピーダンスができるだけ大きくなるよ うなC1を選ぶ。つまり一次側回路の入力アドミタンスYS の絶対値である式(26)が一番小さくなるようにC1を選ぶ 。これによって、車両がない場合の電流を0に近づけるこ とができ、車両が近づき結合が出てくると自動的に電流が 流れ始める。このときC1が満たすべき式は式(28)となる 。ただし、Q1は一次コイルのQ値でありωLR1 1 である。C2は 式(29)を満たす。 |YS| = | jωC1+ 1 jωL1+ R1 | · · · (26) = R1+ j{(ω2L12+ R21)ωC1− ωL1} (ωL1)2+ R21   0= (ω2L21+ R21)ωC1− ωL1 · · · (27) C1= 1 ω2L 1(1+Q12 1 ) · · · (28) C2= 1 ω2L 2 · · · (29)

(5)

(a)System efficiency (b)Transmitter voltage

Fig. 8. Comparison between simulation results and nu-merical calculation results

Table 2. The values for simulation

Symbol Parameter Value V RMS input voltage 1 V

f Input voltage frequency 85 kHz k0 Coupling coefficient 0.20

RL Load resistance 3Ω

L1 Primary self inductance 6.58µH

R1 Primary coil resistance 12 mΩ

C1 Primary capacitance 533 nF

L2 Secondary self inductance 75.75µH

R2 Secondary coil resistance 60 mΩ

C2 Secondary capacitance 4.890 nF

N Number of paralleled primary coils 20

Table 3. The values of line impedance

Case Lline[µH] Rline[mΩ] Ccomp[µF]

Case1 0 0 -Case2 0.622 2.4 5.64 Case3 3.00 2.4 1.17 このとき 出力電力Poutは式(30)となる。 Pout= RL|MI1|2 R2+ RL = M2 RL ZL+M 2 Z2 2V 2 (30) 〈5・2〉 数値解析の条件 数値解析を行う条件を整理 する。今回の数値検討で用いる数値をTable.2に示す。こ の解析では受電コイルはひとつとし、受電コイルが各送電 コイルと正対した位置にいる場合について順に特性を計算 する。受電コイルと送電コイルの正対時の結合係数をk0と し、それ以外の送電コイルと受電コイルの結合係数は0と する。つまり、n番目の送電コイルの位置に受電コイルが ある場合ki= 0(i , n), kn = k0となり回路状態行列Knは次 のようになる。 Kn = [0 0 . . . k0. . . 0] (31) このkの値をインピーダンス関数に順に代入し、式(12)(13) に従い計算する。実際に0.06mm× 160stringsのLitz線を 測定した配線の抵抗及び自己インダクタンスとして採用す る値をTable.3に示す。case1は配線インピーダンスを考慮 しない場合、case2は実際に測定した値、case3は配線イン ピーダンスが測定よりも大きい場合である。 〈5・3〉 数値解析の妥当性 ここでは数値計算の妥当

Fig. 9. The circuit diagram with compensation capaci-tance

(a)System efficiency (b)Transmitter voltage

(c)Ratio of line loss

Fig. 10. numerical simulation results

性を回路シミュレータとの結果を比較することで確認する。 回路シミュレータとしてLTspiceを用いた。case2,3につい てそれぞれ計算した結果をFig.8に示した。実線、破線は数 値計算の結果を示しており、マークは回路シミュレーショ ンの結果を示している。両者は良い一致を示しており、数 値解析の結果は回路の特性をよく解析できているといえる。 〈5・4〉 コ ン デ ン サ に よ る 電 圧 降 下 補 償 と そ の 効 果 Litz線のように抵抗値の低い導線を用いた場合、高周波で は配線による抵抗値よりもインダクタンス成分が大きな影 響を及ぼす。そこで、配線インダクタンスの影響を各セク ションに補償コンデンサを入れることでキャンセルするこ とを考える。具体的には次の式で求められるキャパシタン スCcompを配線に直列に挿入する。Table.3にはこの計算に よって求めたコンデンサの値も示してある。 Ccomp= 1 ω2L line (32) 挿入後の回路はFig.9のようになる。配線の持つリアクタ ンスはコンデンサとの共振により打ち消され抵抗分だけが 残る。 〈5・5〉 電圧変動による電力・効率の変化 数値解析を

(6)

実際に行った結果をFig.10に示す。各ブラフは横軸に受電 コイルが正対している送電コイルの位置を示している。数 値が大きいほど受電コイルは、電源から離れるたところにあ る送電コイルと正対していることになる。縦軸はシステム 効率η、受電コイルと結合している送電コイルの両端電圧Vt 、入力電力のうち配線で消費される電力の割合Plineloss/Pin をそれぞれ示している。  Fig.10(c)からLitz線では抵抗値は極めて小さく配線に よる損失は全体の0.5%程度でありほとんど無視できるこ とが見て取れる。一方でFig.10(a)(b)をみると、リアクタ ンス成分はシステム効率、送電端電圧に対して非常に大き な影響を与えている。これは、送電を行っているコイルま でに電流が通る配線長が伸び、結果として配線インピーダ ンスの影響が大きくなるからである。特に、大きなリアク タンスが存在する場合について解析したcase3では電源か ら離れるにつれシステム効率が50%程度まで減少してい る。これは電源から離れたところにある送電コイルの両端 の電圧が大きく下がることによって負荷に送られる電力が 小さくなった結果、全体としてのシステム効率が低下した ことを示している。さらに、case2のリアクタンス成分をコ ンデンサにより低減した場合の結果をw/ compに示した。 提案方法によって電圧変動が打ち消せているのが見て取れ る一方で、配線ロスの割合は変化していない。したがって、 提案する電圧補償方法は有効であることがわかる。 6. 結 論 本研究では配線インピーダンスを回路素子によって表現 し、離散的にコイルを配置する走行中非接触給電システム で使用可能な配線インピーダンスを考慮したシステム特性 の解析方法について説明した。そして、PS方式を例に回路 シミュレータにより提案法による数値解析の妥当性を確認 し、配線インピーダンスによる電圧降下が発生することを 示した。さらに、電圧降下の原因が配線の持つインダクタ ンスに存在することを指摘し、配線に対してコンデンサを 直列に挿入しリアクタンス成分を打ち消すことで電圧降下 を補償する方法を提案し、数値解析によりインダクタンス のない場合の電圧変動と同程度に電圧降下を抑制できるこ とを確認した。 文 献

( 1 ) L. Chun R. Ganesh Jagendra J. T. Boys G. A. Covic ”Double-coupled sys-tems for IPT roadway applications” ¡em¿IEEE J. Emerg. Select. Topics Power Electron. vol. 3 no. 1 pp. 37-49 Mar. 2015.

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Fig. 1. A structure of dynamic wireless power transfer system 1. はじめに 近年の環境問題への意識の高まりから電気自動車に注目 が集まっている。しかし、普及は進んでいないのが現実で ある。理由には電気自動車の航続距離がガソリン車に比べ 短いという点が挙げられる。そこで、走行中の電気自動車 に非接触で給電することにより等価的に航続距離を伸ばす 方法が提案されている。 (1) (2) (3) 。本稿では磁界共振方式を用 いた Fig.1 のように車
Fig. 3. The position of two lines
Fig. 5. ladder circuit network considering line impedance
Fig. 7. The equivalent circuit of PS Z in (N) = Z(k N ) + Z line · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · ·(12) Z in (n) = 1 1 Z in (n +1) + Z(k1 n ) + Z line (1 ≤ n &lt; N) · · · · · ·(13) Z in (1) がわかると、電源が入力する電力 P in は V 2 /R in (1) と 計算できる。そこで、次
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