ネットワーク基盤技術
(4)
大江将史
/NAOJ
おおえまさふみ
本日のテーマ
• ネットワークの階層化を理解する。
– LANケーブルから、WEBまで。
• 今日の資料
インターネットは?
• パソコンや携帯電話、テレビなどなどいっぱ
いつながってた集合体=インターネット
インターネット上のプロトコル
(規格)
–
IPプロトコルとIPアドレス
• インターネット上で通信するための共通のルール
•
IPアドレス= a.b.c.d/x (IPv4)
– ネットワークアドレス・サブネット
– ブロードキャストアドレス
– インターネットは、いろんなネットワークが
集まった集合体
• ネットワークは、ネットワークアドレスで識別で
きる。
–
192.168.0.0/24と192.168.1.0/24は異なるネットワーク
• ネットワークとネットワークをつなぐ=ルーター
ブロードキャスト
(broadcast)アドレ
ス
• そのネットワークアドレス全体に呼びかけるアドレス
– ブロードキャストアドレスを使った通信=ブロードキャス
ト=放送みたいなもの。
• 「皆さん聞いてください」 • 「皆さんの中で、なになにを知ってる人こたえてください」ユニキャスト
(Uni-cast)
「あなたと通信したいんです。」
192.168.100.1 192.168.100.2 192.168.100.3 192.168.100.4 192.168.100.255=ブロードキャストアドレスへの通信は?IPアドレス 133.40.208.1 IPアドレス 202.178.129.198 IPアドレス 203.128.136.1 203.128.136.1の人と通信したい! IPアドレス 203.178.129.190 IPアドレスにて、ネット上で各ノード(パソコンなど)を識別する。
Tracerouteによって、ネットワーク
の構成や距離がわかる。
pc6.fumi.org 省略1
2
3
12
1
3
11
Local.gateway softbank221019211254.bbtec.net 10.206.2.145 ve-5.foundry6.otemachi.wide.ad.jp ve-51.cisco2.notemachi.wide.ad.jpIPアドレスの構成
– IPアドレスの構成
• ネットワークアドレス:「ネットワーク」を識別 • ホストアドレス:ネットワークに接続されたホストを識別– ネットワーク部とホスト部の仕切りの表現
–
192.168.0.1 の24ビットがネットワークアドレスの場合
• 192.168.0.1/24 と表現・192.168.0.1/255.255.255.0と表現 – ネットワーク部分(24ビット分)を1でうめ、ホスト部分 8ビット分を0で 埋めた値を a.b.c.d 形式にして使う ネットワーク部 ホスト部 24ビット 8ビット 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1255.
255.
255. 0
ネットワークの 数 1 2 4 8 16 32 64 ネットワーク当た りのホストの数 254 126 62 30 14 6 2 ネット ワーク アドレ ス長 (サブ ネット 長) /24 /25 /26 /27 /28 /29 /30/30 /29 /30/30 /28 /29 /30/30 /29 /30/30 /27 /28 /29 /30/30 /29 /30/30 /28 /29 /30/30 /29 /30/30 /26 /27 /28 /29 /30 /30 /29 /30 /30 /28 /29 /30/30 /29 /30 /30 /27 /28 /29 /30 /30 /29 /30 /30 /28 /29 /30 /30 /29 /30 /30 /25 /26 /27 /28 /29 /30 /30 /29 /30 /30 /28 /29 /30 /30 /29 /30 /30 /27 /28 /29 /30 /30 /29 /30 /30 /28 /29 /30 /30 /29 /30 /30 /26 /27 /28 /29 /30 /30 /29 /30 /30 /28 /29 /30 /30 /29 /30 /30 /28 /29 /30 サブネットの長さと そのサブネット当た りのホストの数。 細分化するとホスト 数にムダが出る。 /24を半分 =/25 x 2 /25を半分に分割 =/24 x 2 /24=/25 x2 = /26 x4
WWWの通信例
ルーター ハブ ホストA 無線LAN LANケーブル WWWサーバ WWW ブラウザ Webページ ホストB *)ホスト: 通信するコンピュータなどをつながるには、共通の「規格」が
必要
• たった一つのクリックも、みんながプロトコル
(規
格
)に合ってないとつながらない。
– LANケーブルやハブをつなぐ規格
• 有線
LAN IEEE802.3
• 無線
LAN IEEE802.11
– ルータと通信する規格、ルータ同士が通信する規格
•
IP/IPv6
– アプリケーションがアプリケーション間で通信する
ための規格
•
TCPやUDP
– アプリケーション同士の通信で、情報を伝えあうた
めの規格
•
HTTPや、メール(SMTP)
規格の階層化
(Layer)という考え方
• インターネットプロトコル群
(Internet Protocol Suite)は、
各規格
(Protocol)の担う役割に合わせて、「層」(Layer)
で分けられている。
• アプリケーション層
–
WWW(HTTP/HTML)や、メール(SMTP/POP)など
• トランスポート層
–
TCPとか、UDPとか・・
• インターネット層
–
IPプロトコル・IPv6プロトコル
• リンクレイヤ層
– 有線
LAN(IEEE802.3)、無線LAN(IEEE802.11)とか
+物理層
LANケーブルとか: UTP/CAT5 RJ45 MMF SMF 等々階層化のなぜ?
• 階層化によって役割分担の明確化と参照が容易になる
ようになっている。
• 他と共通でつかえるものは共通化したものをつかい、独自の部 分は独自に分担してもつようなイメージ• 役割分担には上下関係がある
– 上は、下を活用する。
• 層を飛び越えない。• 例
–
WEBブラウザでの通信のために、LANケーブルまで定める
必要があるか?
• ない。WEBブラウザは、「情報の表示」が大事なのであって、 「情報を交換する」部分とか、WEBブラウザが動くパソコンま で定める必要はない。つまり、それらは、他人任せ(=共通化 したものをつかえばよい) アプリケーション トランスポート インター ネット リンクレ イヤーインターネットプロトコル群と
4層
アプリケーション
層
トランスポート層
インターネット層
データリンク層
(+物理層)
• 各層が、下の層(下位
層)を参照(使う)する
– 各層毎にさまざまな規格が
存在する。
• 上下層の関係がある。
– (一般に)アプリケーショ
ン層は、トランスポート層
なしに、インターネット層
をつかわない。
• データリンク層の下には、
物理層がある。
– ケーブルとか、光ファイバ
など。
データリンク層のお話
• 有線LAN
–
IEEE 802.3規格が有名=イーサーネット
(Ethernet)とよばれるもの
• ハブとか、スイッチングハブとか、LANケーブ
ルとか
•
IEEE(The Institute of Electrical and Electronics
Engineers : (米国)電子電気技術者協会)
–
802.3 ワーキンググループ(作業分科会)が策定
IEEE802.3規格いろいろ
標準化規格 名前 備考 IEEE802.3ab 1000Base-T 1Gbps=1000Mbps ギガビットイーサ ネット UTPケーブル ケーブル長100m IEEE802.3u 100Base-TX 100Mbpsファスト イーサーネット UTPケーブルケーブル長100m IEEE802.3an 10GBase-T 10Gbps=10000Mbp s UTP 100m IEEE802.3ae 10GBase-R/W/X SR/LR/ER SW/LW/EW LX4 10Gbps 光ファイバで 300m~40Km無線
LAN: 802.11規格
• 無線
LAN
–
802.11(Wifi)規格
標準化規格 速度 備考 IEEE802.11b 11Mbps 2.4GHz帯 IEEE802.11g 54Mbps 2.4GHz帯 主流 IEEE802.11a 54Mbps 5GHz帯 パソコン IEEE802.11n 300+Mbps 2.4GHz帯&5GHz帯 最近のパソコンいろいろ
(IEEE以外も)
• モデム
– 電話線で接続
•
xDSL
–
ADSLなど
•
SONET(SDH)
– ネットワークの裏方で活躍
•
FDDI
– 終焉
100Mbps/ リング型接続
様々な規格があり、普段は見ない物も沢山
ネットワーク・プロバイダなどでしか使わない規
格なども
インターネット層
• インターネットの中心的存在
–
IPv4プロトコル(IETF RFC791)
• IETF: Internet Engineering Task Force
– インターネットに関連(主にインターネット 層以上)する技術・仕様の標準化を行なう組 織
–
IPv6(RFC2460)
•
IPを使用する規格
–
ICMP: 誤り通知や管理のために使用
• 例) Ping コマンド–
IPsec : 暗号化通信
–
ARP: データリンク層とインターネット層
間の橋渡し
トランスポート層 • IPv4・IPv6 • ICMP・IPsec・ARP等々 インターネット層 データリンク層トランスポート層
•
TCP: Transmission Control
Protocol RFC793
–
3ウエイハンドシェーク
• 相手と情報を伝える専用 の仮想パイプをつくるよ うな感じ– 信頼性のある通信路を実
現
• 情報が届かないときは、 もう一度送る機能– 双方向通信
• お互いに情報を送信可能 TCPTCPの要約
•
3ウェイハンドシェー
ク
– ホスト
AとホストBがお
互いに相手を確認して
接続する。
• 情報を交換する
– 切断する。
TCPの要約
• 信頼性が高い:再送制御
– 送り手
(A) : 送りたい情報(データ)を小分けにして、番号を
振って、送る。
– 受け手
(B): 送り手へ、届いたデータの番号を伝える
• 送り手は、番号を受け取ることで、受け取り状況がわかる。
– 受け取れなかった情報は、もう一度送る。(再送)
情報を確実に送ることができる。
A B A BUDP
•
UDP: User Datagram Protocol RFC768
• 相手へ一方的に送るプロトコル
– 再送とか、接続(相手の確認)はなし。
• そのようなことが必要なら、アプリケーション層で対
応しないといけない。
–
TCPにくらべて、信頼性はないが、効率がよい。
• 速い。
• 電話とか、映像とかの送信に使用される。
– 損失が厳密でないときとか、効率が優先されると
きとか。
層のおさらい
• アプリケーション層は、
各層の最上位にあり、
アプリケーション層か
らの通信は、すべての
層を通っていきます。
•WWW/MAIL等 アプリケーション層 •TCP •UDP等 トランスポート層 •IPv4・IPv6 •ICMP・IPsec・ARP等 インターネット層 •802.11(無線LAN) •802.3(有線LAN)等 データリンク層ハブなど
具体例
•WWW/MAIL等 アプリケーション層 •TCP •UDP等 トランスポート層 •IPv4・IPv6 •ICMP・IPsec・ARP等 インターネット層 •802.11(無線LAN) •802.3(有線LAN)等 データリンク層 OS等に内蔵されている部分 パソコンなど OS上のアプリケーションなど無線LANアクセスポイントなど
IEなどのWWWブラウザの例
• WWWブラウザ(IE等) アプリケーション層 • TCP : 信頼性のある双方向通信 トランスポート層 • IPv4 or IPv6 : 相手方に合わせたプ ロトコル インターネット層 • 内蔵無線LAN データリンク層 OS等に内蔵されている部分 パソコンなど OS上のアプリケーションなど専用のOS
H.264映像伝送装置IP-9500
専用ハードウエアとアプリケーション • 画像圧縮・伸張機能(H.264) アプリケーション層 • UDP :効率のよい伝送、一方向通信 トランスポート層 • IPv4(相手方次第) インターネット層 • ギガビットイーサーネット(IEEE802.3) データリンク層 放送局等で、ハイビジョン映像、H264で圧縮して をIP上で送信する装置 映像入力I/F ハブなど異なるホストの層どうしの通信
• 同じ層の同じプロトコル間で通信する。
–
TCPTCP , IP IP 等
•WWW/MAIL等 アプリケーション層 •TCP •UDP等 トランスポート層 •IPv4・IPv6 •ICMP・IPsec・ARP等 インターネット層 •802.11(無線LAN) •802.3(有線LAN)等 データリンク層 •WWW/MAIL等 アプリケーション層 •TCP •UDP等 トランスポート層 •IPv4・IPv6 •ICMP・IPsec・ARP等 インターネット層 •802.11(無線LAN) •802.3(有線LAN)等 データリンク層 イーサーネットの通信 TCPの通信 IPの通信 WWWの通信層どうしの通信(2)
• 同じ層間の通信は、下の層を経由して行われる。
– 例
)TCPIPv4有線LAN有線LANIPv4TCP
•WWW/MAIL等 アプリケーション層 •TCP •UDP等 トランスポート層 •IPv4・IPv6 •ICMP・IPsec・ARP等 インターネット層 •802.11(無線LAN) •802.3(有線LAN)等 データリンク層 •WWW/MAIL等 アプリケーション層 •TCP •UDP等 トランスポート層 •IPv4・IPv6 •ICMP・IPsec・ARP等 インターネット層 •802.11(無線LAN) •802.3(有線LAN)等 データリンク層階層とネットワークアドレス
– セグメントとネットワークアドレス
• データリンク層内において通信可能な範囲をセグメントという。 • 同じセグメント内のコンピュータ(ホスト)は、直接お互いに通信で きる。 – Ethernetの場合、「ハブ」経由や直接ホストどおしなどで接続する。 • インターネット層では、データリンク層のセグメントに対して、ネッ トワークアドレスを割り当て、そのセグメント上において個々を識別 するためにホストアドレスを割り当てている。 – ネットワークアドレス+ホストアドレス=IPアドレス アプリケーション層 トランスポート層 インターネット層 アプリケーション層 トランスポート層 インターネット層 *IPアドレス 個々のホストアドレス ネットワークアドレス .1 .2 ホスト192.168.0.1 ホスト192.168.0.2 192.168.0.0/24階層とネットワークアドレス
• 異なるセグメント(ネットワークアドレス
間)の場合
– データリンク層同士の通信は、できない
– むろん、インターネット層同士も異なるセグメン
ト間(ネットワークアドレス間)では通信できな
い
アプリケーション 層 トランスポート層 インターネット層 データリンク層 アプリケーション 層 トランスポート層 インターネット層 データリンク層 アプリケーション 層 トランスポート層 インターネット層 データリンク層 アプリケーション 層 トランスポート層 インターネット層 データリンク層 セグメント1 セグメント2 ハブネットワーク間の橋渡し
:ルータ
(前回)
• 違うネットワークアドレス(A~B)間の通信に
は、「ルータ」が必要になります。
– ルーターにもアドレスが必要です。
ネットワークアドレス 192.168.11.0/24 192.168.11.1 192.168.11.2 192.168.11.3 192.168.11.4 ネットワークA ネットワークアドレス 192.168.10.0/24 192.168.10.1 192.168.10.2 192.168.10.3 192.168.10.4 ネットワークB ホストア ドレス ルーター 192.168.11.254 192.168.10.254階層の橋渡し、ルータ
• 異なるセグメント(ネットワークアドレ
ス間)にはルータが橋渡し
アプリケーション 層 トランスポート層 インターネット層 データリンク層 アプリケーション 層 トランスポート層 インターネット層 データリンク層 インターネット層 データリンク層 アプリケーション 層 トランスポート層 インターネット層 データリンク層 アプリケーション 層 トランスポート層 インターネット層 データリンク層 セグメント1 セグメント2データリンク層のアドレス
• データリンク層にも「MACアドレス」
がつき、各ホストなどを識別できる。
– IPアドレス=インターネット層の識別子
–
MACアドレス=データリンク層の識別子
•
52bitで、 aa:bb:cc:dd:ee:ff
– 16進数で表現する。
»
0~9,a,b,c,d,e,f =16種類 0=>1..=>9=>a=>b=>c..=>f 桁上
がり
»
16進数FF=10進数255 電卓で計算可能
–
Ipconfig /all コマンドで確認できる。
WWWの通信+階層化
ルーター ハブ パソコンとか 無線LAN LANケーブル WWWサーバ WWW ブラウザ Webページアプリ ケー ション 層 トラン スポー ト層 イン ター ネット 層 データ リンク 層
WWWの場合
アプリ ケー ション 層 トラン スポー ト層 イン ター ネット 層 データ リンク 層 アプリ ケー ション 層 トラン スポー ト層 イン ター ネット 層 データ リンク 層 アプリ ケー ション 層 トラン スポー ト層 イン ター ネット 層 データ リンク 層 アプリ ケー ション 層 トラン スポー ト層 イン ター ネット 層 データ リンク 層 インターネットパソコンの
IPアドレスを確認するc
•
コマンドプロンプト
(cmd.exe)を起動
– Win + Rキーを押す
– 「ファイル名と指定して実行」が表示されるので,名前にcmdと入力し て,OKクリック
パソコンの
IPアドレスを確認する
•
ipconfig と入力して,エンターキーを押す
いろいろ表示される. 右のスクロールバーを 操作して,IPアドレスを 確認する.パソコンの
IPアドレスを確認する
• 右下通知領域のアンテナバー(有線
LAN接
続のbっ児,アイコンがかわる)のアイ
コンを右クリックして,「ネットワーク
と共有センタ」をえらんで,クリック.
パソコンの
IPアドレスを確認する
Hands-on : 階層化されているトラ
フィックを観測する
•
Tcpdump/wireshark : パケットアナライザー
ソフト
– 通信している内容を見ることができるツール
– 障害時などのデバッグで必要になるツール
Wiresharkのインストール方法
•
http://www.wireshark.org/
Wiresharkのインストール
OSに応じて,
ファイルをダウンロードし、 実行する。
粛々と「Next」や、I agreeをクリックして、進める。
Hands-on: wiresharkをつかって、自
分のPCの通信を観測する。
• ノートパソコンがどんなところへ、どん
な通信をしているのかをのぞいてみる。
– クリックしていないときもいろんな通信があ
ることがわかる。
スタートメニューから起動
観測したいネットワークインターフェースを選ぶ。
TCP3ウェイ ハンドシェーク がみえる。
通し番号、時間、どこから(Source)からどこへ(destination) 、プロトコル(Protocol)、内 容の要約 各層ごとの詳細情報 実際のデータ(16進数と、テキスト文字表 示) ←リアルタイムに表示
各層の状況がわかる。 データリンク層: Ethernet インターネット層: Internet Protocol トランスポート層: TCP: Transmission Control Protocol アプリケーション層: HTTP(Hypertext Transfer Protocol) 観測を止めるとき、押す(スクロールがとまる)