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特集
モデルと解析
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特集に当って
統計数理研究所
鈴木
義一郎
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今から 8 年ほど前のことである .OR に関する
少し風がわりな入門書を書いて,それに『モデル
解析術』というタイトルで出版した.ところが,
この本の売れ行きがさっぱりで,“モデ、ル"という
言葉が,いかに一般に浸透してなし、かを思い知ら
されたことである.
また,やはり同じ頃だったと思うが, r モデルの
適合性と最適化」というテーマの研究会の幹事役
を務めさせていただいた.そこでも,モデルとい
う概念についてのイメージが各人各様で,統一見
解のようなものを得るどころではなかった.その
聞の事情を整理 (1) して,“モデルを解剖する"
と銘打った特集記事が,やはり 6 年前のこの誌上
でとりあげられた.
今回の特集に当って,前回の特集の総括に,現
在の視点からみた変更点の概要を加えて,再びモ
デルを解剖してみてはくれまいか,という強い要
請が編集委員長より申し渡された.当時は,いさ
さか大上段にふりかぶった感じで稿をしたためた
感もあり,どうも気が重かったのである.結局とり
まとめ役を,東北大の高橋氏が引き受けてくれ,
前回の記事内容がかなり要領よくまとめられてい
て,さすが器用人であると舌をまいている次第で
ある.
まず石黒氏の話題は,講座出席者数の推移とい
う卑近な例題に対し,統数研の赤池氏の提唱され
た“情報量基準"を用いて,モデル選択の効果の
みごときを平易に解説している.たった 5 組の数
値が,
うまいモデルを想定してやることにより,
より詳細なデータに匹敵する「情報」を汲みとる
3
9
4
(4)
ことができるとし、う事実が,非常に巧みな話の進
め方によって明らかにされていく.
さて,高橋氏にまとめていただいた原稿を眺め
てみると,現時点での考え方も,当時とそう変わ
っていないというのが,大方の執筆者のご意見の
ようである.やはり今後も努力すべき課題として
は,単純でしかも汎用性のある“標準モデル"を開
発すること,さらに各モデル聞の位置づけを明確
にしていくことの 2点である.計算機がかなり大衆
化した時代にあっては,多様な利用者のニーズに
も,ほどほどの修E を加えるだけで容が出せるよ
うなシステムの開発の緊要性も強調されている.
橋本氏には,石油精製業での生産計画や運転管
理ーを行なうさいに,いろんなタイプのシミュレー
ションモデルが利用されている実情を紹介してい
ただいた.特に各レベルでのモデルと,実現象の
反映であるデータとを有機的に関連させながら,
相互に活性化させることの要が指摘されている.
新村氏は,人間という複雑なシステムを対象と
する医療データを解析するのに,モデルの有効性
を強調している.ただし,氏が指摘しておられる
のは,対象とするシステムを凝縮した,しかも万
人を説得し得る「概念図」に相当するモデルで,
数学モデルとは異次元の概念のようである.
逆に整数計画法のよう危数式モデルも有用であ
るとして,ごみの輸送問題へ適用例を示されたの
が大山氏である.計算機を用いたシミュレーショ
ン実験を駆使すれば,従来の手計算による解法と
比較して,はるかに合理的なシステム設計を行な
うことができるとの結論が示されている.
オベレーションズ・リサーチ
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