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企業活動と貿易取引 : 製造業を中心にした活動形態と貿易取引との関係 利用統計を見る

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第 巻 第 号 抜 刷 年 月 発 行

企 業 活 動 と 貿 易 取 引

―― 製造業を中心にした活動形態と貿易取引との関係 ――

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企 業 活 動 と 貿 易 取 引

―― 製造業を中心にした活動形態と貿易取引との関係 ――

は じ め に

企業の活動形態はさまざまであり,企業の持つ経営資源,組織,ネットワー ク,立地,戦略,取引される財(貨物)などの違いにより,貿易取引の形態も 異なってくる。貿易取引の形態の違いとは,間接貿易,直接貿易,委託加工貿 易,逆委託加工貿易,中継貿易,仲介貿易,企業間貿易,企業内貿易,技術貿 易などであり,企業の経営資源,活動の違いにより異なる。 ここでは企業の経営資源,活動の違いにより貿易取引がどのように異なるの か,取引される財(貨物)により貿易取引の形態に違いが出るのか,貿易取引 が企業活動にもたらすものについて論じる。また企業活動については,荷主(企 業)だけではなく「貿易取引関係企業」も含める。 なお「貿易取引」とは実務(個品の取引に限定)に近いものとし,「荷主(企 業)」は個人荷主と企業荷主の両者を意味し,貿易取引関係企業は貿易取引の つの要素(売買契約,代金決済,リスク・マネジメント(保険),貿易管理 (通関),物流)に関係する企業を指す。さらに,今日はロジスティクス/SCM の時代であり,「物流する」という表現を用いることで「輸送」だけではなく 「保管」,「荷役」,「包装」,「在庫管理」などの総合的(全体最適(SCM / VC (Supply Chain Management:供給連鎖管理/Value Chain:価値連鎖)))な意味

を持たすことにする。

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(buyer)」,代金決済では「信用状開 設 者(acountee)」,保 険 で は「被 保 険 者 (insured)」,貿易管理では「輸出者(exporter)・輸入者(importer)」,物流では 「荷送人(shipper)・荷受人(consignee)」となっているが,できる限り統一性 を持った表現に努める。

.企業と貿易取引

⑴ 企業活動のなかの貿易取引 企業活動は,拡大戦略と効率化戦略を適宜行い最小の経営資源で最大の利益 を確保することを目的としている。市場の確保・拡大,イノベーション,リー ドタイム(時間)短縮,コスト削減などを企業の内外の経営資源を使い利益 (キャッシュ)に変化できる財(貨物)やサービスの付加価値を効率よく生み 出すことは企業活動を継続するために不可欠なのである。貿易取引はその手段 の つである。国間にはさまざまな格差があり企業はそこにビジネスチャンス を見つけ利益を獲得していく。) 貿易取引システムは「売買契約」,「代金決済」,「リスク・マネジメント」,「貿 易管理」,「物流」の要素から構成されている。取引は基本的に売買契約から始 まり(取引相手が見つかっていない場合は取引相手を探すマーケティングから 始まる),「船積」,「代金回収」,「事後処理」などへつながり,取引の手続きや 書類は代金決済の方法(荷為替手形決済,送金決済など)に拘束されることに なる。さらに,貿易取引システムは伝統的に各専門職(貿易取引関係企業:貿 易商社,金融業,保険業,通関業,物流業)の業務の一部を連結して構築され, しかも取引の範囲が Port to Port が基本で,輸出国内の SCM(Door to Door) と輸入国内の SCM とが一気通貫で連結されてこなかったため,全体最適を求 める荷主(企業)のニーズである国際間の Door to Door の G-SC(Global-Supply Chain:グローバル供給連鎖)⇒ G-SCM/GVC(Global - Supply Chain Management: グローバル供給連鎖管理/Global Value Chain:グローバル価値連鎖)には対 応していない。

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そして,貿易取引を依頼する当事者である荷主(企業)が「独立企業」であ るか「多国籍企業」であるかにより貿易取引の意味も異なってくる。独立企業 であれば,財(原料や素材,製品など)の輸出・輸入による単なる交換である が,多国籍企業であれば輸出・輸入以外に経営戦略(海外直接投資,技術移転, 戦略的提携など)に付随するさまざまな財(原料や素材,製品だけではなく部 品,中間財(モジュールを含む))やキャッシュの移動(移転価格など),特定 原産地取得(原産地ブランド)のための経営資源の移転や 回貿易などにより 利益の最大化を行っている。 商取引の歴史は非常に古く,貿易取引の構成要素である「売買契約」,「代金 決済」,「リスク・マネジメント」,「貿易管理」,「物流」はそれぞれ独自の発展 をしてきたが,商取引の利便性と安全性を向上させるため少しずつ仕組みが統 合され改良されてきた。今日のような貿易取引システムになり始めたのは 世紀半ばからの大航海時代頃と考えられ, 年代までには取引に直接関係 する部分だけではなく周辺(国際間の法令・ルール,輸送手段(大型船舶,高 速船舶),通信(海底ケーブル)など)を含めてのインフラの整備がなされ, 現在に至っている。しかし,第二次世界大戦後,物流,情報・通信システムの 高度化と普及,多国籍企業の増加,取引の迅速性や柔軟性が求められ,伝統的 な貿易取引システムでは対応できなくなってきており,この仕組みを維持しな がら時流に合ったものに改善することが求められている。その解決策の つ が,伝統的な取引業務とその業務を担う当事者の間の「ズレ」である。これは, 本来の当事者が本来の業務を行うのではなく,特に多国籍企業としての物流企 業(フレイトフォワーダー(利用運送事業),インテグレーター)が契約や許 可,承認の下,本来の当事者の代理人として関連業務,付帯業務を集中的に処 理するもので,いわゆる物流企業内における一気通貫(Door to Door),商物 一体,すなわち,特定の当事者(物流企業)の内部化,内包化,多角化による 効率の向上である。

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⑵ 経営資源の内部化・アウトソーシングと貿易取引 企業間競争が激化すると市場は差別化や低価格競争に陥り,財(貨物)やサ ービスが複雑化する。分業工程も細分化,分散化(拡大),複雑化へとつなが り,海外にある分業工程を連結しG-SC⇒G-SCM/GVC(全体最適:国際間の 複数の企業の連鎖)が構築される。そのため制約である貿易取引を内包化し効 率化することが必要となる。いわゆる国内のSCM/VC のレベルをグローバル に拡大するための仕組みづくりである。 企業活動は,国内の独立企業としてスタートするのが,拡大戦略により海外 直接投資が増加するとともに外部経営資源の拡充やハードウェア,ソフトウェ アの標準化,汎用化(モジュール化,デジタル化)などにより,経営資源の選 択と集中が進み,内部化とアウトソーシングが明確化し,取引形態にも影響を 与える。 今日の製造業,流通業など財(貨物)の加工・製造や場所を移動させること により利益を獲得する企業の活動は つの段階に大別できる, つ目は,経営 資源の選択と集中(ダウンサイジング)と外部経営資源の拡充による内部化, アウトソーシングの最適な利用(企業間工程間分業), つ目は,経営資源の グローバルな最適配置(内部化)と最適利用(アウトソーシング),SCM の充 実(ネットワーク型工程間分業), つ目は,SCM の充実による,企業間競争 から企業の所属するSC(Supply Chain(供給連鎖))間の競争への変化である。 つ目の,経営資源の選択と集中と外部経営資源の拡充による内部化,アウ トソーシングの最適な利用の段階とは,経営資源の内部化とアウトソーシング を経営環境に合わせ適切に調整するということである。これは,たとえば先進 国では外部経営資源の拡充,企業間競争の激化によりすべての経営資源を内部 化する必要がなく,また,内部化することがかえって企業活動の迅速性,柔軟 性を奪うリスクにつながるからである。)そして,内部化は経営資源の集中を意 味し,他方,アウトソーシングが拡大することは経営資源の分散を意味してお り,分散した経営資源を連結する物流,情報・通信の重要性が増すことになる。

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付加価値を創造する核となる経営資源などに集中し,それ以外の分野は外部経 営資源へ積極的にアウトソーシングを行う。特に貿易取引は荷主(企業)の本 来の業務と異なるためこの傾向が強い。) 伝統的な貿易取引に関わる経営資源の内部化かアウトソーシングの選択は, 取引量とコストの関係が大きく影響している。たとえば,大企業のように多量 の貿易取引がある場合は,経営資源は内部化され,中小企業の場合は取引量が 少ないことから貿易商社などにアウトソーシングされる。ただし,貿易取引量 の多い大企業でも内部化とはいえ自社の従業員とともに常に貿易商社やフレイ トフォワーダー(利用運送事業)の従業員を社内に張り付かせるなどのクロー ズド・アウトソーシング(戦略的アウトソーシング)の形態が一般的である。 こ う し た 外 部 経 営 資 源 の 拡 充 は,ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)などによるグローバルなハードウェアとソ フトウェアの両面での規格の統一化,モジュール化,デジタル化の普及による 影響が大きいと考えられる。たとえば,「企業間工程間分業」である。調達− 生産−物流−販売の SC や企業の各工程を細分化し, つの工程を異業種間の 戦略的提携により特定の企業にアウトソーシングすることで SCM を構築す る。企業は特定の業務に特化でき規模の経済性の享受,良質で低価格な財(貨 物)の供給が可能になる。 貿易取引業務に関しては荷主(企業)の内部にある経営資源を貿易商社や物 流企業( PL( rd Party Logistics), PL( th Party Logistics)など)にクローズ

ド・アウトソーシング(戦略的アウトソーシング,異業種間の戦略的提携)の 形態で置き換えて行く。 アウトソーシングには,自社の業務を一括して委託する「一括委託契約(丸 投げ)」と自社の業務の一部を委託する「一部委託契約」があり,前者を「オ ープン・アウトソーシング」,後者を「クローズド・アウトソーシング(戦略 的アウトソーシング)」と呼ぶことにする。たとえば,拠点内部にある SC の クローズド・アウトソーシング(戦略的アウトソーシング)とは,生産拠点や

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物流拠点内部の業務を専門の企業(サプライヤーなど)に委託しているもので, 工場の生産工程の一部(最終モジュールの作成など)をアウトソーシングした り,倉庫内の業務をアウトソーシングしたりしている。また今日のアウトソー シングの特徴は,オープン・アウトソーシングされた業務であってもサプライ ヤー・パーク(完成車組立工場の近くに立地している部品サプライヤーの集積 (クラスター))のように最終生産工程を持つ企業などの事務所や工場内に物理 的に同化しているケースもある。) つ目の,経営資源のグローバルな最適配置と最適利用,SCM の充実の段 階とは,グローバルに分散する良質な経営資源が物流,情報・通信システムの 高度化と普及により効率的に連結することが可能となり,企業はグローバルに 分散した調達−生産−物流−販売(SC)の良質な経営資源を結び付け SC⇒ SCM を整備することで競争優位を獲得しようとするのである。これは企業か ら見れば経営資源のグローバルな最適配置と最適利用となる。ハードウェア面 では高度な物流システムにより原料,素材,部品,中間財(モジュールを含む), 製品などのあらゆる形状,性質の財(貨物)を移動させ,ソフトウェア面では 高度な情報・通信システムにより「グローバルなリーン(生産・流通)システ ム(JIT(Just In Time))」を行う SCM/VC であるネットワーク型工程間分業を 構築する。) つ目の,SCM の充実による企業の所属する SC 間の競争への変化の段階 とは,経営資源の選択と集中,アウトソーシングの拡大により自社の競争優位 が関連する企業の競争力に大きく影響されることである。このため,自社の競 争優位だけを求めるのではなく,経営戦略,業種などが異なる複数の企業がど のようにまとまりSC としての全体最適(SCM/VC)を構築するかが重要なポ イントになっている。 アダム・スミスの「神の見えざる手」に導かれた場合,一般的な市場(独立 企業間(製造 ⇒ 卸 ⇒ 小売 ⇒ 消費者)の商取引)には制約が多く,企業活動が 効率化できない。SCM では SC の全体最適を求めており SC 内の各企業の活動

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の統合化と同期化がないと SC 全体の機能が向上しない。すなわち, つの企 業の利益を優先すると全体の利益の最大化につながらない可能性が出てくるの である。SC が全体最適(SCM/VC)を達成するには企業間(経営資源,組織, 戦略,ネットワークなど)の違いを調整し SC を構成する企業が同じ目標に向 かって努力しなければならない。) SC の全体最適(SCM/VC)を構成するにあたり,企業間の調整要因が重要 となる。文化,システム,ルールなどが異なる企業間の M&A がうまく行かな いことが多いことは知られており,反対に企業系列や標準的な ERP(Enterprise Resources Planning:企業資源計画)を使用する企業間の連結が競争優位につな がりやすいことも事実である。そして,部品の汎用モジュール化にも接続部の 共通化が重要とされおり,このことから SC の競争優位を構築するためには経 営資源,取引される財(貨物)・サービスなどの標準化,汎用化は調整要因と して重要な意味を持っていると考えられる。

.企業の種類と貿易取引

⑴ 企業と貿易取引 貿易取引が原料や素材と製品の交換,Port to Port,在庫ありという単純(SC) なものから,原料,素材,部品,中間財(モジュールを含む),製品の交換, Door to Door,リーン(生産・流通)システム(JIT:無在庫,適正在庫のみ) という複雑で連続性(G-SCM / GVC)のあるものへ変化し,企業活動,G-SC の 一部となっている。こうした変化は,伝統的な独立企業間の企業間貿易の減少, 多国籍企業の企業内貿易取引の拡大,G-SC(必然として生まれた)⇒ G-SCM / GVC(高い戦略性)を構築し競争優位を持つ企業のさらなる優位性へとつな がっている。これは産業が,フルセット型の集積(拠点立地の集中化),企業 間貿易取引,産業内貿易取引,クローズドシステムを中心としたものから, G-SC ⇒G-SCM/GVC の構築による拠点立地の分散化,グローバルな経営資源 の最適配置と最適利用,企業内貿易取引,ネットワーク型工程間分業,国際企

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業間工程間分業,産業間貿易取引,オープンシステムへ変化するものである。 今日のように国内外の外部経営資源,物流,情報・通信のネットワークが拡 充し,オフショアに分散した経営資源を効率よく利用できる環境では,企業は 良質で最小な経営資源だけを内部化し外部経営資源を積極的に利用することで 経営環境の変化に迅速,柔軟に対応しリスクを最小化する。 しかし,すべての企業が良質なG-SCM/GVC を構築できるわけではない。 たとえば低価格競争に陥りイノベーションに時間がかかると短期間で競争優位 を失いかねない。企業は経営努力なしに競争優位を維持し続けられるわけでは なく,時々刻々と変化するグローバルの経営環境に迅速,柔軟に対応できない 場合には国境など高い壁(制約)が存在することになる。 ⑵ 財(貨物)の形状,性質と貿易取引 貿易は取引相手,手続き,時間,コスト,立地,経営戦略,貿易政策などの 条件から取引形態が決まるが,財(貨物)の形状や性質も少なからず影響力を 持っている。在来貨物船の時代は財(貨物)の形状や性質において移動の制約 が多かったことから,フルセット型産業集積の形成が一般的であったといえる。 しかしコンテナ船の時代は制約が低下し,財(貨物)のどの形状や性質で貿易 取引を行うのが時間,コストを含め企業の利益の最大化(G-SCM/GVC)につ ながるかを考えることが可能となったのである。国際工程間分業,すなわちサ テライト型やノックダウン型,流通加工型の産業集積,遅延差別化が増加して きた理由でもある。 貿易取引される財(貨物)の形状は大きく原料,素材,部品,中間財(モジュ ールを含む),製品に分けられる。財(貨物)は標準化,汎用化,汎用モジュ ール化されることで,取引の契約期間を短縮させたり,SC の上流など企業間 の関係が薄いSC の仕組みを効率的,継続的に維持したりできる。これは,イ ンテグラル型からモジュラー型への変化ともいえる。しかし,モジュラー型化 が主流となってもインテグラル型が消滅するわけではなく,その時点の技術や

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産業集積に合わせて効率の良いG-SC⇒G-SCM/GVC が構築される。 在来貨物船の時代は荷役,運賃の関係から荷役が行いやすい原料や素材と付 加価値の高い製品の取引が中心であった。しかしユニットロード化(海上コン テナ)が普及することにより細かく,付加価値が低い部品,中間財(モジュー ルを含む)までもが貿易取引されるようになり,海外直接投資,技術移転, G-SC による国際工程間分業,国際ネットワーク型工程間分業が普及し取引量は 急速に増加していった。) 取引される財(原料,素材,部品,中間財(モジュールを含む),製品)の 形状や性質と貿易取引との関係には「手続き」と「理由」の つの要因が考え られる。 手続きとは,財(貨物)の形状や性質により異なるということである。特殊 な財(貨物)であれば必然的に手続きが複雑になり,時間やコストが制約とな る。たとえば,形状が大きき,無駄な空間が多い,重い,性質が不安定(液体, 気体,危険物,生動物,生鮮など),高価品であれば物流,リスク・マネジメ ント関連の手続きが増える。場合によっては特殊な輸送手段(運搬具),リス クヘッジを用意しなくてはならない。また,性質が「戦争関連(戦略物資)」, 「国内経済の不安定」,「国民生活の危機」に関係するものであれば貿易管理関 連の手続きが増加することになる。このため財(貨物)を一般的な形状や性質 にすることは重要であるとともに,分業工程の立地にも特徴がでる。乗用車が 市場に接近した生産拠点で製品に組み立てることがあるが,これは,製品は無 駄な空間が多くさらに危険物でもあるため部品で輸送するほうがコストダウン につながるからである。 理由とは,「企業の経営戦略」と「国の政策」に関係するものが考えられる。 企業の経営戦略とは,最小の経営資源による最大の利益の獲得のためグロー バルな経営資源の最適配置と最適利用によるもので,物流,情報・通信システ ムの高度化と普及によりその緻密性が向上した。すなわち,海上コンテナ(ユ ニットロード)の普及により財(貨物)をどの形状や性質,付加価値でも物流

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的には大差のない時代,どの形状や性質,付加価値で貿易取引することが経営 的に全体最適(SCM/VC),最大の利益につながるかである。そのため企業は 国内外の複雑な条件(立地特殊的優位,企業特殊的優位など)を考慮にいれ, 国際分業を構築している。) 物流的にはどの形状や性質,付加価値でも大差がなくなったことは,コンテ ナ化(ユニットロード化)により物流の最大の制約の つであるコンテナ内の 荷役を荷送人にアウトソーシングすることで,物流企業はユニットロードのみ を取り扱うため手間が減少した。そしてコンテナ船が巨大化でき,物流におけ る規模の経済性が働き運賃の低下につながった。また,情報・通信システムの 高度化の つである Yield management(航空会社ロードファクターで単位あ たりの収益を最大化する販売戦略))による混載貨物輸送サービス(LCL:Less

than Container Load)や品目無差別運賃(FAK:Freight All Kinds)が普及した ことで,荷主がコンテナ化,国際工程間分業化しやすい形状や性質に財(貨物) を変化させ,さらに,細かく,付加価値(物流費負担力)が低い財(貨物)で あっても物流できるようになったのである。結果として情報・通信システムの 高度化と普及によりリーン(生産・流通)システム(JIT),SCM/VC が可能と なることでスループット/キャッシュフロー(在庫回転率など)が重視され, 従来船舶物流である財(貨物)が,コストが高い航空物流でも行われるケース も出てきている。 クリステンセンの「イノベーションの解」ではないが,コンテナ化(ユニッ トロード化)の時代の「財(貨物)の形状,性質−技術−分業−集積−物流− 貿易取引」の仕組み(モジュラー型)は,在来貨物船の時代のそれ(インテグ ラル型)とは大きく異なっているといえる。 国の政策とは,たとえば海外直接投資受入国において,国内外の企業を利用 して経済の発展をどのように行うかで,輸入代替工業化,輸出指向型工業化な どに伴う貿易取引である。国が戦略的に国内外の企業が活動しやすい環境を作 ることで,企業の立地が行われ,彼らの利益を拡大するとともに,国は雇用機

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会の増加,技術流入,外貨獲得などを期待する。初期は FTZ/EPZ(Free Trade Zone/Export Processing Zone:自由貿易地域/輸出加工区)の整備や税(法人 税,関税など)の緩和など国内を中心としたものであったが,今日では FTA/EPA (Free Trade Agreement/Economical Partnership Agreement:自由貿易協定/経済 連携協定)の締結,企業の効率化など多面的な条件の整備を行っている。企業 の思惑と国の思惑が一致することで,グローバルな調達−生産−物流−販売 (SC)などの経営資源の最適配置と最適利用が行われるとともに,それら拠点 間で物流される財(貨物)の形状や性質が決まり,貿易取引も複雑化する。

.企業の種類と貿易取引

貿易取引では当事者を立場,財(貨物),仕向地,企業などさまざまな視点 から考察できる。ここでは,①荷主(企業)と貿易取引関係企業,②製造業と 流通業,③独立企業と多国籍企業(物流業としての独立企業と多国籍企業を含 む)の つを説明する。 ⑴ 貿易取引における荷主(企業)と貿易取引関係企業の比較 貿易取引において荷主(企業)と貿易取引関係企業の つの業種が比較でき る点は「立場」であり,委託側か受託側かである。 荷主(企業)とは,真の売主・買主とその代理人となる貿易商社などの輸出 者・輸入者である。間接貿易取引では売主・買主と輸出者・輸入者が異なり, 直接貿易では売主・買主と輸出者・輸入者が同一となる。また,独立企業が行 う企業間貿易取引では売主・輸出者と買主・輸入者は異なるが,多国籍企業の 行う企業内貿易取引では売主・輸出者と買主・輸入者は同一である。 貿易商社は,貿易取引を専門に行う企業で,荷主(企業)の依頼を受け代理 人として取引を行う場合と市場の動向を鑑み自らが真の荷主(売主・買主)と なり取引を行う場合とがあり,荷主(企業)と代理人(貿易取引関係企業)の 両方の顔を持っている。代理人としての業務は貿易取引の商流(商的流通:財

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(貨物)の所有権の移転)が主となり,売買契約や代金決済,商流に関係する リスク・マネジメント(貿易保険,為替予約など)を行っている。 貿易取引関係企業には,貿易商社,金融業,保険業,通関業,物流業などが あり,荷主(企業)が直接行う売買契約以外の売買契約(代理人),代金決済, リスク・マネジメント,貿易管理,物流を司る企業の総称で契約や許可,承認 の下,荷主(企業)から委託を受け(受託し)サービスを提供している。たと えば貿易商社以外では,代金決済における外国為替銀行や貨物損害保険を取扱 う保険会社,貿易管理を行う通関業,物流における実運送事業(公共運送人: Common carrier(傭船契約を除く))とフレイトフォワーダー(利用運送事業) である。 貿易取引関係企業は企業間で保険業の保険代理店,船会社の船舶代理店など の業務提携(内包化)を行っており,貿易取引の迅速性,柔軟性の向上に努力 している。また,貿易取引がG-SC⇒G-SCM/GVC に内包され取引の迅速性, 柔軟性が高く求められるようになると,情報化できない,制約の多い物流業務 を行っている物流企業(主にフレイトフォワーダー(利用運送事業),インテ グレーター)に荷主(企業)と物流業以外の貿易取引関係企業の双方から代理 人としての業務が集まる。そして,伝統的貿易取引システムに見られる企業間 の壁がかなり曖昧になるのである。これにより,貿易取引の委託先の一本化, 企業の一気通貫,商物一体による貿易取引業務の一括処理ができるようにな り,荷主(企業)への利便性につながる。 貿易取引業務,国際物流業務は,製造業,流通業の両者で派生的業務であり, 物流企業(特に PL, PL)にほぼ一括委託契約(丸投げ)でアウトソーシン グされる傾向が高い。なお,G-SC における企業の拠点立地は物流に拘束され る傾向があり,それは混載貨物輸送(物理的),貿易管理が主たる理由である。 陸続きのトラック輸送など 回の物流量が小規模な場合には物理的に単載貨物 輸送であろうが,海上コンテナ,航空貨物輸送など大規模な場合では貨物は物 理的に混載であり,税関のある港湾(開港),税関空港や動植物検疫,燻蒸な

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どの特別な施設があるとともに,貿易管理を総合的(ワンストップ)で行える ターミナルの利用が優先される。多国籍企業の立地は効率的なG-SC を根拠に 国内企業のそれと異なるが,G-SC の重要度が増すに従い荷主(企業)の立地 戦略にも影響を与える。伝統的に国内(狭い地域)のSC に準じて立地されて いた拠点が特定の港湾や空港に接近して移転し,臨海(臨空)型の産業集積を 形成する。 ⑵ 貿易取引における製造業と流通業の比較 製造業と流通業はともに荷主(企業)であるが,貿易取引においてこれら つの業種が比較できる点は,取扱う財(貨物)であり,これがSC の機能に影 響を与えている。ただし製造業はSC のなかで主に調達−生産を行い,流通業 は物流−販売を行うことで相互依存の関係を作り出している。また農水産の財 (生鮮など)は,保存のできる鉱工業の財(貨物)とは生産,流通の仕組みが 大きく異なっている。 製造業で貿易取引される財(貨物)は,原料,素材,部品,中間財(モジュ ールを含む),製品でそれぞれ固有の性質があり,それらに対応した輸送手段 (運搬具)やターミナル(港湾,空港,駅,トラックターミナルなど)となっ ている。たとえば,原料や素材は性質が比較的不安定であったり,付加価値が 低かったりすることから規模の経済性を活かした専用の輸送手段(バルク,タ ンク,冷凍・保温などの船舶)や港湾(工業港)が使用される。部品や中間財 (モジュールを含む),製品は性質が比較的安定し,付加価値が高いため汎用性 のある輸送手段(コンテナ船,航空貨物輸送など)や港湾(商業港)が利用さ れる。 製造業は生産を行うための設備投資が大きく経営資源を内部化することは企 業経営に負担をもたらす。このため,外部経営資源が拡充しアウトソーシング を容易に利用できることもあり,ネットワーク型工程間分業,企業間工程間分 業のような細分化されたSC/SCM が構築されている。そして,海外の経営資

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源を積極的に利用できるようになると,世界最適調達,グローバルな経営資源 の最適配置と最適利用(国際工程間分業)により貿易取引の種類と量が増加す ることになる。 SC を構成する企業間の契約にはスポット,短期,中期,長期があり,契約 期間が短くなるに従い企業間の調整要因(標準化,汎用化など)が重要となる。 取引の面を見ると標準品,汎用品はスポット,短期であり,専用品では中期, 長期が比較的多い。拠点立地では,擦り合せ工程は産業集積,技術,財(貨物) に左右され,それらが伝統的にある地域が多いが,組立工程は物流,情報・通 信ネットワークが拡充していれば他の要因(立地や時間,コストなど)に左右 され分散の傾向があり,国際間では集中生産⇒広域流通(物流)の関係からハ ブ/ゲートウェイ港湾(空港),FTZ に隣接した EPZ が中心となる。生産と流 通の一体化である。 他方,流通業で貿易取引される財(貨物)は製品など比較的性質が安定し, 付加価値が高い財(貨物)であり,汎用性のある輸送手段(コンテナ船,航空 貨物輸送など)や港湾(商業港)が利用される。 取引の面で見ると標準性,汎用性が高く類似品が入手しやすいことからス ポットや短期契約が比較的多い。拠点立地では,小売は市場に影響されやすく 分散(市場接近立地)するが,卸売や通信販売では物流,情報・通信ネットワ ークが拡充していれば一括在庫,広域流通(物流),コストダウンなどの要因 により集中の傾向があり,国際間ではハブ/ゲートウェイ港湾(空港),FTZ が中心となる。 今日の企業形態の特徴として国際的な製造小売業(SPA:Specialty Store Retailer of Private Label Apparel など)のような生産と流通をボーダレスで合体 させたものがある。)これは国際間の生産と小売を直結したSCM/VC の仕組み

で,経営資源を内部化,内包化するコストと企業活動における迅速生,柔軟性, スループットなどを比較し,内部化,内包化を優先した企業形態である。伝統 的な企業別の「生産⇔卸売⇔小売」のSC を内包化することで,市場情報の迅

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速な「生産⇒調達」への伝達と柔軟な対応,リーン(生産・流通)システムの 構築を可能にしている。 しかし内部化とはいえ,核となる業務(企画・研究開発(R&D),販売,ア フターサービスなど)以外の生産,物流などはクローズド・アウトソーシング (戦略的アウトソーシング)され,また G-SC の形態が一般的となっているこ とから,消費は先進国であっても生産は途上国,新興国で行われることが多く, 必然的に貿易取引が発生する。 ⑶ 貿易取引における独立企業と多国籍企業の比較 ① 荷主(企業)としての独立企業と多国籍企業の比較 貿易取引においてこれら つの業種が比較できる点は,売主と買主間の信用 の度合いであり,これは代金決済を中心にリスク・マネジメント,物流にも影 響を与えている。 独立企業とは税関用語で,海外に現地法人などを持たないことから特殊関係 (親子関係),系列関係がない国内企業であり,基本的に売主と買主が異なり信 用度が低いため輸入者の取引銀行が発行した伝統的な荷為替手形決済(信用状 決済)を用いて企業間貿易取引が行われる。 荷為替手形決済なかでも信用状決済は貨物の不着や代金の不払いを防ぎ,輸 出者と輸入者の両者の利益を公平に維持するものであるが,貿易取引を行うた めの売買契約,代金決済,リスク・マネジメント,貿易管理,物流の手続きを 順番に行わなければならず,手数料が高く,取引に時間がかかる欠点を持って いる。また,決められた船積書類(信用状(L/C:Letter of Credit),荷為替手 形(Bill of Exchange, Draft),船荷証券(B/L:Bill of Lading)など)や手続き に基づいて取引の安全性が重要視され,さらに,前工程の手続きが完了しなけ れば次工程が行えないことから,柔軟性,低廉性も欠如し,リーン(生産・流 通)システム,国際ネットワーク型分業工程(G-SCM / GVC)などの貿易取引 には対応しにくい仕組みとなっている。

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企業は活動が効率的に行えない場合は,SC を構築,改善するための投資, 技術移転などを積極的に行わない。貿易・投資の規制緩和,物流,情報・通信 システムの高度化と普及,グローバルな規格の統一,国際間の法令・ルールの 整備と国内の法令・ルールの統一化などの貿易取引に関係するインフラ整備が 進んでいなかった時代には多国籍化することは少なく,貿易取引は必然的に企 業間の原料や素材(付加価値は低いが船舶物流の荷役が容易/規模の経済性が 働く)あるいは製品(付加価値が高く物流費負担力がある)になっていた。 多国籍企業とは,複数の国間にまたがって現地法人,関連会社などを持ち売 主と買主の間に特殊関係(親子関係),系列関係があり,世界的視野で活動を 行う企業であり,今日ではグローバルな企業活動を円滑に行えるインフラが整 備されていることから中小企業であっても多国籍化している。基本的に売主と 買主が同一であり信用度が高いため貨物の不着や代金の不払いの心配がないこ とから,売買契約書がなかったり手続きの簡単な送金やネッティング,Fintech などの決済手段であったり,場合によっては決済がなく,必要最低限の手続き による迅速性や柔軟性を重視した企業内貿易取引が行われる。) 企業内貿易取引では輸送・保管時間のように財(貨物)が静的状態にある期 間に他の業務(商流など)が行える。売主は自己の判断で需要予測に基づいて 財(貨物)を輸出港で船積したのち輸送途中で商取引(売買契約,代金決済な ど)を行い所有権の移転を行う。輸入港に到着した時点でクロスドッキングさ れ,買主に急送されるためリードタイム短縮やコスト削減につなげることがで きる。こうした仕組みは,企業間貿易取引では船積書類や手続き上難しい。す なわち信用状決済では,国際企業間工程間分業に基づく調達−生産−物流−販 売のG-SC の全体最適(G-SCM/GVC)が構築しにくい。 クロスドッキングとは,物流,情報・通信システムの高度化と普及により発 展してきたリーン(生産,流通)システム,多品種少量生産(流通),ネット ワーク型工程間分業(生産)を背景に,SC の中間にある物流ターミナルなど で,複数の生産拠点(供給)から出荷された少品種多量の財(貨物)を市場ニ

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ーズ(需要)に合わせて検品,仕分け(多品種少量へ)する仕組みで,入庫側 の輸送手段(ドック)から最短のリードタイム(時間)で出庫側の輸送手段 (ドック)へ積み替える拠点機能である。これにより,リードタイム短縮やコ スト削減,ターミナルの有効利用が行える。) 企業内貿易取引は一般市場での「市場の不完全性」を避けるための多国籍企 業の企業内の取引であり,独立企業の企業間貿易取引よりも効率的である。) 国籍企業は,激変するグローバルな経営環境のなかで競争優位を維持,拡大す るため,常に変化に迅速,柔軟に対応せざるをえず,効率的な企業内取引を増 加させることになる。今日では世界の貿易量(金額ベース)の %以上が多国 籍企業による企業内貿易取引であるといわれ,今後も拡大する傾向にある。) 企業内貿易取引が拡大するのは,国間のさまざまな格差を利用してグローバ ルに最適配置,最適利用された分業工程間をリーンに連結しG-SCM/GVC を 構築するため,彼らが持つ経営資源(企業特殊的優位)を効率的に立地特殊的 優位と融合させ競争力を高められるからである。 これは つの流れを作り出す。 つ目は,部品や中間財(モジュールを含む) の取引によるグローバルな国際工程間分業,国際ネットワーク型分業工程の普 及であり, つ目は,製品輸入の増加である。先進国企業が比較的低い生産コ ストと比較的高い教育水準/技術水準やその他の条件(立地特殊的優位)を満 たす少数の国に集中し,自社の工場(資本)や技術(企業特殊的優位)を移転 (海外直接投資,技術移転)して製品を生産する。流通工程では広域流通(物 流)センターを利用して複数の国の市場へ輸出する仕組み(分散)である。 年代以降の多国籍化を促すインフラ整備により,それまでの一次産品 (地下資源,農水産物)や製品を中心としたものから部品/中間財産業,食品 産業,流通業など,あらゆる産業に多国籍化の機会を与え,効率的なG-SC が 構築されている。そして,多国籍企業は企業内貿易取引を利用し移転価格など 「貿易取引による利益以外の利益」を獲得することが可能となっている。

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② 物流業としての独立企業,多国籍企業の比較 貿易取引においてこれら つの業種が比較できる点は,ネットワークであり, 貿易取引の迅速性,低廉性にも影響を与えている。 迅速性,柔軟性,短リードタイム,低コスト,無在庫(リーン(生産・流通) システム),国際工程間分業が重要視されているリンク(ネットワーク)の時 代,実際の財(貨物)の移動を行うとともに,貿易取引 ⇒G-SC の制約を低 減させる役割を持つ物流業にも活動の範囲が異なる企業(独立/多国籍)があ る。 物流業における多国籍企業とは,実運送事業(公共運送人:Common carrier) とフレイトフォワーダー(利用運送事業)である。国際間の他人輸送を行う実 運送事業は 国間の財(貨物)の移動(リンク(ネットワーク)の構築)を行 うため輸出国,輸入国に現地法人,支店,営業所,代理店などが必要となり多 国籍化しなければ企業活動が行えない。他方,実運送事業から派生したフレイ トフォワーダー(利用運送事業)は,伝統的な実運送の前後の事務業務を中心 に行う独立企業(国内利用運送事業)と,そこから時流に合わせ発展しG-SC の構築を支援する多国籍企業に分けることができる。その中には,実運送事業 が競争優位を獲得するためフレイトフォワーダー(利用運送事業)を内包化し た「インテグレーター」がある。物流業における独立企業とは,日本において は海貨業(海運貨物取扱業)や通関業,保険業,船舶代理店などである。 貿易取引が国際間のリンク(ネットワーク)であるにも関わらず独立企業が 成り立つのは貿易取引が荷為替手形決済(信用状決済)を中心に機能している ためである。荷為替手形決済(信用状決済)では,独立企業(海貨業)であっ ても船荷証券(直送貨物輸送)を中心にした船積書類が金融業のリンク(ネッ トワーク)を通過するため,また,荷主(企業)が取引相手(荷主(企業)) と連絡を行っていることから,船積書類や関連情報が荷主(企業)と船会社(実 運送事業),金融業との間を流通し,国内利用運送事業(海貨業)は取引相手 国の企業(国内利用運送事業)との連絡なしに荷主(企業)の依頼を受けて輸

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出あるいは輸入に関する国内業務を行うことができる。 海貨業は国内利用運送事業(独立企業)の つで,荷主(企業)(輸出者又 は輸入者)の委託を受け,主に信用状決済に基づき輸出あるいは輸入の包括的 な手続きを代行する。輸出では輸出者の委託により財(貨物)の輸出通関,船 会社への引渡しなどを行い,船会社から発行される財(貨物)の受領書である 船荷証券を輸出者に渡す。輸入では輸出サイドから送付された船積書類(荷為 替手形,船荷証券,価格明細(I/V:Invoice),梱包明細(P/L:Packing List), 貨物保険証券(I/P:Insurance Policy),原産地証明書(C/O:Certificate of Origin) など)を輸入者から預かり,船会社からの財(貨物)の受取り,輸入通関など を行う。) 物流,情報・通信システムの高度化と普及により構築されてきた G-SCM(リ ーン(生産・流通)システム)では貿易取引の迅速性,柔軟性,低廉性が求め られるため,伝統的な荷為替手形決済(信用状決済)では荷主(企業)の顧客 満足度を満たすことができない。G-SCM では企業間貿易取引であっても送金 やネッティング,Fintech など手間のかからない決済方法(安全性は低い)で ありながら信用状決済のような高い取引信用が必要であり,貿易取引(Poor to Port)を内包したフレイトフォワーダー(利用運送事業:Door to Door)が主 催する企業内貿易取引のサービスが つの解決策となる。そのため,連続性が あり迅速で柔軟なグローバルサービスを行おうとすれば独立企業である海貨業 の業務内容では不十分となり,多国籍化(フレイトフォワーダー化)は不可欠 となる。そして一気通貫,商物一体が行えるよう,船舶代理店や通関業,保険 代理店などの関係業務,付随業務の内包化や多角化も必要である。この傾向は フレイトフォワーダー(利用運送事業)以外の貿易取引関係企業(金融業,保 険業,通関業)でも同じで,リンク(ネットワーク)を持つ多国籍企業という 立場を利用して G-SC ⇒ G-SCM / GVC における企業間貿易取引と企業内貿易取 引の折衷的な仕組みを構築し荷主(企業)の多面的な貿易取引を支えるのであ る。

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物流企業の多国籍化の特徴は荷主(企業)のそれとは異なる。荷主(企業) はノード,すなわち単体であっても つの拠点を中心に企業活動を行うことが できるのに対し,物流企業(実運送事業,フレイトフォワーダー(利用運送事 業))は常に の拠点を持ちワンペアーとしてリンク(ネットワーク)を構築 しなければ活動ができない。たとえばフレイトフォワーダー(利用運送事業) は,「実運送事業には仮の荷主,実の荷主(企業)には仮の実運送事業」の立 場をとり,その主力サービスである混載貨物輸送において,実運送事業の直送 貨物輸送(Master B/L(船会社の船荷証券))には自らが荷送人,荷受人とな り,真の荷主(企業)には混載貨物輸送によりHouse B/L(フレイトフォワー ダーの船荷証券)を発行する。また,非居住者による輸出入手続きなども行う のである。このように,「輸出サイド(出し)」と「輸入サイド(受け)」の両 方の拠点がないと貿易取引の手続きが合法的,効率的に完了しないのである。)

.貿易取引だけではない企業内貿易取引

企業内貿易取引,G-SCM による貿易取引は,売主と買主が特殊関係(親子 関係)など親密な関係であることが多いため,移転価格や 回貿易のように本 来の貿易取引とは異なった意味を持つようになる。一般的にG-SC は国内 SC と同様にリードタイム短縮やコスト削減,スループット/キャッシュフローの 増加を求めるが,国境,格差(生産要素の賦存量の違いなど)などの要因によ り超過利益の生み出し方が異なっている。生産コストや物流コストだけでなく 国間で異なる法令・ルールや税制度,原産地ブランドイメージ(特定原産地), 技術,為替などの立地特殊的優位を活用しながら企業の持つ企業特殊的優位を 最大限に使用し付加価値を高めるのである。国際工程間分業(G-SC),国際ネッ トワーク型工程間分業(G-SCM/GVC)によるリードタイム短縮やコスト削減 も重要であるが,国際間のさまざまな格差を利用して分業工程以上に関連する 利益が望めるのであれば,自社のG-SC を恣意的に 回させる。国内で地域格 差を利用し拠点を移転させることが見られるが,国内は要素の均一化が進んで

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いるため海外(コスト削減,市場開拓など)とは目的を異にしている(環境対 策,人材確保,技術革新など)。 格差は市場,事業活動コスト,法人税,金融環境,労働力,教育水準/技術 水準,関係法,インフラ,産業集積などノード(国)でのほかに,リンク(ネッ トワーク)における地理的要因,貿易協定(FTA/EPA)などでも生じており, 経営資源の最適配置と最適利用への物流,情報・通信システムの高度化と普及 の影響は大きいといえる。すなわち,物流,情報・通信システムの高度化と普 及があることで,急速な貿易取引や多国籍企業の増加,貿易・投資の規制緩和, 国際間の法令・ルールの整備と国内の法令・ルールとの統一化,多角的貿易体 制の整備,FTA/EPA の締結,国際分業の拡大と細分化などが進んだといえる。 リンク(ネットワーク)による例としては,G-SC を構築している輸出国が 輸入国との間で直接FTA/EPA を締結していない場合,輸入国と協定を締結し ている近隣国のFTZ/EPZ に経営資源を移転(海外直接投資)し現地で取得し た原産地表示を利用して輸入国で特恵関税制度(最恵国待遇)などの優遇措置 の享受,非関税障壁の回避などを行おうとするのである。)さらに,貿易取引を 利用して資金を移転(移転価格)させるため租税回避地(Tax haven)を 回 させるものもある。) 資金の移転の例では,古くは東南アジアの中国系住民(華僑)が暴動などの 高いカントリーリスクから逃れるため,予め貿易取引の代金決済の仕組みを 利用して資金を国外へ移転していた。 年代では輸出指向型工業化政策を 行っていたASEAN 加盟国の FTZ/EPZ,特恵関税制度(最恵国待遇)などを利 用して外国企業が原産地表示の変更を行い欧米市場に輸出 回を行っていた。 この方法は生産コストの削減,現地市場の獲得,輸入国で特恵関税制度(最恵 国待遇)の優遇措置を受けるだけではなく,一時的には貿易摩擦を回避するこ ともできたのである。 今日では多国籍企業が合法な範囲内で,グローバル節税を目的に法人税の高 い国からタックスヘイブンへ資金を移転している。なかでもイギリスのスター

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バックスコーヒーがスイスの子会社からコーヒー豆を,オランダの子会社から 意匠に関するソフトウェアを高額(独立企業間価格以上)で輸入していたこと や,アップル,マイクロソフトの国際分業,資産の分散などは有名である。こ れらは,場合によっては不法行為と考えられることもある。) 特定原産地取得(原産地ブランド)のための 回貿易とは,原産地規則(付 加価値基準)を満たしていれば原産地表示を行えることから,特定の国の原産 地を得てブランドイメージや品質(技術)イメージを増加させ輸入国での販売 促進につなげる目的で恣意的に経営資源の移転や財(貨物)の 回,委託加工 を行う。)特定の国が持つ立地特殊的優位(ブランド,イメージ,技術,施設 など)を利用するのである。)たとえば,ブランドイメージではフランス,イタ リアなど高級ブランドや高いデザイン力のある国への繊維,アパレル,皮革, バッグ,腕時計などの生産工程の移転や 回であり,品質(技術)イメージで は,ドイツやスイス,外国企業であれば日本など技術力の高い国への精密部品, 中間財(モジュールを含む),製品の生産拠点の移転や 回である。 そして,国が 回貿易に戦略的に動くこともある。たとえば韓国は,アメリ カや EU と FTA を締結するとともに自国に経済自由区域(FEZ:Free Economy Zone)を設置しその優位性を PR して外国企業の直接投資の誘致を行い,国の 競争優位につなげようというものである。)日本ではメキシコとの FTA / EPA に

おいて,メキシコが NAFTA(North American Free Trade Agreement:北米自由 貿易協定)に加盟したことにより 年代からのマキラドーラ(Maquiladora de Exportación:保税加工制度)の特区としての意味が変わり NAFTA 向け輸出 にマキラドーラが適用されなくなったことから( 年からマキラドーラの 戻し税制度が廃止され,域外からの中間財(モジュールを含む)輸入に対する 一律免税がなくなった),効率的な SC を維持するため 年に日墨経済連携 協定が締結された。) なお,原産地取得の基準(原産地規則)は WTO で決められた基準に従って 行われる。)

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年代以降,特に貿易・投資の規制緩和,物流,情報・通信システムの 高度化と普及,グローバルな規格の統一(ISO など),国際間の法令・ルール の整備と国内の法令・ルールの統一化などの貿易取引に関係するインフラが整 備され貿易取引システムが円滑化されるとともに,G-SC における Door to Door のサービスが普及し貿易取引の商取引上での意味や位置も変わり,企業活動に 少なからず影響を与えるようになってきた。そして企業がグローバル市場に国 内市場と同じような形態(取引の迅速性,柔軟性の向上,活動の円滑化など) を求めるに従い,GS を G-SCM / GVC に進化させると同時に SC の制約である 貿易取引がその仕組みのなかに内包化され見えにくい状態になり,さらなる貿 易取引システムの簡素化,効率化に努力が払われる。 企業の国際的な活動形態は彼らの持つ経営資源,組織,戦略,ネットワーク, 立地,取引される財(貨物)などの違いにより異なっているが,それを支える 仕組みもフレイトフォワーダー(利用運送事業),インテグレーターをはじめ として整備され,ニーズになんとか対応できる時代になっている。企業活動の グローバル化に最適な G-SCM/貿易取引システムの整備にはまだ時間がかか るであろうが,戦争関連物資(戦略物資)の取引が規制され,国内経済の安定 や国民生活の安全が低くなることなく動く,効率的な仕組みづくりに日々努力 が払われている。 )上羽博人「企業活動と貿易取引−製造業を中心にした分業工程と貿易取引との関係−」 年 月,p. )DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部(編,訳)「サプライチェーンの経 営学」ダイヤモンド社, 年 月,p.

)Helga Pavlic Skender, Alen Host, Melisa Nuhanovic “The role of logistics service providers in international trade” Business Logistics in Modern Management : Proceedings of The th

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International Scientific Conference, Osijek, Croatia, October , , pp. − )サプライヤー・パーク(工場の集積と所有の分散)とは,完成車組立工場の近くに立地 している部品サプライヤーの集積(クラスター)である。欧米では, 年代にシートな どの部品を中心に数十キロ離れたサプライヤー工場からのジャスト・イン・タイム(JIT: Just In Time)納入が普及した。 年代からは,工業団地のように,組立工場に隣接し た敷地にてサプライヤーが生産・組立てを始め,ベルトコンベイヤー又はトラックで納入 している。さらに,完成車組立ラインと一緒に つの屋根の下にサプライヤーが構内請負 のごとくサブラインで組立てを行うモジュラー・コンソーシアムも普及している。

酒向真理「サプライヤー・パーク:工場の集積と所有の分散」Auto Industry Symposium : The RIETI-HOSEI-MIT IMVP Meeting,RIETI 政策シンポジウム,RIETI(独立行政法 人経済産業研究所) 年 月

Mari Sako “Governing Supplier Parks : Implications for Firm Boundaries and Clusters” The Research Institute of Economy, Trade and Industry, July , pp. (https://www.rieti.go.jp/jp/ events/ /sako.html) 藤本隆宏「現場から見上げる企業戦略論−デジタル時代にも日本に勝機はある−」角川 新書, 年 月,p. − 上羽博人「グローバル・サプライチェーンと貿易取引システム」松山大学論集第 巻 第 号, 年 月,p. )財(貨物)の物流は単純なものではなく,種類が異なれば包装,保管,荷役,書類業務, 取扱業者,コストなども異なってくる。たとえば,財(貨物)自体の性質が不安定,物流 中に財(危険物,生動物,生鮮など)が他の財(貨物)に影響を与える,物流費負担力が ないなどがあり,積極的に物流を行う際には財(貨物)自体の性質を安定させ,付加価値 を上げることが望まれる。このため産業集積の位置や構造にも影響を与える。 経済産業省「我が国製造業の変革の方向性」『 年版ものづくり白書(ものづくり基 盤技術振興基本法第 条に基づく年次報告)』 年,p. )DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部(編,訳),前掲載(注 ),p. −

)Gerard Kelly, Gianni La Cava “Value-added Trade and the Australian Economy” March Quarter, Reserve Bank of Australia, , pp. − (https://www.rba.gov.au/publications/bulletin / /mar/ .html)

)Jean-Paul Rodrigue, Theo Notteboom “The Geography of Transport Systems−Transportation and Economic Development−” Routledge, , pp. −

)Yield management とは,ホテル OCC(Occupancy Ratio:客室稼働率)や航空会社ロード ファクターで単位あたりの収益を最大化する販売戦略。イールドを最大限確保するために, 過去の販売データや需要動向を細かく見ながら販売単価や提供客室・座席数を管理する手

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法である。航空会社は過去の販売データなどを参考に各種運賃や運賃ごとの座席数を設定 する。JTB 総合研究所,観 光 用 語 集(https://www.tourism.jp/tourism-database/glossary/yield-management/)

)SPA(Speciality Store Retailer of Private Label Apparel)とは,企画から製造,販売までを垂 直統合させることで SCM のムダを省き,消費者ニーズに迅速に対応できるビジネスモデル NRI:Nomura Research Institute, Ltd.(https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/ spa) )日本銀行(https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/kess/i .htm/) 花木正孝「『フィンテック』の発展が外国為替業務に与える影響」日本貿易学会誌,日 本貿易学会誌 , 年 月,p. − 佐川急便「海外代引きサービス」(https://www.sgh-globalj.com/solution/collect.html) ヤ マ ト 運 輸「国 際 宅 急 便 コ レ ク ト」(https://www.yamatofinancial.jp/service/international/ service/daibiki-international.html) 朝岡良平「紙の書類から電子書類への変遷過程−UN / ECE / WP. による貿易手続簡易化」 『高度情報化社会における日本の貿易と企業戦略の再構築』早稲田大学産業経営研究所, 産研シリーズ , 年 月,p. − )日本通運(https://www.nittsu.co.jp/support/words/ka/cross-dock.html) )石田 修「グローバル生産システムの貿易構造」経済学研究 ( ),九州大学経済学会, 年 月,p. −

)WTO(World Trade Organization)“World Trade Report ” WTO Publications, pp. It is estimated that upwards of per cent of global trade now takes place within the international production networks of multinational enterprises.

)海運貨物取扱業(海貨業)とは, (昭和 )年に港湾運送事業法が制定され,港湾 運送事業は登録の対象として一般港湾運送,船内荷役,はしけ運送,沿岸荷役,いかだ運 送( 年の改正で追加)の 種類の事業に区分された。このうち名称から事業内容が判 断しにくい一般港湾運送事業は「一種元請」,「一種事業」などと呼ばれ,事業内容に応じ てさらに「エーゼント」,「一貫元請」,「海貨」,その他に 区分された。エーゼントは, ステベ,無限定とも呼ばれ,一般港湾運送事業のどの事業も行える資格を有している。「海 貨」以外の事業には当初から「エーゼント」,「一貫元請」などと略称があり,今日までそ のまま使用されている。「海貨業」は登録時代には海貨業という呼称がなかったので「一 般港湾運送事業(個品・荷主限定)」という法律上の名称のままであったが,この呼称は 海貨業の別名称としては実態を反映せず極めて不適格であった。統制令時代の回漕業との 共通点として,定期船の貨物を扱う,通関業を兼営する,船積貨物に必要な書類の作成や 事務手続を行う,荷主に対して船積み,陸揚げを元請として請負うなどである。 鈴木 暁「海貨業の現状と課題−総合物流業へ向けて−」海事交通研究 ,山縣記念財

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団, 年 月,p. −

山田源次著「 世紀の海貨と物流−海貨は乙仲ではない−」成山堂書店, 年 月, p. −

)Alessandro Nicita, Victor Ognivtsev, Miho Shirotori “Global supply chains : Trade and economic policies for developing countries” Policy issues in international trade and commodities study series No. , UNCTAD, , pp.

)Alessandro Nicita, Victor Ognivtsev, Miho Shirotori, , op. cit., pp. − 斎藤祥男編著「国際経営戦略」同文館出版,平成 ( )年 月,p. − )タックスヘイブンとは,外国資本や外貨獲得のため,金融・サービス業などの所得に対 し,税率が極めて低いか,全くかからない国や地域。中米パナマや英国領バージン諸島, ケイマン諸島,バミューダ諸島など小国や島が多く,日本語では「租税回避地」という。 タックスヘイブンでの会社の設立・利用自体は合法であるが,多国籍企業や富裕層の自国 での課税逃れや,麻薬組織のマネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されているとの批判 がある。経済協力開発機構(OECD)は税率や法制度の透明性を基準にタックスヘイブン のブラックリストを策定し,是正を促している。大和証券(https://www.daiwa.jp/glossary/YST .html) )王 忠毅「日系多国籍企業の財務戦略と取引費用」九州大学出版会, 年 月,p. − ,p. − ,p. −

)付加価値貿易(TiVA),付加価値貿易指標(TiVAD : Trade in Value Added Database)と は,国際貿易をモノやサービスの流れではなく,それらの生産過程で付加された価値の流 れとして捉え直す仕組みである。製品やサービスができあがるまでに,どの国で価値が加 わったかを分析するための貿易統計。経済協力開発機構(OECD)と世界貿易機関(WTO) が共同開発したものである。この指標の特徴は,複数国にまたがる貿易が行われた場合に, より実態に即した貿易の形態が浮かび上がるという点にある。

OECD「付加価値貿易指標(Trade in Value Added Database)」(http://www.oecd.org/tokyo/ newsroom/tradeinvalueaddeddatabase .htm) )上羽博人,前掲載(注 ),p. 須戸和男「アメリカ企業のグローバルな租税回避戦略−国際的租税回避行為と租税優遇 措置の濫用行為−」経済学研究 − ,北海道大学, 年 月,p. − )苅込俊二「韓国の FTA 戦略−FTA を積極推進できる要因と日本への示唆−」みずほ総 研論集 年 II 号,みずほ総合研究所アジア調査部, 年 月,p.

)小室程夫「FTA と原産地規則−急増する FTA−世界貿易体制とアジア−」国際問題 No. , 年 月,p. −

)財務省関税局・税関「原産地規則の概要」 年 月,(https://www.customs.go.jp/roo/ origin/gaiyou.pdf)

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参 考 文 献

Grazia Ietto-Gillies “Transnational Corporations and International Production : Concepts, Theories and Effects” Edward Elgar Pub,

Munehiko Itoh, Atsumi Kato, Yoshitaka Shimono, Yasuhiko Haraguchi, Park Taehoon “Automobile Industry Supply Chain in Thailand ” Springer,

日本貿易振興機構 ソウル事務所 進出企業支援・知的財産部 進出企業支援課, 年「韓 国における外国人投資環境」(独)日本貿易振興機構

瀬藤澄彦, 年「多国籍企業のグローバル価値連鎖−国際経営戦略論の系譜−」中央経済 社(Firmes multinationales, chaine de la valeur globale)

Grazia Ietto-Gillies “Transnational Corporations And International Production : Concepts, Theories And Effects” Edward Elgar Pub, (グラツィア・イエット・ギリエス(著),井上 博 (監訳), 年「多国籍企業と国際生産−概念・理論・影響−」同文館出版)

Clayton M. Christensen “The Innovator’s Dilemma : When New Technologies Cause Great Firms to Fail ”, Harvard Business Review Press, (クレイトン・クリステンセン(著),玉田俊平 太(監修),伊豆原 弓(訳), 年「イノベーションのジレンマ」翔泳社) 玉木俊明, 年「近代ヨーロッパの形成:商人と国家の近代世界システム」創元社 八尾 晃,後藤守孝,橋本 徹,阿部順二(著),三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング(編), 年「貿易と信用状」中央経済社 羽床正秀,田中龍平,佐藤雅弘, 年「実務家と経営者が知っておきたい貿易実務と移転 価格」大蔵財務協会 村田守弘,石川敏夫,柴田 篤, 年「ものづくり日本の海外戦略」千倉書房 新宅純二郎,天野倫文, 年「ものづくりの国際経営戦略−アジアの産業地理学−」有斐 閣 延岡健太郎, 年「MOT『技術経営』入門」日本経済新聞出版 板垣文夫,瀬戸岡 絋,岩田勝雄(編), 年「グローバル時代の貿易と投資」桜井書店 新堀 總, 年「貿易取引の理論と実践」三嶺書房

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