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自律移動ロボット群を用いた協調行動の実験支援システム

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(1)

「マルチメディア通信と分散処理

J

ワ ー ク シ ョ ッ プ

平成

5

3

自律移動ロボット群を用いた協調行動の実験支援システム

宇 津 宮 孝 一 副 島 匡 暢 肥 川 宏 臣 児 玉 利 忠 吉田和幸 大分大学工学部知能情報システム工学科 マルチロポットシステムの研究を促進するために,そのテストベッドとして機能する実験支援システムを開発 した.このシステムは.

Gung-Ho

(r協力しよう」の意味)と呼ばれ,自律移動ロポット群の開発とこれ らの協調行動の基本概念の試行や評価を支援する.各移動ロポットは対応するワークステーションにより遠隔制 御され,システムは

UNIX

環境が提供する豊富な機能やツーJレを利用することができる.本論文では,協調行 動の実験を支援する

Gung-Ho

システムの設計と実現およびその有効性などについて述べる.

1 はじめに

協調行動をする複数ロポットからなるシステム (C

M A

R

S (

C

o

o

p

e

r

a

t

i

v

e

M

u

l

t

i

-

A

g

e

n

t

R

o

b

o

t

i

c

S

y

s

*

t

e

m

)

と略)は,人工知能やロポテイクスなどの分野 において,さまさ.まな概念を試行するための有用な環 境を提供する

{

1

]

. CMAR

S

においては,各ロポッ トは自律動作をしながらも,協調して共通の目標を達 成しなければならない.ロポットがどのようにして協 調行動をするかということは,非常に重要で,興味を そそる研究課題である. これまでの

CMARS

の研究は,特定の応用分野に 焦点を絞ったものか,あるいは机上でのシミュレー ションによる概念的なものが多い

[

2

]

.

その原因は, 適当なハードウェアの製作が容易でない,あるいはリ アルタイムに近い状況での実験が困難であることなど に起因する.事実,完全なマJレチロポットシステムは 非常に複雑で,その開発には多大な労力と時間を要し てきた. そこでわれわれはI

Gung-Ho

(

r

協力しよう

J

の意味)と呼ばれる

CMARS

のための実験支援シス テムを開発した

[

3

]

.

このシステムは,自律移動ロポッ ト群の開発とこれらによる協調機構の解明のための実 験を支骸するものである.

Gung-Ho

システムで は,各移動ロポットは,パックエンドコンピュータで ある

UNIX

ワークステーションにより制御されるの で,

UN

1 X1が提供する並行処理機能,ネットワー ク機能

.X

ウインドウシステム2や共有メモリなどの 機能や開発ツーJレを利用することができる.これらの 機能やツールは,

CMAR

S

の開発には極めて有用で ある. 本論文は,まず

Gung-Ho

システムの設計と実 現について述べ,次にこれを用いた予備実験と協調行 動問題の考察を行うことにより,このシステムが

C M

ARS

による協調機構の実験支援システムとして有効 であることを示す.

2

実験支援システムの設計

ここでは,実験支援システムの中で実現しなければ ならない

CMARS

の形態や制御方式について考察す る.

2

.

1

システムの形態

マルチロポットシステムの形態は,主として集中型 と分散型の

2

つに分類される.集中型システムは,ロ ポット数が少なく,その環境があらかじめよく知られ ている場合には,効率的な制御方法を提供できる.し かしながら,環境の複雑さが増せば,この方式の実現

A Testbed f

o

r

Studying Cooperative Behavior Using Autonomous Mobile Robots

b

y

K

o

u

i

c

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i

UTSUMIYA

Masanobu SOEJIMA

H

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r

o

o

m

i

HIKAWA

T

o

s

h

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a

d

a

KODAMA

a

n

d

K

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z

u

y

u

k

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YOSIDDA (

D

e

p

a

r

t

m

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n

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o

f

Computer S

c

i

e

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c

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and I

n

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l

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g

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t

S

y

s

t

e

m

s

O

i

t

a

U

v

e

r

s

i

t

y

)

1

UNIX

オベレーテイングシステムは

AT&T

が開発し,ライセンスしている.

2X

ウインドウシステムはマサチューセッツ工科大学の登録商標である.

(2)

-機 ン れ に 開 閉 な 各 コ さ と に を う す ン 制 る 独

R

の 示 エ 隔 す を

A

こ に ク 逮 離 ア

M

U

止 て 分 エ

C

か 図 べ つ を ウ は 点 を 一 J よ 部 ド れ の 成 同 に 御 -わ き 構 ) 部 制 ハ れ す の 体 御 と と わ や ム 本 制 部 式 ・ り テ ト た 動 方 る 作 ス ッ れ 可 御 な と シ ポ き 械 制 に 性 。 ロ 現 機 の 易 軟

H

動 実 の ト 容 柔 一 移 に ト ツ が

g

(

上 ツ ポ と に

n

部 タ ポ ロ こ 際

u

勤 一 ロ ' る る

G

可 ュ ・ り す す 被 ピ る よ 発 発 一 n L ' 準 一 て 水 し 高 ・ と ル が 一 る ツ い の で め れ な さ る 案 す 提 発 も 関 認 を 冒 ム ト -アツ ス ポ ‘ ン ロ ト の ツ・カ ポ つ ロ ︿ i v は非常に困難である.一方,分散型システムは,中心 となる統率者をもたず,各ロポットは独立して動作す る.この方式は,各ロポットが各自の判断で行動する (自律動作)ので.全体の統率や制御は容易でないが, 柔軟性は高い.

CMARS

は分散型システムに属する.分散システ ムに要求される最も重要な機能は,ロポット聞の通信 である.各ロポットは自分の行動を決めるために,セ ンサ情報のようなさまざまな情報をお互いの間で交換 しなければならない.

2

.

2

ロボットの制御方式

従来の自律移動ロポットの制御方式は,知覚,モデ ル化,計画などの機能単位から構成きれていた.この ような方式の移動ロポットシステムは,正確な世界モ デルと経路計画を基本とする

[

4

]

.

しかしながら,世 界知識と経路計画は集中的な管理と処理を必要とする ので,分散型制御方式による実現は容易ではない.

Brooks

は,機能単位ではなく動作単位とでも いうべきものから構成される包括アーキテクチャ

(

S

u

b

s

u

m

p

t

i

o

n

A

r

c

h

i

t

e

c

t

u

r

e

)

の概念を提案した

[

5

]

.

この動作単位はエージエント

(

A

g

e

n

t

)

と呼ばれる. エージェントが実行する個々の作業は,行動

(

B

e

h

a

v

-i

o

r)とも呼ばれている

[

6

]

.

このようなモジュール化 は非常に柔軟性が高いソフトウェア構成法である.エ ージェントの全体のつながりを再構成することなく, 必要に応じて行動の挿入や削除が容易にできる.包括 アーキテクチャでは,エージェントは独立したプロセ スとして動作し,関辿情報の交換を大域的に行う.そ れゆえ,エージェント聞の並列処理機能と通信機能は, システムの基本機能として提供されなければならない. ソフトウェアアーキテクチャは頑健でなければなら ない.さらに,新たな機能を導入できるように柔軟で なければならないし,デバッグするのに容易でなけれ ばならない.その結果,ロポット群全体と個々のロポ ットの制御方式として,分散制御方式を選択した.

2

.

3

システム開発ツール

4

・ 料

曜劇縦割溺跡 機械可動部 {実ロポット ぃ

P G

.

r

j ,i 低想ロポット 機械可動部 図1:

G

u n g-H 0システムの構成 雷鯖の使用はロボットシステムのプログラミングを容 易にするものと思われる.しかしながら.

CMAR

S

のテストや評価を容易にするための理解しやすいテス トベッドには,これらの雷鯖ばかりでなしさまざま なライブラリ,ロポットのシミュレータやモニタなど のソフトウェア開発ツールやデバッギングツールが備 えられていなければならない.シミュレータは,導入 する新しいアルゴリズムや方式を事前に試行するのに 有効である.モニタは,ロポットの位置などの稲々の 情報やロポットの状態などを追跡する.シミュレータ とモニタを組み合わせれば,マルチロポットシステム 開発の初期段階において,テストとデバッグの強力な ツールを提供することができる

(

2

]

.

3

Gung-Ho

システム

(3)

図2:移動ロポット群と実験環境 構成を選択した.研究の最終目標は

CMARS

による 協調行動の研究,つまり,協調機構の解明や協調アー キテクチャの開発と評価に重点を置いているので,当 面の間,ロポットシステムの機被的な部分はできるか ぎり最小限度に止どめておきたいからである.

CMA

RS

に要求される最も重要な部分は,ロポット聞のコ ミュニケーションである.この機能は,パックエンド コンピュータとして利用するワークステーション同 士がイーサネットを介してメッセージをやりとりする ことによって実現する. 上述したさまざまな要求を達成するために,システ ムの制御部として機能するパックエンドコンピュータ は, UN 1 Xワークステーション群を用いる.U N 1

X

環境では,並行プロセス機能,強力な通信機能など のさまざまのソフトウエア開発技術カ苦手リ用でき,これ らは

CMARS

の開発に非常に適している.

3

.

1

機械可動部

各ロポットの機械可動部は,直径が

20

c m,高さ 動き回るように設計されている.機械可動部には,オ ンボードプロセッサ(現在はMC6809)が搭載さ れており,

2

台のステッピングモータで

2

つの車輸を 駆動する.センサ系は,

2

つの触覚センサと

4

方向超 音波センサから構成される. 超音波センサは,物体とロポット聞の距離を前後左 右の 4方向について剖・測することができる.オンポー ドプロセッサはモータやセンサなどロポットの入出力 資源を操作・管理する.プロセッサは後述する制御部 からのコマンドを実行し,センサ情報を制御部に戻す. コマンドとセンサ情報は,ロポットの機械可動部と 制御部の聞で無線通信を介して交換される.プロセッ サは制御部が存在するパックエンドコンピュータから コマンドを受け取ると,そのコマンドに基づいてモー タの制御,ロポットと物体の聞の距離の計測などを行 う.センサ情報は,制御部がその情報を要求したとき に転送される. Gung-Hoシステムの機械可動部は現在できる かぎり最小化を図っているが,最終的にはいくつかの が 25cm程の大きさである(図 2) .これらのロ マニピュレータも付加したいと考えている. ポット群は,構造が定型化されたオフィス空間の中を

(4)

-3-│国ト

- - t 図

3

:

制御部の構造 ヲ・・~~子園~.ン 図

4

:

実ロポットと仮想ロポットの切替え

3

.

2

制御部

各ロポットを実質的に制御するプログラムは,対応 する

UNIX

ワークステーションにより実行される. 機械可動部へのコマンドおよび機械可動部からのセン サ情報は,図 3に示される位置制御モジューJレ(Lo・

c

a

t

i

o

n

Cont

l'

o

l)により処理される.ロポットの機被 可動部を制御する各ワークステーション聞の通信はT

CP/I P

プロトコルを用いて行われる.図

3

に示さ れるメッセージ制御モジュール

(

M

e

s

s

a

g

eCont

l'

o

I

)

は,メッセージを当該ワークステーションにイーサネ ットを介して送信することにより通帽する. 分樹高綱方式を合むいろいろな制御方式は,

UN

1

X上のプログラミング冒蹄を用いて実現することがで

a

v

.

. ・

{日〉

-~

.

.

・ -

.

.

.

.

5

:

センサ情報のモニタリング きる.例えば,

C++

を使用すればオブジェクト指向 のアーキテクチャの股針と開発が容易になり,

P

r 0

1

0 gや

L

i

s

pを用いれば

AI

指向のアーキテクチ ャの導入が容易になる.

Gung-Ho

システム、にお いては一連の機能はプログラミング雷鯖と

UNIX

の 間のインタフェースをとるために用意される.

UNI

X環境においては,プログラミングツールばかりでな く,

CMAR

S

の開発に要求されるさまざまな機能が, 部品としてあらかじめ装備されている.したがって, ロポット開通信のようなハードウェア指向の機能も

U

NIX

ソフトウェアを用いて容易に実現することがで きる. 制御部においては,多重プロセス制御,プロセス開 通信および並行処理などの有用な機能が,

UNIX

ワークステーション上で提供される.制御方式を構成 する各モジュールはこれらの機能を利用して,ロポッ トのさまざまな制御方式を開発したり,試行したりす ることができる.

3

.

3

シミュレータ/モニタ

試行環境において,シミュレータは仮想ロポットを 生成する.仮想ロポットは実在はしないが,実ロポッ トと同様に同ーのコマンドを受け取ることにより,実 ロポットの機能を代替えするものである(図

4

)

.

例え ば,ロポットを取り巻く環境の地図を用いて,模擬の センサ情報を返す(図

5

)

.

このシミュレータを利用す れば,開発中のアルゴリズムの改普やデバッグを実環

(5)

-4-境でテストする前に即座に実施できる.

Gung-H

o

システムでは,これらの仮想ロポットと実ロポット が共存し,相互作用をすることができる.この機能は また,実ロポットの数が十分でない状況でも,多数の ロポットからなる

CMARS

を容易にテストすること ができる. 上述した制御用のプロセス群とモニタプロセスは同 時に動作する.モニタは,位置制御モジュールやメッ セージ制御モジューJレから.各ロポットに関するすべ ての情報を獲得する.モニタプロセスはI

X

ウインド ウシステムを用いてワークステーションの画面上に, ロポットの位置,センサ情報,制御部の状態などロポッ トのさまざまな情報を表示する.モニタ自身は,仮想 ロポットが実ロポットと閉じ情報を生成するので,両 者の区別をすることはできない.それゆえ,両方のロ ポットの状況を監視することができる.このツーJレは, ロポットの振舞い,例えば,実現している制御方式の 効率などの記録や評価をするのに大変強力である.シ ミュレータやモニタの機能は,新しい制御方式やアル ゴリズムを開発する際に大きな助けになる

[

2

]

.

4

行動原理に基づくマルチロボット制御方

式の試作と検討

ロポットの開発環境として

Gung-Ho

システム の有効性を確かめるために,簡単なロポット制御アル ゴリズムのプログラムを密いてみた.行動原理に基づ くマルチロポット

(

B

e

h

a

v

i

o

r

-

b

e

dM

u

l

t

i

-

R

o

b

o

t

s

)

の例として,互いに交信しながら,目的地に行くよう に制御される移動ロポット群を考える.目的地はあら かじめ制御プログラムによりロポットに与えられてい るものとする.包括アーキテクチャに対しては,行動 を起こしている各エージェントは.

UN

1

X

のプロセ スとして実現され,並列に実行される.プロセス間通 信はI

UNI

Xの機能である共有メモリ機構により処 理される. 行動制御型プログラム

Q Q

(実ロボット) 図

6

:

エージェントモデルによる制御方式の実現 衝突を回避しながら目的地に向かつて動こうとする. 実世界では,仮想ロポットは実際には存在しないので, 実ロポットが活性化するのみである.

4

.

1

エージェント

上述したタスクを遂行するために,エージェントモ デJレを導入し,下記のエージェント群を用意した

[

7

]

[

8

]

.

• HOM

1

NG

エージェントは.所定の位置へロ ポットを向かわせるコマンドを生成する.

OBJECT-AVOIDANCE

エージェン トは,センサ情報と他のロポット位置情報を調 べる.障害物が検出されると,衝突を回避する ために方向を変えるコマンドを生成する.

.INTERRUPT

エージェントは.目的地に 行こうとする他のロポットの進路を邪魔して目 的地に到達しないようにする.

• CAL

L

エージェントは他のロポットの情報を 更新する. 例として.

2

種類のロポットを使用する.その

l

つ は実ロポットで,イ也の 1つはシミュレータによって生 成された仮想ロポットである.ロポット聞の位置デー タがやりとりされる.そして,仮想ロポットは突ロポツ 図 6に示されるように.エージェントは制御部の トの障害物となる.実ロポットは,仮想ロポットとの 中でさまざまな情報を交換している.エージェントに

(6)

-5-よって生成されるコマンド群はつのコマンドにま とめられてロポットに供給される.センサ情報は,セ ンサ情報要求コマンドを各ロポットに定期的に送信す ることによって収集される.

4

.

2

予備実験

まず,前節で述べたエージェント群を開発し,シミ ュレータやモニタを用いてテストする.次に,これら のエージェントを実ロポットで実現し,システムを 実環境で実行する.この予備実験は,これまでに述べ てきたすべての機能を実演するために,

2

台の実ロポ ットと

l

台の仮想ロポットにより遂行する.実ロポッ トは目的地へ進む

(

H

o

m

i

n

g

)

ように動き回り,仮想 ロポットはそれを邪魔する

(

I

n

t

e

r

r

u

p

t

)

ように動<.

HOMING

CALL

OBJECT-AVOIDANCE

エー ジェントによって制御される実ロポットは,

INTER-RUPT

CALL

OBJECT-AVOIDANCE

エージェ

ントによって制御される仮想ロポットとの衝突を回避 するために.方向を変えながら与えられた目的地に向 かつて進んでい<.図 7はこれらのロポットの軌跡 を描いたモニタ画面を例示している.図に示されるよ うに.エージェントは正しく機能している.実ロポッ トは仮想ロポットとの衝突を回避しながら,画面の3 つの目的地の lつに到達する梯子が示されている. この実験はエージェントモデルと包括アーキテクチ ャの原理と特長をうまく表し,この方法の有用性を実 証するものとなっている

[

9

)

.

仮想ロポットを用いる ことにより,ロポット数が実在する実ロポットの数に 制約を受けないで,マルチロポットシステムのための 試行環境を提供することができる.もちろん実ロポッ トも使用するので,設計者はロポットと実世界の相互 作用を容易に試行することができる.

4

.

3

検討

上記の例のような制御方式の拭作を通じて, G

u

n

g-Ho

システムが分散ロポットアプリケーションを 開発するのに十分対応できることがわかった.このシ ステムを利用することにより,上述した例プログラム の開発は l人でわずか半月で済んだ.この倒が示すよ うに,われわれのシステムは効率的なロポットプログ 図

7

:

移動ロポット群の軌跡 ラミング環境とそのテストベッドを提供することがで きる. しかしなiJfら

Gung-Ho

システムは,ロポット 制御アルゴリズムを前もってテストするための簡単な 実験環境を提供するために股針きれたので,リアルタ イム操作機能が現時点では十分ではない.現時点では, ロポットの機械可動部が単純で動作が遅いので,リア ルタイム操作の欠知が問題を起こすという状況にはま だなっていない.今後は,リアルタイム操作を取り扱 うアルゴリズムの開発が,実世界のアプリケーション には不可欠になるものと思われる. リアルタイム操作機能と問機,さらに複雑な状況で 実施する実験に対応するためには,ロポットの機械可 動部のハードウェアの改良が必要である.機械可動部 をより高遠にするために,オンボードプロセッサの強 化を考えている.さらに,センサの種類と数を増やす ことも計画している.現在の版は非常に単純なハード ウェアが使用されているにもかかわらず,これまでに 述べた予備実験で,

CMAR

S

の実験支援システムと して有用であることを示すことができた.

-6

(7)

5

協調行動の考察とその試行

本来の

CMARS

を開発するためには,まず協調行 動を考察し,次に適切なモデル問題を選択し,その問 題をGung-Hoシステムで試行することにより, 協調機構を解明することが必要である.

5

.

1

協調行副の分類

協調という用語は「協同調和

J

の略であり,いろい ろな定義が考えられるが[1O

J

[

1

1

J

.

広辞苑(第四版) にはその意味が次のように説明されている, (1)利害の対立した双方がおだやかに相互間の問題 を解決しようとすること.伺)労健協鯛.

(

2

)

性格や意見の異なった者同士が互いに蹟り合つ て鯛和をはかること.例)協間性. (3)生体を構成する鰭部分が相互に澗整を保った活 動をすること. これらの意味を整理すると,協胴行動は,複数の主体 が共通の目標を達成するために,次の 3つの場合に必 要となるものと考えられる.

(

3

0

)

競合(利害の衝突)の解決妥協や遠慮にょっ て解決する.例)遠慮ロポット

[

1

2

J

.

(b)個性の補い合い 我を殺し,双方の長所だけを 出し合う. (c)一致協力 同期や嗣整を保って活動する.例) 協関融資,御輿かつぎなどの動作. 協問機構を解明するためには,上記の

3

つの分類を含 む協間行動の拭行ができる問題を選択し,考察する必 要がある.

5

.

2

協調行動の試行

現段階のGung-Hoシステムの性能や能力では, 実行できるタスクは限定される.したがってここでは. 協鯛行動を試行するモデル問題として自律移動ロポッ ト群による「棒倒し問題

J

を選んだ.これは,前節の (a.)に対しては,どの棒をと・のロポットが倒すかと いうことで艶合が起こる事象をどのように解決 すればよいかを考える.

-7-(b)に対しては,あるロポットが事故を起こして動 けなくなった場合に,他のロポットが自らのタ スクをどの時点で中断して相手を助ければよい かを考える.

(

c

)

に対しては,大きな棒を複数のロポットで倒す 際の一致協力の仕方について考察する. これらの協鯛動作を,棒を倒すという大域的なタスク を与え,

t

s

鯛を促進あるいは後退させるような下記の いくつかの要素を変化させ,大域的タスクの終了時間, 各ロポットが行うタスク数の偏り,タスク終了時間, 走行距離などを通じて解析・野価するものである. 賦行方法は,図2で示すような実験環境において,

3

台のロポットで

15

本すべての棒を倒すという大域 的タスクを与える.処理は,実験の最中に不測の事故 や任意の焼合が起こることも想定している.実験は各 ロポットとタスクについて,以下の要素を組み合わせ て行う. -知識 ロポットはすべての棒の位置情報をも つ/部分的な棒の位置情報をもっ. ・場 意図しなくても他ロポットの位置情報が 入手できる/意図しないと他ロポットの位置情 報が入手できない. .推論 他ロポットの棒の選択が予測できる/ 予測できない. ・群構造 他のロポットの棒の選択に干渉でき る/できない. ・タスクの性質棒はロポット

l

台で倒れる

/2

台でしか倒れない. 協鯛問題については,タスクの分割をどのようにす るかという点に関してすでにいくつかの研究がなされ ている

[

1

3

]

[

1

4

]

[

1

5

)

.

ここでは,協鯛機構の解明を目 指して,上述した要素の組み合わせにより,協調行動 にどのような影響が及ぼされるのかについて,今後本 格的な実験により鯛査していく.

6

おわりに

われわれは,

CMAR

S

の開発と研究のための支援 システムであるGung-Hoシステムについて述べ てきた.これは

UNIX

ワークステーションを基盤に

(8)

しているので.U N 1 Xが提供するさまざまな機能や 開発ツールを利用することができる.したがって,エ ージェントモデルや包括アーキテクチャなど新しい方 式のマJレチロポットシステムの実現に非常に適してい る.また,ワークステーションがロポットの制御部と して働き,機械可動部である移動ロポットを遮隅操作 するという方法は,最終的なロポットの姿や仕様を開 発を進めながら明確にしていく場合には,特に有効な 手法である. これまでは,分散協調ロポット群のための効率的な テストベッドを構成する基本要素を開発することに焦 点を当ててきた.そのため.その効果を実際に示すた めに,単純なマルチロポットシステムを実現し,その 有効性を確かめた.今後は,分散協調機構を解明する ために,協鯛の概念の整理を行い,その試行ができる 様倒し問題を選択し.Gung-Hoシステム上でさ まざまな実験をする計画である. 参考文献

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Proc. of 1nt. Sympo-sium on Distributed Autonomous Robotic Systems

pp.199・208

1992. [14]伊藤,安西:自律移動ロポットのための協鯛タ スクプランニング,電子情報通信学会論文誌, Vol.J75・D-TI,No.12, pp.2038-2048, 1993. [15]浅間,尾崎,松元,石田,遠藤:通信を用いた 分散的管理に基づく複数の自体型ロポットの協 翻作業分担決定手法.日本ロポット学会聴, Vo

1

.

10, No.7, pp.955-963, 1992.

図 2 : 移動ロポット群と実験環境 構成を選択した.研究の最終目標は CMARS による 協調行動の研究,つまり,協調機構の解明や協調アー キテクチャの開発と評価に重点を置いているので,当 面の間,ロポットシステムの機被的な部分はできるか ぎり最小限度に止どめておきたいからである

参照

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