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暴風雨予測と電力設備の温暖化影響評価

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Academic year: 2021

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(1)プロジェクト課題. 暴風雨予測と電力設備の温暖化影響評価 背景・目的 今後 2 0 〜 3 0 年の間にも温暖化の日本への影響が徐々に顕在化し、電気事業にも影響を 及ぼす可能性がある。本課題では、送配電設備や水力発電用ダムの維持管理や、暴風雨や 豪雪時の復旧支援を目的とした「数日先の気象予測精度」を向上させると共に、2 0 〜 3 0 年後の日本の気候変化を高い空間解像度で予測し、温暖化に伴う風速や降水量の将来変化 が電力設備の健全性や運用・保守管理などに及ぼす影響を評価する。. 主な成果 1.温暖化に伴う日本の気候変化予測 当研究所では、数日先までの暴風雨を空間解像度 3 〜 5 km 程度で予測するために、 気象予測解析システム NuWFAS を開発している。このシステムを 2 0 〜 3 0 年先の温 暖化時の気候予測にも使用できるように、土壌水分や地中温度、積雪深などの地表面 モデルや、海面温度や海氷の設定法を改良した。冬季・夏季のそれぞれ 3 ヶ月間の計 算、および一年間の通年計算を実施して、改良モデルの予測精度の向上を確認した(図 1)[N 0 9 0 2 4]。これにより、温暖化予測を対象とした長期計算を適切に実施できる見 通しを得た。また、改良したモデルは、数日先の雪害予測に反映できることを確認した。 2.温暖化に伴う波浪・高潮・海域流動変化推定手法の開発 数日先の高潮・高波の予測や温暖化時の評価を目的として、地域海洋モデルと波浪 モデルの開発を行い、2 0 0 5 年 1 2 月の日本海を対象に、適用性を評価した。潮位・波 浪記録との比較から、低気圧の通過に伴う高潮・高波は、観測値と概ね整合性のある 結果となった(図 2)。 3.気象の予測・解析手法の高度化 暴風雨や豪雪など極端な気象の予測精度向上を目指して、地上付近の突風の評価法 や雲・降水過程のモデル化などに関して、気象モデルの改良を試みた。 通常の気象モデルでは突風の再現は難しいが、水平解像度 5 0 m 程度の乱流モデルを 用いれば、観測で得られるような突風が再現できることを示した(図 3)[N 0 9 0 1 0]。 これにより突風が重要となる送配電設備の風荷重を評価できる見通しを得た。 台風、集中豪雨、冬季日本海降雪雲などを対象に気象モデルを適用し、観測値との 比較から雲・降水過程のモデル化の相違を検討した結果、上空にある雪やあられの生 成過程に関するモデル改良の基礎的知見を得た。また、我孫子地区に新たに設置した 偏波ドップラーレーダを用いて、雷雨、台風、竜巻を伴う激しい豪雨、局地性の強い 降雨、あるいは降雪を伴う降水事例を計測した(図 4)。今後、雲・降水過程のモデル 化やデータ同化手法(観測結果を気象予測モデルに取り込む手法)の開発にレーダデー タを活用する。. 54.

(2) 環境・エネルギー利用技術 環境・エネルギー利用技術 環境・エネルギー利用技術 環境・エネルギー利用技術 環境・エネルギー利用技術. 積雪深(cm). 積雪深(cm) 積雪深(cm) 積雪深(cm). 高潮による潮位変動. 風向き → → 風向き → 風向き → 風向き. 浜田. 浜 浜田 田 浜 田. 図 1 NuWFAS による積雪深予測結果と観測結果との比較 図 NuWFAS による積雪深予測結果と観測結果との比較 図111図 NuWFAS による積雪深予測結果と観測結果との比較 図 NuWFAS による積雪深予測結果と観測結果との比較 1 NuWFAS による積雪深予測結果と観測結果との比較 積雪深や植生の効果が考慮できるように改良した NuWFAS 積雪深や植生の効果が考慮できるように改良した NuWFAS の の 積雪深や植生の効果が考慮できるように改良した NuWFAS の 積雪深や植生の効果が考慮できるように改良した NuWFAS の 積雪深や植生の効果が考慮できるように改良した NuWFAS の予測結果(実線)は、北海道農業研究センターで計測され 予測結果(実線)は、北海道農業研究センターで計測された観測 予測結果(実線)は、北海道農業研究センターで計測された観測 予測結果(実線)は、北海道農業研究センターで計測された観測 予測結果(実線)は、北海道農業研究センターで計測された観測 た観測値(○)と整合しており、 モデルの妥当性が確認できた。 値(○)と整合しており、モデルの妥当性が確認できた。 値(○)と整合しており、モデルの妥当性が確認できた。 値(○)と整合しており、モデルの妥当性が確認できた。 値(○)と整合しており、モデルの妥当性が確認できた。. 高 高潮 潮に によ よる る潮 潮位 位変 変動 動 高潮による潮位変動. 舞鶴. 000 0 2008/12/1 2008/12/16 2009/1/1 2009/1/16 2009/2/1 2009/2/16 2008/12/1 2008/12/16 2009/1/1 2009/1/16 2009/2/1 2009/2/16 2008/12/1 2008/12/16 2009/1/1 2009/2/1 2009/2/16 2008/12/1 2008/12/16 2009/1/1 2009/1/16 2009/2/1 2009/2/16. 富山. 30. 能登. 30 30 30. 舞 舞鶴 鶴 舞 鶴. 60. 富 富山 山 富 山. 60 60 60. 能 能 登 能登 登. 120 120 120 120 観測値 観測値 観測値 観測値 NuWFAS NuWFAS NuWFAS NuWFAS 90 90 90 90. 風向き → → 風向き → → 風向き. 図 22図 高潮の観測結果と予測結果の比較 図 高潮の観測結果と予測結果の比較 図 2 高潮の観測結果と予測結果の比較 高潮の観測結果と予測結果の比較 2 高潮の観測結果と予測結果の比較 2005年12月の日本海を対象とした高潮の観測結 2005 年 12 月の日本海を対象とした高潮の観 月の日本海を対象とした高潮の観 20052005 年 12年 月の日本海を対象とした高潮の観 12 月の日本海を対象とした高潮の観 測結果(黒い実線)と2種類の計算結果(赤と 果 (黒い実線) と 2種類の計算結果 (赤と青の実線) 測結果(黒い実線)と2種類の計算結果(赤と 測結果(黒い実線)と2種類の計算結果(赤と 測結果(黒い実線)と2種類の計算結果(赤と 青の実線)を比較した。観測結果は、上から順 を比較した。観測結果は、 上から順に能登、富山、 青の実線)を比較した。観測結果は、上から順 青の実線)を比較した。観測結果は、上から順 青の実線)を比較した。観測結果は、上から順 に能登、富山、舞鶴、浜田での潮位観測結果 に能登、富山、舞鶴、浜田での潮位観測結果 に能登、富山、舞鶴、浜田での潮位観測結果 舞鶴、浜田での潮位観測結果から潮汐を差し引 に能登、富山、舞鶴、浜田での潮位観測結果 から潮汐を差し引いた。計算結果は、潮の駆 から潮汐を差し引いた。計算結果は、潮の駆 から潮汐を差し引いた。計算結果は、潮の駆 から潮汐を差し引いた。計算結果は、潮の駆 いた。計算結果は、潮の駆動力である風のデー 動力である風のデータとして NuWFAS の出力 動力である風のデータとして NuWFAS の出力 動力である風のデータとして NuWFAS の出力 動力である風のデータとして NuWFAS の出力 タとして NuWFAS の出力を用いた場合(赤い実 を用いた場合(赤い実線)の他に、気象庁のデ を用いた場合(赤い実線)の他に、気象庁のデ を用いた場合(赤い実線)の他に、気象庁のデ を用いた場合(赤い実線)の他に、気象庁のデ (a) 乱流モデル (b)通常の気象モデル 通常の気象モデル (a) (b) (a) 乱流モデル (b) 通常の気象モデル ータを用いた場合(青い実線)も参考のために (a) 乱流モデル (a)乱流モデル 乱流モデル (b) 通常の気象モデル 線)の他に、気象庁のデータを用いた場合(青 ータを用いた場合(青い実線)も参考のために ータを用いた場合(青い実線)も参考のために ータを用いた場合(青い実線)も参考のために 図3 地表付近での水平風速の再現性比較 3 地表付近での水平風速の再現性比較(6km四方の領域) 示した。 図 (6km 四方の領域) い実線)も参考のために示した。 図 地表付近での水平風速の再現性比較(6km四方の領域) 図33 図 地表付近での水平風速の再現性比較(6km四方の領域) 3 地表付近での水平風速の再現性比較(6km四方の領域) 示した。 示した。 観測値と計算値を比較すると、低気圧の通 観測によれば、突風に見られる“風の息(低風速が続いた後の 観測によれば、突風に見られる“風の息(低風速が続いた後の 観測値と計算値を比較すると、低気圧の通過に 観測値と計算値を比較すると、低気圧の通 観測値と計算値を比較すると、低気圧の通 観測値と計算値を比較すると、低気圧の通 観測によれば、突風に見られる“風の息(低風速が続いた後の 観測によれば、突風に見られる“風の息(低風速が続いた後の 観測によれば、突風に見られる“風の息(低風速が続いた後の過に伴う高潮の立ち上がりについて両者は整 突発的な強風の発生) ”に対応して、低速部が流れ方向に若干 突発的な強風の発生)”に対応して、低速部が流れ方向に若干傾 伴う高潮の立ち上がりについて両者は整合性の 過に伴う高潮の立ち上がりについて両者は整 過に伴う高潮の立ち上がりについて両者は整 過に伴う高潮の立ち上がりについて両者は整 突発的な強風の発生)”に対応して、低速部が流れ方向に若干傾 突発的な強風の発生)”に対応して、低速部が流れ方向に若干傾 突発的な強風の発生)”に対応して、低速部が流れ方向に若干傾合性のある結果となった。しかし、観測結果の 斜を持つ筋状の構造(例えば左図の点線円)が確認されている。 ある結果となった。なお、水位低下時で再現性 傾斜を持つ筋状の構造(例えば左図の点線円)が確認されてい 合性のある結果となった。しかし、観測結果の 合性のある結果となった。しかし、観測結果の 斜を持つ筋状の構造(例えば左図の点線円)が確認されている。 斜を持つ筋状の構造(例えば左図の点線円)が確認されている。 斜を持つ筋状の構造(例えば左図の点線円)が確認されている。12 月合性のある結果となった。しかし、観測結果の 15 日から 25 日に見られる水位低下の再 このような構造の再現は、通常の気象モデルによる計算では困難 が不十分な点に関して、計算領域外から伝搬す 12 月1215月日から 25 日から 25 日に見られる水位低下の再 日に見られる水位低下の再 15 日から 25 日に見られる水位低下の再 る。このような構造の再現は、通常の気象モデルによる計算で このような構造の再現は、通常の気象モデルによる計算では困難 このような構造の再現は、通常の気象モデルによる計算では困難 このような構造の再現は、通常の気象モデルによる計算では困難現性は十分ではなく、課題が残された。 であったが、乱流モデルによる計算で可能となった。 現性は十分ではなく、課題が残された。 現性は十分ではなく、課題が残された。 現性は十分ではなく、課題が残された。 は困難であったが、乱流モデルによる計算で可能となった。 る波の影響を考慮する必要が示唆される。 であったが、乱流モデルによる計算で可能となった。 であったが、乱流モデルによる計算で可能となった。 であったが、乱流モデルによる計算で可能となった。. 図 4 偏波ドップラーレーダの観測例(半径約 60km) (左:レーダエコー強度、右:偏波間位相差、強雨域(楕円部)) 図 偏波ドップラーレーダの観測例(半径約 60km) (左:レーダエコー強度、右:偏波間位相差、強雨域(楕円部)) 4 偏波ドップラーレーダの観測例(半径約 60km) (左:レーダエコー強度、右:偏波間位相差、強雨域(楕円部)) 図4 偏波ドップラーレーダの観測例(半径約60km) (左:レーダエコー強度、 右:偏波間位相差、 強雨域(楕円部) ) 図 従来のレーダではエコー強度から降水量を推定するが、豪雨時には電波の減衰が大きいため、レーダから見て豪 44 図 偏波ドップラーレーダの観測例(半径約 60km) (左:レーダエコー強度、右:偏波間位相差、強雨域(楕円部)) 従来のレーダではエコー強度から降水量を推定するが、豪雨時には電波の減衰が大きいため、レーダから見て豪 従来のレーダではエコー強度から降水量を推定するが、豪雨時には電波の減衰が大きいため、レーダから見て豪 従来のレーダではエコー強度から降水量を推定するが、豪雨時には電波の減衰が大きいため、レーダから見て豪 雨域背後の降水量の推定精度が極端に低下する問題がある。偏波レーダでは、水平偏波と鉛直偏波を放射し、受 従来のレーダではエコー強度から降水量を推定するが、豪雨時には電波の減衰が大きいため、レーダから見て豪 雨域背後の降水量の推定精度が極端に低下する問題がある。偏波レーダでは、水平偏波と鉛直偏波を放射し、受 信した2種類の電波の位相差から降水量を推定するため、受信エコー強度減衰の影響を受けにくい特徴がある。 雨域背後の降水量の推定精度が極端に低下する問題がある。偏波レーダでは、水平偏波と鉛直偏波を放射し、受 雨域背後の降水量の推定精度が極端に低下する問題がある。偏波レーダでは、水平偏波と鉛直偏波を放射し、受 雨域背後の降水量の推定精度が極端に低下する問題がある。偏波レーダでは、水平偏波と鉛直偏波を放射し、受 信した2種類の電波の位相差から降水量を推定するため、受信エコー強度減衰の影響を受けにくい特徴がある。 信した2種類の電波の位相差から降水量を推定するため、受信エコー強度減衰の影響を受けにくい特徴がある。 信した 2種類の電波の位相差から降水量を推定するため、受信エコー強度減衰の影響を受けにくい特徴がある。 信した2種類の電波の位相差から降水量を推定するため、受信エコー強度減衰の影響を受けにくい特徴がある。. 55.

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