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ジメチルエーテル(DME)を用いた氷・油・PCBの汎用除去技術の開発

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. ジメチルエーテル(DME)を用いた氷・油・ PCB の 汎用除去技術の開発 背 景 高水分炭や下水汚泥などの高含水固体を低コストで脱水するニーズが高い。既存の脱水手法は、固体の水分 を高温で蒸発させるため、所要エネルギーが大きい。当所では高水分炭や下水汚泥を対象に、常温で若干加圧 すると液体になるジメチルエーテル(DME)* 1 を用いて、水分を抽出して脱水し、水分を含む DME を減圧・ 蒸発させて、残った水分を分離する技術を開発した。既に、試作機による下水汚泥の高度脱水と脱臭の達成、 実機規模での DME 脱水プロセスの性能試算により省エネルギー性に優れること等を明らかにしている。現在 は、本技術の汎用性を高めるため、寒冷地での適用や、油や PCB 等の物質の除去性能の解明を課題としてい る。. 目 的 DME 脱水法の除去対象を従来の水だけでなく、寒冷地における氷の除去を初め、常温での油の除去、PCB の除去に拡大し、その実現可能性を明らかにする。. 主な成果 1.氷点下雰囲気で凍結している石炭・凍結木片からの氷除去性能 試験管レベル(10ml/バッチ)の DME 脱水試験装置(図 1)を、− 10 ℃に保持した雰囲気下に設置し、 凍結した亜瀝青炭(粒径 4 ∼ 8mm、含水率 42.4wt%)内から、氷状の水分の内 44.5 %の重量を液化 DME で 除去できた。同様に、凍結した杉の木片(長さ約 1cm、太さ 1 ∼ 3mm、含水率 68.9wt %)を、− 23 ℃に保 持した雰囲気下で、液化 DME で 53.5%の重量の氷を除去できた。 2.様々な物質からの各種油の常温除去性能 最も油の除去が困難だと予想される、人工油吸収シート・オイルソーベントに、真空ポンプ油を吸収させ、 当研究所の試作機を用いて液化 DME と接触させた結果、オイルソーベントの油を全て、常温で除去するこ とに成功した。また、絶縁油を付着させた、硝子・木片・紙・金属からも油を全て除去することに成功した。 更に、A 重油を染み込ませた湿潤土壌からも、土壌の水分と A 重油を同時に除去することに成功した(図 2)。 3.PCB で汚染された高含水のヘドロから PCB の常温除去性能 PCB で汚染された河川の高含水のヘドロ* 2 に液化 DME と接触させた結果、高含水のヘドロから PCB の 99%以上を常温で除去すると同時に水分も除去し(図 3)、ヘドロ中の PCB 濃度を環境基準(ダイオキシン 毒性等量 150pg-TEQ/g)以下に浄化できた。 (PCB 除去の研究は、京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻、高岡准教授、大下助教と共同実施した。). 今後の展開 今回明らかになった除去対象物への DME 脱水技術の実用化に向けて、更に検討を進める。 主担当者 関連報告書. エネルギー技術研究所 燃料改質工学領域 主任研究員 神田 英輝 「抽出用液化 DME を再生利用する常温油除去プロセスの開発」電力中央研究所報告: M07009(2008年 4 月) 「液化 DME 脱水技術の氷点下での凍結固体燃料脱水への適応性評価」電力中央研究所報 告: M07013(2008 年 4 月). * 1 :標準沸点は−25℃、5気圧では沸点20℃。液化状態のDMEには水だけでなく、氷・油・PCBなども溶ける。中華 人民共和国では、輸入 LPGより安価な代替燃料として、急速に普及しつつある、次世代クリーン燃料でもある。 * 2 :過去の不法投棄により、ヘドロから基準濃度以上の PCB が検出される河川がある。アセトン等による PCB 除去 が検討されているが、ヘドロの水分が妨げになったり、アセトン等が土壌に残留する新たな問題があり、実現困 難な状況にある。 (昨年度年報以降の受賞歴: 2007 年土木学会環境技術プロジェクト賞、2008 年日本化学会技術進歩賞、第 22 回独創性 を拓く先端技術大賞フジサンケイビジネスアイ賞). 108.

(2) 6.化石燃料発電. 図1 試験装置の概略図(左:装置全体図、右:エタノールの温度を示す写真(木片の場合−23℃)) 海外の北方や内陸の寒冷地帯でも、高水分炭は多く産出される。このような寒冷地では冬期に氷点下にな る。このため、氷点下雰囲気で、凍結した石炭等から、氷状の水分を融かすことなく、直接 DME で除去 すれば、効率的な脱水が可能になる。今回の結果は、その実現可能性を証明するものである。. オイルソーベント:0.34kg. 真空ポンプ油:+2.60kg. 真空ポンプ油:−2.70kg. DME 100L. 土壌:3.63kg. 水分:−0.75kg 重油:−1.15kg. 重油:+1.15kg. DME 100L. 6 図2 オイルソーベントと湿潤土壌からの油除去の様子 油を除去した後のオイルソーベントは、再び油を吸収することができ、再利用も可能である。また、重油を 流し込んだ土壌は、写真(右下)のようにサラサラになり、重油も水分も除去された事が、一目で分かる。. 図3 DMEでPCBを除去した河川のヘドロ (左:DME接触前、中央:DME接触後、右:PCBを含む排液) (写真提供:京都大学大学院 工学研究科都市環境工学専攻高岡准教授・大下助教) DME で PCB を除去した後のヘドロは、色が薄くなるとともに、収縮している。これは水分 60% のヘドロ から脱水も同時に行えたためである。なお、DME は常温・常圧では気体なのでヘドロ内に残留しない。 このように、環境浄化技術としても応用可能であることが明らかになった。. 109.

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