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500m高温超電導ケーブルの開発─大規模実証試験─

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

高温超電導ケーブルは都市部の漸増する電力需要に対する送電線の容量不足の解消と、電力送電損失低減が 可能な技術として期待されている。高温超電導ケーブルは、マイナス 190 ℃以下に液体窒素で冷却することに より超電導状態となり、損失がほとんどない状態で通電できる。超電導ケーブルを実現するためには、延長数 km のケーブルを常時冷却する必要性から、基本的な運転特性や、液体窒素の長距離循環による問題などにつ いて、詳細に確認する必要がある。そこで、5km のケーブル長をシミュレーション可能な 500m 長の高温超電 導ケーブルを用いて実証試験を実施した。

目 的

500m 長の高温超電導ケーブルを実線路を模擬した線路に布設し、布設施工性、冷却特性、過酷性能等を評 価し、実用化に当たっての課題を明らかにする。

主な成果

1.布設施工性 超電導ケーブルの布設施工性を検証するため、現用ケーブルで用いられている標準布設工法によりケーブ ルを布設した。その結果、許容張力以下で布設でき、施工後のケーブルに超電導特性の劣化がないことより、 現用ケーブルの標準布設工法を適用しても問題のないことを確認した。 2.冷却特性 (1)ケーブルに過渡な熱応力を与えずに効率的に冷却するために、最初に冷却窒素ガスで徐冷を行った後、 液体窒素で冷却した。この結果、約 6 日間で 500m 長のケーブル全長を安全に冷却できることを確認した。 (2)冷却時の熱収縮によって生じる応力発生対策として、線路の一部にオフセットを設置した。冷却中の ケーブルの挙動と冷却後の超電導特性の検証から、熱収縮対策としてオフセットが有効であることを確 認した。 3.過酷性能 (1)1 ヶ月で 30 年相当の電気絶縁寿命を評価できるよう、高い電圧(70kV の対地間電圧)を継続してケー ブルにかけ続ける課電加速劣化試験を実施し、電気絶縁の劣化などは見られなく、ケーブルの高い信頼 性を確認した。 (2)冷却システムの停電や故障における送電継続時間を見極めるために、冷凍機、液体窒素ポンプを停止し た状態で課通電試験を実施し、1 時間以上送電が継続できることを確認した。また、交流損失が急増す る過負荷電流領域(定格電流の 20 ∼ 40%増)でも電気絶縁的に問題がないことを確認した。 本フィールド試験の結果、超電導ケーブルが全長に渡り健全であることを確認し、さらに過酷性能試験など の各種試験に耐えて信頼性が高いことを確認した。また、一連の試験により、超電導ケーブルの設計、試験法、 布設施工法、運用に対して実用化に資する大きな成果が得られた。 なお、本研究は経済産業省のプロジェクトとして、新エネルギー・産業技術総合開発機構が、超電導発電関 連機器・材料技術研究組合(Super-GM)に委託した「交流超電導電力機器基盤技術の研究」プロジェクトの 一つとして、Super-GM からの受託研究として実施した。

今後の展開

今後は、今回のケーブルに用いられたビスマス系超電導材料よりもさらに大きな電流を流すことができる、 イットリウム系超電導材料を超電導ケーブルに適用した研究開発により低コスト化を期待する。また、今回の 成果を総合的に活用して、超電導応用電力機器全般にわたる研究にも役立てていく。 主担当者 電力技術研究所 高エネルギー領域 上席研究員 市川 路晴 関連報告書 「交流超電導電力機器基盤技術研究開発」電力中央研究所 受託報告:H990406(2005 年 4 月) 74

500m高温超電導ケーブルの開発─大規模実証試験─

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4.電力流通/流通設備の次世代技術の開発

75 図1 ケーブル構造と諸元 図3 冷却時のケーブル温度分布 図4 オフセット部のケーブル挙動 フォーマ 超電導導体層 電気絶縁層 超電導シールド層 項目外径 SUSスパイラル管 中空銅撚り線導体(250mm2 磁気シールド 層 超電導シールド 層 Bi2223銀シーステープ (0.25mmt×4mmW (0.25mmt×4mmW 92mm 58mm ー 124mm 133mm 断熱内管 真空断熱層 スーパーインシュレーション 断熱外管 防食層 構成 導体層 絶縁層 Bi2223銀シーステープ 28mm 30mm 48mm 断熱管 フォーマ 超電導導体層 絶縁体(絶縁 厚さ8mm) 半合成紙 SUS SUS PVC 外径 図2 500m超電導ケーブル試験線路レイアウト 断熱層(真空、スーパーインシュレ−ション) 試験に供した高温超電導ケーブルは、中心にフォーマと呼ばれる機械的強度を支えるための中空銅撚り線が 配され、絶縁層の外側には外部への磁界を遮へいするための超電導シールド層が配されている。液体窒素はフォー マの内側と超電導磁気シールド層の外側を流れて、ケーブルを冷却する。 試験線路には、橋に添架して河川を横断することを模擬した10m高低差部、冷却時の熱収縮を吸収するための ケーブルオフセット部などを設置し、実線路を模擬した試験線路形状とした。 ケーブルは、最初に冷却された窒素ガスで徐令し、 途中から液体窒素にて冷却した。グラフの中で、 窒素ガス冷却時の温度を青線で、液体窒素冷却時 の温度を赤線で示す。 ケーブルの表面に50cm間隔にマーカーを貼り、天 井に設置したカメラで撮影し、このマーカーの動き を画像解析してケーブルの挙動を測定した。 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 Y [mm] -6000 -4000 -2000 0 2000 4000 6000 X [mm] 冷却前 冷却後 300 250 200 150 100 50 0 温度 (K) 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 ケーブル長(m) Start 100h 40h 80h 20h 60h 138h (End) 125h 130h 135h 窒素ガスによる冷却 液体窒 液体窒素によ素による冷却 10m 高低差部 5mR 曲がり部 オフセット部 地中埋設部 5mR 曲がり部

参照

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