パイ凝縮状態での核物質
著者名(日)
手塚 洋一
雑誌名
東洋大学紀要. 自然科学篇
号
52
ページ
27-59
発行年
2008-03
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00002531/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.jaパイ凝縮状態での核物質
手塚洋一・
Pion Condensed Nuclear Matter
Hirokazu TEzuKA
Abstract
Some properties of pion condensed nuclear matter are investigated. The model is based on the linear sigma model with vector meson contributions fbr repulsion and higher power chiral loop interactions fbr incompressibility, which are isospin invariant and chiral invariant except fbr a slgma meson linear term included in the original linear sigma model. A nucleon mass term, scalar meson mass terms, and a sigma meson−chiral Ioop interaction term are added to the model, but these terms are not chiral invariant. The bulk properties of the nuclear matter have been estimated on the supposition of sigma meson condensation. Some parameter sets realize the saturation properties (the minimum energy per nucleon EB=−15.75MeV at the normal nuclear density pB=0.19/fm3),and preferable incompressibility K∼200 MeV. But at high densities pion effective mass squared m;2 becomes negative on the sigma meson condensed nuclear matter. In these regions, the nuclear matter properties are revalued on the assumption of pion condensation. lt is shown that the energy of the systern with pion classical fields is smaller than that without pion classical fields in the range of m:2〈0. It is also shown that the pion condensed nuclear matter can satisfy the proper saturation properties and incompressibility without chiraI breaking terms newly introduced. keywords: linear sigma model, mean field approximation, pion condensation, nuclear matter, saturation, incompressibility ’東洋大学自然科学研究室 112−8606東京都文京区白山5−28−20 Natural Science Laboratory, Toyo University,28−20 Hakusan 5,Bunkyo−ku, Tokyo,112−8606, JAPAN28 手 塚 洋 一
1 はじめに
Gell−Mann&L6vyの線形シグマモデル(Gell−Mann,M.1960, Adler,S.L.1968)を核 物質に適用すると、斥力が存在しないこと、引力が固定されていることなどのため、飽和 性を満足することができない。斥力を導入するためにベクトル中間子を考慮するととも に、新しくスカラー中間子を導入したり(Rodrfguez,R.G.1991, Ellis,J.1991, Ellis,P.」. 1992, Heide,E.K.1992, Mishustin,1.1993, Heide,E.K l994, Papazoglou,P. 1997, Saito,K. 2005)、高次のカイラルループ項を導入したり(Boguta,J.1983, Sahu,P.K.1993, Sahu,P.K 2000,Sahu,P.K.2004)することによって飽和性を満足するように線形シグマモデルの拡 張が試みられている。この論文ではベクトル中間子の寄与、核子の質量項、中間子場の質 量項、高次のカイラルループ項、σ中間子とカイラルループ項との相互作用を加えた拡張 されたカイラルループモデル(手塚洋一2005,手塚洋一2006,手塚洋一2007,Tezuka,H. 2007)におけるパイ中間子凝縮状態での核物質の性質について考える。 モデルラグランジアン密度は L=吻7μ∂μψ一9ωψ7μωμψ一Mψψ+9σψ(σ+ior5 T・π)ψ +;(・。σ)2+;(a・)2−;砺Fμ ・1・z(σ2+・・)・。ω・+鑓・、ω・ −0。鐸σ2−0。鐸π2−C、(σ2+π2−A嬬)2 −9(σ2+・2−・β)3鳴♂+・2−・方)4−Df。σ(σ2+π2−A焉)−B∫ミσ (1.1)
である。ψは核子の場を表わし、7μ、75はDiracのγ行列、アはアイソスピン演算子を 表わすPauli行列である。σ、π、ωμはそれぞれスカラー一一アイソスカラーのσ中間子場、 擬スカラー一アイソベクトルのπ中間子場、ベクトルーアイソスカラーのω中間子場を表 わす。また Fμレ=∂μω” 一∂uωμ (12) である。M、 g。、 gω、0。、 Cπ、 Cω、02、 C3、04、 A、 B、 D、 fπは各種の物理量を再 現するように決められるべき定数である。 σ中間子とπ中間子の2乗からなるカイラルループ相互作用項 (σ2+π2−A∫…) (1.3) はアイソスピン対称性とカイラル対称性を満足する相互作用として知られている。ただし、 A、fπは定数である。ベクトル中間子場ωμもこれらの対称性を満足するように導入され ているが、核子の質量項Mψψ、スカラー中間子の質量項C。∫』σ2、Cπ f3 7r 2、σ中間子一 カイラルループ相互作用項Dfπσ(σ2+π2_4∫3)、σ中間子の線形項B鐸σはカイラル 対称性を満足しない。これらの項の係数は核子密度0でのσ中間子凝縮状態で軸性ベクト ルカレントが部分的保存(PCAC)をするように決められる。 このラグランジアンに対応するハミルトニアン密度を求めると ?{=ψi∂・▽ψ+Mψψ・;{(・・σ)2+(V・)2}+;{(・・π)2+(▽・)2} 一;(⑯。∂°ω・+▽ω。・▽ω・) −9。ψ(σ+ior5τ・π)ψ+9ω蝸μω。ψ 一1・£(σ2+・2)・。・・一嚇・。・・ +C。f3 a2+C。∫…π2+C,(σ2+π2一鰺)2 ・9(σ2+・2一鰺)3+篇(σ2+・2−・鐸)4 +Df。σ(σ2+π2−A∫…)+B∫三σ (1.4) となる。
陽子数と中性子数が等しい核物質では核子のFermi運動量pF=278.5MeV/c(正
規核子密度)で核子あたりのエネルギーを最小にし、その値がEB=−15。75 MeVと
なると考えられている。またそこでの非圧縮率は冗∼200MeVとなると考えられて
いる(Blaizot,JP.1980, Sharma,M.M.1988, Pearson,JM.1991, Sharma,MM.1991, Shlomo,S.1993, Umar,AS.2007)。各パラメータはこれらの核物質の性質を満足するよ うに決められる。 昨年度の紀要ではσ中間子凝縮状態を仮定した計算が行われた。核物質の性質を満足す るいくつかのパラメータセットが求められた。これらのパラメータセットでは一般に核子密 度の高い領域では核子密度と共にm:2の値が小さくなり、高密度では0となる。m算2<0 となるなら、その核子密度ではπ中間子が存在したほうがエネルギー的に有利になると予 測される(Tezuka,H.1981, Sarkar,S.1984)。このことはπ中間子の古典場が存在するこ とを示唆する。実際、求められたパラメータセットの中には正規核子密度で碑2〈0と なる場合も存在した。この論文ではこのような場合にπ中間子の古典場が存在する状態、 すなわちπ凝縮状態を仮定して計算し、エネルギー的に有利になるかどうか調べる。2 平均場近似:σ凝縮状態
上のハミルトニアン密度(L4)に対し、時間空間一様な平均場近似を適用する。ただし、 パリティの保存から 〈π〉=0 (2.1) とし、ベクトル中間子場に対しては第0成分だけを残して 〈ωμ〉=〈ω〉δμo と仮定する。σ中間子の平均場〈σ〉に対し〈W>が最小になることを要求し、
場にっいては運動方程式を満たすものと仮定すると2つの関係式 (2.2) ω中間子の平均 9。〈ψψ〉+99〈σ〉<ω>2 =2C。f3〈σ〉+4C2〈σ〉(<σ>2−A∫三)30 手塚洋一
・・呈・・〉(・・>2 一一・);2)’i・・篇・・〉(・・>2一ぴ
+Dノニ(〈σ>2−Aア;)+2D∫.<σ>2⊥Bf? (2.3) 〃ω〈∼・寸’し)じt t〉=∫ノ三,<σ>2〈己〉十2C二,f;?〈L“’〉 〔2.]〕 が求まる。(2.3)と(2.4)を連、t/.方程式として解くと〈σ〉と〈ω〉は核子密度の関数と して求まる。 2.1 質量 中間子場を平均場(古典場)とそのゆらぎを使って σ一→〈σ〉十σ π一→元 ωμ一一→〈〕〉δμ〔〕十esμ としてラグランジアン(1.1)を書き直すと、核子の有効質量は1此,の係数から M×=A4−.9。〈σ〉 中間了・の有効質量としては、中間子場の2乗の項から ・・rコ・・}2−・{・ρ・・霧(・・>2一舶 ・・篇(・・>2−・・f3)2}(・・>2−・∫力 ・・{c・+・篇(・・>2−・・f3) ・・篇〔・・〉’一噺・・>2 +2Gβ+6D∫.〈σ〉一¢〈ω>2 ・・n・t/:’一・{・c’2・・3;i(・・>2一蛸・・;;(・・>2一馴・・>2一鋤
う づ ノ 斗2Cア.万寸2力∫三〈σ〉一タニ〈ω〉⇔ L.・・ノ己=2仁焉+〆〈σ>2 と定義される。 (25) (2.6) (2.7) (2.8) 〔2.9) (2.lo) (2.11)2.2 定数の決定 軸性ベクトルカレントの発散を使って荷電π中間子の崩壊π+→μ+十μμ、ゲ→μ一+尻 を計算すると <σ>o=_∫π (2.12) が求まる。ただし、<>oは真空中(核子密度0)での古典場を示し、frrはπ中間子の崩
壊定数で、実験値はf.=93MeVである。また真空中でω中間子の質量が0にならない
ことを要求すると <ω>o=0 (2ユ3) となる。真空中での核子の質量M!vから定数Mは
M = MN_gσfπ (2.14) となる。ただし、真空中での核子の質量を MN=(Mp十Mη)/2=938.9 MeV (2.15)Mp=938.3MeV
Mn=939.6MeV
とする。gσはパラメータとなる。 gωをパラメータとして、ω中間子の質量mωを使って定数0ωは弓(豊一・り (・・16)
と決まる。 真空中でのπ中間子の質量m.から Ca 一 CT = −ll(m2 T∫f)+;{D(1−A)+・} (・・17) の関係式が求まる。さらにA≠1の場合には
C・一一、(告・(Ca一課芸一6Ca
・D(;巴詩、3B−1き≡蒜 (・・18)
C・一,(C21−A)、上繋ナ4G
−、i鵠+1諾≒轟 (・・19)
が求まる。すなわちパラメータとしてはrnσ、 gσ、9w、 A、 B、 D、 C2、 C.の8つとなり、 M、C。、 Cω、 C.3、 C4は上で求めた関係式から決まる。32 手 塚 洋 一
A=1の場合には、π中間子の質量から
1C・−D+5B (2・20)
1m2°・=爺+D (2・21)
σ中間子の質量mσから1m2
1 1C・=詳+5D−9B (2・22)
が決まる。A=1の場合にはパラメータはmσ、 g。、 gω、 B、 D、 C3、04の7つとなる。2.3 エネルギー
Fermiガス分布状態の核物質を仮定して核子あたりのエネルギーを求めると E・一顯告{・(PFM*)・+1}・+(告)・ −1・・曇+1+(PFM*)・] +{C。f2<・>2+C・(〈・>2一鰺)2 +舞(・・>2−・f3)3+葺(・・>2−・鐸)4 +Df。〈σ〉(<σ>2−A∫2)+B嬬〈σ〉 −C。∫卜C、(1−A)2鐸一C,(1−A)3嬬 一C、(1−A)4㍑+D(1−A)f#+B㍑}/ρ。 1+s<ω>9・−MN
となる。真空中でEBが0となるように定数が決められている。 Fermiガス核物質中では、スカラー密度は 〈ψψ〉=〈F「ψψIF>=ρs一鰺晶(鵠
一婆{妾.V1+(妾.)・一・1・・曇+1+(告)・} で与えられ、バリオン密度(核子密度)は 〈ψγoψ〉=〈ψ†ψ〉=〈F}ψ†ψ1F>=ρB一鰺(書一i肇
(2.23) (2.24) (2.25) となる。sはスピン状態にっいての和であり、1はアイソスピンの状態に関する和を表わす。非圧縮率Kは正規核子密度をρ。として
・・一・畷)P。.,。 (226)
で定義される。 原子核構造の実験結果から核物質は正規核子密度ρ。=0.19/fm 3(これは(2.25)を使っ てFermi運動量に換算するとpF7=278.5MeV/cに相当する)で核子あたりのエネルギーが最小となり、その値はEB=−15.75 MeVで、そこでの非圧縮率はK∼200MeVと考
えられている。以下の数値計算ではこれらの核物質の一般的な性質を再現するようにパラ メータを決定する。 2.4 数値計算 数値計算では、π中間子の崩壊定数として .fπ;93 MeV 粒子の質量としてMN=938.9MeV
mπ=139.6MeV
mω=781.94 MeV を使った。 〈σ〉と〈ω〉は(2.3)と(2.4)式を連立して決められた。複数の解が存在する場合は 〈σ〉のポテンシャルエネルギー σ(〈σ〉)=(M−9。〈σ〉)〈碗〉+9。〈石’°ψ〉〈ω〉 一 1・g・・>2<・>2−C・ ,f3・・>2 +C。∫三<σ>2+C2(<σ>2−Af12)2 ・完(・・>2−・∫…)3+呈(・・>2−Af2)4 +Df。〈σ〉(〈σ>2一媚)+B∫ミ〈σ〉 (2.27) を最小にする値が採用された。またこのポテンシャルに対して系が安定になるようC4>0 が要求されるA=1で核子質量項のない場合(M=o)には正規核子密度でエネルギーを最小にして
EB=−15.75 MeVととることができるが、非圧縮率Kの小さな解しか求まらなかった。 A=1でスカラー中間子質量項をカイラル対称に取った場合(C’σ=C。)にはパラメー タによる計算結果の変化は小さく、非圧縮率が∬ぐ∼60MeV程度の小さな解しか求める ことはできなかったn34 手 塚 洋 A=1、M≠0、 C.≠C.の条件で数値計算を行った場合は、 K∼200 MeVを与える 解は存在するが、正規核子密度p.=278..5・MeV/cではm}〈0となってしまう。結論と して、A=1では正規核子密度でエネルギーを最小にしEB=−15.75 MeV、非圧縮率を 五’∼200MeVとし、同時にπ中間子の質量が定義できるような解は求めることができな かった。
A≠1で核子質量項のない場合(M=0)には比較的大きなスカラー中間子質量mσを
仮定するとD=0としても7)17=278.5MeV/cでπ中間子の有効質量の2乗が正となり、最小のエネルギーEB=−/5.75 MeVを持ち、五∼200 MeVとなるようなパラメータ
セットが求まる。 Tl’L。(MeV) 800 1000 Table 2.l gσ=ルfi∼・/.f7,= 10.09(3、 Z)=0.0、 02=20.0 A Oπ 9ω B O.5 0.5 5.24 160.7/ 0.8 1.0 4.16 147.93 1ζ(MeV) 210.52 212.05ここでPcはm二2>0となる最大のFermi運動量である・
P。(MeV/c) 380. 286.A≠1でスカラー中間子質量項をカイラル対称にした場合(Cσ=C.)はK∼200MeV
となるようなパラメータは存在するが、これらのパラメータセットでは正規核子密度で m;2<0となってしまい、π中間子の質量を定義できるような解は見つからなかった。 Table 2.2 A=0.8、 D=1.0 (B=2.053)、 02=1.0 rnσ(MeV) 500 600 700 c2 1.0 2.0 1,0 cπ 1.4 1.1 1.2 9ω 3.27 3.37 2.73 9σ 3.00 3.81 3.58 K(Mev) 199.08 219.81 205.70 Pc(MeV/c) 198. 186. 189. A≠1で他のパラメータを自由に選ぶといくつかのパラメータセットではIi∼200 MeV となり、正規核子密度付近でm;が定義できる解も得られる。 Table 2.3 A=0.8、D=0.0、 C2=−1.0 m。〔MeV) C。 600 2.〔〕 500 2.0 9ω 4.0 5.0 9σ B 5.63 49.06 6.43 53.73 K(McV) 208.19 ]91.62 Pc(MeV/c) 303. 327,ma(MeV) C?
6〔}0 −2.0 700A
O.8 0.78 0.75 一3.0 一3.oD
O.5 L〔〕 1.5 2.O l.0 1.0 Table 2.4 /1=:0.8、 Zフ=1.0、 gω=3.0 cπ 2.5 2.0 3.0 2.5 3.0 2.59σ B K(MeV)
3.68 24.80 197.〔}7 2.64 ]3.04 235.11 3.92 35.04 189.97 3.08 22.10 220.Ol ・].27 37.9;3 206.59 3.68 25.17 226.99 Table 2.5 Mσ=6001>leV、 9w=3.0、 (72=−3.0π0戸Oρ000﹁000
C2122翫333鋭
9σ 3.06 3.91 3.08 3.92 3.10 3.12 3.61 3.22B
20.30 33.19 22.10 35.04 23.91 25.71 30.70 25.48 κ(MeV) 220.51 190.26 220.Ol 189.97 219.51 219.01 200.44 215.03 Pσ(MeV/c) 295. 298. 324, 326. 309. 295. Pc(McV/c) 321. 320. 326. 324。 330. 335. 328. 334.3 平均場近似:π凝縮状態
ml 2〈0となる領域ではπ中間子の質量項1/2 m;2π2がエネルギーを小さくする方向 に働くので、平均場〈π2>が存在した方が有利になると考えられる。 そこで<π2>>0となる時間空間一様な平均場近似を考える。パリティの保存から 〈π〉=0であるとして 2 2 〈π 〉一→〈π 〉 〈π4>_→3<π2>2 〈π6>一→3×5<π2>3=15<π2>3 〈π8>一→15×7<π2>’1=/05<π2>1 とする。複数個の中から2つを選び出す組み合わせの数を考えると一般に <π2n>一→(2・・−1)!!<π2>’z ただし (2η一1)!1=(2n−1)(2’n−3)(2’n−5)・・…・1 となる。またω中間子場に関しては第0成分だけ残し 〈ωμ〉=<w>δuo (3.1) (3.2)36
手塚洋一
と仮定する。σ中間子に関しては前章と同様、平均場〈σ〉を考える。 π凝縮状態を考慮したハミルトニアン密度(1㌧4)は 〈7∠〉=〈ψ咋▽ψ〉+(M−9。〈σ〉)〈ψψ〉 …〈万゜ψ〉〈・〉一;・三(・・>2+・π2>)・の2 −c。f…〈ω〉’+o。 fl’〈σ>2+o。∫…<π2> +C2{(<σ>2−4∫∂2+2(<σ>2−A flコ)<π2> +<π4>} ・覧{(・・>2一鰺)3+・(・・>2−・∫…)2〈π2> +3(〈σ>2−.4∫…)<π4>+〈π6>} +篇{(・・>2−…f12・)‘ +・4(・・>2−Afl2)3〈・2> +6(〈σ>2−A∫三)2<π’1> 十4(<σ>2−Af案)<π6>十<π8>} +D∫。〈σ〉(<σ>2+〈π2>一灯:)+B嬬〈σ〉 =〈ψi7・▽ψ〉+(M−9。〈σ〉)〈ψψ〉 …〈“・°ψ〉〈・〉一 3・3(・・>2+・・2>)・・>2 −c諜〈ω>2+cσ f3<σ>2+cπ∫…<π2> 十C2{(<σ>2−Aノ’3)2十2(<σ>2−Af12)<π2> +3〈π2>2} ・篇{(・・>2−〃…)3・・(・・>2−A.f12)2<π2> +9(〈σ>2−A∫…〕〈π2>2 +15<π2>3} ・篇{(〈σ>2−〃3)4・・(・・>2−・∫…)3<π2> +18(〈σ>2−.4 fe)2<π2>2 +60(〈σ>2一朋)〈π2>3+105<π2>4} +z)f。〈σ〉(<σ>2+<π2>一・1∫三)+B∫ミ〈σ〉 (3.3) となる。中間子の占’典場〈σ〉、<π2>に対し〈’み〉が最小になることを要求すると ;…吾≧一一9・〈ψ∀’〉−93・・〉〈・〉・・…万・・〉 +4C2〈σ〉{(<σ>2−・lfl2)+<π2>} ・・IL・・〉{(〈σ>2_4∫…)2+・(・・>2 −Af12)<π2>+3〈π2>2}
・・舞・・〉{(・・>2−・4 ,f3)3+・(・・>2−・u…)2〈π2>∂〈刃〉 ∂<π2> +9(<・>2一雄)<π? >2+15〈π2>3} +Df。(<σ>2+〈π2>一.4 .4Z) +2Df。〈σ>2+B∫ミ=0 一磁・…+C。.f; +2C:,{(・・〉・一・焉)+・…〉} ・・浴o(〈σ>2一婿)2+・(・・>2一特)・・2> +15〈π2>2} ・・ム{(・・>2−A ,f3)3+・〔・・>2−・㍑)2〈π2> +45(〈σ>2一鰺)〈π2>2+105〈π2>3}
+Df.〈σ〉=0
(3.4) (3.5) という条件式が求まる。ω中間子場の平均場〈ω〉に対しても前章と同様、運動方程式 に従うことを要求して .g.i〈紘γoψ〉−gf(<σ>2十〈π2>)〈w>−2CしL2〈ω〉=0 (3.6) とする。それぞれの中間子の古典場は3つの方程式(3.4)、(3.5)、(3.6)を連立して解くこ とによって決められる。〈σ〉に関して解が複数個求まる場合には〈σ〉に関わるポテ ンシャル σ(〈σ〉)=(A・T 一 9。〈σ〉)〈万ψ〉+9.〈万゜ψ〉〈ω〉 −1・£(・・>2+・・2>)・・>2−C・・f;2・・>2 +c。f2<σ>2+c。∫…<π2> 十C2{(<σ>2−A万)2十2(<σ>2−A∫:)<π2> 十3<π2>2} ・th;{(・・>2−・f,2)3+・(・・>2−Af}2)2<・2> 十9(〈σ>2−Af#)<π2>2十15<π2>3} ・覧{(・・>2一鵬・(・・>2−Af}2)3<π2> +18(<σ>2−A .f3)2<π2>2 +60(<σ>2−Af3)<π2>3+105<π2>4} +Df。〈σ〉(〈σ>2+〈π2>−4∫…)+B万〈σ〉 (3,7) を最小にする〈σ〉を選ぶ。〈π2>の解が複数個求まる場合には σ(〈π2>)=仇.〈百7°ψ〉〈cu’〉 一;,三(・・〉・+…〉)・・〉・L
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手塚洋一
イ鵬〈ω>2+c。f12<π2>
+C、{2(〈σ>2−4∫…)<π2>+3〈π2>2} ・li{・(・・>2一蛸2<・2> +9(<σ>2−A∫∂<π2>2+15〈π2>3} ・覧{・(・・>2 −Afl2)3<・2> +18(<σ>2−Afl2)2〈π2>2 +60(〈σ>2一癬)〈π2>3+105〈π2>4} +Df。〈σ〉〈π2> を最小にする<π2>に決められる。 (3.8) 3.1 質量 中間子の質量を定義するため σ一→〈σ〉十σπ一→π
π2−→<π2>+7i・2π4−→3<π2>2+6<π2>〆+it4
π6−→15〈π2>3十45<π2>2肯2
+15<π2>ft4 + ft6 π8−→105<π2>4十420<π2>3ft 2 十2/0<π2>2元4十28<π2>元6十ft 8 ωμ一〉〈ω〉δμ0+oμ とおいて、ラグランジアン密度を書き直すと L=万μ∂。ψ一(M−9。〈σ〉)万ψ一9。 〈w>万りρψ +9。it)(∂+嬬↑・it)ψ一9ω加’∫の。ψ己(・。・)2斗i(姻LiLぽ
・;・三…>2+・・2>)・・〉’+・=’f;?・の2イ講くσノィぷ〈π2>
一(:’、・{(<σ>2 一,.4 fl2)2+2(<σ>2−.4f;?)<π2> tl う +3〈π“〉つ 一霧{(・・>2−・∫肝・(・・>2−・万)2〈・㌧ (3.9) (3.10) (3.11) (3.12) (3.13) (3.14) (3.15)十9(〈σ>2−.4f12〕<π2>2十15<π2>3} 一呈{(・・>2−〃…)’4+・(・・>2−・∫…)3<・2> +18(〈σ>2 −Af12)2<π2>2 +60(〈σ>2 一.4 fI2)<π2>3⊥105〈π2>4} −Df。(〈σ>3+〈σ〉<π2>−Afi2〈σ〉)−lif;i(〈σ〉 +{9え(〈σ〉’2+〈π2>)斗2(し∫:}<ω>o。 十[gL’,〈σ〉<ω>2−2(二・’a∫…〈σ〉 −c,{・4〈σ〉(<σ>2−,4∫力+4〈σ〉<π2>} 一鏡{・〈・〉(・・>2−Af3・2 十12〈σ〉(<σ>2−、4、f3)<π2>十18〈σ〉〈π2>2} 一篇{…〉(・・>2−Af#)3 +24〈σ〉(<σ>2−.4∫…)2<π2> +72〈σ〉(<σ>2−AL2)<π2>2 +120〈σ〉<π2>3} −Df。(3<σ>2+<π2>_4∫業)−B.∫簿 ・{;・三〔・・>2+<π2>)+・c., f;’}。1 +2J(L?,〈σ〉<の∂o。 ・[1・L2・・>2−c・f3 −C、{2(2<σ>2+<σ>2一朋)+2〈π2>} 一呈{・(…>2+・・>2−・・fl2)(・・>2−・4劫 +6(2<σ>2+<σ>2−.・1 f3 )〈π’〉+9〈π2>2}
一号イ・(…>2+・・〉’醐)(・・>2一卿
+12(4<σ>2+〈σ>2−・Uり(〈σ〉’2−A∫2)〈π? 〉 +36(2<CT >2+<σ>2−A .fl2)<π2>2+60<π2>:3} −3D∫。〈σ>Jデ ・[125ワ・,〈ω〉’−c。β 一仁2{2(<σ>2−.tl fl2 )十6〈π’2>} 一呈{・〔・・>2−・鍋18(・・>2−・・f3)〈π2> つ ぐ +45〈π一〉一}40
手塚洋一
一篇{・(・・>2−・・ye〕3+36(・・>2一棚2<π2> +180(<σ>2−.4.L2)<π2>2+・120<π2>3} −D∫。〈σ〉]テ2 ・・b’・・〉。・(・2+・㌶・・〉・弓・;・L?(・2+布差 一C、{4〈σ〉δ3+・1〈σ〉∂元2+∂4+2協2+ft4}一鏡・〈・〉{…>2+・(・・>2−・潮・3
一ト12〈σ〉<π2>(テ3 +12〈σ〉(<σ>2一ぴ已2+36〈σ〉〈π2>O it ’2 +3{4<σ>2+(〈σ>2−Af2)}∂’t+3<π2>♂ +6{2<σ>2+(〈σ>2−A翻∂2it2+18<π2>02it2 +3(〈σ>2−・1ノ’3,)元4刊5〈π2>〆+6〈σ>05 +12<σ>03it2+6<σ>bii・‘t+∂6+3δ4 ft 2+3a2ft4+ft6] 一覧[…〉{・〈・>2+・(・・>2一馴・・>2−・∫…)・3 +16〈σ〉{2<σ>2+3(<σ>2−A∫…)}<π2>∂3 +72〈・〉〈π2>2a3i24〈・〉(〈・>2−A.G2)2∂テ2 +144〈σ〉(<σ>2一喘)<π2>ait 2 十360〈σ〉<π2>2δ元2 十2{8<σ>4十24<σ>2(<σ>2−/if3) 十3(〈σ>2−∠1∫…)2}d4 +12〈σ〉{4<σ>2+(<σ>2−A∫そ)}<π2>♂ →−18<π2>2∂4 +12{4〈・>2+(<・>2−、4∫:)}(<σ>2一賠)a2it2 十72{2<σ>z十(〈σ>2一メ1∫…)}〈π2>δ2テi’コ +180<π2>2∂2元2 +6(<σ>2−・1∫司2元4+60(<σ>2−Af3)<π2>云4 +210〈π2>2 ft4 +R〈σ〉{4<σ>2+3(〈σ>2−4∫…)}tt ’t 十24〈σ〉<π2>∂s +|6〈σ〉{2<・>2+3(<σ>2−,4創∂3元2 十144〈σ〉<π2>∂3元2 「ト24〈σ〉(〈σ>2−Af3)fiit 4十120〈σ〉〈π2>δit4 +4{6<σ>2+(〈σ>2−・1∫…)}∂6+4〈π2>δ6+12〈σ〉{4〈σ>2+(〈σ>2−A.翻δ4元2 _ト36<π2 >∂4元「2 +12{2<・>2+(〈σ>2−A.f3)}fi?it4+60〈π2>∂2元4 井(<σ>2一禰)it6+28〈π2>it6 +8〈σ〉∂7+24〈σ〉∂5分2+2・1〈σ〉δ3元4 +8〈σ〉∂ft6 + 08+4∂6〆+6∂4π4+4δ2π6+元8] −Df.(δ3+∂元2) となる。 これより核子の質量は 中間子の質量としては
Mx=M−9。〈σ〉
σ m,32=−93,〈ω>2十2CJσf… +2C、{2(3〈σ>2−A∫○+2<π2>} ・・呈{・(…>2−Af2)(・・〉’一・∫壽) 十6(3<σ>2−.4 」’2)<π2>十9<π2>2} +・篇{・(7<σ>2−A∫…)(・・>2−・∫…)2 +12(5〈σ>2−〃三)(〈σ>2−A∫三)<π2> +36(3<σ>2 −Af2)<π2>2+60〈π2>3} +6D∫。〈σ〉 πm;2=−9三,〈ω>2+20。fl2 +2C2{2(〈σ>2−A∫…)+6<π2>} +・f;{・(・・>2一鳩2+・8(・・>2一脇)<π2> 十45<π2>2} ・・9{・(・・>2−A f}2)3・36(・・>2一鳩2〈・2> +180(<σ>2−Af3)<π2>2+420<π2>3} +2L),f。〈σ〉ω鰺㌧9:(〈・>2+<π2>)+2仁謡
と定義される。 (3.5)を使うと(;3.1g)は0となることがわかる。 mn:2=0 (3.16) (3.17) (3.18) (3.19) (3.20) (3.21)42 手 塚 洋一
これは当然の結果で、もしハミルトニアン密度が u一Σ・・r、・2n n=O の形をしているとすると、平均場近似したハミルトニアン密度は <π2n> 一一一〉 (2n−1)!!<π2>n を使って ・R・〉一Σ(2−)!!・・7、〈・2>n rt={〕 の形になる。故に、エネルギー最小の条件は㌶…一Σψ一1)!!・2n…>n−1−・
n;0
となる。同じハミルトニアン密度からπ中間子の質量を求めるには・・n−・ …n・£n仁;i㌣・廷⑭・・2・・
i=1 を使ってn一ピ(…n・曇n;二1;ピ押・〆づ
(322) (3.23) (3.24) (3.25) (3.26) (3.27) となるが、質量を評価するためft 2に比例する項、すなわちi=η一1だけを取り出すとn一鷲n殺≠・・2・(・一・・…2
一膏趣り漂 c2“’”◆2c2・・2>←1)〆
一Σ…η(2・ 一 1)!1<π2>(n−1)it2n=0
となり、この係数はまさしく(3.25)と等しくなり、常に0である。 また、中間子場の一次の項は(3.6)を使って {砲<σ>2+〈π2>)+2孔蠕}〈ω>di。=θ。」りW>eL’。 (3.4)を使って [gL’〈σ〉〈ω>2−2c㌶〈σ〉 −c2{4〈σ〉(〈σ>2−.4 fk2)⊥4〈σ〉<π2>}一呈イ…〉(・・>2一硝2
+12〈σ〉(<σ>L’ 一・tfl2)〈π2>+18〈σ〉〈π2>2} (3.2’・8) (3.29)一篇{…〉(・・>2 一・1 f}2)3 +・2・1〈σ〉(<σ>2−,・Sfl’)’2<π2> +72〈σ〉(〈σ>2 一 /t fl2)<π2>2 +]20〈σ〉〈π2>3} 一 D、L。 (3<σ>2+<π2>一・if;r) 一 Bf;・3]a =−9σ〈ψ・ψ>fr となり、共に核子密度0では0となることがわかる。 (330) 3.2 エネルギー 中間子に対し平均場近似したハミルトニアン密度 7{=ψτ・7・▽ψ+(ル∬−9σ〈σ〉)ψψ+9〕〈ω〉ψ70ψ づ・三(・・>2⊥〈π2>)・・>2−c鴫・・>2 斗o。f}’<σ>2+c揚<π2> +C、{(<σ>2−Af3)2+2(〈σ〉にA∫…)〈π2> +3<π2>’} ・篇{(・・>2 −A,f;)3+・(・・>2−・∫…)2<・2> +9(<σ>2一媛)<π2>2+15〈π2>3} ・呈{(・・>2 −Af;)・4 +・(・・>2−・∫ξ)lt〈π2> . // +18(〈σ>2−4∫…)2<π2>2 +60(<σ>2−・1∫力〈π2>3+105〈π8>4} +Df。〈σ〉(〈σ>2+<π2>_4∫∂+B∫ミ〈σ〉 (3.31)
に対し、核子は自由粒子としてFermiガス分布をするものと仮定するe核物質のFermi
ガス分布状態でのエネルギーは E−if[≡∠㌦2・・2+A・lx・dp +G∫《〈σ>2+c。f三<π2> +c、{〔<σ>2−.・1 f3)2+2(〈σ〉’2 −tl f;)<π2> +3〈π2ジ} +呈{〔・・>2−・)三〕3+・〔・・>2−・lfl2)2<・2> +9(〈σ〉:1−」∫日<π2>2+lt5<π2 >3} ・篇{〔・・>L’ 一・・f3)4+・(・・>2−’s.fl”)・3<・㌧44 手 塚 洋 一 十18(<σ>2−A∫…)2<π2>2 十60(<σ>2−.4∫…)〈π2>3十105<π2>4} +Df。〈σ〉(〈σ>2+〈π2>−A∫…) +Bf}3 〈・〉+;・・〉・・ρ」 (3.32) となる。積分を実行し、定数項を引いて、∼V/V=ρBを使って核子あたりのエネルギーに 直すと E・ 一 A纂語{・(7)FA4*)・+1}1・(岸)・ −1・9壼+1+(PFM*)・] +[0。fl<σ>2+Cfπ∫…<π2> +0、{(〈σ>2−A∫…)2+2(<σ>2一嬬)<π2> 十3<π2>2} ・篇{(<σ>2一鰯)3+・(・・>2−・∫:)2<・2> 十9(<σ>2−A∫《)〈π2>2十15〈π2>3} +篇{(・・>2−・嬬)4+・(・・>2一媚)3<π2> 十18(<σ>2−/1∫三)2<π2>2 +60(<σ>2−A㍑)〈π2>3+105〈π2>4} +Df。〈σ〉(〈σ>2+〈π2>一鳩)+B∫ミ〈σ〉 −Cぴ一C2(1−A)2躍一〇、(1−A)3㍑ 一c・(1−A)4f#+D(1−A)f:+B∫:]/ρ8 1 +i<ω>9・ “ MN (3.33) となる。 3.3 数値計算 定数はすべてσ凝縮状態での計算と共通にとる。数値計算では、任意の核子密度に対し て(3.4)、(3.5)、(3.6)を連立して中間子の古典場〈σ〉、<π2>、<w>を決める。す なわちまず〈σ〉を変化させながら、ある特定の〈σ〉に対しで(3.5)を使って<π2> を決める。このときの〈ω〉は(3.6)を使ってそのつど計算する。求めた〈π2>を使っ て(3.4)を満たすような〈σ〉を決める。このプロセスを〈σ〉の値が収束するまで繰 り返す。〈σ〉および<π2>に複数の解が存在する場合にはそれぞれの場に対応する ポテンシャル(3.7)、(3.8)を最小にする解を採用する。
’A≠1、M=O、 D=0の場合
m..、似、小B、C2、 C.をパラメータとして他の定数はMN
θ、丁= ∫。 D=O.〔〕 (1…/一;(砦一り ・∴一()T− G( 2m, π∫3)+1{D(1−・)・・} 4(二2 ((:σ一‘’π)(1 −A)−6〔’σc3=一
十 仁4= 3(1−A) 6(1−A)2 +些一A) + 3B.・弓一・・三 6(1−A)2 12(1−.4)ノ〔12 C2 ((三σ一(フπ〕(1−A)−4(二σ 2(1−.4)22D十B
−4(1.刈・+ 8(1−A)i3 rn2_rn2 a 7「 16(1−、4)2∫3 となる。 σ凝縮状態で正規核子密度で最小のエネルギーE]B=−15.75McVを与える解として 7nσ;1000 MeV、 A=0.8、 9ω=4.16・ 正)=0.0、 C2二=20.0、 Cπ=LO、 み=]47.93がある。非圧縮率は∬V=212、05MeVでπ巾間子の質量はpF=286・MeV/cまで定義で
きる。このパラメータに対してπ凝縮状態を仮定して計算してみるとp.≧286MeV/cの 領域では解が存在することがわかり、核了あたりのエネルギーもσ凝縮状態より小さく求 まる(F三g.3.1.a)。点線で示されたものはσ凝縮状態を仮定して計算された結果であり、 π凝縮状態を仮定した計算は実線で示されている。ρF〈286MeV/cの領域ではこのパラメータに対しては〈π2>>0となる解は存在
しない・ρF≧286MeV/cの領域では〈σ〉も<π2>も1つだけ解を持つ・実際に
σ(<π2>)もC,「(〈σ〉)も1つだけ最小値を持つことが確かめられる。 中間子の古典場の計算結果(Fig.3,1.b)、有効質量(Fig.3.1,c)も図示してあるが、共 に点線はσ凝縮状態での計算結果であり、実線はπ凝縮状態を仮定した計算結果である。 π中間子の古典場はグラフではv石アこ/万の値が図示されている。〈π2>が存在す る領域では1〈σ〉「の値はσ凝縮状態だけを仮定して計算した値に比べ小さくなってい る。〈一〉に関してはあまり大きな違いは見られない。有効質量もω中間子に関しては 大きく異ならないが、核子とσ中間子の有効質量はσ凝縮状態での計算と比べてπ凝縮状 態を仮定した計算値のほうが小さくなっている。46 手 塚 洋 一 EB(MeV) 20 10 0 一10 一20 Energy/Nucleon 0 100 200 300 400 500 PF(MeV/c) Fig.3.1.a 核子あたりのエネルギーEB mσ=1000MeV、 A=0.8、 D=O.O、02=20.0、 Cπ=1.0、 gω=4ユ6、 B=147.93 〈 〉ノfr 0.5 0 一〇.5 一1、0 Classical Field/fπ O 100 200 300 400 500 PF(MeV/c) m’ iMeV) 2500 2000 1500 1000 500 Effective Mass 0 100 200 3〔}0 400 500 PF(MeV〆c) Fig.3.1.b 中間子場の古典場/f. Fig.3.1.c 有効質量 mσ=1000MeV、 A=0、8、 D=0.0、 C2=20.0、0π=1.0、 gω=4.16、 B:=147.93
もう1つの解として
mσ=800MeV、
/4=0.5、 1)=0.0、 02=20.0、 Cπ=0.5、 gω=5.24、 B=160.71を考える。このパラメータセットに対してもσ凝縮状態は解を持つ。非圧縮率はK=
210.52MeVでπ中間子の質量はpF=380 MeV/cまで定義できる。このパラメータに対してπ凝縮状態を仮定して計算してみるとPF〈380McV/cでは<π2>が正となるよ
うな解は存在しない。Pfi、≧380 MeV/cの領域では解が存在し・核子あたりのエネルギー もσ凝縮状態より小さく求まる(Fig.3.2.a)。解の存在するすべての領域で〈σ〉は解 を1つしか持たないが、〈π2>は解を1つしか持たない領域と解が3つある領域とがあ る。さらに399MeV/c≦PF≦400 MeV/cの間でU(<π2>)を最・]・とする<π2>が 値の小さい解から大きい解に不連続に変化している。一種の相転移が起きていると考えら れる。エネルギーの計算にはほとんど影響が現れないが、古典場、有効質量の計算結果に はPF=400MeV/c付近で値に飛びがあることがわかる(Fig・3・2・b・Fig・3・2・c)・ EB(MeV) 20 10 0 ・10 一20 Energy/Nucleen 0 100 200 300 400 500 PF(MeV/c) Fig.3.2.a 核子あたりのエネルギーEB Mσ=800MeV、 A=0.5、 D=0.0、 C2=20.0、 Cπ=O.5、 gω=5,24、 B=160.7148
手 塚洋一
〈 〉’fπ Classical Field/fTr 0.5 0 一〇.5 一1.0 0 100 Fig.3.2.b 200 300 400 500 PF(MeVic) 中問子場の古典場/fT m“ iMeV) 2500 2000 i500 1000 500 Effective Mass 0 100 200 300 400 500 PF(MeVlc) Fig.3.2.c 有効質量 mσ=800MeV、 A=0.5、 D=0.0、02=20.0、 Cπ=0.5、 gω=524、 B=160.71・A≠1、Cσ=Cπ、 D=0の場合
Cσ=Cπと取るとm2
B=言『D(1−A) (3・34)
となり、Dを与えるとBは決まってしまう。さらにD=0と取るとB=m幻鐸とな
り、パラメータはA、mσ、 gσ、 gω、02、 Cπとなる。σ凝縮状態においてCσ=0πとした場合にはK∼200MeVとなるようにパラメータ
を取ることはできるが、m;2<0となるPFが小さく、正規核子密度でπ中間子の質量を 定義できるような解は見っからなかった。またD=0.0とできるようなパラメータも見 つからなかった。 σ凝縮状態を仮定すると正規核子密度で飽和性を満たし、K∼200 MeVとなるがm;2〈 0となるパラメータセットの例として mσ=600MeV、 A=0.8、 D=1.0、 C2=2.0、 0σ=0π=1.1、 gσ=3.81、 gω=3.37 を取り上げる。このパラメータセットではσ凝縮状態でπ中間子の質量はp.〈186MeV/c でしか定義できない。π凝縮状態を仮定して同じパラメータを使うとp.≧186MeV/cの 範囲で解が見つかり、確かにエネルギーを小さくすることが確認される。 次にC。=Cπの条件で、π凝縮状態を仮定して飽和性を満足し、期待される範囲の非 圧縮率を持つような解が存在するか探す。 まずmσ=600MeV、 A=0.8とおいて解を探した。C2 3.6 3.7
80U
39δ
cπ O.3 0.4 0。3 0.2 0.1 0,0 0.4 0.4 Table 3.1 mσ=600MeV、 A=0.8、 D=0.0 9ω 9σ 1ζ(MeV) 2.92 3.91 171.42 2.45 3.73 146.50 2.87 3.90 168.32 3.26 4.08 191.67 3.66 4.27 217.52 4.07 4.46 246.70 2.4〔} 3.73 143.88 2.35 3.739 141.35 Pc(MeV/c) 19].0 194.0 ]9].0 188.5 185.5 183.0 194.0 194、5ここでρcは<π2>>0の解が見つかる最小のPFの値である。π凝縮状態で飽和性と
非圧縮率五∼200MeVを満たす解が確かに存在する。
次にCσ=Cπ=0.0の条件を満たす解をC2を動かしながら探した。 ’rable 3.2 7TL。=600 MeV. 4={〕.8、 D=0.0、 C。=0 02 3.7 3.8 4。0 4.2 4.4 4.6 4、8 5.0 9ω 4.07 4,01 3.89 3.77 3.66 3.54 3.45 3.34 9σ 4、46 4.455 4.43 4.41 4.40 4.38 4.36 4.34 κ(MeV) 246.70 241.37 231.36 222.23 213.86 206.09 198.86 192.]1 Pc(MeV/c) 183.0 183.O l83.0 183.5 184.O l84.0 184.5 184.5 飽和性を満足する解の例として rrL。=60〔〕MeV、 ,4=0.8、 [)=0.0、 C2=4.6、 9σ=4.38・ 9.」.,=3.55 Cπ=0。=回、 を図示しておく(Fig.3.3.a、 Fig.3.3.b、 Fig.;3.3.c)。このパラメータセットではσ凝縮状 態ではπ中間子の質量は巧く184MeV/cでしか定義できない。π凝縮状態を仮定して同じパラメータを使うと停≧184MeV/cの範囲で解が見つかる.〈σ〉の解が2つ存在
するが,1つはF(〈σ〉)を極大にする不安定解である。<π2>はそれぞれの〈σ〉の 解に対し1つずつ求まる。50 手 塚 洋 一 EBIMeV) 20 10 0 一10 一20 Energy l Nucleon 0 100 200 300 400 500 PF{MeWc) Fig.3.3.a 核子あたりのエネルギーEB mσ=600MeV、 A=0.8、 D=0.0、02=4.6、0π=0σ= o.o、 gσ=4.38、 gω=3.55 〈 〉ノfπ 0.5 0 .0.5 一1.0 Classical Field/fr 0 100 200 300 400 500 PF(MeV/cl} Fig.3.3.b 中間子場の古典場/fπ m命 iMeV) 2500 2000 1500 100e 500 EffectWe Mass 0 100 200 300 400 500 PF(MeVlc) Fig.33.c 有効質量 mσ=600MeV、 A=0.8、 D=0.0、02=4.6、0π=0σ=0.0、 gσ=438、 gω=3.55
Cσ二CπでD=0、M=Oとなる解が存在するか調べる。これらの係数はカイラル対
称性を破る新しく付け加えられた項の係数であり、この設定は核子の質量項とσ中間子一 力イラルループ相互作用項をなくし、スカラー中間子の質量項をカイラル対称になるよう に取ることを意味する。Cσ=Cπ、D=0と取ると
となり、M=〔〕とすれば と決まる。パラメータは.4、B=盛
f3 ル7/v .9σ= f。 1?’a ’飢、C2、 C,πとなる。 C2=2.5、A=1.1としてnt一σ依存性を調べる。 Table 3.3 C㌧=2.5 、 .4=Ll、 Zフ=0.0m。(MeV) Cπ
600 1.02 700 1.45 800 1.97 820 2.10 830 2.17 840 2.33 850 2.36 900 2.48 9ω 2.80 3、27 4.12 4.47 4.75 6.05 6.17 6.05 ∫ぐ(MeV) Pc(MeV/c) 113.33 139.0 133.12 139.0 174.15 139.0 192.59 139.0 208.59 139.0 319.75 139.0 340.05 139.0 326.49 139.0 (3.35) (3.36)次にmσ=800MeVに対してA依存性を調べる。
Table 3.4 ηLσ = 800bv’leV、 Zフ=0.〔〕 1 1.2 仁2 −1.o −2.0 −3.0 −4.o −rコ ,o −3.0 −4.0 −5.0 −6.0 cπ 1.722 1.645 1.558 1.164 i.363 0.925 〔〕.765 〔〕.597 〔〕.420 9ω 4.45 4.5:3 4.56 4.5・1 4.49 4.54456
4.56 4.56 A’ iMeV) 190.92 195.82 197.75 197.〔}2 19, 3.46 196.54 197.40 197.S4 197.74 P。(Mev/c) 139.O lii 9.O l:39.0 139.O l39.0 139.0 139.〔〕 139.O L39.052
手塚洋
1.3 1.4 一7.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 −1.0 7.0 6.0 0.235 0.730 0.490 0.250 0.0 −O.260 −O.530 −O.810 −9.650 −8.800 4.55 4.56 4.56 4.56 4.563 4.56 4.55 4.54 3.50 3.64 197.1719738
197.63 197.93 198.01 197.87 197.51 196.93 124.94 134.37 139.0 139.0 139.0 139.0 139.0 139.0 139.0 139.0 123.5 117.5 π凝縮状態で飽和性を満たしK∼200MeVとなる0σ=0π、 M=0.0、 D=0.0での 例としてmσ=800MeVの計算を示しておく(Fig.3.4.a、 Fig.3.4.b、 Fig.3.4.c)。このパ ラメータセットは新しく導入されたカイラル対称性を破る項はすべて0に取られている。 すなわち、オリジナルの線形シグマモデルにベクトル中間子の寄与と高次のカイラルルー プ項のみでπ凝縮状態を仮定すると核物質の性質を満たすことができる。同じパラメータ でσ凝縮状態を仮定して計算すると〈σ〉を与える解は3っ(ポテンシャルを極小にする 解は2つ)あり、<σ>o=−f.につながる解としてはρF=118∼138MeV/cの範囲で しか求まらなかった。PF〈118MeV/cでは最・」・のエネルギーを与える解は〈σ>o=−f. につながらない。PF=118MeV/cで相転移を起こしていると考えられる・ EB(MeV) Energy/Nuc|eon 20 10 0 ・10 ・20 0 100 200 300 400 500 PF(MeVlc) Fig.3.4.a 核子あたりのエネルギーEB mσ=800MeV、 A=1.3、 D=0.0、 C2=2.0、 0π=Cσ=0.0、 ≦7w=4.56< >tfπ Classical Field/fπ m・(MeV) Effect卜!e Mass
2500
2000
0.5TT
σ!
ω
1500 0 ・5@ 1°°°一・・旦≠一..
500
σ _〔’一一’」一 一t.O T丁 0 100 200 300 400 500 0 100 200 300 400 500pF(M・Vノ・) pF(MeV∫c)
Fig.3.4.b 中間子場の古典場/fπ Fig.3.4.c 有効質量mσ=800MeV、 A=13、 Dニ0.0、 C2=2.0、
Cπ=0σ=O.O、 gω=4.56
最後に、4ニ1としてCσ=0π、D=0、 M=Oとなる解を探した。吋
で、D=0ならば
B=−
1 m2
c・=c・=
TB=爾
(3.37) (338) と決まってしまう。C2も(2.22)で与えられるので、パラメータはmσ、 gω、 C3、 C4だけ である。 m。(MeV) 600. 700. 800. 900. 1000. 1100.Table 3.5
A=1.0、 1:)=0.0、 04 = 300 03 9ω ・k−(MeV) Pc(MeV/c) −104.0 3.06 121.69 139.0 −75.2 3.28 133.45 139.0 −47.3 3.51 148、22 139.0 −18.85 3.77 168.86 139.0 10.2 4.07 198.40 139.0 39.25 4.41 240.55 139.054 手 塚 洋 一
A=1、M=0、 Cπ=0σ、 D=0でπ凝縮状態で飽和性を満たす解の例として
mσ=1000MeVの場合を示す(Fig.3.5.a、 Fig.3.5.b、 Fig.3.5.c)。 EB(MeV} 20 10 0 一10 一20 Energy l Nucleon 0 100 200 300 400 500 PF(MeV/c)巳
砺=
π7
↑㏄勾
レ0=
ノ ひ 、0 ω口二㏄
ゆ品
ー 0たL=
芸G
核、仏
VO
eO
蒜パ
gloo
H=
び
m
< >ffrr Classical Field/fπ 0.5 0 一〇.5 ・1.0 0 100 200 300 400 500 PF(MeVlc) m★ iMeV) 2500 2000 1500 1000 500 Effectlve Mass 0 100 200 300 400 500 PF(MeVic) Fig.3.5.b 中間子場の古典場/f. Fig.3.5.c 有効質量 m。=1000MeV、 A=1.0、 D=O.O、0。=C’σ、 C,=300.0、 C3=10.2、 gω=4.074 議論
σ凝縮状態を仮定して碑2≦0となる領域ではπ凝縮状態が実現されており、エネル
ギーが小さくなることが確かめられた。ポテンシャル(3.8)は<π2>の関数として4次 関数と考えられる。(3.5)はm;2を与える式と同じものであるからm:2>0の範囲ではポ テンシャル(3.8)は増加関数となる。すなわちFig.4.1に示されるように<π2>≧0の条件でエネルギーを最小にするためには<π2>=0が選ばれる。この状態が<π2>=0
でのσ凝縮状態でm;2>0となる。 U(<π2>) 0 <・π2> Fig.4.1 σ凝縮状態でのポテンシャルU(<π2>) U(<rT 2>)←
0 <TT 2> Fig.4.2 π凝縮状態でのポテンシャルU(〈π2>)56 手 塚 洋 一 m算2=0となると、条件式(3.5)を満たす<π2>>0が存在するということを意味す る。すなわちポテンシャル(3.8)を最小にする<π2>>0が存在する(Fig.4.2)。つまり、 m:2>0の場合には必ずm;2=0となるが、〈π2>>0でエネルギーが最・]・になる。こ の状態が今回考えたπ凝縮状態に相当する。 数値計算の2番目の例 Mσ=800MeV、 A=0.5、 D=0.0、 C2=20.0、 Cπ=0.5、 g.=5.24、 B=160.71 では〈π2>はPF≦380 MeV/cの領域では正となる解を持たない(Fig.4.3.a)。すな
わち〈π2>=0である。380MeV/c≦PF≦395 MeV/cでは<π2>>0となる解
を1つしか持たないが(Fig.4.3.b)、396 MeV/c≦PF≦401MeV/cでπ中間子の古・典 場は解を3つ持つ(Fig. 4.3.c)。396 MeV/c≦PF≦399 MeV/cの領域では解としてはU(<π2>)を最小とする小さな値の<π2>を採用する。さらに399MeV/c≦PF≦
400MeV/cの間でU(<π2>)を最・]・とする<π2>が値の小さい解から大きい解に変わ る(Fig.43.d)。一種の相転移が起きていると考えられる。古典場、有効質量の計算結果 にはρF=400MeV/c付近で値に飛びがあることがわかる(Fig.3.2.b、 Fig.3.2.c)。再び PF≧402 MeV/cから解は1つになる(Fig.43.e)。この解は<π2>が大きな値を持つ 解と連続的につながっている。 ﹀ u(<Tr 2>) <TT 2> Fig.4.3.a Fig.4.3.bU(<1T2>) Fig.43.c <T「2> u(<・rr 2>) Fig.4.3.d <1T2> u(<r2>) <TT 2> Fig.4.3.e 参考文献 Adler, S. L. and R. F. Dashen(1968)Current Algebras. W. A. Benjamin, Inc.(New YOrk). Blaizot, J.P.(1980)Nuclear Compressibilities. Phys. Rep.,64:171−248. Boguta?J.(1983)ASaturating Chiral Field Theory of Nuclear Matter. Phys. Lett. 120B:34−38.
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