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中国の大学生の不登校傾向と友人関係の関連について-日本の研究結果と比較して-

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Academic year: 2021

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− 79 − 中国の大学生の不登校傾向と友人関係の関連について 一日本の研究結果と比較して一 人間教育専攻 臨床心理士養成コース ZHANG JIANAN I.問題と目的 中国教育部包016)が発表した「中国高等教 育品質報告jによると, 2019年までに,中国の 大学進学率は5害lJを上回り,中国は高等教育の 普及段階に突入すると予測されている。こうし た背景において,現在の中国では,青年期に当 たる者の半銑丘くが大学とし1う教育機関に行く ことがわかる。大学生になると,これまでの依 存的で親中心で、あった時期とは違い,ほとんど の中国の学生が親元を高針1,大学の寮で共同生 活を始める。集団生活において,中国の大学生 は様々な対人関係問題に直面しかねない。多く の研究によると,中国の大学における授業出席 率は著しく低い(呉 2006;黄 2008)。 日本では 1994年から大学生の不登校とし1う 概念が取り上げられて以来,大学生の不登校問 題について,次第に関心が高まってきたことが わかる (/j、柳 1994)。一方,中国では現在, まだ教育現場において「不登校」という概念や 指導教員 葛 西 真 記 子 とが推測できる。日本の大学生の不登校傾向を 高める直接的要因として,大学不適応J惑である ことが明らかとなっている。そして,中国では 大学生の適応問題について研究で頻繁に取り上 げられており,人間関係と大学適応の関連につ い て も 幾 度 と な く 論 じ て ら れ て い る ( 朱 2006 ;謝 2016)。しかし,今まで中国では, 人間関係において重要な位置づけとなる友人関 係と大学適応の関連については,未だに解明さ れていない。また, 日中両国の相違点を考える と , 日本で明らかされた大学生不登校傾向に影 響する要因は,そのまま中国の大学生に適用す るとは言い切れないだろう。 そこで本研究では, 日本で開発された尺度を 用いて,中国の大学生の大学不登校傾向と大学 適応感及ひ友人関係の関連を探求する。そして, これまでの日本の大学生の不登校に関する研究 結果と比較することを本研究の目的とした。 定義は存在していなし、が,日本と類似してし、る E 対象・方法 「不登校のグレーゾーン」の子どもが大勢栴主 日本で開発された「不登校傾向尺度J["大学適 する(翠 2006)。日本と中国は地理的にも近 応感尺度J["友人関係尺度」を中国語に翻訳して, く,ともに集団文化圏に属するので,日本人と 質問紙を作成した。 2016年 8月から 9月及び 中国人の聞には共通点が多いと考えられる。し 2017年 1月にかけて,中国の都市部の国立大 たがって,中国において,相当な数の大学生が 学(A大学 ;B大学および C大学)3校に部署す 持っている大学の正課活動に対する欠席・回避 る大学生のうち,合意を得たもの236名を対象 傾向の本質は,日本の不登校傾向と類似するこ に,質問紙調査を行った。

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− 80 − III. 結果と考察 れなかったことがわかった。しかし,傷つきの (1)質問紙調査結果の考察 回避は,登校回避感情に有意な負の影響を与え, 1.中国の大学生における不登校傾向の特徴 友人に傷つける行動を回避すればするほど,登 中国の大学生における不登校傾向には,登校 校回避感情が低いことがわかった。 団連封子動と登校回避感情の2つの要素を含むこ とがわかった。兄弟がいない中国人の大学生の 方が,兄弟がいる大学生より,不登校傾向が高 いことがわかった。特に「登校回避感情」面に おいて,兄弟がし、ない中国人の大学生は,より 高い登校回避感情を反映していることがわかっ た。 2.中国の大学生における大学不適印惑の特徴 中国の大学生の大学適応は,課題・目的への 瑚卒,自己実現,環境への適応及び劣等感から なることが明らかとなった。所属によって,劣 等感がもたらす大学不適応」惑は異なることがわ かった。 3.中国の大学生の友人関係の特徴 中国の大学生の友人関係の鞘教として,友人 と積極的にかかわる,友人を傷つけないように 注意を払う,友人と

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回監を保つことがわかった。 4.中国の大学生における大学不登校傾向と友 人関係の関連 大学適応感は,大学生の不登校傾向に有意な 負の影響を与え,大学適応

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惑が高ければ高いほ ど,不登校傾向が低いことがわかったO 友人関 係は,大学適印惑に有意な正の影響を与え,友 人関係が安定すればするほど,大学適応」惑が高 いことがわかった。その影響は具体的に,積極 的に友人と関与すればするほど,大学において 課題・目的への瑚醸が高くなっており,友人 に傷つける行動を回避すればするほど,環境へ の適応度が高くなることがわかったO 一方,友 人間系は,大学生の不登校傾向の間で負の相関 が見られたものの,直接に有意な影響を与えら (2) 日中比較 1.大学生の不登校傾向についての日中比較 中国語版尺度は日本原版尺度と同様に「登校 回避行動」と「登校回避感情J2因子で構成さ れていることが明らかになった。登校回

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樹子動 と登校回避感情の聞の関連性について, 日中両 国の聞に差があることがわかった。 2.大学不適応、感についての日中比較 「課題・目的への理解/課題・目的の前生」 因子と「劣等感/劣等感の無さ」は中国と日本 の両文化に共通しているものであることが臨忍 できたと同時に,

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自己実現J,

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環境への適応J, という因子は中国の文化的特致を反映している ことがわかった。両国の大学生の不登校傾向と 大学適応感の聞に,有意な負の相聞が見られた。 3. 友人関係についての日中比較 「気遣い/積極的な関与」因子と「ふれあい 回避/傷つきの回避Jは中国と日本の両文化に 共通しているものであることが確認できたと同 時に,友人間系において, 日本では「群れ」性 が示された一方,中国では「群れ」と逆に「距 商色感」が示されたことがわかったO N.今後の課題 今後はより中国の事情に相応しい「不登校j 概念を考案する必要がある。大規模な調査を行 う必要がある。より有効な日中比較を行うため には,両国の聞で対象者を一定レベルに備える 上で,同じ尺度を使って調査する必要があると 考えられる。

参照

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