Title
Prediction of 5-fluorouracil and cisplatin synergism for advanced
gastrointestinal cancers using collagen gel droplet embedded
culture( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
森, 茂
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1353号
Issue Date
2003-03-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14929
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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 森 茂(福井県) 博 士(医学)
乙第1353
号 平成.15 年 3 月13 日 学位規則第4条第2項該当Prediction of5-fIuorouraciland cisplatin synergism for advanced gastrointestinaIcancers uslng COllagen geldroplet embedded culture
(主査)教授 佐 治 重 量 (副査)教授 小 澤 修 教授 玉 舎 輝
彦
論文内容の要旨 Biochemicalmodulation(BM)は,抗癌剤を投与する際に他の薬剤(modulator)を投与することにより,薬理 動態を変化させて抗腫瘍効果の増強或い.は毒性の軽減を図ることを目的とした併用療法である。本法は1986年に Scanlonらがヒト卵巣癌株化細胞を用い,シスプラチン(CDDP)が細胞内へのメチオニン移入を阻害することに より還元型葉酸が増加し,5-FU投与で生じたFdUMPとTSとのternary complexを増加させて,TS活性を低下 させDNA合成阻害をきたすこと(CDDPがmodulatorとなって5-FUの抗腫瘍効果を相乗的に増強すること)を最 初に報告した。一方,5-FUは消化器癌等で汎用されている薬剤で,奏功率は胃,大腸癌で15∼33%(少量CDDP 併用で45∼57%)と報告されているが,半数以上は無効例で抗癌剤感受性試験にもとづく学際的な治療が望まれて いる。そこで,申請者らはBMの立場から,ヒト胃癌株化細胞及び手術時採取した切除標本から癌細胞を分離し, 5-FUとCDDPの併用による治療効果の予測を抗癌剤感受性試験から推察可能かを検討した。また,抗癌剤によ るアポトーシス誘導作用が近年注目されている古で,5-FUとCDDPの単独及び併用投与時のアポトーシス細胞 数を免疫組織学的に検索し,従来の抗癌剤感受性試験との間で相乗的増強の有無を比較検討した。 研究対象と研究方法 対象:ヒト胃癌株化細胞はMKN45と教室で樹立したGSSを用いた。切除標本は1998年6月から2000年2月まで の間に教室で手術した胃,大腸癌症例中,術前化学療法を施行されていない胃癌14例と大腸癌26例である。方法:①抗癌剤感受性試験法はcollagen geldroplet embedded culture(CD-DST)法を用いた。即ち,手術時
採取した新鮮生標本から酵素分散法で癌細胞を分離しコラーゲンゲル塗布フラスコ内で24時間培養後,生細胞を 抽出して実験に供した。感受性試験は1×105個/mlの標的細胞を24時間前培養後,5-FU,CDDP,5-FU+CDDP添 加培地で7日間接触させ,後染色し画像解析装置で測定し,対照群に対する比率(T/C比)を求めて,併用投与群 における抗腫瘍効果の増強率(enhancement raLtio)を算出した。②アポトーシスの検討はMKN45とGSSを標的 細胞としTUNEL法を用いて5-FU投与群,CDDP投与群,併用投与群につき検鏡し,アポトーシス指数で表示し た。 研究結果 胃癌株化細胞の場合:①CDDPは単独では抗腫瘍効果が確認できない0.02FEg/ml濃度を,5-FUはIC50値より 低濃度の0.01FLg/mlと0.1FLg/mlを用い,単独,併用時のT/C ratioを求めた結果,併用群で理論値に対して有 意(p<0.01)にT/C ratio測定値が減少した。②0.01FLg/ml或いは0.1FLg/ml濃度の5-FUに0.02FEg/ml濃度の CDDPを併用投与した場合,enhancement ratioは1.16或いは1.35で,相乗的な抗腫瘍効果の増強が認められた。 ③0.02〟g/ml濃度のCDDPと0.1FLg/ml濃度の5-FUを同時投与した場合,アポトーシス指数は各単独投与群に 比べ相乗的増加が観察された。
切除標本の場合:①胃癌株化細胞で相乗効果が認められた濃度設定と同じ条件で,40例中15例(胃癌6例,大腸 癌9例)に相乗的な抗腫瘍効果の増強が認められ,enhancementratioは1.10∼2.01であった。②併用投与により 抗腫瘍効果の相乗的増加を認めた群と認めなかった群につき比較検討した結果,年齢,性,分化度,病期進行程 度,リンパ節転移度,静脈侵襲度,リンパ管侵襲度のいずれも有意差は認められなかった。③感受性試験結果か ら15例中11例は5-FUの感受性が陰性であった。 考察と結語 5-FUは短時間高用量投与時にはRNA阻害による機能障害を,長時間低用量投与時にはDNA合成阻害による 抗腫瘍効果を発揮すると推察されている。′ModulatorとしてCDDPを併用する場合,CDDPは5-FUのDNA合成 阻害作用をmodulateして抗腫瘍効果を相乗的に増強させるが,BM効果発現の目的に対しては5-FUは長時間低 用量投与の方が適当と思われる。近年実地臨床で汎用されている消化器癌に対する低用量CDDPと5-FU持続静 注療法は,BM理論の背景要因に基づく臨床的投与量と投与期間が設定されている。申請者らが設定した7日間 という比較的長時間の薬剤接触時間において,5-FUはIC50値よりも低濃度であったが0.02FLg/ml濃度CDDPと の併用でのみ相乗効果が観察された。それゆえ,感受性試験の結果と臨床的奏功率との関連で更なる検討が必要 であるが,CD-DSTを用いた薬剤感受性試験は5-FUとCDDP併用療法の有効症例を抽出できる可能性が示唆さ れた。また,株化癌細胞を用いたアポトーシスの検討では,5-FU,CDDP同時投与時にはアポトーシス指数が 単剤投与時に比べ相乗的増加を示したことから,5-FU,CDDP併用時に認められた抗腫瘍効果の相乗的増強が アポトーシスの誘導と関連する可能性が示唆された。 論文審査の結果の要旨 申請者 森 茂は,胃癌培養株細胞あるいは手術時採取した新鮮標本から癌細胞を分離し,低用量のCDDP或 いは5-FUの単独或いは併用投与時の抗腫瘍効果を,CD-DST法を用いた抗癌剤感受性試験とTUNEL染色による アポトーシス指数から評価した。その結果,単剤では抗腫瘍効果が観察されない低用量でも併用により相乗的増 強効果がみられ,これが癌細胞のDNA阻害のみでなくアポトーシス誘導と関連している可能性が示唆された。 これらの研究結果は腫瘍外科学,特に術後補助化学療法の発展の分野で少なからず寄与するものと認める。 〔主論文公表誌〕.
Prediction of5-fluorouraciland Cisplatin Synergism for Advanced GastrointestinalCancers using Co11agen GelDroplet Embedded Culture