Title
A skeletal muscle actuator for an artificial heart( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
佐々木, 栄作
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第994号
Issue Date
1995-09-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/15272
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氏名 (本籍) 学杜の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 佐々木 栄 作(愛知県) 博 士(医学) 乙第 994 号 平成 7 年 9
月13
日 学位規則第4条第2項該当A skeIetaJmusc[e actuator for an artificialheart
(主査)教授 広 瀬 (副査)教授 土 肥 修 司 教授
藤
原 久 義 論 文 内 容 の 要 旨 埋め込み型人工心臓は,長期の臨床応用が可能な程進歩しているが,体外からエネルギー供給の不要なシステ ムの実現はt いまだ非常に困難である。ところで生体内の機械的エネルギーの発生源である骨格筋は,心筋形成 術や骨格筋ポーチ等,循環補助手段として研究や臨床応用が行われており,長期の低頻度電気刺激による継続的 トレーニ●ングにより骨格筋に耐疲労性を付与することが可能となってきた。もし骨格筋を人工心臓の駆動源とし て利用できるならば,体外からのエネルギー供給の不必要なシステムが実現される。このためにまず解決すべき 基本的課題として,ポンプ等区動に見合う筋力をどう獲得し,いかに効果的にポンプの出力に変換するかといった 点があげられる。また人工心臓より遠隔にある筋の収縮力を伝達することが出来れば,複数の筋の収縮力を同時 に,あるいは交互に使用することで,筋の疲労を防ぎ,充分な筋力を得ることも容易に可能となると思われる。 申請者はt骨格筋による人工心臓駆動装置の可能性を検討するため,骨格筋の力学的特性を検討し,その結果 をもとに骨格筋を動力源とする人工心臓の辱区動機構を開発し,その能力の検討を行なった。 研究方法 1)骨格筋の力学的特性の検討 雑種成犬(n=3)を対象とし,全身麻酔下に広背筋の起始である肋骨付着部を切断した。この広背筋断端部に ナイロン製のシートを縫着し,これにワイヤーを接続,滑車を介して種々の重量の重りを自由にぶら下げた。60 回/秒の電気刺激により筋を収縮させ,収縮距離を求め,筋の単位重量あたりの仕事率を求めた。 2)骨格筋を動力とする人工心臓のポンプ特性 ①システムの概略 広背筋の収縮を直線的に伝達できるようシステムを設計した。 ・ポンプ 既に電気馬区動式の人工心臓として開発されているプッシャープレート型ポンプに,スイングアームとカム機 構を装着し,筋の収縮力の方向を変え,プッシャープレートに作用するようにした。またプッシャープレート の最大行程はカムの高さを変更することで容易に調整できるように設計した。 ・筋収縮力の伝達システム 筋の収縮力を筋よりポンプまで伝達できるよう伝達システムを作製した。本システムはフレキシプルロッド とシース等からなり,摩擦が少なくなるよう種々の工夫を行なった。 ②本システムの能力の検討 雑種成犬(n=4)の下部胸腔に人工心臓を装着し,第9肋間からスイングアームが胸壁を貫くよう固定し, 広背筋断端と連結させた。ポンプの流入口,流出口を模擬循環回路に接続した。後負荷を75mmHg,前負荷を 10mmHgとして,ポンプ拍出量を超音波流量計により計測した。また長いフレキシブルロッドを有する伝達シ 69ステムを用いた場合の効率を検討した。さらに複数の筋を交互作用して,より安定した長期のポンプ能力が得ら れるかどうか,30分ごとに刺激,非刺激を繰り返す間欠駆動を行い,拍出量の変化を検討した。 研究結果 1)骨格筋の力学的特性の検討 広背筋の仕事率は,5Vから10Vの電気刺激に対し,2.5∼5mW/gであった。またその時の収縮長は1∼6cm であった。また5V以上の電気刺激で,筋全体の仕事として実験動物の安静時の左室の仕事を越えていると考え られた。これらの結果より,人工心臓ポンプの一郎自出量を25mlと設定し,これを4cmの筋の収縮で駆出でき るようシステムを設計した。 2)骨格筋を動力とする人工心臓のポンプ特性 ポンプは広背筋の剥離もはとんど必要なく,容易に装着できた。装着前後で筋の組織血流量に有意な差はなく,
広背筋への側副血行は充分温存されていると考えられた。ポンプの駆動直後,抽出量は2L/minを越えたが,
駆動後約50分で半減し,200分後には0.78±0.12L/minとなった。本システムの全体の伝達効率は約50%で,長 いフレキシプルロッドを使用するとさらに10%程度の低下を来たした。30分ごとの間欠的な駆動を行うと,20時 間後でも0.8L/min程度の拍出量が得られた。 以上の動物実験より,広背筋を人工心臓の駆動源として使用した場合に,左室安静時に匹敵するポンプ出力が 得られ,複数の筋を交互に使用すれば,より長期に使用できると考えられることが判明した。 論文審査の結果の要旨 申請者 佐々木栄作は,雑種成犬を用いて,広背筋を人工心臓の駆動源として用いる方法の開発およびその特 性の検討に関する研究を行い,骨格筋による人工心臓の駆動装置の可能性を明らかにした。 この研究は,外科学ならびに心臓外科学の進歩に少なからず寄与するところが大きいものと認める。 [主論文公表誌]A skeletalmuscle actuator for an artificialheart
ASAIO journa138(3):M507∼M511,1992