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電気車両補助電源用高圧インバータ

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Academic year: 2021

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電気車両補助電源用高圧インバータ

HighVoltage

ThyristorInverter

for Electric

Car

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Yasulliro Yamazaki

従来電気車両の補助電源は電動発電機(MG)によるものが普通であった。これに代わってサイリスタインバ ータを採用することにより,保守性の向上が期待されると同時に効率向上を図ることができる。 日立製作所は数年前より日本国有鉄道,帝都高速度交通営団,名古屋市交通局などに1∼2台ずつ高圧サイ リスタインバータを納入してその使用実績をつみ重ねてきたが,このたび電車用として名古屋市交通局納8.5 kVAインバータを量産納入するとともに,機関車用として日本国有鉄道の新形交直流電気機関車EF81の電 気暖房用電源である320kVAインバータを受注し,1号磯は昭和43年末に納入実用中であり,2号楼以降が 続々量産納入されている。本稿はこれら高圧インバータの特長および試験結果について述べたものである。 パンクグラフ パンクグ■ぅ▼7

1.緒

口 直流電気車の車内照明,ファン,制御回路などの電源として従来 MGが用いられてきたが,保守の簡易化,騒音防止などの理由でサ イリスタインバータがとって代わる傾向にある。他方大容量の電気 暖房用インバータは,MGと比較して重量がほぼ%となるのでサイ リスタインバータを採用する意義は大きい。 サイリスタインバータを車両用として実用化する場合に問題とな ったパンク離線,電車線リップルとインバータ運転周波数とがビー トを生ずる問題,および波形ひずみについてもすでに解決され,MG と同等以上の性能を示すに至っている。

2.日立インバータの特長

日立製作所の車両補助電源用サイリスタインバータの特長を要約 すると次のとおりである。 (1)転流回路に電流変成器を用いた帰還回路を設けて帰還効率 を高め,飽和形電流変成器を用いてインノミ一夕の効率を向上させ るとともに,転流電流の減衰を早めている。 (2)交流出力波形改善用の折渡回路としては,基本周波数に対 する直列共振フィルタと第3次高調波バイパスフィルタとを設 け,実使用状態における波形ひずみ率を数パーセントとし,MG と同等以上の性能をもたせている。 (3)上記フィルタをインバータの一次側に設け,効率向上と機 器の小形化を因っている(ユ)。 (4)インバータ変圧器の磁束密度を適切にし,かつ構造的にも 検討し,フアンなど回転機のような負荷投入時に発生しやすい鉄 共振現象を完全に防止している。 (5)図1に示すようにパンクジャンプ,デットセクシーソなど においても無停電とすることができる回路(2)を用いて,ブス引通 しのない車両であっても,複数個のパンクによって給電されるよ うにし,インバータを安定に動作させるとともにサービス面の向 上にも寄与させている。 (6)インバータ回路,サイリスタゲートパルス発生回路などを 標準化し,性能の安定化と品質の向上を図っている。 (7)直流高圧側にL-Cフィルタ回路を設け,電車線のリップル 周波数とインバータの動作周波数とで発生するビートの防止,お よび高調波電流が電車線に流れることを阻止している。 (8)インバーク保護用として,動作の早いかつ定格電流としゃ * 日立製作所水戸工場 ** 日立製作所日立工場

弧タイト川柵l†仙デイオ=ド:他車

インバータ

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l 図 無停電化方式原理図 表1 8.5kVAサイリスタインバータ仕様 形 式 方 式 素 子 サ イ リ ス 構 成 ダ イ オ ー ド 構 成 定 格 出 力 出 出走同定入出定冷重 力 電 圧 数数変圧因Ⅵ格式墓

相……読万

人圧形 力格破格鵬…却 IN-MWA 転流改良形 ブリッジ方式 CJO2VL 250A l,000V タンオフタイム 50/JS以 下 2SxIPx4A LO3/04L lOOA l,000V 2SxIPx4Ax2G AClOOV 6,8kVA (力率おくれ0.9) DClOOV l.2kW DC 24V O.3kW ±10% (AClOOV) 一10%∼+15% (DC出力) 単 相 60Ⅱz ±5% DC 600V DC 400V∼750V ほ ぼ 正 弦 波 100男 達続 15kVA l分間 自 然 自 冷 方 式 約 920kg 断電流の比の大きい接触器を用い,保護の確実性を因っている。 以上の特長は補助電源用の単相インバータに関するものである が,暖房用インバータのように折渡器の不用なものもある。

3.名古屋市交通局納インバータ

昭和44年1月各古屋市交通局に納入したサイリスタインバータ は,先行試作品として長期の現車実用化試験により,じゅうぶんな 性能が確認されたく3),その実蹟をもとに量産されたものである。 以下本インバータの仕様,性能,構造の概要および試験結果につ いて述べる。 3.1仕様および性能 本インバータの仕様,性能は表1に示すとおりである。製作する にあたり特に留意した点を列記すれば次のとおりである。 (1)第3軌条より複数個の集電靴により集電するが,先頭車と

(2)

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圧 イ ン バ ー タ 図2 8.5kVAイ ンバータ 後尾車の集電靴を専用引通線をもって接続し,これによって集電 靴個々の離線があっても引通線が無電圧になることを防止した。 また引通線に主電動依回路電流が流れないように阻止ダイオード を突合せ接続した。(図】参照) (2)上記の結果デッドセクション通過に対しても引通線が無電 圧となることはない。 (3)直流入力側にはインバータ運転にともなう電源リップル と,その結果発生する高調波成分による影響を考慮し,平滑リア クトルん〃エおよびバラストコンデンサ(&c)を接続Lた。 (4)転流電流を早く減衰させるために,電流変成器(CT-)方式 を用い効率を向上させるとともに,サイリスク・ダイオードの電 流値を小にした。 (5)出力波形整形用フィルタ回路は,直列共振フィルタエアCダ と第3高調波並列共振フィルタエgC〟および並列コンデンサ Cpより構成されているため波形ひずみが小さい。 (6)インバータ変圧器をギャップ付変圧器とし,鉄共振現象の 発生を防止するために励磁電流を流し,かつ磁束密度を小にして いる。 3.2 構 インバータ装置ほ電車床下に取り付らオtる構造とし,車側面より 点検できるようにした。構造設計iこ当たり留意した点は下記のとお りである。 (1)メインテナンスフリーの構造とするためにフアンを内蔵形 とせず自然自冷形としている。したがって内部損失による部品の 温度上昇にほじゅうぷん注意し,サイリスタ,ダイオードスタッ クやトランス,リアクトルからの発熱に対しては熱しゃへい板を 配置した。さらi・こベンチレーク,金網などを用いて冷却効果を高 めている。 (2)起動回路を除いてイン/ミ一夕ー式を一箱に収納しコンパク トなものとした。 (3)ゲート制御回路ほ一部の部品を除き/くッケージ化し,外部 雑音に対して障害をうけないよう配置と配線に留意した。 3.3 インパーク主回路 図3はインバータ主回路を示すものである。 直流入力例から直列抵抗器,ダイオード,平滑リアクトルおよび バラストコンデンサが配置されている。万一起こるかも知れないイ ンバータ転流失敗による直流短絡に対しては,過電流継電着削こより 検出し,しゃ断箸別こより事故電流をしゃ断する。事故電流の値は直 列抵抗器で制限される。なおヒューズは最終保護用であり,転流失敗 に対する事故電流はしゃ断器でしゃ断することを原則としている。 低電圧継電器エⅤ々ほ,電車線電圧が比較的ゆるやかに低下した ときにインバータを停止させるものであり,ダイオード(上わ)は,バ ラストコンデンサの放電によるエl/Ⅵの釈放時限のおくれることを 防止するためのものである。 イソバーク方式は幅制御1段ブリッジインバータであり,サイリ スタ1アームは〃yl,000V素子25で構成されている。帰還用電 流変成器C711∼2は,転流時に発生する転流コンデンサの放電電流 の一部を損失とせず電源に帰還するもので,この結果インバータの 総合効率を高めることができる。インバータの出力波形としてはほ インノ十 ̄シー

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囲3 8.5kVAインバータツナギ ぼ方形波となるので,正弦波とするためフィルタ回路を設けている。

保護方式としては,出力側の短絡事故に対してはインバータの転

流失敗に至るので,直淀側の過電流継電器によりこれを検出保護す るが,部分的な負荷の事故その他を考慮して,比較的小容量の直流

(3)

叫75-770 昭和44年8月

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第51巻 第8号

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(4)

圧 イ ン バ 表2 320kVA電暖インバータ L式式式チ タ +パ ス h例 り 制 イ 日 刊 形方取素 カノ 駈班体力J周力却 約カ ノカ 卦小川泣出H〓出仏川重

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一 披 形式 -ノ g 6 [日 一 (2)ノー互荷は列車暖房用ヒータであるのでインバータの通流幅を 可変にして出力電圧をかえ,ヒータ発熱量を強,中,弱の3段に 切換えるようになっている。インバータとしての自動電圧制御は 行なわれない。またフィルタも設けないので回路も簡単で,イン ノミ一夕応朋としてほ最適である。 (3)イン/ミ一夕運転中ほ両ノミソタ運転を行なっているので,パ ンタが同時に離綻することはきわめて少ない。したがって電源の 電圧急変幅も小さい。 (4)サイリスタ,ダイオードには平形素子を採用し(図7参照) 油浸構造とLてある。,これにより高い冷却効果が得られ,電流容 量が増し,素子数が減少し装置を小形化することができる。また サイリスタアノードカソード,およぴゲートカソード間の抵抗コ ンデンサなど什風格とともに油浸構造となるため,点検がほとん ど不用となる。 r舶行へ 図7 平形素子 (列車,暖房用インノく-タ付) 図8 RS36形主シリコン整流器 ′タ.こ 1貞 _11■し

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ー タ 771 4.2 図8ほ本インノミータ装置の外観を示したものである。これは機関 車内の機械室にぎ装され,点検を要する機器は廊下面に配置されて いる。それ仁)機器のおもなものは柵タンク内部の抽面をチェック する油面計,イン/ミータを外部電源にて調整試験を行なうためのシ ーケンススイッチコンセント,ゲート制御装置などである。インバ ータ運転時使用する機器で装置外にぎ装されているものほ,入力例 平滑リアクトル,イン/ミータ変圧器および入出力回路の接触器類で ある。 4.3 主 路 図9ほ320kVA電気暖房用インバータの主回路ツナギである。 インノミ一夕および負荷短絡などの事故電流は高速度しゃ断器により 保護され,サイリスタ素子の過電流耐量との保護協調はじゅうぶん とれるようにしてある。 インバータの運転周波数はその2倍の周波数成分が軌道を流れる ので,軌道信号回路の防蓄電流とならぬよう,また転流回路の発生 損失を小にするよう67Hzに決定された。なお高調波分の軌道回路 への万一の防害を考慮し,134Hz共振分路を平滑リアクトルの中間 位置に接続L,数アンペアの高調波電流を吸収するとともに,架線 のリアクタンス分の影響をなくするようにしている。 インバータゲート制御回路については部品の経年度変化,故障な どによるインバータ周波数の変化についても通信線,軌道信号回路 への影響を考慮し,インバータの運転周波数を水晶発振器によって 安定化し,万一の故障に対しては出力周波数の漂動検出装置を開発 した。 サイリスタの転流回路方式としてほ,転流電流減衰用に転流抵抗 器を用い,帰還ダイオードを省いたものとした。この抵抗器ほ強制 通風方式で,オイルク】ラと直列通風構造となっている。 インバータ変止器にほ,主変圧器の二次巻線を転用してインバー タ変圧器の一次巻線として使用した。変圧器はゲートパルスの正負 のアンバラス,サイリスタの順電圧降下のアンバランスを含む回路

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(5)

772 昭和舶年8月

図10 負荷急変試験 のアンバランスによって,変圧器一次巻線に小二流竜流が流れ.変圧器 鉄心が直流偏磁をうけて励磁電流にピーク電流が発生L,転流失敗 を招くおそれがある.。このため直流電流を制限する抵抗器を主変圧 器に直列に接続し,直流偏磁を防止したこ. 逆流阻止ダイオードほ直流一交流セクシ。ンに.bいて,巾三流電圧 検出用継電器の動作を確実iこするために設什られたもハである。 4.4 試 験 結 果 本インバータの試験は装置と別装置の主賓「E器,【ノ7クト′し,接 触器などと組み合わせて行なわれ,きわめて良好な紙リミを得た。 インバークの性能試験では,起動,停止.出方盲E正調整,静特性 電圧急変および負荷急変など各種試験が行たわ九た二.図10ほ負荷 急変開放試験の一例である。 サイリスタの転流余裕時間については定格入力`i宣U三(1,500V)定 格負荷時において約80/∠5以上あり,素子のターンオフクイム50〝5 に比べて余裕のある値である。 サイリスタ4Sのそれぞれの電圧分担は,素子し・つターンオン特性 をそろえることにより良好な結果を得た。 電力中断試験は,工場試験と機関車とう載後の現車試験で行なわ れた。工場試験では,低電圧継電器が動作Lインバータを停止させ ない範囲の約0.4秒の入力電圧中断に対し,TE源回復時の電源電圧 は100%の急変となり,このときバラストコンデンサ端子電圧ほ定 格電圧の約185%程度になった。 図11に現車試験における入力ー出力電圧電流を示すものである。 電源電圧回復時に発生する過電圧は,現車r・二・は90kVA電動発電磯 ∼ r、\′\′\くノ、ノ\ノ\ヾ′∼.(-\く ′

(享(く〈((〈∼きき〈′ミ\∼\き〝

Vol.30 1,3?酌声 第51巻 第8号 ・寿「r土 E已+エロ 一一8. 岡11 電力中断試験 カ+架線に負荷されているため,120%程度の過電圧にニナゴちつき工場 試験の値よf)低い値となった。いずれにしろ素子耐圧上は余裕のあ る値となっているこ 一方ゲート制御装置単独についてもインノミ一夕の性能を左右する ものであるから.高温,低温度動rF試験をはじめとする各種性能試 験.および振動試験を行ない良好な納采を得ている またゲートパ′レスの正,負の時間のアンバランスも2∼3一〃5以下, 変更器の直流偏磁の値もじゅうぶん小で,実朋上さしつかえない値 一一′J- 「′ ;-■LT√)仁)二、

5.結

日 本稿にニナゴいて量産化した小容量インバータと大容量インバータの 2種額について特長や試験結果などを紹介した二. 現圧神妙遥源用サイリスタインバータは,回路的にも車両の特殊 性を備えており,車両に適合する標準形インバータとしてはぼ固ま ったものといえる.。ここに至るまでに現車とう載による長期試験な どについて多大のご指導を11賜わった口本国有鉄道,帝都高速度交通 営団,名古屋巾交通局の関係各位に深甚の謝意を表わすものである。 参 考 文 献 特許実川新案チ王1殿中 特許実用新案山顕中 前島ほか:日立評論 山崎ほか: 日立評論 48,1226(昭41-10) 5l,726(昭44-8) 日 立 造

No.2 目 l論 文 ・針路安定性の悪い船の操縦性の二川ン∈プ了法について ・ディ ーゼル機関潤滑油の化学洗浄プ7式の自動化 ・オーステナイト系ステソレス鋼のウニ′Lノド・ディケイ対 策 ・魚 腹 型 ゲ ー ト の 野三 ・尾道大橋の克行荷重によ る動的応7言について 次 ・高圧用メカニカルシールの研究(第2鞍: -密封把力によるLゆう動面の変形が 密封特性に及ぼす影響一 ・高圧用メカニカ/ンシールの研究(第3報〕 一しゅう動向の熱変形が密封特性に及ぼす影響-・す くd 歯 乎 歯 車 の 疲 jt 試 験(その3) 一給油と損傷について-・純流体OR-NOR素子の切換に関する二,三の考察 ‥‥・・本誌に関する照会は下記こ煩います= 日 立 船 株式 社 会 技 術 研 究 所 プこ阪市此花区桜島北之町60 郵便番号554

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