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放射線量の低減対策-現状と展望-

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Academic year: 2021

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特集 最近の原子力発電技術 ∪.D.C〔占21.039.58る:539.1占.047〕:る21・039・524・44・034・44・077

放射線量の低減対策一現状と展望-lmprovementin Radiation Exposure ReductionTechnologYatBWRPlants

-PresentStatusand Prospect-原子力発電プラントでは,稼動基数の増加に伴いその保守点検作業を円滑に 実施する上で,放射線量の低減がますます重要となってきている。日立製作所 では,放射線量を低下させるため低線量プラントの設計技術を確立し新規プラ ントヘの適用を図ってきている。 本稿では,東京電力株式会社福島第二原子力発電所2号機での運転経験をも とに開発したFe/Ni比制御,プレフィルミングなどの放射能低減技術の同社福島 第二原子力発電所4号機への適用状況と効果について紹介する。

緒 言 原子力発電所の運転保守作業の効率向上に,発電所での作 業従事者の受ける放射線量の低減は重要な課題の一つである。 また,これは通商産業省改良標準化でも取り上げられ,新設 70ラントに全面的に適用され成果を挙げつつある。 日立製作所では,改良標準化のベースプラントである東京 電力珠式会社福島第二原子力発電所2号機(以下,福島第二・ 2号機と称する。)の運転実績をもとに開発した放射線量の低 減対策を実施してきた。 従事者が受ける放射線量は,作業場所の線量率と従事時間 の積である。したがって,プラント放射能低減による作業環 境の線量率低減は,作業の効率向上にとって最も効果的な方 法である。東京電力株式会社福島第二原子力発電所4号機(以 下,福島第二・4号機と称する。)は,昭和62年8月の営業運 転に先立つ出力試験開始時から種々の線量率低減対策が実施 され,原子炉水放射能濃度が先行機に比較して低濃度に維持 されている。本稿では,これらの放射線量の低減対策の現状 について述べる。 凶

プラント放射能低減による線量率低減

原子炉内で発生した放射能は,原子炉水に含まれて原子炉 一次系を循環し,その機器・配管内表面に付着蓄積し,作業 場所の線量率を支配する。したがって,プラント放射能低減 による線量率低減には,(1)原子炉水中の放射能濃度低減と, (2)機器・配管への蓄積抑制の二つの方法がある。 2.1原子炉水中放射能濃度低減 福島第二・2号機の第1回定期検査では,第1サイクル運 転中の原子炉水中のコバルト58(58Co)の濃度が高く,プラン ト停止時の原子炉一次冷却系配管表面線量率のうち58Coの比 率は75%であった。この値は従来の他号機実績値より大きい 値であった1)。この現象について,福島第二・2号機などの運 大角克己* 鶴岡良造** 会沢元浩** 治部 裏* 肋/ゴアJ〝言才0∫Zイ7刀オ 月γ∂zβ 7‡上(γ〟0カ〟 〟0わカタれリ ノ1Jz〝∼イr♂ ∧わわr7`♪ム∼( 転実績をもとに研究し2)その結果,冷却水中のFeとNi比率のア ンバランスにより発生し,対策としてNiの2倍以上のFeが必 要なことを見いだした。すなわち,実験の結果,NiO及びCoO などの単体酸化物がFe2NiO。及びFe2CoO。のような複合酸化 物より一けた程度溶出しやすい。Ni及びCoの溶出を抑制する ためには,Ni及びCoがFeと安定酸化物を作れるようFe/Ni比 2以上が必要とされる。なお,冷却水中ではCo濃度はNi濃度 の1%程度であるためCo,NiはNiで代表される。 運転初期のFe/Ni比制御対策としては給水中のFe量を微増 することが有効であl),この方法として復水ろ過器に通水さ れる復水の一部をバイパスさせることが考案され,福島第二・ 2号機の第1サイクル末期に実施確認された。その結果,国= に示すように第2サイクルの後半に十分な給水Fe濃度が得ら れた。更に,第3サイクルでは,Fe/Ni比は良好で,原子炉水 中の放射能濃度は,60Co=20ドCi/ml,58Co=200ドCi/mlと低 レベルで安定しており,同サイクル後の第3回定期検査時に は,原子炉冷却材一次系配管の表面線量率が低下し,原子炉 冷却材再循環系配管表面線量率は図2に示すように,第1回

定期検査時に対し,第3固定期検査時でほぼナまで低下して

きている。 福島第二・2号機に続いて運転を開始したプラントでも, 復水フィルタバイパスによるFe/Ni比制御が実施された3)。図3 にそれらの給水中のFe濃度及び原子炉水放射能濃度の推移を 示す。これより,復水フィルタバイパス時期が早いほど原子 炉水放射能濃度の低下が速いが,まだ原子炉水放射能濃度に 初期ピークが見られる。これは,連関初期の給水中Ni濃度の 高い時期に給水中Fe濃度が十分でないためである。 また,復水フィルタをバイパスしてもその下流側に復水脱 塩器が設置されており,Fe濃度は脱塩器の除鉄性能に依有す るため,Fe濃度制御が難しい。福島第二・4号機に対し,こ *臼_仁製作所日立工場 **日立エンジニアリング株式会社

(2)

418 日立評論 VOL.70 No.4=988-4) 1.2 0 8 6 4 2 0 L O O O O (息n)世撃Z.心+名盤 (一∈\一〇三世粥00冨老生 (エ\正∈)件洲潜恒鵬伽鮎 0 0 0 6 5 4 0 0 0 3 2 1 第1サイクル 第2サイクル 復水フィルタ部分バイパス 第3サイクル N

、√

ヽ ヽ Fe 、--、 60co r 一 ̄ ̄ ̄58co ′ ′ 一一一 ̄■-ヽ __′′ \丁 ′′、、 ヽヽ ′′ ̄ ヽ、ヽ 、--、- ■一一一一--■-■■■一一-t--▼0 1 2 3 4 5 6 7 8 91011121314151617 gFP〃(×103h)

注:略語説明 gFP〃(巨ffectiveF山IPower Ho〕「:実効出力運転時間)

300 0 0 2 (モ正∈)掛咄磨慣僻伽鮎 54M[ O C 300 0 0 2 O C 第3回定期検査 第2固定期検大且 第1固定期検査 (a)原子炉冷却材再循環系 (b)原子炉冷却材争化系 ポンプ出口配管 ポンプ入口配管 図2 福島第二・2号機配管線量率変化 福島第二・2号機配管線 量率は,58coの寄与率の低下に伴い定期検査ごとに低くなってきている。 また,60coの寄与は第2回と第3回がほぼ同等で平衡に達している。 1819 20 2122 23 24 25 0 5 0 (呈n)世鞘嶺鴬恕 0 0 0 0 ∩ル 0 2 (一∈\一On)髄鞘山壮高車老生 0 0 ∩) 0 0 0 丘U 5 4 3 2 1-(盲\6三世粥諸宗責老生 (一∈\5n) 0 0 0 2 髄鞘00害老生 0 0 0 NiX2倍 (望ましい鉄濃度) 図l福島第二・2号機給水Fe 濃度と炉水放射能濃度変化 福島第二・2号機では,第2サイ クル末まで給水Fe濃度が不足Lた ため,復水フィルタのバイパスを 継続した。第3サイクルは,復水 フィルタをバイパスしないで安定・ Lた運転が可能となった。 ( AプラントFe

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+岩出 福島第二・2号機Fe ン 一フ フ 〔】〕

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′ 福島第二・2号機 し______ Aプラント

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l l l し一・一` ̄ 福島第二・2号機 、■●-一一一一一一一一-一一一一一一-一一一-一一一一一一 1 2 3 4 5 6 EFP〃(×103h) 10 注:▽は復水フィルタバイパス時期,小括弧内の数字はバイパス容量(%) 図3 給水Fe濃度と炉水放射能濃度変化 給水Fe濃度上昇時期は. 復水フィルタバイパス時期が早いほど,またバイパス容量が大きいほど速 い。しかし,3.000亡FP〃ごろに炉水放射濃度のピークを生じる∩

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放射線童の低減対策一現状と展望- 419 れまでの実績から必要な給水Fe濃度の予想曲線を作成し,更 に制御性の良い電解鉄注入装置を開発し,福島第二・2号機 で短期間注入試験を実施した。まず,起動試験期間中から復 水フィルタのバイパスを行い,給水Fe濃度増加を図った。し かし,復水フィルタ入口のFe濃度が4ppbと低いこと,及び復 水脱塩器の鉄除去性能が高いことから,給水Fe濃度が上昇し なかった。このため,電解鉄発生装置を剛、Fe注入を実施し た。Fe注入に使用した電解鉄発生装置は純水中でFe電極から Feイオンを発生させ,微量なFeを復水中に注入可能としたも のである。Fe注入の結果,給水Fe濃度は1ppb程度に増加し, 所期の目標に近いFe/Ni比制御ができた。また,原子炉水放射 能濃度は,図4のAフロラント例など先行機に見られた濃度ピー クを経験することなく運転を継続している。 2.2 機器・配管への放射能蓄積量抑制 原子炉一次冷却系の機器・配管などを構成するステンレス 鋼などの内面は,酸化皮膜で覆われている。この皮膜は,プ ラント運開とと_もに形成を始め,成長とともに接触する原子 炉水中の放射能を取り込む。放射能の取込み方は初期に大き く,接触する水の条件によって異なる。したがって,原子炉 水中の放射能が全くないか,あるいはその濃度が低い時点に 5 0 ■h〕 1 1 0 (呈n)髄鞘①山名蟹 (ミ豆)髄鞘(工n)00票 600 200 800 400 nU O O O O O 6 「〇 4 3 2 1 (ミ豆)世礫(工n)00霊 _一一/ ′′ ̄ヽ / l J l J l J l J l 1.5 ハU 5 0 (Nし巨二ON■OrX)州撫空000り / / ′ ̄

__笠竺一一一 ̄ ̄● ̄ ̄

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′′冒呂喜慧認,。H=8.5)

酸素濃度制御処理材 (DO=400ppb,PH=7)

仁主:

一一一一一一一一 ●一一 ▲・-■ 500 1,000 試験時間(h) 1,500 注:略語説明 DO(溶存酸素濃度) 図5 実験室におけるプレフィルミング効果確認結果 処理水の pHあるいはDO(溶存酸素濃度)を制御して,プレフィルミングを行うこ とによって60coの付着を抑制できる。またその効果は,両者ともほぼ同 等であった。 一一-Aプラント ー福島第二・4号機 一一一必要Fe濃度 \ ヽ 、---、---_____ 「■■--一---■■-■ 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 /「 ′J ●一●

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1

-◆-Aプラント ー◇一福島第二・4号機

∼ゼ

2,000 4,000 6,000 臥000 10,000 -◆-A70ラント ー◇一編島第ニ・4号機  ̄0 2,000 4.000 6.000 8,000 10、000 上'fTP〃 図4 福島第二・4号機炉水放射能濃度の先行プラント比載 福島第二・4号枚 では,Fe注入により運転初期から必要量の給水Fe濃度を維持できたため,先行プラントに 見られた放射能ピークを持たず運転を継続している。

(4)

420 日立評論 〉OL.70 No.4(柑88-4) 適当な保護皮膜を形成させる表面処理(以下,プレフィルミン グと言う。)を行うことによって機器・配管などへの放射能蓄 積速度を抑制することができる。 日立製作所では,福島第二・4号機の運転までに,図5の プレフィルミングテストピースへのCo付着試験結果に見られ るように,酸素濃度制御,pH制御など各種のプレフィルミン グ法を開発し,適用可能としている4)。福島第二・4号機の場 合は,表1の所要時間,効果,経済性などの比較による絵合 評価を行い,原子炉水のpHを弱アルカリ(pH=8-8.5)に制 御する方法を実施することになった。図¢に実施時の原子炉 水水質経緯を示す。プレフィルミング時の原子炉水のpH管理 は,原子炉冷却材浄化系の炉過脱塩器2塔のうち1塔にNa型 のカチオン粉末樹脂を,もう1塔にH型のカチオン粉末樹脂を アニオン粉末樹脂とともにプリコートすることにより行った。 表lプレフィルミング運転方法の選定 p=制御プレフィルミング運転は,核加熱試験と同時に実施でき,エ程延長を必要としないことが特徴 である。 No. 運 転 方 法 線量率低減 効果 エ程への 影 響 評 価 福島第二・2号磯実績,PH=7 (ゼロ出力時間:450h) (ベース) (1) ゼロ出力時開廷長,PH=7 -5% 福島第二・4号機 計画内 工程への影響なし (ゼロ出力時間:700h)

佃果が小さい。1

(2) PH制御運転,PH=8”8.5 一柑∼20% 福島第二・ 4号横 計画内 工程への影響なし (pH調整時間:240∼400h) 効果大 採用 (3) 酸素制御運転 (ゼロ出力前:300h)pH=7 -18-20% エ程変更要

l工程への影響あり

効果大 (ゼロ出力時間:400h) PJRポンプ加熱要す。 注:略語説明 PLRポンプ(原子炉再循環ポンプ) プレフィルミング工程 さelOO 0 0 【h) 只召や隻 (「) 0 0 0 0 0 0 0 5 0 5 (訳)尺玉々生 (訳) 只ヨや旦 (N) (叩) 燃料装荷 一■---→・ ゼロ出力試験 25%出力試験 一●■ (1)ゼロ出力時間延長 起動試験工程 燃料装荷 ゼロ出力試験 (2)pH制御運転 25%出力試験 起動試験工程 燃料装荷 一■---→ (3)酸素制御運転 ゼロ出力試験 25%出力試験 起動試験工程 昭和61年

1七l9l.。ト1l,2l,3l,4l15l椅l、7ト8卜。l2。l21

l22l2。l24l25l26l27l28l2。l。。l-㌢l2l。l4l5l6l7l8l。l,。l‖l12

7 原子炉圧力 4 (MPa(kgf/cm2)) 1 0 ゼロ出力試験 J 計画停止 8.5

(。し設。,臥0

pH7・5 (at25℃)7.0 6,5 (目標)  ̄■■ ̄ ̄■■ ̄■ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄---一一・・---一一--・---1一一-一一--l・一一--・---・・---▲■--一一--■-■ l ̄ (pH=8∼8.5調整時間:約400h) ---l 炉水1・0 (CUW入口)0.8 導電率0.6 (×仙S仙-S/om‖0.4 0.2 80 C〕W入口・出口 Na鵬60 (ppbasNa)40 20 CUW出口Na

l_

_ CUW入口Na

(諾㌘as笥100

CUWl(A)

F/Dl(B)

Na/日カチオ、 ヒ H型カチオン樹脂Ill■ l ■ 注:略語説明 C〕W(原子炉冷却材浄化系),F/D=戸過脱塩塔) 図6 プレフィルミング運転実績及び水質挙動 Naを負荷LたCUWF/D-(A)系の通水によって,炉水中のNa濃度の上昇を 図った。炉水pHを目標の8∼8.5の間に維持できた期間は約400時間であった。

(5)

放射線量の低減対策一現状と展望- 421 pH制御処理皮膜 (福島第二・4号機で処 理) ト叫仙+ 3llm 中性水処理皮膜 (福島第二・4号機の ●処王里時間,●溶存酸 素濃度条件に合わせて 実験室で処王里) トーーーーーーー+ 3ltm 図了 PH制御プレフィルミング皮膜特性 福島第二・4号枚で処 理した皮膜の結晶粒径は,中性水中で同一条件下で形成した皮膜の結晶 粒径よりも小さく,ち密になっている。 pHを上昇させる場合はNa型の樹脂からNaを微小溶出させ, pHが上限になった際にH型の樹脂塔を運転することによって Naを除去し,pHの調整を行った。この処理による保護皮膜と 中性条件で処理した皮膜を比較して図7に示す。弱アルカ リ処理により均一で微細な結晶粒ができていることが分 かる。 プレフィルミングをしたステンレス鋼とプレフィルミング していないステンレス鋼のテストピースを,100%出力試験暗 まで原子炉水中に浸せきし取り出して測定評価した結果,プ レフィルミングを行ったテストピースの放射能蓄積量のほう が少ないことが確認された。 2.3 福島第二・4号機の運転状況 4号機は第1サイクルの半分以上を経過したが,Fe濃度を 予定曲線どおり制御でき,炉水放射能濃度のピークをなくす ことができ,原子炉浄化系配管線量率も図8に示すように先 行機よりも低いレベルで維持されている。

線量管理の改善対策

従事者が受ける放射線量は,作業場所の線量率と従事者の その場所に滞在する時間の積である。このため,図9に示す 6 4 2 0 8 丘U 4 2 一1 1 1 1 0 0 0 0 (N∈0\6ユ)叫撫モ。00¢ 5 2 (N∈0\六てこ州梱モ00票

_._._/、

-◆-Aプラント

ー・一望諾二●

2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12・000 EFP〃 -◆・Aプラント

小雪警ニー

/一くご、-・\・-・-・

2,000 4,000 6,000 8,000 10・000 12▼000 且FP〟 図8 福島第二・4号機の原子炉浄化系配管付着放射能 福島第 二・4号機では原子炉浄化系配管付着放射能の定期測定を実施しており, 付着量の経時変化は先行機よりも少ない量で推移している。 ように従事者の受ける放射線量を低減させるためには,線量 率を下げるか,従事時間を短くすればよい。作業場所での線 量率を支配する放射線源が機器・配管である場合には,従事 者との間に「遮へい+をしたり,配置変更や点検工具によl)「距 離+をとったりする。作業によっては,遠隔自動の点検器具に より「作業従事時間+を短くすることのほか,線源となる放射 能そのものを低減することも重要である。従事者の放射線を 受ける要因から考えると,放射能低減が基本であり最も効果 的な低減対策と言える。したがって,BWR(沸騰水型原子 炉)ではまず「放射能低減を主体とする作業環境の線量率低 減+を第一に考え,それ以外に,局所的に線源が大きいとこ ろでは「作業性の改善を主体とする作業の合理化+や「作業の 遠隔自動化+などで従事者の受ける放射線量を効果的に抑え ている。 近年,原子力発電所の定期検査を実施する前に必ず従事者 の受ける放射線量の予想を立てているが,一般的に実績値は 予想値を下回る傾向で,この要因の一つとして教育や作業管 理を含む合理的な時間管理や遮へいなどによる線量管理及び 適切な時期のチェックの効果が挙げられている。具体的には, (1)高線量率配管に設置する鉛毛マットなどの遮へい方法の 改善 (2)線量率の時間減衰を考慮した定期検査工程の調整 (3)作業手順の見直し (4)経験者による作業 (5)モックアップトレーニングの強化

(6)

422 日立評論 VOL.70 No.4(198814) 線量率低減 作業環境の線量率低減 ′- ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄- ̄ヽ / J 1 1 1 \ \ 設備設置によ る線量率低減 \______

′フ

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ラッド発生抑制 燃料破損防止 放射能低減 \ \ \\ ll l クラッド蓄積抑制//// \________ノ / ノ ・■・■-一 一 - - ■・■ ■ ■ ■-/ 教 育 間理 時管 図9 作業管理 遠隔化 作業性の改善 作業量の低減 放射線量の低減 l l作業の合理化 / 作業の遠隔自動化 作業時問短柏 放射線量の低減要因 線量低減要臥ま,作業環境の線量率低 滅,作業の合理化及び作業の遠隔自動化運用に大別されるが,その 中でも線量率低減の効果が大きい。 (6)除染方法の改善 (7)きめの細かい作業時間の管理 があり,漸次適用している。特に最近では,放射線量管理の 一環として従事者が受ける放射線量の低減効果が注目されて おり,福島第二・2号機第3回定期検査では意識高揚のキャ ンペーンを行った。 その結果,福島第二・2号機第3回一般定期検査工事で発 電所従事者が受けた放射線量は,図川に示すように0.47人Sv (47人rem)と第2固定期検査0.71人Sv(71人rem)に比べ0.24 人Sv(24人rem)の低減ができた。低減要因の一つとしてこれ らの改善が寄与しているものと考えている。

8

言 福島第二・2号機の運転実績をもとに開発した線量率低減 対策を,福島第二・4号機に適用した。この結果,福島第二・ 4号機の原子炉水放射能濃度は先行機に比較し低いレベルに 維持されている。 福島第二・4号機で採用した技術項目は,それ以降のプラ ントにも適用が計画されており,運転実績による改良で更に 効果的な運転が可能となるよう計画している。 (モ篭)柵州蟹僧服糾鮎防禦肛↑ (∈①+・Y)洲歴柵H榊蟹諒僻輩-I 0 0 0 5 70 60 0 5 0 0 0 4 3 2

●-

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原子炉容器 原子炉一次系 ボン70

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第1回定期検査 第2固定期検査 第3固定期検査 注:略語説明ISl(供用期間中検査) 図川 福島第二・2号機定期検査時の従事者の受けた放射線量の 推移 第3固定期検査では,従来の線量低減対策に加え,従事者の意 識高揚など運用面の改善を行うことによって,線量低減効果が得られた。 最後に,プラントの設計及び運転管理に当たり,御指導を いただいた東京電力株式会社の関係各位に対し,厚くお礼を 申し上げる。 参考文献 1)大角,外:低線量プラント設計技術とその実績,日立評論,68, 4,319∼324(昭61-4) 2)K・Ohsumi,et al∴OperatingExperiencewithWater

Chemistryin the No.2Unit of Fukushima-DainiNu・

Clear Power Plant,WaterChemistry4,10,BNES(1986)

3)S.Uchida,et al∴BWR Plants with Low Radiati。n

Level,J・Nucl.Sci.Eng.Technolリ 24,593(1987)

4)T・Honda,etal∴SuppressionofRadiationBuildupon

参照

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