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IEA: 再生可能エネルギー発電のシェアは 2021 年に 28% へ成長再生可能エネルギー電力は エネルギー源として今後も最も大きく成長を続け 総電力に占める割合は 2015 年の 23% から 2021 年には 28% に拡大するという中期予測が 国際エネルギー機関 (IEA) から 10 月

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Academic year: 2021

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○パリ協定、排出量55%を占める 55 ヶ国以上の批准によって発効 EU がパリ気候協定を批准したことによって、10 月 5 日の時点で参加国は世界の温室効果ガス排出量 の56.75%を占める 72 ヶ国となった。総排出量 55%を占める 55 ヶ国以上という成立要件を満たしたこ とで、30 日後の 2016 年 11 月 4 日にパリ協定は正式に発効することとなる。9 月半ばに 2 大排出国で ある米国と中国が批准したのに続いて EU が参加し、イギリスは未だ批准していないが、メイ首相は 2016 年末までに参加したい意思を表明している。パリ協定の発効により、各国の遵守への強制力はな いものの、何兆ドルものクリーンエネルギー技術市場の開発が促進されると期待される。 ○カナダ、2018 年までに炭素価格制度を全州で導入 カナダのトルドー首相は、炭素価格制度を 2018 年までに導入するよう全ての州政府に義務付けるこ とを 10 月 3 日に発表した。その手法は各州の判断に委ねられ、連邦“最低価格”を満たす限り、排出 権を取引するキャップ&トレード制度でも、炭素排出量に対して炭素税を課す方法でも良いが、遵守し ない州には連邦政府が介入して炭素税を課すことになる。最低価格は、2018 年に二酸化炭素 1 トン当 たり$10 から始まり、毎年$10 ずつ上がって 2022 年には$50 になる予定である。今回のイニシアティ ブは、カナダの温暖化ガス排出量を 2005 年レベルから 2030 年までに 30%削減することを目指す国家 目標を達成するための取組みである。トルドー首相の方針に対して、サスカチュワン、ノバスコシア、 ニューファンドランド、ラブラドールの各州は会場で不満を表明して退席した。一方、オンタリオ、ケ ベック、ブリティッシュ・コロンビア、アルバータの各州は既に炭素価格制度を導入している。 ○IPCC、地球温暖化を 1,5℃以内に抑える方法を策定 国連(UN)の『気候変動に関する政府間パネル(IPCC)』は、地球温暖化を産業革命以前と比べて 1.5℃以内に抑えるための方策を、2018 年のタイのバンコク会議までに調査してまとめる方針を 10 月 20 日に発表した。この報告書では、温度上昇が 1.5℃以内に抑えられた場合とそれを超えた場合とで、 地球全体および地域的な影響について詳細に調査する予定である。アフリカやアジアの島国や海岸沿い の国々からの要請により、約200 ヶ国が参加する新しいパリ協定のもとで、温度上昇を “2℃より相当 少ない(well below 2℃)”レベルに制限する目標が掲げられ、特に 1.5℃以内へ抑えるよう努力する ことと決まった。現在、世界の平均気温は産業革命前の1850 年代に比べて約 1℃高くなっている。 ○連邦裁判所、温暖化予測に基づいて絶滅危惧種を指定することを初めて許容 近い将来に特定の種の生息地が失われるという気候モデルに基づいて“絶滅危惧種”を指定すること を初めて認める判断を、サンフランシスコ連邦巡回控訴裁判所は10 月 24 日に下した。今世紀内に北極 の氷が溶けて安全な生息地が消失するという気候モデルに基づいてアゴヒゲアザラシを絶滅危惧種に指 定した EPA に対して、アラスカ州政府、石油企業、地元の住民達は、種の生息数は健全なレベルに維 持されており、気候モデルも単なる憶測に過ぎないと訴訟を起こしていた。裁判所は、絶滅危惧種法 (Endangered Species Act)に基づいて、種の保護は入手可能な最良のデータを考慮すべきで、完璧で ある必要はないと結論付けた。絶滅危惧種の指定は、海底石油の採掘活動に影響を与える可能性がある。

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○IEA:再生可能エネルギー発電のシェアは 2021 年に 28%へ成長 再生可能エネルギー電力は、エネルギー源として今後も最も大きく成長を続け、総電力に占める割合 は2015 年の 23%から 2021 年には 28%に拡大するという中期予測が、国際エネルギー機関(IEA)か ら10 月 25 日に発表された。その主な要因は、米国、中国、インド、メキシコの強固な再生可能エネル ギー奨励策のほか、太陽光発電コストが 25%減、陸上風力発電コストが 15%減少すると予想されるこ とである。2015 年に新設された再生可能エネルギー発電量は、新設発電量全体の半分以上を占めて、 前年比で 15%増の 153GW となり、風力発電は 66GW、太陽光発電は 49GW となった。再生可能エネ ルギーは、2015 年に石炭を抜いて最大のエネルギー源となっている。 ○画期的な炭素回収テクノロジー、コストを従来の半分以下に 石炭火力発電所から排出される炭素を回収する画期的な技術が、従来の半分以下のコストで実現可能 となったことが、カーボン・クリーン・ソリューションズ(Carbon Clean Solutions Limited)社から 10 月 11 日に発表された。炭素回収貯留(CCS)システムの研究開発はこれまでも試験的に導入されて きたが、コストが高過ぎて商業的には実現が難しかった。同社は、新しい溶媒を開発して炭素回収コス トを 66%削減することに成功し、新技術を採用したインドの 10MW 石炭発電所では、コストを従来の 炭素1 トン当り$60~90 から$30 へ削減しつつ炭素の 97%を回収したという。これが実現されれば、他 の再生可能エネルギー電力よりも安価となり、廃止が相次ぐ大規模な石炭発電所の存続への道が開ける。 ○米国海軍、再生可能エネルギー電力から1GW を調達する目標を早くも達成 連邦政府は、アリゾナ州に 210MW のメスキートⅢ(MesquiteⅢ)太陽光発電所が開設されたこと を祝う記念式典を10 月 14 日に行った。同発電所は、連邦政府にとって史上最大のクリーンエネルギー 投資プロジェクトであった。同発電所から、カリフォルニア州の 14 ヶ所の海軍と海兵隊の基地に太陽 光電力が供給される予定であり、14 基地の使用総電力の 1/3 を調達し、今後 25 年間で 9,000 万ドル 以上を節約できると推定される。オバマ大統領は2012 年に、気候行動計画(Climate Action Plan)の 一環として、2025 年までに陸・海・空軍に再生可能エネルギー電力を 3GW を配備するという目標を掲 げており、海軍は10 年早く再生可能エネルギー電力 1GW を達成したことになる。 ○2015 年モデル車、排出量基準を 4 年連続で達成して史上最高の燃費 2015 年モデル自動車の排出量は、EPA の定めた年次排出量基準を 4 年連続で超えるとともに、燃料 効率(1 ガロン当り走行距離)も過去最高値を更新したことが環境保護庁(EPA)から 11 月 2 日に発 表された。2015 年の排出量基準は、前年比で 1 マイル当り 13g 削減されて大幅に強化されたにも拘ら ず、2015 年モデル車のメーカー平均排出量は、その基準を 1 マイル当り 7 グラム下回った。排出量基 準は、2011 年の導入以来累計で 1 マイル当り 25g強化されている。また、乗用車、SUV、バン、ミニ バン、軽量ピックアップトラックの全車種を通して軽量化が進み、トラックでは平均 110 ポンド (50kg)、全車種では平均 25 ポンド(11kg)減少したことから、燃料効率は平均して前年比 0.5mpg

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○連邦政府、35 州の幹線道路 4 万 km 以上に EV 充電ネットワークを設立 連邦政府は、35 州にまたがる 2 万 5 千マイル(4 万 km)を超える幹線道路に 48 の電気自動車 (EV)充電ネットワークを設立する計画を 11 月 3 日に発表した。GM、BMW、日産などの自動車メ ーカー、各州政府、EV 充電企業、電力会社などの協力の下で、新たに建設される充電施設と既存のも のを含めて、幹線道路の 50 マイル(80km)毎に充電施設が用意される予定である。24 の州や地方自 治体は、EV 数百台を公用車として追加購入し、新しい充電施設を建設することで合意している。オバ マ政権は、2015 年までに EV 販売台数 100 万台という目標を 2008 年に掲げたが、現在までの累計 EV 販売台数は約半分の 52 万台であり、EV の普及を阻む要因として充電施設の不足が挙げられる。2008 年に500 ヶ所だった充電施設は、現在は 16,000 ヶ所にまで増えた。 ○国際海事機関、硫黄分濃度の削減に合意するものの気候変動対策には触れず 国際海事機関(IMO)は、商業用船舶の燃料に含まれる硫黄分濃度の上限を現在の 3.5%から 2020 年までに 0.5%へと強化することで、170 ヶ国が合意したことを 10 月 24 日に発表した。これは長年に わたって議論されてきた問題であり、環境団体らは今回の決断を歴史的な成果として歓迎している。今 後の関心は海運業界が気候変動対策に取り組むかどうかに移っていくが、今回の硫黄分濃度に関しても ロシア、タイ、イラン、チリ、ペルー、インドなどは時期尚早として反対しており、主要国の思惑の違 いや無関心などから進展は遅いと予想される。2018 年までに最初の排出量削減計画が提出され、排出 量データが収集された後に、2023 年に最終的な戦略が決定されると期待される。 ○国際民間航空機関、市場ベースの排出量戦略を支持 国際民間航空機関(ICAO)は、世界の国際航空便の炭素排出量の上限を 2020 年レベルに留め置く ことを目指し、上限量を超えた炭素量に関しては、各航空会社がそれを相殺する市場ベースの炭素クレ ジットを購入しなければならないとする炭素排出量戦略を 10 月 6 日に採択した。この市場ベース戦略 は、2021~ 2026 年には各国の自発意思に参加が委ねられるが、2027 年以降は一部の発展途上国を除い て全ての国に参加が義務付けられる。2021~2023 年の第 1 段階に参加を表明しているのは現在 65 ヶ国 である。2021 年から最初の 15 年間で 25 億トンの二酸化炭素排出量を削減できると推定している。 ○ハワイ、藻類バイオ燃料生産の中心地に ハワイのカウアイ島は風光明媚で人気のリゾート地であるが、近年は国内最大規模の藻類バイオ燃料 の生産地としても成長しつつあることが10 月 24 日に紹介された。グローバル・アルゲイ・イノベーシ ョンズ(Global Algae Innovations)社のカウアイ藻類農場は、藻類バイオ燃料のコスト削減に取り組 んでいる。同社は、2013 年からエネルギー省バイオエネルギー局の助成金 1,100 万ドルを受けて、生 産コストを1 ガロン 2 ドルにまで下げることを目指して画期的技術の開発を進めている。藻類は、油分 が高いうえに他の作物が育たない土地でも栽培できるため、バイオ燃料の原料として魅力的である。

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○ウォルマート社、IBM、清華大学と協力して中国の食品流通網のデジタル化

ウ ォ ル マ ー ト (Walmart)社は 、中国の北京に新しい食品安全共 同センター (Food Safety Collaboration Center)を 10 月 19 日に開設した。同社は、IBM、清華大学の協力の下で、食品が出 荷 ・輸 送 ・ 販 売 さ れる ま での 供 給 網 を デジ タ ルで 記 録 し 、 追 跡調 査 でき る 『ブ ロ ック チ ェ ー ン (Blockchain)』を開発していく予定である。中国の食品が国内だけでなく海外に輸出されて汚染が発 覚したときに、その流通経路を追跡調査するのは安全を確保する上で必要不可欠である。ブロックチェ ーンを通して、生産農場の細かい情報から、バッチ番号、工場や加工データ、保存温度や出荷情報まで デジタルで記録され、従来の紙の記録や手作業の検査システムの不透明性や非効率性を解消する。 ○ハイドロフルオロカーボン廃止には米国企業の思惑が大きく影響 国連に参加する世界197 ヶ国が、エアコンや冷蔵庫に広く利用されているハイドロフルオロカーボン (HFC)を段階的に廃止することで 10 月 15 日に合意し、米国や日本など先進国は 2018 年までに、他 の大半の国々は 2024 年までに HFC の生産と消費を中止することが義務付けられた。この歴史的な動 きの陰には、ハネウェル(Honeywell)やデュポン(DuPont)といった化学企業の思惑と大きな後押 しがあった。ハネウェル社は、2000 年代前半から HFC の代替物の開発を始めており、HFO-1234yf と 呼ばれる代替物をルイジアナ州とインドで 2017 年前半から生産開始する予定である。またニュージャ ージー州を拠点とするモリス・プレインズ(Morris Plains)社は、発泡断熱材、エアロゾール、商用 冷蔵庫向けに既にHFO-1234yf を生産しており、インドや日本、中国の化学メーカーとも提携している。 ○レイノルズ社、リサイクルが難しいプラスティックをセメント工場のキルン窯燃料に アルミホイル製品やゴミ袋『Hefty』を製造するレイノルズ(Reynolds)社は、ダウ・ケミカル社、 リサイクルバンク社の協力の下で、従来はリサイクルできずに埋立て廃棄されていたプラスティックを エネルギー源として回収して利用する取り組みを 9 月 21 日に開始した。ネブラスカ州オマハで行われ る『Hefty エネルギーバッグ』プログラムは、プラスティック製のオレンジ色のエネルギーバッグを家 庭に配布し、これまでリサイクル回収の対象外だったお菓子やチップス類の袋や飲料パウチを詰めても らい、一般のリサイクルとともに回収してセメント工場のキルン窯の燃料として利用する。セメント工 場のキルン窯は、これまでもタイヤ、廃油、屋根シングル板といったリサイクルが難しく高熱量を持つ 廃材の再利用先として重宝されていた。36 トンのプラスティックを回収できると見込んでいる。 ○アリゾナ州、山火事予防のための廃木を石炭火力発電に混合 アリゾナ州の『ソルトリバー(Salt River)プロジェクト』は、山林の廃木を石炭火力発電に混合し て、コロナド(Coronado)発電所の燃料として利用できるかどうか評価するものである。河岸の山火 事を防止するための山林再生活動から生まれる副産物を、再生可能なエネルギー源として利用すること を目指す。3 週間の試験燃焼の間に 3,900 トン以上の廃木を利用する予定で、まず 10 月 26 日に最初の 試験燃焼が行われ、石炭燃焼システムの中に廃木を混合できるかどうか評価する。これに成功した場合、

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○テラサイクル社、フランスの多国籍企業スエズ社とともにヨーロッパのリサイクル事業に進出 ニュージャージー州を拠点とするテラサイクル(TerraCycle)社は、フランスの多国籍企業スエズ (SUEZ)社とともに、ヨーロッパでの廃棄物回収とリサイクル事業に進出する計画であることが 10 月 6 日に発表された。テラサイクル社は、使い捨て製品、フレキシブル容器、オフィス用品、美容製品、 コーヒーカプセルといったリサイクルが難しい100 種以上の廃棄物に特化した回収システムとリサイク ルを開発している。ベルギー、フィンランド、フランス、オランダ、イギリス、スウェーデン などで、消費者製品メーカーや市町村と協力して、既存のゴミ回収制度ではリサイクルできなかった使 用済み製品の回収リサイクルプログラムを提供していく予定である。 ○カリフォルニア州で大手企業ら20 団体が共同で水保全の取り組み カリフォルニア州の水不足は今年で 6 年目に入ったが、アンハイザー・ブッシュ( Anheuser-Busch)、コカ・コーラ、ミラークアーズ(MillerCoors)といった水を大量に利用する大手企業ら 20

団体が、水保全の推進を共同目標とする『カリフォルニア水活動共同体(California Water Action

Collaborative)』を 10 月 14 日に結成した。具体的な活動としては、サン・ホアキン渓谷の地下水網 を活性化するために、洪水による余分な水を休閑農地などに流して自然の濾過によって帯水層を満たす ことや、サンガブリエルやビッグ・タハンガ(Big Tujunga)湿地帯に繁茂するダンチクを除草して年 間1 億ガロンもの水を回復することなどが挙げられている。 ○フォード社、製造活動への飲料レベル水の利用を段階的に廃止 フォード社は、飲料レベルの水を製造活動に使用することを長期的に廃止する目標を10 月 20 日に発 表した。同社は、短期目標として、車 1 台当たりの製造に使用する水の量を 2020 年までに 2000 年比 で72%削減することを掲げている。フォード社は、3 ウェットペイント工程、最少量潤滑油といった新 しいテクノロジーを導入することで、2000 年から 2015 年にかけて既に水使用量を 61%削減し、100 億 ガロンの水を節約している。今後もリアルタイム水測定システムの導入を続けて積極的に水使用量を管 理し、2015 年から 2020 年の間にさらに 30%の節水を実現する計画である。

参照

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出典:総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会