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医療被ばく解説_0_全体

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医療被ばく関連の解説

はじめに

•  国連科学委員会2008年報告書に書かれてい

るとおり、日本は医療被ばくが他国に比べて

非常に大きい。 しかしながら、高度な医療を

経済的負担が比較的少なく、受けたいときに

受けることができるというプラスの面も大きい

といえる。また、放射線診療無くして医療は成

り立たないと言えるほど、重要な位置を占め

ている。線量と得られる便益のバランスが重

要である。

(2)

1.  医療被ばくについて

1.1.  医療被ばくの原則

医療被ばくの原則:放射線検査は、個々の患者に対して『正当化』及び『最適化』 がなされていなければならない。     • 『正当化』・・・放射線検査では、被ばくすることによるリスクより、検査をして疾患 を発見するというベネフィットの方が大きい。検査を指示する医師と放射線専門 医の責任のもと、必要であると判断された場合にのみ検査を行う。 • 『最適化』・・・被ばく線量の低減と画像情報の維持・向上を図らなければならな い。患者ごとの医療目的に見合った画質レベルを得るための患者線量の管理で ある。 以上を踏まえたうえで診断を行っていく。 『正当化』⇒『最適化』⇒『診断』のフロー図は一般的なものであり、更に実際の 現場医療スタッフ同士の相互検討が必要である。患者の放射線被ばくは、医療 行為として必要であることが前提である。 患者に線量投与を行う放射線検査機 器の操業者(診療放射線技師)はその豊富な知識と技術にもとづき、放射線防 護のプロセスの最適化を行う。

(3)

(補足) ICRP勧告においても“医療被ばく正当化の3レベル”が記されている。 第1レベル:医学における放射線利用 放射線診療の行為自体の有用性の評価が認められるものであって、医師が患 者にその放射線診療が必要と判断した場合に、一般的にその放射線診療を行 う(一般的な正当化)。 第2レベル:定義された放射線医学的手法の正当化 新たな放射線診療の手法を患者に適用する際に、国、学会あるいは職業団体 がその放射線診療が適切であるかどうか判断する。 第3レベル:個々の患者への手法の正当化 放射線診療を実施することが適切かどうか放射線科医師および臨床医が患者 個々に判断する。 •  被ばく線量の低減    +    画像情報の維持・向上 •  患者個人個人の医療目的に見合った画質レベルを 得るための患者線量の管理 •  リスク    <    ベネフィット •  検査を指示する医師の責任のもと、必要であると 判断。(正当化) •  検査 •  治療 正当化 最適化 診断

1.2.ガイドライン

•   放射線診療を行うため、初めに医学的見地より医療被ばくの

正当化がなされる。具体的には、生物学的研究と疫学的研究

をリスクとベネフィットの観点に照らし合わせる。 この礎となる

のが、日々行われている放射線防護および放射線影響に関す

る調査研究である。 調査研究では、放射線をめぐる環境の変

化、医療技術の進歩による放射線診断機器の発展、疫学的な

データの集積などが行われる。 調査研究の結果は、国際的な

委員会である

UNSCEARやICRPにより、報告書または勧告書とし

て取りまとめ提示される。また、

IAEAが安全基準の策定等を行

う。

 ICRP(国際放射線防護委員会)が勧告する国際的な基準は、

日本の放射線防護関連法令にも取り入れられている。

(4)

 国際機関による勧告は、適用集団が欧米人またはアジア人など大枠なくくりとなってい るため、さらに各国々による実状を踏まえた基準値(ガイドライン)が作成されている。  日本国内においても各種放射線診療検査、手技に対するガイドランが作成されている (医療被ばくガイドライン2006:日本放射線技師会[JART])。 IAEAガイダンスレベルは、 主に欧米人の成人に対する調査研究結果を元に提案されている。日本放射線技師会に よる医療被ばくガイドライン2006では、日本国内の一般成人のみならず小児も含めて、 各検査項目についての低減目標値を掲示している。 図のように、国内のガイドラインは 国内の各種法律による規制と、前述の国際機関による規制を加味して定められている。 •  報告書・勧告書の提示 •  放射線影響に関する最新の研究成果 ü  生物学的研究と疫学的研究をリスクとベネフィットの 観点に照らし合わせる •  現状に則した放射線被ばく防護方法 ü  放射線をめぐる環境の変化、医療技術の進歩による放 射線診断機器の発展、疫学的なデータの集積

研究

国連科学委員会 UNSCEAR 国際放射線防護委員会 ICRP 国際原子力機関 IAEA •  安全基準 ü 欧米を中心とした防護、管理基準 (補足) ガイドライン値の提示は、医療被ばくの原則を尊重したインフォームドコンセントを実践 するための具体的な手段の一つとなる。 ガイドライン値は、各種放射線検査における平均的な線量の最適化の判断基準であり、 個々の患者被ばく線量を直接的に指し示すものではない。 放射線診断検査における医療被ばくは、患者に放射線量を与えるためではなく、診断 情報を提供するために行われる意図的な被ばくである。 医療被ばくガイドラインは、医療診断画像を得る目的に対して、その検査・手技による 患者の放射線被ばく線量に適応される。放射線治療には適用されない。 放射線防護の観点から、被ばく線量の最適化を達成するための参考目標値。放射線 影響に関する指標値ではない。 医療被ばくの最適化の目標値として、IAEAガイダンスレベル、各国におけるガイドライ ン値などがある。

国内規制

•  原子力基本法 •  放射性同位元素などによる 放射線障害防止法 •  電離放射線障害防止規則 •  診療放射線技師法 •  医療法

国際規制

•  UNSCER •  ICRP •  IAEA

国内ガイドライン

•  医療被ばくガイドライン2006

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1.3.  モダリティ別の医療被ばく

1.3-1.X線撮影

(X線撮影原理)  X線が人体に照射されると、X線は透過の悪い部分(厚い部分や骨)でたく さん吸収され、検出器にはX線が届かない(画像では白)。 逆にX線の透過 の良い場所(薄い部分や肺・空気)では、X線は吸収されずにその多くが検出 器に到達する(画像では黒)。 以上の原理を利用して、X線を患者の観察し たい部分のみに照射し、関心領域の解剖学的情報を得る検査方法である。 X線 検 出 器 X線撮影 胸部X線写真 (被ばく線量)  X線単純撮影の医療被ばくガイドライン値は、患者の放射線被ばく「防護の 最適化」のための目標線量として入射表面線量を用いて表している。 各種 放射線検査による患者の放射線影響によるリスクを評価するためには、組 織・臓器線量が必要である。 (補足)  放射線検査において、患者被ばく線量と診療画像の画質はトレードオフの 関係にある。  被ばくの低減と同時に、診断に必要な一定レベルの画質を備えた画像の 取得がなされていなければならない。  線量をいくら低減できたとしても、読影に不十分な場合、本来の放射線検 査の目的を達せられず再撮影することは避けたい。  Ex.) 散乱線除去グリッドを使用すると線量が2~4倍となる。X線単純撮影 腹部(成人)の場合、散乱X線が撮像に及ぼす寄与が強いので、グリッドなし の条件では画質の低下を招く。被ばく線量だけを軽減しても、被ばく防護の 最適化にはならない。

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1.3-2.X線CT

(X線CT撮影原理)  約1000個程度の検出器とその対向に設置されたX線管球が対になって身 体の周りを回転(360°方向からX線を照射)させる。次に、身体を透過したX 線の情報(投影データ)を検出器に受ける。これにより、生体のある断面にお けるX線吸収係数の分布が得られる 以上により得られたデータを、コン ピュータにて演算処理し、画像を表示する(画像再構成)。 X線コンピュータ断層撮影法:CT 腹部 胸部 頭部

(7)

(被ばく線量)  被ばく線量指標としてCTDIvol及びCTDIwを用いている。CTDIとはPMMA ファントムにおける空気カーマであり、装置の性能比較や撮影条件の検討と して用いられる。個々の患者や検査対象である臓器線量の被ばく線量を直 接的に評価するものではない。 CTDIは通常スキャンを想定したもの。特定 部位の反復撮影(ダイナミック撮影)する場合の評価には対応できない。 ま た、自動露出機構(CT-AEC)等、被ばく低減システムの利用が有効である 。 (X線CT 成人ガイドライン 2006 ) (CT透視 成人ガイドライン 2006 ) (補足):小児被ばくについて 小児に対するX線CT検査の指針(小児CTガイドライン-被ばく低減のため に―) 小児は放射線に対する感受性が成人の数倍高い。 小児は体格が小さいため、成人と同様の撮影条件では、臓器当たりの 被ばく量は2倍から5倍になる。 CT検査に当たっては、適応を厳密に検討し、小児のための撮影プロト コールを適用する。また、CT装置の品質管理に努める。 医師は検査の必要性を患児、家族に十分説明する。

(8)

1.3-3.X線透視(IVRを含む)

(X線透視の原理)  X線を患者の観察したい部分のみに照射し続け、連続的な体内構造の情 報(動画)を得る検査。 基本原理はX線単純撮影と同じで、検出器をI.I(イ メージ・インテンシファイア)やFPD(フラットパネルディテクタ)などを利用する ことにより、動画対応させることが可能となる。 X線透視(IVR) 頭部血管造影 (被ばく線量)  IVRでは、皮膚障害リスクより、救命が最優先(便益 benefit)となることから、患者被ばく 線量は多くなる。 放射線治療における分割照射に匹敵する線量(2 Gy)である。この場合、 放射線による皮膚損傷を招く可能性がある。(確定的影響) 最大線量を受ける部位(皮 膚)における患者の吸収線量に、注視しなければならない。またIVR手法が繰り返し行わ れる場合も想定される。最大累積吸収線量を記録・保存する必要がある(ICRP Publ.85)。 緊急の場合、患者に事前に皮膚障害の発症について、説明できない場合がある。皮膚障 害発生の確定的影響線量を超えたと考えられる患者への対応は、あらかじめ医療スタッ フ間に周知すること。 患者へ知らせる際には、フォローアップ(皮膚障害の治療と被ばく 影響への不安のカウンセリング)が必要である。 (上部消化管X線検査のガイドライン2006(低減目標値)) (注腸検査のガイドライン2006 (低減目標値)) (血管撮影・IVRガイドライン2006 (低減目標値))

(9)

1.3-4.一般核医学

(核医学 画像取得原理)  患者へ放射性医薬品を投与し、体内のRIから放出されるγ線をガンマカメラ にて捉える。  体内の生化学的および生理学的過程にともなう製剤の組織・臓器への分 布像が得られる(機能・代謝画像)。 一般核医学におけるガイドラインの指標 値は、投与量(放射能Bq)である。 核医学(ガンマカメラ) Anterior (正面像) Posterior (後面像) (一般核医学におけるガイドライン) (被ばく線量) 一般核医学におけるガイドラインの 指標値は、投与量(放射能Bq)であ る。 核医学検査における患者の被 ばく低減は、放射性同位元素(RI) を含む医薬品投与量の最適化であ る。 また、使用RIの核種と投与量 から各臓器の吸収線量が算出され る。 ガイドライン値に則した投与量 であれば、確率的影響のしきい値 を超えない。しかし、実施回数によ る。 ちなみに、組織・臓器線量はほ とんどが50 mGy以下である。 

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1.3-5.PET

(PET撮影原理)

 PET(positron emission tomography)とは体内に投与されたポジトロン放 出核種から放出された陽電子が電子と結合し、放出する消滅放射線を計測す るコンピューター断層撮影技術である。 CTやMRIが主に組織の形態を観察す るための検査法であるのに対し、PETはSPECTなど他の核医学検査と同様 に、生体の機能を観察することに特化した検査法である。 PET検査といえばこ のFDGによるブドウ糖代謝測定を指す場合がほとんどである(臨床現場でも 「PET検査」と「FDG-PET検査」は混同して用いられているのが現状)。 CT、 PETの利点を総合的に利用するために、一体化した装置PET/CTも開発され ており、診断には両画像をソフト的に重ね合わせた融合画像が主流となりつ つある。 (被ばく線量) ・患者への被ばく量はCTに比べて少ないが、医療スタッフの被ばく量に注意が必要である。 同時計数回路 18F-FDG PET coronal 画像 核医学(PET)

1.4.  放射線治療に関して

1.4-1.放射線治療とは

・外部放射線治療 各種放射線を経皮的に照射する治療法を外部照射という。X線、電子線, 陽子線, 炭素線を使用する。 現在行われている放射線治療の約8割が 外部放射線治療であり、残りの約2割が密封小線源治療である。 ・密封小線源治療 密封されたRI(radio isotope)を病巣の表面またはその内部に置き照射 する方法。腔内照射、組織内照射、貼付照射(表面照射、モールド照射) に分類され、現在では192Ir, 125I, 198Au, 137Cs, 60Coから放出されるγ線を

利用している。 ・非密封小線源治療

短寿命の非密封RIを内服または静注して、その腫瘍親和性等を利用し て治療する方法。131I, 89Srなどから放出されるβ線を利用する。

(11)

放射線治療の  照射術式 外部放射線治療(外部照射、external radiotherapy) ü 放射線を患者の体外から経皮的に病巣に照射する方法 ü 使用される放射線 Ø 種々の医療用加速器(主にリニアック)からのX線・電子線 Ø 炭素線、陽子線 密封小線源治療(brachy therapy) ü 密封されたRI(radio isotope)を病巣の表面またはその内部に置き照 射する方法 ü 分 類 Ø 腔内照射 Ø 組織内照射 Ø 貼付照射(別称:表面照射, モールド照射)   ü 使用されるRI Ø γ線を利用  --- 192Ir, 125I , 137Cs, 60Co , 198Au など 非密封小線源治療(内部照射、RI therapy) ü 短寿命の非密封RIを内服または静注して、その腫瘍親和性等を利用し て治療する方法 ü 使用されるRI Ø β線を利用  --- 131I, 89Sr, 90Y (Linac治療装置)  Linac治療装置に関して簡単に述べる。 電子銃から放出された電子は、加速管 の中でマイクロ波により加速される。 治療に用いるのに十分なエネルギーまで加 速された後、偏向磁石により270°(or 90°)曲げられ、電子をターゲットにぶつけ ることによりX線を発生させる。 ターゲットにぶつけずに取り出せば電子線治療 が実施できる。 発生させたX線は、中心部での強度が高いため、フラットニング フィルタを用いてX線のエネルギーを平坦化する。 このようにして発生させたX線 をJaw(コリメータ)とマルチリーフコリメータを用いて照射したい形にX線を絞り照 射を行う。

(12)

1.4-2.放射線治療領域の被ばく

1)IGRT

IGRTが保険収載に!)

 2010年4月、画像誘導放射線治療(Image Guided Radiation Therapy:

IGRT)が保険収載された。 IGRTは、放射線治療のプロセス中に画像技術を取 り入れることで、従来の放射線治療と比較し、目的とする病巣部(ターゲット)に 対して、高精度な位置精度でかつ再現性の高い照射を達成できる。 計画治療 体積を縮小できるため、ターゲット近傍に存在する正常組織への線量を低減す ることが可能となる。 一方で、IGRTはCT撮影や多方向からの透視画像を駆使 して位置照合を行うため、従来の位置照合手法と比較して被ばく線量の増加と それに伴う二次発がんリスクの上昇が懸念される。 現状では、IGRTの位置照 合システムは多数存在し、被ばく線量は位置照合システムの種類と方法により 異なるため、ガイドラインや線量拘束値を示すことは難しく、その評価は行われ ていない。 また、IGRTに関する検討は、これまで主に、位置照合精度に重点が 置かれ、被ばくに関しては注目されてこなかったのも事実である。 2)中性子線被ばく  高エネルギーX線治療では、ビーム軸上構成物質(ターゲット、コリメータ) などと光核反応を起こし、中性子を生成する。 光核反応とは、原子核にの 高エネルギーの光子を照射した際、中性子(γ,n反応)、陽子(γ,p反応)、重 陽子、α粒子などを放出して他の核種に変化する核反応である。 ビーム軸 上構成物質(ターゲット、X/Y-jaw、MLCなど)は、Cu、Pb、Wなどでできて おり、これらは光核反応が10MV前後のため、15MV-X線治療などでは発 生する確率が大きい。 ⇒ 中性子により患者が受ける線量を評価することも試みられている。( Xu X. G., B. Bednarz, and H. Paganetti (2008) A review of dosimetry studies on external-beam radiation treatment with respect to second cancer induction. Phys. Med. Biol. 53: R193-R24.)

ビーム軸上の構成物質

素材:

Cu、Pb、Wなど

光核反応のしきい値が

低い!

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2.  医療被ばくの線量評価

2.1.  線量とその単位

 被ばくを評価する上で、その量が法定の基準値に対してどの程度であるか を評価する必要がある。放射線防護の目的に使用される量は防護量であり、 一方で、実際に測定できる量に基づいて防護量と比較することが可能な線 量は実用量と呼ばれる。

2.1.1.  放射線防護量  

防護量としての線量の評価単位はカーマ、吸収線量、実効線量などがある。 単位はカーマと吸収線量はGy、SI単位系ではJ/kg、実効線量はSvで表わされ る。

(14)

2.1.1.1.  カーマ、吸収線量  

 カーマと吸収線量の関係を分かりやすくするために、制動放射がないもの として質量mの領域にエネルギーhνの光子が入射し、荷電粒子にエネル ギーT0を転移し、その電子が領域外へ出ていく。別の電子がエネルギーT1で 入射し、T1’で出ていくケースを考える。カーマは単位質量あたりに入射非荷 電粒子(X線、ガンマ線、中性子線等)が荷電粒子(2次電子等)に転移する 初期運動エネルギーであり、図1中のT0に該当する。一方、吸収線量は、単 位質量当たりにエネルギーを付与するエネルギーであり全ての荷電粒子、 非荷電粒子が対象となる。すなわち、領域中に入っていくエネルギーと持ち 出されるエネルギーの差分となるので、吸収線量Dは D=(  hν’-­‐  hν)+(T1-­‐T1’-­‐T0’)=T0-­‐T0’+T1-­‐T1’ となる。 特に、入射する荷電粒子と射出する荷電 粒子のエネルギーが等しい時(荷電粒子 平衡成立時)にはT1=T1’+T0’となり、結局 D=T0となる。すなわち、カーマと吸収線量 は等しくなる。 図1.エネルギーの授受とカーマ、吸収線量

2.1.1.2.  等価線量  (Equivalent  dose)  

 等価線量は、吸収線量に放射線荷重係数(WR)を乗じたものである。同じ吸 収線量を受けても放射線の種類によって発がんや遺伝性の影響の発生のリ スクが異なるので、それによって放射線加重係数を掛けた線量であり、以下 の式で与えられる。   等価線量(Sv)=  WR  x  吸収線量  (Gy)    放射線の種類による放射線荷重係数を表1に示す。これを見て明らかなよ うに、医療の現場よく使用されるガンマ線、X線では等価線量はほぼ吸収線 量と等しいと考えてよい。

(15)

2.1.1.3.  実効線量  (Effec?ve  dose)  

 実効線量は、それぞれの臓器で受けた等価線量に臓器特有の発がんや 遺伝的影響の発生リスクのウェイトをあらわす組織荷重係数WTを乗じ、各臓 器の総和をとったものであり、以下の式で与えられる。 実効線量  (Sv)=Σ(等価線量(Sv)  x  WT    表2に各組織の組織荷重 係数を示す。  各臓器の組織荷重係数は 総和をすることで1.00になる ことから、全身に一応に被ば くをした場合には、吸収線量 と実効線量は等しくなる。一 方で、ある部分に部分的に 被ばくした場合には結果が 異なる。 以上をまとめると、吸収線量、等価線量、実効線量の関係は図2のようにな る。 図2.吸収線量、等価線量、実効線量の関係

(16)

2.1.2.  実用量(線量当量)  

 外部被ばくによる等価線量や実効線量を直接的に測定することは事実上でき ないため、実用量が用いられる。例えば、個人線量当量は後述の個人線量計 で測定され、H1cmH70µmH3mmが用いられ、それぞれ1cm線量当量、70mm線量 当量、3mm線量当量と呼ばれる。これらは直径30cmで密度が1g/cm3の身体を 模擬したICRU球への放射線入射方向の深さにおける線量をとっている。実効線 量としてはH1cm、皮膚に対する等価線量ではH70µm、眼の水晶体にはH1cm、また はH70µm、その他の組織にはH1cmが用いられる。個人線量当量に関する防護量 と実用量の関係を図3に示す。 図3.個人線量等量に関する防護量と実用量の関係

2.2.  個人の外部被ばく線量の測定

個人被ばく線量の測定は以下のものが用いられる。   ①ガラス線量計 ②光刺激ルミネッセンス線量計 ③フィルムバッジ ④半導体ポケット線量計 ⑤ポケット照射線量計 ⑥熱ルミネッセンス線量計   最近では①、②が多く用いられている。   これらにより、上述の1cm線量等量、70μm線量等量を算定する。方法はいくつか あるが、代表的なものとして、光子の場合、空気カーマから個人線量等量への換 算をする方法がある。この換算係数は(ICRP74,  1995)に挙げられている。

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2.3.  内部被ばく線量の測定

 内部被ばく線量の測定には体外計測法、バイオアッセイ法、空気中放射線 物質からの算定法がある。    体外計測法は全身カウンタ(ヒューマンカウンタ)により、体外から直接測 定して摂取量及び沈着している場所を推定できる。ただし、ガンマ線放出核 種でなければ測定が困難であるとともに、検出性能を高める為の高感度の 検出器の採用と十分な遮蔽を要する。    バイオアッセイ法では糞尿や痰、鼻汁、血液、呼気などを資料として計測さ れる。この方法はα線やβ線のような飛程の短い放射線しか放出しない核 種の体内摂取量推定に用いられる。  空気中放射線物質からの算定法は空気モニタにより測定した放射線物質 の空気中濃度から次式による摂取量を求めることができる。   I=C  ・B・t・F/P   ここでIは摂取量  [Bq]、Cは空気中放射性物質の平均濃度  [Bq/cm3]、Bは単 位時間当たりに呼吸する空気量  [1.2  x  106cm3/h]、tは作業時間[h]、Fは呼吸 している場所の空気中放射性物質濃度と測定値として使用した平均濃度 (C)との比、Pは防護マスクの防護係数である。簡便であるが精度は他の方 法に比べ劣る。  内部被ばくの実効線量の算定は以下の式でなされる。   Ei=e・ I   ここでEiは内部被ばくによる実効線量[mSv]、eは放射線同位元素の種類に 応じて与えられる実効線量計数[mSv/Bq]、Iは摂取した放射性同位元素の摂

(18)

3.  医療被ばく防護について

医療被ばく防護について

 現代の医療は、放射線の利用なくしては成り立たないと言っ

ても過言ではない。画像診断装置におけるソフト・ハード両面で

の著しい進歩は、より正確で詳細な画像診断を比較的簡便、か

つ短時間で提供することを可能にしている。

 

 一方、放射線検査においては得られる情報量と被ばく線量は

相関する傾向にあり、放射線検査の中でも被ばく線量が比較的

多い

CTの利用が多用されている本邦の現状においては医療被

ばくの把握とその防護策を積極的に検討する意義は大きい。以

下に、医療における被ばく防護の考え方と方法について述べる。

(19)

3.1.  医療被ばく防護の考え方

 

ICRPでは患者(被検者)、介助者、術者(医師・技師・看護師

等)、そして医学研究上の志願者(臨床ボランティア)が受ける

被ばくを医療被ばくとして扱うとされている。

 

 医療被ばくにおける患者の防護は正当化と最適化のみに

よって行なわれるが、

ICRP等の勧告は概念的な内容にとど

まっているというのが実情であり、より具体的な防護策は医療

現場の自主的な努力に委ねられている部分が大きい。

正当化

 

 正当化とは、放射線被ばくを伴う行為の導入に際して、それによ

りもたらされる益が害よりも大きいことを保証するプロセスである。

益と害の比較という方式は、益が大きくなれば容認される害も大き

くなるということを意味する。

 

 例えば血管内治療では時に透視および撮影に伴う被ばくが確定

的影響を発症するレベルにまで達する恐れがあるという“害”が存

在するが、侵襲性という観点からすれば外科手術よりも圧倒的に

“益”がある見なすことができ、広く行われている。

 

 正当化という行為は基本的に臨床現場において医師が個別に行

うものであるが、

ICRPの2007年勧告では医師の判断を尊重しつつ、

より客観的かつ透明性のある意思決定プロセスを設ける必要性に

ついて記されている。

(20)

防護の最適化

 

 防護の最適化とは患者の被ばく線量が医療目的に見合うように

管理することである。

 

 画像診断で言えば診断に耐えられる画質を提供できる最小の撮

影線量を選択することが重要ということであり、いたずらに線量を下

げることは画質、ひいては診断能の低下を招くことから本末転倒と

いうことになる。画像診断において良好な画質を得るためにはある

程度の線量は必要であるが、線量が高ければ診断能が向上すると

いうわけではない。

 

 また、医療被ばくにおいては診断・治療を受ける際に被ばくした個

人が医療行為から直接利益を受けるので他の被ばくのような線量

限度が設けられていないが、診断モダリティ毎にある一定のガイド

ラインを設けることは不必要な被ばくを避けるためには必要である

と考えられる。

 このような考えに基づき

IAEAが基本安全基準で提唱したの

がガイダンスレベルであり、現在では診断参考レベルと呼ばれ

ている。

 

 放射線診断、核医学診断において良好な技術水準の条件の

もとで患者の被ばく線量または投与医薬品の放射能が一定の

範囲に抑えられ、有益な診断情報が得られることを確保するた

めに提案された提言である。

 

 国内においては日本放射線技師会が医療被ばくガイドライン

を刊行しており、実際に最適化行為を行う立場にある診療放

射線技師に対して低減目標値を提示している。

(21)

3.2.  医療被ばくにおける防護方法

 医療で用いられる放射線発生装置は、医療法施行規則第

4章第

2節で規定されている防護機能を有するとともに薬事法において承

認が得られているものに限られている。

 

 実際の放射線検査に際しては診断参考レベル、低減目標値を一

つの目安とするが,防護の最適化は、施設で採用している撮影シ

ステム、医師の求める画像の質に影響されうるものであることから

厳密には施設毎に検討していく必要があるものである。

 

 たとえば

IAEAガイダンスレベルで示されている単純撮影の入射

表面線量はフィルム

/増感紙の相対感度が200とされており、高感

度の組み合わせを採用している施設においてはさらに低い値を目

安とする必要ある。

 被ばく低減対策においては、得られた画像が十分に診断価

値のある情報を有していることが要求される。医療における放

射線利用領域としては大きく分けて診断領域、核医学領域、

治療領域に大別できる。各領域における技術的な被ばく低減

方法として以下のことが挙げられる。

【診断領域】 条件の最適化(管電圧、mAs値、透視パルスレートなど) 付加フィルタの利用 照射野絞りと鉛プロテクタの適切な利用 再撮防止 撮影装置の保守・品質管理 【核医学領域】 投与量の適正化 投与時の血管からの漏出防止 放射性物質の適正な管理 【治療領域】 幾何学的・線量的管理 適切な治療計画

(22)

 従来のフィルム

/増感紙では線量過多の場合にはフィルムが黒化

してしまい診断不能に陥っていたが、近年は単純撮影においても

デジタル化が進んでおり、線量が多いほど

SN比の向上にはつなが

る.つまり、画質のみを重視していると被ばく線量が多くなってしま

うことになる。

 

 技術改良は望ましいことではあるが、ともすれば放射線量の最適

化の概念が希薄になる恐れもあり、画質と被ばく線量のバランスを

保つ注意が必要である。

 

 被ばく低減対策の基本は、実際の放射線検査における線量を正

確に把握することにある。

 

 線量測定技術、線量評価方法を熟知し、得られた線量の生物学

的影響を知識として有しておくことが重要である。

4.  妊娠・胎児・小児の防護

(23)

妊娠・胎児・小児の防護

 ここでは、胎児、子供が受ける線量と放射線影響の関係、及び、

胎児、子供の医療被ばくについて記す。

 

 前者については、

ICRP90:Biological  Effects  aYer  Prenatal  

Irradia]on  (Embryo  and  Fetus)及びICRP103:The  2007  

Recommenda]ons  of  the  Interna]onal  Commission  on  Radiological  

Protec]onを参照する。  

 後者については、

ICRP84:Pregnancy  and  Medicical  Radia]on,  

ICRP105:Radiological  Protec]on  in  Medicine及びUNSCEAR  2008  

Report  vol.  1,  Sources  of  ionizing  radia]on,  Annex  A:  Medical  

radia]on  exposuresを参照する。

4.1.  胎児、子供が受ける線量と  

放射線影響の関係

 一般に、胎児期、子供は、細胞分裂が活発に行われるため、放射線感受性が高い と考えられている。胎児期の確定的影響については、ICRP90において報告されている。 2007年に勧告されたICRP103においても、ICRP90に基づいて、低LET放射線の約 100mGy未満のより少ない線量における影響を以下のように結論づけている。 1.  致死的影響: 胚発生の着床前期(受精から10日)において、胚は照射の致死的影響に対 して感受性をもつ。100mGy  を下回る線量ではこの致死的影響は非常に稀 であり、出生後に健康への有意なリスクが現れるとは考えにくい。 2.  先天性異常: 主要な器官形成期(妊娠  3  週目から  8  週目まで)に最大の感受性が現れる。 動物データによると、この影響の誘発は100mGy前後に真の線量しきい値 が存在すると判断される。 3.  精神遅延: 妊娠  8  週目から  25  週目までの期間、中枢神経系は特に放射線に対して感 受性がある。知能指数の低下は    100mGy  以下の胎児線量では臨床的に確 認することはできない。同じ妊娠期間中に  1Gy  程度の胎児線量を受けると、 重度の精神遅滞を引き起こす確率が高くなる。この感受性は妊娠  8  週目か ら  15  週目までの期間で最も高く、妊娠  16  週目から  25  週目までの期間にな

(24)

 全固形がんでは、被ばく時の年齢が10年増加するごとにERRが17%減少す る。しかし、これは部位によって異なり、例えば、乳房では年齢に依存せず、 肺では被ばく時年齢が高いほどリスクが高いことが示唆せれている。また、 甲状腺は他の部位に比べERRの変化量が大きいことがわかる。 表1:現行のがん罹患率に基づくERR(過剰相対リスク)モデルにおける係数(ICRP103)

4.2.  胎児、子供の医療被ばく

 先に述べたとおり、患者の医療被ばくは意図的なものであり、患者個人に 直接的な便益が結びつく自発的なものである。    また、患者への線量を制限することは、患者の診断または治療の有効性 を減じる可能性があるため、患者に対する線量拘束値は不適切である。    このため、医学的手法の正当化、及び医療目的とバランスのとれた防護の 最適化が重要となる。患者または法的な保護者は、予期される便益だけで はなく、潜在的リスクを含むインフォームドコンセントによりその医学的手法 に同意あるいは承諾をする。    一方、患者の医療被ばくに対する最終責任は医師にあり、正当化及び最 適化の原則について十分に理解する必要がある。

(25)

 女性患者の場合、放射線を用いるすべての手法に先立って、

妊娠しているかどうかを決定し、妊娠中の医療被ばくの可能性

と胚

/胎児に対する特別の考慮を必要とする。  

 妊娠している患者は、子宮内被ばくに起因する可能性のある

潜在的な放射線影響について知る権利がある。

 

 しかし、放射線診断で受ける線量は、「胎児、子供が受ける線

量と放射線影響の関係」で述べたように、ある種の手法(例え

ば、放射性ヨウ素を用いた核医学診断)を除けば、その手法を

行わない母親へのリスクは、胚

/胎児への潜在的な害のリスク

より大きい。

(参照:hhp://www.unscear.org/docs/reports/2008/09-­‐86753_Report_2008_Annex_A.pdf)  放射線治療に伴う高線量では、発育障害を生じる可能性がある。 妊娠してい る患者の場合、骨盤から遠く離れたがんには、通常、放射線治療を行うことが可 能である。    しかしながら、それには治療計画の作成に特別な配慮が必要である。骨盤内 のがんは、胚/胎児に対して重篤あるいは致死的な結果なしに、妊娠中に放射 線治療で適切に治療できることは稀である。      放射線被ばくによる妊娠中絶は、多くの要因に影響される個人の意思決定で ある。しかし、胚/胎児への100mGy  未満の吸収線量は、妊娠中絶の理由と考 えるべきではない。    このレベルを超える胚/胎児線量においては、胚/胎児への推定線量の大き さと、結果として生じる発育中の胚/胎児への重大な害のリスク、及び後の生涯 におけるがんリスクを含む、個人の事情に基づいた、説明を受けた上での意思 決定を行うことができるように、妊娠患者は十分な情報を受けるべきである。

(26)

 医療被ばくの中で、CT検査時に患者が受ける線量は他の放射線検査時に受 ける線量に比べ高い。これは、小児放射線検査についても同様である。そこで代 表的な小児CT検査時の線量について記す。    図1に2006年放医研が調査を行った日本国内の小児と成人のCT検査の割合 を示す。小児と成人では明らかに対象部位が異なり、小児では約7割が頭頸部 の検査であることがわかる。   小児における頭部、胸部、 腹部CT検査の患者の実 効線量を表2に示す。 (UNSCEAR2008,   Table:B17)   ここで注意するべきは、以下の2点である。   •  CT装置や撮影パラメータ(実効mAsや管電圧等)の違いにより、線量は数倍 程度異なる。よって、同じ部位の測定でも施設間及び患者間で違いがある。   •  医療被ばくにおいては、ほとんどの場合、照射は局所的である。つまり、照 射野内の臓器線量(等価線量)についての考慮がより重要である。例として、 表3に測定を基にした頭部CT検査における6歳小児の臓器線量及び実効線 量を示す。 表3:  頭頸部CT検査における6歳小児の臓器線量及び実効線量

(C.  Yamauchi-­‐Kawaura  et  al.,  “Radia]on  dose  evalua]on  in  head  and  neck  MDCT  examina]ons  with  a  6-­‐year-­‐old  child   anthoropomorphic  phantom,”  Pediatr.  Radiol.  40  (2010),  1206-­‐1214)

(27)

5.  トピックス

5.1.  国際

5.1.1.  UNSCEAR  

 国連科学委員会(UNSCEAR)は、放射線の線源•利用•生物影響などに関す る最新の知見を収集し、各国のサーベイデータを合わせた報告書を数年に 一回国連総会に報告している。その最新のものは2008年に出されたもので あり、Annex  Aには医療放射線の詳細なデータが掲載されている。その中に は、日本からのデータも数多く含まれている。    医療放射線関係では、放射線診断•放射線治療•核医学など、核種放射線 診療における実施頻度•被ばく線量の値が国毎に示されているが、必ずしも すべてのデータが揃っている訳ではない。レポートによれば、世界の医療放 射線利用は年々増加傾向にある。例えば、放射線診断の一人当たり年実効 線量は、1988年の0.35mSvから、2008年には0.62mSvとほぼ倍近く増加した

(28)

5.1.2.  IAEA  

 国際原子力機関(Interna]onal  Atomic  Energy  Agency:  IAEA)は、原子力だけで なく、医療を含めた放射線分野における放射線利用の安全基準策定などをはじ め、教育訓練用のコンテンツ作成など、種々の活動を行っている。    医療放射線に関わる問題として、一人の患者が複数の放射線診療を受けてい るが、個人毎に医療被ばくの履歴を把握するシステムがないことが指摘されてき た。そこで、IAEAは患者の医療被ばくの履歴追跡システム構築を目指し、Smart   Card/SmartRadTrack  projectを立ち上げた。   hRps://rpop.iaea.org/RPOP/RPoP/Content/News/smart-­‐card-­‐project.htm    2009年から現在まで、計3回の会合が開催されている。   追跡は、放射線診断(X線診断•IVR•核医学)の種類と線量をカードに記録する、 あるいはカードを記録に対するアクセスキーとするイメージである。   欧州では、複数の医療施設で履歴追跡可能システムを構築している国もある。

5.1.3.  WHO  

 世界保健機関(World  Health  Organiza]on:  WHO)は、2008年からGlobal   Ini?a?ve  on  Radia?on  Safety  in  Health  Care  Se\ngsを開始した。  

hRp://www.who.int/ionizing_radia?on/about/med_exposure/en/ index1.html   これは、医療における放射線の安全な利用を、保健当局・国際機関・専門 家・学術団体などのステークホルダーも交えて推進しようとする活動である。    リスクアセスメント•リスクマネージメント•リスクコミュニケーションの3つの柱 で構成されている。   これまでに、大小合わせて4回の会合が開催された。

(29)

5.2.  諸外国

 米国では、

Image  Gently  campaign

 が進められている。  

これは、小児放射線科医らを中心に始められた、小児患者に

適切な放射線診療を提供するための活動で、賛同する団体

数も多い。

 

 ウェブには、親向けのパンフレットや診療記録用フォーマット

なども掲載されている。

 

hRp://www.pedrad.org/associa?ons/5364/ig/

5.3.  国内

 医療被ばくの諸問題は非常に数多いが、その対応には既存の組織あるい は個人が別個に活動していることでは対処しきれないことが関係者の間で 議論されてきた。  

国際的にも、先述のWHO  Global  Ini]a]ve、IAEA  Smart  Card/SmartRadTrack   Projectなどが動き始め、オールジャパンとしての対応を考えなければならな い状況になってきたことを機に、関係諸団体が協力して諸問題に取り組める 組織立ち上げの話が出てきた。  

 2010年3月「医療被ばく研究情報ネットワーク」(Japan  Network  for   Research  and  Informa?on  on  Medical  Exposures:  J-­‐RIME)が設立され、活動 が開始された。ネットワークの長は放医研の米倉理事長で、事務局は放医 研内に置かれている。国内外の医療被ばく防護に対するハブ的機能により、 今後大きな役割を果たすことが期待されている。

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