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JPEC レポート 2017 年度第 10 回 平成 30 年 3 月 23 日 韓国石油精製各社が史上最高の好決算 事業多角化へ投資拡大 韓国石油精製 4 社の 2017 年業績は いずれも記録的な好決算となった 各社とも 2015 年以降 連続して前年実績を上回る利益を計上した 韓国の石油製品の

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平成 30 年 3 月 23 日

韓国石油精製各社が史上最高の好決算、事業多角化へ投資拡大

韓国石油精製 4 社の 2017 年業績は、いずれも記 録的な好決算となった。各社とも 2015 年以降、連 続して前年実績を上回る利益を計上した。 韓国の石油製品の生産は 4 年連続で増加してお り、製油所稼動率もほぼフル稼動状態にある。石 油製品の輸出も 4 年連続して増加した。 ただ、石油精製事業は原油価格がダイレクトに 影響する事業であるため、各社とも近年の好調で 得た収益の多くを非石油精製事業などにつぎ込み、 事業の多角化を進める方針を明らかにしている。 また、韓国は日本と同様に原油の中東依存が高 いが、ここ数年、ロシアやオーストラリアに続い てメキシコ、英国、さらに米国からの輸入が増加 傾向にある。 1. 精製各社の業績と投資動向 2017 年の韓国石油精製産業は、米国のハリケーンハービーによる供給減少と国際原油価 格の上昇を受けて、精製マージンが着実に上昇したことと、非石油精製事業の拡大によっ て、過去最大であった 2016 年を上回って史上最高の好決算を達成した。SK Innovation、 GS Caltex、S–Oil、現代オイルバンクの精製 4 社の総売上は、2016 年の 93 兆 4,990 億ウ ォンから、2017 年は対前年比 22.4%増の 114 兆 4,120 億ウォン、営業利益は 7 兆 9,510 億ウォンから、同 0.1%増の 7 兆 9,600 億ウォン、純利益は 5 兆 810 億ウォンから同 16.9% 増の 5 兆 9,410 億ウォンとなった。 石油輸出国機構(OPEC)によると、2019 年までにグローバルな石油製品(ガソリン、軽 油)の需要は、平均 140 万 bpd 程度増える見通しだが、この期間に増加する設備能力は 70 万 bpd 程度にとどまり、需給環境がタイトになると予測している。 韓国の石油精製業界も、 グローバルな石油需要拡大に対し精製設備は不足しており、精製マージンの上昇余力は、 十分あるとの予想が主流になっている。こうした需給状況は、少なくとも 2019 年まで継続 し、2018 年は安定した業績の拡大が見込まれるとしている。精製事業は、原油価格など外 的要因の直接影響を受ける産業であるのに対し、持続的な成長のため、確実な需要先があ れば比較的安定した利益創出が可能な石油化学事業や高付加価値製品などの多様なポート 2017 年度

第10回

1.精製各社の業績と投資動向 1-1. SK Innovation 1-2. GS Caltex 1-3. S-Oil 1-4. 現代オイルバンク(HDO) 2.原油輸入 3.石油精製能力と稼働状況 4.石油製品の生産・輸出入動向 4-1. ガソリン 4-2. 軽油 4-3. 灯油 4-4. 重油 4-5. ナフサ 4-6. LPG

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フォリオを構築していく必要があると指摘している。 表 1.韓国石油精製 4 社の業績 1.1. SK Innovation 2017 年は、売上が前年比 18.5%増の 46 兆 8,265 億ウォン、営業利益が同 0.2%増の 3 兆 2,343 億ウォン、純利益が同 28.6%増の 2 兆 2,139 億ウォンと増収増益を達成、営業利益は 過去最高を更新した。 部門別では、石油精製部門の売上は、同 17.5%増の 33 兆 3,368 億 ウォンで、営業利益は同 7.6%減の 1 兆 5,021 億ウォンとなったが、化学品部門の営業利益 が同 11.8%増の 1 兆 3,772 億ウォンで過去最高、潤滑油部門も同 7.8%増の 5,049 億ウォン でこれまでで 2 番目の業績をあげており、精製部門よりも非精製部門の好調が、好決算の 主要因となっている。 SK Innovation は、潤滑油およびパラキシレン(PX)を中心とする芳香族事業で、2011 年から SK 仁川石油化学の設備のアップグレードや JX エネルギーとの合弁である蔚山アロ マティクス(UAC)の設立、中国での合弁事業などで 4 兆ウォン以上の投資を実施、PX の 生産規模は世界第 6 位、高級潤滑油では世界トップクラスとなっており、業績に結びつい た。 石油精製事業は、OPEC の減産による在庫評価の利益向上や米国のハリケーンの影響によ る特需で業績は上向いたが、第 4 四半期はウォン高の影響などもあって停滞した。今後は、 SK Energy が運営する蔚山製油所に 4 万 bpd の減圧残油脱硫装置(VRDS)を新設する計画 を進めるなど、製品の品質向上を進めていく。この VRDS 建設は、国際海事機関(IMO)が

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決定した船舶燃料油の硫黄分濃度規制強化に対応するもので、投下資金は 1 兆ウォン、2020 年 7 月の試運転を予定している。 潤滑油事業は、製品価格が堅調に推移したことで収益性も良好。同社は世界第 3 位の潤 滑油メーカーであり、高級合成潤滑油(グループ 3)ではシェア 35%と世界最大手。今後も 潤滑油事業を拡大していく方針で、同事業を総括する SK Lubricants(SKL)は、企業価値 向上と事業拡大に向けた資金調達のため、2018 年内をメドに新規株式公開(IPO)を計画 している。 また、SK Lubricantsは、中国の潤滑油市場におけるシェア拡大に向けた取り組みを強化 している。その一環として、タイヤメーカーのMichelinと提携し、同社の中国販売拠点約 1,500店舗で2017年11月からSKLブランド「ZIC」のミッションオイルの販売を開始した。中 国は、現在世界第2位の潤滑油消費国であるが、2025年には米国を抜いて第1位となる見通し の巨大市場。SK Lubricantsは今後、Michelinとの連携をさらに強化し、得意としているグ ループ3のミッションオイルやブレーキオイルを中心に中国市場におけるラインナップの充 実を図るほか、販売拠点向けの技術支援や人材育成などでの協力も進めていく。

化学品事業では、Dow Chemical からエチレンアクリル酸(EAA)事業や塩化ビニリデン (PVDC)事業を買収し、高付加価値積層フィルム素材の総合メーカーとしての存在感を増 した。また、SK Gas とサウジアラビアの Advanced Petrochemical(APC)、クウェート国営 化学会社の Petrochemical Industries(PIC)による合弁の SK Advanced でも、蔚山で運 営するプロパン脱水素(PDH)法プロピレンプラントの追加投資を予定している。同設備は、 昨年 5 月に完成したばかり。 このほか、中国石油化工集団公司(Sinopec)との合弁会社の中韓(武漢)石油化工有限 公司が運営しているエチレンコンプレックスの増強計画を進め、同事業向けに約6億5,000 万ドルを投資することを決定している。 SK Innovation は、以前から非石油精製部門強化策である事業構造改革プラン「ディー プチェンジ 2.0」を推進しており、2017 年に精製部門の利益減少を化学品部門や潤滑油部 門などが補填するに止まらず記録更新を支えたことなどを受け、同計画の成果が実ったと している。 同社は、化学部門の SK Global Chemical(SKGC)を 2024 年までに世界の 10 大化学企業の 1 社とすることを目標に掲げており、一連の高付加価値梱包材事業への投資 も、この一環として進めている。今後は各種製品の高付加価値化とともに、自動車向け素 材の取扱製品多角化や技術力の確保、電気自動車(EV)向けなどバッテリー事業の強化を 進める。 2017年には、中国でのEV向けバッテリーの合弁事業を解消した。SK Innovationは、中国 にもう1つのSKを構築するという「China Insider戦略」を推進しており、バッテリー事業は 同戦略の1つに上げられていた。しかしながら、2016年後半時点で新工場の建設を棚上げし ており、同時期に中止を決定したSinopecとの1,4–ブタンジオール(BDO)合弁計画とともに、 中国戦略の失敗例の1つとして上げられている。これについて、一部では、韓国が米国「高 高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備を決定したことに対する中国政府の報復ではないかと の見方もあったが、SK Innovationは、あくまで戦略的な決定だとしている。 傘下の SK 仁川石油化学も営業利益 4,146 億ウォンと好調であった。こちらも「ディープ チェンジ 2.0」の一環として進めてきたパラキシレン(PX)などの高付加価値化計画が功

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を奏したと評価、今後もディープチェンジを推進していく方針。 1.2. GS Caltex 2017 年の売上は前年比 17.6%増の 30 兆 3,184 億ウォンに拡大し、営業利益は同 6.5%減 の 2 兆 16 億ウォンとなったが、純利益は、同 1.5%増の 1 兆 4381 億ウォンを記録し、過去 最高の決算となった。年前半には、原油価格の下落、その後はウォン高の影響などもあっ たが、通年では主要製品の収益性が向上し、発電事業などの業績も改善されたことで、純 利益で過去最高を記録するに至った。 競合他社と比較して、同社は石油化学事業の安定性に欠けており、これを改善点の1つに 挙げている。この最大の取り組みとして、エチレンセンター事業の参入を検討していたが、 2018年に入り、麗水でエチレンセンター建設を正式に発表した。同社の石油化学事業の現状 は芳香族に依存しており、本格的なオレフィン/ポリオレフィン事業に参入することで事業 の安定化と多角化を図る。建設する設備の能力は、エチレンが年産70万トン規模、ポリエチ レン(PE)が同50万トン規模で、投資額は18億ドル前後と試算されている。竣工は2022年を 予定している。 GS Caltexは、競合他社の業績を分析した結果、本格的な石油化学事業を行っている競合 他社は、営業利益の約半分を石化事業が占めていることから、石油化学事業の比重拡大を決 意するに至ったといわれる。同社は、原油の購入から、精製、販売に至るバリューチェーン 全体にわたって最適化を進めているが、石油化学事業への本格参入も、こうした戦略の一環 で、Chevronの協力のもと、収益の最大化を目指す。 このほか、同社は2007年からバイオブタノールの研究開発を開始し、すでに商業生産に必 要な技術を獲得、麗水に非食用植物を原料とした世界初のセミコマーシャルプラントを建設、 バイオ産業の育成を進める。 また、炭素繊維の生産プロセス開発を完了しており、全州市と炭素産業の育成のための協 定に調印して、ピッチ系炭素繊維の事業開発に着手している。炭素繊維は、石油精製過程で 生じる副産物を利用して高付加価値を創出することができる新事業であり、こうした先端素 材分野での事業多角化も進める。 1.3. S–Oil 2017 年の売上は前年比 28.0%増の 20 兆 8,914 億ウォンで、営業利益は同 9.5%減の 1 兆 4,625 億ウォンとなったが、純利益は同 8.8%増の 1 兆 3,112 億ウォンで、過去最高を記録 した。同社にとって、原油価格の上昇は製品価格の上昇に繋がり、利益率拡大の材料にな ったというが、ウォン高が影響し営業利益は減少することになった。 他社同様、米国のハリケーンによる特需で、下半期から業績が大きく伸びた。さらに非 石油精製部門の業績が好調で、売上の 78.6%は石油精製部門が占めたが、営業利益の割合 は精製部門が 47.4%、石油化学部門が同 23.3%、潤滑油部門が同 29.2%で非石油精製部門が 過半を占めている。 前年も同様の傾向を示しており、特に高付加価値製品潤滑油の需要が堅調で、営業利益 は高水準を維持している。今後も、精製マージンは堅調に推移する見通しで、石油化学部 門も芳香族やオレフィンの需要に支えられて高い収益性を維持し、潤滑油部門も高品質製

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品を中心に良好な業績を維持する見通しとしている。 同社は現在、温山で残油アップグレーディング・コンプレックス・プロジェクト(RUCP) を推進しており、2018 年 4−5 月を目処に竣工する予定となっている。7 万 6,000bpd 規模の 高過酷度残油流動接触分解設備(HS–RFCCU)や年産40万5,000トンのポリプロピレン(PP)、 同 30 万トンのプロピレンオキサイド(PO)、2 万 1,000bpd の高品質ガソリンなど、プロピ レン誘導品を中心とした設備で構成される。中核となる HS–RFCCU には、商業規模としては 世界で初めて、JX エネルギー/サウジ Saudi Aramco/同国 King Fahd 石油鉱物資源大学が共 同開発した高過酷度流動接触分解技術(HS–FCC)を導入することで注目されている。全体 の基本設計(FEED)業務は Amec Foster Wheeler(AFW)、設計・調達・建設(EPC)業務は 大林産業/大宇建設のコンソーシアム、HS–RFCCU の EPC は Technip が担当している。PP お よび PO 製造技術は住友化学とライセンス契約を締結した。 また、韓国国内における石油製品小売り事業を強化している。2017 年 1 月時点における 韓国のサービスステーション(SS)の数は、SK Innovation がトップで 3,697 カ所、次い で GS Caltex が 2,520 カ所、現代オイルバンクが 2,210 カ所、S-Oil が 2,102 カ所、ノー ブランドが 1,484 カ所の合計 1 万 2,013 カ所で、韓国全体としては前年同期から 147 カ所 減少したが、廃業を決めた SS を買収するなどして、主要 4 社のなかでは S-Oil が唯一 SS の数を増やした。S-Oil の継続的な販売網の拡大戦略に沿ったもので、積極的にマーケテ ィングに取り組んでいる。 1.4. 現代オイルバンク(HDO) 2017 年の売上は前年比 37.8%増の 16 兆 3,762 億ウォン、営業利益が同 30.5%増の 1 兆 2,605 億ウォン、純利益が同 32.6%増の 9,784 億ウォンと大幅な増収増益となり、創業以来 最高の業績を上げた。同社では、収益の 8 割前後を石油精製事業が占めている。 上半期は前年から業績を大きく落としていたが、原油価格の上昇で製品価格も引き上げ られたことや、第 3 四半期に流動接触分解設備(FCCU)を追加したことで、製油所の稼働 効率が向上するなどし収益性が増した。また、ハリケーンの被害などにより米国の設備稼 働率が著しく減少したことで、精製マージンが拡大したこと、寒波の影響で需要が拡大し たことも、好決算に一役買ったとしている。 非石油精製部門では、ロッテケミカルとの合弁に衣替えした現代ケミカルが好調であっ た。同合弁事業では、ナフサや混合キシレン(MX)に加え、軽油やジェット燃料なども生 産している。生産した MX は現代コスモ(HDO とコスモ石油の合弁)とロッテケミカルで折 半し、ナフサは全量をロッテケミカルが引き取っているが、現在、高純度テレフタル酸(PTA) の利益率が回復傾向にあるため、PX 需要の拡大に伴ってMX の収益性も堅調となる見通し。 このほか、潤滑油部門は、上半期は競合他社の設備メンテナンスなどもあって好調を維持 していたが、年後半に潤滑油ベースオイル価格が値下がりしたことなどから伸び悩んだ。 同社は、Shell と潤滑油ベースオイル合弁の現代シェルベースオイルを運営している。 2018 年については、原油価格の上げ幅は制限され、寒波の影響によって石油製品の需要 はさらに拡大し、利益率も好調を維持する見通し。潤滑油については、中国、インド、中 東地域での需要拡大によってベースオイルの利益率が回復する見込みだとしている。 OCI とのカーボンブラック合弁である現代 OCI カーボンブラックも、間もなく操業が本

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格化する見通し。同事業では、2018 年 9 月をメドに同工場内にアスファルト分解(SDA) 装置を追加する計画である。 なお、現代重工業グループの持株会社である現代ロボティクスは、財務の健全性の強化 と新事業の投資財源を調達するため、子会社である現代オイルバンクの株式公開(IPO)を 決定した。現代ロボティクスは、現代オイルバンクの最大株主で 91.1%の株式を保有して いる。 2. 原油輸入 中東依存度が高く、80%を突破している。1980 年のほぼ 100%という中東依存度から、1980 年代中期は、政府の資金援助によりアジアや中南米が増加して、中東依存度は 60%前後に 低下した。しかし、需要拡大に伴って支援負担が膨大になり、支援が縮小されたことや、 アジア産油国の国内需要が拡大して輸出余力がなくなり、1990 年代に入って中東依存は 70%以上に拡大した。さらに 2005 年以降は、再度 80%を突破し、2011 年には 87.1%にま で上昇した。2017 年は、イランからの輸入が大幅に増加したものの、最大供給国のサウジ からの輸入が若干減となるなど、中東全体では 82.1%に落ち着いた。 図 1.韓国の原油輸入と中東依存度の推移 国別の輸入構成比は、サウジアラビア 29.1%、クウェート 15.0%、イラン 10.2%% イラク 12.0%、UAE 8.2%、カタール 5.3% と続いている。中東依存は依然として高い が、ここ数年の動きとしては、これまで韓 国の原油輸入先としては馴染みの薄かった メキシコや米国の増加傾向がある。 最大供給国のサウジは、1991 年に Aramco が温山製油所を運営する双龍精油(S–Oil) の株式を取得するとともに、長期契約を締 結した。韓国は、1999 年にサウジと石油分 野の協力覚書に調印し、関係強化を図って いる。同様に、2006 年 5 月に盧武鉉大統領

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が UAE を訪問して、石油分野などの覚書に署名、共同原油備蓄に合意した。李明博大統領 も 2011 年 3 月に訪問、協力を強化している。イラン原油は、経済制裁で 2012 年 8–9 月は 輸入を中断したが、その後再開し、2016 年と 2017 年は大幅に増加した。イラン原油は、 SK と Hyundai Oilbank、Samsung Total が使用している。

韓国企業は、調達先多角化に向け、シェールオイル増産を背景とした米国のエネルギー 政策・保存法(EPCA)緩和にいち早く対応し、2014 年に米国産コンデンセートをテスト輸 入した。GS Caltex は 2014 年 9 月、SK は同年 11 月に輸入し、長期契約で価格を引き下げ れば、中東超軽質原油と十分に競争できると判断した。その後、2015 年 12 月、米国は 40 年ぶりに原油輸出を解禁した。GS Caltex は 2016 年 7 月、解禁後初となる原油を Eagle Ford からスポットで輸入する契約を交わした。HDO は、2017 年 2 月にメキシコ湾重質の SGC 原 油を輸入した。 また、これまで米国を主要輸出先としていたメキシコは、米国の原油増産を前に輸出先 の多様化を目指し、中国、インド、韓国と入ったアジア市場の開拓を進めている。韓国は 2015 年よりメキシコからの輸入を開始し、年毎に増加している。 3. 石油精製能力と稼動状況 韓国では、1960 年代に韓国開発銀行と米 Gulf Oil の合弁、大韓石油公社(現在の SK Innovation)が蔚山で、極東精油(同現代オイルバンク)が大山で、LG グループと米 Caltex の湖南精油(同 GS Caltex)が麗川で、韓国火薬と米国 Union Oil の京仁エナジー (同SK Energy)が仁川で、1980 年にイラン石油公社と双龍洋灰の韓国イラン石油(同 S-Oil)が温山に製油所を建設した。高度経済成長下にあって、1989 年頃にはフル稼働状 況となり、1996 年までの 7 年間で精製能力は 84 万 bpd から約 3 倍の 244 万 bpd に大幅 増強された。

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しかし、1997 年秋からの金融危機により、石油製品の国内需要は冷え込み、韓国精製各 社は、石油製品の輸出に活路を見いだし、石油需要が急増していた中国を最大のターゲッ トに、2004 年から再び精製能力を拡大、2014 年までに 300 万 bpd を突破した。この間、 稼働率は80–90%の水準で推移していたが、2015 年以降は 90%を突破、2017 年は 100% 近くに達している。 図 4.韓国石油精製能力と稼働率の推移 4. 4.石油製品の生産・輸出入度動向 韓国の石油製品は、需要の伸びが鈍化するなか、純輸出が拡大し、2014 年は生産が 16,376 万 KL で、輸入が 5,186 万 KL に対し、輸出が 7,136 万 KL で、純輸出が 1,950 万 KL に達している。(図 5.参照) 図5.石油製品の生産・輸出入と国内供給量の推移

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4.1. ガソリン 韓国のガソリン需要は、1997 年まで右肩上がりの上昇を続けていたが、金融危機で需要 が低迷、2010 年を過ぎて、ようやく 1997 年の水準にまで回復した。 輸出は、2008 年以降の生産拡大で、急増しており、現在では生産量の 50%が輸出される までになっている。輸出先は、ベトナムが最大で 33.2%を占め、オーストラリアが 16.8%、 フィリピンが 12.1%、以下、シンガポール、日本、インドネシアと続いている。 図6.ガソリンの生産・輸出入と国内供給量の推移 4.2. 軽油 通貨危機で需要が減少。輸送用は増加しているものの、その他の分野が減少し、2016 年になってようやく1996 年水準まで回復した。 輸出は、生産量の50%以上に達しており、最も輸出比率の高い石油製品となっている。 輸出先は、シンガポールが22.3%、台湾が 19.4%、オーストラリアが 16.4%で、以下、中 国、トーゴ、フィリピン、インドネシアと続いている。 図7.軽油の生産・輸出入と国内供給量の推移 4.3. 灯油 通貨危機後の需要減少に加えて、1997 年には需要の 82%、約 1,123 万 KL あった民生 用と商業用が激減している。 2017 年の需要は、1997 年のピーク時から 80%以上の減少 を示し、生産もピーク時の1999 年の 1,439 万 KL から 80%近く減少している。輸出は少 ないが、日本向けが多く、特に2017 年は日本向けが 85.5%を占めた。

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図8.灯油の生産・輸出入と国内供給量の推移 4.4. 重油 軽質石油製品への移行が進み、通貨危機前の1994 年頃から需要の伸びは鈍化していた が、通貨危機で一挙に減少、2000 年にかけて若干回復したが、その後は減少基調が続いて いる。 特に需要の過半を占めていた産業用および民生用が激減している。これにより、 2017 年の需要は、ピーク時の 5 分の 1、生産は、4 分の 1 近くににまで減少している。 輸出も 1999 年のピークから 6 分の 1 に減少した。輸出先は中国が最大で 2017 年は 47.9%、シンガポールが 26.0%、マレーシアが 13.9%、以下、日本、フィージー、ニュー カレドニアと続いている。 図9.重油の生産・輸出入と国内供給量の推移 4.5. ナフサ 韓国石油化学産業の生産能力は、内需を大きく上回っているが、通貨危機後も、ウォン 安を背景に石油化学製品の輸出を拡大した。 特に巨大マーケットである中国への製品輸出 で、操業を維持してきた。2009 年から 2013 年にかけて輸入量が生産量と並び、年によっ て上回ることもあった。2014 年以降は、ナフサ需要の旺盛な伸びに対して、生産を拡大し ている。ただ、依然として輸入依存度が高く、国内ニーズは高い。輸入は、ロシアが20.8%、 カタールが19.0%、UAE が 17.8%、サウジアラビアが 11.4%、インドが 9.3%、クウェ ートが8.2%。 輸出先は、2016 年まで日本向けが最大であったが、中国向けが増加し、2017 年は中国 が49.2%、日本向けが 39.0%となった。

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図10.ナフサの生産・輸出入と国内供給量の推移 4.6. LPG 韓国は、一貫してLPGの純輸入ポジションにあり、輸入依存度が50%を上回っている。 1990年中期までは需要の半量を民生用が占めていたが、LNG(天然ガス)の普及で民生用 LPG需要は大幅に減少、代わって自動車燃料としての利用が安定的に拡大してきた。しかし、 2016年以降は、産業用が自動車用を上回った。今後、プロパン脱水素(PDH)用など化学 原料としての使用が拡大し、米国からの輸入が増加するとみられる。 図11.LPG の生産・輸出入と国内供給量の推移 <参考資料>

Monthly Energy Statistics 各号(Korea Energy Economics Institute) Yearbook Of Energy Statistics 各年版(Korea Energy Economics Institute) 東アジアの石油産業と石油化学工業 各年版(東西貿易通信社)

East & West Report 各号(東西貿易通信社)

以上 本資料は、一般財団法人 石油エネルギー技術センターの情報探査で得られた情報を、整理、分析 したものです。無断転載、複製を禁止します。本資料に関するお問い合わせは[email protected]

までお願いします。

図 3.韓国の企業別精製能力の推移
図 8.灯油の生産・輸出入と国内供給量の推移  4.4.  重油    軽質石油製品への移行が進み、通貨危機前の 1994 年頃から需要の伸びは鈍化していた が、通貨危機で一挙に減少、 2000 年にかけて若干回復したが、その後は減少基調が続いて いる。  特に需要の過半を占めていた産業用および民生用が激減している。これにより、 2017 年の需要は、ピーク時の 5 分の 1、生産は、4 分の 1 近くににまで減少している。    輸出も 1999 年のピークから 6 分の 1 に減少した。輸出先は中国が最
図 10.ナフサの生産・輸出入と国内供給量の推移  4.6.  LPG    韓国は、一貫してLPGの純輸入ポジションにあり、輸入依存度が50%を上回っている。 1990年中期までは需要の半量を民生用が占めていたが、LNG(天然ガス)の普及で民生用 LPG需要は大幅に減少、代わって自動車燃料としての利用が安定的に拡大してきた。しかし、 2016年以降は、産業用が自動車用を上回った。今後、プロパン脱水素(PDH)用など化学 原料としての使用が拡大し、米国からの輸入が増加するとみられる。  図 11.LPG の

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