基地対策特別委員会行政視察報告 平成25年11月29日 狭山市議会議長 東 山 徹 様 基地対策特別委員会 委員長 栗 原 武 当委員会は、下記のとおり、北海道千歳市及び航空自衛隊千歳基地・陸上自衛隊東千 歳駐屯地の視察をして参りましたので、その概要について報告します。 記 日 程 平成25年11月7日(木)~11月8日(金) 視察事項 1 千歳市における基地対策の状況について 2 航空自衛隊千歳基地の状況について 3 陸上自衛隊東千歳駐屯地の状況について 参 加 者 栗 原 武 萩 原 義 典 加賀谷 勉 磯 野 和 夫 猪 股 嘉 直 町 田 昌 弘 土 方 隆 司 矢 馳 一 郎 随 行 加 藤 等 (総合政策部次長兼基地対策課長) 田 中 智 子 (議会事務局)
北海道千歳市
〔市制施行〕昭和33年7月1日 〔人 口〕95,449人(平成25年11月1日現在) 〔世 帯 数〕46,274世帯( 〃 ) 〔面 積〕594.95k㎡(59,495ha) 〔昼夜間人口比率〕105.62% 〔概 況〕 千歳市は、北海道石狩振興局管内にある市であり、北海道の空の玄関である新千歳空 港を擁し、市域の西部には支笏湖がある。近年は物流拠点として発展している。千歳市 には、陸上自衛隊東千歳駐屯地、北千歳駐屯地、航空自衛隊千歳基地の 3 つの駐屯地・ 基地が所在している。これらの施設は市街地に隣接、あるいは至近な距離にあり、全体 面積は 4,906 ヘクタールと行政区域の 8.2%を占め、また市街化区域の約 1.6 倍もの広大 な面積を有している。 施設別面積の概要 (単位:ha) 地 区 名 基 地 ・ 施 設 名 面 積 東 千 歳 駐 屯 地 6 7 4 柏 台 演 習 場 2 0 2 北 海 道 大 演 習 場 ( 東 千 歳 地 区 ) 9 6 7 東 千 歳 小 火 器 射 撃 場 注 )6 6 9 中 央 地 区 ・ 祝 梅 高 射 教 育 訓 練 場 1 3 小 計 2 , 5 2 5 北 千 歳 駐 屯 地 7 8 北 海 道 大 演 習 場 ( 千 歳 地 区 ) 8 7 2 長 都 高 射 教 育 訓 練 場 1 1 小 計 9 6 1 千 歳 飛 行 場 注 )9 2 0 千 歳 高 射 教 育 訓 練 場 7 3 小 計 9 9 3 自 衛 隊 計 4 , 4 7 9 米 軍 基 地 F A C - 0 1 5 4 キ ャ ン プ 千 歳 4 2 7 合 計 4 , 9 0 6 東 千 歳 地 区 北 千 歳 地 区 千 歳 基 地 注)は、全体面積の内、千歳市行政区域内の面積を表示 技術研究本部札幌試験場の面積は、北海道大演習場(東千歳地区)に含む。また、自衛隊の町といった側面もある。陸上自衛隊第7師団と航空自衛隊第2航空団 が存在し、人口9万人のうち、約3万人が自衛隊関係者といわれている。2007年(平 成19年)7月7日には沖縄県でのF-15 訓練の一部を航空自衛隊千歳基地に移転する事 が正式表明された。東千歳駐屯地、北千歳駐屯地、千歳基地の合計定員は9,100人 で、隊員の家族や OB を含めると、市内人口の26%を占める。 「特 徴」 ・年間の平均気温は6度から8度で推移しており軽井沢とほぼ同じで内陸型のしのぎや すい気候である。 ・平成22年国勢調査において、市民の平均年齢が41.3歳であり、北海道で一番若い まちである。 ・人口が増加している数少ない自治体である。 ・市内には 3 つの自衛隊基地があり、町内活動やスポーツ・文化団体での活躍を通して 市民生活と大きなかかわり合いを持っている。 「千歳市と基地」 千歳市の飛行場の起源は、今から約90年前の大正15年に市民150人程が飛行 機を観たさに火山灰の荒れ地に着陸場を造り、北海一号機(小樽新聞社所有)の複葉 機を下ろしたのが始まりである。戦後はアメリカ軍が進駐し、昭和23年に一部返還 されて、第2航空団が浜松基地から移動して千歳基地が発足された。市内には3つの 防衛施設が所在し、市街の三方が防衛施設に囲まれている。このため、市街地の発展 方向が航空機の飛行経路に重なるほか、新たに宅地開発や住宅建設が行われる地域に は、通称 C 経路(市道南28号外4)と呼ばれる装軌車などが通行する道路が所在す る。
調査項目 ○直近3年間の基地交付金・補助金額 21年度 2,797,620千円 22年度 3,112,310千円 23年度 2,621,311千円 防衛施設周辺整備事業費 平成21年度1,767,279千円(一般会計歳出に占める割合3.92%) うち民生安定事業895,578千円(事業に占める割合50.7%) 平成22年度2,078,971千円(4.72%) うち民生安定事業998,073千円(48.0%) 平成23年度1,608,761千円(3.63%) うち民生安定事業費229,215千円(14.25%) 千歳市の基地対策関係補助金 (単位:千円) 事業種別 主な事業内容 21 22 23 障害防止事業 北千歳駐屯地急傾斜地対策受託事業 0 58,746 90,183 内別川水道施設設置事業 0 0 30,631 テレビ共同受信施設設置事業 86,142 210,269 27,782 騒音防止事業 高台小学校他校舎復温工事等 0 100,044 250,794 千歳中学校・信濃小学校校舎復温工事等 111,069 0 0 民生安定事業 粉砕処理施設整備事業 187,749 597,741 108,340 臨空工業団地排水池設置助成事業 244,671 155,352 84,800 高機能消防指令センター更新事業 34,914 100,058 0 C経路まちづくり事業 413,005 144,922 0 スポーツセンターリニューアル事業等 15,239 0 36,075 道路改修事業 C経路整備事業 144,421 97,167 105,941 防音事業関連維持費 千歳中学校他24施設 10,296 10,656 9,927 調整交付金事業 除雪作業車両等購入事業 51,000 27,300 28,600 市道整備事業 218,000 249,200 196,000 C経路緑地整備事業 57,900 88,700 51,200 市内公園整備事業 77,773 60,100 64,500 公園トイレ整備事業 6,100 0 14,300 医療機器整備事業 0 126,000 0 市民文化センター整備事業 0 0 290,000 学校設備整備事業等 108,979 52,694 219,665 1,767,279 2,078,971 1,608,761 再編交付金事業 別紙1のとおり 446,380 446,380 446,380 基地交付金 (米軍・自衛隊が使用する国有財産に対する) 565,174 568,105 548,234 調整交付金 (米軍資産に対する) 18,787 18,854 17,936 2,797,620 3,112,310 2,621,311 合計 小計
○基地の騒音当の状況及び対策 ・騒音の状況 千歳市で測定局8局、国で4局、北海道で9局設置し測定を行っている。 (千歳市の測定値については別紙2) ・航空騒音等の対策 住宅防音事業において、助成対象区域内であっても、区域指定の告示日以降の住宅 が助成対象とならないことから、各種団体と連携を図りながら、国に対して課題解決 と各種制度の拡充を求めていくとともに、防衛施設と調和のとれたまちづくりを推進 してゆく。 ○基地への要望活動 飛行訓練に対しては深夜・早朝、土・日曜日、祝日の飛行自粛を求めている。 日米共同訓練等の演習に際しては情報を早期に公表することを求めている。 米軍再編に係わる米軍機の航空自衛隊千歳基地への訓練移転に関しては、協定を順 守することを求めている。 住宅防音工事に関しては対象区域や対象施設の拡大、告示後住宅への助成等の制度 拡充と建具復旧工事待機世帯の早期解消などを求めている。 ○災害時の基地との協力体制 東日本大震災時に4,000人を超す隊員が災害派遣された。 東日本大震災を契機に、災害派遣隊員の家族をサポート(託児・要介護等)するため に大規模災害時等における派遣隊員の留守家族支援に関する協定を道内で先駆けて市内 3ヶ所の各自衛隊基地と結ぶ。 市の防災会議のメンバーに千歳基地司令初め自衛隊関係者が入っている。 陸上自衛隊第7師団第11普通科連隊と大規模災害時等における連携に関する協定を結 んでいる。(千歳市のみ対応)
質疑応答 Q.深夜・早朝など自粛を求めているが実態は? A.基地内においても自主規制を持っている。 祝日や土・日の飛行は自粛、深夜早朝では22時~7時まで飛行自粛。 訓練やスクランブル時は自主規制が解除される。 Q.C経路における戦車の通る頻度は? A.年間通して1,000台程度。走行にあたっては10Km 以下の速度で,走行部隊か ら監視がつき,安全対策を行っている。 Q.人事交流は行われているのか? A.市役所で危機管理課を含め自衛隊 OB3名、臨時職員にOBを採用している。 自衛隊協力会の事務所で1名採用など。 課長研修等で自衛隊に行っている。 Q.小中学校における復温工事においても補助金を使用しているのか? A.防衛補助の中で整備。設置した機器については10年、15年で故障や老朽化の ため機器の更新についても補助を使用。 Q.自衛隊員が市内で制服を着て買い物等を行っているのか? A.通常の生活習慣のなかで違和感なく見かける姿。 普段から隊員と顔なじみである事も重要。 Q.家族支援の具体例は A.留守支援協定での保育に関しては基地内に託児所を設けることになっている。市 から保育士が出向いてアドバイスをしたり、実際に対応に当たる隊員が市内の保 育所で研修を行ったりして災害が起きた時に対応ができるようにしている。 Q.住民苦情はどの程度あるのか? A.苦情については年間60~100件程度。新興住宅の方からの苦情が多い。 告示後の住宅であり防音工事等を実質行っていないことも原因。 Q.基地があることによるメリットは? A.隊員が3割に及ぶことから市内における経済効果がある。 部隊があることにより地域活動が活発であると同時に市民に安心感があり。 Q.千歳市における訓練等の市民への周知方法は? A.市の広報やホームページ・市の新聞などを利用して市民に周知を行っている。 Q.基地対策特別委員会の設置は? A.常時設置でなく必要に応じて設置している。
○航空自衛隊千歳基地の状況について 〔所 在 地〕北海道千歳市平和無番地 〔面 積〕約996ha 〔滑 走 路〕東側 3,000m×60m、西側 2,700m×45m 〔総隊員数〕約2,500名 1 千歳基地のあゆみ 千歳基地は、平坦で、太平洋岸に近いことから雪が少なく、気象条件が適してい たことから、戦前・戦後を通じ北方防衛の最大拠点となっている。 大正15年、小樽新聞社が、同社旅行会の協力のお礼に、購入したての飛行機で 千歳上空を飛来するとの申し出をしたところ、村民たちは、どうせなら、着陸した 機体を見たいと、村民自ら抜根・整地をし、とうとう7千坪の整地を成し遂げ、同 年10月、住民が歓喜で迎える中、小樽新聞社の「北海1号機」が着陸した。この ことが基地の始まりとなる。その後、この着陸場には飛来が相次ぎ、村民は更に、 意欲的に飛行場づくりに励んだ。 昭和に入り、村費と寄付により着陸場を拡張すると、一方、軍事上から注目され、 昭和12年、海軍航空隊飛行場として正式に決定されたのちは、終戦まで北方の海 軍最大拠点となった 終戦により千歳基地は米軍によって使用されていたが、昭和32年8月に航空自 衛隊に移管され、昭和51年に米軍千歳基地は完全閉鎖し完全撤退となった。 その間、昭和26年、東京~千歳間に定期航路が開設、昭和63年、新千歳空港 の開港。平成8年に千歳飛行場の官民分離を経て、現在に至っている。 大正15年 千歳村民により千歳着陸場竣工7000坪 小樽新聞社「北海」1号機着陸 昭和12年 海軍航空隊飛行場設置決定 昭和14年 千歳海軍航空隊基地設置 昭和20年 米軍陸軍第1空挺団により占領下に入る 昭和26年 千歳空港開設 昭和32年 米軍の三沢基地移住。航空自衛隊へ移管 昭和51年 基地全面返還
2 千歳基地の部隊 青森県三沢基地とともに、領空侵犯に対する配備を行っている。年間のスクラン ブル回数は平成24年度579件、23年度は425件。平成17年度より増加傾 向にある。冬期でも滑走路1本は常時確保できるように緊急発進に備えている。 ① 第2航空隊 航空自衛隊初の戦闘航空団であり、昭和58年よりF-15を配備。北部日本空 域での領空侵犯に対する対処、防空行動を主な任務としている。隊員1500名。 ② 第1移動警戒隊 北部航空警戒管制団全9カ所のレーザ―サイトの防空網の補完を担当する部隊。 ③ 第3高射群 航空自衛隊は、我が国の重要な地域を守るため、高射隊を配備し、有事に備えて いる。第3高射群は、地対空ミサイル(パトリオット)を装備した誘導弾部隊。 有事の際わが国に侵攻する航空機などを撃退する重要な任務を持った部隊。 ④ 北部航空施設隊第2作業隊 アラート態勢確保のため、24時間体制で千歳飛行場の除雪、また、災害地で の復旧工事等を担当。 ⑤ 基地防空教導隊 基地防空火器により基地防空部隊の指導にあたる。 ⑥ 千歳救難隊 航空機事故機の捜索・乗員の救助等、空における救難作業、県知事等からの要請 に基づく災害派遣等。年間派遣平均10件程度。上級司令部は入間基地となる。 東日本大震災時は宮城県へ派遣された。 ⑦ 千歳管制隊 世界でも珍しい、民間・自衛隊の官民両空港管制を行う部隊。24時間態勢で 航空機の管制誘導を行う。国交省の管制免許を持つ自衛隊員が管制を行う。 ⑧ 千歳気象隊 千歳飛行場の航空気象観測を担当。自衛隊機の飛行運用支援を行う。 ⑨ 特別航空輸送隊 政府専用機2機を装備。政府要人輸送や、国際緊急援助活動や国際平和協力業 務など輸送のための航空輸送部隊。 ⑩ 第3移動通信隊 日本全国に移動し、各基地間、災害派遣現場との間に臨時の通信を確保する移 動通信部隊。
⑪ 千歳地方警務隊 部隊の秩序維持を主にし、犯罪捜査等の司法警察業務及び政府専用機の警乗、 要人警護等の保安業務。 3 装備機 F15要撃戦闘機 B747-400政府専用機 T4中東練習機 UH-60J救難ヘリコプター U-125A救難捜索機 4 地域交流活動 ① 花植え活動 千歳ウェルカム花ロードに地域のボランテイア、企業団体とともに国道沿いに 約5キロにわたって花の道を作り上げる。 ② 千歳基地航空祭 毎年1回、岐阜基地及び部隊装備品等を公開し、飛行機の飛行及び地上展示を 実施している。 ③ 総合防災訓練 千歳市防災訓練において、千歳基地は、待機車、水タンク車及び人命救助シス テムの展示や炊き出し訓練等の参加により、地域防災への協力体制を確認する。 ④ 体験搭乗 千歳基地の理解を深めるため、基地周辺住民を対象に、CH-47大型ヘリコプ ターによる体験搭乗を実施している。 ⑤ 高齢者住宅での除雪ボランテイア 千歳の除雪ボランテイア「スノーバスターズ」を地元青年会議所と空自千歳・ 陸自千歳で構成し、町内会から要望のあった高齢者住宅の周辺除雪ボランテイ アを行っている。
○陸上自衛隊東千歳駐屯地の状況について 〔所 在 地〕北海道千歳市祝梅1016 〔面 積〕約5,900ha 〔総隊員数〕約4,300名 1 東千歳駐屯地のあゆみ 東千歳駐屯地は、千歳市の東部に位置し、火山礫のやせ地となっているこの地に、 昭和10年から、馬鈴薯を栽培して澱粉を製造した水谷農場による開拓が前身とな っており、太平洋戦争中に旧海軍に寄付され、昭和14年旧海軍の航空隊の飛行場 として開設された。 戦時中、滑走路の建設が進み、終戦後は米軍第七歩兵師団により米軍の管理下に 置かれ、朝鮮動乱により、大量の兵舎が建設されてから本格的な基地となった。米 軍の増強とともに基地は着々と整備され、昭和29年米軍の主力部隊の撤退によっ て、北千歳駐屯地から第一特科団が移駐し、東千歳駐屯地として設立された。 昭和10年 水谷政次郎氏、馬鈴薯栽培のため開拓。 昭和16年 旧海軍に開拓地を寄付 昭和20年 米軍の管理下へ 昭和29年 米軍撤退。陸上自衛隊第1特科団が札幌より東千歳に移駐 昭和37年 第7師団が東千歳駐屯地に移駐 昭和56年 第7師団が機甲師団に改編 2 東千歳駐屯地の部隊 わが国唯一の戦車を主体とした機甲師団である陸上自衛隊第7師団に属し、第7 師団司令部、新人隊員の教育担当の北部方面厚生団、コンピュータ-シュミレーシ ョンによる訓練・指導を行なう北部方面訓練支援隊、など北部方面を直轄管理する 部隊が所在する、陸上自衛隊の機動打撃力の骨幹師団であり、全国的に機動できる 北部方面隊の中核をなす駐屯地である。 ① 普通科連隊 完全な装甲車を持ち、戦車部隊と一体となって戦闘する部隊
② 特科連隊 国産99式自走 155 ミリりゅう弾砲を装備した師団の対地火力戦闘骨幹部隊 ③ 高射特科連隊 81式短距離地対空誘導弾及び87式自走高射機関砲を装備した対空戦闘部隊。 ④ 後方支援部隊 2個の整備大隊、補給隊、輸送隊、衛星隊を統合した師団の兵站業務担当部隊 ⑤ 施設大隊 地雷等障害の処理、築城・交通等の施設作業担当部隊 ⑥ 通信大隊 通信電子器材を装備した師団に必要な通信組織の運営、維持を担当する部隊 ⑦ 偵察隊 装甲車師団の偵察、警戒及び援護担当部隊 ⑧ 化学防護隊 特殊ガス等、化学汚染地域に対する偵察、除染担当部隊 ⑨ 音楽隊 部隊・隊員の士気高揚及び広報活動部隊 3 装備機 90・74式戦車 99式自走155mm りゅう弾砲 89式装甲戦闘車 87式偵察警戒車 87式自走高射機関砲 4 地域交流活動 ① 師団総隊・駐屯地創立記念 戦車等の閲覧行進や場内展示による基地の一般開放 ② 東千歳駐屯地盆踊り大会 基地内で行う盆踊り大会を一般開放 以上。