潮 汐 ・高潮 ・波 浪結 合 モ デル に よる土 佐 湾異 常 高潮 の追 算
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(2) 322. 海. 図‑1. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 潮 汐 ・高 潮 ・波 浪 結 合 モ デ ルSuWATの. 計算 フ ロー. 表‑1. 計 算領 域 の位置,格 子 サ イ ズ及 び格 子数. 表‑2. 高潮推 算 の計算 条件. (a) 第1お よび第2計 算領域. 3. 台 風7010号. に よ る 土 佐 湾 にお け る 高 潮 ・波 浪 推 算. (1) 土 佐 湾 沿 岸 に お ける 高 潮 観 測 結 果 土 佐 湾 沿 岸 に は検 潮 所 が 複 数 あ り,当 時 の高 潮 が記 録 され た.潮 位 偏 差 の観 測 値 の う ち,浦 戸 湾 口 の桂 浜 で は こ れ ま で の 最 大 の 値 で あ る235cmを. 記 録 した.ま. た,. 浦 戸 湾 内 の横 浜,若 松 町 に お いて も潮 位 変 動 が 観 測 さ れ て い た.そ の ほか,土 佐 清 水,下 (b) 第3お よび第4計 算 領域. 田,上 川 口,室 戸,手. 結 に お い て も潮 位 変 動 が 観 測 され て い た. (2) 高 潮 計 算 条 件 図‑2に6段. 階 の計 算 領 域 図 を 示 す.第1計. お い て は 台 風7010号. の 経 路,第3及. 算 領域図 に. び 第4計 算 領 域 図 に. は観 測 点P1〜P4,第5及. び 第6計. P5〜P8の. れ らの観 測 点P1〜P8は,土. 清 水,下. 位 置 を示 す.こ. 田,上 川 口,室 戸,桂. 手 結 で あ る.1段. 算 領 域 図 に は観 測 点 佐. 浜,横 浜,若 松 町 お よ び. 階 小 さな 計 算 領 域 の 格 子 サ イ ズ は,大. き な計 算 領 域 の1/3に な る よ うに し た.計 算 領 域,メ. ッ. シ ュ サ イ ズ お よ び格 子 数 を 表‑1に 示 した. (c) 第5お よび第6計 算 領域 図‑2. 計 算 領域 と台風 経路. 高 潮 偏 差 に 及 ぼす 潮 汐 変 動 お よ び波 浪 の 影 響 を調 べ る た め に,表‑2に. 示 す5種. 類 の数 値 計 算 を 行 っ た.例. え.
(3) 323. 潮汐 ・高 潮 ・波浪 結合 モ デル によ る土 佐湾 異常 高潮 の追算. (b)空 港. (a)足 摺. 図‑3. (c)室 戸 岬. 高潮推 算 に用 い る風 ・気 圧 時系列 と観 測結 果 の比較. (a) 潮 位 偏 差 の 最 大 値 の空 間分 布(CaseTWPRとCaseOTの. 差). 図‑5 沿 岸域(第5領 域)で の有義 波高 の空 間分 布(Case TWPR) 高 潮 計 算 は1970年8月20日6:00か. ら21日20:00ま. で. 行 った.潮 汐 を考 慮 す る計 算 に お い て は,潮 汐 変 動 が 定 常 に な る まで,前 も って 行 って お く.計 算 時 間 間 隔 は,潮 汐 ・高 潮 計 算 に お い て は1s,波. 浪 計 算 に お い て は300s. と し,高 潮 と波 の 情 報 のや り取 りは300sお. き に行 う.. 台 風 モ デ ル は,藤 井 ・光 田(1986)の そ れ を用 い た.気 圧 と海 上 風 につ い て,観 測 結 果 と高 潮 ・波 浪 計 算 に用 い た 推 算 結 果 と の 比 較 を 図‑3に 示 す.風 す る前 の 様 子 に相 違 が 見 られ る.特. 速 が ピ ー ク に達. に近 傍 を 台 風 が 通 過. した 足 摺 に お い て,推 算 結 果 が 過 大 評 価 と な って い る. (b) 有 義 波 高 の最 大 値 の空 間 分 布(CaseTWPR). 風 速 が ピー ク を過 ぎ た後 の両 者 の 時 間 変 化 は 良 く一 致 し て い る.風 向 に関 して は,3地. 図‑4. 結合 モデ ルSuWATに. よ る第5領 域 で の最 大高 潮偏 差. の空間 分布 お よび第1領 域 で の有義 波高 の空 間分 布 ば,CaseTWPRは,潮. 汐 変 動,風,気. 圧低下 お よび波. 点 と も両 者 は良 く あ っ て. い る.ま た,気 圧 低 下 に関 して も両 者 は良 く一 致 して い る こ とが 確 かめ られ た. 4. 高 潮 推 算 結 果 お よ び 潮 汐 変 動 と 波 浪 の 影 響. 浪 の す べ て を 取 り入 れ て 計 算 す る ケ ー ス で あ り,Case WPRは. 風,気. 圧 低 下,波. 浪 を 考 慮 した もの で あ る.こ. 図‑4(a)お よ び(b)は,そ. れ ぞ れ 第5領. 域 の潮位 偏差 の. の2つ は高 潮 偏 差 を 比 較 す る こ と に よ り,潮 汐 変 動 の 影. 最 大 値 の空 間 分 布 お よ び第1領. 響 を知 る こ とが で き る.. 空 間 分 布 を示 した も の で あ る.こ れ らの計 算 結 果 は,潮. 域 の有 義 波 高 の 最 大 値 の.
(4) 324. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). P1. P2. P3. P4. P5. P6. P7. P8. 図‑6. 図‑7 汐 変 動,高. 全潮 位変化 に関す る観測 結果 お よび推 算結 果 の比較. 最 大潮 位偏 差 に及 ぼす潮汐 変動 の影 響. 図‑8. 潮,波 浪 を結 合 した計 算 結 果 で あ る.有 義 波. 高 は,外 洋 で25mを. 超 え て い る.図‑5は,沿. 岸 域(第5. 最 大潮 位偏 差 に及 ぼす波 浪 の影響. に お いて は,観 測 結 果 の精 度 に も問 題 が あ り そ うで あ る. そ の 他 の 地 点P5〜P8に. お い て は,潮 汐 変 動 と波 浪 を考. 領 域)で の 有 義 波 高 の 空 間 分 布 を示 した もの で あ る.外. 慮 した 推 算 結 果 は,観 測 結 果 と良 く一 致 して い る.地 点. 洋 で25mを. P5の 桂 浜 で の値 も再 現 で き て い る.な お,河. 超 え て い た も の が,水. 深 が 浅 く な る につ れ. て 砕 波 に よ り減 少 して い く様 子 が 良 くわ か る. よ り詳 細 に 推 算 結 果 を 検 討 す る た め に,図‑6に8地. る),P6と. 点 に お け る潮 位 変 化 に関 す る観 測 結 果 と各 種 推 算 結 果 を 示 す.観 測 結 果 は○ 印,潮 結 果 は実 線,潮. 汐 変 動 と波 浪 を 考 慮 した推 算. 汐 変 動 を考 慮 す るが 波 浪 を 考 慮 しな い推. 算 結 果 を 点 線,気. 象 外 力 を用 い な い潮 汐 変 動 の み の計 算. 結 果 を 破 線 で示 して あ る. 地 点P1〜P4は. 第3計. よ び450mと. 算領域 にあ. 粗 く,観 測 地. 点 と計 算 結 果 出 力 点 の 不 一 致 の ため も あ り,特 P2〜P4で. と もに推 算 結 果 と実 測 結 果 の 対 応 が少 し悪 く. な って い る. 図‑7で は,最 大 潮 位 偏 差 に及 ぼ す 潮 汐 変 動 の 影 響 を見 る た め に,Case. TWPRとCase. び観 測 結 果 を比 較 した.こ. WPRの. 推 算 結 果,お. よ. こ で は,波 浪 の影 響 は考 慮 さ. れ て い る.こ れ らの結 果 か ら,潮 汐 変 動 自体 が そ の 振 幅. 算 領 域 お よ び 第4計. り,解 析 解 像 度 は1350mお. 口 のP7地. 点 で は 固 定 境 界 を 設 定 し た た め(実 際 は上 流 に開 い て い. に地点. 観 測 結 果 と推 算 結 果 の 一 致 度 が 悪 い.P2地. 点. が1mと WPRの. そ れ ほ ど 大 き く な い た め,Case 推 算 結 果 は あ ま り変 わ らな い.. 図‑8に は,潮 とCase. TWPRとCase. TWPの. 位 偏 差 の 最 大 値 に 関 して,Case. TWPR. 推 算 結 果 お よ び 観 測 結 果 を 比 較 した も の.
(5) 325. 潮 汐 ・高 潮 ・波浪 結合 モ デル によ る土 佐湾 異常 高潮 の追 算. て 気 象 要 因 だ け で は,土 佐 湾 に お い て 観 測 さ れ た 最 大 潮 位 偏 差 を 再 現 で き な い こ と が わ か る.(c)図 TWPRとCase. TWPの. 差 を 求め,波. は,Case. 結 果 か ら得 られ る最 大 潮 位 偏 差 の. 浪 の 影 響 の み に よ る潮 位 偏 差 を 求め た もの. で あ る.こ の 図 に よ る と沿 岸 で は波 浪 の影 響 に よ り水 位 が50cm〜100cm上. 昇 す る こ と が わ か る.. 5. ま と め 本 研 究 で は,潮 (a). CaseTWPRの. Surge‑WAve‑Tide. 計算 結果. 汐 ・高 潮 ・波 浪 結 合 モ デ ル(SuWAT: coupled model)に. よ り,台 風7010号. に. よ る土 佐 湾 沿 岸 の 高 潮 追 算 を 行 い,異 常 潮 位 偏 差 の再 現 性 に及 ぼ す 潮 汐 変 動 や波 浪 の 影 響 に つ い て 検 討 した.ま ず,本 推 算 モ デ ル の特 徴 を 従 来 モ デ ル と比 較 して示 し た. 高 潮 偏 差 に 及 ぼす 潮 汐変 動 お よ び 波 浪 の 影 響 を調 べ る た め に,潮 汐 変 動,風,気. (b) 気象 要因によ る水位 上昇. 圧 低 下 お よ び波 浪 の す べ て を. 取 り入 れ た 推 算 結 果 と,潮 汐 変 動 を 入 れ な い,あ. るい は,. 波 浪 の影 響 を 入 れ な い 推 算 結 果 との 相 互 比 較,お. よび観. 測 結 果 と の 比 較 を 行 っ た.そ. の 結 果,解. 1350mお. 領 域 で は観 測 結 果 と推 算. よ び450mと. 粗 い,大. 結 果 との 一 致 度 が悪 か っ たが,最. 析解像度が. も解 像 度 の高 い 計 算 領. 域 に お いて は,潮 汐 変 動 と波 浪 を考 慮 した推 算 結 果 は, 観 測 結 果 と良 く一 致 し,桂 浜 で の 異 常 値 もほ ぼ 再 現 で き た.潮 汐 変 動 は そ の振 幅 が1mと. そ れ ほ ど大 き くな い た. ,波 浪 の影 響 の方 が 重 要 で あ った. 本 研 究 を行 うに 当 た り,(株)エ. は,貴 重 な デ ー タや ご助 言 を い た だ き,こ し ます.ま 表:山. 下 隆 男 広 島 大 学 教 授)及 び 第3著 者 が 代 表 の 科 学. 最大 高潮 偏差 の空 間分 布. 参. こ で は,潮 汐 変 動 の影 響 は考 慮 さ れ て い る.. 地 点P1〜P4は. 先 に述 べ た よ う に観 測 結 果 が 大 き くな っ. て お り,推 算 結 果 とあ ま り一 致 して い な い が,波 浪 の影 響 を 取 り入 れ る と潮 位 偏 差 が 大 き くな る こ とが 見 られ る. 地 点P5〜P7に. お い て は,湾. 奥 の 地 点P7を. 除 い て,波. 浪 の 影 響 を考 慮 す る と潮 位 偏 差 が 大 き くな り,観 測 結 果 と良 く一 致 す る. 図‑9に 改 め て,最. 大 潮 位 偏 差 の 空 間 分 布 に関 す る推. 算 結 果 を調 べ る.(a)図. はCaseTWPRの. の 影 響 が入 って お り,こ の第5計 結 果 と良 く一 致 した.(b)図. 潮 汐 変 動 と波 浪. 算 領 域 に お いて,観. で はCase. TWPとCase. 測 OT. の 結 果 か ら気 象 要 因 の み に よ る最 大 潮 位 偏 差 を示 した も の で あ る.潮 汐 変 動 の影 響 は小 さ い こ とが 今 回 わ か った の で,こ. よ る研 究 の 一 部 で あ る こ と を こ. こ に付 記 し,感 謝 い た しま す.. (c) 波浪 による水位 上昇. を示 す.こ. こに 感 謝 い た. た,本 研 究 は,科 学 研 究 費 基 盤 研 究(B)(代. 研 究 費 基 盤 研 究(B)に. 図‑9. め. コ ー の柴 木 秀 之 博 士 に. の推 算 結 果 は,従 来 の 潮 汐 変 動 を 考 慮 しな い 高. 潮 推 算 モ デ ル に よ る結 果 に対 応 す る.こ の 図 か ら,改 め. 考. 文. 献. 金. 珠列 ・高 山知 司 ・安 田誠 宏 ・間瀬 肇 (2007): 高潮 と波 浪 に及 ぼす大 潮 汐変 動 の影響 に関す る研 究, 海 岸工 学論 文集, 第54巻, pp.276‑280. 後藤 智 明 ・佐 藤一 央 (1993): 三 陸沿岸 を対 象 とした津波 数値 計算 シス テ ムの 開発, 港研 報 告, 第32巻, 第2号, pp.3‑ 44. 柴 木 秀 之 ・加 藤 史 訓 ・山 田 浩 次 (2001): 密 度 成 層 とWave Setupを 考慮 した 土佐 湾 異常 高 潮 の推 算, 海 岸工 学 論 文 集, 第48巻, pp.286‑290. 藤井 健 ・光 田 寧 (1986): 台 風 の確率 モ デル の作 成 とそれ によ る強風 の シ ミュ レシ ョン, 京大 防災 研 年報, 第29号 B‑1, pp.229‑239. 山下 隆 男 ・別 宮 功 (1996): 台 風7010号 の土 佐湾 に お ける高 潮 の追 算 一推算 誤 差 は波浪 か成 層 か?‑, 海岸 工 学論 文 集, 第43巻, pp.261‑265. SWAN: A numerical wave parameters wind-, bottom-, Technology,. wave model for obtaining realistic estimates of in coastal areas, lakes and estuaries from given and current conditions, Delft University of. http://fluidmechanics.tudelft.nl/swan/default.htm..
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