東海農政局統計部長 秋山 研一
平成27年９月１日
農林統計でみる我が国の農業構造
Ⅱ 農林水産統計の役割
Ｐ３～５
Ⅰ 統計調査の種類・実施体系
Ｐ１～２
Ⅲ 2015年農林業センサスの役割・見直し等
Ｐ６～７
Ⅳ 農業センサスでみる農業構造等
Ｐ８～25
Ⅴ 東海３県の農業、流通の特徴（例）
Ｐ26～31
Ⅵ 東海農業情報マップ・東海農業情報プロファイル Ｐ32～36
Ⅶ ホームページのご案内
Ｐ37
Ⅷ 本資料の利用上の注意
Ｐ38
■ 調査結果の公表方法
①第一報・・・各府省のＨＰ（迅速性）
②確報・・・・・e-Stat
（政府統計の総合窓口・データのダウンロード可）
、報告書（印刷物）
■ 集計結果の秘匿措置
①個々の調査対象に関する事項が特定されることのないように秘匿。 （ｘ表示）
②計からの差引により秘匿か所の数値が判明してしまう場合は、二次秘匿を実施。
１ 統計調査の種類
基幹統計調査
（特に重要なもの）
一般統計調査
（基幹統計調査以外）
地方公共団体が
行う統計調査
統計法に基づく統計調
査に該当しない調査
（民間）
報告義務 あり総務大臣への届出
○ アンケート調査 ○ イメージ調査 ○ 意識・実態調査 ○ ニーズ調査 ○ 基礎調査 ○ 入込客数調査 ○ 意識調査 ○ 大学生の生活習慣調査 など、意識を把握するものと、 事実の報告を行うものがある。 ○ 世論調査（新聞社など） ○ 出口調査（選挙速報） ○ 視聴率 ○ 車の登録台数 ○ 売れ筋商品 ○ 購買意欲 など、公的統計にない分野の調 査。 調査を専門とする企業もある。Ⅰ 統計調査の種類・実施体系
内 閣 府 ： １ （国民経済計算）・・・加工統計
総 務 省 ：13 （国勢調査、家計調査など）
財 務 省 ： １ （法人企業統計）
国 税 庁 ： １ （民間給与実態調査）
文部科学省 ： ４ （学校基本調査など）
厚生労働省 ： ９ （人口動態調査、毎月勤労統計など）
農林水産省 ： ７ （農林業センサス、作物統計など）
経済産業省 ：10 （経済センサスなど）
国土交通省 ： ９ （港湾統計、建設工事統計など）
合計
：55
（県、政令指定都市）１
２
２ 農林水産統計調査の実施体系
総務省
統計委員会（内閣府）
（中立的な審議機関）
都道府県
出先機関
（地方農政局等）
オ
ン
ラ
イ
ン
調
査
シ
ス
テ
ム
で
電
子
調
査
票
を
回
答
市区町村
調査対象（個人、法人、事業所、団体等）
統計調査員
①
①
農林業センサス（経営体調査）、漁業センサス（経営体調査）
②
牛乳乳製品統計調査、農業物価統計調査
③
上記①、②以外の統計調査（専門性が特に高い調査は限定的に「職員調査」）
④
調査対象者が希望した場合（オンライン回答が可能な統計調査）
②
③
④
承認申請
（調査票、目的、対象、調査方法、集計事項、公表方法・期日等）
（政 府 統 計 オ ン ラ イ ン 調 査 総 合 窓 口 ） （調 査 票 の 郵 送 ） （指 導 ）調査間の重複排
除、被調査者の負
担軽減などについ
て審査・調整
農林水
産統計
の 例
諮問・答申等
（ 一 部 ）統計調査員
ロゴマーク農 林 水 産 省
民間事業者
統計法の全部改正
（平成１９年法律第５３号）１ 農政を支える情報インフラ・国民のための公共財
Ⅱ 農林水産統計の役割
３
○
農林水産統計は、農政を支える「情報インフラ」としての役割
を担っており、
①政策目標の設定・評価、
②国の財政支出の算定根拠、③需給安定対策等の施策の発動基準
などに必要な統計データを整備。
○
農林水産統計は、国民のための「公共財」
として農山漁村・地域の実態、農林水産業従事者の構造、農林漁
業経営、農林水産物の生産・流通・加工・消費からなる
フードシステム全体に関する様々な数値
を提供。
①政策目標の設定・評価
②国の財政支出の算定根拠
③需給安定対策等の施策の
発動基準
食料の安全保障
に必要な農地等
の資源量
国の財政支出に
直結する農家等
の経営状況
生産・流通・消
費からなるフー
ドシステム全体
の実態
統計の把握内容
農政は国の重要な役割
農林水産統計は
農政を支える基盤
・農政を支える「情報インフラ」
・国民のための「公共財」
農林統計の役割とそのミッション
行政のための統計
社会の情報基盤としての統計（二次的利用の促進）
○ 調査票情報の提供（公益性のある学術研究等への活用に資するためのデータ提
供（秘匿措置後）
○ オーダーメード集計（研究・教育発展に資するための有料集計サービス。農林水産
省は、農林業センサスなど５調査が該当。）
農林水産省では、農林水産業、関連産業、消費者等を対象に、農山漁村地域や農林水産物の生産、流通・加工、消費の実態・動向
等を把握し、これを省内政策部局のほか広く国民へ多様な媒体を通じて提供
農山漁村・地域の実態の把握
・ 集落等農山漁村の構造 ・ 多面的機能 等農林水産業従事者の構造の把握
・ 農家、林家、漁家 ・ 農業、林業、漁業就業者 ・ 集落営農、法人化の実態 等農林漁業経営の把握
・ 農業、林業、漁業経営収支 ・ 農畜産物の生産コスト 等農林水産物の生産状況の把握
・ 耕地面積 ・ 収穫量、単収、被害 ・ 家畜の飼養頭羽数 ・ 木材生産量 ・ 漁獲量 等農林水産物の流通・加工の状況の把握
・ 青果物の市況、卸売数量・価格 ・ 畜産物の市況、卸売数量・価格 ・ 生乳・牛乳等の生産量 ・ 水産加工品の生産量 ・ 青果物・水産物の価格形成の状況 ・ 地場産農産物の仕入れ・販売額 等農林水産物の消費の状況の把握
・ 食品の廃棄や食べ残しの実態 ・ 食品廃棄物の発生・再生利用量 等 ● 農林業センサス （農山村地域調査） ● 漁業センサス （海面漁業地域調査、内水面漁業 地域調査） 等 ● 農林業センサス （農林業経営体調査） ● 漁業センサス （海面漁業調査、内水面漁業調査等） ● 集落営農実態調査 ● 農業構造動態調査 ● 漁業就業動向調査 等 ● 農業経営統計調査（一部は専門調査員） ● 林業経営統計調査 ● 漁業経営調査 等 ● 作物統計調査（耕地、水稲作付面積） ● 作物統計調査（水稲作況調査）（一部は専門調査員） ● 作物統計調査（水稲以外の面積・収穫量） ● 畜産統計調査 ● 木材統計調査 ● 海面漁業生産統計調査 等 ● 青果物卸売市場調査（市況・日別は民間事業者） ● 畜産物流通調査（市況・日別は民間事業者） ● 牛乳乳製品統計調査 ● 木材価格統計調査 ● 水産加工統計調査 ● 食品流通段階別価格形成調査 ● ６次産業化総合調査 等 ● 食品ロス統計調査（世帯） ● 食品循環資源の再生利用等実態調査 等 農 山 漁 村 地 域生
産
流
通
・
加
工
消
費
省
内
政
策
部
局
の
ほ
か
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く
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民
へ
多
様
な
媒
体
を
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提
供
・
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告
書
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D
-R
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M
を
含
む
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政
府
統
計
の
総
合
窓
口
（e
-S
ta
t ）
（H
P
）
等
把 握 事 項
農林水産統計調査
提 供
２ 農林水産統計調査の主な把握事項
フ
ー
ド
シ
ス
テ
ム
４
●職員調査 ●調査員調査 ●郵送調査 ●県委託 ●民間事業者３ 農林水産統計の主な利活用
５
農政の推進を支える様々な統計結果
【天災融資・激甚災害対策】
・作物統計調査(被害応急調査) ・生産農業所得統計、漁業生産額【農業災害補償制度】
・作物統計調査（共済減収調査）【野菜・果樹の生産出荷安定対策】
・青果物卸売市場調査需給安定対策等、施策の発動基準
緊急需給調整の実施時期等の判断に青果物 の卸売数量・卸売価格を利用 国が補填する損害の額の審査・認定の基礎 に作物の減収量・単収等を利用 融資の発動基準の１つとして作物の被害 面積・被害見込金額を利用 激甚災害の指定に農業・漁業所得推定額 を使用【食料自給率】
・作物統計調査、畜産物流通調査、 牛乳乳製品統計調査 等【水産基本計画】
・漁業センサス、漁業就業動向調査、 海面漁業生産統計調査【食料・農業・農村基本計画】
・作物統計調査、畜産統計調査、畜産物流通調査、 農業経営統計調査 ・農林業センサス、農業構造動態調査、 集落営農実態調査、新規就農者調査 ・農業・農村の６次産業化総合調査政策目標の設定と評価根拠
生産数量目標の算定・達成状況の確認に耕地面積、 作物の作付面積・単収・収穫量、と畜頭数等を利用 経営・構造対策、労働力対策に主副業別農家数、集 落営農数等を利用【森林・林業基本計画】
・木材統計調査【米穀の需給見通し】
・作物統計調査 生産数量目標の算定に水稲の単収、収穫量等を利用 林産物の需給計画の策定に素材入荷量等を利用 漁業の生産構造と経営展望、自給率目標及び持続的 生産目標に漁業就業者数、漁獲量等を利用 自給率の算定に作物生産量、枝肉生産量、生乳生産 量等を利用 政策評価の指標に、農業者の経営の多角化による雇 用数、事業収入及び直売所の年間販売額等を利用国の財政支出の算定根拠
【畜産物価格対策】
・農業経営統計調査・牛乳乳製品統計調査 ・畜産統計調査 ・畜産物流通調査 加工原料乳生産者補給金単価の算定に生産費を 利用 限度数量の算定に飲用牛乳の生産量、乳用牛の 飼養頭数を利用 豚肉及び牛肉の上位安定価格、安定基準価格の 算出に枝肉卸売価格等を利用【野菜価格安定対策】
・青果物卸売市場調査 価格低落時に交付する生産者補給金の基準とな る保障基準額の算定に卸売数量・卸売価格を利 用【地方交付税】
・農林業センサス、農道整備状況調査、漁業センサ ス ・作物統計調査(被害応急調査) 基準財政需要額の算定に農家数、農業生産法 人、経営耕地面積、林野面積、漁業経営体数等 を利用 農作物の被害による特別財政需要額の算定に被 害見込金額等を利用【経営対策】
・農業経営統計調査、作物統計調査 各種交付金の算定に対象作物の生産費、単収を 利用 畜産は、生産費を利用【畜産物の生産出荷安定対策】
・畜産物流通調査 関税の緊急措置発動の際の輸入基準数量 の算出に豚のと畜頭数等を利用 市場介入の時期・数量の判断に豚・牛の と畜頭数を利用・総土地面積 ・耕地面積 ・森林面積 ・農業集落内での活動状況 等 ・法制上の地域指定 ・地域資源の保全、活用状況 等 ・農（林）家（経営体）数 ・農（林）業従事者数 ・販売金額 ・耕作放棄地面積 等 ・経営耕地面積 ・保有山林面積 ・農業経営組織別 等
Ⅲ 2015年農林業センサスの役割・見直し等
１ 農林業センサスの役割・位置づけ
農林業の生産構造及び就業構造等の実態、農山村地域の現状を把握し、農林業施策を推進
○ 食料・農業・農村基本計画
基本計画の企画・検討、農業構造 展望の策定等の基礎資料として活 用○ 森林・林業基本計画
基本計画の企画・検討、林業の体 質強化対策等の基礎資料として活 用○ 我が国の食と農林漁業の再
生方針・行動計画に基づく
農林業施策の推進に活用
○ 地方交付税算定
算定のための基礎資料として、農 家（経営体）数、森林面積等を利用○ 農山村地域の活性化対策
特定農山村地域、振興山村の指定 要件として、農林業従事者数、林野 面積を活用農林業施策の推進
○ 農業経営統計調査
農業経営の収支及び農産物の生産 費用の実態を明らかにする○ 作物統計調査
作物の作付面積等、生産の実態を 明らかにする○ 農業構造動態調査
農業の生産構造及び就業構造の変 化を明らかにする○ 新規就農者調査
農業経営体における新規就農者数、 農業への新規参入者数を明らかにす る○ 農業・農村の６次産業化総
合調査
農産物の直売や加工などの農業関 連事業による所得の向上、雇用確保 の状況を明らかにする農林業センサス
農林業経営体調査
農山村地域調査
農山村地域調査に関する母集団情報母集団とする主な調査
農林業経営体に関する母集団情報 農林業施策推進上、必要な調査項目 農林業施策推進上、必要な調査項目６
２ 農林業センサス見直しのポイント等
課 題
東日本大震災による影響
・被災地域における調査方法の検討 ・不測の事態に備えた情報インフラとしての機能強化効率的な調査方法の検討
・豪雪地帯など調査困難地域における調査手法の検討 ・調査員の受け持ち調査区の明確化農林業の基本構造の把握・政策ニーズへの対応
・農林業の基本構造の適確な把握 ・６次産業化など施策ニーズへの対応実査における困難性への対応
・個人情報保護意識の高まり （特に、個人の属性に関する事項や販売金額記入への 抵抗感） ・調査対象者の高齢化 ・調査票の内容が専門的で難解 ・インターネット申告の検討 ・不断のコスト削減統計委員会（内閣府）等からの指摘
対 応
東日本大震災による影響
・被災地の実態把握（調査前）・支援 ・調査員確保に向けた要請、広報 ・調査の準備・実査期間の拡大 ・激甚災害の発動基準となる生産農業所得統計の精度 向上に必要な調査項目の設定。（品目別作付面積）効率的な調査方法の検討
・調査票配布開始時期の前倒し ・国土地理院の地形図から詳細な住宅地図に変更農林業の基本構造の把握・政策ニーズへの対応
・調査対象者の確実な把握のため、行政記録情報等の 利用を一層推進 ・自営の直売所への出荷の有無（母集団情報）、女性世 帯員の経営方針決定への関わり等を新たに調査実査における困難性への対応
・効果的な広報による協力意識の醸成 ・経営者の氏名、住所の調査票からの削除 ・調査員による調査票記入の補助を可能に ・調査票の文言をより具体化、明確化統計委員会（内閣府）からの指摘
・インターネット申告の試験的導入（東海では各務原市） ・コスト削減のため、ＯＣＲ調査票（光学式文字読取）の 導入○ 概数値
平成27年11月
公表予定
○ 確定値
平成28年３月
公表予定
28年度の予定
□e-Stat掲載
□報告書刊行
公 表
７
１ 一般的な統計データでみた農業の現状
○ 販売農家・農業就業人口が10年間で３割減少。農業就業者の高齢化が進み、平均年齢は66歳。
○ 日本農業は衰退していくだけなのか。
Ⅳ 農業センサスでみる農業構造
経営耕地面積30a以上又は 年間販売金額50万円以上 経営耕地10a以上かつ年間 販売金額15万～50万円未満 耕地・耕作放棄地を5a～10a未満 かつ年間販売金額15万円未満 過去１年以上作付せず、再び 作付けする意志のない土地 （自己申告）8
資料：農林水産省統計部『農業センサス』 農業のみに従事又は他の仕事よ りも農業従事日数が多い世帯員対差
対比(％)
①販売農家
万戸
234
196
163
▲ 71 ▲ 30.2
②自給的農家
万戸
78
88
90
11
14.5
③総農家
（①＋②）万戸
312
285
253
▲ 59 ▲ 19.0
④土地持ち非農家
万戸
110
120
137
28
25.2
⑤１戸当たり経営耕地 ha
1.60
1.76
1.96
0.4
22.5
⑥耕作放棄地面積
千ha
343
386
396
53
15.5
⑦農業就業人口
万人
389
335
261
▲ 129 ▲ 33.0
⑧ 〃 平均年齢
歳
61.1
63.2
65.8
4.7
7.7
注：①１戸当たり経営耕地、⑦農業就業人口、⑧平均年齢は販売農家の結果。10年間の比較
区 分
単位 平成12年
17年
22年
① 一戸一法人は、農家が法人化したもの。
② 法人の組織経営体は、株式会社、農事組合、農協など。
③ 非法人の組織経営体は、法人化していない集落営農組織など。
④ 地方公共団体は、公共牧場、学校（学習田）など。
9
２ 農家と農業経営体の分類
専業農家
451,427第１種
兼業農家 224,610第２種
兼業農家
955,169主業農家
359,720準主業農家
388,883副業的農家
882,603自給的農家
896,742総農家
2,527,948
土地持ち非農家
1,374,160非法人の個人経営体
1,643,518 （外形基準の例） 露地野菜：15a以上 施設野菜：350㎡以上 果樹栽培面積：10a以上 搾乳牛：１頭以上 肥育牛：１頭以上 採卵鶏150羽以上 一戸一法人4,558法人
21,627非法人の組織経営体
13,602家族
経営体
1,648,076 地方公共団体・財産区 337組織
経営体
31,008
法人の組織経営体
17,069農家
農業経営体
① 販売農家＜家族経営体となるのは、家族経営体の一部に自
給的農家を含むため。（外形基準によるもの。）
② 専業農家＞主業農家となるのは、専業農家には年齢制限が
ないため。
販
売
農
家
○ 農家以外の農業事業体
○ 農業サービス事業体
2000年センサスにおいて、別途把握していた対象 組織経営体には、農協の育苗セン ター、公共牧場など大規模なものを含む ことに留意。 集落営農組織は、法人又は非法人の 組織経営体に含まれる。（分離不可能） ① 専業農家とは、世帯員の中に兼業従事 者が１人もいない農家。 ② 第１種兼業農家とは、農業所得を主とす る農家。 ③ 第２種兼業農家とは、農業所得を従とす る農家。 ④ 主業農家とは、農業所得が主で、１年間 に自営農業60日以上従事している65歳未 満の世帯員がいる農家。 ⑤ 準主業農家とは、農外所得が主で、１年 間に自営農業に従事している65歳未満の 世帯員がいる農家。 ⑥ 副業的農家とは、１年簡に自営農業に60 日以上従事している65歳未満の世帯員が いない農家。 ⑦ 販売農家とは、経営耕地面積が30ａ以 上又は農産物販売金額が50万円以上の 農家。 ⑧ 自給的農家とは、経営耕地面積が30ａ 未満かつ農産物販売金額が50万円未満の 農家。 ⑨ 土地持ち非農家とは、農家（経営耕地面 積10ａ以上又は農産物販売金額15万円以 上)以外で、耕地又は耕作放棄地を５ａ以上 所有している世帯。 ⑩ 農業経営体とは、農産物の生産を行うか 又は委託を受けて農作業を行い、生産又 は作業に係る面積・頭数が一定規模以上 の事業を行うもの。定義
1,631,206 １つの調査票からそれぞれの統計を作成 資料：農林水産省統計部『2010年世界農業センサス』 注 注：販売金額50万円に相当する規模。○ 戦後農業を支え続けてきた昭和１桁世代のリタイヤなどにより農家数が大きく減少。
○ 販売農家の減少は、耕地の貸付を伴って進行するため、農地の供給層の増加としての側面を持つ。
３ 販売農家から、自給的農家・土地持ち非農家へ
10
主業・準主業農家の共通する条件 は「65歳未満の農業従事者（60日以 上）」がいること。 このため、農業を主業としている農 家であっても、65歳に達した時点で 副業的農家に分類される。農家数等の推移
65歳未満の農 業従事日数60 日以上の者が いない。 農外所得が主 で、65歳未満の 農業従事日数 60日以上の者 がいる。 農業所得が主 で、65歳未満の 農業従事日数 60日以上の者 がいる。 ■販売農家の減少事例 ① 所有する耕地の一部を他の農家や組織に貸し出し、経営耕地が30a未 満になった場合。→自給的農家又は土地持ち非農家へ ② 経営耕地25aの農家が、作付けを減らし、販売金額が50万円未満になっ た場合。→自給的農家へ ■土地持ち非農家の増加事例 ③ 自給的農家が、農地の一部を農家や組織に貸し出し、経営耕地が10a 未満になった場合。農業集落内での寄り合いの議題（平成22年）
寄り合いを実施した農業集落は全体（14万）の９割。 農村においては、文化や伝統、景観・環境の保全など 様々な取組が行われており、これらには、自給的農家 や土地持ち非農家も参加。 資料：農林水産省統計部『農林業センサス』 資料：農林水産省統計部『2010年世界農林業センサス』1１
４ 耕作放棄地の増加が鈍化の傾向
○ 耕作放棄地面積は滋賀県の総面積に相当する。近年、増加率が鈍化の傾向。
○ 耕作放棄地の半分は、土地持ち非農家が所有。
６１万世帯・ 1世帯当たり 30アール ３４万戸・ １戸当たり 27アール 42万戸・ １戸当たり 30アール１ 耕作放棄地面積（所有者別）
販売農家の耕作放棄地面積が減っている のは、耕作放棄地を持ったまま、自給的農 家や土地持ち非農家に移行したため。 増減要因は、このほかにも①新たに耕作を 放棄した場合（増加）、②耕作放棄地が完全 に非耕地化（木が生えるなど荒れ地化）した り、宅地等になった場合（減少）などがある。 販売農家の耕作放棄 地の43％が田、43％が 畑、14％が樹園地。 資料：農林水産省統計部『農林業センサス』 耕作放棄地とは、「以前耕作してい た土地で、過去１年以上作物を作付 （肥培管理）していない土地のうち、こ の数年間の間に再び作付する考えの ない土地をいう。（すでに原野となって いる土地は含めない。）２ 耕作放棄地率・面積
（平成22年）
注：耕作放棄地率＝A÷（A＋B）×100 A＝（総農家及び土地持ち非農家の耕作放棄地面積） B＝（総農家及び土地持ち非農家、組織の経営耕地面積） 土地持ち非農家の経営耕地は所有耕地－貸付耕地で算出 17年差 1 長崎 24.3 ▲ 2.2 11,742 2 山梨 23.2 0.8 5,785 3 愛媛 21.0 2.4 10,417 4 広島 20.8 1.7 11,325 5 群馬 20.6 0.5 13,901 6 静岡 19.2 1.3 12,494 7 奈良 18.5 0.4 3,595 8 山口 18.4 1.9 8,169 9 岡山 17.6 1.3 11,076 10 島根 17.6 0.7 6,629 11 香川 16.9 1.9 5,156 12 長野 16.7 0.3 17,146 13 埼玉 16.4 0.4 12,395 14 大分 16.3 1.0 8,374 15 徳島 16.1 0.6 4,464 16 千葉 16.0 0.9 17,963 17 高知 15.9 0.7 3,919 18 福島 15.0 0.5 22,394 19 石川 14.6 0.4 6,095 20 神奈川 14.6 0.8 2,588 21 大阪 14.3 0.3 1,665 22 和歌山 14.0 2.1 4,228 23 茨城 13.9 0.6 21,120 24 東京 13.7 ▲ 0.4 991 25 三重 12.7 0.4 7,223 順位 区分 率(％) 面積(ha)12
５ 農業就業人口は、減少しながら高齢化
○ 65歳未満の農業就業人口は、20年前に比べて７割減少。高齢者が農業生産を支える構造が一層進展。
○ 一方で、組織経営体の労働力が増加し、56万人。新規就農者は５年間で34万人。
農業就業人口の推移（販売農家）
組織経営体の労働力
新規就農者
農業就業人口とは、①過去１年間に農業のみ に従事した世帯員、②農業と兼業（会社勤務、自 営業など）の両方に従事した場合は、農業に従 事した日数の方が多い世帯員の数。 会社勤めしながら土日に農業をする人は含ま ない。（農業従事者としてカウント） 販売農家の農業就業 人口が減少する一方、 組織経営体の役員・構 成員に常雇い・臨時雇 いを加えた労働力は56 万人で、17年に比べて 14万人増加。 また、新規自営農業 就農者や新規雇用就 農、新規参入を合わせ た新規就農者は５年間 で34万人。 資料：農林水産省統計部『農林業センサス』 資料：農林水産省統計部『農林業センサス』、『新規就農者調査』 新規自営農業就業者 のうち、半分程度は60 歳未満。 新規雇用就農者は、 非農家出身が８割。 また、女性が３割を占 める。13
○ 戦後農業を支え続けてきた世代のリタイヤに伴い、集落営農組織や意欲のある担い手が耕地を借入。
○ 耕地を貸し付けたことによって、販売農家が自給的農家、土地持ち非農家に移行。
６ 耕地の貸し借りと農家・組織数の増減
平成
22年と17年との比較
注：組織の経営体数は販売なしを除く。 ここに多くの 農地が集積さ れている。 借入耕地、経 営耕地の増加 が最も多い。 戸数及び経営 耕地の減少が最 も多い。その中 で、借入耕地が 増加しているの は、規模拡大す る農家があるた め。 貸付耕地の増加 が最も多い。 資料：農林水産省統計部『農林業センサス』14
○ 農家の経営耕地が25万ha減少、組織経営体の経営耕地は19万ha増加。
○ 販売農家の経営耕地が減る中で借入面積が増加。これは規模拡大を行っている販売農家があるため。
７ 農家の経営耕地面積減少分の８割が組織経営体へ
田の借入耕地 は１割増加 差分６万haの行方 耕作放棄地の増加は１ 万haなので、多くは、宅地・ 道路など非耕地に転用さ れたと考えられる。 資料：農林水産省統計部『農林業センサス』経営耕地（農家）
農家の経営耕地面積は 全体で25万ha減少。 減少したのは主に田。経営耕地（組織経営体）
組織の経営耕地面積は全 体で19万ha増加。 これは、主に農家の田を 借り入れたため。0 3000 6000 9000 12000 15000
19
21
23
25
27
（集落営農） 非法人 法人 平成 17年○ 稲作を主とする（販売金額の６割以上）組織が５年間で３倍に増加。
○ 平成22年の集落営農組織の構成農家数は54万戸。
（土地持ち非農家も多く含まれると推定）
８ 「稲作」の組織経営体が増加
参考：集落営農数の推移
0 5000 10000 15000 20000 17年 22年 稲作 その他 （その他の部門 及び複合経営） （経営体） 野菜 花き・花木 畜産 組織経営体の多くは集落 営農組織や畜産、花き、野 菜作の会社。 総じて大規模。集落営農を構成する農業集落割合（
27年）
部門別の組織経営体数
（農産物の販売があるもの）
組織経営体とは、複数の個人又は 世帯が共同で農業を営むもの。 （ここでは、農作業の受託のみを行う など、農産物販売なしを除いた。） 佐賀県は、集落営農の活動エリ アが全農業集落の７割。 集落営農とは、集落内の過半の農家 がまとまりを持った営農を行うもの。（農 地の利用調整、機械の利用計画、栽培 方法、役員の選出等の合意のもとに行う 営農であり、農産物販売なしもある。）15
平成22年（法人を含む） 経営耕地面積37万ha 構成農家数54万戸 構成集落数27千農業集落 販売金額 が６割以上 の部門 資料：農林水産省統計部『農林業センサス』 資料：農林水産省統計部『集落営農実態調査』 割合 （％） 1 佐 賀 1,935 1,360 70 2 滋 賀 1,549 911 59 3 宮 城 2,644 1,429 54 4 福 井 1,818 948 52 5 香 川 3,179 1,642 52 6 富 山 2,220 1,073 48 7 山 形 2,725 1,300 48 8 福 岡 3,461 1,592 46 9 岩 手 3,615 1,448 40 10 秋 田 2,765 986 36 11 京 都 1,693 593 35 12 長 野 4,736 1,479 31 13 大 分 3,313 1,001 30 14 岐 阜 3,118 892 29 15 広 島 5,258 1,378 26 16 兵 庫 3,745 953 25 17 鳥 取 1,626 413 25 18 青 森 1,785 400 22 19 熊 本 4,208 938 22 20 三 重 2,109 430 20 区 分 農業 集落計 集落営農を 構成する 農業集落 順 位-12 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 ～１ 2 3 4 5 7 10 20 30 50 100 100 （万ha） 1ha 未満 100ha 以上
5ha以上層で増加
販 売 農 家 組 織 経 営 体 -5000 0 5000 10000 15000 20000 25000 山口 愛知 群馬 石川 埼玉 三重 岐阜 千葉 滋賀 福井 長野 鹿児島 熊本 福島 富山 青森 栃木 茨城 福岡 岩手 山形 宮城 新潟 秋田 佐賀 （ha） 農家 組織９ 経営耕地の増加は５ha以上層
○ 農地を集約する大規模経営体。農地供給源となっているのは小規模農家。
○ 5ha以上の面積が最も多く増加したのは集落営農が進んだ佐賀県。
１ 経営耕地面積規模別の耕地面積の増減
２ 大規模化が進んでいる県
（経営耕地５ha以上面積を17年と比較・都府県） 経営耕地面積の増減の背景には、①出し手となる、高齢・小規模農家 のリタイヤ、②受け手となる集落営農組織の設立、③意欲のある大規模 農家の規模拡大などがある。（農地の出し手が安心して農地を貸し出せ る環境づくり（施策）の影響も大。） 規模拡大を担っているの は、組織を中心とした佐賀、 岩手、山形などと、農家中 心の千葉、愛知などがあ る。（増加）
（減少）
16
資料：農林水産省統計部『農林業センサス』 （平成22年と17年の比較） （上位25県） ① ⑤ ⑩ ⑮ ⑳ ㉕10 経営体の６％が５割の耕地を利用
○ ５ha以上の経営体の利用面積は、北海道がほぼ10割、都府県は３割。
○ 全国平均は５割であるが、都府県でこの水準に達しているのは２県のみ
。
（北海道の影響が大きいため。）
１ 経営耕地の集積状況（平成
22年）
２ 経営耕地５ha以上経営体の面積シェア
（上位25県、平成22年）
北海道は、全国の経営耕 地の３割を占め、全国平均 に与える影響が大きい。 北海道を除く「都府県」で は、５ｈａ以上の面積シェア は３割。全
国
北
海
道
17
資料：農林水産省統計部『2010年世界農林業センサス』 0% 20% 40% 60% 80% 100% 経営耕地 経営体 5ha以上 1～5 1ha未満 組織 5ha以上（10万経営体） （64万経営体） （93万経営体）（187万ha） （124万ha） （52万ha）
（168万経営体） （363万ha） 0% 20% 40% 60% 80% 100% 経営耕地 経営体 5ha以上 1～5 1ha未満 組織 5ha以上 （34千経営体） （8千） （104万ha） （47千経営体） （107万ha） （5千） 0% 20% 40% 60% 80% 100% 経営耕地 経営体 5ha以上 1～5 1ha未満 組織 5ha以上（7万経営体） （64万経営体） （93万経営体）
（82万ha） （122万ha） （52万ha）
（163万経営体）
（256万ha）
都
府
１ 販売金額１位部門別農家数の比較
11 大きく減少しているのは稲作農家・販売なしの農家
○ 販売農家の減少数33万戸の７割は「水稲農家と販売なし」の農家。
○ 他の部門の減少は少ない。
○ 規模拡大等があるため、農家の減少イコール、作付面積、生産量の減少ではない。
２ 農家数の減少が大きい上位５県
佐賀県の水稲農家の大幅な減少は、集落営農の推進のため。 （集落営農数323→653 構成農家13千戸（18年）→25千戸） 北海道の工芸農作物は、砂糖の原料となるてんさいが主。（面積は▲７％） 規模拡大等があるため、農家数の減少がそのまま面積、生産量の減少 になっているわけではない。 例 ①水稲作付面積▲５％ ②工芸農作物作付面積▲６％ ③ 野菜作付（延べ）面積（露地、施設計）▲３％ ④ 肉用牛（枝肉）生産量＋３％ ⑤豚（枝肉）生産量＋４％18
資料：農林水産省統計部『農林業センサス』（販売農家、平成22年と17年の比較）
（平成22年と17年の比較）
農 家 数 単位：戸、％ 区分 全国 新潟 秋田 宮城 佐賀 山形 農家数 ▲174,310 ▲ 13,465 ▲ 12,475 ▲ 11,734 ▲ 10,305 ▲ 9,736 減少率 ▲ 17 ▲ 19 ▲ 24 ▲ 24 ▲ 58 ▲ 30 区分 全国 静岡 北海道 鹿児島 沖縄 岩手 農家数 ▲ 15,842 ▲ 3,533 ▲ 1,519 ▲ 1,505 ▲ 1,251 ▲ 832 減少率 ▲ 24 ▲ 25 ▲ 51 ▲ 16 ▲ 13 ▲ 30 区分 全国 長野 愛媛 山梨 青森 和歌山 農家数 ▲ 16,511 ▲ 1,555 ▲ 1,488 ▲ 1,367 ▲ 1,317 ▲ 1,249 減少率 ▲ 9 ▲ 8 ▲ 11 ▲ 10 ▲ 9 ▲ 9 区分 全国 千葉 長野 静岡 愛知 埼玉 農家数 ▲ 5,793 ▲ 509 ▲ 507 ▲ 504 ▲ 458 ▲ 301 減少率 ▲ 13 ▲ 19 ▲ 19 ▲ 18 ▲ 11 ▲ 14 区分 全国 鹿児島 宮崎 長崎 岩手 大分 農家数 ▲ 7,507 ▲ 2,217 ▲ 1,392 ▲ 521 ▲ 414 ▲ 414 減少率 ▲ 16 ▲ 21 ▲ 17 ▲ 17 ▲ 10 ▲ 28 区分 全国 北海道 岩手 千葉 群馬 熊本 農家数 ▲ 5,379 ▲ 1,009 ▲ 343 ▲ 297 ▲ 248 ▲ 214 減少率 ▲ 22 ▲ 12 ▲ 22 ▲ 27 ▲ 27 ▲ 24 区分 全国 宮崎 鹿児島 茨城 群馬 千葉 農家数 ▲ 1,485 ▲ 140 ▲ 133 ▲ 132 ▲ 102 ▲ 86 減少率 ▲ 30 ▲ 32 ▲ 29 ▲ 30 ▲ 29 ▲ 27 養 豚 稲 作 工 芸 果 樹 花 き ･ 花 木 肉 用 牛 酪 農12 稲作は小規模作付農家が圧倒的に多い
○ 水稲作付（販売目的）農家のうち、７割は１ha未満の作付農家。
○ この規模の稲作では所得が発生しにくく、多くは赤字と考えられる。
○ 一方、水田作20ha以上（麦、大豆などを含む延べ面積）の作付では、農業所得が1,297万円。
（補助金等受取金を含む。） 小規模な稲作が継続されているのは、①機械化や委託により、 土日農業が可能なこと、②自作地を維持したいという考えがあるこ と、③兼業収入がある、などのため。１ 水稲作付面積規模別の経営体数
３ 水稲作付面積規模別の農家数・所得
19
資料：農林水産省統計部『農林業センサス』、『平成２２年営農類型別経営統計』 水稲作付 農家数 同左 シェア 年金等 収入 農外 所得等 農業 所得 総所得 戸 ％ 万円 万円 万円 万円 0.5ha未満 490,210 42.3 240 126 ▲12 355 0.5～1.0 354,224 30.6 212 246 ▲ 2 457 1.0～2.0 191,112 16.5 206 182 49 437 2.0～3.0 54,947 4.7 152 203 109 464 3.0～5.0 37,844 3.3 113 190 206 540 5.0～7.0 100 160 281 541 7.0～10.0 92 171 458 721 10.0～15.0 5,498 0.5 67 101 666 834 15.0～20.0 53 141 916 1,109 20.0ha以上 59 182 1,297 1,537 3,035 0.3 農業センサス 農業経営統計（個別経営） 区 分 22,412 1.9 注：経営統計の面積区分は、水田作の作付延べ面積による。（平成22年と17年の比較）
0 10 20 30 40 50 0.1ha 未満 0.1 ～0.3 0.3 ～0.5 0.5 ～１ １ ～2 2 ～3 3 ～5 5 ～10 10 ～15 15ha 以上 （万経営体） 平成22年 17年２ 水稲作付面積規模別の面積割合（農業経営体）
資料：農林水産省統計部『農林業センサス』 222（平成
22年）
（平成
22年）
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 単一経営 準単一経営 複合 経営158 畜産 耕種 花 き ・花 木 養鶏 肉用牛 養豚 酪農 工 芸 農 作 物 施 設 野 菜 そ の 他 稲 が 首 位 部 門 そ の 他 酪 農 が 首 位 部 門 首 位 部 門 が ６ 割 未 満 （経営体） （5,002） （3,868） （1,134） （1,042） （1,007） （910） （814） （272） （190） 稲 作 417 （85） （120） （467） （83） （79） （255）
13 経営体の３％が農産物販売総額の５割をシェア
○ 経営体数の６割は販売金額100万円未満の経営体。
○ 一方、販売金額シェアは、2,000万円以上の経営体が５割を占める。
○ 販売金額１億円以上の経営体の部門は、７割が単一経営の畜産。 耕種は花き・花木が多い。
１ 販売金額規模別の経営体数・販売金額
２ 販売金額１億円以上の経営体
このグラフのデータは、公表されている販売金額規模別経営体数に、そ れぞれの階層の中央値を乗じて販売金額を試算したもの。 経営体数の販売金額規模別分布と、販売金額の分布は「形」が異なる。 販売金額が１億円以上の経営体は5,577経営体。 このうち７割は、畜産の単一経営体。 耕種は全体の２割で、花き・花木、施設野菜が多い。 花き・花木１億円以上の経営体が最も多いのは愛知県（32経営 体）、施設野菜は静岡県の22経営体、工芸農作物は静岡県の23 経営体、稲作は山形県の22経営体。20
資料：農林水産省統計部『2010年世界農林業センサス』 経営体数の６割（平成
22年）
（平成
22年）
0 1 2 3 4 5 6 7 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 17年結果を５年後に平行移動 増加した部分 減少した部分 17年 22年 （灰色） （万人） 0 1 2 3 4 5 6 7 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 17年結果を５年後に平行移動 増加した部分 減少した部分 （灰色） 17年 22年 （万人）
14 農業就業人口の減少は６０歳代後半から
男
女
農業就業人口の変化（増減はコーホート法）
○ １歳きざみでみたリアルな統計。高齢化による減少と退職帰農による増加が明らか。
○ 男は70歳代から減少しているが、代替りするはずの40～50代の増加が現れない。
-30 -15 0 15 20歳 30 40 50 60 70 80 90 99 （千人） 70歳代から減少 50歳代後半から増加 -30 -15 0 15 20歳 30 40 50 60 70 80 90 99 （千人） 60歳代後半から減少 資料：農林水産省統計部『農林業センサス』21
15 若い農業就業者が多いのは酪農
○ 畜産、施設野菜、花き・花木を主とする農家は世代交代が進んでおり、65歳未満の就業者の割合が高い。
○ 一方、稲作は65歳未満割合が３割で、高齢化が最も進んでいる部門。また、販売なしの農家は２割。
１ 部門別にみた65歳未満割合
２ 高齢化が進んでいる県（農業就業人口）
22
（農業就業人口、平成
22年）
６５歳未満割合が高いの は、世代交代した農家、親 子で就業している農家が多 いことが考えられる。 稲作単一経営農家は98万戸 で、全農家の４割を占める。 資料：農林水産省統計部『2010年世界農林業センサス』 順位 区 分 農業就業人口の平均年齢 65歳以上の割合 1 広島 70.4 75.7 2 山口 70.3 75.6 3 島根 70.1 74.4 4 岡山 69.9 75.0 5 福井 69.4 75.1 6 岐阜 69.4 73.0 7 三重 69.3 73.8 8 香川 69.1 71.3 9 奈良 68.7 69.4 10 富山 68.5 72.9 11 滋賀 68.4 72.2 12 京都 68.3 69.7 13 鳥取 68.3 68.7 14 山梨 67.8 66.6 15 兵庫 67.8 68.4 16 大分 67.7 68.1 17 石川 67.6 69.4 18 愛媛 66.9 64.3 19 福島 66.8 63.9 20 長野 66.8 66.9 21 静岡 66.8 62.5 22 埼玉 66.4 62.1 23 新潟 66.4 65.6 24 岩手 66.3 63.5 25 群馬 65.9 61.4単
一
経
営
農
家
（
首
位
部
門
の
販
売
金
額
が
全
体
の
８
割
以
上
）
注：複合経営は、首位部門の農産物販売金が全体の６割未満、準単一経営は、首位部門の農産物販売金額が６割以上８割未満の農家。２
16 東日本大震災被災地域における農林業センサス
福島農政事務所
平成
23年３月30日撮影
23
○被災地域における調査手法等の検討・対応
転居や避難等大幅な住所移動がある中での調査候補名簿の整備、調
査員の確保等
○情報インフラとしての機能強化への対応
激甚災害の発動基準となる生産農業所得統計を中心に市町村別統計
の充実に向けた対応等
26
農地の除染（反転耕）
農地の除染（ゼオライト散布）
Ⅴ 東海３県の農業、流通の特徴（例）
１ 愛知県は国内最大の花き産地
26
単位：億円 シェア 順位 きく 654 213 33% １位 洋らん（鉢） 311 63 20% １位 バラ 187 25 13% １位 花木類（鉢） 179 61 34% １位 シクラメン（鉢） 92 10 11% ２位 品目 全国 愛知県花きの農業産出額（平成25年）
主な品目の農業産出額（平成
25年）
0 2 4 6 8 10 0 3 6 9 平成 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 切り花（14年） （ 切 り 花 ） （ 鉢 も の 類 ・ 花 壇 用 苗 も の 類 ） 花壇用苗もの類（12年） 鉢もの類（16年） （億本） （1000万本・鉢） ４年出荷量の推移（愛知県）
○ 愛知県のきく、鉢（花木類）の産出額の全国シェアは３割以上。
○ 出荷量はバブル以後も増加。これは、①高級花から低価格商品への転換（カジュアルフラワー）、②大阪花博
開催によるガーデニングブーム、③ホームセンターや百均での取り扱い増などが要因として考えられる。
資料：農林水産省統計部『生産農業所得統計』、『花き調査』 0 100 200 300 400 500 600 愛 知 千葉 福岡 埼玉 静岡 長野 茨城 鹿児 島 北 海 道 熊 本 新潟 沖縄 長崎 福島 宮崎 岐阜 三重 （億円） ① ⑤ ⑩ ⑮ ⑰ ㉓ その他 きく 切り花の出荷量（愛知県）２ 愛知県のきくは高値で取引
27
○ 切り花の輸入量が15年間で３倍（全国）。これは主にマレーシアからのきくの輸入（主にスプレイぎく）増による。
○ 卸売価格をみると、愛知県産は輪ぎく、スプレイぎく、小ぎくのいずれも他県産及び輸入品価格を上回る。
資料：財務省『貿易統計』、東京都中央卸売市場『市場統計情報』花きの輸入量の推移（全国）
きくの国別輸入量割合（全国）
きくの卸売価格（円
/本）
（平成26年） 注：東京都中央卸売市場における卸売価格３ 販売金額と後継者の関係（東海３県）
後継者の状況
（花き・花木の単一経営農家、平成
22年）
○ 花き・花木の単一経営農家は、販売額1,000万円以上農家割合が５１％。（参考：水稲は0.6％）
○ 販売額が大きいほど、あとつぎがいる割合が高い。
28
経営体の所得
（花き・花木の単一経営、平成
22年）
資料：農林水産省統計部『2010年世界農林業センサス』（東海農政局による組替集計、『花き調査』花きの出荷量（平成
25年）
単位：千本、千鉢 順位 切り花 出荷量 うち、きく 鉢もの 出荷量 花壇用苗 出荷量 1 愛知 642,800 465,600 愛知 59,600 愛知 64,300 2 福岡 240,900 106,800 埼玉 27,200 千葉 59,800 3 静岡 206,700 48,400 岐阜 20,300 埼玉 54,500 4 千葉 206,100 8,070 静岡 14,400 福岡 36,500 5 鹿児島 193,300 103,000 新潟 11,000 奈良 32,900 6 長野 190,900 35,900 茨城 10,400 神奈川 29,600 7 和歌山 151,300 17,300 千葉 9,910 兵庫 28,800 8 熊本 140,000 26,900 福岡 8,760 茨城 23,300 9 北海道 129,200 6,830 長野 8,690 三重 23,200 10 長崎 110,400 70,500 三重 7,250 岐阜 19,400 11 茨城 101,400 31,700 青森 4,850 静岡 17,900 12 宮崎 85,200 15,200 群馬 4,770 群馬 17,800 13 岩手 82,800 26,300 栃木 4,570 鹿児島 17,800 14 埼玉 80,800 3,780 福島 4,000 宮崎 17,200 15 兵庫 70,900 12,600 北海道 3,960 栃木 15,500 16 東京 70,000 680 熊本 3,720 佐賀 15,500 17 大分 69,800 31,800 神奈川 3,090 東京 15,300 18 山形 68,700 5,390 山梨 3,080 北海道 15,100 19 高知 66,500 3,320 鹿児島 3,040 山口 14,300 20 奈良 65,600 44,700 佐賀 2,580 広島 14,000 21 福島 64,600 28,100 宮崎 2,430 山梨 13,500 22 栃木 61,800 35,900 東京 2,420 熊本 12,700 23 新潟 49,400 3,670 山形 1,870 長野 12,500 24 群馬 48,900 16,600 宮城 1,510 山形 11,800 25 香川 43,900 18,700 愛媛 1,470 福島 11,40029
４ 愛知県のキャベツ
0 20 40 60 80 100 120 140 0 1 2 3 4 5 6 １月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 愛知 千葉 神奈川 群馬 茨城 その他 （万ｔ） （ 卸 売 数 量 ） （ １ キ ロ グ ラ ム 当 た り 価 格 ） （円） １kg当たり価格（H22年～H24年平均） （H19-21） 関東 近畿 東海 その他 ５か年平均 23万3,216ｔ （100％） （46） （21） （19） （14）〔消費地域別の愛知県産割合〕
関東地域の卸売数量・価格（キャベツ計）
資料：農林水産省統計部『青果物卸産地別卸売統計』冬キャベツの県別出荷量割合
注：卸売数量は平成20～24年平均○ 愛知県の冬キャベツの出荷量は、全国の35％を占めて全国第１位。
○ 田原市、豊橋市で９割超を生産。
○ 関東地域における産地別卸売数量をみると、愛知県産の出荷時期である春先に高値となっている。
30
５ 岐阜県のほうれんそう
○ 岐阜県のほうれんそうの出荷量の全国シェアは５％で、全国第６位。
○ 高山市では冷涼な気候を活かした栽培が盛んであり、県内の出荷量の８割を占める。
○ 関東地域の産地別出荷量の推移をみると、岐阜県産の主な出荷時期である夏場を中心に高値となっている。
0 300 600 900 0 5 10 15 20 25 １月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 岐阜 徳島 福岡 奈良 大阪 その他 （100ｔ） （ 卸 売 数 量 ） （ １ キ ロ グ ラ ム 当 た り 価 格 ） （円） １kg当たり価格（平成２２年～24年平 （H19-21） 近畿 東海 ５か年平均 9,366ｔ （100％） （51） （36） （8） （6）〔消費地域別の岐阜県産割合〕
北陸 その他近畿地域の卸売数量・価格
資料：農林水産省統計部『青果物産地別卸売統計』ほうれんそうの県別出荷量割合
注：卸売数量は平成20～24年平均33
６ 青果物の卸売数量（東海の主要６市場）
○ 野菜の品目別卸売数量を10年前と比較すると、キャベツ、レタス以外の野菜は減少。
○ 果実は各品目で減少しているが、中でもバナナは７割、メロンは５割、みかんは４割それぞれ減少。
○ これは、消費の減少及び市場外流通量の増加のため。
野菜（全国）
果実（全国）
卸売数量の増減（野菜）
卸売数量の増減（果実）
一人当たり年間購入数量の増減（全国）
資料：農林水産省統計部『青果物産地別卸売統計』、『卸売市場データ集』（食糧需給表、青果物卸売市場調査結果により推計）、総務省『家計調査』 注：市場外流通量は、野菜の輸入加工品、輸入果汁などを含む。（市場経由量は生鮮品のみ。）31
Ⅵ 東海農業情報マップ・東海農業情報プロファイル
１ 東海農業情報マップとは
認定農業者のいる 農業経営体数（東海３県） 資料：農林水産省統計部『2010年世界農林業センサス』 注：１ データは属人による。 ２ 農業集落ごとに表現した。 ３ 2010年2月1日現在の市(区)町村により作成。 資料：農林水産省経営局『農業経営改善計画の営農類型別認定状況』 注：単一経営は、農産物販売金額のうち首位部門の販売金額が８割以上。 ここでいう複合経営は、同販売金額が８割未満。 (単位：経営体) 10以上 5～10未満 1～ 5未満 0 農業経営体なし 作付（栽培）状況からみた地域の特徴 作付率が都府県の２倍以上の部門 -資料：農林水産省統計部『2010世界農林業センサス』 注：１ 「２倍以上」部門が複数存在する場合は、作付率が最も高い部門 を表示した。 ２ 花きは表示していない。 ３ 2010年2月1日現在の市(区)町村により作成。 ４ 旧市区町村ごとに表現した。 野 菜 茶 等 麦 類 そば等 みかん等 その他 雑穀（そば等） 工芸農作物（茶等） 果樹 野菜 豆類 麦類 水稲（特化部門なし） (単位：ha) 5.0以上 3.0～5.0未満 1.0～3.0未満 0.5～1.0未満 0.5未満 耕地なし 東海農政局 統計部 耕作放棄地面積（東海3県）
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２ マップの例
３ 東海農業情報プロファイルとは
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４ 農家編の例
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５ 農業経営体編の例
Ⅶ ホームページのご案内
データ利用が可能 農業センサスはここ
