溶 液法埜光 Ⅹ線分析 に よ るウ ラン ,ジル コ ニ ウム,イ ッ トリウム,ス トロンチ ウ ムの定 量
奥 野 孝 晴*
Fl uor es c entX‑ r aySpect r omet r i cDet er mi nat i on ofUr ani um,Zi r coni um,Yt t r i um andSt r ont i um i nSol ut i on
要 旨
ウラン鉱床の成因およびウラン鉱物の生成状況を解明す るた め に は,ウラン含 有 量 と同時 に, ジルコニウム, イットリウム,ス トロンチウムなどの含有量の多少 を知 る ことが,人形峠 周辺の鉱床の研究過程において重要 となった. これ ら諸元素の定量 をかな りの精度で微量の場 合にまで迅速に行 な うため,溶液法による蛍光 Ⅹ線分析法 を検討 した.
試料は細粉 としたのち,王水 などの強酸で分解 し,残 りはロ過除 去 しての ち,濃縮 して一定 容 となし,その一部をあ らたに試作 した液体試料保持 台 (内容積
1 ・ 8m
1,液層の厚 さ2・ 5 mm)
に入れて測定を行 な う.タングステン管球を用い,4 5 KV,22 mA
の条件で,理学電機製の装置 (結晶は LiF)を用い,固定計数法によって各蛍光 Ⅹ線 (ULα,ZrKα,SrKα,YEα)の強度 を計測す る.各元素の標準溶液について,最適の 角度,バ ックダウラン ド値,強 度 と濃 度 の関係 を検討 し,比較的低濃度
( 2 0
〃′g/ml前後)まで,検量線の直線性によって,精度 よ く定 量 し得 ること を知 った. さらにこれ ら諸元素の混合溶液について も検討 し,ZrKα に対する ウランおよび ス トロンチウムの影響, さらに共存元素 として含有量の多い鉄の影響をしらべ,蛍光 Ⅹ線 法 によ り定量 した鉄の存在量による諸元素の測定値に対す る補正を検討 した.以上の諸検討に もとずいて,本法の迅速性を活用 し,実際の各種試料について諸元素の定量 を行ない,興味ある結果 を得 られ ることを知 った.
1 緒 言
岡山,鳥取両県にまたが る人形峠地区,東 郷地区の堆積型 ウラン鉱床の鉱石について粉 末による蛍光 Ⅹ線分析を行 ない,ウランに伴 って通常 ジルコニウム,イットリウム,ス ト ロンチウムが含有 されていることを知 った.
また, ウラン鉱床の賦存位置や変質の程度 ま たはウラン鉱物の生成状況の差に従 って,各 元素の含有量に差異がみとめ られた. この問 題をさらに追究 してゆ くために,これ ら諸元 素の定量をかな りの精度で迅速に行 な う必要 が生 じた.粉末法による定量が一般に行なわ
* 岡 山大学温泉研究所受託研究員 ,原子燃料公社職員
1 2
奥 野れて い るが1),粉末法 で は試 料 の粒 度 お よび 試 料容器中での試 料の密度 ,表面 状態 に関連
して生 ず る誤差 が大 き く,精 度 と定 量限界に 一定 の限定が あ る. さ らに同地 区の ウ ラン鉱 物 に主 として伴 な うとみ られ るこれ らの元素 が比較的髄 で潜 出 し易 く溶液 とす ることが簡 単で あ ることか ら,粉末法 の欠点 を除去 し得
る溶液法2)3)4)を採用 した.
2
装置および測定傭 件 と試料理学電機製の蛍光 Ⅹ線分析装置 を使 用 し, 一次 Ⅹ線用 に
Ma c hl e t tOEG‑ 5 0
タングス テン管球,分光用 に
Li F
平面結 晶,計数 管 は シンテ レ‑ シ ョン計数管 を用 いた.測定条件 は管球4 5 KV‑ 2 2 mA,pa l s ehe i ghtana l y z e r
のgai n6 4 ‑ 1 0,bas el i ne2 0 V,P. H. A.
はI nt e gr a l
で使用,計数管位 置1 6 . 5 c m
とした.第1図 に示 す よ うに装置 は入力後安定 までに 約
2 0
分 を要 し, その後 は少 な くと も数 時間 はl / l 。 %
孝 晴
良 好 に安定性 が保 たれ てい る.計測 は装置 の 安定後,各 測 定 角 度 に つ き
1 0 0
秒 のf i xe d t i me
で行 な った.液 体試 料容器 は粉 末試 料容器 を利用 して, 新 たに試 作 した (第
2
図).容器 の容量 は1 . 9 ml
で溶液層 の厚 さは2. 5 mm
で あ る.測定 角度 は鉄, ス トロンチ ウム, イ ッ トリ ウム, ジル コニウムにつ いて はそのKα線 , ウランについ てはLα線 の強度 が最大 に な る よ うなつ ぎの角度 (2β) を そ れ ぞ れ え らん ど.
Fe 5 70 351 U 2 60 1 0′
Sr 250 1 1′
Y 2 30 5 1′
Zr 2 20 3 4′
なお実験 に使 用 した各元 素 の標準溶液 はそ れ ぞれ,硝 酸 ス トロンチ ウム (石 津 製 薬 特
0 3 6 1 8 21 25 3 0 60 3 00
Imi【I試料
‥5 0 0 pgY
/mi, 27015′の′ヾツクグラウンド強度の時間による変化 Io:計器に入力後6 0
分 の値( 1 7 1 1 3 7 c o unt / 1 0 0 s e c )
第 1図 計 器 安 定 時 間
級),オキシ塩 化 ジル コニウム (関東化学特 級),酸化 イ ッ トリウム (関東化学特級),潤
◎
e)
◎
1:試 料 注入孔 3:マ イ ラー 溶 液 容量 1.9ml 溶 液層厚 0.25cm 照射 面積 7.6cm2
2:ゴ ムパ ッ キ ン グ 4:液 体 試 料
第2図 液 体 試 料 容 器
顧 ウラ二ル
( Ci t yChe m.Co r p.U.S.A)
, 硫酸第二鉄 アンモニウム (石津製薬特級) 杏7:9 3
の硝酸で溶解 ,稀釈 して調製 した.3 各元素の肇光X緑 スペク トル強度とバ ックグ ラウン ドの測定
各元素の蛍光X線スペ ク トル強度 (以下 ピーク強度 と呼ぶ)は既定角度 における計 測値か ら,その角度 でのバ ックグ ラウン ド
を差 し引いて得 られ る.バ ックグラ ウン ドはウラン, ジルコニウム,イ
2
ッ トリウム,ス トロンチウム,鉄の 5成 分の 影響が な く,かつ一般岩石 中に割合普遍的な元素 も影響 しない 点での測定が必要である.実験か ら ,各 ピー クの近傍であって, しか も 影響の著 しくない角度 として第3
図に示す3点 をえ らぴ, ジル コニウム については
2 20 0 0′ ,2 3
0 1 5
′,ス トロンチウム第3図 蛍 光 Ⅹ 線 ス ペ ク トル
,イ ッ トリウム,ウラ ンについては
2 30 1 5 ′
,2 70 1 5
′の 計測 を行 ない,その内挿値 を各 ピ ー ク位置のバ ックグラ ウン ドとした.鉄 は
5 5 0 0 0′ ,6 00 0 0
′の計測値 の内挿値 をバ ックグ ラ ウン ドに とった.しか し溶液中の各元 素の濃度が極 めて高 く なると
2 20 0 0
′,お よび2 30 1 5
′は真 の バ ック グラウン ドよ り高い値 を示す可能性が生 じて14 奥 野 孝 晴
くる*. このため高濃度の場合に於て も安定 してい る27015′の バ ックグラウン ドの計測 値か ら,各 ピ‑ク位置のバ ックグラウン ドを 算 出す る方法について検討 した.27015′ぉ よ ぴ23015′の計測値 をそれぞれ I27。15′,I23015′ とす ると,高濃度のイ ットリウムを含 む場合 を除いて,約40の実験データはいずれ も
123。15.‑ (1.40±0.025)127。15′ の範囲に含 まれ
Z23015′=1.40・h7015′
として計算 した場合,その値の相対誤差 は最 大
1 . 8%
,平均0 . 7%
に とどまる.ほぼ同程度 の誤差 を許容すれば,各 ピーク位置に於 ける500 1000 第 4図 検 量 線
バ ックグラウン ドは次の式で算 出で きる.
SrKα位置のバ ックグ ラウン ド強度 : IBGS,‑1.20・I27015,
ULα位置のバ ックグラウン ド強度 : IBGU‑1.10.I27015. YKα 位置のバ ックグラウン ド強度 :
ZBGY=1.34.h7015J ZrKα位置のバ ックグラウン ド強度 :
1BGZr‑1.46・1270ユ5′ 低濃度の場合は2点 を測定する内挿法が安 全であるが,高濃度 の場合には上記の計算 に よる方法 はよ り安全であ り誤差を僅少にお さ える長所を もつ.
4.
検量線各元素について,種 々の濃度の標準 溶液 を作 り, その
1 . 9 ml
を液体容器に 入れ既定条件でAFJr定 を行 なった結果, 第4図,第5図の検量線を得 た.各元 素の濃度 とピーク強度が直線相関をな す範囲お よび定量下限**,各元素の ピ ーク強度の比 は第1表 の通 りである.測定 に
f i xe d
count法を用 い れ ば 計測値 の標準偏差 o・が一 様 に な り好 ましいが,106のf i xe d
countでは時 間がかか り,試料の温度が上昇 し,そ れに伴 なって種 々の悪影響が介入 して くる.45KV‑22mAで25分以上連続的 に Ⅹ線照射 を行 なった場合,試 料は35‑40oCに上 り,膜面 に気泡 を生 じ始 め,計測値 の再現性が著 るしくそ こな われ る.また105の
f i xe d
countの計 測時間 は ピー ク位置では通常60秒以下*
500pgY/mlの浴液の場合,23015′のバックグラウンドは約70/o高い値をとる,**ピーク強度40cpsの場合,平均30%の測定誤差が生ずる.この40cpsをcountの測定限界とした,
で,むしろ100秒の
f i xe dt i me
法で行 な う い. したが って100秒のf i x e dt i me
法 を採 方がt o t a lc o unt
は 多 くな るの で誤差 は少第 1表 定 量 範 囲
SrKα.YEα.ZrKα.ULα.FeKα強度比
340254211383651124 13 43685781122■40023
*7000940912591.50123 06458627334159.10001 044735050223613・10000
i+単位 count/100sec.ppm .
用 した.
5
定量 におよぽす溶液中の共存元素の影響 と補正検量線定量値 に与 える共存 イオ ンの妨害 には,顔 起,吸収効果 によるもの と, ど‑ クの重複 に よるもの とがある.
励起,吸収効果 による妨害の うちとくに問 題 となるのは, ウラン,ス トロンチ ウム, イ ッ トリウム, ジル コニウムの各 ピー クに対す る鉄の吸収効果で,共存の鉄の濃度が増加す るにつれ,吸収量は漸増す る.各元素 につ き 鉄の吸収効果 を実験によって測定 し,その濃 度 との関連 において図示 したのが第
6
図であ る.f U. f s r
等は各元素の鉄 によって生ず る 吸収率 に関係 した係数で,鉄の濃度 0の時を1000 2500
第 5図 高 濃 度 の 鉄 の 検 量 線
5000
16 奥 野 孝 晴
1
とし,鉄の存在す る場合 は1
よ り小で, 秩 の濃度 の増加 に伴 なって減少す る.ピ‑ クの 重 複 に よ る妨 害 で 問 題 とな る のは
,Zr Kα
とほぼ同波 長 のSr K
β お よ びULβ 6
であ る.Zr Kα
位置 にお ける両者 の ピ ー ク強度 は第7
図に示す通 りであ る.すなわ ちSrl ug,UI pg
はそれぞれZr0 . 1 6 F L g
,ZrO ・ 0 7 / ↓ g
に相 当す るピー ク強度 を示 してい る.なお ピー クの重複 による妨害 は計測値に 加算的に加 わ ることを実験的に確 かめた.
実験 を行 なった範囲内お よび 1・0 実際の堆積型 ウラン鉱床 の野外
試料か ら予想 され る共存元素 に よる妨害 の影響 は,上記以外の ものでは小 さ く,計測誤差 内に いずれ も含 まれ る.
共存元素の妨害 を補 正 した実 験式 は下記の通 りで, これに よ
I
0. 9
0. 8
0. 7
り測定範囲内にお ける各元素の溶液中の濃度 が算定で きる.
sr ‑
諾妄
‑‑・・‑ ‑‑・・・‑・‑ ・・・‑(1)Y ‑j T o y h ‑ ‑‑・ ・
‑・‑. . ・ ・ . ・
・‑‑・‑ (2)zr y i i 5
yj.妄‑( o ・ 1 6Sr・0 ・ 0 0 7 U)
‑・(3)y
U
̀U= 了百 テ 7 7 才
・・‑・‑‑‑‑・・・・・‑‑‑・・(4)2 0 0 0
F言pg/n
l5 0 00
第 6図 鉄 に よ る 吸 収 効 果
2 00 400 800 1 000
〃g/mt
帝7
図Z r Kα
の位 置 にお け るSr K
β,ULβ6
の ピ ー ク強 度A :A元素の濃度〝g/ml
yA :A元素の計測位置 にお ける ピー ク 強
変c o unt / 1 0 0 s e c
/ A
:A元素 ピー ク強度の鉄 に よる吸収 係数 (第6図)6
混合溶液によ る分析結果 と考察1mlあた りY250/↓g
,U
250/↓g,Sr2 0 0
〝g, Zr200pgを含 む浴液〔 A
〕と,1mlあた りY
125FLg
,U
125FLg, Sr200FLg,ZrlOOpgを 含 む溶液〔 B
〕を調製 し,既定条件で計測 を行 ない第2表,第3表 に示す結果 を得た.溶液
〔 A
〕お よび溶液〔 B
〕a:)測定値の平均相 対 誤差 は50,'o以内に とどま り, この結果か ら みて, この迅速分析法 は野列試料分析の 目的 には一応充分であ ると考 え られ る.7
測定精 度 におよぽすその他の影響を除去 す る手段検討 して きた この分析法では内部標準 を用 いていないので, タングステン管球 の老化 な どⅩ線発生条件 の変化 によって,一次 Ⅹ線の
線童が変動す る場合には蛍光 Ⅹ線の強度 も変 化 し,測定精度がお ちることが予想 され る.
このために
I nt e ns i t ys t andar d
法 とSpi ke
法 とを考察 した.i )I nt ens i t ySt andar d
;法定量に先 ん じて,あ る標 準浴液 について, その ピー ク強度 を計測 し, それ を
" I nt e ns i t y St andar d"
として 第4
図,第5
図 の 検 量 線 に補 正を加 える方法で あ る.第2表 ,第3表 に結果 を示 した 溶 液〔 A
〕,溶 液〔 B
〕の 計 測 に先 ん じて Sr400/Jg/mlを標準溶液 として" Ⅰ nt e ns i t ySt andar d"
を計測 した. そ の結 果 ,検量線 と比較 して102%の 強 度 を示 した.検量線作成時の Ⅹ 緑強度 と比較 して102
0
//Oの強度 の一次 Ⅹ線 によ って実験が行 われたと考 え,第 2表 ,第3表 を再検討 した. 第4 表 は補正 を加 えた場合 の誤差 を表記 した もの で ある.補正 を加 えることによ り,平均相対 誤 差 は港液
〔 A
〕で3.800/Oか ら2.220/Oに,浴液第 2表 溶 液 〔A〕 分 析 結 果 E 測 定 値
≡count′/100sec ハ ッ クグ ラウン ド
count/100sec i.ulnt/91..eecE 用 語 賢 闇 基 哲 o/a
第 3表 蒋 液 〔B〕 分 析 結 果
20 濃 n晶 。lsBe。巨 Irc'Zu31t71毛.9seJcド t宅。ulnt71.5sef l讐語
苧
F腰 o/a18 奥 野
〔 B
〕で4 . 7 2%
か ら3 . 6 0%
にそれぞれ減少 して いる.従 って,よ り高い精度の定量値 を得 る ために も,I nt e ns i t ySt andar d
法 に よ る補 正を加 えることが望ましい.ii)
Spi ke
淀この方法は ピー ク強 度の 比 を と るの で, 一次 Ⅹ線量 の変化 と鉄 の 吸収効果 その他 の
mat r i xef f e c
tを同時に除去で きる特徴 を有 す る.元素XとYが存在す る試料について測 定を行ない両元素の ピー ク強度比rを とり, さ らに一定量のY
を試料に加 えて ピーク強度 比r
′を測か り,r ,r
′よ り試料中のX,
Y濃 度 を算 出す る方法である.x
,yは元素X,Yの濃度, Kは(1)〜(5)か ら 定 まる定数 とす るとr ‑Kf ‑
・=‑‑‑ I . ・ ‥( 6 )
がな りたつ.次 に試 料vmlにY
の 濃 度y'
pg/mlの浴液 V。mlを加 えた 時の ピー ク強 度比 をγ
′とす るとr・=K V
oy′
V+v
Xy‑‑‑‑‑‑‑I(?)(6)(7)か ら
r
y ‑ユ
ー・..・・‑.・‑(8) r',・ % ‑ y
ea〟
Y
元素の重量( 〝g) 〕
(8)よ り
〃
J̀y=
一戸二7・・・‑=・=‑‑‑‑‑・‑・ ・ ・( 9 )
(6)(9)よ り
* X元 素Pmg, Y元 素qmg含有 とすれば
r
‑K
i・ r′‑K・
9.号 +covo
ZL
q
' ア!・ .,':Ll̲h:∴ 、 1'
W
:.
"''孝 晴
Ka
̲
Kyr/‑r
r
(9)および(10)の式で, ど‑ ク強度比 と添加量か ら溶液中の両元素の濃度が算定で きる.
一般 にuJmgの鉱石試料 よ り,その中のX お よび
Y
両元素の含有率 (%)を求 めるには, つ ぎのごとくすればよい.試料を完全 に潜解 して全容Vml
の溶液 とす る. まず その適 当 量 (後述の〝mlで もよい)をとって,X,Y両 元素の蛍光 Ⅹ線強度比( r )
を計測す る.つ ぎに Vml
か ら正確 にγmlを分取 し,それにX 元素の一定濃度 (C。mg/ml)の溶液V。mlを 添加 し,再 びX,Y両元素の蛍光X線強度比 (r')を計測す る.次式でX元 素の含有 率‑ x
a/0,Y元素の含有率y ‑
a/Oが求 め られ る*.x ‑ =1 0 0.
̲也 .j
l.⊥ ̲ w vr
I‑r
w v rl‑
r
rg :
(1)〜 (4)式か ら定 まる定数,第4図 の検量線の勾配の比に相当す る.多量の鉄を含むス トロンチウムとイッ トリ ウムの混合溶液についての実験 を行 ない, そ の計測値 よ り上記の方法 を検討 した.
結果,tp第
5
表に示す.実 験 に用 い た溶 液〔 C
〕 はSr20 0ppm,Y I O Oppm,Fe5 0 0 0 ppm
の濃度 であ り,溶液〔 D
〕は〔 C 〕
に比 し1 ml
あた りYを2 0 0〟・ g
余分 に含 む もの,す な わ ち,Sr2 0 0ppm,Y3 0 0ppm,Fe5 0 0 0 ppm
の濃度の ものである.第
5
表に示 され る よ うにSpi ke
法 は,‑♪( 昔)
+couo v̲A v.C.vow∫‑ ♪ J‑ ♪ノー
q‑K ・与 y‑‑普
次Ⅹ線の強度変化や
Fe
な どの妨害元素 の定 量を行 なわな くとも, これ等の影響 を同時に ほぼ除去で きる点で,種 々の元素の混在す る 未知試料について2元素のみの含有量 を簡便 に求めるのに有効 な方法 と考 えられ る.ただ 計算において計測値の比の商 とい う経過 を と るので,得 られた定量値 にお い て 計 測 誤 差 に由 来 す る相 対 誤 差 が,前 述 のI nt e ns i t y St andar d
法に比較 して大 きくな り,精度 の お ちる可能性 を もっている.8
結 語溶液法によるス トロンチウム, イッ トリウム, ジル コニウム, ウ ラン,鉄 の 蛍 光 Ⅹ線 分 析 につい て検討を行 なった結果,野外試料 の簡便迅速な分析 を行 な うとい う 目的には充分通用で きることが明 らかになった.著者等はこれを も
ちい堆積型 ウラン鉱床 にお けるこれ等元素の 地球化学的研究 を行 な った5)6). なお原試料 A:り目的元素 を潜液 とし, ときにはそれを濃 縮 し,それについて上記5元素の測定 を行 な うのに要す る時間は, 1試料につ き約
3 0
分で あ る.終 りに,終始御指導 を賜わ り御検討 を加 え られた金沢大学阪上正信教授に心か ら御礼申 し上げる.
第 4表 測 定 値 の 相 対 誤 差 測 定 値の相対誤 差
〔A〕
Intensi
t y
standard を考慮した
測 定
値の相対誤差: Y
Ur,日 i:
Igo ' 0 日
:o
:I
;4 0 ' o
830
6
1318
++t+
usryzr
bd
曙「し
2
29 5 0
12 6 一
+一
十第
5
表Sp i ke
法 に よ る分析 結 果( 6 ) ‑( 1 0 )
式 のy
はここで はY
の濃 度,xはS r
の濃 度,a‑2 0 0 pg
20のあ ま り異 な らな い
S r Kα,YKα
に対 す るFe
な ど他元 素 の妨害 はほ ゞ同 じ とす れ ばfy≒f
sr
, ゆ えに( 1 ),( 2 )
式 よ りK‑‑ 5 5
&‑o ・ 9 0 7
以 上 の数 値 か ら(9)
,( 1 0 )
式 を使 っ て算 出 した定量結 果 と測 定誤 差 は下記 の通 りで あ る.2 0
奥 野 孝 晴参 考 文 献