MARC 計 画 の 推 移 ( 3 )
。記入の本体と可変(長)フィールド
0ファイリ ノグとプリンティソグ
窪 田
寛
記入の本体と可変(長)フィ
ールド「記入の本体」とは, 「本体」の文字が意味するごとく,図書目録記載事項に おける骨格ともいうべき主要な部分であって,通常は,書名,副書名,著者表示,
さしえ画家等の表示,版次,巻号,出版事項の各要素から成り立っている。「記入」
とは,個々の図書に対しての図書目録上の記録のことである。第1次的な図書目録 上の記録としての基本記入(主記入)と,第2次的な記録としての副出記入とがあ る。副出記入とは,基本記入以外の記入を総称し,件名,共著者,訳編者等の副出, 書名 ・双書名等の副出記入がこれに含まれる。この副出記入は,図書館の規模,館 員数,また館の方針等々の関係から省略されることもある。
しかし,基本記入は図書館にとって欠かすことのできない必須の目録である。
その標目は,大まかに,個人著者,団体著者,書名,統一書名に類別される。そし て,個人著者を例にとれば,著者名の構成に従って,単一姓,複合姓,家名等に細 分され,さらにまた,姓名は,姓名,称号,生没年等々の要素に分析される。
記入の形式","種類"について,ひとまとめに要約すればほぼ以上のように なるといえるであろう。これを図にあらわすと次頁の 〔図l〕のようになる。並記 したタグは MARCII 4. ed. による。タグは三桁の数字で構成されているが,これ は,機械処理を目的とした目録梢成要素を類別し区分づけた記号であって,図書分 類でいう,類,項,目,に対すると同様の観点から考えればよい。「記入」に関し ていえば,三桁のクグの第1文字で,基本記入,双書記入,件名記入などの 記入 の形式 をあらわし,第2文字で標目の 種類"を,第3文字目でこの 種類"を 細分化する。
一般的に,機械判読フォームヘ変換するにあたって著者標目を整える手順は, タグを除いて,著者標目が基本記入であれ,副出記入であれ,おのおのの機能には
〔図1〕
記入一
ー個人著者[口 0口]
' ( p) —団体著者[口1 0]
一基本記入[1□□]—・ 団体著者[口l□]— ( C) (ME ) ( C) —会議集会[口1 1 ]
ー副出記入_
一統一書名[□ 3口
J (
U)―双書記入[4口口]
(SE ) 件名記入[6□□]
c s u )
副出記入[7口口]
( A E )
双柑注記と [80□]
—異なる形式
の双せt記入( S A )
( U )
関係なくほぽ同じであるといえるであろう。件名記入,湖出記入,また,双書副出 記入として記録された著者標目については,それぞれの該当クグに置き換えて応用 することになる。
ここでのクグには(ME)とか, (SE)とかを付記してあるが,これは, MARC 編集者用の実務上のローマ字化したタグであって,これは,
Main entry —• ME Series statement traced the same
—,
SE Subject entry ー→ SU Added entry 一→ AE Series added entry traced differentryfrom form m series statement ‑‑+ SA
のごとくに編集段階におけるタグ付けに際して使用される記号である。
「記入の本体」の各要素に関するタグの推移を一覧すべく対照させたのが次頁 の〔表1〕であるが,当初,固定(長)フィールドに設定されていた 基本記入の種 類 がMARCIIの段階で可変(長)フィールドに変更され,それぞれタグ付けされ たフィールドに変わっている点, また, M ARCIIの ク グ [1 2 0]に み ら れ る
形式副標目を伴う団体著者..がその改訂版においてはタグ[1 1 0]のサプフィ ールドに集約されている点,同じく,改訂版への過程において,おのおの独立した フィールドとしてタグ付けされていた,出版地,出版者,出版年の各フィールドが,
出版事項フィールドひとつにまとめられ, タグの機能からサプフィールド・コード の機能に置き換えられている点などが大きな改廃点として挙げることができよう。
ところで,新しい管理手段として機械化システムを導入するためには,まず.
内部で処理されている現行事務を具体的に,かつ,全体的に把握するとともに,事 務そのものの現状を細部に渡って調査し分析することからはじまる。 .MARCの設
〔表1〕
MARC I MARC II
‑100 個人署者 108 * 杏名 110 団体葱者 111 会雌集会 10椋 目 ;:採 目一 118 * 札t名
(基本記入) i
I
120 団体著者・15 ファイリング・ク イ ト ル
形式屈il椋目 128 * ,1t名 130統一円名探目
‑138 * 害名
‑200統一礼t名 補充因名ー 210 ローマ字翻字因名
‑220翻訳柑名 20'2.1 名
i
祖名バラ―1‑240祖 名 25版 次 i グ ラ フ ー250版次表示30出 版 'I>項
40対 照 * 項
出版市項一
‑260出版 地 261 出版社(者)
262出 版 年 300対 照']>項 350 害栢価格
‑360 変更価格
MARC計画の推移 (3)
MARC II rev.
‑100 個人著者 楳 目 ― 110 団体著者 lll 会餞集会
‑130統一困名標目
‑240統一古名 補充租名ー 241 ローマ字翻字困名
‑242翻訳杏名
‑245杏 名
咋ぢ—I
250阪次表示‑260 出版市項
,‑300 対照市項
‑ 350 lli藉 価 格
‑360 *変更価格
*現在デークーの採録を行っていない。
計にあたってもこれは同じであった。
MARCフ ァ イ ル の 構 成 は _
—どのような検索手段が要求されるか――
.—最適の構造は_
—ーソートするフィールドの長さは_
といった MARC設計にまつわる技術的な研究を進めるためにも細部についての基 礎データーが必要であった。
基 本 記 入
基本記入 の種類について, MARC Iでは固定(長)フィ ールドにフィール ドが設定されて次の要素が挙げられていた。
(a) 個人著者 (b) 政府機関 (c) 団体・協会 (d) 宗教団体・協会 (e) その他の団体・協 会 (f) 統一書名
信
) 書名
コード化されたのはこの7項目であるが, おそらく, これは, ALA目録規則 を拠りどころにしたものと考えられる。固定長フィ ールドにフィールドが設定され た理由は,当初は,機械処理による目録カードの印刷に重点がおかれており,主と
して,機械による検索時間を考!怠に入れたものであった。たとえば,個人著者のも とに記録された著作を検索する場合, 機械に, 「基木記入のコード(1)のレコードを 探せ」と指示すれば,機械は目的外の(2)(3)(/4)のレコードを飛ばして(1)のみのレコー
ドを探していく。
しかし,原案の PlanningMemorandum no. 3によれば,甚木記入は,
(1) 個人著者
(2) 団体著者・形式副椋目を含む (3) 統一古名(聖:;1;‑,型典,匿名古典)
(4) 書名主記入 の4項目にまとめられていた。
基本記入の頻度調査は,このまとめかたに従って, 慣行の目録カードを,個人 著者,団体著者,書名記入,統一書名,の 4つのグループに大別して行なわれてい
る〔表2゜〕
〔表2〕A四 皿H血 虚 証D‑& ot血 岱 . F困dsof inゎ 血 的 血onLibrary
。
f Congress catalog catds. Library Quarterly 37 (1967)基 本 記 入
個 人 著 者 団 体 著 者 書 名 記 入 統 一 害 名
計
サ ン プ ル サ ソ プ ル 1950ー1957 1957‑1964
頻 度
I %
頻 度I %
頻 度I %
842 75. 7 819 73. 7 1, 661 212 19. 0 223 20. 1 435 58 5. 2 67 6. 0 125 1
o .
1 2o .
2 3I
1. 113I
100.o I
1. 111I
100.o I
2, 224I
1 ‑
i ‑d"
74.7 19.6 5. 6 0.1 100.0
この結果から,個人著者は約75% と全体の¾を占めていることがわかる。
コービューターを使って目録カードの印刷や,書冊目録を作成する場合には,
機械処理にあわせたクイプセッティソグ typesettingゃ, ソーティング sortingを 容易にするために,あらかじめ基本記入のパターソを統一しておかなければならな し
、
゜
この立案段階では,個人著者のパクーソiま,姓名,称号,生没年, 1Jレークー,
の4つのサプフィ ールドから構成されるとの見解をとった。そして,このサプフィ ールドの有無を機械に認知させるために,各サプフィールドの末尾にスラッシュ記 号(/)*を入れることを考えた。
計画の推移 Shering, Arnold, 1877‑1941, ed. fま
Shering, Arnold,
I I
1877—19411,I
ed.I
のごとく。さて,このように,ひとつのフィールドのなかを区分するために,スラッシュ 記号のようなファンクション・コードを使用しなければならないとすると,個人著 者の記入については,常に四回のスラッシュ記号が不可欠となり,称号,生没年,
リレーターのない著者標目については,このスラッジュ記号が 4つ 続 く こ と に な る。こうなると,これは, LCのような大規模なファイルを抱える図書館にとって は実質的に大変な文字数の増加につながるのである。
そこで,かようにサブフィールド・コードとしてスラッシュ記号が用いられる 場合,サプフィールド・コードが空欄であることを指示するために,このコードが
どの程度使用されるものなのであるか調査が必要であった。
*この原案段階で用いられたファソクツョン・コードとしてのスラッツュ記号(/)は. ドル記号($), そして.ダプルダカr‑Double Dagger (キ)へと変遷する。
[ 1 0 0] 個人著者
個人著者標目の構成要素として,
姓 名 (N) 称 号 (t) 生 没 年 (d) リレーター Cr)
の四要素を挙げて調査したのが,次に示す 〔表3〕である。
〔表3〕A四 皿H匹 血eD. & 吋 加rs. F固ds
。
finform紅ionon Lib立ryof Congress cataiog cards. Library Quarterly 37 (1967)・ サ ン プ ル 構 成 要 素 1950‑1957
頻 度
I
%r
rrdd
︱︱
︱︱
rdtdttt
‑ l l
‑
︳
‑ l
NNNNNNNN
計
3 7 1 1 9 0 9 2 2
4
7 2 1 1 3 4 8
2 2 8 1 1 0 3 2 9
梵 絡
? ぶ 魯 五
%
5 4 7 6 3 0 4 2 1
度
5 6 7 2 3 6 8 6 6
︐
頻
9556708 0 0 ー
4 2 O L O L 0 0
゜
ー ル4
%
謡36 プ
‑
1 6│
│ 碕度
48
23
72
66
51
40
15
08
19
サ頻 き
"
59844
0 0 1
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0か
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100.1
個人著者標目は, (N)姓名のみの場合と, (N‑d)姓名一生没年の場合との二 つで 9割近くを占める結果となり,ファソクショ ノ・コードは,サプフィールドが 空欄であることを指示するほうに多く使われることが裏付けされた。
したがって,この問題は,より少ないファソクション・コードを用いて同様の
処理を可能とする洗錬されたコソヒ゜ュークー処理技術の研究を持つことにして,あ とに譲ることになった。
また,印刷の観点から考えてみると,恨行の印刷カードでは,個人著者標目を,
ボ7ルド字体, ローマ字体,イクリック字体と,それぞれ使いわけて見易すさを重 視している。これをサプフィールドに区分けしてみると, (1)のサプフィールドには ボールド字体, (2)のサプフィールドにはボールド字体とイタリック字体, (3)のサフ・
フィールドにはローマ字体とイタリック字体の使用された例が数多くみられる。
コソビューターによる印刷を目的として,字体を指示するタグを与えることは それほどむつかしいことではない。しかし,この場合,字体を指示するたびに,そ の字体の始まりと終りに字体の変更を指示するファンクツョソ ・コードが必要であ る。字体の変更が多ければ多いほどこのファソクショ ノ・コードの数がふえ,つれ て.マシン・レコードの長さが長くなる。そして,ファソクショ ノ・コードの増大 は,マシ ノ・クイムの増大につながり,さきのスラッジュ記号と同じくこれらの非 情報タグの追加は非常なコスト高の結果を生むことになるのである。
案として,
サプフィールド(1)は,ボールド字体
サプフィルド(2)以下は,すべてイタリック字体
に集約することが考えられた。この場合,例外として, Sir,Lord, Lady, etcの姓 のあとに続く称号の問題が残るが,これは,
1) 統一されたパターソにあわせて例外を配列しなおす。
Scott, Walter/ Sir, bart., / 1771ー1832 2) 個人著者標目から称号を一切廃止する。
Scott, Walter/ (廃止)/ 1771‑1832 3) 入力に際して特殊記号で例外を指示する。
* Scott, Sir Walter/ bart., / 1771‑1832
の三案が検討され,従来,姓のあとに付記されていた称号を名のあとに転附する第 1案をとることとなった。
このように,機械処理にあわせたサプフィールドの設定,ファンクジョソ・コ ードの使用は,マシン・レコードの長さの増大,また,マシン・ タイムの増大につ ながるとして立案段階から問題視されていた点ではあるが,結果は, コストより機 能をということであろうか,改訂版では次のようなサプフィールドが設定されてい る。
MARC I [姓名]/[称号]/[生没年]/[リレーター]
同II改訂 $a[姓名]$b[批系]$c[称号
J
$ cl [生没年]$e[リレーター]$k[形式副標目
J
$ t [書名]サプフィールド ・コードとデリミッター
MARC (3)
データー内のデーター・エレメントはデリミックーで区切る。デークー・エレ メントに対するサプフィールド・コードは次のようになる。
$a 姓名。
$b 姓に付随する一世二世等のローマ数字。
$c 称号。階級,官職,費族,学位等のイニシャル,特別会員,そのほか,
" clockmaker " " poet " etcの姓名に付記される字句。
$d生没年。生年,没年,全盛期など。
$e リレーター。著作と著者との関連性を説明する"ed." " tr." " comp."
etcの字句。
$k形式副標目。ある種の資料のレコードをファイル内の一定箇所にそろえ るために統一された字句。
(例) $a Aristoteles. $k Spurious and doubtful works.
$t 書名。著者標目と連結した害名。
インディケーター
ファイリソグ上の配列をしやすくするためにインディケーターを用いる。基本 記入の個人著者フィールドに使用される第1インディケーターは,次のコードに従
って個人著者の形式を指示する。
名 = O 単一姓= 1 複合姓=2 家名 =3
第2イソディケークーで,この基本記入が箸作の件名となるか否かを指示する。
主記入は件名とはならない= O 主記入は件名ともなる = 1
個人著者にイソディケーター,サプフィールド・コードを付記した例は次のよ うになる。
10$a Smith, Elsie, $d 1900‑1945, $e ed. 00$a Claude d'Abbeville, $c father, $d d. 1634. 10$a Karnes, Henry Home, $c Lord, $d 1696‑‑1782. 00$a Alexander $b I, $c Emperor of Russia, $d 1777ー1825. 20$a Day‑Lewis, Cecil, $d 1904‑‑
20$a Santa Cruz, Alonsode, $d d. 1567. 00$a Francesco d'Assisi, $c Saint. $k Legend. 11$a Adams, Henry, $d 1838‑1918.
[ 1 1 0] 団体著者
団体著者については,個人著者フィールドのようにあるバターソに従って一連
のサブフィールドに区分することは容易なことでない。また,それらが果して必要 とされるか否かについても疑問が残されていた。個人著者フィールドをサブフィー ルドに区分した理由のひとつは,印刷カードに用いられた印刷字体と各サブフィー ルドとを固定的に関連づける点にあった。
団体著者の場合には,印刷字体のバクーンが相前後せず,ボールド字体が続く なり,イタリック字体が続くなり,字体については比較的に単純で問題は少ない。
そのため,ひとつのファンクション・コードでこれらの字体を指示することができ ると判断された。しかし,検索 searching,分類 sortingの点で考えると,個人著 者に比べなかなか複雑な問題を抱える標目であるとされたのが原案段階での見解で あった。大きな改廃点としては, 団体著者・形式副標目"が, MARCIIにおいて は [1 2 0]のクグ付けがなされた独立した記入形式としてのフィール ドであった が,これが改訂されて,団体著者フィールド[1 1 0]のサプフィール ドに集約さ れ,タダの機能からサプフィールド・コードの機能に置き換えられている。
団体著者のサプフィールドは次のように設定されている。
$a [団体名J$b [下部機構名J$e [リレークーJ$k [形式副標目J$t [書名]
サプフィールド・コードとデリミッター
データー・エレメントは,団体名(二次標目), リレーター, 形式副標目, 書 名,の4つのグループに区分される。
$a 団体名。団体名冒頭の地名は,団体名構成上の最初の要素である。
$b下部機構名。団体名称に続く下部機構名で団体名の構成単位である。こ のコードは基本カードを作成する場合に二次標目を識別するのに用いら れるが,クグとデリミッターとをブロックとして処理するコンビューク ー・プロ グラムを作成してあるので,必ずしもこのコードを入力に際し て使用しなくてもよいことになっている。
$e リレーター。団体名標目とその著作との関連性。
(例) $a Eastern Kodak Company of New Jersey. $e deffendant‑ appelant.
$k形式副標目。ある種の資料をファイル内のひとつの箇所にまとめるため に付記する統一された字句。
(例) $a U.S. $k Laws, statutes, etc.
$t 書名。団体名と連結して用いられる書名でまれに見られる例である。
(例) $a U.S. $b Dep. of State. $t The Department of State bulletin.
インディケーター
団体フィールドに使用される第1イソディケーターは,以下のコードに従って 団体名の種類を指示する。
る。
計画の推移
姓(転置された) = O 地名。地名+団体名 =1
団体名 =2
第2イソディケーターでは,この基本記入が著作の件名となるか否かを指示す
基本記入は件名とならない=O 基本記入は件名ともなる =l
(例)
20$a Bell and Howell. $b Micro Photo Division.
10$a California. $b University. $b College of Environmental Design. 10$a Cuyahoga Co., Ohio. $b Library.
10$a U.S. $b 87th Congress, 2nd Session, 1962 $b House.
20$a Orthodox Eastern Church. $k Liturgy and ritual. 00$a Little (Arthur D.) inc.
10$a U.S. $b Dept. of State. $t The Department of State bulletin.
[ 1 1 1 ] 団体著者一会議・集会
会議・集会のもとに刊行された著作については[1 1 1]のタグが用いられる。 この会議やシンポジュウムなどに提出された論文,資料,報告書等の刊行物につい ては,固定(長)フィールドに会議集会イソディケーターが記録されることにもなっ ている。しかし,固定(長)フィールドに記録する対称物は,これらの刊行物が複数 以上の論文,報告書をまとめた論文集,報告集の形式をとった刊行物に限ると範囲 をせばめてあり,単一の論文,単一の報告書の形式をとる刊行物は対称外としてい る。
サプフィールド・コード
データー・エレメ`ノトとして,会議名,開催数,開催地,開催日,下部機構,
付加情報,形式副標目,書名,の8つの項目に区分し,以下に示すサブフィールド コードで識別する。
会議集会名でもっとも多くみられる典型的な標目のタイプは,会議名,会催数,
開催地,開催日のパターソである。
$a [会議名
J
$b [開催数J
$cJ
開催地J
$d [開催日]$e さぎの団体著者[1 1 0]におけるサプフィールド ・コード ($b)の用 法と同じであり,次の例のように会議集会名とともに使用される団体二 次標目を識別する。
$a International American Conference. $b 1st, $c Washington, D.
c . ,
$d 1889—
1890. $e Delegation from Haiti.$g どのサブフィールドの範躇にも属さないデーター・エレメソトが会議集
会名にみられる場合に使用される。
$a International Congress Architects. $b Washington, D. C., Sd 1939.
$g (Projected, not held)
$k 団体名に付随する形式副標目を識別するのに使用され,用法は団体著者 におけると同じである。
$t 基本記入でまれにみられる例であるが,団体名の二次標目として使用さ れた書名を識別する。
$a Symposium on Physical Activity and the Heat, $c Helsinki, $d 1964. $t Proceedings.
インディケーター
会 議 標 目 [1 I I ]フィールドは,団 体 標 目 [I I O]フィ ールドが細分化さ れたフィールドであり,このフィールドのイソディケーク ー は [I I O]の場合と 同じである。
(例)
20$a Nobel Conference. $b 1st, $c Gustavus Adolphus College, $d 1965. 20$a Symposium on Physical Activity and the Heat, $c Helsinki, $d
1964, $t Proceedings.
10$a Paris. Peace Conference, $d 1919.
20$a Conference on Categorical Algebra, $c University of California, San Diego, $d 1965.
[ 1 3 0] 統一書名標目
個人著者や団体著者からは記入することのできない版によって書名が異る著作 のレコードを,ファイル内でひとつの箇所にまとめるために選択統一された書名を 統一書名という。基本記入,件名記入,副出記入等の書誌上の記入として使用され
る書名である。
ラジオのプログラム,映画,匿名の作品,編集された写本,政治上の協定書, 合意書などもこれに含まれる。よく 慣習的 conventionalタイトル とか ファ イリソグ・タイ トル"とも呼ばれる統一書名は,基本記入と,標題紙からの転記と の間に角括弧付で付記するが,これらの統一書名とは区別を要する。
書名のほかに基本記入のない書名から記録される(雑誌や百科事典等の)著作 は , ク グ [2 4 5]となる。ただし,これらの書名が副出記入や件名記入として他 のレコードに記録される場合には統一書名標目とみなされる。
サプ7ィールド・ コード
$a統一書名標目
$t 書名 インディケーター
このフィールドの第1インディケーターは空欄である。ブラソク記号 (b)。第 2イソディケーターは次のように,この統一書名がこの著作の件名標目になるか否 かを指示する。
主記入は件標目にはならない=O 主記入は件名標目になる
=
1(例)
訳)$a Chanson de Roland
磯 a Americans at work (Radio program)
印$a Dead Sea scrolls
l10$a Siege d'Orleans (mystery play) $t Saint Joan of Orleans 補充書名suppliedtitle
補充書名とは,一般的には,不完全な書名に対して目録作成の過程で(ある権 威ある資料を参考に)補足した書名のことであり,通常は角括弧で囲む。ある主題 のもとに蒐集された小資料を合本し,総合書名を与えたりすることもある。MARC IIでは,この補充書名の範疇に属する項目と して,[2 4 0]統一書名,[2 4 1]
ローマ字翻字書名,[2 4 2]翻釈書名,の3フィールドを挙げている。
[ 2 4 0] 統一書名
このフィールドのデークー・エレメントには
a) 統一書名がLCの印刷カードに印刷されている場合
b) LCが自館の目録用として印刷ヵードに統一書名をクイプして付記する 場合
との二通りがある。
イソディケークーは,この統一書名がLCの印刷カード上に印刷されたもの か,否かを指示するのに用いる。
LCカードに印刷されていない=O LCカードに印刷されている =l
第2インディケーターは空欄であり,プランク記号が指示される。
(例) 01:5$a De hello Gattico. French.
[ 2 4 1] ローマ字翻字書名
このフィールドは, MARCシステムが収録対称とする文献の使用言語範囲を ローマ字以外に拡大する時まで使用されない。
[ 2 4 2] 翻訳書名
現在LCではこのフィールドにデーターの収録を行なっていない。
[ 2 4 5] 書 名
原案の段階において,標題紙上に現われる一切の情報要素を識別する方法を購 じることはなかなか因難であると判断されており,標題事項 titlestatementの要 素について明確なタグ付けが勧告されたのは,短書名 shorttitleと完全書名 full titleとであった。完全書名とは, 著述になる作品を判断するための名称であると いうことができ,副書名,また,あれば,別書名をもこれに含める。別書名は書名 の一部として目録記述上";or (in any language),"のパターンで判別すること ができる。短書名は,概して,最初の句読点記号までの書名部である。
これらの短書名,完全書名の未尾には目録作成者が記号を入れてある。
印刷を目的として,書名(主)記入にみられるボールド字体の始まりと終りに 記号を入れる必要があるが,これを機械的に処理する方法は初期段階においてまと めることができなかった。
サブフィールド・ コード
$a 短書名。論理的に最初に区切られる部分であり,普通には句読点で区切 られる。書名副出標目を設定する場合,このデーターが使用される。
$b書名の残余部。別書名,副書名,その他,外国語による書名など,完全 書名の残余部分。
$c 標題紙から転記された事項のうち,上記以外の残余部分。一般的には,
著者表示さしえ,訳編者表示などの書名に続く事項。
インディケーター
第1インディケークーで,記録された短書名がそのまま副出記入として使用さ れるか否かを指示する。
書名副出として使用しない= O 書名副出として使用する =l
短書名と異った形式の副出記入は,フィールド[7 4 0]に記録される。第2 インディケーターは空欄,プランク記号である。
(例)
lb$a Sold for silver, $b ban autobiography, $c by Janet Lin.
Ob$a Collected poems. $c Edited by John W aller, G. S. Fraser, and J. C. Hall.
著者表示がサプフィールド ($c)に,さしえ画家,訳綴者表示などひとまとめ にされている。この方法をとれば可変(長)フィールドにおける著者表示は,標題 事項の一部としてディスプレイすることはできるが,著者表示そのものをずばりデ ィスプレイすることができない。次頁の〔表4〕のごとく,著者表示は現行目録カ ード上約外に記録されている重要なアクセス・ボイントであるが,どのような判断
C計画の推移(3)
〔表4〕Avram, Henriette D. & others. Field of informarion on Library of Congress catalog cards. Library Quarterly 37 (1967)
I
著 者 表 示サ ン プ ル
I
サ・ソ プ ル I 計1950‑1957 1957‑1964
頻 度
i
% 頻 度 I %I
頻 度 I % な しり 850I
76.4 801 [ 72. 1 1,651 74.2あ 263 23.6 310 27. 9 573 25.8
I
計 1 1. 113 I 100.o
1 1. 111 I 100.o
I 2. 224 I 100.o
に立ってサブフィ ールド ($c)にまとめられたものであろうか。
かりに基本記入に対すると同じく検索上での著者表示の必要性を重んずると いうのであれば,タグ付けすることも可能である。しかし,機械レコードは,既存 の記述された目録カードをもとに作成されるものであり,その目録カードは,著作 の標題紙上に記載された多数の著作者(共著者)を "& ohers"の字句に囮き換え 省略記述してある。この記録もれとなった標題紙上に現われる著作の扱いをどうす るかという問題が残るのである。
アクセス ・ボイントの増加を計るために,機械レコード用として,できるかぎ り標題紙上に記載された著者を副出する方法も一案ではあるが,これには,現行目 録作成実務の変更と,労力,および,かなりのコスト高を伴う。
現在の印刷カード上に指示された副出指示は,慣例に従ってその一部がカード として作成されているにすぎないのであるから,もし副出を望むのであれば, この 印刷カードに記録された副出指示にしたがってすべてを副出すればよい。 これは,
現行の目録作成実務になんらの変更の手を加えるこ•となしに可能である。 とするの が当初からの著者表示に対しての見解であった。
[ 2 5 0] 版次表示
版次は図書検索者にとって重要な判別要素のひとつである。版次には,第2版, 第 3版と回を重ねる表示があれば,新版増補版,改訂版のごとくに表示される 場合もある。また,発行場所,発行者を変えて,社名を付した版次表示などもみら れる。
読 者 は , 一 般 に 新しい版を求めるものであり, この版次表示は目録記述上欠 かすことのできない手掛りのひとつである。
サプフィールド・ コー ド
$a版次
$b 版次の付加情報
二つのフィ ールドに分かれる。第1のサプフィールドには版次表示が記録され る。ここには, 版 それに読く 改訂 増補 などの用語が記録され,その他の
情報は第2のサプフィールドに記録される。ただし 刷り"は記録しない。
このフィールドではインディケーターを用いない。ともにブランクとなる。
(例)
郎$a 2d ed., rev and en!. $b by W. H. Chalonor
蒻$a 〔1stEnglish‑language ed.〕
邸$a New rev. and en!. ed. $b With appendix: the coins and bank notes of the British Mandatory Government of Palestine.
[ 2 6 0] 出版事項
図書の検索に際して,あらかじめ検索範囲をせばめる意図から,また,国別,
刊年別などの諸統計を作成する意図から,出版事項にみられる出版国と出版年とに 対しては固定く長)フィールドのなかにフィールドが設定されている。
ところで, 目録カードに記述された出版事項の事例では,その90%以上が次の 二つのパクーンに集約される。〔出版地については表5を参照〕
出版地 出版社一ー出版年 (例) New York, Grove Press, 1965.
出版地—出版年 (例) Washington, 1954.
しかし,外国で出版された著作に,米国内の地名,出版社名が記載されている 場合には,その記載を付随させて記述することになっており,また,出版地を異tこ
した同一出版社の手になる図書の場合には,これらの地名を連記する。
(例) Paris, Gauthier‑Villars, Chicago, University of Chicago Press, 1965
(例) London, New York, Macmillan, 1965, cl964
また,出版事項に,出版社と発売機関との双方が記録されている場合があるが,
この場合,出版社と発売機関とを個別に扱わず単ーフィールドとする。
(例) Chicago, Printed by University of Chicago for the Museum of Natural History, 1966
〔表5〕 A四 皿 H血 虚 証 D.& 吋 加rs.F叫 曲 血orm叫 叩 皿L枷 紅yof Congress catalog cards. Library Quarterly 37 (1967)
出 版 地
出版地なし 1 ケ 所 2 ケ 所 そ れ 以 上
計
%
t
i‑ー‑P
4 2 7 1 4
度
1 8 2 2 1 2
9 9
頻
2 2 2 2 5 1 O
.
.
.
. 0
&
1 0 0
ル4
% 9 0 6 1
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プ1‑
│
│
ソ7 2 1 7 1 1
‑
9 5
度
9 1 1
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J
頻 ー
1
0 0 9 0 9
.
.
.
. 1
&
o o 9 9 9 2 1 0 0 3 1 9 1 1 0 1
︐ ︐ 1 1
サ ン プ ル 1950‑1957
0.6 98. 1 1. 2 0.0 99.9 このような出版事項の各要素に対して MARCIIではタグ付けが行なわれた。
[ 2 6 0] 出版地
計画の推移13)
[ 2 6 1] 出版社 [ 2 6 2] 出版年
このタグをここで挙げた例に付記してみる。
(例) [ 2 6 0 J Paris, [ 2 6 1] Gauthier‑V!llars, [ 2 6 OJ Chicago, [ 2 6 1 J University of Chicago Press, [ 2 6 2 J 1965.
(例) [ 2 6 0 J London, [ 2 6 OJ New York, [ 2 6 I J Macmillan, [ 2 6 2 ] 1965, cl964.
(例) [ 2 6 0
J
Chicago, [ 2 6 1 ] Printed by University of Chicago for the Museum of Natural History, [ 2 6 2J
1966.MARC Iから MARCIIへの過程において,出版事項の各要素に関しては, 著者表示に対すると異なった発想から,それぞれ独立したフィールドとしてクグ付 けが行われたのであるが, MARCII改訂への段階で,これらタグの機能から,サ プフィールド・コードの機能へ置き換えられて,ひとつのフィールド[2 6 0]に 集約されている。
出版事項 [2 6 0]のサブフィールド・コード
$a 出版地
$b 出版社(者)
$c 出版年
出版社は,時として主記入と同じ記述になるために,しばしば出版事項から省 略される。 したがって,出版社サプフィールドは必ずしも記録されるフィールドで はなし'o
第1インディケーターで出版社が主記入であるが否かを指示する。
出版社は主記入にはならない=O 出版社は主記入になる
=
1(例)
0閲$a New York, $b Grove Press, $c 1965.
〇邸a Paris, $b Gauthier‑Villars, $a Chicago, $b Uninrsity of Chicago Press, $c 1965.
lb$a Washington, 邸 〔Forsale by the Superintendent of Documents, U.S. Government Printing Offic釘,$c1954.
[ 3 0 0] 対照事項
MARC IIにおいては,将来,書庫スペースの計画を立てるデーターとして図 書の厚さをも記録すべきであるとされ,対照事項は,頁付けまたは冊数,さしえ表 示, 高さ.厚さ,の4つのサプフィールドから構成された。しかし, 図書の 厚さ に関しては実務上の問題もあり,改訂段階で省かれて次の3フィールドとなった。
サプ7 ィールド・コード
$a 頁付け,または冊数
‑ 15
$b さしえ表示
$c 図書の高さ
このフィールドのイソディケーターはプラソクである。
(例)郎$a128 p. $c 28 cm.
1,1:S$a xiv, 343 p. $b maps, ports. $c 24 cm.
この対照事項に含まれる各要素は,図書を選別するにあたってそれぞれ有効な 手掛りとなるデーターである。図書を検索するに際して,あらかじめその図書が持 つ書誌的事項の特徴から選別するためのデーターとして,この対照事項の構成要素 のひとつ, さしえ表示 が固定(長)フィールドにコード化されているのであるが,
Planning Memorandum no. 3の段階では,読者は,一般に,旧版や不得手な言語 による図書を恣意的に拒否するものである,と同じく,4頁以下の著作についても 敬遠するとの理由から,頁付けも選別のための有効な手掛りであるとして,固定
(長)フィールドの項目のひとつに挙げられていた。
しかし,これに対して,頁数の大小が内容価値をつぶさに表わすものではな い。また,印刷カードには種々の方法で記述されたこの情報を,機械処理にあわせ た表現,コード化するためにある程度の規準も必要となる。などの難点もあった。
この 頁付け"は固定(長)フィールドに採り入れられなかったのであるが, 図書 の高さ"については MARCIの固定(長)フィールドに採り入れられている。しか し,これも, MARCII ; への過程で廃止された。
今回は範囲を 記入の本体"vこせばめることになった。 副出記入"その他につ いては,次の機会にでもと考えている。
参 考 文 献
Avram, Henriette D.: MARC pilot project: final report on a project; sponsored by the Council on Library Resources, Inc. W ashington, Library of Congress, 1968
Avram, Henriette D., Guiles, K. D., and Meade, G. T.: Fields of infor‑ mation on Library of Congess catalog cards. Library Quarterly 37 1967
Avram, Henriette D., Knapp, John F., and Rather, Lucia J.: The MARC II Format: a communications format for bibliographic data. Wash‑
ington, Library of Congess, Information Systems Office, 1968 Avram, Henriette D., Freitag, Ruth S., and Guiles, Kay D.: Proposed
format for a standardized machine‑readable catalog record ; a prelim‑ inary draft. [Washington] Library of Congress, Office of the Infor‑ mation Systems Specialist, 1965
Marc manuals; used by the Library of Congress; prepared by the Infor‑ mation Systems Office, Library of Congress. 2. ed. Chicago, Ameri‑
can Library Association, 1970
MARC計画の推移(3)
U.S. Library of Congress. Information Systems Office: Project MARC;
an experiment in automating Library of Congress catalog data. Washington, 1967
U.S. Library of Congress. Information Systems Office: The MARC pilot experience: an informal summary. Washington, 1968
U.S. Library of Congress. Information Systems Office: Specifications for magnetic tapes containing monographic catalog records in the MARC II format. Washington, Library of Congress, 1970
フ ァ イ リ ン グ と プ リ ン テ ィ ン グ
ファイリソグは,数ある図書館業務のなかでも,根気のいる作業のひとつとし て,数えることのできる業務であろう。
図書目録にかぎらない。人名録,住所録,索引,電話番号簿等々と,およそ,
大籠のレコードが集積されるところ,避けることのできない作業のひとつに,この ファイリソグがある。
収集・記録された大量のレコードは,それぞれの目的にあわせて直ちに取り出 せるよう,排列され,編成されなければならない。なんらかの基準,なんらかの規 則にもとづいて,1件1件のレコードが,カードが,ファイルの所定の位置に,秩 序だてて正しく繰り込まれなければならない。
新たに収集されたデーターが,新たに記録されたカードが,来る日も来る日も,
該当ファイルに繰り込まれているのである。
一見,きわめて原始的と思われる作業ではあるが,このファイリソグは,これ を抜きにしては,検索システムがジステムとして成り立たず,その機能にいたって は,むろんのこと,発揮どころではなくなるのである。それにひきかえ,この作業 が,ともすれば軽く見過ごされているむきがないわけでもなさそうである。
図書館における,この目録編成作業が,半ば直観的に,半ば機械的に処理され ているがための結果なのであろうか。
だが,取り扱う 1件1件のカードは, 目録記述規則にのっとって記述されたカ ードである。 1件1件が内容を異にしたカードである。決して同一のものではな い。単純な反復作業とは本質的に異なっている。
カードを読み,排列規則と照合し,排列順序を判断し,そして,繰り込みのア クツョ ノといった一連のステップが一一この冠詞は無視する。この冠詞は読んで排 列する。この数詞は数字として排列する,この数詞は読みの綴りで排列する。この 称号は無視する。この略語はフルに直して排列るす。等々と,1件ごとに,読む,
照合する,判断する,排列する,の各ステップが一一この作業のなかに織り込まれ ている。
外見的に,単調な反復作業のごとくに思われ, うとんじられているこのファイ リングが,機械処理にあたって最大の難関となったことは,これらのことから充 分に予想されていたところであり,かつまた,これはMARCにおいても同じであ
ったことはいうまでもない。
これまで人手に頼った編成作業を,機械に転稼するとすれば,人の記憶,読解,
照合,判断,の各機能を分析して, コード化し,機械の能力にあわせたシステムを 設計しなければならない。
MARCフォーマットが,設計段階で,これらの諸要件を満たすことを前提に,
個別の機械処理を可能とするよう, 目録記載事項の分析,細分化を行ない,構成要 素を,おのおの情報の一単位として,タグづけを行なったことは周知のとおりであ る。が, しかし,ファイリングの問題は,これら細分化された情報の一単位をいか に排列するか, ソートするかという,次の次元の問題である。
著者フィールド,書名フィールド,出版社フィールドなどが,それぞれのタグ でソートされたとしても,著者フィールドや,書名フィールドのなかには, 目録記 述規則にしたがって記述された,一連の複雑な語集団がサブフィールド化されて記 録されている。ファイリング(ソーティソグ)の問題は,ここで発生するのである。
「ファイリングに際して,無視してファイルする語や文字について,これらの 語や文字にいかにアドレスを与えるか,この手法に関しては, 目下,検討中である
・・・...」 とあるo*
• MARC manuals; used by the Library of Congrers. 2nd. ed. Appendix: F: Non‑Filing Words and Characters.
これが, 「書名や団体の頭初の冠詞は無視する。 しかし主格以外の冠詞は書名 標目や,前置詞的な要素を含むので,排列の対象とする゜」*等々の条項と係わりを もつ語であり文字であろうことは,おぽろげながらも察しのつくところであった。
*大学図書館における目録編成規則一第 1条(5)
それも,排列上,読まずに排列する語や文字にたいして,これらの語や文字の テープルを作成することによって,機械的に処置する方法が当然ながら考えられる
ところであったからである。
このことから,この時点における LCは,すでに DuplicationMethodsの一 部を採用し, ファイリング(ソーティソグ)の処置を進めている DeutscheBibliogra‑
phieとは異なって, なんらかの内部コードを加味する手法によって対処するかの ごとくに思われたのであった。
ファイリングの面から問題となるであろう諸点について,細心の検討が加えら れていたことは, MARCフォーマットの設計や, A ARules*への改討が行なわれ たことからもうなずけられるところである。
• Anglo‑Americau Cataloging Rules. ALA (1967)
MARC計画の推移(3)
UK MARC, フランスのMONOCLE,Canadian MARC, いずれも, フィ ール ドレベルにおけるフォーマットに関しては, MARC LCとの互換性の主旨が貫か れ,タグづけても同一である。自国語処理のためのフィールドが追加され,新たな タグが設定される程度にとどまっている。しかし,ことファイリングの処理となる と,各国それぞれ, Optimumな手法を求めて,とり組み方が大きく違ってきた。
フィールドレベルを細分化したサプフィールドレベルでの手法,セパレーク,
インディケークボイソター, といったイソクーナルコードを用いての手法,また, Duplication Methodなど,複雑な様相を呈している。
さらにまた,「AARulesによって,かなり改善されたのではあるが,真の問 題領域は,ファイリングに適した標目を deviseすることにあるのではないか。」*
との指摘までみられるのが現状である。
* Rules for Alphabetical Filing by Computer, by K. Davison, p. 63.
このファイリングの問題は,目録記述規則(標目の決定)がニワトリ, 目録編 成排列規則がタマゴ,という関係にあって,いずれが先かの問題でもあろう。
堪大な資料をかかえる図書館にとっては,ファイルが危大になればなるほどに, 標目は事例的に多様化し,複雑化し,つれて,目録記述規則,目録編成排列規則の 精密性が要求されてくる。しかし,標目の設定およびファイリングの難易度に関し ては,たんに,図書館規模の大小に起因するものではない。対象とする資料の種類 にもとづくものなのである。これは,特殊資料を中心に収集する図書館にあっては, 規模的に小規模であったとしても,次の ApplePieプロジェクトのごとくに,当 面する問題でもある。
件数的には4,000件にも満たない資料を対象とした NewcastleUniversityの プロジェクトではあるが,これは, 16世紀から19世紀初頭にかけて, Westmorland のApplebyGrammar Schoolが蒐集した,約1,500冊からなる BainbriggLibrary と,1965年に, F.C. Pybus教授が寄贈した医学書,それに多数のマニュスクリ プト MSSや絵画をも収蔵する,医学史における重要な著作の初期版刊本約2,000 冊からなる ThePybus Collectionとを対象としたMARCプロジェクトである。
もちろん, OldBookの MARC処理が可能であるかの研究もひとつのテーマであ った。
そして,「もし,新たなスタイルの標目が,情報フォーム intelligibleform と して,不可欠な情報をすべて収めうるのであれば,従前から用いられてきた慣行の フォームとの差異などは,問題視するに当らない。」*
* The Computer Production of Catalogues of Old Books, by C. J. Hunt, pp. 140‑141. と,従前からの目録記述規則にしたがって設定された標目,および書名についての ファイリング(ソーティソグ)が,いかに難かしいものであるかをうかがわせ,かつ,
電算処理の観点から,再度,目録記述規則にたいしてなんらかの再考を求めるかの
ごとき示唆をも与えている。
ここで,いくつかの事例を挙げてみよう。
原稿(入力)
例1 Mc Kelvy 例2 Muller 例3 The Times 例4 IBM 360 Assembler
Language 例5 A/Z of motoring
ファイリソグ(ソーティソグ)
MacKelvy・
Mueller Times
IBM Three Hundred Sixty Assembler Language A/Z of motoring
印刷(出力)
Mc Kelvy Miiller The Times IBM 360 Assembler
Language A/Z of motoring
ファイリソグは,原稿カードに記載された一連の語を,そのとおり,語順,ま たは,字順で排列すればよいというものでない事例である。
例1は, McをMacと読んで排列し,印刷ではMcにもどさなければならな い。例2は, Miillerを,排列では Muellerと読み,印刷では Miillerにもどす事 例。例3しま, "The"を読まずに排列して,印刷時ではTheTimesと印刷する。
例4は, 360を,排列時において,読みに直して排列し,印刷時には, 360にもど して印刷する事例である。
例 5は,原稿ファイリソグ,印刷とも同じであるが, かりに,冠詞の "a"
"the"を機械的に読まないとしたプログラムで処理する場合, 書名の A/Zof motoringが,/Zof m~toring とな
ってしまう。前述の目録編成規則
第1条 (5)――ーがいう 主格以外の冠詞は書名標目や,...● ・・"に該当する事例である。また,人手によるファイリングにたいし,機械的に処理するとすれば次のよう になる。*
(人手による)
Henry I, England Henry II, England Henry III, England Henry I, France Henry II, France Henry III, France Henry I, Germany Henry II, Germany Henry III, Germany
(コソヒ° ュータによる)
Henry I, England Henry I, France Henry I, Germany Henry II, England Henry II, France Henry II, Germany Henry III, England Henry III, France Henry III, Germany
• Rules for Alphabetical Filing by Computer, Davison, K. p. 64.
この排列の相異も,別の解決すべき問題点となる。
アメリカ,イギリスが, AARullesに準拠したとしても,フランスやドイツ,
また,カナダのごとくに,英語,フラソス語をともに考慮しなければならない国の 目録記述規則や目録排列規則には,それぞれ自国語をからめた差異が生ずる。これ は,全国書誌機関として国際的な互換性を重視したとしても, 起こるべく して起き
MARC計画の推移
る問題であろう。
したがって,各国,各図書館が,各様に自国語の特殊性に重きをおき,そのな かで, Optimumな手法はと模索の過程にある現在,ことファイリングに関して,
複雑な様相を呈するのもむべなるかなというべきである。
Goossens, P. 氏*によるファイリング手法の類分けは次のごとくである。
I. Duplication Method II. Internal Coding Technique
a) Separators
1. Simple separators
2. Multiple function separators 3. Separators with indicators 4. Compound separators b) Indicators
1. Personal name type indicator
2. Indicators identifying the begining of filing text 3. Separators with indicators
c) Pointers
III. Automatic Handling Techniques
• Techniqus for Special Processing of Data within Bibliographic Text, by Paula Goossens.
ここで, 日本語の機械処理にも触れておこう。
漢字がもつ特殊性,同音異語の処理は別として, 目録に記載された漠字につい ては, 読み"を付記しなければ機械処理ができない。 ファイリング上はこの 読 み"にもとづき,印刷(出力)上は漢字によって印字するのである。とすれば,機械 処理にあたって, 読み のフィールドとしてのファイリ`ノグフィールドと,漢字 で印字するため原稿カードどおりの漢字を収めたフィールド,プリソティングフィ ールドが必要となる。
こうした発想に立った手法が, IのDuplicationMethodなのである。
早々にドイツの BochumUniversityがこの手法を採り入れ,ファイリングフ ィールドとしての " Sachtitle ", プリンティソグフィールドとしての "Titelbes‑ chreibung"のフィールドを設けて書名データーの処理を進めているが, Deutsche Bibliographieにおいても, これと類似した手法を一部に採り入れているもようで
ある。 MARCLC, Canadian MARCと同様に, DeutscheBibliographieもまた,
目下,取り組んでいる別の手法が失敗に帰した際には,この Duplication Method を,三者とも,採用するかまえとされているo*
• Techniques for Special Processing of Data within Bibliographic Text, by Paula Goossens, p. 173.
この手法の特徴として,長所に, 目録作成者,入力原稿作成者にとって,ほか の手法に比べ,非常に易しい手法であること,短所に,情報処理の観点からは,非
常に多くの蓄積スペースを費やすことが挙げられる。
対比の都合上, MONOCLEにおいて採用された, IIの a)の 2)Multiple function separatorsの手法を挙げておく。
多重機能セパレータ Multiple function separatorsは,英国でデザイソされ た手法であるが, フラ`ノスの MONOCLEがこれを採用した, いわゆる Three‑
bar filing system*と呼ばれる手法である。
* MONOCLE, by Marc Chauveinc, p. 121.
これは,一つのデーター・エレメントを次のように 3本の垂線でもって区分し,
処理する手法である。
ファイルし,またプ プリ`ノトだけ ファイルだけ ファイルし,またプ リントするデーター するデークー するデークー リソトするデーター 前述の例1および例4に当てて示せば,
例1 M
ド [ac [ Kelvy
例4 [ IBM 360 [ IBM three hundred sixty [ Assembler Language となる。
またMONOCLEは,この多重機能をセパレータのほか,ファイリングに際し て読みはじめる,最初の語,または,文字を指示するために,書名フィールド内に,
おのおのスラッシュ記号一—IIの a) の 1) の手法ーーをも並用している。
例3 The/Times
Goossens, P. 氏による分類を基に,ここでは二例の骨子のみを比較したのであ るが,ほかの手法はかなり複雑な手法である。
ファイリングの問題は,ひいては,ブリ`ノティソグと直結するのであるが,各 国各様に,これらの手法を組み合わせ,最適の手法はと, 目下,模索を続けている のが現状といえるのである。
ISBD*との関連から MARCにどのような改廃が加えられるか, ファイリン グにどのような変化が現われるか,ファイリソグの Optimumな手法は,今後の動 勢によって大きく影響を受けることであろう。
* ISBD. 現代の図害館,v. 10, no. 3.
参 考 文 献
Anglo‑American Cataloging Rules. ALA (1967)
The Computer Production of Catalogues of Old Books, by C. J. Hunt.
in Organization and handling of bibliographic records by computers, edited by Nigel S. M. Cox and Michael W. Grose (1967)
MARC Manuals; used by the Library of Congress. 2. ed (1970)
MARC計画の推移
MONOCLE, by Marc Chauveinc.
in JOLA v. 4. no. 3. (Sept., 1971)
Rules for Alphabetical Filing by Computer, by K. Davison.
in U K MARC project, edited by A. E. Jeffrey & T. D. Wilson. (1970) Techniques for Special Processing of Data within Bibliographic Text, by
Paula Goossens., in JOLA v. 7. no. 3. (Sept., 1974) 大学図書館における目録編成規則,私立大学図書館協会 (1973) 現代の図書館, v.10. no. 3 日本図四館協会 (1972)
‑ 2 3 ‑
(昭50.6.6)