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工事では,表面被覆工法が採用され,数多く施工されてい

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅴ‑236. コンクリートの素地調整方法 コンクリートの素地調整方法が表面粗さおよび 方法が表面粗さおよび表面被覆材の が表面粗さおよび表面被覆材の付着性状に及ぼす影響 表面被覆材の付着性状に及ぼす影響 東急建設株式会社 正会員. ○鈴木将充, 正会員. 前原 聡. 正会員. 早川健司, 正会員. 伊藤正憲. 表 1 試験体諸元. 1.はじめに No.. コンクリート構造物の長寿命化を目的とした補修・補強. 試験用基板. 工事では,表面被覆工法が採用され,数多く施工されてい. 2. る.しかし,施工した表面被覆工法が劣化因子侵入抑制な. 3. どの期待した効果を発揮しないことや当初予定した期間に. 4. 素地調整方法. 表面被覆材. 清掃(水拭き). 1 21-12-20N 圧縮強度:32.7N/mm2. 150 番研磨紙 水系アクリル樹脂. ワイヤーブラシ カップサンダー バキュームブラスト. 5. 至る前に剥離を生じるなどの問題点が挙げられている 1).こ. 表 2 素地調整後の状況. の原因として,再漏水,施工に起因する不具合,経年によ No.. る性能の低下などが挙げられる.この中で,施工に起因す. 素地調整方法. 素地調整後の表面状況. る不具合は,比較的早期に剥離が生じ,構造物の性能確保, 第三者影響度,経済性に及ぼす影響が大きいため,特に避 1. けるべき事象である.. 清掃 (水拭き). 表面がツルツルしており, 色が白っぽい。. 施工に起因する不具合の一つとしては,素地調整が挙げ られる.素地調整は,表面被覆材と既設コンクリートの一 体化を図るために行うが,表面粗さの確認は目視や指触な ど定性的な感覚に委ねられているため,施工方法や施工者. 表面がツルツルしており, 2. により表面粗さの差が大きいと考えられる.また,一体化. 150 番研磨紙. 清掃と比較すると灰色が 目立つ。. を確保するための最適な表面粗さを検討した事例は少なく, 定量的に評価することも課題として挙げられる. そこで本研究では,最適な表面粗さの定量化を目的とし て,素地調整方法が表面粗さおよび表面被覆材の付着性状. 表面の凹凸が分かり始め, 3. に及ぼす影響ついて実験的に検討を行った.. ワイヤーブラシ. 表面に無数の引っかき傷が 確認できる。. 2.試験方法 2.1 試験体諸元 表 1 に試験体諸元を示す.試験用基板に用いたコンクリ ートは,21-12-20N で 300mm×300mm×70mm の平板を製 4. 作した. 素地調整方法は, 水拭きのみの清掃,150 番研磨紙,. カップサンダー. 表面がザラザラしており, 細骨材が露出している。. ワイヤーブラシ,カップサンダー,バキュームブラストの 5 種類とした.素地調整後の清掃は,水洗いを行った.表 2 に素地調整後の状況を示す.目視,指触では No.1<No.2< No.3<No.4<No.5 の順に表面が粗くなっている.表面被覆 材は,水系アクリル樹脂を使用し,素地調整後の試験用基. 5. バキューム ブラスト. 板に 0.30kg/m2(標準膜厚 130µm)を 2 回塗りで塗布した.. 表面がザラザラしており, 細骨材だけでなく一部に 粗骨材も露出している。. 塗布後,試験材齢まで温度 20℃,相対湿度 60%の恒温恒湿 室で養生を行った.. 2.3 付着試験. 2.2 表面粗さ 表面粗さは,素地調整後の試験用基板にシリコンゴムを 塗布することで転写し,3D 形状測定機を用い,測定範囲を 約 9mm2 で行った.今回の実験では,表面粗さを線粗さとし て JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)に基づき,算術平 均粗さ Ra と最大高さ Rz を算出した.. 付着試験は,試験体に鋼製治具(40mm×40mm,厚さ 12mm)を接着し,24 時間養生後に JIS A 6909 建築用仕上塗 材,JSCE-K 531 表面被覆材の付着強さ試験方法を参考に行 い,付着強度を求めた.なお,水系アクリル樹脂を使用し ているため,付着強度の増加の確認を目的として,試験材 齢は表面被覆材塗布後,7 日および 14 日とした.. キーワード:表面被覆,素地調整,表面粗さ,付着強度 連絡先 〒252-0244 神奈川県相模原市中央区田名 3062-1 東急建設株式会社 技術研究所 土木研究グループ Tel:042-763-9507. ‑471‑.

(2) 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅴ‑236. 表 3 試験結果一覧 No.. 線粗さ測定3D. 算術平均粗さ Ra (µm). 線粗さ測定垂直輪郭曲線. 最大高さ Rz (µm). 材齢7日 箇所. 付着強度 2 (N/mm ). 破壊形態. 1. 3.0. 母材破壊. 2. 2.6. 母材‐塗膜界面破断. 3. 3.0. 1. 材齢14日 平均 付着強度 2 (N/mm ). 平均 付着強度 2 (N/mm ). 付着強度 2 (N/mm ). 破壊形態. 2.6. 母材‐塗膜界面破断. 3.0. 母材‐塗膜界面破断. 母材‐塗膜界面破断. 2.8. 母材‐塗膜界面破断. 3.6. 母材破壊. 2.6. 母材破壊. 2. 3.5. 母材破壊. 3.1. 母材破壊. 3. 3.5. 母材破壊. 2.8. 母材破壊. 1. 2.5. 母材破壊. 2.8. 母材破壊. 2. 3.2. 母材破壊. 2.3. 母材破壊. 3. 3.1. 母材破壊. 2.3. 母材破壊. 1. 2.8. 母材破壊 母材‐塗膜界面破断. 2.5. 母材破壊 母材‐塗膜界面破断. 2. 2.6. 母材破壊 母材‐塗膜界面破断. 2.6. 母材破壊. 3. 2.4. 母材破壊 母材‐塗膜界面破断. 2.6. 母材破壊 母材‐塗膜界面破断. 1. 2.5. 母材破壊 母材‐塗膜界面破断. 2.6. 母材破壊 母材‐塗膜界面破断. 2. 2.4. 母材破壊 母材‐塗膜界面破断. 2.6. 母材破壊 母材‐塗膜界面破断. 3. 2.9. 母材‐塗膜界面破断. 2.7. 母材破壊 母材‐塗膜界面破断. 1. 高さ(µm). 150 100 50 0. 2.5. -50. 14.8. 2.9. 2.8. -100 -150 0. 1000. 2000. 3000. 測定距離(µm). 2. 高さ(µm). 150 100 50 0. 4.8. -50. 31.6. 3.5. 2.8. -100 -150 0. 1000. 2000. 3000. 測定距離(µm). 3. 高さ(µm). 150 100 50 0. 10.4. -50. 47.6. 2.9. 2.5. -100 -150 0. 1000. 2000. 3000. 測定距離(µm). 4. 高さ(µm). 150 100 50 0. 19.1. -50. 99.8. -100 -150 0. 1000. 2000. 3000. 測定距離(µm). 2.6. 2.6. 5. 高さ(µm). 150 100 50 0. 36.0. -50. 183.0. -100. 2.6. -150 0. 1000. 2000. 3000. 測定距離(µm). 3.試験結果. 界面破壊 母材破壊. 3.1 表面粗さ. 母材・界面破壊. 4.0. 付着強度(N/mm2). <No.2 150 番研磨紙<No.3 ワイヤーブラシ<No.4 カップ サンダー<No.5 バキュームブラストの順に大きくなり,最 大高さも同様の傾向であることが確認された.目視,指触. 付着強度(N/mm2). が,3D 形状測定機で表面粗さを測定することで,定量的に 評価できることが確認された. 3.2 付着試験 図 1 に算術平均粗さと付着強度の関係を示す.No.1 清掃. 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5. 材齢14日. 3.5 3.0 2.5. No.1 No.2 No.3 No.4 No.5. 2.0 1.5 1.0 0.5. は材齢の経過による付着強度にほぼ差が見られず,破壊形. 0.0 0. 態は界面破断が支配的であった. No.2 150 番研磨紙, No.3 ワ るが,破壊形態は全て母材破壊であるため基盤の粗骨材の. 3.0. 0.0 4.0. では清掃と 150 番研磨紙の表面粗さの差が分かり難かった. イヤーブラシは,材齢の経過により付着強度が低下してい. 材齢7日. 3.5. 表 3 に試験結果一覧を示す.算術平均粗さは,No.1 清掃. 2.6. 5. 10. 15. 20. 25. 30. 35. 40. 算術平均粗さRa(µm). 図 1 算術平均粗さと付着強度の関係 4.おわりに 本研究で得られた知見を次に示す.. 偏りなどが影響したものと考えられる.No.4 カップサンダ ー,No.5 バキュームブラストは,材齢による付着強度に差. (1)素地調整方法により,表面粗さ(算術平均粗さ)が異. が見られず,破壊形態は母材と界面の両方で破断した状態. なり,清掃<150 番研磨紙<ワイヤーブラシ<カップ. であった.. サンダー<バキュームブラストの順に粗くなること. この結果より,算術平均粗さと破壊形態の関係に着目す ると,算術平均粗さが低い(平坦)と界面破断が生じ,あ る範囲内の算術平均粗さでは母材破壊となり,その範囲を 超えて算術平均粗さが高くなると母材と界面の両方での破 断が支配的になる可能性がある. この理由として,算術平均粗さが高くなると基板と表面 被覆材に一軸引張力だけでなく斜め方向に局所的な引張力 が発生し表面被覆材を引きはがすような力が作用したため, 母材と界面の両方での破断が発生したものと考えられた.. が定量的に確認された. (2)表面粗さ(算術平均粗さ)と表面被覆材の付着性とし て,効果的に付着する最適な表面粗さが存在する可能 性があると考えられた. 今回は付着試験による強制的な外力で表面被覆材の付着 性について検討したが,今後は実環境を想定して温度変化 等による膨張・収縮の繰返しが表面被覆材のひび割れや剥 離に及ぼす影響について検討を行っていく予定である. <参考文献> 1)土木学会:コンクリートライブラリー119 表面保護工法設計施 工指針(案) ,2005.4. ‑472‑.

(3)

参照

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