静岡県清水海岸沖 の表層 堆積層 の分布 と土砂移動 の変遷史
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(2) 602. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). に36本,海 岸 線 に沿 う方 向 に200m間 隔 に16本 で あ る(図 ‑1) .本 装 置 は主 周 波 数 帯 に は100kHzの 音 波 を 使 用 し,. 富 む こ とで あ る.Rbの. 副 周 波 数 帯 に は5〜15kHzの. 顕 著 で あ り,調 査域 南 部 で 最 大 約1mに. ワ ーは12kWで. 音 波 を使 用 して い る.送 信パ. あ る.ま た,本 装 置 の主 な特 徴 は,副 周 波. 数 帯 の音 波 の 指 向 性 が ±1.8度 と狭 い こと,水 深 分 解 能 が 5cmと 高 分 解 能 な こ とで あ る.. 音 波 探 査 によ って海 底 下 に複 数 の 反 射 面 が確 認 され た た に計3. レンチ 地 点 の測 位 は前 述 のD‑GPSに. よ. り行 った.ト レ ンチ 作 業 で は,ダ イ バ ーが 作 業 地 点 で海 底 面 の堆 積 物 を採 取 お よ び撮 影 した後,エ. ア ー リフ トに よ り. 堆積 物 を海 底 か ら海 中へ 吸 い上 げ る.掘 削 深度 が反 射 面 に 到 達 後,再. 達 す る.. あ る の に対 して,S2層. に は多 くの不 連 続 な内 部 反 射 が 認. に は,離 岸 堤 前 面 の水 深5〜8m付. び堆 積 物 の 採 取 と撮 影 を実 施 した.堆 積 相 の. 反 射 面 が挟 まれ る場 合 が あ る.こ の 内部 反 射 の反 射 強 度 は Raの そ れ と比 べ て弱 い.S3層. S1層,S2層,お (図‑3).各. よびS1+S2層. の層 厚 を 色 の濃 淡 で 表 す. 図 に は10m間 隔 の等 深 線 を合 せ て示 した.. S1層(図‑3A)は. 析 結 果 に基 づ いて 行 った.本 稿 で は,堆 積 相 解 析 の代 表 的. 砂 丘 上(依. な例 と して,ト. レンチ地 点T1(図‑1)の. 谷 頭 部 で 最 大2mと. て 述 べ る.T1に. お け る掘 削 深 度 は約1.3mで. あ る.ま た,. 全 域 で1m以. 下 の 層 厚 で あ る.例 外. 近 に1985年 以 降 に形 成 され た 海 底. 田 ほか,1997)で. 最 大4.2m,北. 層 の 分 布 は認 め られ ない.5号. ヘ ッ ドラ ン ド南 東 側 の 水 深. 約10〜20mに. 量 分 析 法(AMS法)に. 積 域 は北 駒 越 海 底 谷 の谷 軸 方 向 へ続 く.3号. よ る放 射 性 炭 素(14C)年 委 託).そ. 分 け によ って,含 礫率(>2mm),含 含 泥 率(<1/16mm)を 3.. 代測定 を. の他 の 試 料 は篩 い. 砂 率(2mm〜1/16mm),. お いて もSl層. ラ ン ド沖 の水 深7〜15m付. 300,000m3(計. S2層(図‑3B)は 音 波 探 査 によ って 得 られ た代 表 的 な記 録 を図‑2に 示 す.. 以 深,お. 脚 北 部,調. 号 ヘ ッ ドラ ン ド前 面,2号. び5号 ヘ ッ ドラ ン ドの南 東 側 を除 いた調 査 域 の ほぼ 全 域 で. 約10m以. 斜 面 で は最 大4.2mの. で をS1層,Raか. Raお よ びRbの. り下 位 層 をS3層. らRbま. 主 な特 徴 は,Raが. 浅 で は最 大2〜2.5mの. 層 厚 が,北 駒 越 海 底 谷 の. 層 厚 が み られ る.ま た,東 海 大 学 前. 面 にお いて,岸 沖 方 向 のS2層. の堆 積 が 確 認 で き,層 厚 が. にお けるS2層. の体 積 は約3,100,000m3で あ る.. 起伏 に. 代 表 的 な音 波探 査記 録 とその解釈.音 波 探査 記録 の位 置 は図‑1(M‑M')を 波探 査記 録 の基点(0m)か らの距 離(m)を 示 す.. 近,1. 〜3号 ヘ ッ ドラ ン ド周 辺 の 水 深. 最 も厚 くな る場 所 は海 底 谷 の谷 頭 や斜 面 で あ る.探 査 範 囲. 海 底 面 に対 して概 ね. 平 行 で あ りほ とん ど起 伏 が な いの に 対 して,Rbは. 図‑2. で. とす る(図‑2).. 層 厚 で あ る こ とを 除 き,. 上 で あ る.特 に,羽 衣 の松 前 の水 深5m付. 認 め られ る.こ れ らを上 位 か ら反 射面Ra,Rbと 底 面 か らRaま. 深 と5号 ヘ ッ. 〜4号 ヘ ッ ドラ ン ド沖 の水 深10m. よび岩 礁 域 で0〜0.5mの. 層 厚1m以. し(以 下. た 海 底 砂 丘 の 体 積 は約. 羽 衣 海 脚 の 水 深10m以. 海 底 下 に 明 瞭 か つ連 続 性 の良 い2つ の 反 射 面 が,羽 衣 海 よ. の層厚 は お けるSl. 算 範 囲 は図‑3Aの 黒 枠 内)で あ る.. ドラ ン ドの 南 東 側,3号. (1) 音 響 層 序,お よび 堆 積 層 の分 布. をS2層,Rbよ. 〜5号 ヘ ッ ド. 近 と,岩 礁 域 のSl層. 層 の 体 積 は 約2,300,000m3,ま. 音 波 探 査 結 果 とそ の 解 釈. Ra,Rb),海. の 堆 積 はみ られず,そ の 無 堆. 0.5m以 下 であ る.探 査 範 囲(約3,800,000m2)に. 求 め た.. 査域 南 部 の岩 礁 域(位 置 は図‑1を 参 照),お. 駒越海底谷 の. 厚 く分 布 す る.羽 衣 海 脚 北 部 で はS1. 採 取 した堆 積 物 に含 ま れ る小 枝(木 片)を 用 いて加 速 器 質 レオ ・ラ ボ(株)に. の基 底. 面 は不 明 で あ る.. 的 に,水 深10〜30m付. 調 査 結 果 につ い. に お いて は,岩 礁 域 を 除 き. 連 続 した 明 瞭 な反 射 面 はほ とん どみ られ ず,S3層. 記 載 は ダイバ ーの 目視 観 察 結 果 と,採 取 した試 料 の粒 度 分. 行 った(パ. 近やめ 海. 底 砂丘 な どに お いて局 所 的 に,比 較 的 連 続 性 の良 い1枚 の. め,表 層 堆 積 層 の トレ ンチ調 査 を2007年6月,11月 点 で 実 施 した.ト. 浅 にお. S1層 は,そ の 多 くが 内 部 反 射 の少 な い音 響 的透 明 層 で. られ る.S1層. (2) トレ ンチ調 査. 起 伏 は,現 在 の水 深10m以. い て全 体 的 に凹 凸が 大 き く,特 に3号 ヘ ッ ドラ ン ド以 南 で. 参 照.縦 軸 は水 深(m)を,横. 軸 は表 示 して い る音.
(3) 静 岡県清 水海 崖沖 の表 層堆積 層 の分布 と十砂 移動 の変 遷 中. (2) 堆 積 層 の 分 布 の解 釈 海 底 砂 丘 上 のSl層(図‑3A)の. 最 大 層 厚4.2mは,海. 地 形 か ら認 め られ る海 底 砂 丘 の 比 高 約4m(依 2000)に. ほぼ 等 しい.依. 田 ほか(1997)が. 603. A. 底. 田 ほか,. 確 認 した1995. 年 以 降,海 底 砂 丘 の層 厚 が 増 加 して い な い場 合,こ の 地 域 に は,1985年. か ら1995年 の 間 に年 平 均 約30,000m3(=. 300,000m3÷10年 間)の 堆 積 物 の供 給 が存 在 した. 現 在 の 沖方 向 へ の土 砂 移 動 を 示 す サ ン ドリッ ジ(吉 河 ほ か,2006)は,そ. の比 高 か らS1層 に相 当 す る.よ. って,. 現 在 の漂 砂 を示 す 堆 積 層(砂 層)は 音 響 的透 明 層 で あ る. サ ン ドリッ ジとは,3号. 〜5号 ヘ ッ ドラ ン ド沖 の水 深 約5m. か ら海 底 谷(南 東)方 向 に分 布 す る直線 状 の高 ま り(比 高 20〜70cm)で. あ る(吉 河 ほか,2006,2007).ま. 域 南 部 で は,現 在 の地 形 変 化(土. た,調 査. 砂 移 動)は 同域 のS1層. の層 厚 以 上 に及 ばな い(吉 河 ・根 元,2007b). 次 に,S1層. B. が 形 成 され な い地 域 につ い て述 べ る.羽 衣. 海 脚 北 部 が 無 堆 積 域 で あ る こと は,そ の場 所 が,海 進 期 の 旧 海 岸 線 を表 す 残 存 性 礫 質 堆 積 物 の 露 出域(根 1987;依. 田 ほか,1997)で. 元 ほか,. あ る こと と調 和 的 で あ る.ま た,. 5号 ヘ ッ ドラ ン ドの南 東 側 にお ける無 堆 積 域 は,礫 を 多 く 含 ん だ ベ ッ ドフォ ー ム(吉 河 ・根 元,2007a)の. 分布域 に. 対 応 し,そ の無 堆 積 域 は海底 谷 の谷 軸 方 向 に続 く.同 域 に お け る粗 粒 堆 積 物 の分 布 は,依 田 ほか(1997)に. よ る1995. 年 当 時 の音 波 探 査 結 果 か ら も,海 底 面 の 強反 射 域(図‑3A の 白色 の枠 内)と で は5号. して確 認 され て い る.よ って,こ の地 域. ヘ ッ ドラ ン ド設 置(1999〜2000年)以. 前 か ら,. 礫 な どの 粗 粒堆 積 物 が海 岸 か ら海 底 谷 方 向 へ移 動 して いた と考 え られ る.つ ま り,同 域 で は,海 岸 か ら定 常 的 に土 砂 供 給 が あ るに も関 わ らず,S1層. が安 定 的 に堆 積 せず,移. 動(侵 食)と 再 堆 積 を繰 り返 して い る と推 測 され る.こ の. C. 見 解 は,同 域 に お け る過 去 数 年 間 の水 深 変 動 が約40〜70 cmの 範 囲 で,侵 食 と堆 積 を繰 り して い る ことか ら も支 持 され る(吉 河 ・根 元,2007b). S2層 は,内 部 反 射 の 強 度 とそ の連 続 性 か ら,長 期 的 に 海 浜 域 か ら粗 粒 堆 積 物 と細粒 堆 積 物 の供 給 を繰 り返 した結 果,言. い換 えれ ば,暴 浪 時 と静 穏 時 を繰 り返 した結 果,形. 成 され た と考 え られ る.反 射 面Rbは,Raと. 比 べ て起 伏 が. 大 き く,サ ン ドリ ッジが 分 布 しな い調 査 域 南 部(吉 河 ・根 元,2007a)に. お い て,そ の 起 伏 は特 に大 きい.過 去 数 年. 間 の海 底 地 形 の変 動 を見 る限 り(吉 河 ・根 元,2007b), 調 査 域 南部 に お いて,現 在 の環 境 下 で はRbの され な いため,RaとRbの. 起 伏 は形 成. 形成 要 因 は異 なる.. S2層 の形 成 時 期 につ い て検 討 す る.依 田 ほか(2000) は三 保 半 島 の ボー リング試 料 と半 島 沖 の地 質 構 造 を対 比 さ せ,海 底 堆 積 層 を区 分 して い る.そ れ によ れば,最 上 位 の 堆 積 層 は,現 在 の 三 保半 島 を構 成 す る3つ の砂 嘴 を形 成 し た縄 文 海 進 期(約6000年. 前)以 降 現 在 まで の地 層(A0層). で ある(依 田 ほか,2000).A0層 ドラ ン ド沖 の 水 深10m付 黒 色 の太 線)で 大 約2m)よ. は,羽 衣 の松 か ら4号 ヘ ッ. 図‑3 図Aの. 地 層 等 層 厚 線 図.A:S1層,B:S2層,C:S1+S2層, 白枠 は,依. 田 ほ か(1997)に. よ る 海 底 面 の 強 反 射 域.. 近 に お いて 層 厚 約5m(図‑3Cの. あ り,同 域 にお け るS1+S2層. り明 らか に厚 く,A0層. の 層 厚(最. 基 底 がS2層. 基底 よ り. 深 い こ と を 示 す.よ 成 さ れ た.. って,反. 射 面Rbは6000年. 前 以 降 に形.
(4) 604. 4.. 海. 岸. 工. 学. 論. 第55巻(2008). 積相Aは,現. 調 査 域 北 部 で 行 っ た海 底 トレ ンチ 調 査(図‑1,掘. 削深. よ る模 式 柱 状 図 を図‑4に 示 す.堆 積 相 は. 明 瞭 な岩 相 変 化 によ って,上 位 か ら堆 積 相A,B,Cに 分 され る.堆 積 相AとBの. 厚 さ(約0.5m). は同 様 で あ る.つ ま り,淘 汰 度 の良 い砂 層 で構 成 され る堆 (1) 地 質 層 序. BとCの. 集. り,ま た,サ ン ドリッジの比 高 と堆 積 相Aの. トレ ン チ 調 査 結 果 と そ の 解 釈. 度:約1.3m)に. 文. 区. 境 界 は 直線 的 で あ り,堆 積 相. 境 界 は屈 曲 して い る.. 在,頻. 繁 に移 動 と再 堆 積 を 繰 り返 す 漂 砂 を. 示す 堆 積 相 で あ る. 堆 積 相Bは. 堆 積 相Aと. 比 べ て 明 らか に粗 粒 な堆 積 物 に. よ って構 成 され て い る.そ の粗 粒 堆 積 物 に は赤 褐 色 に酸 化 した礫 が 含 まれ る こ とか ら,堆 積 相Bは. 堆 積 相Aの. よう. に頻 繁 に移 動 お よ び再 堆 積 して い な い と推 測 さ れ る.ま た, サ ン ドリ ッジ と礫 を多 く含 ん だベ ッ ドフ ォー ム の分 布 は隣 接 して い るた め(吉 河 ・根 元,2007a),堆. 積 相Bが. 上方. 粗 粒化 を示 す理 由に は,堆 積 相B最 上部 が その ベ ッ ドフォー ムの残 留 堆 積 物 で あ る ことが あ げ られ る. 堆 積 相Cの. 礫 の 分 布 や 粒 径 か ら,堆 積 相C最. 堆 積 相A,Bの. 上 部 は,. 形 成 時 よ り大 きな 営 力 が岸 か ら沖 方 向 に働. いた 結 果,形. 成 した と推 測 され る.ま た,堆 積 相C最. 上. 部 形 成 時 に は,通 常 の暴 浪 時 よ り も多 く泥 質 堆 積 物 が巻 き 上 が った と考 え られ る.さ. らに,堆 積 相Cは 堆 積 相A,B. と比 べて 明 らか に固 く締 ま って い るため,現 在,移 動 も し くは再 堆 積 して いな い といえ る. 14C年 代 測 定 に よ る木 片 の堆 積 年 代(1730 木 片 が 他 生 の産 状 の場 合 や,堆 積 相Cの. 〜1810年)は. ,. 形成 後に木片が. 混 入 す る な どの不 確 定 要 素 を含 む.し か し本 稿 で は,こ の 年 代 を,木. 片 が堆 積 相C最. り堆 積 相C最 図‑4. 上 部 に 固 定 され た 時期,つ. T1地 点 の模式 柱状 図 5.. 海 底 面 は砂 質 堆 積 物 か らな る波 長20cm程. 度 の リ ップ ル. 議論. 音 響 層 序 と地 質層 序 の各 深 度 か ら,S1層. は堆 積 相Aに,. に覆 われ て い る.海 底 面(堆 積 相A最 上 部)の 堆 積 物 は含. S2層 は堆 積 相Bに,S3層. 砂 率96%,そ. 下 で は,前 述 の解 釈 を踏 まえ て表 層 堆 積 層 の形 成過 程(土. 堆 積 相Aに. の 内 の約90%が. 細 粒 砂 〜 極 細 粒 砂 で あ る.. は全 体 的 に礫 の分 布 が認 め られ ず,淘. 汰度の. 良 い砂 層 で あ り,堆 積 物 に は貝 殻 片 や蟹 の遺 骸 が 含 まれ る. 堆 積 相B最 上 部(深. 度0.5〜0.6m)は. 堆 積 相Aに. 粗 粒 で あ り淘 汰 度 が 悪 く,含 礫 率25%,含 泥率2%で. あ る.礫 は0.2〜1cm程. 長 径5.5cm,短. 径3.5cmで. した礫 や貝 殻 片,ま. た,主. 比べて. 砂 率73%,含. 度 の ものが 多 く,最 大 で. あ る.堆 積 物 に は赤 褐 色 に酸 化 に潮 間帯 〜 水 深10mに. る ム ラサキ イ ガイ(奥 谷,2000)の 相Bは. 生息 す. 貝 殻 が含 まれ る.堆 積. 下 方 に向 けて礫 が減 り,上 方 粗 粒 化 が認 め られ る.. 堆 積 相C最 上 部(深 含 砂 率67%,含. ま. 上部 の形 成 年 代 と して 議論 を進 め る.. 度1〜1.2m)の. 泥 率7%で. 堆 積 物 は含 礫 率26%,. あ り,堆 積 相A,Bに. 比 べ て泥. は堆 積 相Cに. 対 比 され る.以. 砂 移 動 の変 遷 史)に つ い て下 位 層 か ら順 に述 べ る. 堆 積 相C(S3層. 相 当層)の. 特 徴 に加 えて,反. 射 面Rb. の起 伏 は,現 在 の台 風 など の暴 浪 時 の波 浪 規 模 で は形 成 さ れ な い こ とか ら,S3層. 最 上 部 は,台 風 の暴 浪 時 よ り大 き. な営 力 を持 っ 海 岸 か ら沖 方 向 へ の マス ム ー ブ メ ン トによ っ て 形 成 さ れ た と考 え られ る.さ. らに,Rbが. 広 域 的 に認 め. られ る こ とか ら,現 在 局 所 的 に海底 谷 周 辺 で発 生 して い る 堆 積 物 重 力 流(吉 河 ・根 元,2007a)で. は な く,さ らに営. 力 の 大 きい土 砂 の運 搬 が 推 測 され る.そ の マス ム ー ブメ ン トと して 津 波 の 営 力 な どが 考 え られ る.し か し,堆 積 相C の解 析 を行 った の は1箇 所 で あ る こ とや,木 片 の堆 積 年 代. 質 堆 積 物 の割 合 が高 く,底 質 が 多様 であ る.堆 積 物 には,. に は不 確 定 要 素 が 含 まれ るた め,こ れ以 上 成 因 に 関 す る議. 潮 間 帯 に多 く生 息 す るイ トマ キ ボ ラ(奥 谷,2000)の. 論 は行 わな い.. が 含 まれ る.堆 積 相Cの 礫 は最 大 で 長 径7cm,短. 貝殻 径5.5cm. 何 らか の マ ス ムー ブメ ン トに よ って 反 射 面Rbが1730〜. で あ り,普 遍 的 にか た ま って存 在 し,全 体 的 に礫 の粒 径 が. 1810年 頃 に形 成 され た 後,S2層. 堆 積 相Bの. 物 の供 給 の繰 り返 しの 結 果 形 成 され た.調 査 域 南 部 で は,. それ よ り大 きい.ま た,堆 積 相Cは 堆 積 相A,. は粗 粒 堆 積 物 と細 粒 堆 積. Bに 比 べ て 明 らか に地 層 が 固 く,生 物 痕 が少 な い.さ らに, 14C年 代 測 定 か ら得 られ た堆 積 相Cの 最 上 部 に含 ま れ る小. 現 在S1層. 枝(木 片)の 年 代 値 は1730〜1810年(最. 現在 移 動 して い る可 能 性 が あ る.つ ま り,本 域 に お け る堆. (2) 地 質 層 序 の 解 釈 T1地 点 に お け る堆 積 相Aは. 確 値)で あ る.. よ り下 位 層 が移 動 や 再 堆 積 を して い ない と推 測. され るが,3号. 〜5号 ヘ ッ ドラ ン ド周 辺 で は,S2層. 積 物 の 移 動 様 式 は多 様 で あ るた め,各 サ ン ド リッ ジの 堆 積 物 で あ. る.な ぜ な ら,ト レ ンチ地 点 はサ ン ドリッ ジの分 布 域 で あ. 地 域 のS1層. 上部 も. とS2. 層 の形 成 過 程 に は差 異 が生 じて い る可 能 性 が あ る.こ こで 反 射 面Raの. 成 因 が重 要 とな る..
(5) 605. 静 岡県 清水 海岸 沖 の表層堆 積層 の分 布 と土砂 移動 の変遷 史 Raが 何 らか の環 境 の 変 化 に よ って 生 じた 同 時 間 面 で あ る場 合,Sl層. の形 成 時期 につ い て次 の こ とが考 え られ る.. 海 底 砂 丘(S1層)の. 主 な形 成 時 期 は1985〜1995年. (依 田 ほ か,1997),こ (30,000m3/yr)が. であ り. の 地 域 に お いて 急 激 な 土 砂 の供 給. 存 在 した.こ の土 砂 供 給 の存 在 した地 域. 6.. おわ りに. 本 研 究 で は,音 波 探 査 結 果 か ら清 水 海 岸 沖 の 表 層 堆 積 層 をS1,S2,S3層. の3つ に区 分 した.こ れ らの堆 積 層 の. 分 布 お よ び特 徴 と,ト レンチ調 査 結 果,さ. らに海 底 地 形 に. が海 底 砂丘 域 に限 定 されて い た と は考 え られ な い ため,そ. 関 す る既 存 の研 究 報 告 をあわ せ て,清 水 海 岸 沖 にお け る表. の他 の地 域 にお け るSl層 の 主 な 土 砂 供 給 も1985〜1995年. 層 堆 積 層 の 形 成 過 程 につ いて 検 討 した.調 査 域 で は,海 底. 頃 で あ った と考 え られ る.こ の時 期 にお け る大 きな環 境 変. 谷 の分 布 とい った 海 底 地形 の特 徴 な どに よ って堆 積 物 の移. 化 には海 岸 侵 食 が あ げ られ る.海 岸 侵 食 が 確 認 され た時 期. 動 様 式 が 多 様 で あ るた め,反 射 面 の形 成 要 因,形 成 時 期 に. は,調 査域 北 部 で は1995〜1998年. つ いて疑 問 が 残 る.今 後,複 数 の地 点 にお け る堆 積 相 の解. 頃(佐 藤,1998),調. 査. 析,お. 域 南 端 で は1985年 頃 と され る(宇 多,1997). 海 岸 侵 食 は,土 砂 の供 給 と流 出 の均 衡 が 崩 れ た と きに生. よび暴 浪 時 の前 後 にお け る堆 積 構 造 の変 化 の 検 討 が. 望 まれ る.. じる.本 域 で は,主 に安 倍 川 河 口か らの排 出土 砂 量 が減 少 した た め,沿 岸 漂 砂 によ って海 浜 域 に供 給 され る土 砂 量 が. 謝 辞:東 海 大 学 大 学 院 生 や 同 大 学 海 洋 学 部 学 生 に は現 地. 減 少 した.そ の 結 果,海 岸 で は流 出量 が供 給 量 を上 回 り侵. 調 査 や デ ー タ整 理 の 際 に,(株)鉄. 食 が開 始 した.同 時 に,海 底 にお いて も,海 岸 か ら流 出 し. は トレンチ調 査 の 際 に協 力 を受 けた.以 上 の方 々 に深 謝 す. て くる土 砂 や沿 岸 漂 砂 によ る土 砂 の 供 給 不 足 に よ って侵 食,. る.. も し くは堆 積 の 停 滞 が 生 じた.こ の 時 に侵 食 面(反 Ra)が. 射面 参. 形 成 さ れ た と考 え られ る(吉 河 ・根 元,2007b).. そ の後,元. 々 の海 岸 堆 積 物 や養 浜 土 砂 の 内,主. に細 粒 物. 質 が海 底 へ 流 出,な らび に,沿 岸 漂 砂 に よ る土 砂 供 給 な ど に よ ってS1層(砂. 層)が. 主 に形 成 され た と推 測 され る.. また,現 在 の 環 境 下 にお い てS1層. 宇 多 高 明 (1997):. の 土 砂 移 動 を反 映 した堆 積 層 で あ り,特 に,海 岸侵 食 に関. 下 位 に及 んで い る可 能 性 が あ り,ま た,上 述 したRaの. り 形. 成 過 程 が全 域 に該 当 す るか は不 明 で あ る.そ の ため,Ra の成 因 と海岸 侵 食 の関 係 につ いて は疑 問 が残 る. 過 去 と現 在 の堆 積 速 度 に つ いて 検 討 す る.S1層. を過 去. 20年 間 の堆 積 層 と し,暴 浪 時 に海 底 谷 周 辺 でS2層 移 動 す る可 能 性 を 考 慮 しな い場 合,ま 1730〜1810年. に形 成 され た場 合,S1層. 度 は 次 の よ う に な る.S1層 堆 積(年. 上部が. 射 面Rbが. とS2層. の堆 積 速. は 過 去20年 間 に2,300,000m3. 平 均115,000m3)し,S2層. 3,100,000m3堆 積(年. た,反. は180〜260年. 平 均12,000〜17,000m3)し. 間に. た.こ の. 年 平 均 堆 積 量 の オ ー ダーの違 い は,沿 岸 漂 砂(離 岸 堤 設 置 前:130,000m3/yr,設 2006))に. 置 後:70,000m3/yr(宇. 多 ほ か,. よ って調 査 域 へ運 搬 され た土 砂 や,調 査 域 で過. 去 約20年 間 実 施 さ れ た養 浜 土 砂(35,000m3/yr)が 食 に伴 い大 量 に海 底 へ 移動 したため と考 え られ る.. 海岸侵. 献 山 海 堂, 442p.. (2000):. 日本 近 海 産 貝 類 図 鑑,. 東 海 大 学 出 版,. 1173. p. 佐 藤 慎 司 ・鈴 木 忠 彦 ・瀬 戸 緒 勝 ・松 浦 吉 洋 ・山本 吉 道 ・花 田 昌 幸 (1999): 清 水 海 岸 海 底 谷 周 辺 の 波 ・流 れ と漂 砂 機 構. 連 した土 砂 移 動 によ る堆 積 物 によ って 構 成 され て い る と考 え る.た だ し,海 底 谷 周 辺 で は現 在 の土 砂 移 動 がRaよ. 文. 53, pp.661‑665. 奥谷喬 司. は主 に過 去 約20年 前 か ら現 在 まで. 考. 日本 の 海 岸 侵 食,. 宇 多 高 明 ・石 井 隆 ・杉 山喜 一 郎 ・西 谷 誠 ・荻 原 智 ・芹 沢 真 澄 ・石 川 仁 憲 (2006): 動 的 平 衡 海 浜 に建 設 され た ヘ ッ ド ラ ン ド群 の 漂 砂 制 御 効 果 の 定 量 的 評 価, 海 岸 工 学 論 文 集,. は移 動 と再 堆 積 を繰 り. 返 して いる. 以 上 の よ う に,S1層. 組 潜水工業所の方 々に. 佐藤. 海 岸 工 学 論 文 集, 46, pp.671‑675. 武 (1998): 清 水 市 折 戸 海 岸 の 侵 食 につ い て‑礫. 質 の移 動‑, 根 元 謙次 ・佐 藤. ・粗 粒 物. 東 海 大 学 紀 要 海 洋 学 部, 46, pp.107‑117. 武 ・伊 津 信 之 介 ・小 川浩 史 ・廣 瀬 重 之 (1987):. 駿 河 湾 ・三 保 半 島 沖 の 海 底 地 形 お よ び 底 質 に つ い て, 東 海 大 学 紀 要 海 洋 学 部, 24, pp.83‑97. 吉 河 秀 郎 ・根 元 謙 次 ・横 山心 一 郎 ・鬼 頭 毅 ・木 村 賢 史 (2006): 三 保 半 島 海 浜 か ら 内側 陸 棚 に お け る砕 屑 物 の 移 動 と堆 積, 海 洋 調 査 技 術,. 18, pp.3‑15.. 吉 河 秀 郎 ・根 元 謙 次 (2007a): 静 岡 県 三 保 半 島沿 岸 域 の砕 屑 物 移 動 と海 岸 浸 食 につ いて, 堆 積 学 研 究, 64, pp.131‑136. 吉 河 秀 郎 ・根 元 謙 次 (2007b): 地 質 学 雑 誌, 投 稿 中. 吉 河 秀 郎 ・根 元 謙 次 ・秋 山 幸 秀 (2007): 離 岸 堤 型 ヘ ッ ドラ ン ド 周 辺 か ら海 底 谷 にお け る土 砂 移 動 機 構, 海 岸 工 学 論 文 集, 54, pp.501‑505. 依 田美 行 ・石 井. 良 ・滝 野 義 幸 ・大 田光 晴 ・福 岡 一 歩 ・根 元 謙. 次 (1997): 駿 河 湾 西 岸 三 保 の 松 原 沖 の底 質 分 布 につ い て, 東 海 大 学 紀 要 海 洋 学 部, 43, pp.157‑170. 依 田美 行 ・黒 石 修 ・根 元 謙 次 (2000): 堆 積 シー ケ ンスか らみ た三 保 半 島及 び 半 島沖 大 陸 棚 の形 成, 海 洋 調 査 技 術, 12, pp.31‑47..
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