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医師卒後研修プログラム

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Academic year: 2021

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(1)

東京都済生会中央病院

専修医(後期研修)プログラム

(平成 25 年度用)

社会福祉法人

恩賜

財団

済生会支部東京都済生会

東 京 都 済 生 会 中 央 病 院

(2)

平成 25 年度専修医(後期研修医)募集要項

東京都済生会中央病院

研修教育責任者 院長 高木 誠

応 募 資 格

新医師臨床研修制度における初期研修を修了もしくは修了見込みの者

募 集 人 数

内科プログラム

<総合診療内科・内科認定医取得・内科系診療科専門医コース>

(8 名)、

心臓血管外科プログラム(2 名) 呼吸器外科プログラム(2 名)

脳神経外科プログラム(1 名) 整形外科プログラム(2 名)

麻酔科プログラム(1 名) 泌尿器科プログラム(1 名)

産婦人科プログラム(1 名) 病理診断科プログラム(1 名)

救急診療科プログラム(1 名)

研 修 期 間

平成25年4月1日より2~4年間

専 修 医 数

内科系 10 名、呼吸器外科 2 名、整形外科 2 名、

救急診療科・泌尿器科・脳神経外科・心臓血管外科 各 1 名

専修医の処遇

給 与 1年次 月額 400,500 円(+年間賞与+当直料)

2年次 月額 407,600 円(+年間賞与+当直料)

3年次 月額 424,300 円(+年間賞与+当直料)

4年次 月額 432,000 円(+年間賞与+当直料)

宿 舎 なし。住宅手当有。

出 願 書 類

1.専修医応募用紙(写真貼付)

2.医師免許証の写し

3.初期臨床研修修了(見込)証明書(書式自由)

4. 推薦状(書式自由)

5.健康診断書(書式自由)

※ 詳細は当院ホームページ参照のこと。

選 考 方 法

試 験 形 式 全国公募

出 願 締 切 日

①平成 24 年 9 月 28 日(金)、②平成 24 年 11 月 9 日(金)

試 験 日

①平成 24 年 10 月 6 日(土)、②平成 24 年 11 月 17 日(土)

※ 試験日は、上記①または②のいずれかより一日選択。

試 験 内 容 書類選考、面接

※ なお、試験日以前に、プログラム責任者と面談を行うこと。

申 し 込 み

問 合 せ 先

〒108-0073 東京都港区三田1-4-17

東京都済生会中央病院 臨床研修室

TEL 03-3451-8211(内線 4620) FAX 03-5444-3590

E メール kensyu@saichu.jp

(3)

具体的な応募方法

1. 出願書類について (ア) 応募用紙は、インターネット(当院ホームページ http://www.saichu.jp/ )よりダウンロード して下さい。 (イ) 初期臨床研修修了(見込を含む)証明書は、各自の研修施設発行の書式で結構です。 (ウ) 健康診断書の書式は自由です。各施設の健康診断結果で代用しても結構です。 (エ) 推薦状の書式も自由です。なるべく初期研修の指導医に記載してもらって下さい。 2. プログラム内容は、本書または当院ホームページ上のプログラムを参照下さい。 3. 出願締切期限は厳守下さい。 4. 試験は、書類選考および面接で行います。出願書類不備のないよう、誤記・脱落のないよう、後 述の記載方法を参照しながら、細心の注意を持って記載して下さい。なお相互のマッチングのた め、事前の施設見学を強くお勧めしています。日時調整は、柔軟に応じますので、臨床研修室に ご連絡の上、是非、見学においで下さい。 5. 採用試験日の面接時間は、出願締め切り後、数日以内に、現住所または連絡先にお知らせします。 業務などでやむを得ず変更を希望される場合には、臨床研修室に直接ご連絡下さい。 6. 応募書類の受理、合否結果は E-mail でお知らせしますので、アドレスを必ずご記載下さい。

応募用紙記載上の注意

(黒又は青インクで直筆で記入して下さい。数字はアラビア数字、文字は楷書体を用いて下さい。 ※印は○で囲んで下さい。) 1. まず、応募を希望するプログラム名を明記してください(例:内科系診療科専門医コース:消化器コ ース)。原則として、プログラム内での併願は認められません。 2. 写真は出願前 3 ヶ月以内に撮影した上半身・脱帽した状態のカラー写真を用いて下さい。 3. 連絡先は、実家などで連絡の容易につく先を記載して下さい。 4. 学歴は小学校卒業以後、現在までを記載して下さい(小中学は卒業のみ、それ以後は入学卒業を 記載)。 5. 職歴については、別欄に記載下さい。なお、職歴にアルバイトは含みません。 6. 免許・資格は公式に認められたものを記載して下さい。TOEFL、TOEIC などの得点は記載して 結構です。 7. 初期研修の内容は、未習の部分を含め、2 年間にわたる期間・部署など、なるべく詳細に記載して 下さい。 8. 各種手技は、応募時点までの経験症例数を記載して下さい。多数の場合は概数で結構です。 9. 将来の進路は、現時点での希望で構いませんので、必ずご記載下さい。 10. 当院プログラムの志望理由は、なるべく具体的に記載して下さい。 11. 応募用紙は返却致しません。応募に関連した個人情報は、当院専修医プログラム採用目的以外に は使用致しません。またこれらの個人情報が不要になった場合は、個人情報保護法の規定に則り、 当院で責任を持って廃棄致します。

(4)

<東京都済生会中央病院 専修医(後期研修)プログラム 目次>

■東京都済生会中央病院 理念と基本方針 ... 1 ■東京都済生会中央病院 臨床研修機関目標(一般目標 GIO): ... 1 ■医師臨床研修の理念と基本方針 ... 1 ■当院専修医プログラムの特徴 ... 2 ■各プログラムと専門医資格取得との関連 ... 3 ■内科プログラム ... 4 1.総合診療内科コース ... 8 2.内科認定医取得コース ...13 3.内科系診療科専門医コース(各コース共通) ...16 ●3-1.血液・腫瘍・感染症内科コース ... 18 ●3-2.呼吸器内科コース ... 20 ●3-3.消化器内科コース ... 23 ●3-4.神経内科コース ... 28 ●3-5.循環器科コース ... 33 ●3-6.腎臓内科コース ... 44 ●3-7.糖尿病・内分泌内科コース ... 47 ■心臓血管外科後期研修プログラム(修了年限4年間) ...51 ■呼吸器外科プログラム(修了年限は4年間) ...55 ■脳神経外科プログラム(修了年限は4年間) ...58 ■整形外科後期研修医プログラム(修了年限は4年間) ...60 ■麻酔科プログラム(修了年限は3年間) ...62 ■泌尿器科プログラム(修了年限は2年間) ...66 ■病理診断科プログラム(修了年限は4年間) ...71 ■救急診療科プログラム(修了年限は4年間) ...73

(5)

■病院概要 ...77 1.当院の沿革 ... 77 2.研修病院の概要 ... 77 3.指導医・上級医リスト ... 78 4.諸学会認定研修教育指定 ... 83 5.プログラム管理体制 ... 84 6.プログラム修了後のコース... 86 7.専修医の処遇 ... 86 8.資料請求先 ... 87 ■各科概要 ...88 <総合診療内科> ... 88 <消化器内科> ... 89 <呼吸器内科> ... 94 <糖尿病・内分泌内科> ... 96 <神経内科> ... 98 <循環器科> ... 99 <腎臓内科> ... 103 <心臓血管外科> ... 105 <呼吸器外科> ... 107 <脳神経外科> ... 110 <整形外科> ... 110 <泌尿器科> ... 111 <麻酔科> ... 112 <婦人科> ... 113 <病理診断科> ... 114 <救急診療科> ... 114 ■(参考資料)専門医申請資格一覧 ... 117

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■東京都済生会中央病院 理念と基本方針

理念

「済生の精神」に基づいた思いやりのある保健・医療・福祉サービスの提供を通じて社会に貢献し ます。(「済生の精神」とは、分け隔てなくあらゆる人々に医療・福祉の手を差しのべることです。)

基本方針

1. 地域の中核病院として、医療機関、福祉施設等との連携を密にします。 2. 個人の権利を尊重し、相互信頼に基づいた医療を提供します。 3. 職員が働きがいとプライドを持って、質の高いチーム医療を実践します。 4. 医療従事者の教育と臨床医学の発展に貢献します。 5. 保健・医療・福祉に恵まれない人々への支援に取り組みます。

■東京都済生会中央病院 臨床研修機関目標(一般目標 GIO):

恩賜財団として発足した社会福祉法人済生会の社会的使命の下、国民が希求する医療人の姿を常 に追求し、将来の専門性の如何に関わらず、患者中心の高度かつ良質な医療サービスを提供できる医 療人として成長するために、各専門職に求められる基礎的知識・技術・マナーを修得する。

■医師臨床研修の理念と基本方針

理念

「済生会」の持つ社会的使命の下、職員一同が自負と責任を持って、将来の日本の医療を支え、国 民が求める保健・医療・福祉の負託に応えられる医師を養成します。

基本方針

1. 自らに求められる社会的・組織的ミッションを理解し、自律心を持って医業を遂行します。 2. 社会人・医療人として尊敬される態度・マナーを修得します。 3. 医師間のみでなく、他職種を含めた相互教育を実践します。 4. チーム医療を自ら実践できる行動力を養成します。

(7)

■当院専修医プログラムの特徴

この専修医プログラムは、2年間の初期臨床研修を修了した医師を対象とし、各診療科領域の 専門研修を継続して希望するためのものである。 当院の専修医プログラムの目標は、各診療科専門医に求められる知識・技能・マナー全般の基 礎を修得することに加え、生涯研修が義務づけられる医師として、高い倫理観と社会性・自律性 を醸成し、将来のチームリーダーとして各々の専門性を如何なく発揮できる、優れた臨床専門医 を養成することにある。 当院の専修医プログラムの第一の特徴は、経験症例の豊富さにある。当院救急は、一次および 二次救急を主体としており、2012 年 10 月からは 3 次救急も開始する予定となっている.平成 23 年度の受診者総数は約 15,600 人、救急車台数は約 5,200 件であり、地域の中核となる急性期救急 病院として機能している。また当院は、都会型の地域医療を展開しており、港区医師会を中心と する病診連携機能をフルに生かした紹介患者の多さも特徴である。さらに診療科により高度医療 を展開している場合もあり、先進的治療や比較的稀な疾患を経験することも可能である。 第二の特徴は、教育指導体制の充実にある。各診療科には専門医資格を有する指導医が配置さ れており、将来の専門医資格取得を念頭に入れた専門研修を受けることが可能である。CPC を含む 病理カンファレンス、各種教育レクチャーや症例カンファレンスなども数多く開催されている。 さらに、医師生涯教育を目的とした全科網羅的な総合診療レクチャーも毎月1回開催されており、 全院的な相互教育システムが確立されている。 第三の特徴は、専修医プログラムの実績にある。特に内科系プログラムには 20 年以上の歴史が あり、当院専修医プログラムを経て各専門医資格を取得し、指導医として当院で活躍している者 も少なくない。過去に実績のある研修医育成システムにつづき、専修医育成システムを確立し、 社会的ニーズに沿った優秀な臨床専門医を輩出することで、広く社会的貢献を果たしたいと考え ている。

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プログラム名 取得可能な資格名プログラム在籍中に 追加研修により取得可能な資格名 認定内科医(日本内科学会) 日本内科学会認定総合内科専門医 日本老年医学会専門医(日本老年医学会) 認定内科医(日本内科学会) 日本内科学会認定総合内科専門医 血液専門医(日本血液学会) 認定内科医(日本内科学会) 日本内科学会認定総合内科専門医 呼吸器専門医(日本呼吸器学会) 認定内科医(日本内科学会) 日本内科学会認定総合内科専門医 消化器病専門医(日本消化器病学会) 肝臓専門医(日本肝臓学会) 消化器内視鏡専門医(日本消化器内視鏡学会) 認定内科医(日本内科学会) 日本内科学会認定総合内科専門医 神経内科専門医(日本神経学会) 脳卒中専門医(日本脳卒中学会) 認定内科医(日本内科学会) 日本内科学会認定総合内科専門医 循環器専門医(日本循環器学会) 日本心血管インターベンション治療学会専門医 日本集中治療医学会専門医 認定内科医(日本内科学会) 日本内科学会認定総合内科専門医 腎臓内科専門医(日本腎臓学会) 透析専門医(日本透析医学会) 認定内科医(日本内科学会) 日本内科学会認定総合内科専門医 糖尿病専門医(日本糖尿病学会) 麻酔科 麻酔科認定医(日本麻酔科学会) 麻酔科専門医(日本麻酔科学会) 整形外科 整形外科専門医(日本整形外科学会) 心臓血管外科 外科専門医(日本外科学会) 心臓血管外科専門医(三学会構成心臓血管外科専門 医認定機構) 呼吸器外科 外科専門医(日本外科学会) 呼吸器外科専門医(日本呼吸器外科学会、 日本胸部外科学会) 脳神経外科 脳神経外科専門医(日本脳神経外科学会) 産婦人科 産婦人科専門医(日本産婦人科学会) 泌尿器科 泌尿器科専門医(日本泌尿器科学会) 病理診断科 死体解剖資格(厚生労働省) 病理専門医(日本病理学会) 細胞診専門医(日本臨床細胞学会) 救急診療科 救急科専門医(日本救急医学会) 日本救急医学会指導医、外傷専門医、熱傷専門医、 外科専門医、認定内科医ほか 内科系診療科専門医コース 糖尿病・内分泌内科 総合診療内科コース 内科認定医取得コース 内科系診療科専門医コース 神経内科 内科系診療科専門医コース 血液・腫瘍・感染症内科 内科系診療科専門医コース 呼吸器内科 内科系診療科専門医コース 腎臓内科 内科系診療科専門医コース 消化器内科 内科系診療科専門医コース 循環器科

■各プログラムと専門医資格取得との関連

(9)

■内科プログラム

本プログラムは下記の3つのコースを包含しており、各コース選択は応募時に希望を

明記する必要がある。修了年限は、総合診療内科コースならびに各診療科専門医コース

が4年間、内科認定医取得コースが2年間である。

1.総合診療内科コース

2.内科認定医取得コース

3.内科系診療科専門医コース

3-1.血液・腫瘍・感染症内科コース

3-2.呼吸器内科コース

3-3.消化器内科コース

3-4.神経内科コース

3-5.循環器科コース

3-6.腎臓内科コース

3-7.糖尿病・内分泌内科コース

総合診療内科コース、内科認定医取得コースは内科各専門科、救急外来、N 棟、済生

会向島病院などでの総合ローテーションによる研修を行うが、内科系診療科専門医コー

スにおいても近年の初期研修における内科履修期間不足による内科研修不足を補うため

希望する専門科以外の内科専門科、救急外来、N 棟での研修を必要期間行う。

内科プログラムの一般目標 GIO

当院の理念ならびに基本方針の下、変遷する社会の医療ニーズを敏感に察知し、いかなる環境下に あっても、生涯にわたり継続的に、患者中心の高度かつ良質なケアを提供できる臨床医となるために、 初期研修で得られた内科全般にわたる基本的な知識・技術を深めるとともに、内科系各専門医に要求 される知識・技術・接遇・倫理観・研究心・教育観の基礎を修得し、将来、自律してチーム医療を遂 行できる素地を醸成することを目標とする。

内科プログラム共通行動目標 SBOs:

(各コースの具体的な行動目標、経験目標は各コースの項を参照) (1)コミュニケーション能力:円滑なチーム医療遂行のため、患者やその家族、同僚やコメディ カルと良好な人間関係を確立するために、 1) 患者・家族の背景・特質・性格を考慮しながら、そのニーズを把握し、列挙できる(技能)。 2) 相手の状況に応じた正確かつ公平な情報提供(ムンテラ)を実施できる(技能)。 3) 医の倫理・生命倫理に則して、適切なインフォームドコンセントを実施できる(技能)。 4) 個人情報保護法の趣旨に沿って守秘義務を遵守するとともに、適切なプライバシー配慮を行う (態度)。 5) セカンドオピニオンの求めに応じて、適切な医療情報の公開を実践できる(態度)。

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6) 上級および同僚医師、他の医療従事者と適切なコミュニケーションがとれる(態度)。 7) 上級医や専門医に、適切なタイミングで、的確なコンサルテーションができる(態度)。 8) TPOをわきまえた適切なプレゼンテーションを実施できる(技能)。 9) 外部関係機関や諸団体の担当者に対して、適切なコミュニケーションがとれる(態度)。 (2)臨床対応能力:患者の問題を常に整理し、自立した問題対応型の診療を実践するために、 1) 適切な問診・身体所見を取ることができる(技能)。 2) 患者のプロブレムリストを速やかかつ正確に作成できる(知識;解釈)。 3) 検査・治療の初期計画を的確に立案することができる(知識;問題解決)。 4) 入院日のみならず、日々、正確かつ迅速に診療録を作成することができる(技能)。 5) 患者背景や QOL を考慮した総合的診療計画(リハビリ、社会復帰、在宅医療、介護を含む)を作 成することができる(技能)。 6) 初期計画およびその後の診療計画を実践するため、具体的かつ明確な指示を出すことができる (技能)。 7) 保険医療法規、医療保険、公費負担医療に準拠した適切な診療ができる(レセプトチェックや 症状詳記を含む)(知識;解釈)。 8) 入院・退院の適応を自ら判断できる(知識;問題解決)。 9) 退院1週間以内に退院時要約(サマリー)を作成できる(態度)。 10) 各種診断書、証明書を適切に作成できる(技能)。 (3)指導力(リーダーシップ):医療チームのリーダーであるとの自覚を持ち、チーム医療の質 を維持・向上させるために、 1) 診療録作成、基本的身体所見、プロブレムリスト作成、EBM に沿った診療方針作成について、 後輩医師・医学生に指導することができる(態度)。 2) 同僚及び後輩医師、他の医療従事者への教育を率先して遂行できる(態度)。 3) 院内症例カンファレンスで積極的にプレゼンテーションを行い、討論することができる(態度)。 (4)自己研鑽能力:日進月歩の医学・医療の進歩に即した診療を提供できるようにするために、 1) 診療ガイドラインやクリニカルパスなどを参考として、自ら率先して EBM を実践できる(態度)。 2) 心身両面に渡る自己管理能力を身につけ生涯にわたる自己学習の姿勢を示す(態度)。 3) 臨床研究や治験の意義を理解し、各学会や研究会における臨床研究や症例発表を率先して行う (態度)。 4) 周囲からの評価を謙虚に受け入れ、改善を自らに課すことができる(態度)。 5) 内科認定医試験に合格する(知識;問題解決)。 (5)安全管理能力:患者ならびに医療従事者にとって安全な医療を遂行する上で必要な安全管理 の方策を身につけ、危機管理に参画するために、 1) 医療行為に際して、患者並びに医療従事者の安全を確保できる(技能)。 2) 医療事故防止に関して、および事故後の対処について、マニュアルに沿って行動できる(態度)。 3) 医療事故発生後は、マニュアルに沿って的確に対処できる(態度)。 4) 院内感染対策(Standard Precautions を含む)を実施できる(技能)。

(11)

<各コースともに共通する経験目標>

内科認定医研修カリキュラムのA項目、B項目については、初期臨床研修を通して専修医2年目 終了までに全ての項目を経験する。

<共通研修方略>

1.On the Job Training(OJT)

1)病棟業務:指導医監督下に、主治医として全般的患者管理に従事しながら、内科全般にわた る検査・治療・疾患の管理法を修得すると共に、コミュニケーション能力・臨床対応能力・指導 力・自己研鑽能力・安全管理能力を修得する。 専修医1、2年目は内科の総仕上げの時期に当たることから、その間は各コースで定められてい る診療科を2ヶ月ずつローテートするとともに、総合診療内科病棟(N棟)、救急医療、地域医 療(東京都済生会向島病院、その他全国の済生会病院→下記「地域医療について」の項参照※)を 通じて一般内科医としての臨床能力の向上に努める。各診療科専門コースでは、専修医1年目 2 〜6 ヶ月と2年目に6ヶ月間、各コースの専門科病棟で主治医として診療に従事する。専修医3 年目と4年目は原則的に各コースの専門病棟に配属となり、専門領域の知識・技能を修得すると ともに、研修医・コメディカルの指導に当たる。またN棟、救急医療、地域医療を担当する場合 は、上級医・指導医として、専修医1年目・2年目の指導に当たる。 当院内科ではチーフレジデント制を敷いている。通常、専修医4年目(または3年目)に原則と して総合診療内科コース専修医から立候補によりチーフレジデントを任命する。ただし、内科系 診療科専門医コースを履修している専修医についても、希望があれば立候補によりチーフレジデ ントに任命されることが可能である。チーフレジデントに任命された場合には、N 棟配属となり チーフレジデント業務を行い(1年間)、診療能力のさらなる向上を目指すとともに、診療・教 育に責任を持つ。また臨床研修室業務を補佐し、研修医の到達目標達成のために尽力する。チー フレジデントを経験した者は、病院として何らかのインセンティブ(例:国内留学時の経費負担 の一部補助など)を付与することがある。 各コースの内容によっては、到達目標達成のため、一定期間の国内・国外留学期間が設定される 場合もある。 ※地域医療について 当院の関連施設である東京都済生会向島病院は、東京都墨田区にある病床数102床の総合病 院である。地域に密着した医療活動を展開し、地域住民の健康保持・増進に日々努めている。病 院としての機能上 common disease の症例が非常に多いことから、一般内科医としての高い診療能 力が求められている。そのような環境の中、病院長をはじめとする複数の常勤医が懇切丁寧に専 修医の教育・指導にあたっており、総合診療内科医としてのスキル向上に欠かせない研修プログ ラムとなっている。病棟業務のほか、一般内科外来や救急医療などを担当・経験し、generalist としての実力をつけることができる。その他、僻地医療など具体的な希望があれば、初期研修医 の僻地医療研修を依頼している大分県済生会日田病院をはじめとして全国の済生会グループ病院 での研修が可能である。 2)外来業務:専修医1年目より、通年で週に1コマは内科総合外来を受け持ち、外来における

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患者管理法を修得する。専修医2年目・3年目の外来では、一部再診外来も担当し、慢性疾患患 者の長期管理を修得する。また、専門医コースによっては専修医 1 年目から慢性疾患の再診外来 を担当することがある。 2.カンファレンス:専修医必須 (ア) 専修医レビュー抄読会(毎月第4火曜日午後6時〜、第1会議室) ・各分野のレビュー論文を紹介するカンファレンスで、専修医が企画運営する。専修医必須。 (イ) CPC(第4木曜日午後6時〜、第1会議室) ・病理解剖例を対象とした病院全体の臨床病理カンファレンス。専修医必須。 (ウ) 総合診療レクチャー(毎月第2木曜日午前 8:15〜8:45、第1会議室) ・プライマリケア領域のトピックスを毎回講義。専修医必須。 3.院内講演会:専修医必須 1. 医療安全講習会(年間3回程度);専修医必須。 2. プレゼンテーション講習会(年間2回程度);専修医必須。 3. 医療統計講習会(年間3回程度);専修医必須。 4. 医療倫理講演会(年間1回);専修医必須。 5. 感染コントロール講演会(年間数回);専修医必須。 6. 個人情報講演会(年間数回);専修医必須。 4. 学会発表 専修医は原則として、1年間に少なくとも 1 回は、内科学会あるいは関連学会の総会または地方会 で症例発表をおこなう。発表したものは極力論文形式にまとめ、しかるべき雑誌に投稿する。学会発 表、論文執筆に際しては、指導医より徹底した指導がなされる。 5. 海外研修 成績優秀で、臨床研修管理委員会で承認された者には、短期間(1週間~3ヶ月)の海外研修を認 める場合がある。 平成23年度実績:ハワイ大学

<評価>

1.観察記録(各コース共通);形成的評価(態度、技能の項目) 各ローテート先の指導医は、ローテート終了時に評価表に記入し、臨床研修室へ提出する。評価表 は、6ヶ月毎に開催される内科専修医研修委員会で検討され、その結果は、各個人へ還元される。 2.専修医発表会(各コース共通);形成的評価(プレゼンテーション項目) 専修医2年目終了時に、2年間の総括としてプレゼンテーションを行う。 3.内科認定医試験(各コース共通);総括的評価(知識項目) 専修医2年目で、内科認定医試験に合格する。

(13)

■各プログラムの紹介

1.総合診療内科コース

本コースは、内科プログラムの一般目標に加え、病院総合医として求められる役割の修得が目標で ある。具体的には 1)臓器・疾患によらず最新の知見に基づいた医療の実践 2)研修医を含めたス タッフへの教育 3)診療科横断的な院内マネジメント活動 これらに必要な知識・技能・態度の修得 を目指している。 なお、総合診療内科という名称と実態に関して若干補足する。当院には従来、一 般内科あるいはそれに相当する診療科(総合診療科など)は存在しなかった。歴史的にspecialistであ る前に、まず内科全般を診療できる医師の育成を実践しており、専門領域を越えた診療に積極的に関 わる文化があったため、専門医集団にありがちな、いわゆるたらいまわしなどの問題が回避されてき た。しかしながら、より専門性を追求した医療のニーズが高まる一方で、一般診療所との機能分化の 要請、社会環境の変化や高齢化、多くの合併症を有する患者の増加などから、当院でも病院総合医の 活躍できるフィールドが拡大している。これは日本の基幹病院に共通した現象と考えられ、その中で 本プログラムは、将来的に当院を含めた地域基幹病院で病院総合内科医として能力を発揮できる医師 の育成を目指している。 総合診療領域を志す医師の中には、小児科・産婦人科領域を含めた、より家庭医的な立ち位置を理 想とする者、開業・往診など、よりプライマリケア的な立ち位置での仕事を考えている者、ER医・ 集中治療医のような急性期総合診療に重点を置きたい者など、各個人で将来像は異なることも多い。 本プログラムはそうした個々の目標を排除するものではない。むしろ、病院総合医として機能しつつ 周囲のニーズに応じてER医や家庭医などに軸足を適宜移せる可塑性こそ総合内科医に求められる 基本的能力と考えている。従って病院総合医以上の診療の幅を身につけるため多彩な選択研修が用意 され、それを主体的に構成し、目標とする医師像、総合内科医像を自ら創造できる研修医の応募を期 待している。 現時点での総合診療領域における認定医制度は、平成24年5月現在、日本内科学会が認定内科医、 総合内科専門医の資格を認定している。また、日本プライマリケア学会、日本家庭医療学会、日本総 合診療医学会が合併し、平成22年4月日本プライマリケア連合学会として新たに発足し、今後新学 会が認定医制度を創設するものと期待される。そうした過渡期の中、現時点での当院一般内科プログ ラムは病院総合内科医の育成という観点から、日本内科学会総合内科専門医の取得を目標とし、また (旧)日本総合診療医学会病院総合医後期研修プログラム案に準拠した行動目標を設定している。

<各年次における具体的行動目標>

*専修医1-2年目(卒後3-4年目):総合診療に求められる内科医としての素地を確立するため に、以下の項目について目標を設定する。 (1)内科全般にわたる診療能力 ・専修医2年目で日本内科学会内科認定医を取得する ・エビデンスに基づく身体診察により、検査の限られた設定でも有効な診断・トリアージができる ・諸検査の意義・コスト・尤度比・適応などを勘案し必要十分な検査計画を立案できる ・一般的な画像診断については自ら適応を判断し、結果を解釈できる ・一般的な疾患に対してはガイドラインの内容に沿った治療を実践できる

(14)

・ガイドラインのない疾患・病態に対しても、自らエビデンスを検索し、専門医の監督下に治療を実 践できる ・入院外来を問わず、専門的技能を要しない内容であれば自らで治療を完結できる ・軽症外傷に対しては自ら創傷処置ができる (2)専門医・地域一般医との適切な連携 ・適切なタイミングでの専門医への紹介・コンサルテーションができる ・地域一般医からの紹介に対しての対応ができる (3)心理・社会的問題を含めた、患者ニーズへの対応 ・患者の心理社会的背景を考慮し、心療科との連携も含めた心身医学的アプローチができる (4)EBMの実践と臨床研究 ・EBMの5段階のステップを日常臨床で実践できる ・EBM実践に必要なツールを用い、日常臨床に活用できる (5)院内の診療科横断的活動やマネジメント業務 ・NST、緩和ケアチーム、感染コントロールなど診療科横断的に行われている活動の意義を説明で きる (6)予防医学 ・検診の結果を解釈し、必要に応じ生活指導や治療を開始できる (7)救急医療・集中治療 ・内因性疾患を中心とした救急搬送患者に対し、自らがリーダーとなってBLS・ACLSを含めた 蘇生行為を行うことができる ・救急患者に対し迅速に判断を下し検査・治療を行い、入院の要否が判断できる ・救急患者の入院に際し病棟主治医と適切に連携をとり、診療行為が円滑に移行するようマネジメン トできる ・人工呼吸器や侵襲的モニタリング機器の使用法を理解し実践できる (8)教育活動 ・院内の各種教育行事に積極的に参画できる ・外来・病棟での研修医教育に積極的に参画できる *専修医3-4年目(卒後5-6年目):総合内科専門医に求められる知識・技能・態度を深めると ともに、チームリーダーとして活躍するために、以下の目標を設定する。 (1)内科全般にわたる診療能力 ・専修医4年目終了時に総合内科専門医受験資格を取得する ・根拠に基づいたインタビュー技法を用い、効果的な医療面接から検査前確率を高めることができる ・患者満足度を高めることにも努力し、無作為に抽出した外来初診患者の8割以上が「診療に満足し た」と答えるレベルを目標に診療を行う ・一般的な非侵襲的検査については自ら行い、結果の解釈ができる(X線・心エコー・頚動脈エコー・ 腹部エコー・上部消化管内視鏡などを含む。各個人の目標設定による) ・ガイドラインのない疾患・病態に対しても自らエビデンスを検索し、それに沿った世界標準の治療 を実践できる (2)専門医・地域一般医との適切な連携

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・複数の専門家による診療が並行する際、それぞれが円滑に進むよう病棟主治医としてマネジメント を行うことができる ・適切なタイミングで地域への逆紹介ができる (3)心理・社会的問題を含めた、患者ニーズへの対応 ・患者にとって最善の利益を追求するために、医学的判断だけでなく社会的背景や心理面なども踏ま えた医療を行うことができる ・心身両面からの関わりが必要な終末期ケアに積極的に参画できる ・高齢者・生活保護者など社会的弱者に対し活用できる医療・福祉・行政的な資源を適切に活用でき る ・東洋医学や代替医療に自ら学習し、ニーズに応じ適切な対応が取れる (4)EBMの実践と臨床研究 ・EBM実践に必要な情報の収集・批判的吟味について研修医にも指導できる ・臨床研究を率先して行うと共に、他の研究に対し計画立案のサポートや統計学的サポートを行うこ とができる (5)院内の診療科横断的活動やマネジメント業務 ・NST、緩和ケアチーム、感染コントロールといった診療科横断的に行われている活動に積極的に 参加する ・病院の経営に関しても自ら学び、病床管理や各種委員会に補助的に参加できる (6)予防医学 ・予防医学の意義・限界を自ら学び、検診活動に参画できる ・地域を対象とした啓蒙活動に積極的に参画できる (7)救急医療・集中治療 ・救急搬送患者の家族に対して適切な病状説明と心理的ケアができる ・専門医と連携をとりつつ、多臓器にまたがる集中管理が必要な患者の主治医として管理ができる ・災害医療や外科的救急疾患についても自ら学び、状況に応じチームの一員として機能できる (8)教育活動 ・研修医教育・医学生教育が病院総合医の重要な責務の一つであることを知り、教育のための知識・ 技能を自ら学び実践できる ・院内の各種教育行事に積極的に参画できる。特に科横断的な行事では企画立案を含め主体的に運営 する ・原則として総合診療内科コースを履修する専修医からチーフレジデントが選出されるため、チーフ レジデントもしくはそれに準じた研修管理業務を全うできる

<経験目標>

内科認定医研修カリキュラムならびに総合内科専門医研修カリキュラムに準じる。

<研修方略>

1.On the Job Training(OJT)

1)病棟業務:プログラム前半で各subspecialtyの修練を終えた後は、総合診療科病棟(N棟)で 病棟業務を行い、一人持ち主治医あるいは研修医の上級医として機能する。研修医教育の実践、

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およびチームリーダーとしての役割を果たすことも求められる。病棟の特性上、集中管理を要す る症例も十分経験可能である。 2)外来業務:専修医1年目から、最低週1回は内科総合初診外来を担当する。研修後半は内科 総合外来の再診を担当し、多様な健康問題に対して外来主治医として継続的に対応する。なお、 済生会向島病院での一般内科外来を、週1回程度担当することがある。 3)その他:代表的な例を掲げる。 ・NSTや緩和ケアチームなど、科横断的な活動に参加する ・病院運営に関連する委員会に参加する ・AHA公認のACLSコースを受講する ・臨床医学における最新の知見を取り入れるため院内勉強会に積極的に参加する 2.院外における活動 ・医学教育や臨床疫学・医療面接など、総合医がリードすべき分野の院外勉強会に積極的に参加 する ・日本内科学会の地方会あるいは総会に最低1回演題を提出する ・地域住民を対象とした健康関連行事に最低1回参加する 3.総合診療内科勉強会 興味深い症例の経験を共有することや最新のガイドラインの精読、関連図書抄読会などを目的 に勉強会を適宜開催している。 4.臨床研究および学会発表 専修医は原則として4年間で最低1本の臨床研究を主導して行う。結果は学会で発表し、欧文 誌への論文投稿が望ましい。 5.選択研修 先に触れたように、総合診療領域を志す医師の中でも将来の目標はそれぞれ異なる。自己実現 のために自主性を持って追加研修を選択することは、本プログラムではむしろ推奨されることで ある。以下の内容は選択研修の例として掲げるが、必要な内容を見極め、自らが研修先を含め研 修内容の企画・マネジメントを主体的に行った上でプログラム責任者との協議の上実行する必要 がある。受動的姿勢では実現されないものであることに留意されたい。 ・予防医学実践の場として、学校や職場の医務室業務、検診業務を経験する ・特別養護老人ホームへの往診業務を継続して行う ・往診業務を行っている診療所と連携をとり、定期的な往診医療に携わる ・内科subspecialtyを求める場合、追加での院内研修を2-3ヶ月単位で行う ・ 僻地医療、訪問診療、産科研修など当院で履修できない研修については、現在、初期研修医が 地域医療研修を行っている大分県済生会日田病院をはじめとする国内他施設での研修を数ヶ月 単位で行う

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ローテーションの一例

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 専修医1年目 呼吸器 循環器 消化器 救急 神経 腎 専修医2年目 地域医療 総合診療 血液 糖尿病 専修医3年目 総合診療 専修医4年目 総合診療(チーフレジデント) 専修医1年目:内科系ローテート(2ヶ月☓6診療科) 専修医2年目:総合診療科6ケ月+内科系ローテート(2ヶ月☓3診療科) 専修医3年目:総合診療科12ケ月 専修医4年目:総合診療科(主治医またはチーフレジデント)12ケ月 ・原則として、最初の2年間で全内科系診療科(7科※)、地域医療(済生会向島 病院)、救急医療を2ヶ月ずつローテーションする。 ※呼吸器、循環器、消化器、神経、腎臓、血液、糖尿病内分泌

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2.内科認定医取得コース

本コースは、将来、大学院進学、あるいは専門医取得をめざした研修を希望しているが、その前に 内科全般の臨床経験を十分に積んでおきたいと考えている者を対象とした、平成25年度新設のカリ キュラムである。通常、大学院への進学は卒後3年目のケースが多いが、進学後は研究活動に重点が おかれてしまうことから、臨床経験を積む機会が限られている。また、専門医取得を重点とした研修 の場合にも他分野の臨床経験を積むことは少なくなる。その結果、学位、専門医取得後に臨床医とし て活動する際、自身の臨床能力に大きな不安を抱く人は少なくないと思われる。本コースでは、卒後 5年目での大学院進学、各科専門医研修開始を前提とした上で、卒後3・4年目の2年間を内科臨床 トレーニングに費やし、高い診療能力の修得を目的としている。その間に内科認定医の申請資格が得 られることから、大学院、専門医研修では余裕をもって研究、研修に励むことができる。 本カリキュラムは、内科プログラムの一般目標に加え、総合診療内科医として求められる技量の修 得をも意識としたものとなっている。具体的には 1)臓器・疾患によらず最新の知見に基づいた医 療の実践、2)研修医を含めたスタッフへの教育、3)診療科横断的な院内マネジメント活動、これ らに必要な知識・技能・態度の修得を目指している。

<具体的行動目標>

*専修医1-2年目(卒後3-4年目):病院総合医に求められる内科医としての素地を確立するた めに、以下の項目について目標を設定する。 (1)内科全般にわたる診療能力 ・専修医2年目で日本内科学会内科認定医を取得する ・エビデンスに基づく身体診察により、検査の限られた設定でも有効な診断・トリアージができる ・諸検査の意義・コスト・尤度比・適応などを勘案し必要十分な検査計画を立案できる ・一般的な画像診断については自ら適応を判断し、結果を解釈できる ・一般的な疾患に対してはガイドラインの内容に沿った治療を実践できる ・ガイドラインのない疾患・病態に対しても、自らエビデンスを検索し、専門医の監督下に治療を実 践できる ・入院外来を問わず、専門的技能を要しない内容であれば自らで治療を完結できる ・軽症外傷に対しては自ら創傷処置ができる (2)専門医・地域一般医との適切な連携 ・適切なタイミングでの専門医への紹介・コンサルテーションができる ・地域一般医からの紹介に対しての対応ができる (3)心理・社会的問題を含めた、患者ニーズへの対応 ・患者の心理社会的背景を考慮し、精神科との連携も含めた心身医学的アプローチができる (4)EBMの実践と臨床研究 ・EBMの5段階のステップを日常臨床で実践できる ・EBM実践に必要なツールを用い、日常臨床に活用できる (5)院内の診療科横断的活動やマネジメント業務 ・NST、緩和ケアチーム、感染コントロールなど診療科横断的に行われている活動の意義を説明で きる

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(6)予防医学 ・検診の結果を解釈し、必要に応じ生活指導や治療を開始できる (7)救急医療・集中治療 ・内因性疾患を中心とした救急搬送患者に対し、自らがリーダーとなってBLS・ACLSを含めた 蘇生行為を行うことができる ・救急患者に対し迅速に判断を下し検査・治療を行い、入院の要否が判断できる ・救急患者の入院に際し病棟主治医と適切に連携をとり、診療行為が円滑に移行するようマネジメン トできる ・人工呼吸器や侵襲的モニタリング機器の使用法を理解し実践できる (8)教育活動 ・院内の各種教育行事に積極的に参画できる ・外来・病棟での研修医教育に積極的に参画できる

<経験目標>

内科認定医研修カリキュラムに準じる。

<研修方略>

1.On the Job Training(OJT)

1)病棟業務:専修医1年目ならびに2年目の前半で内科系全診療科の修練、救急医療ならびに地 域医療を終え、残りの半年は総合診療科(N棟)での病棟業務を行う。N棟では一人持ち主治医ある いは研修医の上級医として機能する。研修医教育の実践、およびチームリーダーとしての役割を果 たすことも求められる。集中管理を要する症例も十分経験可能である。 2)外来業務:専修医1年目から、最低週1回は内科総合初診外来を担当する。研修後半は総合内 科の再診外来を担当し、多様な健康問題に対して外来主治医として継続的に対応する。なお、済生 会向島病院で、一般内科外来を週1回担当することがある。 3)その他:代表的な例を掲げる。 ・NSTや緩和ケアチームなど、科横断的な活動に参加する ・病院運営に関連する委員会に参加する ・AHA公認のACLSコースを受講する ・臨床医学における最新の知見を取り入れるため院内勉強会に積極的に参加する 2.院外における活動 ・医学教育や臨床疫学・医療面接など、総合医がリードすべき分野の院外勉強会に積極的に参加す る ・日本内科学会の地方会あるいは総会に最低1回演題を提出する ・地域住民を対象とした健康関連行事に最低1回参加する 3.総合診療内科勉強会 興味深い症例の経験を共有することや最新のガイドラインの精読、関連図書抄読会などを目的に 勉強会を適宜開催している。 4.プログラム終了後の進路 専修医3年目からは大学院進学、または大学、他病院での後期研修プログラムを継続することに

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なる。なお、途中で予定を変更し、専修医3年目以降も当院での後期研修を継続希望する場合は、 適宜相談に応じる予定である。

ローテーションの一例

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 専修医1年目 呼吸器 循環器 消化器 救急 神経 腎 専修医2年目 地域医療 血液 糖尿病 総合診療 専修医1年目:内科系ローテート(2ヶ月☓6診療科) 専修医2年目:内科系ローテート(2ヶ月☓3診療科)+総合診療科6ケ月 ・原則として、内科系診療科(7科※)、地域医療(済生会向島病院他)、 救急医療を2ヶ月ずつローテーションし、6ヶ月間は総合診療内科に配属となる。 ※呼吸器、循環器、消化器、神経、腎臓、血液、糖尿病内分泌

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3.内科系診療科専門医コース(各コース共通)

内科各専門科の専門医取得には、当該診療科に関する十分な知識と経験、技能の修得が求められる。 また、これからの専門医は、generalistとしての内科医、すなわち総合診療内科医としての役割も果 たさなければ、多様化する患者のニーズに十分答えることはできない。本コースでは、救急医療、地 域医療、総合診療科のローテート(各2ヶ月)を必須とし、十分な内科総合研修のもとに総合診療内 科医として必要なスキルを修得した上で、希望する内科各専門科の臨床トレーニングを早期から始め、 多くの当該症例を集中的に経験した上で専門医の取得を目指すプログラムである。本コースでは、専 修医1年目では短期間だが希望の専門科病棟で研修を開始することができ、専修医2年目は6ヶ月間、 専修医3年目と4年目は原則的に2年間集中して専門医のトレーニングを受けることができる。すな わち、①専門医トレーニングをいち早く開始でき、②十分なトレーニング期間が設定されている。後 期研修開始とともに各診療科所属学会に入会すれば、卒後最短で専門医資格取得に必要な履修プログ ラムの開始申請を行うことが可能であり、より早く専門医資格を取得することができる。内科全般の 研修と各専門科研修の比重は各専門科の特性によって異なるため、希望専門科履修期間は後述の各専 門科コースを参照されたい。 専門医資格取得のためには、一般的に内科認定医資格の取得が必要である。本コースでは、初期臨 床研修時に履修できなかった診療科を中心に卒後3年目でローテート(いずれも2ヶ月ずつ)を行い、 卒後4年目には内科認定医の取得が可能となるよう配慮されている。

ローテーションの一例

糖尿病・内分泌内科の場合 専修医1年目:糖尿病・内分泌内科2〜6 ケ月+内科系ローテート(2ヶ月☓3〜5 診療科) 専修医2年目:糖尿病・内分泌内科6ケ月+内科系ローテート(2ヶ月☓3診療科) 専修医3年目:糖尿病・内分泌内科12ケ月 専修医4年目:糖尿病・内分泌内科12ケ月 神経内科の場合 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 専修医 1 年目 呼吸器 循環器 消化器 救急 神経 N棟 専修医2年目 向島病院 神経 放射線 糖尿病 専修医3年目 神経 専修医4年目 神経 専修医 1 年目:神経内科 2 ヶ月+各科ローテーション 2 ヶ月×5 専修医 2 年目:神経内科 6 ヶ月+各科ローテーション 2 ヶ月×3 専修医 3, 4 年目:神経内科病棟 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 専修医1年目 糖尿病・内分泌 循環器 腎臓 神経 専修医2年目 地域医療 総合診療 糖尿病・内分泌 救急 専修医3年目 糖尿病・内分泌 専修医4年目 糖尿病・内分泌

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・専修医1年目は、初期研修において未履修の内科系診療科を優先的にローテートし、内科認定医の 取得条件を満たすようにする。

・専修医1・2年目は、地域医療(済生会向島病院)、総合診療科、救急医療が必修(各 2 ヶ月)。 ※呼吸器、循環器、消化器、神経、腎臓、血液、糖尿病内分泌

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●3-1.血液・腫瘍・感染症内科コース

一般目標 GIO

当院の血液・腫瘍・感染症内科の専修医教育の目標は、初期臨床研修終了者に対し、高いレベルの プライマリーケア及び総合内科的な知識・技術を基礎としたうえで、専門家として常に新しい知見を 適切に追求しつつ、特に急速な発展をとげる分子生物学的分野を含めた医学的な知見の深い理解のも とで、個々の患者にたいして適切な診断・治療を施行できる能力を身につけることにある。医師は、 科学者として絶えずエビデンスを求める努力をしつつ、そのエビデンスを単に頭から信用して用いる のではなく、自らの症例において検証すべきであるし、自らがエビデンスを創る努力をすべきでもあ る。ただ漫然と症例に対面するのではなく、そこに何か新しい知見がないか、あるいは個々の症例の みならず疾患全体からも分析できる広い視野をもったすぐれた科学者としての医師を育てたいと考 えている。また血液悪性疾患さらには悪性腫瘍疾患全体を多く扱うという性格上、悪性疾患末期に対 しても、すぐれた医療技術者と同時に人間性豊かな医療を提供できることも大切であると考えている。

行動目標 SBOs

1, 適切なコミュニケーションのもとに必要十分な問診を行うことができる。 2, 神経学的所見を含め、適切な身体所見をとることができる。 3, 救急疾患、エマージェンシーに適切に対応できる。 4, 臨床に必要な解剖・生理・生化学・分子生物学・免疫学が理解できている。 5, 主な血液疾患の病態、診断、治療法が身についている。 6, 主な感染性疾患の病態、診断、治療法が身についている。 7, 主なリウマチ性疾患の病態、診断、治療法が身についている。 8, 腫瘍学の基礎的知識と理解ができている。 9, 末梢血液・骨髄細胞の像や細胞表面マーカー解析、さらに染色体、遺伝子解析等の特殊検査が 解ができている。 10, 細菌培養やウイルス検査の診断学的方法が身についている。 11, 自己抗体検査を含む免疫機能検査が理解できている。 12, 病理診断(とくにリンパ節)・画像診断を含めた腫瘍診断学の代表的検査を理解している。 13, 骨髄穿刺、生検・腰椎穿刺・関節穿刺等の基本的手技が安全かつ適切に行える。 14, ヒックマンカテーテルを含めた中心静脈カテーテルの挿入、管理が適切に行える。 15, 抗癌剤使用の適応、副作用、使用法を理解し実際に使用できる。 16, 抗生剤使用の適応、副作用、使用法を理解し実際に使用できる。 17, 輸血製剤の適応、副作用、使用法を理解し実際に使用できる。 18, ステロイドを含む免疫抑制剤の適応、副作用、使用法を理解し実際に使用できる。 19, 緩和療法としての非ステロイド系消炎剤や麻薬等の適応、副作用、使用法を理解し実際に使 用できる。 20, サイトカイン療法の適応、副作用、使用法を理解し実際に使用できる。 21, 他科へのコンサルテーションを適切に行える(上級医への相談を含む)。

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<各年次における具体的行動目標>

*専修医1年目(R3:卒後3年目): 1. 一般内科(特に向島病院・N病棟・救急診療を中心に)をローテイトしながら血液・腫瘍・感染 症疾患の診断に必要な内科的な手技と知識を学び身につける。特に血液、感染症を中心とした細菌学 的、顕微鏡学的形態診断の修得が目標とされる。指導医のもとで週1回、骨髄穿刺、生検の診断に従 事する。 2. 内科外科カンファレンス(月曜日午前 8 時 30 分)、文献抄読会(随時)、感染症患者回診(随時)、 また 6 ヶ月毎に行われる他院からの参加者も招いた感染症コンサルテーション検討会を主催し、感染 症の症例で診断治療に難渋した症例を質疑、検討する。 3. 下記の学会のいずれかに1回以上演題を発表する。学会認定医希望者は入会し会員となる。 日 本臨床血液学会地方会、及び総会、日本血液学会総会、日本造血幹細胞移植学会総会、日本感染症学 会総会(2年目)内科認定医受験に対応できることを目標に、内科一般の研修をさらに磨きあげ、1 年目に未配属の部署および済生会向島病院での研修を深める。 *専修医2年目(R4:卒後4年目): 1. 血液・腫瘍・感染症の病棟(8E と 4E)を中心にチーム診療の主治医の一人として入院患者の診 療にあたる。 2. 上級医の指導のもと各科より依頼された血液・腫瘍・感染症内科コンサルテーションに応じる。 3. 造血幹細胞移植を含め専門性のある治療の基本的管理が行えるようにする。 4. 上級医の指導のもとに臨床研究に従事し、先にあげた学会の総会、地方会への演題提出を目指す。 院内ではモーニングカンファレンス、画像診断の会などの一部を担当し、CPC および死因検討会で発 表あるいは指導をする。 *専修医3年目(R5:卒後5年目): 内科認定医を受験し、一般内科研修としては病棟チーフまたはそれに準じたレベルを目指す。内科 とくに専門分野の救急への対応と他科からのコンサルテーションへの対応が可能なレベルを目指す。 専門では遭遇する頻度の高い疾患に対応できる経験をつみ、さらにはいろいろな背景の異なった症 例での緩和医療の実践的研修を重ねる。 *専修医4年目(R6:卒後6年目): 各専門医資格取得レベルを目標にする。とくに各種抗がん剤の取り扱いに習熟し、化学療法が適切 に行えるようにする。また化学療法以外の悪性疾患治療を理解し、個々の悪性疾患患者に対して適切 な治療プランが組み立てられ、更には安全・適切に管理遂行できることを目標とする。 3年目または4年目には、国内留学の機会をつくり積極的に他施設での研修あるいは知識技術の習 得をおこなう。

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●3-2.呼吸器内科コース

1. 専修医1年目(R3):呼吸器内科6ケ月+内科系ローテート(2ヶ月☓3診療科) この1年間は、呼吸器内科の6ヶ月も重要だが、6ヶ月を一般内科医として他臓器の内科病棟をロ ーテーションすることも重要である(向島病院・救急外来・総合診療科のローテートが入る場合があ る)。初期研修中に未履修だった科は呼吸器内科の履修期間を短縮してでも履修することを原則とす る。R4の初めに受験資格が得られる日本内科学会認定内科医試験を目標に内科全般についての知識 をまとめる。呼吸器専門医を目指すためには認定内科医の資格取得が条件になっている。 [具体的行動目標] 特に初期研修中に経験できなかった症例を経験し、一般内科医に求められる症状、診察手技、検査、 治療に習熟する。 内科・呼吸器内科領域の救急症例に対して、適切な治療を行うことができる。 胸部単純X線写真の読影と解釈を自ら行うことが出来る。 呼吸機能検査、血液ガス検査の適応の判断、解釈ができる。 精密画像検査(CT、MRI、核医学など)の適応と解釈を述べることが出来る。 胸水検査・胸腔ドレナージを独立して施行できる。 気管支鏡検査のインフォームドコンセントを取得でき、また咽頭麻酔、気管支内腔観察を実施でき る。 内科学会もしくは呼吸器学会地方会ほか関連学会へ最低1回演題提出を行う。 2.専修医2年目(R4):呼吸器内科6ケ月+内科系ローテート(2ヶ月☓3診療科) 6ヶ月間は救急外来、総合診療科、済生会向島病院をローテートする(初期研修および専修医1年 目でローテートできなかった内科診療科の場合もある)。残り6ヶ月間は呼吸器内科に配属され、ス タッフの指導の元に主治医として入院患者の診療をする。またハイリスク症例を除く専門的手技を独 り立ちしてできることを目標とする。診療に支障のない範囲で呼吸器関連各学会総会への参加・聴講 も積極的に奨励する。 [具体的行動目標] 呼吸器専門医に求められる、医療面接、診察手技に精通し、呼吸器内科入院患者に対して、主治医 として患者管理を行うことが出来る。 胸部CT、核医学などの専門的呼吸器画像診断を解釈することができる。 上級医の指導のもと気管支鏡(観察、気道内吸引、内視鏡ガイド挿管)、ベッドサイドでの手技(胸 腔ドレーン、胸膜生検、経鼻挿管、ミニトラック(トラヘルパー))、睡眠呼吸モニターと解析、肺機 能検査の習熟と解釈、気管切開(外科の指導)、呼吸管理(各種ベンチレーター、経鼻CPAP、BiPAP) を行う。 EBMに基づく論文詳説、批判的吟味を行うことができる。 上級医として、研修医のコンサルテーションを受けたり、適切な指導を行うことができる。 呼吸器学会地方会もしくは関連学会へ最低1回演題提出を行う。 R4からR6年次内に臨床呼吸機能講習会(肺機能セミナー主催)へ参加する。 内科認定医試験にパスする。 +専門医取得プログラムを開始

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3.専修医3年目(R5):呼吸器内科12ケ月 1年間呼吸器病棟にて主治医として入院患者の診療にあたるのが原則である。専門的診療ならびに 高度なハイリスク症例を含めた専門手技に習熟する。 [具体的行動目標] 内科専門医、呼吸器専門医に求められる知識・技能・マナーを深めるとともに、チームリーダーと しての素養を育むために、 内科専門医に求められる、代表的病態・疾患に習熟し、研修医を指導することができる。またチー ムリーダーの役割を認識し、円滑な治療を展開できる。 呼吸器疾患の診断・治療ガイドラインに計り。適切な解決策を提示し、インフォームドコンセント の下、医療を推進できる。 指導医のもと、気管支鏡でのBALの実施と解析・解釈が施行できる。 ベンチレーター管理が独立してできる 慢性呼吸不全患者の管理(外来管理、急性増悪時の入院管理)が独立してできる。 気道内ステントによる治療、内視鏡的レーザー治療の適応を理解し、インフォームドコンセント、 検査の立会いができる(主として呼吸器外科の指導下)。 自分の呼吸器疾患での専門分野の開拓をする。喘息、睡眠、肺機能、肺癌、肺循環その他の分野で の専門性を決めるべく文献の抄読、研究会への参加を行う。 日本呼吸器学会専門医試験への準備をする。専門医受験資格は内科認定医獲得後、認定施設での3 年以上の研修が必要である。当院は日本呼吸器学会認定施設である。 4.専修医4年目(R6):呼吸器内科12ケ月 1年間呼吸器病棟にて主治医として入院患者の診療にあたるのが原則であるが、本人の希望があれ ば、チーフレジデントとしての業務を担当する(研修医の指導、総合内科病棟の管理)。チーフレジ デントはこのコースでは義務とはしないがバランスのとれた専門医となるために、またリーダーシッ プを高める上でも貴重な経験であり、是非推奨したい。一方専修医4年目の3カ月間は国内留学制度 を利用して適切な研修施設(例えば肺癌の研修ならば国立がん研究センター中央病院など)で院外研 修を行うこともできる。ただし専修医プログラム修了後、医員採用を希望することが条件である。 [具体的行動目標] 1. 呼吸器病棟で、主治医として診療にあたるとともに独立して診療及び研修医の指導の中心となる とともに専門分野の研修を深める。同時に呼吸器ターミナルケアの考え方・実践も学ぶ。 2. 一般呼吸器内科医として必要な手技と知識を修得して様々な診療依頼にも対応可能な能力を身 につける。以下の手技はすべて独立して施行および指導ができること 気管支鏡でのキュレット、生検、TBLBの手技、 胸腔ドレナージおよび胸膜生検、胸膜癒着術 急性呼吸不全の管理(新しいベンチレーターのモードの習熟) 慢性呼吸不全の管理(主に急性増悪での入院管理、外来・在宅での慢性期管理) 3. 院内教育への参加をする。モーニングカンファレンス、病理検討会、CPCで発表する。 4. 病理組織、細胞診の検鏡にもできるだけ参加する。 5. 学会活動(R5-R6):症例報告(内科地方会、呼吸器学会地方会など)の発表2回。専門学会の年 次総会(海外含む)への臨床研究発表1-2回を目標とする。雑誌投稿は症例1編以上、臨床研究

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1編以上を目標とする。 6. 日本呼吸器学会や日本呼吸器内視鏡学会の専門医取得に向けて準備する。 <経験目標> 内科認定医研修カリキュラムのA項目、B項目については専修医2年目までに全て経験する。呼吸器 学会専門医研修カリキュラムにおける検査法、治療法、疾患については、本プログラム終了までの4 年間においてAおよびAa項目は全て、Ba項目は80%以上の経験を目標とする。Ab, Bb項目については 一部自己学習を主体とする。 <専門医資格> 日本呼吸器学会専門医の資格認定 内科認定医取得後3年たっていることと、日本呼吸器学会に入会後4年以上たっていることが専門医 試験の受験資格である。専門医試験は年1回行われる。さらに指導医になるには入会後10年以上、 専門医の資格取得後5年間以上認定施設(本院)に勤務し、呼吸器疾患診療に従事することが条件に なる。指導医認定は書類審査に基づいて行われる。 ・専修医1年目は、初期研修において未履修の内科系診療科を優先的にローテートし、 内科認定医の取得条件を満たすようにする。 ・本コースでは、内科系診療科(7科※)の全科ローテーションは行わない。 ・専修医1・2年目は、地域医療(済生会向島病院)、総合診療科、救急医療が必修 (各2ヶ月)。 ※呼吸器、循環器、消化器、神経、腎臓、血液、糖尿病内分泌

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●3-3.消化器内科コース

本プログラムは、プログラム在籍中に内科認定医資格を取得するとともに、将来、総合内科専門医 ならびに消化器内科関連学会専門医資格を取得することが目標とされる。 なお総合内科専門医資格取得には、認定医取得後3年間の内科研修が必須とされており、卒後4年 目で内科認定医を取得しても、総合内科専門医資格取得は早くとも卒後7年目となる。消化器関連学 会の代表的なものに、日本内科学会指定学会の日本消化器病学会と日本肝臓学会があるが、それに加 えて日本消化器内視鏡学会がある。日本消化器病学会専門医資格の条件は内科医の場合は日本内科学 会認定医取得後3年以上の日本消化器病学会認定教育施設での研修が必要とされている。日本消化器 内視鏡学会専門医資格の条件は日本内科学会認定医取得と指導施設での 5 年以上の研修が必要とさ れている。日本肝臓学会肝臓専門医資格の条件も同様に内科学会認定医取得と認定施設での 5 年以上 の研修が必要とされている。 当院の消化器内科は日本消化器病学会認定教育施設、日本肝臓学会認定施設、日本消化器内視鏡学 会認定指導施設であり、以上3つの専門医資格を取得できる、一般病院としては数少ない認定教育施 設の一つであり、優秀な消化器内科医を目指す医師に研修の場を与えることを大きな役割としてい る。 本プログラムでは、日本内科学会認定内科医を取得後の専修医2年目から各学会認定の専門医取得プ ログラムを開始することができる。これは、大学病院における一般的な研修コースと比べて、1 年早 くプログラムを開始できることになり、専門医資格を早期に取得したい人に魅力的なカリキュラムと なっている。また計3年間集中的に専門病棟で研修できることから、極めて多くの消化器疾患症例を 経験し、さらに内視鏡検査の技術向上のトレーニングに充分な時間をとることができる。本プログラ ムの特徴としては、総合診療科のローテーションやチーフレジデント(希望による)を経験すること により内科医としての総合力も身につけることができることで、さらに魅力的なものとなっている。

<各年次における具体的行動目標>

専修医1年目(R3:卒後3年目): 消化器内科の専門病棟に4-6ケ月間配属となり、上級医の指導のもと、主治医として消化器疾患 の診断・治療にあたる。 1.内科医としての一般的技術・知識、経験をさらに深める。 2.初期研修期間中に経験できなかった症例を経験する。 3.救急疾患に対し、適切に対応できる。 4.上級医あるいは指導医、各専門医に時宜を得た相談ができる。 5.評価承認を受けて、主治医となる。 6.総合外来を1単位受け持つ。 7.あくまでもその時の配属先での仕事が優先であるが、指導医のもとで週1回上部消化管内視鏡検査 に参加する。緊急内視鏡検査時、特に夜間・休日にはできるだけ参加、補助するように努める。 8.消化器内科関連のカンファレンスに積極的に参加する。 9.下記の学会のいずれかに1回以上演題を発表する。消化器関連学会認定専門医資格取得希望者は入 会し会員となる。 日本消化器病学会地方会、日本消化器内視鏡学会地方会、日本肝臓学会東部会

参照

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