• 検索結果がありません。

はじめに 秋田県立博物館は 昭和 50 年 5 月 人文 自然を擁する総合博物館として開館し 分館 旧奈良家住宅 ( 重文 ) とともに 本年度 37 年目を迎えました この間 平成 8 年度には 秋田の先覚記念室 や 菅江真澄資料センター を増設するなどして博物館の使命である資料の収集 保管 展示

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "はじめに 秋田県立博物館は 昭和 50 年 5 月 人文 自然を擁する総合博物館として開館し 分館 旧奈良家住宅 ( 重文 ) とともに 本年度 37 年目を迎えました この間 平成 8 年度には 秋田の先覚記念室 や 菅江真澄資料センター を増設するなどして博物館の使命である資料の収集 保管 展示"

Copied!
46
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

秋 田 県 立 博 物 館

平 成

23

秋田県立博物館

年  

秋 田 県 立 博 物 館

(2)

は じ め に

秋田県立博物館は、昭和

50

年5月、人文・自然を擁する総合博物館として開館し、 分館「旧奈良家住宅」(重文)とともに、本年度

37

年目を迎えました。この間、平成 8年度には「秋田の先覚記念室」や「菅江真澄資料センター」を増設するなどして博 物館の使命である資料の収集・保管、展示はもとより県民の教育、学術、及び文化の 発展に寄与してまいりました。また、平成

16

年度には大幅にリニューアルして人 文・自然・企画の各展示室を一新するとともに参加体験型の「わくわくたんけん室」 や館蔵資料が閲覧できる情報コーナーの新設など、時代や県民のニーズを見据えたサ ービスの提供に心がけてまいりました。 平成

22

年度は青森・岩手・本県が平成

16

年度から取り組んでまいりました、北東 北三県共同展の最後を飾る特別展「境界に生きた人々」が本館を皮切りに各県で開催 され、多くの来館者に感動を与えることができました。 教育立県を目指している本県にとっての秋田県立博物館の役割は、県民の生涯学習 の拠点として「いつでも、どこでも、だれでも」学ぶことのできる環境づくりと心得、 来館者に新しい発見や感動を与えられる魅力ある運営を目指してまいりたいと考えて おります。 今後も、皆様のご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。 秋田県立博物館 館長 神 馬   洋

(3)

目次

■ 施設の概要 Ⅰ 博物館のあゆみ ……… 4 Ⅱ 施設・設備 ……… 5 Ⅲ 展示室 ……… 9 Ⅳ 組織 ……… 13 Ⅴ 職員 ……… 14 ■ 事業の概要 Ⅰ 平成23年度博物館運営方針 ……… 16 Ⅱ 平成23年度博物館事業計画 ……… 16 Ⅲ 平成22年度事業報告 ……… 20 1 調査研究活動 ……… 20 2 資料収集管理活動 ……… 23 3 展示活動 ……… 25 4 教育普及活動 ……… 31 5 広報出版活動 ……… 35 6 学習振興活動 ……… 36 7 館外活動 ……… 37 ■ 資料 Ⅰ 収蔵資料の概要 ……… 40 Ⅱ 歴代館長、特別展等一覧 ……… 41 Ⅲ 秋田県立博物館条例 ……… 42 Ⅳ 秋田県教育委員会行政組織規則(抜粋) ……… 43 教育機関の管理及び運営に関する規則(抜粋) ……… 43 Ⅴ 入館者に関する資料 ……… 44

(4)
(5)

昭和42年1月 第2次秋田県総合開発計画の中で、総合博物館の建設計画を立案 12月 県立博物館の建設場所を秋田市金足に決定 47年3月 県立博物館設立構想完成 49年11月 定礎式 50年3月 秋田県博物館条例制定 5月 開館式(5日) 5月 一般公開(10日) 5月 旧奈良家住宅(重要文化財)分館として博物館に移管される 7月 登録博物館となる(登録日50.7.1) 54年1月 生物部門展示室「秋田の自然と生物」オープン 55年5月 秋田県博物館等連絡協議会発足 59年9月 開館10周年記念式典 63年9月 本館屋根防水工事完了 平成3年8月 秋田県立博物館再編構想案作成のため委員会を開催 9月 分館旧奈良家住宅屋根修理着工 4年11月 分館旧奈良家住宅屋根修理完成 5年7月 増築工事着工 7年8月 増築工事完成 8年4月 「秋田の先覚記念室」「菅江真澄資料センター」オープン 9年8月 ニューミュージアムプラン21検討委員会設置 11年4月 入館料が無料となる 14年4月 ニューミュージアムプラン21に伴う改修工事のため、「秋田の先覚記念室」・「菅江真澄資料センター」 ・分館旧奈良家住宅を除き閉館 15年10月 改修建築・設備工事完成 縄文の石設置 16年3月 展示工事完成 4月 リニューアルオープン 17年12月 開館30周年記念式典 18年3月 旧奈良家住宅附属屋、登録有形文化財に登録 20年7月 クニマスの液浸標本が、動物として初めて国の登録記念物に指定される

Ⅰ 博物館のあゆみ

(6)

−5−

Ⅱ 施 設 ・ 設 備

設 置 場 所 秋田市金足鳰崎字後山52 敷 地 面 積 14,885.9㎡ 建 築 面 積 6,237.93㎡ 建築延面積 11,946.2㎡ 建 築 構 造 鉄骨鉄筋コンクリート造り 地上3階、塔屋2階建 【建築工事】 建 築 費 2,058,131千円 (含調査事務費・展示資料費) 着  工 昭和48年7月 竣  工 昭和49年11月 開  館 昭和50年5月 工事業者 建築設計 KK安井建築設計事務所 建築施工 三井建設KK 設備施工 KK三晃空調 東北電気工事KK 展示設計施工 KK丹青社 【増築工事】 建 築 費 1,578,174千円 (含調査事務費・展示資料費) 着  工 平成6年7月 完  成 平成8年2月 増設開館 平成8年4月 工事業者 建築設計 KK安井建築設計事務所 建築施工 三井建設KK 設備施工 KKユアテック 日の出施設工業KK KK三和施設 日本オーチスエレベータKK 展示設計施工 KKアートシステム 【NMP事業】 事 業 費 2,087,400千円 {総事業費(含調査事務費、 展示製作委託費)} 着  工 平成14年3月 完  成 平成16年3月 リニューアル開館 平成16年4月29日 工事業者 建築設計 ㈱安井建築設計事務所 建築施工 ㈱林工務店 ㈱清水組JV 設備施工 大民施設工業㈱ ㈱あたごJV ㈱中田建築設備 ㈱ユアテック秋田支社 サン電気工業㈱ 展示製作実施設計 ㈱丹青社 展示製作委託施工 ㈱乃村工藝社 設   備 〈電気設備〉 (1) 受電電圧 3φ6,600V 50HZ 一般照明用 450KVA (150×3) 一般動力用 550KVA (300×1) (250×1) 非常照明用 50KVA 非常動力用 150KVA (2) 発電機設備 発電電圧 3φ6,600V 50HZ 200KVA エンジン ディーゼル 230KVA (3) 蓄電池設備 108V   200AH 10HR 54セル (4) その他幹線・動力・電灯用設備一式 〈警戒(報)設備〉 (1) レーダー警報設備(展示室・収納庫) 方式、パッシブインフラレッド方式 レーダー検出 10ヶ所 ドアスイッチ 10ヶ所 (2) I・T・V監視設備 監視用カメラ 20台 (展示室14台 収蔵庫4台 1Fホール1台 外1台) (3) 一般・非常放送設備 ロッカ型防災アンプ 容量 200W 非常時警報音 自動吹鳴式(サイレン) 〈空調換気設備〉 (1) 冷凍機設備(備熱水槽方式 容量780m3 直焚吸収式冷温水機 冷却能力 1220KW 加熱能力 1200KW 1基 ターボ冷凍機(夜間蓄熱運転系統) 冷却能力 312KW 1基 空冷チリングユニット(夜間運転系統) 冷却能力 132KW 1基 (2) ボイラー設備 貫流ボイラー(暖房・加湿用)熱出力 940KW (換算蒸発量1500㎏/h)

(7)

伝熱面積 9.9m3 2基 (3) 空気調和設備(10系統) 冷却能力合計 897.8KW 加熱能力合計 524.6KW (4) 換気設備一式 給気量(7系統)合計 25,850m3/h 排気量(9系統)合計 28,360m3/h (5) 空調自動制御設備一式 〈防火防災設備〉 (1) 防災設備 排煙口32ヶ所・タレ壁20ヶ所 防火戸47ヶ所 (2) 消火設備 屋内外消火栓設備一式 屋内消火栓24ヶ所 屋外消火栓24ヶ所 ハロン消火設備(収蔵庫のみ 3区画) 二酸化炭素消火設備(収蔵庫のみ 2区画) 〈その他の設備〉 (1) 荷物用エレベータ 容量2,500㎏ 30m/min 1基 (2) 乗用エレベーター 積載量750㎏ 11人乗45m/min 2基 (3) 電話設備 局線5回線 内線49回線 (4) 衛生設備 給排水設備一式 (5) ガス設備及び避雷針設備 (6) ガス燻蒸消毒設備 建 築 予 算 単位:千円 区   分 44〜46年度 計 画 策 定 費 建 物 費 展 示 ・ 資 料 費 初度調弁・その他 調 査 事 務 費 計 17,980 34,267 16,960 10,195 79,402 − − 591,754 760,996 1,352,750 41,880 20,000 183,907 318,758 564,545 − − 3,240 35,400 38,640 7,246 5,835 5,828 3,885 22,794 67,106 60,102 801,689 1,129,234 2,058,131 47 年 度 48 年 度 49 年 度 計 財 源 内 訳 国庫 県債 一般 80,000 1,241,000 737,131 増 築 予 算 単位:千円 区   分 3〜4年度 計 画 策 定 費 建 物 費 展 示 ・ 資 料 費 初度調弁・その他 調 査 事 務 費 計 NMP21事業予算 単位:千円 区  分 工事請負費 委 託 費 調査事務費 計 11年度 13年度 継  続  費 13年度 14年度 15年度 小計 事業費合計 財源内訳 0 646,007 396,418 1,042,425 1,042,425 9,870 39,995 0 60,676 919,184 979,860 1,029,725 5,250 1,296 4,522 4,182 10,000 15,250 15,120 39,995 1,296 711,205 1,319,784 2,032,285 2,087,400 10,850 57,125 6,845 7,268 82,088 − − 354,805 613,438 968,243 − 1,500 141,784 310,534 453,818 − − − 11,000 11,000 2,200 9,770 22,257 28,798 63,025 13,050 68,395 525,691 971,038 1,578,174 5 年 度 6 年 度 7 年 度 計 財 源 内 訳 県債 一般 1,117,000 461,174 県債 1,516,000 一般 571,400

(8)

−7−

−各階平面図−

(9)
(10)

−9−

Ⅲ 展  示  室

人 文 展 示 室

旧石器時代から近現代までの、秋田の歴史と人々の生活史を紹介する。従来の強制的動線を排し、開放的な雰 囲気のなかで自由に好きなコーナーを見学できるように構成している。豊富な実資料のほか、縄文時代の竪穴住 居や近世の商家が実物大で復元されており、実際に中に入って当時の雰囲気を体感することもできる。

自 然 展 示 室

「いのちの詩」(生物)・「大地の記憶」(地質)の二つの大テーマから、秋田の豊かな自然を豊富な実資料で 紹介する。生きているそのままの姿の標本や、迫力ある大型骨格標本をはじめ、自然の魅力を余すところなく映 し出す映像資料も展示している。

(11)

わくわくたんけん室

企 画 展 示 室

「宝箱」に入った豊富なアイテムを使い、「みて、 ふれて、しらべて、やってみる」をキーワードに 設計した。楽しく体験活動をしながら秋田につい ていろいろな角度から学ぶことができる。パソコ ンや図書で調べものができる学芸員の部屋や、ビ デオやDVDが見られる映像コーナーなどもある。 従来の展示室の約二倍の広さを確保。高透過ガ ラスを用いた壁面ケースは、すべてエア・タイト ケースで、内部はつねに温湿度が一定に保たれて いる。これによって国宝・重要文化財クラスの資 料を含む大規模な特別展も可能になった。

(12)

−11−

秋田の先覚記念室

近代秋田の豊かな産 業や文化の礎を築いた 多くの先覚の記録・資 料を一堂に集めて展示 している。情報資料コ ーナーでは先覚に関す る著書や出版物の閲覧 ができる。 パソコンなどの利用 により、さまざまな情 報を提供している。

菅江真澄資料センター

江戸時代の紀行家・ 文 人 菅 江 真 澄 の 生 涯 と、彼が著した日記や 図絵を展示するほか、 多 く の 映 像 機 器 に よ り、真澄の生きた時代 などをわかりやすく展 示している。 スタディルーム、検 索閲覧室では、真澄を より深く学ぶことがで きる。

(13)

分館・旧奈良家住宅

所  在  地  秋田市金足小泉字上前8  電話 018(873)5009 旧 所 有 者  奈良恭三郎(昭和44年5月寄贈) 昭和40年5月29日 重要文化財(建築面積 459.08㎡) 旧奈良家住宅はJR東日本奥羽本線追分駅から2.5㎞、博物館から1㎞の男潟北岸の小泉地区にある。 建築様式は秋田県中央部の海岸地帯の典型的な大型両中門の農家建築で、建築年代が明らかで、当初の姿をよく残 している。 昭和40年に秋田県では最初の民家建造物としての国指定を受けたもので、県立小泉潟公園の博物館に隣接する文化 財として広く公開するため分館とした。奈良家は江戸時代初期にこの地に土着して以来の豪農で、現存の住宅は宝暦 年間(1751〜1763年)9代喜兵衛が銀70貫と3年の歳月をかけて完成したもので、棟梁は土崎港の間杉五郎八と記録 されている。

(14)

−13−

Ⅳ 組    織

総務担当 総 務 班 管理担当 展示担当 展示・資料班 館  長 名誉館長 普及担当 広報担当 教育普及班 副 館 長 菅江真澄資料セ ンター担当 わくわくたんけ ん室運営担当 学習振興班 学校・団体利用 担当 セクシュアルハラスメント 対 応 相 談 委 員 会 人         文         部         門 自 然 部 門 〔歴 史〕 〔考 古〕 〔民 俗〕 〔工 芸〕 〔先 覚〕 〔真 澄〕 〔地 質〕 〔生 物〕 将 来 構 想 委 員 会 秋田県甘粛省文化 交流

10

周年記念展 館 内 推 進 委 員 会 調査研究担当 資料管理・収 集担当 分館担当 資料評価委員会 博物館協議会 先覚記念室担当

(15)

Ⅴ 職    員

班名 職  名 氏   名 各班の分掌と部門担当 館 長 神 馬   洋 総     務     班 展 示 ・ 資 料 班 教   育   普   及   班 学 習 振 興 班 副 主 幹 ( 兼 ) 班 長 真 田 郁 朗 班の総括博物館協議会に関すること 主 査 伊 藤 統 子 予算・決算、委託料・使用料・備品購入、奈良家住宅補修物品取扱員、公印管理に関すること 主 査 秋 元 秀 俊 予算・決算、給与・旅費・服務整理・物品購入、文書事務現金取扱員、福利厚生に関すること 技 能 主 任 夏 井 順 一 公用車の運転及び館外との連絡に関すること 技 能 主 任 高 橋 直 人 危険物取扱、ボイラー・冷凍機・空調機の運転点検整備に関すること 主任学芸主事 ( 兼 ) 班 長 船 木 信 一 班の総括生物部門に関すること 学 芸 主 事 信 太 忠 夫 展示企画、調査研究、資料管理担当生物部門に関すること 学 芸 主 事 髙 橋   正 展示企画、調査研究、資料管理、分館担当民俗部門に関すること 主 任 (兼 ) 学 芸 主 事 新 堀 道 生 展示企画、調査研究、資料管理担当歴史部門に関すること 学 芸 主 事 藤 原 尚 彦 展示企画、調査研究、資料管理担当工芸部門に関すること 学 芸 主 事 中 村 美也子 展示企画、資料管理、先覚記念室担当先覚部門に関すること 副 主 幹 ( 兼 ) 班 長 大 森   浩 班の総括地質部門に関すること 学 芸 主 事 梅 津 一 史 普及、連携・交流事業、研修担当生物部門に関すること 学 芸 主 事 松 山   修 普及、広報、菅江真澄資料センター担当菅江真澄部門に関すること 主 査 ( 兼 ) 学 芸 主 事 鈴 木 秀 一 普及、連携・交流事業、広報担当地質部門に関すること 学 芸 主 事 園 部 晋 士 普及、広報、先覚記念室担当先覚部門に関すること 主 任 ( 兼 ) 学 芸 主 事 吉 川 耕太郎 普及、連携・交流事業、広報担当考古部門に関すること 主任学芸主事 ( 兼 ) 班 長 阿 部 裕紀子 班の総括、わくわくたんけん室運営担当生物部門に関すること 学 芸 主 事 戸 島   毅 わくわくたんけん室運営担当歴史部門に関すること 学 芸 主 事 畑 中 康 博 学校団体(セカンドスクール的)利用担当歴史部門に関すること 学 芸 主 事 浅 利 絵里子 学校団体(セカンドスクール的)利用担当民俗部門に関すること 副 館 長 有 明 雅 弘 総括 [ 非常勤職員 ] 細 部 久 一(ボイラー) 進 藤 繁 雄(  同 ) 島 倉 順 一(守  衛) 石 井 久 則(  同 ) 吉 田 良 治(  同 ) 米 川 亮 道(  同 ) 高 橋 眞 夫(工  作) 伊 藤 友 美(展示解説・案内) 船 木 里 香(   同   ) 小 田 真奈美(   同   ) 加 藤 結 希(   同   ) 斎 藤 希 美(   同   ) 佐 藤 麻衣子(   同   ) 畠 山 亜 衣(   同   ) 伊 藤 春 菜(   同   ) 小 玉 奈々子(   同   ) 佐 藤 朗 子(   同   ) 宮 本 康 男(学芸補助) 米 谷 絵 美(  同 ) 小 玉 麻 子(  同 ) 菊 地 真樹子(  同 ) 佐々木 由布子(  同 ) 戸 松 由美子(  同 )

(16)
(17)

Ⅰ 平成

23

年度博物館運営方針

県民の生涯学習の拠点として、県民と共に歩む博物館運営を積極的に図り、県民文化の向上に寄与する。 1 本県の生涯学習を支え、推進する館運営を積極的に行う。 2 県民と一体となった展示・教育活動等の館運営を行う。 3 郷土秋田の自然や文化、歴史などに親しむことができる環境整備を図る。 4 県内外の教育機関、博物館類似施設、諸研究団体、北東北三県、ボランティアなどとの連携を図る。

Ⅱ 平成

23

年度博物館事業計画

1 重点目標 (1) 来館者に親しまれる展示活動を推進する。 ア 創意と工夫によるわかりやすい展示の研究と実践 イ 充実した見応えのある企画展の計画と実践 (2) 県民の生涯学習に資する博物館活動の普及とサービスの向上に努める。 ア 博物館学習、博物館教室の普及及びセカンドスクール的利用に対する支援 イ 県内博物館等類似施設、教育機関との連携 ウ 各種研修の受入と効果的対応 エ 博物館友の会及びボランティア活動への協力と連携 オ 効率的な広報活動および出版活動の推進 (3) 展示室の機能の検証と効果的利用を推進する。 ア 展示室の機能を積極的に活用した事業の実践 イ 県民により親しまれる博物館を目指した評価活動の実践 (4) 郷土秋田を理解するための資料収集を推進する。 ア 長期的展望に立った資料の収集 イ 収集資料の整理および収蔵庫の整備と管理 ウ 収蔵資料の効果的な活用方法の検討 (5) 県民が郷土の自然や文化に親しむための調査研究活動を推進する。 ア 展示や博物館教室などを通して県民の郷土理解に寄与する調査研究の計画的推進 イ 県民のためのよりよい博物館となるための博物館学的研究の推進 (6)「秋田の先覚記念室」「菅江真澄資料センター」の充実に努める。 ア 秋田の先覚に関する調査・資料収集、展示公開および普及サービスの推進 イ 菅江真澄に関する調査・資料収集、展示公開および普及サービスの推進 (7)「わくわくたんけん室」の充実に努める。 ア わくわくたんけん室の新アイテムの開発 イ わくわくたんけん室の利用促進の検討

(18)

−17− 2 活動計画 (1) 調査研究 ◇部門研究の推進 ・考古 秋田県域における先史石材資源開発の研究 ・歴史 鉱山史関係資料の調査 守屋家資料の調査と整理 ・民俗 鳥海山修験関係文書の検討 金足地区の民俗事象への調査 ・工芸 秋田県内におけるワラ細工技術〜履物類を中心 として〜 ・生物 さく葉標本の整理と分類の検討 統計学の活用について 秋田県内の甲虫類の分布データ収集 小蛾類の標本収集 秋田県産海産魚類目録作成 ・地質 鮪川層、潟西層、脇本層における耳石の調査 県内博物館・資料館が所蔵する地質資料の調査 ・真澄 菅江真澄の文体と表現 ・先覚 白瀬矗関連資料の調査 秋田県の先覚者にかかわるデータベース作成 ◇共同研究、地域研究、博物館学的研究の推進 ・幻の魚クニマスを追って 〜絶滅種発見の再検証 ・Ajax技術を用いたインターネット上での歴史収蔵資 料データベース公開について ・来館者の声に見る博物館評価 (2) 資料収集管理 ◇資料収集・整理・保存・管理 ◇資料のデータベース化の推進 ◇収蔵庫管理の推進 ◇燻蒸消毒作業 ・人文展示室、企画展示室、収蔵庫等 ◎燻蒸期間 8月30日(火)〜9月5日(月) ・小型燻蒸機の運用 (3) 展示 ◇展示活動 ・企画展示室における企画展、特別展 企画展 「まちの映画館」 4月23日(土)〜6月19日(日) 特別展 「粋なよそおい 雅なよそおい」 7月2日(土)〜8月21日(日) 企画展 「鉱山の記憶」 9月17日(土)〜11月27日(日) 企画展 「貝をめぐる多彩な世界」 12月17日(土)〜4月8日(日) ・秋田の先覚記念室企画コーナー展 「探検家・白瀬矗」 6月4日(土)〜7月31日(日) ・菅江真澄資料センター企画コーナー展 「真澄図絵の特徴と変化」 7月9日(土)〜8月21日(日) 「真澄、県北の旅」 10月22日(土)〜12月4日(日) 「真澄見聞の異国情報」 2月4日(土)〜3月20日(火) ・ふるさとまつり広場 天神信仰    4月5日(火)〜6月12日(日) 七夕絵どうろう 6月15日(水)〜7月20日(水) 秋田の土人形  9月14日(水)〜10月30日(日) ナマハゲ    11月2日(水)〜1月29日(日) 雛人形     2月1日(水)〜4月8日(日)

(19)

(4) 教育普及 ◇博物館教室等 1 里山の植物観察会・春編 5/7(土) 2 旧奈良家住宅解説会 5/8(日)8/7(日)9/11(日) 〔いずれか1回のみ〕 3 楽しいしぼり染め−研究コース− 5/15(日)6/5(日)6/26(日)7/31(日) 〔+3日任意出席〕10/30(日) 4 楽しいしぼり染め−中級コース− 5/15(日)5/24(火)〜27(金)6/8(水) 6/29(水)〜30(木)7/27(水)〔5回連続〕 5 化石と地層の観察会 観察:5/15(日)5/22(日)(どちらか1日) クリーニング:5/29(日) 6 昆虫教室〜採集と標本づくり〜 採集:6/19(日)7/17(日) 標本作り:8/21(日)〔3回連続〕 7 「真澄に学ぶ教室」講読会 7/16(土) 8/20(土) 9/17(土) 10/22(土)11/19(土)12/17(土) 1/21(土) 2/18(土) 3/17(土) 8 動物の体内を調べよう① 7/23(土) 9 竹細工製作教室 7/31(日) 10 石器づくり体験 8/6(土) 11 磯の生物採集会 8/7(日) 12 アイの生葉で染める 8/23(火) 13 多変量解析学と生物形態 8/28(日)9/25(日)10/16(日) 〔3回連続〕 14 古文書大学校 9/14(水)9/28(水)10/12(水) 10/26(水)11/9(水)11/23(水) 〔6回連続〕 15 里山の植物観察会・秋編 9/24(土) 16 「真澄に学ぶ教室」講演会 10/8(土) 17 考古学入門講座 11/12(土)11/26(土)12/10(土) 1/14(土) 1/28(土) 2/11(土) 〔1回のみも可〕 18 ゼロからはじめるワラ仕事 12/14(水)12/21(水)1/11(水)1/18(水) 1/25(水)1/26(木)1/27(金) 〔7回連続〕 19 動物の体内を調べよう② 12/25(日) 20 初めての古文書解読 1/8(日)1/22(日) 2/5(日) 2/19(日) 3/4(日)3/18(日) 〔6回連続〕 21 名誉館長館話−歴史と文化を語る− 5/13(金)5/27(金)6/10(金) 6/24(金)7/15(金)7/29(金) 〔1回のみも可〕 22 名誉館長館話−先覚・真澄− 9/16(金) 9/30(金)10/14(金) 10/28(金)11/11(金)11/25(金) 〔1回のみも可〕 ◇展示付帯事業 ・特別展「粋なよそおい 雅なよそおい」展示解説 ・企画展「まちの映画館」展示解説 ・企画展「鉱山の記憶」展示解説 ・企画展「貝をめぐる多彩な世界」展示解説 ・秋田の先覚記念室企画コーナー展 「探検家・白瀬矗」講演会 ◇県庁出前講座 各種依頼講座 ◇県内博物館等類似施設との連携 ・秋田県博物館等連絡協議会 ・日博協東北地区実務担当者会議 ◇博物館友の会との連携 ◇ボランティア「アイリスの会」との連携 ◇各種研修・実習等の受入 ・教員長期社会体験研修 ・教員10年経過研修 ・博物館実務実習 ・大学生の企業行政研修 ・ボランティア研修、インターンシップ等 ◇秋田の先覚記念室・菅江真澄資料センターの普及活動 に関すること

(20)

−19− (5) 広報・出版 ◇広報活動 ・事業に関する広報計画の策定と実施 展示広報・イベント広報等 配布・発送計画 ・その他の広報計画の策定と改善 ホームページの更新と改善 Eメールの管理等 ◇出版物の刊行・配布 ・年報 平成23年     A4判44頁 1,000部 ・博物館ニュース No.153・154 A4判8頁 各2,000部 ・研究報告 第37号     A4判100頁 800部 ・広報誌「真澄」No.29 A4判8頁 1,500部 ・真澄研究 第16号     A5判122頁 500部 ・楽しいしぼり染めパンフレット A4判8頁 3,000部 ・秋田の先覚記念室企画コーナー展 「探検家・白瀬矗」展示解説資料 A4判8頁 1,000部 ・展示ポスター、広報チラシ 特別展「粋なよそおい 雅なよそおい」 企画展「まちの映画館」 企画展「鉱山の記憶」 企画展「貝をめぐる多彩な世界」 (6) 学習振興 ◇わくわくたんけん室の運営 一般及び団体利用への支援・指導 体験アイテムの検討・保守管理 評価のための情報収集と実施の検討 博物館における体験活動についての情報・資料収集 ボランティア等の研修活動への支援 わくわくたんけん室の運営方法の検討 ◇学校団体による博物館利用の支援 セカンドスクール的利用の促進・支援・指導 学校団体対応の評価 学校団体利用のパンフレット編集・発行 学校団体利用数の集計と報告 (7) 分館・重要文化財旧奈良家住宅 ◇公開 主屋(重要文化財)を平成23年4月1日(金)から平 成24年3月31日(土)まで公開。また附属屋(登録有形 文化財)も外観のみ同期間公開。附属屋については内部 公開の希望に応えるために平成23年5月8日(日)、8 月7日(日)、9月11日(日)の3回公開し、担当学芸 職員が解説を行う。 ◇保存管理

(21)

Ⅲ 平成

22

年度事業報告

1 調査研究活動 調査研究活動は部門研究、共同研究、博物館学的研究 という区分で進めてきた。学芸職員は年度当初に調査研 究テーマを設定し、年度末には業務報告の一環として調 査研究発表会を実施している。 ①<部門研究>主に部門に関連する資料調査が進められ た。 ②<共同研究>秋田県立大学や他県の博物館、地域の団 体などと共同で、調査研究が行われた。 ③<博物館学的研究>来館者の声をもとにした博物館評 価のあり方が検討された。 なお、『研究報告』第36号には、部門調査に関連した 論文・短報が7件まとめられた。 部門研究 ◇考古 「先史人類の黒曜石資源の開発に関する基礎的研究」 旧石器時代・縄文時代の黒曜石製遺物の産地推定分析 を明治大学と共同で行い、秋田県域の黒曜石資源の利用 について検討した。その報告の一部については、『研究 報告』第36号に掲載(共著)した。また、東北地方にお ける後期旧石器時代の黒曜石利用について、韓国で開催 された第3回アジア旧石器協会国際シンポジウムにて発 表した。 ◇歴史 「土崎港の歴史について」 昭和20年8月14日、太平洋戦争での最後の空襲といわ れる「土崎空襲」の様子について調査した。穀保町・古 川町・相染一区の町内会長へのインタビューや『土崎空 襲の記録』(秋田文化出版社刊 1983年)などをもとに空 襲がどのように行われたかをさぐるうち、『土崎空襲の 記録』にある証言記録の「焼夷弾」と「照明弾」に関す る誤解を発見することができた。また、収録されている 「全国主要都市戦災概況図」での被災範囲についても、 南部の飛び地について位置の誤りを確認することができ た。 「石川博康家資料の調査」 平成22年7月、石川博康氏から同家に伝存した資料34 点が本館に寄贈された。石川家は十二所所預である茂木 家の歩行を勤めた家である。資料の中には同家の先祖兵 左衛門が十二所給人菊地茂左衛門から茂木家へ移った経 緯を記した資料があり、陪臣の主家移動を知る上で貴重 である。また同家は明治4年卒族に編入された。武士身 分の廃止に伴い、士族・卒族振り分けの論理はどこにあ ったのかを考える手がかりを与えてくれる資料もある。 調査の成果は『研究報告』第36号、畑中康博「秋田藩十 二所所預茂木陪臣考」に詳述した。 ◇民俗 「近世〜近代における服飾文化」 平成23年度特別展を予定している化粧、装身具、服飾 関係の展示に向けて、東京都のポーラ文化研究所、江戸 東京博物館等の資料調査を行った。また、秋田県内にお ける櫛・かんざしの調査、根付・印籠の調査などを行っ た。 ◇工芸 22年度より、秋田県内におけるワラ細工技術の保存を 目的に現況について調査を始めた。まずは、ワラ細工の 伝承活動の状況や技術保有者の状況について把握するた めに、県内の公民館を対象に質問用紙による調査を行い、 その概況を捉えることができた。また、実物資料から技 術の状況を探るため、県内各地域の資料館を調査するこ ととしているが、22年度は県南の2館について履物類を 中心に各種ワラ細工の資料撮影を行い、調査内容をまと めることができた。 ◇生物 「秋田県立博物収蔵館維管束植物さく葉標本について」 当館では、さく葉標本を未整理も含め、約10万点収蔵 している。主に友の会所属標本整理ボランティアの活動 で整理を行っている。22年度末まで約5万5千件の登録 とデジタル化が終了したので、標本の種類や産地、収集 者などの特徴をまとめ、館内調査研究発表会で報告した。 「収蔵資料のデータベース化に係る研究」 地球規模生物多様性情報機構GBIF(Global

(22)

Biodiver-−21−

sity Information Facility)は、各国の生物標本等デー

タを集約している。そのため、文部科学省では平成17年 度より「生物多様性情報等統合検索システムの構築」事 業を始め、博物館や大学と連携してデータ整備を行って いる。22年度、当館も整備事業研修に参加し、維管束植 物標本データ9,000件、蘚苔類標本データ5,000件、昆虫 標本データ3,000件、野鳥観察データ16,000件、両生類観 察データ2,000件、その他動物標本等データ2,000件を提 供した。 「秋田県内の甲虫類の分布データ収集」 解明度が低いと見られるゾウムシ上科の調査を中心に 行った。オトシブミ科については、種の分布情報の欠落 が概ね埋められた。また、ノミゾウムシ類の標本がある 程度集積できたので、今後未同定種について検討を加え るなどした上で、まとめを報告できる目処がついた。 ◇地質部門 「鮮新統薄井沢層における軟体動物化石調査」 秋田県北部薄井沢層の堆積状況調査及び含まれる化石 の採集を、昨年に引き続き行った。調査地点の上部は褐 色無層理砂岩で、そこから、Modiolus spの内型(石核) などこれまでと異なる軟体動物化石を採取することがで きた。下部の暗灰色砂岩から採取も含め、22年度は二枚 貝類6種27固体を採集・同定することができた。また、 それらをもとに露頭の堆積状況について分析をした。 「更新統鮪川層産マダラの耳石調査」 教育普及事業として実施している化石採集会におい て、男鹿市安田海岸の鮪川層の露頭から、参加者が全長 24.7mm、全高12.9mmの白色化石を採集した。採集した 化石が大型で保存良好な耳石であることから、専門家に 鑑定を依頼したところ、マダラGadus macrocephalusの 左耳石であることが判明した。耳石が産出した地層は中 部更新統鮪川層の下部化石層で、寒流系の軟体動物の貝 殻化石を主体とする層準である。マダラが軟体動物化石 以外の共産化石として当時の生物環境を考察する上で同 調性を示す初めての記録となり、それについての研究報 告を行った。 ◇秋田の先覚記念室 「小西正太郎資料の追加調査」 洋画家・小西正太郎関連資料について、小西家の協力 を得て追加調査を行った。実際に使用した画材などもあ わせ、平成22年度企画コーナー展にて展示をした。 「白瀬矗関連資料の所在確認調査」 にかほ市出身の探検家・白瀬矗に関する資料の所在調 査を実施した。白瀬南極探検隊記念館、国立極地研究所、 早稲田大学中央図書館、秋田県立図書館では実際に資料 を閲覧し、点数と資料の状態を調査した。企画コーナー 展にむけ、次年度以降さらに追加調査を行う。 ◇菅江真澄資料センター 「真澄地誌における後三年合戦の記録」 古代奥羽における後三年合戦について、真澄は、平鹿 郡と仙北郡の地誌に書き表している。特に、《月の出羽 路仙北郡十七》から《同十九》では、正史に書き表され ることの少ない奥羽の戦いについて、版本『奥州後三年 記』と絵巻「後三年合戦絵詞」の伝本を引用している。 引用では、地元に残る伝承との融合を図りながら、省略 や変更が施されている。また、絵巻から地誌への転写に 際しては、形態変更のための構図の変更と、地元におけ る戦いであることを示すための描き加え等をしている。 考察は、『真澄研究』第15号に発表した。 共同研究 秋田県立大学とともに絶滅したクニマスの遺伝子解析 の共同研究を行った。平成22年12月に山梨県西湖でクニ マスらしき魚が発見されたことで、本研究は他の研究機 関や組織との共同研究に発展することが検討されてい る。また、他県の博物館や県内の研究団体等との共同研 究も継続して行われた。 「北東北植物分布図について」 北東北の維管束植物分布の実態を明らかにするため に、現地調査や文献調査を行っている。調査範囲や現 在までの調査実施区画数、集録データ数、収集種類数 などについて進捗状況とともに分布図数例と簡単な説 明をつけ、『研究報告』第36号で報告した。

(23)

館内調査研究発表会 平成23年3月7日(月)午前9時00分〜午後4時35分 の日程で開催された。今回は新たに外部から専門家を招 いて講評をいただいた。また、博物館協議会および博物 館友の会、博物館ボランティア「アイリスの会」に加え て、総合教育センター、近隣の小・中・高等学校や近隣 の住民にも発表会の開催を案内した。 1.系統分類における遺伝子解析の役割について 鈴木 秀一 2.秋田県のノミゾウムシ類について 梅津 一史 3.秋田県立博物館収蔵維管束植物さく葉標本 阿部裕紀子 4.小泉潟公園及び周辺の鳥類目録 佐々木 均 5.貝化石からみた薄井沢層の堆積環境について 山本 和美 6.来館者の声に見る博物館評価 船木 信一 7.後三年合戦、真澄地誌における引用の諸相 松山  修 8.尾去沢鉱山作業絵図について 髙橋  正 9.秋田藩十二所所預茂木陪臣考 畑中 康博 10.探検家・白瀬矗の南極探検 〜著作及び資料から探検をたどる 中村美也子 11.映画ポスターの変遷 深浦 真人 12.秋田県内におけるワラ細工技術の保存状況について 藤原 尚彦 13.土崎空襲について 戸島  毅 14.中国の博物館建設の動向 新堀 道生 研究報告等の発行 ◇『研究報告』第36号 秋田県男鹿半島中部更新統鮪川層産マダラ Gadus macrocephalusの耳石とその系統発生的背景 大江文雄・渡部晟・鈴木秀一 秋田県立小泉潟公園及び周辺の鳥類目録 佐々木均 北東北植物分布図について 阿部裕紀子・藤原睦夫 八幡平見返峠〜畚岳間の稜線で採集した蛾類 髙橋雅彌・梅津一史 秋田県内出土黒曜石製遺物の原産地推定 ―新処Ⅰ遺跡・柏木岱Ⅱ遺跡・烏野遺跡― 吉川耕太郎・金成太郎・杉原重夫 名誉館長館話実施報告抄 新野直吉 秋田藩十二所所預茂木陪臣考 畑中康博 ◇『真澄研究』第15号 日記を結んで −菅江真澄遊覧記連想− 新野直吉 対談記録 北東北、歴史と文化の魅力 〜「真澄遊覧記」からの接近〜 石井正己・新野直吉 講演記録 菅江真澄の旅と和歌 佐伯和香子 真澄地誌における後三年合戦の記録 松山 修 博物館学的研究 解説員等が日誌に記録した来館者の生の声をもとに博 物館評価のあり方を模索した。館内の評価との整合性等 に課題を持つものの、客観的な評価方法の一手段とし て、次年度以降も研究を継続する予定である。

(24)

−23− 2 資料収集管理活動 寄付や購入、委託製作などで新たに登録された資料は、 1,037点である。最も寄付件数の多いものは例年と同様 に植物標本である。また、委託製作や購入による資料収 集については部門毎に計画があるが、予算の関係で必ず しも計画通りには進んでいない。 資料の貸出は県内外資料館・博物館・学校団体等に11 件、特別利用は資料の写真掲載を中心として155件あり、 年々増加の傾向にある。 平成22年度収集資料一覧 資 料 名 数量 受入区分 工芸 歴史 民俗 考古 生物 白岩焼 すり鉢、白岩焼 中鉢 県内産陶片、白岩焼陶片 桧山石川家資料 古文書 石川博康家資料 大山家関係資料ファイル他 鉄瓶他 日本酒瓶他 弁当箱 他 小型テレビ 他 秤 他 電気カンナ、電気ミゾキリ 他 キリンビールビン 土器他 オウムガイ サザエ タカラガイ ホネガイ オオハクチョウ ハクビシン ムクドリ 10 60 25 42 34 15 2 13 5 2 3 29 1 147 1 1 1 1 1 1 1 寄付 寄付 寄付 寄付 寄付 寄付 寄付 寄付 寄付 寄付 寄付 寄付 寄付 寄付 委託制作 委託制作 委託制作 委託制作 委託制作 委託制作 委託制作 生物 地質 真澄 先覚 合計 バン ホオジロ コサギ クロツグミ チゴハヤブサ アナグマ フシグロセンノウ 植物標本 本 キマダラモドキ 象潟地域採集化石他 男鹿市安田:潟西層産出貝化石他 マンモスの臼歯 植物化石 他 水晶 マダラの耳石 キララガイ 他 前太平記(古書) 小西正太郎の彫刻他 東海林太郎「さらば赤城よ」他 ハニワ デッサン(小西正太郎筆) 1 1 1 1 1 1 1 261 70 1 120 92 1 26 2 1 35 1 21 2 1 1,037 委託制作 委託制作 委託制作 委託制作 委託制作 委託制作 寄付 寄付 寄付 寄付 寄付 寄付 購入 寄付 寄付 寄付 採集 購入 寄付 寄付 寄付 平成22年度館蔵資料貸出状況 貸出先 目的別 県内外別 県内 県外 計 展示 研究 教材 資料 計 目的別 博 物 館 等 研究所・文化団体 出 版 報 道 機 関 都 道 府 県 市 町 村 個 人 計 教 育 機 関 大 学 高 等 学 校 中 学 校 小 学 校 そ の 他 1 3 4 4 0 0 0 4 1 0 1 0 1 0 0 1 1 0 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0 3 0 0 3 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 1 0 0 1 8 3 11 5 2 4 0 11 平成22年度資料収集状況 平成23年3月25日現在の資料総数 ( )内は平成22年度受入数 総集 美術 工芸 歴史 考古 民俗 生物 地質 先覚 真澄 合計 2,917 137 626 18 0 3,698 415 25 2 8 0 450 7,371 5,786(70) 1 13 0 13,171(70) 5,124 2,084(101) 113 184 0 7,505(101) 245 1,858(147) 31 190 0 2,324(147) 2,280 6,391(70) 120 36 4 8,831(70) 17,345 71,582(333) 7,712(14) 36 1,568 98,243(347) 3,556 (1) 2,804(241) 1,408 18 3,201(35) 10,987(280) 131 2,780(24) 12 0 0 2,923(24) 143 (1) 1,715 8 300 0 2,166(1) 39,527 (2) 95,162(986) 10,033(14) 803 4,773(35) 150,298(1,037) 購 入 寄 付 委託製作 所管換え 採 集 合 計

(25)

平成22年度資料特別利用状況 県内外別 目的別 企業 教育 機関 都 道 府 県 市 町 村 個 人 計 出 版 映 像 T V その他 大 学 その他 14 30 44 40 0 5 0 0 0 0 0 2 2 0 2 0 0 0 0 0 0 9 9 1 8 0 0 0 0 0 4 1 5 0 1 1 0 1 0 2 1 6 7 2 0 0 0 0 4 1 7 3 10 4 0 3 0 1 1 2 4 2 6 1 0 0 0 2 1 1 16 4 20 5 0 3 6 2 3 1 42 10 52 15 0 9 0 0 14 14 88 67 155 68 11 21 6 6 23 21 計 県       外 県       内 そ の 他 研 究 資 料 展 示 資 料 市 町 村 誌 広 報 ・ H P 映 像 出 版 物 利用数 部門別 ※利用内容は重複があるので、実際の利用数よりも多い。 利用内容 写真 撮影 写真 掲載 フィルム 借用 映像 録画 館内 閲覧 その他 美術 工芸 考古 歴史 民俗 生物 地質 先覚 真澄 その他 計 0 0 0 0 0 0 0 2 1 0 0 1 1 0 16 12 6 1 0 4 1 19 5 15 4 0 1 5 23 13 17 6 2 1 4 11 3 6 3 1 2 1 12 10 7 0 0 1 1 9 2 3 3 0 0 1 64 2 52 49 1 12 1 0 1 0 0 0 0 157 48 107 66 5 10 25 燻蒸消毒 全館燻蒸は、平成22年8月30日(月)〜9月6日(月) に実施した。薬剤は酸化プロピレン製剤(商品名アルプ) を前年までと同様使用した。燻蒸箇所は、3カ所の収蔵 庫と、人文展示室の竪穴式住居復元模型とした。今回は 企画展期間中の実施としたため、燻蒸直後に展示替えの ために収蔵庫内での作業を行う必要がなく、十分に時間 をおいてから収蔵庫内の作業を開始できる形になった。 小型燻蒸機は、引き続き酸化エチレン製剤を使用して いる。寄贈資料や借用資料の搬入時などに使用した。平 成22年度の使用回数は19回であった。生物資料(植物さ く葉標本、昆虫標本)、民俗資料の燻蒸が多かった。 粘着トラップによる昆虫等の侵入状況調査を継続して 行った。建物出入口付近では地表を歩行する生物の侵入 が相変わらず多く、展示室への侵入もあった。収蔵庫内 ではチャタテムシ類が若干見られた。資料への直接被害 は発生しなかったが、継続して注意が必要と考えられた。

(26)

3 展示活動 22年度の特別展は、最後の北東北三県共同展となる 「第3回北東北三県共同展 境界に生きた人々」を春に 実施、企画展は夏、秋、冬に各一回実施した。 菅江真澄資料センターでは三回、秋田の先覚記念室で は一回の企画コーナー展を実施。人文・自然展示室の可 変展示コーナーでは四回、ふるさとまつり広場では六回 の展示替えを行った。広場ではこの他に毎年行っている 「楽しいしぼり染め作品展」を実施。また、特別展示と して「GW特別展示」「坂本龍馬と維新志士の古写真」 を人文展示室で実施した。 また、外部からの依頼を受けて能代エナジアムパーク で巡回展「輝きの中の鉱物達」を実施したほか、館内で も北東北三県巡回パネル展「平泉の文化遺産」や第39 回秋田県特別支援学校「学校展」などを実施した。 −25− 企画展ほか ◇北東北三県共同展「境界に生きた人々―遺物でたどる北東北のあゆみ―」 平成22年5月28日(金)〜7月11日(日) <展示概要> 平成16年以来、青森県立郷土館・岩手県立博物館と当 館は共同企画で展示会を開催してきた。本展はその3回 目の展示会である。本展では、北東北は「北の文化」と 「中の文化」が重なり合う境界に位置しつつ独自の文化 を形作ってきたという視点から、北東北の古代から中世 に至る歴史を取り上げた。三館の協力によって、当該期 北東北の研究史上重要な遺跡をほぼ網羅し、通史的な地 域像を提示することができた。 <展示構成> プロローグ 在地の文化と続縄文文化 1 古墳文化、北へ 2 新たな集落と末期古墳 3 古代城柵の時代 4 仏教文化の普及と新たな産業 5 安倍氏・清原氏の時代 6 平泉文化の展開 7 北東北の武将たち エピローグ 「日の本将軍」安藤氏の命脈 <主な展示資料> 胡桃館遺跡出土品(北秋田市教委蔵) 銅造観音菩薩立像(源勝寺蔵) 銅龍頭(極楽寺蔵)以上重文文化財 金銅聖観音立像(正伝寺蔵) 聖観世音菩薩立像(聖福寺蔵) 蝦夷塚古墳群出土玉類(横手市教育委員会蔵) 秋田家資料一ノ谷兜(当館蔵)以上県指定文化財 <期間中の事業> 講演会「北の海みちと北東北のあゆみ」 講師:新野直吉名誉館長 6/20 展示解説会「展示のみどころ紹介」6/6、6/27、7/11 担当:新堀 道生(歴史部門) 吉川耕太郎(考古部門)

(27)

◇企画展「秋田の近代に輝く美術家たち」 平成22年10月2日(土)〜11月7日(日) <展示概要> 秋田県立近代美術館と連携のもとで、秋田の先覚記念 室で顕彰している芸術家のうち、近代の画家たちに焦点 をあて、平福穗庵・平福百穗・寺崎廣業・福田豊四郎の 代表作を展示した。また、これら4人の作家に加え、秋 田洋画壇の草分けのひとり、小西正太郎の作品を紹介し、 近代秋田を華やかに彩った美術家たちの業績をあらため て顕彰した。 <展示構成と主な展示資料> 平福穗庵 10点(乳虎、乞食図、軍鶏、蝦蟇仙人、 芝居絵、恵比寿、人物像、静の舞、 藤花遊鯉、画帖) 平福百穗 8点(草刈女、議会の大隈公、獣戯図、 群鴉、富嶽図、清江、翡翠、春山) 寺崎廣業 6点(春秋、高山清秋、画集、書籍3点) 福田豊四郎5点(雪を描く男、五月山湯、金華山、 雪国、平原) 小西正太郎6点(仮面のある静物、緑衣の女の肖像、 異国の女、婦人像3点) 計35点 <付帯事業> 「秋田の美術講座」全4回 講師:太田和夫 氏(秋田県立近代美術館副館長) 担当:中村美也子(秋田の先覚記念室) ◇企画展「食われてたまるか!」 平成22年7月24日(土)〜9月20日(月) <展示概要> 捕食者の存在は、食べられないための様々な対抗手段 を進化させる強い選択圧となってきたと考えられる。こ のため、進化の好例として注目され、論考が重ねられて きた。この展示では、陸上生物を中心に、食べられない ために効果があると考えられる形態や色彩などの特徴を 持つ生物を、標本や写真で紹介し、その働きや進化的背 景の説明を織り交ぜた。展示を通して、生物の形質が進 化によって生み出されてきたことを実感してもらった。 <展示構成と主な展示資料> ○かくれる トウホクノウサギ、コノハムシ、ナナフシ類、コノハ チョウ、ムシクソハムシ、クマサカガイなど ○トゲ・よろいを身につける アルマジロ、ハリモグラ、ハリネズミ、ハマナス、タ ラノキ、カタゾウムシ類など ○動物の好き嫌いが作った景色 (シカの採食と不嗜好植物) ○毒・くさい・まずい 毒を持つ植物(オクトリカブト、ドクゼリ、ハシリド コロなど)、毒を持つ昆虫(ドクチョウ類、マダラチョ ウ類、マダラガ類、カメムシ類、スズメバチ類など) ○まねる ベーツ型擬態(スカシバガ類、アブ類、マネシアゲハ 類など)、ミュラー型擬態(ドクチョウ類など)、目玉模 様(メダマヤママユ、ジャノメチョウ類など) ○いろいろやってみる 数で勝負(ブナ科の隔年結実、周期ゼミ)、助けを借 りる(イタドリの花外蜜線)など 担当:梅津一史(生物部門)

(28)

−27− ◇企画展「新着・収蔵資料展」 平成22年11月20日(土)〜平成23年4月10日(日) <展示概要> 博物館の収蔵資料には、企画展のテーマに合わなかっ たり、学術目的で保管されているなどの理由で、展示の 機会がほとんどないものもあるが、それぞれに博物館に 収蔵されるに足る価値や興味深さがある。この展示は、 最近5年間ほどの新収蔵資料を中心に、こうした資料を 公開する機会とした。また、展示資料の解説をとおして、 博物館の資料収集・保存の意義を理解してもらう機会と した。 <展示構成と主な展示資料> 考古:家の下遺跡出土石器(三種町)、鐙田遺跡出土遺 物(湯沢市)、岩倉館跡遺跡出土遺物(由利本荘 市)、古川堀反町遺跡出土遺物(秋田市) 歴史:金森家資料、桧山・石川家資料、十二所・石川家 資料、石郷岡家資料、平田篤胤関係資料、金子家 資料 工芸:深井焼大瓶 民俗:パプアニューギニアの神像と装身具、秋田針、マ タギの村田銃 真澄:秋田八景画讃、真隅雑抄、「葉月十四日」(短冊)、 久保田の落ち穂、酒銘、花の出羽路、避火歌、茜 刺日乃麗けく、ほか 地質:主に海外の鉱物・岩石、隕石等のレプリカ製作の 工程 生物:帰化植物さく葉標本、キノコレプリカ、クマゲラ の営巣木、鳥類剥製、は虫類剥製、魚類剥製、サ メ・エイ類液浸標本、シデムシ科・コメツキムシ 科標本 担当:梅津一史(展示・資料班) ◇菅江真澄資料センター 企画コーナー展 〔第52回企画コーナー展〕 真澄、下北の旅 平成22年7月10日(土)〜8月22日(日) <概要>真澄は、松前から下北半島に渡ってからの二年 半、下北半島全域を巡りながら、その風土や人々の暮ら しぶりを現存する6冊の日記に記録した。さらに、未発 見本ながら、他に3冊の日記があったことも知られてい る。展示では、各々の日記の概要と足跡を紹介しながら、 特徴のある事柄である「ラクスマン関係記事」「恐山十 景」「真澄南下時の気象」などについてパネルにまとめ て紹介した。また、現在でも下北に残る真澄関連の実資 料9点を紹介した。 〔第53回企画コーナー展〕 没後30年、内田武志の真澄研究 平成22年10月23日(土)〜12月5日(日) <概要>平成22年は、真澄研究の第一人者であった内田 武志が亡くなって30年目にあたる。内田は、不治の病と 闘いながら『菅江真澄全集』の編纂を行うなど、真澄研 究の普及と発展に多大な業績を残した。その業績は、真 澄研究の礎となり、現在でも真澄に関わる研究に大きな 指針を与え続けている。展示では、当館が所蔵する「内 田文庫」を中心にして、内田による真澄研究の経緯を紹 介するとともに、兄武志の研究を支え続けた妹ハチの真 澄研究についても紹介した。

(29)

◇秋田の先覚記念室 企画コーナー展 「洋画家・小西正太郎の生涯」 平成22年10月2日(土)〜11月7日(日) <展示概要> 秋田県美郷町出身の洋画家・小西正太郎は、六郷の素 封家に生まれ、東京美術学校の西洋画科を卒業する。し かし人生の前半は教員や県会議員となるなど、絵画から は遠ざかり、洋画家としての活躍は50歳を目前にして のパリ留学後からとなる。その小西を取り巻く環境や人 物像・交友関係の一部を、小西家からの寄付資料から伺 うことができ、これらの資料を公開した。また県立近代 美術館・県立図書館の資料とあわせ、その生涯を資料か ら読み解いて、広くその業績について紹介した。同時開 催の企画展と連動し、作品も企画展示室にて展示紹介し た。 <展示構成と主な展示資料> 1 小西正太郎の生い立ち〜小西家と幼少時代 小西家の資料(美術品や生活用品など) 2 東京美術学校と西洋画科〜日本画から洋画へ 美術学校時代の作品 他 3 六郷での小西正太郎〜教員・家督相続・県会議員、 家督相続関係書類、六郷での小西正太郎関連資料 4 パリへの留学〜絵画研究と収集 渡欧関連の資料、後藤宙外書簡、 パリでの個展関連資料、画材道具、撮影写真 5 帰国後の活躍 スクラップ帳、展覧会関連写真及び資料 6 後進のために〜自由研究所の創設 自由研究所関連資料、『秋田』、日記(1956年) 他 <付帯事業> 講演会「洋画家・小西正太郎の生涯」 10月24日(日) 講師:山本丈志 氏(秋田県立近代美術館学芸主事) 担当:中村美也子(秋田の先覚記念室) 〔第54回企画コーナー展〕 真澄引用の軍記物 平成23年2月5日(土)〜3月21日(月) <概要>真澄がその土地にまつわる故事や歴史を記録す る際、書物で見たり人から聞いたりした合戦を取り上げ ることがある。それは、合戦からその土地の状況や人物、 さらには時代背景などを引き出して、生き生きと活写す るとともに、故事や歴史を証明する拠り所とするためで あった。展示では、真澄の日記、随筆、地誌で引用され た「軍記物」を取り上げ、引用の仕方の特徴を紹介した。 日記における引用書の出典の判明、地誌における引用の 特徴など、新たな知見を得ることができた。なお、展示 では、合戦の記述がある「史書」なども広義に「軍記物」 として取り扱った。 担当:松山 修(菅江真澄資料センター)

(30)

−29− ◇可変展示 人文展示室 ・「収蔵資料展」 平成22年4月29日(木)〜5月9日(日) 大型連休中のイベントの一環として、常時公開してい ない枯草坂出土玉製品、瑞花文円鏡、慶長一分金、杣子 造材之畫、地租改正図、鍔(あやめ図透彫)を展示した。 ・「小野寺氏の原文書」 平成22年5月11日(火)〜平成23年3月31日(木) 中世横手の戦国大名である小野寺氏の古文書を展示 し、読み方や解釈を示した。 ・「坂本龍馬と維新志士の古写真展」 平成22年6月4日(金)〜7月4日(日) 慶応3年(1867)の暗殺直前に撮影されたと推定される 坂本龍馬の写真をはじめとして維新志士や後に秋田県令 となる海援隊出身の石田英吉の写真、そして坂本龍馬の 書簡を展示した。 自然展示室 展示替えコーナー ・「秋田の釣魚大全その2 スズキ」 平成22年3月30日(金)〜10月3日(日) 秋田で釣りの対象となる魚類としてスズキを取り上 げ、その分類学上の位置や生態、実際の釣りのデータな どを紹介した。 担当:船木信一(生物部門) ・「マツボックリ」 平成22年10月5日(火)〜平成23年4月3日(日) 秋田県内で見られるマツ科植物のマツボックリを展示 し、種類やその種子、散布方法などを紹介した。 担当:阿部裕紀子(生物部門) ・ふるさとまつり広場 「ひな人形・押し絵」    4月1日〜4月11日 「天神信仰」        4月13日〜5月16日 「七夕絵どうろう」     5月26日〜7月25日 「楽しいしぼり染め作品展」 7月24日〜8月22日 「七福神」         9月18日〜10月31日 「ナマハゲ」        11月2日〜1月30日 「春彼岸」         2月1日〜4月3日 担当:髙橋 正(民俗部門) 深浦真人(  〃 ) ◇ロビー展示「楽しいしぼり染め」第8回作品展 平成22年7月24日(土)〜8月22日(日) 博物館教室「楽しいしぼり染め」は、生涯学習の振興 と伝統的な絞り染めの技術の保存、伝承を目指し、平成 9年度より毎年実施している。作品展は、教室における 受講者の意欲の向上や、受講者同士の交流による技術の 向上を図るため、平成11年度より開催しており、今回で 8回目となった。21年度の教室の受講者(研究コース・ 中級コース合わせて延べ94名)による73点の他に、今回 は象潟草木染めサークルの皆さんからも22点出品してい ただき、これまで最多の95点を展示した。様々な意匠の 作品や技法に工夫を凝らした作品が数多く見られ、受講 者はもとより多くの来館者から好評を得ることができ た。 担当:藤原尚彦(工芸部門) 於:能代エナジアムパーク 平成22年8月7日(土)〜8月15日(日) 夏休みの児童生徒を対象に、鉱物への興味関心を涵養 するために、美しい結晶鉱物を28点展示した。 担当:山本和美(地質部門)、船木信一(展示・資料班) ◇巡回展示「輝きの中の鉱物達」

(31)

展示室の保守管理状況 展示室の温湿度の測定、灯具や映像・音声機器、パソ コンなどの点検を毎日実施しており、不具合がある場合 には早急に対処した。また、資料の移動などを伴う清掃 を、各展示室ごとに年2回行った。 自然展示室のアクリル封入標本は、手に取れる標本の 落下などによる破損、大型標本の反り変形などが目立っ ていたため、製作業者に委託して補修を行った。 各展示室の展示資料や解説系について、小規模な改善 すべき点をリストアップし、検討している。可能な箇所 から改善を実施している。 解説案内サービス業務 「県民により親しまれる解説活動の充実と向上」を目 標とし、重点事項を次の5点に設定して活動を行った。 1.来館者に応じたわかりやすい解説の創意工夫 2.より多くの来館者への積極的な解説活動の実施 3.展示内容の正確な理解と的確な解説の実施 4.誠意ある応対の実施 5.積極的な広報活動の推進と的確で迅速な情報提供 これらの重点事項を考慮しながら、日常業務について は、研修、勤務割作成・月例会運営、情報資料、団体関 係、資料収集、Q&Aを分担した。各業務については毎 月末に行う解説員・非常勤職員月例会にて活動の報告と 反省を行った。また、今年度は具体的に来館者の意見や 感想などを記録し、報告した。 分館(旧奈良家住宅) ア 公開 主屋(重要文化財)を平成22年4月1日(木)から平 成23年3月31日(木)まで公開した。また附属屋(登録 有形文化財)も外観のみ同期間公開した。附属屋につい ては内部公開の希望に応えるために平成22年5月9日 (日)、8月1日(日)、9月12日(日)の3回公開し、 担当学芸職員が解説を行った。 イ 保存管理 昨年度に引き続き主屋西面の差し茅を行った。 ◇北東北三県巡回パネル展「平泉の文化遺産」 平成22年6月29日(火)〜7月19日(月) 世界遺産登録を目指す「平泉の文化遺産」の価値や保 存管理の重要性を広く周知するため、北東北三県の博物 館が開催する共同展に併せ、巡回パネル展を開催した。 担当:船木信一(展示・資料班) 平成22年10月15日(金)〜17日(日) 特別支援教育に対する理解と認識を促進するために行 われている「秋田県障害児就学啓発推進事業」の一環と して実施した。ロビーを用いて全県の特別支援学校に通 う児童生徒の作品を展示したほか、ものづくり体験、パ ネルディスカッション等を行った。 担当:船木信一(展示・資料班) ◇第39回秋田県特別支援学校「学校展」

(32)

4 教育普及活動 博物館教室等については、前年度より講座数・実施日 数が若干増加し、参加者も前年度を上回った。特に「藍 のしぼり染め」、「ワラ仕事」や「名誉館長館話」等は、 人気が高くリピーターも多い。なお、教室で使用する藍 の栽培や稲藁の提供について、今年度も金足農業高等学 校から多大の協力をいただいた。 イベントとしては、ゴールデン・ウィーク中の「バッ クヤード見学会」や「自動演奏ピアノ」の演奏会、2月 に進駐軍ピアノを使った「ミュージアム・コンサート」、 3月に芸能公演「白岩ささら」等を実施し、来館者から 好評であった。ご協力をいただいた秋田大学音楽教育講 座、仙北市白岩若者会の方々に感謝したい。 各種研修、実習等の受け入れについては、各班の協力 を得て予定通り進めることができた。特に、教員長期社 会体験研修は今年度から通年実施となり、2名の教員が 研修を行い、研究成果を秋田県教育研究発表会で公表し、 成果物を来館者が利用できるように提供してもらうな ど、大きな成果があった。 出前授業等に関しては、「藍のしぼり染め」をはじめ として多数の依頼を受け、受講者から高い評価を得てい る。また、県立大学の「秋田の歩き方」講座や総合教育 センター土曜講座の依頼等、連携体制が一層すすんでい る。 普及行事 ◇博物館教室 今年度は22の博物館教室が計画され、すべて予定通り 実施された。実施のべ日数は59日、参加人数は1,290人 であった。今年度は博物館教室参加者へアンケート調査 を実施し、教室への要望・感想などの調査を行った。そ の結果、迅速に改善する点や来年度以降検討する点など が明確になった。 名   称 実施日 参加者 里山の植物観察会(春編) 5月8日 5月9日 8月1日 9月12日 5月16日 6月6日 6月27日 8月1日 +特設3日 5月16日 5月25日〜28日 6月9日 6月30日 7月1日 7月28日 5月16日 5月23日 5月30日 6月6日 6月20日 7月18日 8月22日 7月4日 7月25日 8月8日 9 「秋田の先覚記念室」講演会 8月17日 8月29日 9月26日 10月17日 11月7日 9月25日 9月25日 10月9日 10月16日 10月23日 11月20日 12月18日 1月22日 2月19日 10月24日 12月8日 12月15日 1月5日 1月12日 1月19日 12月23日 1月9日 1月23日 2月6日 2月20日 3月6日 3月20日 1月10日 37 ゼロからはじめるワラ仕事 61 植物の体内を調べよう 18 初めての古文書講座 69 土崎港の歴史を学ぶ 12 合計 1,290 旧奈良家住宅解説会 54 楽しいしぼり染め 研究 122 楽しいしぼり染め 中級 196 化石採集会 82 真澄に学ぶ教室−講演会① 北東北三県共同展−講演会− 81 131 昆虫教室 34 動物の体内を調べよう 竹細工製作教室 磯の生物採集会 11 32 22 秋田の美術講座 103 アイの生葉で染める 32 真澄に学ぶ教室−講演会② 里山の植物観察会(秋編) 68 6 美術品の取り扱いと修復講座 8 真澄講読会 102 −31−

(33)

◇その他の行事 今年度は特別展に関連する付帯事業と、ゴ−ルデンウ イ−クや祝日に集中してイベントを行った。バックヤ− ドの見学会や秋田大学音楽教育講座の学生による進駐軍 ピアノ等の演奏会を行った。恒例の芸能公演は「白岩さ さら」で、地震後にもかかわらず多くの入館者があった。 展示付帯事業 イベント 名   称 実施日 参加者 北東北北三県共同展 展示のみどころ紹介 バックヤード見学会 自動演奏ピアノ演奏会 ミュージアムコンサート 白岩ささら 合計 合計 6月6日 6月27日 7月11日 6 16 22 44 名   称 実施日 参加者 5月3日 5月3日 5月4日 5月5日 2月11日 3月20日 55 81 45 53 68 52 354 博物館における研修・実習 ◇教員長期社会体験研修 教育機関との連携活動の一環として、教員の長期社会 体験研修員2名(小・中学校教諭)を受け入れた。研修 活動目的は、学校以外での職場を経験することによって、 豊かな人間性と広い視野に立った教育力や実践指導力の 育成を図ることである。 研修期間が、今年度から1年間となり、研修・研究の 成果を第25回秋田県教育研究発表会(総合教育センター) で発表した。また、研修成果の歴史かるた及び学習シー トは博物館においても活用する。 ○水品仁志(潟上市立天王中学校) 研究テーマ 「歴史学習への興味を喚起する中学生向 けの教材開発について」〜「秋田県の歴史かるた」の作 成を中心として〜 ○成田良実(秋田市立下新城小学校) 研究テーマ 「博物館において、楽しく学べる学習方 法について」〜特別支援を要する児童・生徒の学習シー ト作成を中心にして〜 ◇甘粛省交流事業 ○甘粛省交流員研修 秋田県と中国甘粛省との友好提携に基づく文化交流事 業は10年目の最終年度となり、最後の甘粛省交流員を迎 えた。 昨年度よりさらに来日が遅れ、滞在期間が短縮された が、交流員は当館のみならず、各地の博物館・文化施 設・遺跡等を見学して、日本の歴史や文化、文化財保護 等に関して積極的に研修を行った。また、当館の職員や 交流会で訪問した学校等での体験を通じて、本県と甘粛 省の友好関係を深めた。 滞在期間:平成22年10月17日(日)〜12月17日(金) 氏  名:黄 暁宏(Huang XiaoHong) 職  名:甘粛省博物館 副研究館員 主な研修内容 ア、日本語研修 イ、博物館業務研修(展示作業、展示解説、博物館教 室等への参加、博物館運営等の研修、資料保存方法 ◇名誉館長館話 今年度も前期6回、後期6回の合計12回の館話が計画 され、後期は日程が変更になったこともあったが、すべ て滞りなく終了した。館話は根強い人気を誇っており、 遠方からの参加者も多い。 ・「秋田の先覚」とその周辺 ・「菅江真澄」からの連想 内  容 二木謙三 澤木隆子 黒澤三一 島田五空 斎藤寅次郎 田口掬汀 合計 実施日 5月14日 5月28日 6月11日 7月2日 7月16日 7月30日 参加者 45 49 38 53 41 37 263 内  容 月迺遠呂智泥〈3〉 高松日記 駒形日記 雪の出羽路雄勝郡〈1〉 雪の出羽路雄勝郡〈2〉 雪の出羽路雄勝郡〈3〉 合計 実施日 9月10日 9月24日 10月8日 10月22日 11月5日 11月19日 参加者 45 36 49 32 33 36 231

(34)

−33− 等の研修等) ウ、視察研修(県内外の博物館・遺跡等の視察、関 東・関西方面視察研修) エ、発掘調査研修(埋蔵文化財センター) オ、交流事業(大館市立雪沢小、比内養護学校) カ、博物館員に対する甘粛省博物館の紹介 ○甘粛省への交流員派遣 平成24年度に予定されている秋田県甘粛省交流10周年 記念展(仮称)の準備のために、当館より交流員が派遣 され、精力的に文物調査を行った。 滞在期間:平成22年7月5日(月)〜10月5日(火) 氏  名:吉川耕太郎 職  名:主任(兼)学芸主事 主な研修内容:磨嘴子ま し し遺跡の出土品調査 なお、これまでの交流事業で甘粛省に派遣された職員 は次のとおりである。 平成20年度交流員 主任(兼)学芸主事 丸谷仁美 平成19年度交流員 主任(兼)学芸主事 新堀道生 平成18年度交流員 学芸主事 石井志徳 ○秋田県甘粛省交流10周年記念展(仮称)のために、生 涯学習課文化財保護室が招集するワーキンググループ会 議(5回)に担当者が参加し、準備をすすめた。 ◇高校生インタ−ンシップ・ボランティア 高校教育課の事業である高校2年生のインタ−ンシッ プ及びボランティアの活動を受け入れた。 ・インタ−ンシップ 能代高校    7月21日(水)〜23日(金)  1名 本荘高校    8月18日(水)〜20日(金)  1名 五城目高校   8月18日(水)〜20日(金)  1名 男鹿工業高校  9月29日(水)〜30日(木)  5名 男鹿海洋高校  11月16日(火)〜18日(木)  3名 ・ボランティア 秋田西高校   7月7日(水)〜9日(金)  30名 ◇教職10年経験者選択研修 7月28日(水)〜30日(金)の3日間、中学校・高等 学校の教員3名の研修を受け入れた。 研修内容は、博物館内(本館・分館)及びバックヤー ド見学、拓本作成や化石採集・クリーニング等の資料収 集・整理、名誉館長館話受講など、人文系・自然系を網 羅し、博物館業務全体を把握できる充実したものとなっ た。 ◇博物館実務実習 8月24日(火)〜8月29日(日)の6日間で9大学10 名を対象に実施した。実習生の内訳は北海道文教大学1 名、盛岡大学1名、山形県立米沢女子短期大学1名、茨 城大学1名、日本大学1名、帝京大学1名、新潟大学2 名、京都女子大学1名、愛媛大学1名。 また、8月3日(火)〜8月7日(土)の5日間、秋 田大学の企業行政研修1名を受け入れ、資料整理やわく わくたんけん室での来客対応などの研修を行った。 他施設・団体との連携 ◇秋田県博物館等連絡協議会(略称:秋博協) ・役員会、総会、研修会  平成22年6月3日(木) 会場:秋田県立博物館 総会:27館37名出席 講演会:演題「人 どうぶつ 動物園」 講師 大森山動物園 園長 小松 守 氏 研修会:北東北三県共同展「境界に生きた人々」研修 ・実務担当者研修会 平成23年2月23日(水) 当館学習室 17加盟館22名参加 「資料の取扱と梱包について」 講師:秋田県立博物館 学芸主事 髙橋 正 ・燻蒸サービス 平成22年8月30日(月)〜9月6日(月)9館利用 ・会報の発行『秋博協だより』第45号 ▲秋博協実務担当者研修会

参照

関連したドキュメント

を,松田教授開講20周年記念論文集1)に.発表してある

■2019 年3月 10

第16回(2月17日 横浜)

継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、×年4月1日から×年3月 31

平成 30 年度は児童センターの設立 30 周年という節目であった。 4 月の児―センまつり

北区無電柱化推進計画の対象期間は、平成 31 年(2019 年)度を初年度 とし、2028 年度までの 10

笹川記念保健協力財団は、1974 年5月、日本財団創始者笹川良一氏と、日

本協定の有効期間は,平成 年 月 日から平成 年 月