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第六部 その他の検査 第3章 野田 睡眠検査 明子 1) 宮田 聖子 2) 1) 中部大学大学院生命健康科学研究科 ) 名古屋大学大学院医学系研究科睡眠医学寄附講座 要 愛知県春日井市松本町 1200 旨 睡眠障害 睡眠不足は認知症のリスクファクターであり 認知症の発症 重症化の

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第六部   その他の検査

第 3 章 睡眠検査

野田 明子

1)

宮田 聖子

2) 1) 中部大学大学院生命健康科学研究科(〒 487-8501 愛知県春日井市松本町 1200)  2) 名古屋大学大学院医学系研究科睡眠医学寄附講座 要 旨 睡眠障害・睡眠不足は認知症のリスクファクターであり,認知症の発症・重症化の予防において睡眠検査は有用であ る。睡眠の客観評価法として,終夜における睡眠深度・睡眠中の呼吸循環の生理現象を総合的に評価する睡眠ポリグラフ 検査,睡眠覚醒リズムを評価するアクチグラフィ,過眠症の診断や治療効果の判定として実施される反復睡眠潜時検査お よび在宅で行うことができる簡易睡眠呼吸障害検査がある。主観的睡眠検査として,ピッツバーグ睡眠質問票およびエプ ワース眠気尺度は睡眠障害のスクリーニングとして日常臨床で汎用されている。また,睡眠日誌はアクチグラフィととも に概日リズム睡眠障害の診断に必須の検査である。これらの睡眠検査の臨床的意義,検査方法および評価を十分理解し, 実施することが重要である。 キーワード 睡眠ポリグラフ検査,アクチグラフィ,反復睡眠潜時検査,簡易睡眠呼吸障害検査,ピッツバーグ睡眠質問票,エプワー ス眠気尺度,睡眠日誌 はじめに 睡眠障害・睡眠不足は認知機能の低下と密接に関 係しており,認知症のリスクファクターである1)~5) 高齢者では不眠および睡眠時無呼吸症候群など睡眠 障害の頻度が高い。さらに,認知症では,加齢に伴 う中途覚醒や睡眠覚醒リズムの変調など睡眠の変化 がより著明となる。認知症高齢者における不眠や概 日リズム睡眠障害,それに伴う夜間徘徊およびせん 妄などは,認知症患者本人の健康上の問題だけでな く,介護者の負担や医療費の増大などにも関連する。 また,レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder; RBD)は,レビー小体型認知症の早期徴候として認 められることがあり,その診断には睡眠ポリグラフ 検査が必須となる。社会の 24 時間化および超高齢化 社会を背景として,認知症予防の観点から,睡眠検 査は今後重要な位置づけになる。本稿では,主観的・ 客観的な睡眠検査について概説する。 1.質問票(ピッツバーグ睡眠質問票・エプワース眠 気尺度) 1)臨床的意義

ピッツバーグ睡眠質問票(Pittsburgh sleep quality index; PSQI)は,睡眠障害のスクリーニング,経過 観察や治療効果の評価,うつ病,高齢者における睡

眠障害評価などに用いられる6)。エプワース眠気尺

度(Epworth sleepiness scale; ESS)は,眠気の主観的 評価法であり,過眠のスクリーニングとして用いら れる6)。 2)検査方法 PSQIは,最近 1 ヶ月に関する 19 項目の自記式項 目と 5 項目の同室就寝者への質問からなり,睡眠の 質・睡眠時間・入眠時間・睡眠効率・睡眠困難・眠 剤使用および日中の眠気の 7 つの要素から構成され, 回答を対象者が選択記入する(Figure 1)7)。ESS は, 被検者が眠気をもたらす日常生活でよくみられる 8 つの状況の各々における眠気のレベル 0~3 点を対象 者に選択記入させる。

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過去1カ月間におけるあなたの通常の睡眠の習慣についてお尋ねします。 過去1カ月間について大部分の日の昼と夜を考えて、以下のすべての質問項目にできる限り正確にお答えください。 [理由] そういったことのために,過去1ヶ月間において,どれ くらいの頻度で,睡眠が困難でしたか? a)なし b)1週間に1回未満 c)1週間に1∼2回 d)1週間に3回以上 質問1)過去1カ月間において,通常何時ころ寝床につきまし たか? 就寝時間 a)午前 b)午後   時   分ころ 質問2)過去1カ月間において,寝床にはいってから眠るまで におよそどれくらいの時間を要しましたか?   約     分 質問3)過去1カ月間において,何時ころに起床しましたか? 起床時間 a)午前 b)午後   時   分ころ 質問4)過去1カ月間において,実際の睡眠時間は何時間くら いでしたか? (これは,あなたが寝床の中にいた時間とは異なる 場合があるかもしれません。) 睡眠時間 1日平均 約   時間   分 質問5)過去1カ月間において,どれくらいの頻度で,以下の 理由のために睡眠が困難でしたか? 1)床に付いてから30分以内に眠ることができなかったか ら。 a)なし b)1週間に1回未満 c)1週間に1∼2回 d)1週間に3回以上 2)夜間または早朝に目がさめたから。 a)なし b)1週間に1回未満 c)1週間に1∼2回 d)1週間に3回以上 3)トイレに起きたから。 a)なし b)1週間に1回未満 c)1週間に1∼2回 d)1週間に3回以上 4)息苦しかったから。 a)なし b)1週間に1回未満 c)1週間に1∼2回 d)1週間に3回以上 5)咳がでたり,大きないびきをかいたから。 a)なし b)1週間に1回未満 c)1週間に1∼2回 d)1週間に3回以上 6)ひどく寒く感じたから。 a)なし b)1週間に1回未満 c)1週間に1∼2回 d)1週間に3回以上 7)ひどく暑く感じたから。 a)なし b)1週間に1回未満 c)1週間に1∼2回 d)1週間に3回以上 8)悪い夢をみたから。 a)なし b)1週間に1回未満 c)1週間に1∼2回 d)1週間に3回以上 9)痛みがあったから。 a)なし b)1週間に1回未満 c)1週間に1∼2回 d)1週間に3回以上 10)前記1∼9以外の理由があれば,次の空欄に記載してく ださい。 質問6)過去1カ月間においてご自分の睡眠の質を全体として どのように評価しますか? a)非常によい b)よい c)悪い d)非常に悪い 質問7)過去1カ月において,どのくらいの頻度で,眠るため に薬を服用しましたか? (医師から処方された薬あるいは薬局で買った薬) a)なし b)1週間に1回未満 c)1週間に1∼2回 d)1週間に3回以上 質問8)過去1カ月において,どのくらいの頻度で,車の運転 中や食事中や社会活動中など眠ってはいけない時 に,おきていられなくなり困ったことがありました か? a)なし b)1週間に1回未満  c)1週間に1∼2回 d)1週間に3回以上 質問9)過去1ヶ月間において,物事をやり遂げるのに必要な 意欲を持続する上で,どのくらい問題がありました か? a)全く問題なし b)ほんのわずかだけ問題があった c)いくらか問題があった d)非常に大きな問題があった ピッツバーグ睡眠質問票問 1–9(文献 7)より引用) Figure 1 

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3)検査データ PSQI各要素の得点は 0~3 点であり,総合得点 0 ~21 点が算出される。得点が高いほど睡眠が障害さ れていると判定し,カットオフポイントは 5/6 点で ある。ESS 総合スコアは 0~24 点で,カットオフポ イント 10/11 点以上は過眠が疑われる。 2.アクチグラフィ 1)臨床的意義 アクチグラフィにより,患者の生活を制限せずに 長期間の活動量を記録し,睡眠習慣や睡眠覚醒リズ ムの日差変動を把握することができる8),9)。また,不 眠症および高齢者など検査室で眠ることのできない 患者の睡眠を評価することが可能であり,入眠や起 床のタイミングに問題がある概日リズム睡眠・覚醒 障害の診断・治療効果判定および薬剤の副作用を評 価する上で本法は有用である10)。本法は軽度認知機 能障害および認知症予防を目的としたスクリーニン グ検査としての臨床的意義は高いと考えられる2),3)。 2)検査方法 アクチグラフは,腕時計ほどの小さな体動感知セ ンサであり,腕(非利き手)や腰に装着し,睡眠覚 醒リズムを評価する。記録期間は,1 週間から数ヶ 月と目的に合わせて記録される。アクチグラフを装 着する患者は,就寝時間,起床時間,眠らずに寝床 の中で過ごした時間,昼寝,起床時の気分,睡眠薬 等の服薬,日常生活とは違った活動および機器をは ずした時間などを睡眠日誌に記録する。睡眠日誌は, データ解析時,睡眠と覚醒の判別に重要である。ア クチグラフに記録されたデータは,コンピューター で様々なアルゴリズム用いて処理され,自動解析後, 視覚的にも確認し,覚醒と睡眠を判別する。また, 治療効果判定には内因性の概日リズムを反映するメ ラトニン分泌量の情報があれば役立つ。通常,本法 により,全睡眠時間,睡眠時間の割合,覚醒総時間, 覚醒時間の割合,覚醒回数および睡眠潜時などの情 報が得られる。 3)検査データ 就寝時刻・入眠時刻および起床時刻から睡眠覚醒 リズムの位相や周期の評価を行う。アクチグラムに よる睡眠覚醒のパターン(Figure 2)から睡眠位相 の遅れ,継続的な睡眠相の前進・後退および不規則 性を視覚的に評価する。高齢者では若年成人に比べ 位相が前進する。アクチグラフィの機種により,一 部のソフトで客観的に周期解析ができるが,現在で は基準値はない。 4)検査上の留意点 アクチグラフを装着していなかった時刻を記録さ せることにより,睡眠覚醒判定精度が向上する。過 敏症患者の検査を施行する場合,皮膚トラブルを避 けるために,アクチグラフを 1 日に数分間外しても 良いことを説明する。光を検出できるタイプのアク チグラフでは,その角度により,光センサが十分に 12 : 00 18 : 00 00 : 00 6 : 00 12 : 00 1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 睡眠 アクチグラム 睡眠覚醒リズムの乱れ,睡眠中の睡眠の分断化を把握できる。ピンクはアクチグラフを外していた時間帯を表す。 Figure 2 

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機能しないこともあるため,光センサを袖などで隠 してしまわないように注意する。アクチグラフィは, 脳波ではなく,四肢の動きから,睡眠覚醒を推定し ており,睡眠ポリグラフ検査(polysomnography; PSG)により定義されている睡眠指標とは異なる解 釈になる。たとえば,アクチグラフィは,睡眠を過 大評価し,覚醒を過小評価する。アクチグラフィは, 睡眠覚醒リズムおよび入眠後の中途覚醒の評価に有 用である。 5)認知症患者への対応と注意事項 認知症の患者にアクチグラフを装着するとき,家 族または介護者に十分説明し,外れてしまわないよ うに必要に応じ装着法を工夫する必要がある。認知 機能の低下により,睡眠日誌とアクチグラフィの結 果に不一致が多くなるので,両法の同時評価は臨床 的に意義が高い。 6)診療報酬点数 保険適用を受けていない。 3.睡眠呼吸障害検査装置による簡易検査 1)臨床的意義 睡眠時無呼吸症候群が動脈硬化,生活習慣病,心 血管病および精神疾患の発症や病態生理に関係する ことが明らかとなり11),睡眠時無呼吸症候群の早期 発見・治療開始が重要なため,検査の需要は増大し てきている。睡眠時無呼吸症候群の診断には PSG が ゴールドスタンダードとされているが,疑われる患 者すべてに対し PSG を実施するのは困難である。検 査件数の増加は重症の睡眠障害患者の検査待ちの期 間が長くなることにも繋がる。本邦では,簡易検査 機器による在宅検査は,睡眠呼吸障害のスクリーニ ングを目的として行われている。一方,米国では睡 眠呼吸障害の確定診断に用いることを推奨している。 2)検査方法

米 国 睡 眠 医 学 会 ( American Academy of Sleep Medicine; AASM)では,睡眠検査機器は,その仕様 により 4 つのタイプに分類されており,タイプ 1 は 検査施設で監視下において実施される PSG であり, タイプ 2–4 の携帯型装置に分類される12),13)。タイプ 2は非監視下において脳波を含む携帯型装置による 検査,タイプ 3 は換気量/気流,心電図/心拍数, 酸素飽和度を含む最低 4 チャンネルの記録装置によ る検査,タイプ 4 は酸素飽和度あるいは気流を含む 1–2 チャンネルの記録する検査とされている。一般 的に医療機関において装着法の説明を行い,本人ま たは家族が自宅で装着して就寝,翌日以降に機器を 返却する。本邦において,多点感圧センサを有する 睡眠評価装置による睡眠呼吸障害検査も現在保険適 応であり,無拘束であることから認知症の睡眠呼吸 障害スクリーニングとして有用性が高い。 3)検査データ 簡易検査による睡眠呼吸障害の診断基準は現在定 められていないが,睡眠呼吸障害のスクリーニング としての位置づけであり,睡眠呼吸障害指数が 15/h 以上の場合,PSG の対象となる。一方,睡眠呼吸障 害指数が 5/h 以上で 15/h 未満の場合も,睡眠障害関 連症状がある場合(ESS ≥ 11),酸素飽和度 < 90%が 5分以上持続,または心血管病の合併がある場合, 睡眠障害の鑑別のため PSG が考慮される。 4)検査上の留意点 使用する機器の特性をあらかじめ把握しておく必 要がある。また,自宅で,患者自身または介護者が センサを装着することになるため,十分な経験を有 する検査技師の患者指導が必要である。わかりやす い検査マニュアルは患者が在宅で正確に検査を実施 する上で役立つ。一般的に簡易検査機器では睡眠を 判定できないため,睡眠効率が悪い場合,中途覚醒 が多く認められる患者においては正確な睡眠時間の 評価は困難であり,結果の解釈に注意する必要があ る。また,低呼吸が多い場合,口呼吸の場合および 日常的に側臥位睡眠の場合では,PSG との比較にお いて睡眠呼吸障害指数の差が大きい傾向がある。飲 酒習慣のある患者では,検査室と在宅検査の睡眠呼 吸障害指数の結果が大きく異なる場合がある。検査 日の日常生活の把握は結果の解釈に非常に重要であ る。睡眠呼吸障害指数が 40/h 以上で閉塞性睡眠時無 呼吸関連症状を有する場合,簡易検査のみで持続気 道陽圧(continuous positive airway pressure; CPAP)療 法の導入が可能である。重症の睡眠呼吸障害におけ る,早期 CPAP 療法の導入は心血管病の予防,認知 症発症の予防に極めて重要である。簡易検査で CPAP 療法を導入し CPAP 療法が順調に経過しない場合, PSGを考慮し,その要因および病態生理を把握する ことが大切である。米国の大規模研究において,睡 眠呼吸障害が軽度認知障害およびアルツハイマー病

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の発症に関与し,閉塞性睡眠時無呼吸の CPAP 療法 が認知機能障害の進行を遅らせる可能性が示され た14)。また,CPAP 療法によって認知機能が改善し, 海馬や前頭部の灰白質量が増加したことも報告され ている15)。認知症予防の観点から,信頼精度の高い 簡易検査による睡眠呼吸障害の診断・治療システム の構築が必須である。 5)認知症患者への対応と注意事項 睡眠中にセンサが外れないよう工夫し,センサが 外れた場合,家族または介護者に協力を得られるよ う,検査方法を丁寧に説明することは重要である。 6)診療報酬点数 携帯用装置を使用した場合 720 点。 多点感圧センサを有する睡眠評価装置を使用した 場合 250 点。 4.PSG 1)臨床的意義 PSGは,脳波・眼球運動・頤筋筋電図を基本と し,呼吸・心電図・酸素飽和度(pulse oximetric saturation; SpO2)・いびき・前脛骨筋筋電図・体位・ 体動・体温・食道内圧などの生体現象を同時記録す ることにより,終夜における睡眠深度・睡眠中の呼 吸および循環の生理現象を総合的に評価する検査で ある16),17)。CPAP 療法は,閉塞性睡眠時無呼吸症候 群の第一選択治療であり,心血管病の罹患率や死亡 率を抑制させることが報告されている。高齢者にお いて,CPAP アドヒアランス良好な患者では,長期 的な CPAP 療法により認知機能低下の予防効果も認 められている18)。PSG による CPAP の適切な圧設定 は治療効果において重要である。 2)検査方法 PSGの標準的な検査手技と睡眠段階判定には, 1968年 Rechtscaffen と Kales(R&K)により標準化 され広く普及していたが,2007 年に作成された AASMによる睡眠および随伴イベントの判定法が最 近では広く用いられ,2012 年および 2016 年にその 改訂版も発表されている。 各睡眠段階の判定には,脳波・眼電図・頤筋筋電 図が必要である。睡眠段階は 30 秒を 1 エポックとし て評価する。R&K の分類やこれを基にした AASM のガイドラインなどいくつかの基準が存在するが, ここでは AASM のガイドラインに基づく各睡眠段階 の特徴およびポリグラムを Table 1 と Figure 3 に 各々示した。 PSGに必要な脳波電極位置は前頭部(F3,F4), 中心部(C3,C4)と後頭部(O1,O2)が基本であ り,その配置は国際脳波学会の標準法(ten-twenty electrode system;10/20 法)に従う。眼電図(electro-oculogram; EOG)として,左外眼角から 1 cm 下方 (E1),右外眼角から 1 cm 上方(E2)の位置に装着 各睡眠段階の特徴 睡眠段階 特徴 覚醒(Stage W) 8–13 Hz の α 波が 50%以上,α 波は閉眼時に後頭部領域優位,開眼により減弱 急速な眼球運動 筋電図は相対的に高電位 ノンレム睡眠  睡眠段階 N1(Stage 1) α波振幅低下,8–13 Hz の α 波が 50%未満

低電位でさまざまな周波数(low voltage mixed frequency; LVMF)の脳波 緩徐な眼球運動(slow eye movements)

 睡眠段階 N2(Stage 2) 紡錘波(spindles)(周波数 11–16 Hz,多くは 12–14 Hz,持続時間は 0.5 秒以上),頭頂部に出現 K複合(K complex)の出現,持続時間は 0.5 秒以上,最大振幅は通常前頭部誘導で記録される 眼球運動はほとんど消失  睡眠段階 N3 徐波活動が 1 epoch の 20%以上   睡眠段階 3(Stage 3) 周波数 0.5~2 Hz,振幅は 75 μV を超える波形が 1 epoch の 20–50%   睡眠段階 4(Stage 4) 周波数 0.5~2 Hz,振幅は 75 μV を超える波形が 1 epoch の 50%以上 レム睡眠(Stage R) 睡眠段階 N1 と類似した LVMF の脳波 2–6 Hz の鋸歯状の脳波(sawtooth wave),中心部で最大振幅となる 覚醒時より 1–2 Hz 遅い α 波が出現 特徴的な急速眼球運動 筋電図は一夜を通して最も低電位になることが多い Table 1 

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した電極と右乳様突起(M2)を結ぶ 2 誘導(単極導 出)が用いられる。頤筋筋電図(electromyogram; EMG)測定時には,正中で下顎の下縁から 1 cm 上 方,下顎の下縁から 2 cm 下方で正中から 2 cm 右側, 下顎の下縁から 2 cm 下方で正中から 2 cm 左側の 3 個の電極を装着する。この筋電図は,覚醒と REM 睡眠を鑑別するのに重要である。また,レム睡眠中 に,頤筋の持続性の筋活動または頤筋もしくは四肢 筋の相動性の筋活動が 1 エポック(30 秒)中 50%以 上認められると,筋脱力のないレム睡眠(REM sleep without atonia; RWA)と判定する(Figure 3F)。RWA は RBD の診断に必須の指標である。認知症発症す る数年~10 年以上前に RBD が出現した報告があり,

RBDは神経疾患の早期徴候である可能性がある。下

肢筋電図として,前脛骨筋が用いられる。周期性四 肢運動(periodic limb movement; PLM)を判定するの に重要である。心電図誘導として,右鎖骨下窩を(−) とし,左肋骨下を(+)とする修正第 II 誘導の単独 F3-M2 F4-M1 C3-M2 C4-M1 O1-M2 O2-M1 眼球運動-L 眼球運動-R 頤筋筋電図 心電図 酸素飽和度 気流(サーミスタ) 気流(プレッシャー) 胸郭運動 腹部運動 F3-M2 F4-M1 C3-M2 C4-M1 O1-M2 O2-M1 眼球運動-L 眼球運動-R 頤筋筋電図 心電図 酸素飽和度 気流(サーミスタ) 気流(プレッシャー) 胸郭運動 腹部運動 F3-M2 F4-M1 C3-M2 C4-M1 O1-M2 O2-M1 眼球運動-L 眼球運動-R 頤筋筋電図 心電図 酸素飽和度 気流(サーミスタ) 気流(プレッシャー) 胸郭運動 腹部運動 F3-M2 F4-M1 C3-M2 C4-M1 O1-M2 O2-M1 眼球運動-L 眼球運動-R 頤筋筋電図 心電図 酸素飽和度 気流(サーミスタ) 気流(プレッシャー) 胸郭運動 腹部運動 F3-M2 F4-M1 C3-M2 C4-M1 O1-M2 O2-M1 眼球運動-L 眼球運動-R 頤筋筋電図 心電図 酸素飽和度 気流(サーミスタ) 気流(プレッシャー) 胸郭運動 腹部運動 いびき 100 50 F3-M2 F4-M1 C3-M2 C4-M1 O1-M2 O2-M1 眼球運動-L 眼球運動-R 頤筋筋電図 心電図 酸素飽和度 気流(サーミスタ) 気流(プレッシャー) 胸郭運動 腹部運動

A

Stage W

B

Stage N1

C

Stage N2

D

Stage N3

F

REM sleep without atonia

E

Stage R 0秒 30秒 0秒 30秒 0秒 30秒 0秒 30秒 0秒 30秒 0秒 30秒 各睡眠段階のポリグラムと筋脱力のないレム睡眠

Table 1に示した各睡眠段階(Stage W,Stage N1,Stage N2,Stage N3 および Stage R)の特徴が認められる(A–E)。 REM期にも関わらず頤筋電図の活動が認められた(REM sleep without atonia)(F)。

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使用が推奨されている。心電図は,不整脈および ST-T変化のモニタとして用いられる。呼吸曲線は, 鼻孔・口部からのエアーフロー,胸部および腹部の 運動の最低 3 種類が必要である。これは,閉塞性, 中枢性および混合性の無呼吸の分類に重要となる。 また,閉塞性睡眠時無呼吸症候群においては,側臥 位睡眠で重症度が軽減する例があり,他の生体現象 と体位の同時記録は有用な情報を提供する。SpO2測 定部位は,無呼吸および低呼吸の判定,睡眠時呼吸 障害の重症度評価に重要となる。 CPAP処方圧の決定には,PSG 監視下におけるマ ニュアル設定が推奨されている。CPAP タイトレー ションを開始後,睡眠段階を観察しながら,いびき, 無呼吸/低呼吸,SpO2低下時に,1–2 cmH2Oずつ圧 を上昇させる。呼吸異常または覚醒反応を伴わない いびきであれば,そのまま観察可能である。適正圧 は,無呼吸/低呼吸,SpO2低下,覚醒反応を消失さ せる圧とされる。圧が適切に設定された場合,深睡 眠や長いレム睡眠(反跳現象)が認められることが ある。CPAP 療法の理解,マスクフィッティング, 鼻閉および口呼吸などは CPAP intolerance の要因と なる19)。 3)検査データ Table 2に PSG の睡眠変数と健常若年成人と高齢 者の参考値を示した。高齢者では,中途覚醒時間の 増加・徐波睡眠の減少が特徴である。若年成人では 入眠後,深い睡眠が認められるが,高齢者では入眠 後も睡眠段階の移行が多く,睡眠段階の 1–2 が増加, 深睡眠は減少する。Figure 4 に睡眠経過図の説明, Figure 5に軽症閉塞性睡眠時無呼吸症候群とレム睡 眠行動障害,Figure 6 に軽度,中等度および重症な 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の睡眠経過図を示した。 睡眠経過図は 1 夜の睡眠時間・入眠・睡眠段階の経 過・中途覚醒・レム睡眠-ノンレム睡眠周期から病 態生理の把握に有用である。なお,これらのデータ 収集は,中部大学倫理審査委員会および名古屋大学 大学院医学系研究科/医学部附属病院生命倫理審査 委員会の承認を得て行われた。 4)検査上の留意点 検査当日の昼寝,過度の運動および飲酒は禁止す る。検査前数時間のカフェイン含有飲料および入浴 は制限し,検査前の水分摂取は控えさせる。三環系 抗うつ薬のレム睡眠抑制作用,ベンゾジアゼピン系 の睡眠薬・精神安定剤の徐波睡眠抑制作用は服薬中 止後の反跳現象を考慮し,少なくとも 2 週間の休薬 期間が必要とされる。検査者は,患者に検査内容・ 検査所要時間・検査の順序・検査の安全性などを丁 寧に説明し,検査の意義を理解させるとともに検査 PSGの睡眠変数と参考値 睡眠変数 説明 健常若年成人の 参考値 健常高齢者の 参考値 総記録時間(TRT) 消灯から点灯までの時間(TRT) 睡眠時間(SPT) 入眠から最終覚醒までの時間 5–8.5 時間 5–9 時間 総睡眠時間(TST) 睡眠時間から中途覚醒時間を除いた時間 睡眠効率 TST/TRT × 100(%) 83–98% 75–98% 中途覚醒時間 睡眠時間内における覚醒時間の総和 睡眠潜時 消灯から入眠までの時間 0–25 分 1–28 分 レム睡眠潜時 入眠から最初のレム睡眠までの時間 離床潜時 最終覚醒時刻から起床時刻まで 睡眠段階の出現率 各睡眠段階の総和/TST × 100(%) %Stage N1 5–20 %Stage N2 45–75 %Stage N3 10–22 %Stage R 15–25 %Stage N1 20–50 %Stage N2 35–70 %Stage N3 0–10 %Stage R 7–20 睡眠周期 第一周期は入眠から最初のレム睡眠の終了時点までの時間で,第 2 周期以 降はレム睡眠の終了時点から次のレム睡眠終了時点までの時間 80–100 分 覚醒回数 覚醒段階の回数 覚醒反応指数 1時間あたりの覚醒反応回数 無呼吸低呼吸指数 1時間あたりの無呼吸低呼吸回数 5回/h 未満 酸素飽和度低下指数 1 時間あたりの酸素飽和度低下回数 周期性四肢運動指数 1 時間あたりの周期性四肢運動回数 15回/h 未満 Table 2 

(8)

に対する不安を和らげ,通常の睡眠が得られるよう 常に注意を払う必要がある。検査が初めての被検者 では,睡眠環境の変化によって中途覚醒,睡眠段階 移行の増加,REM 睡眠や徐波睡眠の減少が認められ ることがある(第一夜効果:first night effect)。

睡眠中のセンサの脱落は,被検者の睡眠の妨げと なるため,あらかじめしっかり装着し,バックアッ プセンサを装着するなど,夜間の介入を最低限にす るようにする。記録中の緊急事態に対応できるよう に,患者の状態を適切かつ継続的にモニタリングで きる体制を整える必要がある。緊急時の対応として, 心肺蘇生法等を行えるようにしておく必要がある。 5)認知症患者への対応と注意事項 高齢者は,様々な疾患を合併している。睡眠検査 中に重篤な疾患を発症することはまれではあるが, 致死的な不整脈,てんかんやけいれん発作,持続す る低酸素血症,胃逆流物などによる窒息など緊急事 態の対応をできるようにしておく。また,夜間せん 妄,ねぼけ,パニックやレビー小体型認知症に関連 するレム睡眠行動障害では,夜間の異常行動が問題 となる。事故が発生しないような検査室のレイアウ トを考慮する必要がある。可能であれば介護者に付 き添ってもらう。 6)診療報酬点数 3,300点。 他の検査により睡眠中無呼吸発作の明らかな患者 に対して睡眠時無呼吸症候群の診断を目的として 行った場合および睡眠中多発するてんかん発作の患 睡眠時間 レム睡眠潜時 睡眠潜時 睡眠潜時 睡眠潜時 中途覚醒 睡眠周期 離床潜時 23 : 00 00 : 00 2 : 00 3 : 00 4 : 00 5 : 00 6 : 00 時刻 Stage N1 Stage N2 Stage N3 消灯 起床 Stage W Stage R 睡眠経過図の各指標 Figure 4  30歳台 男性 軽症閉塞性睡眠時無呼吸症候群 Stage N1 Stage N2 Stage N3 22 : 30 23 : 30 0 : 30 1 : 30 2 : 30 3 : 30 4 : 30 5 : 30 21 : 30 40歳台 男性 レム睡眠行動障害 Stage N1 Stage N2 Stage N3 21 : 58 22 : 58 23 : 58 0 : 58 1 : 58 2 : 58 3 : 58 4 : 58 20 : 58 5 : 58 6 : 58 Stage W Stage R Stage W Stage R 30歳台の軽症閉塞性睡眠時無呼吸症候群(上段)と 40 歳台のレム睡眠行動 障害(下段)の睡眠経過図 軽症睡眠時無呼吸例では,睡眠段階 3 は 1.1%であり,徐波睡眠の減少が認められた。レム睡 眠行動障害例では,各睡眠段階の出現率は基準範囲であったが,睡眠後半では睡眠段階 1–2 の移行回数が多い傾向を認めた。 Figure 5 

(9)

者またはうつ病若しくはナルコレプシーであって, 重篤な睡眠覚醒リズムの障害を伴うものの患者に対 して行った場合に,1 月に 1 回を限度として算定す る。なお,在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定 している患者については,治療の効果を判定するた め,初回月に限り 2 回,翌月以後は 1 月に 1 回を限 度として算定できる。当該患者の睡眠中 8 時間以上 連続して測定し,記録する。

5.反復睡眠潜時検査(multiple sleep latency test;

MSLT

1)臨床的意義

日中の眠気の客観的な評価法の一つに反復睡眠潜 時検査(multiple sleep latency test; MSLT)がある。 眠気の評価は過眠症の診断や治療効果の判定などに 重要である20)~22)。ナルコレプシーと特発性過眠症の 診断に有用である。睡眠不足,睡眠断片化および睡 眠効率の低下をもたらす睡眠障害では,日中の眠気 は増強するので,鑑別診断には本法が必要となる。 Stage W Stage R Stage N1 Stage N2 Stage N3 60歳台 男性 軽症睡眠時無呼吸症候群・高血圧・不眠 22 : 00 23 : 00 0 : 00 1 : 00 2 : 00 3 : 00 4 : 00 21 : 00 5 : 00 21 : 00 22 : 00 23 : 00 0 : 00 1 : 00 2 : 00 3 : 00 Stage W Stage N1 Stage N2 Stage R Stage N3 SpO2(%) 100 90 80 70 60 80歳台 男性 重症睡眠時無呼吸症候群・脳梗塞・高血圧 SpO2(%) 100 90 80 70 60 23 : 00 0 : 00 1 : 00 2 : 00 3 : 00 4 : 00 5 : 00 22 : 00 Stage W Stage N1 Stage N2 Stage R Stage N3 SpO2(%) 100 90 80 70 60 70歳台 男性 中等症睡眠時無呼吸症候群・高血圧・脂質代謝異常 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の軽症,中等症および重症の睡眠経過図と酸 素飽和度の睡眠経過 閉塞性睡眠時無呼吸の重症化に伴い中途覚醒の増加および睡眠の質の低下が認められる。 Figure 6 

(10)

2)検査方法 MSLTでは PSG の手法を用いて,日中に 2 時間間 隔で 4 回以上の睡眠潜時を測定する。MSLT は眠り やすさを評価する検査で,入眠時レム睡眠の検出に も用いられる。検査前夜に PSG を行い,検査終了後 1.5~3 時間経過してから開始し,第 1 回開始から 2 時間ごとに検査を実施する。原則として 5 回実施す る。ただし,入眠時レム睡眠(sleep onset REM period: SOREMP)検出が目的である場合,SOREM が全く 無いか,2 回以上確認された場合は 4 回で終了して も良い。または,前日の PSG において SOREMP が 認められた時は,1 回としてカウントしてよいこと になっている。 PSGに基づき,脳波,左右の眼球運動,頤筋筋電 図および心電図の記録を行う。1 エポックは PSG と 同様に 30 秒とする。検査開始後,1 エポックの中で 50%以上睡眠脳波が認められた場合を入眠と判定す る。入眠が認められなかった場合は,開始から 20 分 で検査を終了する。最初の睡眠エポックが観察され た後は 15 分間記録を続ける。検査終了後,被検査者 に自覚的な入眠潜時と夢見を聴取する。 3)検査データ 健常成人の平均睡眠潜時は 10~20 分であり,10~ 15分で軽度,5~10 分で中等度,5 分以下で重度の 眠気と評価される。レム睡眠の開始が睡眠開始後 15 分以内の時に,SOREMP と判定する。ナルコレプ シー患者において 2 回以上の SOREMP の出現は診 断的価値が高いとされるが,睡眠時無呼吸症患者や うつ病患者でも認められることがある。 4)検査上の留意点 前日までの睡眠量は MSLT の結果に影響するた め,検査の 1 週間ほど前から睡眠日誌やアクチグラ フィを用いて睡眠覚醒リズムを確認する。また,中 枢神経刺激薬やレム睡眠を抑制する薬物などは可能 であれば 2 週間前までに中止することが望ましいと されている。前日の睡眠時間が 6 時間以下の場合, レム睡眠が増加したり,睡眠潜時が短縮したりする こともあり,MSLT の正しい結果が得られないこと もある。検査当日は,アルコールおよびカフェイン の摂取は禁止とする。また,非検査時には居眠りや 過度の運動を禁止する。朝食および昼食は軽めとし, 検査開始の少なくとも 1 時間前までに終了する。検 査室の環境は,暗く静かであり,被検査者が心地よ いと感じる室温・湿度を保つ必要がある。具体的に は,照度は低く設定し,窓から光が入らず,外部か らのノイズが避けられる部屋を用意する。 5)認知症患者への対応と注意事項 PSGと同様な対応が必要となる。 6)診療報酬点数 5,000点。 ナルコレプシーまたは特発性過眠症が強く疑われ る患者に対し,診断の補助として,概ね 2 時間間隔 で 4 回以上の睡眠検査を行った場合に 1 月に 1 回を 限度として算定する。なお,本検査と PSG を併せて 行った場合には,主たるもののみ算定する。 まとめ 睡眠不足・睡眠断片化・睡眠の質の低下・睡眠覚 醒リズムの変調は認知機能・脳活動の低下をもたら す。睡眠指導とともに睡眠検査体制の充実によるこ れらの睡眠障害の早期発見は認知症の予防に繋がる と考えられる。 ■文献  1) 野田 明子:「認知症予防のための睡眠指導」,健康文化振興財 団紀要,2015; 50: 34–41.

 2) Miyata S et al.: “Poor sleep quality impaired cognitive performance in older adults,” J Sleep Res, 2013; 22: 535–541.  3) Nakazaki C et al.: “Association of insomnia and short sleep

duration with atherosclerosis risk in the elderly,” Am J Hypertens, 2012; 25: 1149–1155.

 4) Kato K et al.: “Influence of sleep duration on cortical oxygenation in elderly individuals,” Psychiatry Clin Neurosci, 2017; 71: 44– 51.

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 6) 野田 明子:「1 質問票と睡眠日誌」,基礎からの睡眠医学,

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 7) 土井 由利子,他:「ピッツバーグ睡眠質問票日本語版の作

成」,精神科治療,1998; 13: 755–763.

 8) Morgenthaler T et al.: “Practice parameters for the use of actigraphy in the assessment of sleep and sleep disorders: An update for 2007,” Sleep, 2007; 30: 519–529.

 9) 宮田 聖子,他:「Actigraphy による睡眠評価」,睡眠医療, 2009; 3: 257–263.

10) 野田 明子,他:「概日リズム睡眠障害 睡眠相後退型・前進

型」,臨床精神医学,2010; 39: 597–601.

11) Noda A et al.: “Therapeutic strategies for sleep apnea in patients with hypertension and heart failure,” Pulm Med, 2013; 2013: 814169.

(11)

12) 野田 明子:「簡易睡眠検査と睡眠ポリグラフ検査」,臨床検 査,2014; 58: 359–366.

13) Collop NA et al.: “Portable monitoring task force of the American Academy of Sleep Medicine. Clinical guidelines for the use of unattended portable monitors in the diagnosis of obstructive sleep apnea in adult patients,” J Clin Sleep Med, 2007; 3: 737–747. 14) Osorio RS et al.: “Sleep-disordered breathing advances cognitive

decline in the elderly,” Neurology, 2015; 84: 1964–1971. 15) Castronovo V et al.: “White matter integrity in obstructive sleep

apnea before and after treatment,” Sleep, 2014; 37: 1465–1475.

16) 野田 明子,宮田 聖子:「1.睡眠ポリグラフ検査(PSG)の

基礎的知識 3)PSG の準備・手順・較正」,改訂版 臨床睡 眠検査マニュアル,19–27,日本睡眠学会(編),ライフ・サ イエンス,東京,2015.

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4: 355–360.

20) 野田 明子,他:「睡眠障害の評価・検査法/MSLT と MWT」,

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21) Standards of Practice Committee of the American Academy of Sleep Medicine: “Practice parameters for clinical use of the multiple sleep latency test and the maintenance of wakefulness test,” Sleep, 2005; 28: 113–121.

22) Arand D et al.: “The clinical use of the MSLT and MWT,” Sleep, 2005; 28: 123–144.

本論文に関連し,開示すべき COI 状態にある企業等はありません。

Part 6 Other Tests

Chapter 3: Clinical examination for sleep disorders

Akiko NODA1) Seiko MIYATA2)

1)Chubu University Graduate School of Life and Health Sciences

2)Department of Sleep Medicine, Nagoya University Graduate School of Medicine

Key words: polysomnography, actigraphy, multiple sleep latency test, out of center sleep testing, Pittsburgh sleep

Table 1 に示した各睡眠段階(Stage W,Stage N1,Stage N2,Stage N3 および Stage R)の特徴が認められる(A–E)。 REM 期にも関わらず頤筋電図の活動が認められた(REM sleep without atonia)(F)。

参照

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2)医用画像診断及び臨床事例担当 松井 修 大学院医学系研究科教授 利波 紀久 大学院医学系研究科教授 分校 久志 医学部附属病院助教授 小島 一彦 医学部教授.

URL http://hdl.handle.net/2297/15431.. 医博甲第1324号 平成10年6月30日

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目. 医博甲第1367号

金沢大学学際科学実験センター アイソトープ総合研究施設 千葉大学大学院医学研究院

永坂鉄夫 馬渕宏 中村裕之 教授. 教授

●睡眠の質の不良群 (N=9) ,◆全員の平均 (N=16), Mean±SE, *p&lt;0.05, **p&lt;0.01 by paired t -test vs average value of initial 7 days... Medicinal plants for insomnia:

健学科の基礎を築いた。医療短大部の4年制 大学への昇格は文部省の方針により,医学部