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(1)

学術委員会学術第 8 小委員会報告

感染制御認定及び専門薬剤師による医療経済を含めた病院感染制御活動への貢献

度実態調査

委員長 東京慈恵会医科大学附属病院 北村 正樹 Masaki KITAMURA 委員 (大)山形大学医学部附属病院 白石 正 Tadashi SHIRAISHI 北海道医療大学 唯野 貢司 Kohji TADANO 医療法人社団健進会新津医療センター病院 継田 雅美 Masami TSUGITA 成田赤十字病院 髙田 勝利 Toshinori TAKADA 名城大学薬学部薬学教育開発センター 森 健 Takeshi MORI (大)三重大学医学部附属病院 村木 優一 Yuichi MURAKI (独労)大阪労災病院 前田 賴伸 Yorinobu MAEDA (独労)香川労災病院 池上 英文 Hidefumi IKEGAMI (大)長崎大学病院 北原 隆志 Takashi KITAHARA (財)厚生年金事業振興団 九州厚生年金病院 赤松 孝 Takashi AKAMATSU はじめに 感染制御専門薬剤師は、感染制御に関する高度な知識、技術、実践能力により、感染制御を通じ て患者が安心・安全で適切な治療を受けるために必要な環境の提供に貢献するとともに、感染症治 療に関わる薬物療法の適切かつ安全な遂行に寄与することを目的としており、平成22 年 4 月 1 日 時点で207 名が認定されている。一方、平成 22 年度の診療報酬改定において「薬剤師の病棟配置 を新たな機能評価係数として評価すること」を実現できなかったが、薬剤師が医療に貢献した実績 を示すデータがなかったことが原因の1 つと考えられている。そこで、学術第 8 小委員会では①病 院感染制御について全国規模で実態を調査し、把握すること、②上記に基づく病院感染制御活動に おける薬剤師の関与などについて、医療機関における薬剤師の貢献度の実態を調査することを目的 として以下の研究をおこなった。 研究内容 ・感染制御分野における平成 22 年度日本病院薬剤師会現状調査と追加調査に基づいた病院感染制 御における薬剤師の貢献度調査 ・日本における抗菌薬使用量サーベイランスの確立と施設背景因子の関係 ・静注用バンコマイシン塩酸塩により治療を行った患者に対する薬剤師の関与が臨床効果や医療費 に及ぼす影響 活動によって得られる直接的な効果・成果 ・従来からの限定されたもの(医療機関及び地域・所属など)毎に行われていた病院感染対策の全 国的な実態把握が可能となる。 ・薬剤師(特に認定及び専門薬剤師取得者)の関与・貢献度が把握でき、そのことで薬剤師の役割 や位置づけ、さらには方向性も推測できる。

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全体的な効果・成果 ・全国規模の調査を行い、その成果を公開することで薬剤師による病院感染制御への活動意欲・意 識が高まる。 ・発展的な調査を行い、薬剤師の専門性を活用し、抗菌薬の適正使用が推進されることによって医 療経済に利点を与えることを行政・国民・他の医療従事者へアピールできる。 感染制御分野における平成22 年度日本病院薬剤師会現状調査と追加調査に基づいた病院感染制御 における薬剤師の貢献度調査 調査対象施設における感染制御に関わる薬剤師数は中央値で1 名であり、薬剤部あたり 6.7%と 専門性を活かした業務を実施する上で不足していることが明らかとなった。また、専門薬剤師に手 当てが支給されている施設も2 施設のみであり、専門薬剤師を医療施設に配置することによる経済 効果などの実績を示す必要性が考えられた。 感染関連におけるチーム医療は時間内に約7 割の施設が実施しているものの ICT や感染症科(部) に専従で参加している施設はほとんどなく、兼務しながら活動をしていた。また、感染防止対策加 算の実施施設は調査時点で約6 割程度であり、未実施施設における原因をさらに調査し、施設基準 を満たすための支援をおこなう必要性が考えられた。 抗MRSA 薬の TDM による処方提案の受入率は 93.8%とほぼ受け入れられていた。また、抗菌 薬使用のガイドラインや院内のアンチバイオグラム、消毒薬使用のガイドラインは約8 割程度整備 されていた。今後、未整備施設に対して整備に必要な情報提供を実施し、施設間格差をなくす取り 組みの必要性が考えられた。さらに、新しい薬剤師の業務として血中濃度測定をオーダーしている 施設が25.6%存在し、抗菌薬選択や投与量コンサルタント等の処方設計を行っている施設は 83.7% であった。 これらの結果から、感染制御に関わる薬剤師は少ないものの種々の取り組みを実施し、抗菌薬適 正使用に貢献していることが示唆された。次回調査時は、薬剤師の取り組む業務の質を評価するこ とにより感染制御に関わる薬剤師の貢献度を新たに示すことが可能になると考えられた。 日本における抗菌薬使用量サーベイランスの確立と施設背景因子の関係 WHO が推奨する医薬品使用量の集計方法に基づき日本国内(本調査参加 44 施設)における抗 菌薬使用量を算出し、施設背景との関連性を調査した。参加施設における抗菌薬適正使用の管理体 制は100%実施されており、届出制あるいは長期投与症例への介入は約 7 割の施設、許可制は約 4 割弱で実施されていた。一方、これらの管理体制の実施は、抗菌薬使用量に影響を及ぼさないこと が示唆された。 日本国内(本調査参加 44 施設)における 2009 年度の抗菌薬使用量の中央値は 14.9 であった。今 後本データと自施設における使用量との比較を行うことにより抗菌薬適正使用の評価に使用する ことが可能となると考えられる。さらに、Monnet らの報告 1)を基に作成したカルバペネム系薬使 用量とイミペネムに対する緑膿菌耐性率の関係から参加施設における抗菌薬適正使用に必要な取 り組みが示されたことから、今後各施設において改善策を講じ、次回調査と比較することにより貢 献度を明らかにすることが可能になると考えられる。 抗菌薬使用量と各調査項目の相関関係は、抗菌薬総使用量および広域抗菌薬使用量は病床数、死 亡者数、入院診療単価に正の相関を示し、死亡率においては抗菌薬使用量と相関しなかった。今回

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要性が考えられた。Clostridium difficile toxin 検体提出数、血液培養検体提出数および血液培養陽 性検体数は正の相関を示したことから、抗菌薬の濫用に対する対策や適正な抗菌薬選択、適正な投 与期間、標準予防策の実施などの取り組みを実施した上で抗菌薬使用量を抑えることが重要である ことが示唆された。抗菌薬総使用量はイミペネムの緑膿菌耐性率と相関しなかったが、カルバペネ ム系薬の使用量とは正の相関を示した。一方、血液内科や移植医療および小児科を有する施設にお いては抗菌薬使用量が多かった。専門薬剤師がいない施設においては抗菌薬使用量が有意に多かっ た。また、専門薬剤師数と抗菌薬使用量は有意ではないが負の相関を示したため、施設内に専門薬 剤師を多く配置することは抗菌薬適正使用について有用となる可能性が示唆された。 静注用バンコマイシン塩酸塩により治療を行った患者における薬剤師の関与が臨床効果や医療費 に及ぼす影響 平成22 年度「病院薬剤部門の現状調査」の設問 62「抗 MRSA 薬の TDM による処方提案と副 作用回避」の中で塩酸バンコマイシン注を6 月に新規に使用し、7 月末日までに使用が終了した患 者 306 名から 8 月以降も入院中の患者、データ記載に不備が認められる患者を除外した 175 名に ついて薬剤師の関与の有無で2 群に分類し、生命予後、細菌学的効果、臨床効果、入院期間、医療 費、医薬品費、バンコマイシンの投与に対して薬剤師が貢献した内容、バンコマイシンによる有害 事象の有無、有害事象による死亡について調査し、比較を行った。 薬剤師が関与した患者における細菌学的効果あるいは臨床効果は関与しなかった患者と比較し 有意に改善が認められた。しかしながら生命予後においては差を認めなかった。また入院期間や医 療費、医薬品費についても差を認めなかった。薬剤師の関与内容は用法用量の変更が最も多く、副 作用の回避については両群間に差を認めなかった。今回の調査により薬剤師がバンコマイシンの TDM を介して患者の投与計画に貢献することにより臨床効果に影響を及ぼしている可能性が示唆 された。しかしながら、調査対象期間が短かったため、医療費や医薬品費の抽出が行えず、除外し た症例も多かったため、次回調査時はより詳細に方法を定める必要性が考えられた。 まとめと今後の予定 今回の結果より、平成22 年度における日本国内(本調査参加 44 施設)の感染制御に関わる薬剤師 の実態が明らかになった。また、専門薬剤師における医療施設での取り組み内容や貢献度を数値と して示すことができた。さらに、全国を対象とし、集計方法を統一した抗菌薬使用量調査を実施し、 その使用量や施設背景との関係が明らかとなったことにより、今後専門薬剤師が各施設において感 染制御の取り組みを評価する指標として期待できることが示唆された。次回調査は、より多くの施 設における抗菌薬使用量調査の実施や各施設における取り組みの評価を行う予定である。 謝辞 今回の調査を実施するにあたりご協力いただいた協力施設の皆様に厚く御礼申し上げます。 参考文献

1)Monnet D.L.Toward multinational antimicrobial resistance surveillance systems in Europe.

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2010年11月12日 病院薬局協議会 平成22年度 日本病院薬剤師会学術第8小委員会 活動報告 委員長 北村 正樹 東京慈恵会医科大学附属病院 委員 白石 正 国立大学法人山形大学医学部附属病院 唯野 貢司 北海道医療大学 継田 雅美 医療法人社団健進会新津医療センター病院 髙田 勝利 成田赤十字病院 森 健 名城大学薬学部薬学教育開発センター 村木 優一 国立大学法人三重大学医学部附属病院 前田 賴伸 独立行政法人労働者健康福祉機構 大阪労災病院 池上 英文 独立行政法人労働者健康福祉機構 香川労災病院 北原 隆志 国立大学法人長崎大学病院 赤松 孝 財団法人厚生年金事業振興団 九州厚生年金病院 感染制御認定及び専門薬剤師による医療経済を 含めた病院感染制御活動への貢献度実態調査

・全国規模の調査を行い、その成果を公開することで薬剤師による病院感染制 御への活動意欲・意識が高まる。 ・発展的な調査を行い、薬剤師の専門性を活用し、抗菌薬の適正使用が推進さ れることによって医療経済に利点を与えることを行政・国民・他の医療従 事者へアピールできる。 活動目的 活動目的 ・病院感染制御につい全国規模で実態を調査し、把握する。 ・上記に基づく病院感染制御活動における薬剤師の関与などについて、医療機 関における薬剤師の貢献度の実態を調査する。 活動によって得られる直接的な効果・成果 活動によって得られる直接的な効果・成果 ・従来からの限定されたもの(医療機関及び地域・所属など)毎に行われてい た病院感染対策の全国的な実態把握が可能となる。 ・薬剤師(特に認定及び専門薬剤師取得者)の関与・貢献度が把握でき、その ことで薬剤師の役割や位置づけ、さらには方向性も推測できる。 全体的な効果・成果 全体的な効果・成果 調査1 ・感染制御分野における平成22年度日本病院薬剤師会 現状調査と追加調査に基づいた病院感染制御におけ る薬剤師の貢献度調査 調査2 ・日本における抗菌薬使用量サーベイランスの確立と 施設背景因子の関係 調査3 ・静注用バンコマイシン塩酸塩により治療を行った患 者に対する薬剤師の関与が臨床効果や医療費に及ぼ す影響 研 究 内 容

参加協力施設 ・44/45施設(回答率97.8%) 飯塚病院 東京慈恵会医科大学附属病院 山形大学医学部附属病院 新津医療センター病院 三重大学医学部附属病院 香川労災病院 九州厚生年金病院 中村記念南病院 日本海総合病院酒田医療センター 山形市立病院済生館 公立置賜総合病院 東邦大学医療センター佐倉病院 船橋総合病院 千葉大学医学部附属病院 長野赤十字病院 下越病院 長岡赤十字病院 静岡がんセンター 国立東名古屋病院 山口労災病院 佐世保中央病院 中部労災病院 四日市社会保険病院 高松赤十字病院 大阪労災病院 市立宇和島病院 長崎大学病院 愛知医科大学病院 小倉記念病院 金沢大学附属病院 群馬大学医学部附属病院 市立札幌病院 秋田労災病院 さいたま赤十字病院 杏林大学医学部附属病院 和歌山労災病院 北村山公立病院 日本医科大学千葉北総病院 八代総合病院 東京労災病院 公立陶生病院 東京大学医学部附属病院 NTT東日本関東病院 参加協力施設の背景 通し番号 病床数 小児科 血液内科 移植医療 専門薬剤師数 通し番号 病床数 小児科 血液内科 移植医療 専門薬剤師数 1 818 有 有 有 5 23 246 無 無 無 1 2 168 無 無 無 1 24 835 有 有 有 2 3 564 有 有 有 3 25 832 有 有 有 1 4 194 無 無 無 1 26 1014 有 有 有 1 5 220 無 無 無 0 27 716 有 有 無 0 6 575 有 無 無 1 28 498 無 有 無 1 7 520 有 有 無 1 29 556 有 無 無 1 8 315 有 無 無 1 30 687 有 有 有 1 9 203 無 無 無 - 31 235 有 無 無 4 10 174 無 無 無 1 32 569 有 有 有 1 11 290 有 無 無 2 33 678 有 無 無 5 12 717 有 有 有 1 34 303 有 有 無 1 13 - 有 有 有 2 35 427 有 無 有 1 14 715 有 有 有 0 36 394 無 有 無 1 15 605 有 有 無 0 37 589 有 有 有 1 16 1075 有 有 有 1 38 313 有 有 無 2 17 1210 有 有 有 0 39 575 有 有 有 2 18 606 有 有 有 1 40 658 無 有 有 1 19 1121 有 有 有 1 41 1116 有 有 無 2 20 400 無 無 無 1 42 861 有 有 有 2 21 600 有 有 無 1 43 312 有 無 無 1 22 451 有 無 無 1 44 344 無 有 無 1

感染制御分野における平成22年度日本病院薬剤師会 現状調査と追加調査に基づいた病院感染制御における 薬剤師の貢献度調査 調 査 1

(5)

一般5 設問123 専門薬剤師等 (3)日本病院薬剤師会感染制御専門薬剤師数(名)* 1(0、4) (4)日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師数(名)* 0(0、1) (24)日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師数(名)* 0(0、2) (25)ICD制度協議会ICD数(名)* 0(0、3) (3)(4)(24)(25)の実人数(名)*1(0、5) 全薬剤師数(名)* 20.5(3、72) (3)(4)(24)(25)の実人数/全薬剤師数(%)* 6.7(0、33.3) 一般5 設問125 専門性等にかかる手当 (A):設問123のうち、手当てが支給される専門職 (3)1施設、(3、4、24、25)1施設 (B):上記(A):の手当の金額または割合・調製数など円/月 5000円/月 感染制御分野における平成22年度日本病院薬剤師会 現状調査と追加調査(n = 43) *値は中央値(最小値、最大値)

一般1 設問24 業務を実施している時間帯 ※ただし「日当直・夜勤として行っている業務(調剤、医薬品供給など)を除く。 薬剤師によって異なる場合には、薬剤部門全体の傾向として回答 (1)TDM (A):基本的には時間内に実施している(時間内90%以上)24施設 (54.5%) (B):主に時間内に実施している(時間内70%程度)16施設 (36.4%) (C):時間内・時間外ともに実施している(それぞれ50%程度) 1施設 (2.3%) (D):主に時間内に実施している(時間外70%程度) 1施設 (2.3%) (E):基本的には時間外に実施している(時間外90%以上) 1施設 (2.3%) (2)感染関連におけるチーム医療 (A):基本的には時間内に実施している(時間内90%以上)19施設 (43.2%) (B):主に時間内に実施している(時間内70%程度)11施設 (25.0%) (C):時間内・時間外ともに実施している(それぞれ50%程度) 11施設 (25.0%) (D):主に時間内に実施している(時間外70%程度) 1施設 (2.3%) (E):基本的には時間外に実施している(時間外90%以上) 2施設 (4.5%) 感染制御分野における平成22年度日本病院薬剤師会 現状調査と追加調査(n = 44) チーム医療 設問94 感染制御 (1):感染防止対策加算(100点)の実施施設25施設 (58.1%) 請求件数 件/月(6月合計)(件)* 753(105、1,957) (2):院内感染対策委員会に参加している43施設 (100%) 参加している薬剤師数(名)* 2名(1、4) 参加している薬剤師:所属長クラス 37施設 (86.0%)、専門薬剤師 26施設 (60.5%)、その他 11施設 (25.60%) (3):感染制御チーム(ICT)がある 42#施設 (100%) (3)に専従で参加している薬剤師がいる 2施設 (3)に専任で参加している薬剤師がいる 20施設 (3)に専従・専任ではないが関与している薬剤師がいる 31施設 (4):ICTはあるが関与している薬剤師がいない 1施設 (5):感染症科・感染制御部がある 15施設 (34.9%) (5)に専従で参加している薬剤師がいる 1施設 (5)に専任で参加している薬剤師がいる 6施設 (5)に専従・専任ではないが関与している薬剤師がいる 7施設 (6):感染症科・感染制御部はあるが関与している薬剤師がいない 3施設 感染制御分野における平成22年度日本病院薬剤師会 現状調査と追加調査(n = 43) #1施設未回答 *値は中央値(最小値、最大値)

3 感染防止対策加算の施設基準 (1) 医療安全対策加算1に係る届出を行っていること。 (2) 感染防止に係る部門(以下「感染防止対策部門」という。)を設置していること。ただし、医療安全管理部 門をもって感染防止対策部門としてもよい。 (3) (2)に掲げる部門内に以下の構成員からなる感染防止対策チームを組織し、感染防止に係る日常業務を行う こと。 ア感染症対策に3年以上の経験を有する専任の常勤医師(歯科医療を担当する保険医療機関にあっては、当該経験を有する 専任の常勤歯科医師) イ5年以上感染管理に従事した経験を有し、感染管理に係る適切な研修を修了した専任の看護師。なお、ここでいう研修と は、次の事項に該当する研修のことをいう。 (イ) 国及び医療関係団体等が主催する研修であること。(6月以上の研修期間で、修了証が交付されるもの) (ロ) 感染管理のための専門的な知識・技術を有する看護師の養成を目的とした研修であること。 (ハ) 講義及び演習により、次の内容を含むものであること。 (a) 感染予防・管理システム(b) 医療関連感染サーベイランス(c) 感染防止技術(d) 職業感染管理 (e) 感染管理指導(f) 感染管理相談(g) 洗浄・消毒・滅菌とファシリティマネジメント等について ウ3年以上の病院勤務経験をもつ感染防止対策にかかわる専任の薬剤師 エ3年以上の病院勤務経験をもつ専任の臨床検査技師 アに定める医師又はイに定める看護師のうち1名は専従であること。当該保険医療機関内に上記のアからエに定める者のうち 1名が院内感染管理者として配置されていること。なお、当該職員は1の(1)のカに掲げる院内感染管理者(医療安全対策加算 に規定するもの)を兼ねることができる。また、第2部通則7に規定する院内感染防止対策に掲げる業務を行うことができる。 (4) 感染防止対策の業務指針及び院内感染管理者若しくは院内感染防止対策チームの具体的な業務内容が整備さ れていること。 (5) (3)に掲げるチームにより、最新のエビデンスに基づき、自施設の実情に合わせた標準予防策、感染経路別 予防策、職業感染予防策、疾患別感染対策、洗浄・消毒・滅菌、抗菌薬適正使用等の内容を盛り込んだ手順 書(マニュアル)を作成し、各部署に配布していること。なお、手順書は定期的に新しい知見を取り入れ改 訂すること。 (6) (3)に掲げるチームにより、職員を対象として、少なくとも年2回程度、定期的に院内感染対策に関する研 修を行っていること。なお当該研修は別添2の第1の3の(5)に規定する安全管理の体制確保のための職員 研修とは別に行うこと。 (7) 院内の抗菌薬の適正使用を監視するための体制を有すること。特に、特定抗菌薬(広域スペクトラムを有す る抗菌薬、抗MRSA薬等)については、届出制又は許可制の体制をとること。 (8) 地域や全国のサーベイランスに参加していることが望ましい。 参考資料 平成22年3月5日 保医発0305第2号 一般2 設問62 抗MRSA薬のTDMによる処方提案と副作用回避 調査対象:6月に新規で使用し、7月末日までに使用が終了した患者 (1):抗MRSA薬の使用患者数 VCM*(名) 5.5 (0、43) TEIC*(名) 2.0 (0、17) ABK*(名) 1.0 (0、5) LZD*(名) 1.0 (0、15) 総患者数 14.0 (1、71) 総件数 594件 (2):(1)のうち抗MRSA薬の薬剤選択に関与した総件数(件) 111件(18.7%) (3):(1)のうち抗MRSA薬の初期処方設計に関与した総件数(件)149件(25.1%) (4):(1)のうちTDMを実施した件数(件) 404件(68.0%) (5):(1)のうちTDMを実施しなかった理由 (A)医師の依頼無(%)62.9% (B)薬剤師が関与し必要なしと判断(%) 37.1% (6):(4)の実施により処方変更を提案した件数(%) (A)増量(28.2%)(B)減量(22.1%) (C)維持(40.4%)(D)中止(3.8%) (E)他剤への変更 (5.6%) (7):(6)の実施により処方提案の受入件数(%) (A)指示通り(93.8%)、(B)無視(6.2%) 感染制御分野における平成22年度日本病院薬剤師会 現状調査と追加調査(n = 32)#データ未記入施設は除外 *値は中央値(最小値、最大値)

感染症領域におけるチーム医療として (1)院内の抗菌薬使用ガイドライン(使用の手引き等)、運用方法が整備されている 40施設 (93.0%) (2)院内のアンチバイオグラム、運用方法が整備されている 32施設 (74.4%) (3)院内の消毒薬使用ガイドライン、運用方法が整備されている 38施設 (88.4%) (4)抗菌薬・消毒薬に関する情報を薬剤部門から提供 定期的に実施 14施設 (32.6%)、不定期に実施 28施設 (65.1%) (5)抗菌薬・消毒薬の採用又は不採用に関する提案定期不定期 定期的に実施 8施設 (18.6%)、不定期に実施 32施設 (74.4%) 薬剤師の新しい業務 (1)医師の同意に基づいて、薬剤師が特定薬剤治療管理料で定められている薬剤 (抗菌薬、ジゴキシン・抗てんかん剤 等)の血中濃度の測定をオーダーしている 11施設 (25.6%) (2)薬剤師が抗菌化学療法について、抗菌薬の選択・投与量コンサルタント等の処方 設計を行っている 36施設 (83.7%) 感染制御分野における平成22年度日本病院薬剤師会 現状調査と追加調査(n = 43)

(6)

感染症領域におけるチーム医療において、特に薬剤師が中心となって 行っていること(抜粋) z 抗MRSA薬処方時における初期投与計画の全例実施 z 血液培養陽性患者の連絡を外注先から薬剤部に直接受けて抗菌薬の選択を提案 z 院内の定期的な感染制御セミナーの企画に携わり、講師として参加 z ICU常駐の薬剤師は常に抗菌薬の選択を含めた初期投与設計に積極的に関与 z 入院患者の肺炎症例に対して培養やグラム染色像から抗菌薬の変更を提案している z 毎日の感染症ラウンドに参加、ラウンド症例のピックアップ(抗MRSA薬、広域抗菌薬の使用患者 リスト、長期投与など)、フォローアップ z 定期的に院内抗菌薬使用量を感染対策委員会へ報告 z 新規抗菌薬採用時は感染対策委員会で先行審議の後、薬事委員会で採用 z 地域の研究会に抗菌薬使用量、感受性データ提供しICTチームとして参加 z 注射用抗菌薬の溶解後の安定や配合変化を考慮した投与ルートの選定 z 抗菌薬の副作用モニタリングを通じたプレアボイド報告 z ICT meetingで治療方針が決定した抗菌薬の中止・変更に関する処方オーダー修正 z 抗菌薬・消毒剤の適正使用情報の発信 z 病棟薬剤師がICTに抗菌薬の使用理由、効果、副作用などを説明。 z 広域抗菌薬をはじめ、長期投与患者について主治医に臨床効果等を確認し、処方の継続について 検討。その事案をICTに提案し、ラウンドの必要性を検討する。 z モンテカルロシミュレーションを用いたカルバペネム系抗菌薬のPK-PDに基づく至適投与法に関 する検討を専門医と行っている。

ま と め z調査対象施設における感染制御に関わる薬剤師数は中央値で1名であり、薬剤部あたり 6.7%と専門性を活かした業務を実施する上でも不足していることが明らかとなった。 z手当てが支給されている施設も2施設のみであり、専門薬剤師を医療施設に配置するこ とに対して経済効果などの実績を示す必要性が考えられた。 z感染関連におけるチーム医療は時間内に約7割の施設が実施しているもののICTや感染 症科に専従で参加している施設はほとんどないため、兼務しながら活動していた。 z感染防止対策加算の実施施設は調査時点で約6割程度であり、未実施施設における原 因をさらに調査し、施設基準を満たすための支援策をおこなう必要性が考えられた。 z抗MRSA薬のTDMによる処方提案の受入率は93.8%とほぼ受け入れられていた。 z抗菌薬使用のガイドラインや院内のアンチバイオグラム、消毒薬使用のガイドラインは約 8割程度整備されていた。今後、未整備施設に対して整備に必要な情報提供を実施し、 施設間格差をなくす取り組みの必要性が考えられた。 z新しい薬剤師の業務として血中濃度測定をオーダーしている施設が25.6%存在し、抗菌 薬選択や投与量コンサルタント等の処方設計を行っている施設は83.7%であった。 これらの結果から、感染制御に関わる薬剤師は少ないものの種々の取り組みを実施し、 抗菌薬適正使用に貢献していることが示唆された。次回調査時は、薬剤師の取り組む業務 の質を評価することにより感染制御に関わる薬剤師の貢献度を新たに示すことが可能にな ると考えられた。 日本における抗菌薬使用量サーベイランスの確立と 施設背景因子の関係 調 査 2

病床数(床)*:569(168、1210) 小児科病棟の有無(施設):33(75.0%) 病床数(床)* :28(1、89) オーダ状況(施設)実施量:16(61.5%) 本数オーダ:2(7.7%) 混在:8(30.8%) 血液内科病棟の有無(施設):28(63.6%) 病床数(床)* :25(1、73) 臓器・骨髄移植医療の有無(施設):19(43.2%) 平成21年度平均在院日数(日)*:14.9(11.8、60.5) 平成21年度死亡者数(人)*:360(36、1,088) 平成21年度入院患者数(人)*:58,659.5(1,906-330,536) 平成21年度入院診療単価(円)*:49,883.3(19,807、75,644) 施 設 背 景 *値は中央値(最小値、最大値)

平成21年度のClostridium difficile toxin 陽性率

13.8%(2,038検体/14,763検体) 平成21年度の血液培養陽性率 13.9%(13,664検体/98172.5検体) 平成21年度入院患者のIPMの緑膿菌耐性率 21.7%(3,832検体/17,633検体) 平成21年度入院患者のCPFXの緑膿菌耐性率 19.7%(3,058検体/15,531検体) 平成21年度入院患者のAMKの緑膿菌耐性率 6.2%(1,063検体/17,167検体) 専門/認定薬剤師として感染症例に関与する時間*(平均時間/月) 20時間/月(0時間/月、100時間/月) *値は中央値(最小値、最大値)

参加施設における抗菌薬適正使用の管理体制 調査項目 割合 抗菌薬の適正使用における何らかの管理体制 100.0% 届出制の有無 75.0% カルバペネム系薬 61.4% キノロン系薬 22.7% 第4世代セファロスポリン 15.9% 広域ペニシリン(TAZ/PIPC) 6.8% LZD以外の抗MRSA薬 59.1% LZD 34.1% 許可制の有無 36.4% カルバペネム系薬 2.3% キノロン系薬 0.0% 第4世代セファロスポリン 0.0% 広域ペニシリン(TAZ/PIPC) 0.0% LZD以外の抗MRSA薬 6.8% LZD 31.8% TBPM-PI 2.3% ラピアクタ 2.3% 調査項目 割合 長期(14日以上)投与症例への介入の有無 70.5% カルバペネム系薬 36.4% キノロン系薬 15.9% 第3世代セファロスポリン 6.8% 第4世代セファロスポリン 11.4% 広域ペニシリン(TAZ/PIPC) 13.6% LZD以外の抗MRSA薬 31.8% LZD 34.1% 全抗菌薬 15.9% その他の取り組み z血培陽性例への関与 zTBPM‐PI、VCM散への関与 z薬剤師による喀痰、尿のグラム染色実施 z薬剤師によるTDMの推奨、投与設計 z抗菌薬のコンサルテーション、ラウンド z抗菌薬使用量報告 zCD治療薬調査 z薬剤感受性表 抗菌薬使用手引きの作成

(7)

調査対象施設における許可制および届出制の有無 届出制 許可制 施設数(割合) ○ ○ 14 (32%) ○ × 19 (43%) × ○ 2 (5%) × × 9 (20%) 届出制および許可制実施施設における対象抗菌薬 届出制(33) 施設数 (割合) 許可制(16) 施設数 (割合) カルバペネム系薬 27(82%) カルバペネム系薬 1(6%) キノロン系薬 10(30%) キノロン系薬 0(0%) 第4世代セファロスポリン 7(21%) 第4世代セファロスポリン 0(0%) 広域ペニシリン (TAZ/PIPC) 3(9%) 広域ペニシリン(TAZ/PIPC) 0(0%) LZD以外の抗MRSA薬 26(79%) LZD以外の抗MRSA薬 3(19%) LZD 15(45%) LZD 14(88%) TBPM-PI 1(6%) ラピアクタ 1(6%)

長期(14日以上)投与症例への介入と対象抗菌薬 介入(31) 施設数 (割合) カルバペネム系薬 16(36%) キノロン系薬 7(16%) 第3世代セファロスポリン 3(7%) 第4世代セファロスポリン 5(11%) 広域ペニシリン(TAZ/PIPC) 6(14%) LZD以外の抗MRSA薬 14(32%) LZD 15(34%) 全抗菌薬 7(16%) その他の取り組みについて z血培陽性例への関与 zTBPM-PI、VCM散使用患者への関与 z薬剤師による喀痰、尿のグラム染色実 施 z薬剤師によるTDMの推奨、投与設計 z抗菌薬のコンサルテーション、ラウンド z抗菌薬の使用量報告 zClostridium difficile腸炎治療薬の調査 zアンチバイオグラム、抗菌薬使用手引きの 作成 2009年度 施設別全抗菌薬使用量 DDDs/100bed days

Substance class Median 25 percentile 75 percentile Tetracyclines 0.150  0.068  0.237  Amphenicols 0.000  0.000 0.000 Penicillins 3.330  2.457  4.341  First‐generation cephalosporins 2.135  1.284  2.967  Second‐generation cephalosporins 1.305  0.919  1.843  Third‐generation cephalosporins 1.728  1.207  2.070  Fourth‐generation cephalosporins 1.207  0.507  1.545  Monobactams 0.000  0.000 0.005  Carbapenems 1.739  0.783  2.246  Sulfonamides and trimethoprim 0.000  0.000 0.013  Macrolides 0.005  0.000  0.018  Lincosamides 0.421  0.274  0.566  Aminoglycosides 0.366  0.176  0.586  Quinolones 0.449  0.275  0.667  Glycopeptides 0.512  0.300  0.886  Others 0.139  0.053  0.228  total 14.919  12.491  16.596  Antimicrobial consumption in Japan (2009)  2009年度 施設別抗MRSA薬使用量 DDDs/100bed days

Substance class Median 25 percentile 75 percentile

VCM 0.357  0.137  0.550  TEIC 0.109  0.049  0.346  ABK 0.080  0.023  0.127  LZD 0.057  0.020  0.146  total 0.775  0.441  1.116 

2009年度 施設別カルバペネム系薬使用量 DDDs/100bed days

Substance class Median 25 percentile 75 percentile MEPM 0.846  0.563  1.423  DRPM 0.162  0.000  0.352  BIPM 0.024  0.000  0.140  PAPM/BP 0.056  0.004  0.109  IPM/CS 0.222  0.089  0.425  total 1.739  0.783  2.246 

(8)

2009年度 施設別抗真菌薬使用量

DDDs/100bed days

Substance class Median 25 percentile 75 percentile AMPH 0.178  0.000  0.646  MCZ 0.000  0.000 0.000 FLCZ 0.000  0.000 0.001  F‐FLCZ 0.134  0.057  0.375  ITCZ 0.000  0.000 0.029  VRCZ 0.057  0.001  0.100  MCFG 0.401  0.158  0.785  Total 0.919 0.469 2.148

抗菌薬使用量と各調査項目との相関関係 総使用量 広域抗菌薬* 調査項目 Spearman  correlation  coefficient P value Spearman  correlation  coefficient P value 病床数(床) 0.5083 0.0005 0.5286 0.0003 平均在院日数 ‐0.2987 0.0489 ‐0.1669 0.2788 死亡者数 0.6070 < 0.0001 0.4670 0.0018 入院患者数 0.3176 0.0356 0.2954 0.0516 死亡者数/入院患者数 ‐0.0096 0.9521 ‐0.0645 0.6849 入院診療単価 0.4315 0.0077 0.4323 0.0067 CD toxin検体提出数 0.4958 0.0007 0.6458 < 0.0001 CD toxin検体陽性数 0.2758 0.0735 0.4859 0.0010 血液培養検体提出数 0.5842 < 0.0001 0.5295 0.0003 血液培養陽性検体数 0.6056 < 0.0001 0.5104 0.0006 IPMの緑膿菌耐性率# ‐0.1415 0.3714 0.1425 0.3681 *カルバペネム系薬+抗MRSA薬+キノロン系薬+広域ペニシリン系薬(TAZ/PIPC)+第4セフェム系薬 #カルバペネム系薬使用量との相関: Spearman correlation coefficient 0.3475, p value 0.0242 抗菌薬使用量と施設背景あるいは使用規制の関係 使用量 届出制有 許可制有 届出制有 許可制無 届出制無 許可制有 届出制無 許可制有 P value 広域抗菌薬* 4.26 5.04 4.65 3.07 0.8361 カルバペネム系薬 1.67 2.04 1.15 0.95 0.3081 抗MRSA薬 0.79 0.89 0.61 0.47 0.3537 総使用量 13.11 15.10 19.20 14.74 0.5319 使用量 投与期間規制有 投与期間規制無 P value 血液内科有 血液内科無 P value 広域抗菌薬* 4.62 4.65 0.3818 5.51 2.88 0.0019 カルバペネム系 薬 1.75 1.58 0.3413 1.80 0.87 0.0081 抗MRSA薬 0.83 0.63 0.0288 0.86 0.38 0.0006 総使用量 14.74 15.29 0.6069 15.30 14.46 0.0226 使用量 移植有 移植無 P value 小児科有 小児科無 P value 広域抗菌薬* 5.99 3.55 0.0003 5.13 3.40 0.0369 カルバペネム系薬 2.26 1.34 0.0060 2.03 0.77 0.0101 抗MRSA薬 1.10 0.67 0.0007 0.81 0.22 0.0282 総使用量 15.83 13.02 0.0069 15.25 12.5 0.0109 *カルバペネム系薬+抗MRSA薬+キノロン系薬+広域ペニシリン系薬(TAZ/PIPC)+第4セフェム系薬

抗菌薬使用量と専門薬剤師の有無の関係 使用量 専門薬剤師有 専門薬剤師無 P value 広域抗菌薬* 4.39 8.29 0.0033 カルバペネム系薬 1.70 2.43 0.1278 抗MRSA薬 0.77 1.17 0.0925 総使用量 14.83 20.42 0.0360 調査項目 Spearman  correlation  coefficient P value 広域抗菌薬* ‐0.2762 0.0730 カルバペネム系薬 ‐0.08205 0.6009 抗MRSA薬 ‐0.1227 0.4332 総使用量 ‐0.2194 0.1575 抗菌薬使用量と専門薬剤師数*の相関関係 *日本病院薬剤師会感染制御専門薬剤師、日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学 療法学会抗菌化学療法認定薬剤師、ICD制度協議会ICD数の有無あるいは実人数を使用 Scatter plot of hospital‐wide use of carbapenems versus percentage  imipenem‐resistant Pseudomonas aeruginosa in Japan 2009 The dotted lines at the median points of the axes divide the plot into four quadrants; quadrant A: low use,  high resistance; quadrants B: high use, high resistance; quadrants C: low use, low resistance; quadrants D:  high use, low resistance A B D C 1.74 21.2% 梅村拓巳,望月敬浩,村木優一,片山歳也,滝久司,大曲貴夫,山岸由佳, 三鴨廣繁,森健. 東海地区におけるATC/DDD system を利用した注射用抗菌薬の使用量調査と緑膿菌耐性率の関係. 環境感染,in pressより一部改変

Scatter plot of hospital‐wide use of carbapenems versus percentage  imipenem‐resistant Pseudomonas aeruginosa in Japan 2009 The dotted lines at the median points of the axes divide the plot into four quadrants; quadrant A: low  use, high resistance; quadrants B: high use, high resistance; quadrants C: low use, low resistance;  quadrants D: high use, low resistance A B D C 1.74 21.2% 耐性率:高 使用量:少 改善点 ・交差感染の制御 ・入院時保菌患者の確認 ・使用量の適正化 ・他の抗菌薬使用量の監視 耐性率:高 使用量:多 改善点 ・抗菌薬使用量の監視 耐性率:低 使用量:多 改善点 ・検査室での 耐性菌の検出 耐性率:低 使用量:少 現状維持 梅村拓巳,望月敬浩,村木優一,片山歳也,滝久司,大曲貴夫,山岸由佳, 三鴨廣繁,森健. 東海地区におけるATC/DDD system を利用した注射用抗菌薬の使用量調査と緑膿菌耐性率の関係. 環境感染,in pressより一部改変

(9)

ま と め(1) zWHOが推奨する医薬品使用量の集計方法に基づき日本国内(本調査参加44施設)におけ る抗菌薬使用量を算出し、施設背景との関連性を調査した。 z参加施設における抗菌薬適正使用の管理体制は100%実施されており、届出制あるいは長 期投与症例への介入は約7割の施設、許可制は約4割弱で実施されていた。 zこれらの管理体制の実施は、抗菌薬使用量に影響を及ぼさないことが示唆された。 z日本国内(本調査参加44施設)における2009年度の抗菌薬使用量の中央値は14.9であった。 z今後本データと自施設における使用量との比較を行うことにより抗菌薬適正使用の評価に 使用することが可能となると考えられる。

zMonnetらの報告(Monnet D.L.Int J Antimicrob Agents 2000;15:91‐101)を基に作成したカ ルバペネム系薬使用量とイミペネムに対する緑膿菌耐性率の関係から参加施設における 抗菌薬適正使用に必要な取り組みが示されたことから、今後各施設において改善策を講じ、 次回調査と比較することにより貢献度を明らかにすることが可能になると考えられる。

ま と め(2) z抗菌薬使用量と各調査項目の相関関係は、抗菌薬総使用量および広域抗菌薬使用量は 病床数、死亡者数、入院診療単価に正の相関を示し、死亡率においては抗菌薬使用量と 相関しなかった。 z今回の調査においては感染に伴う死亡者数でないため、次回調査では感染に伴う死亡者 数を使用する必要性が考えられた。 zClostridium difficile toxin検体提出数、血液培養検体提出数および血液培養陽性検体数は 正の相関を示したことから、抗菌薬の濫用に対する対策や適正な抗菌薬選択、適正な投 与期間、標準予防策の実施などの取り組みを実施した上で抗菌薬使用量を抑えることが 重要であることが示唆された。 z抗菌薬総使用量はイミペネムの緑膿菌耐性率と相関しなかったが、カルバペネム系薬の 使用量とは正の相関を示した。 z血液内科や移植医療および小児科を有する施設においては抗菌薬使用量が多かった。 z専門薬剤師がいない施設においては抗菌薬使用量が有意に多かった。 z専門薬剤師数と抗菌薬使用量は有意ではないが負の相関を示したため、施設内に専門薬 剤師を多く配置することは抗菌薬適正使用について有用となる可能性が示唆された。 静注用バンコマイシン塩酸塩により治療を行った患 者に対する薬剤師の関与が臨床効果や医療費に及ぼす 影響 調 査 3

方 法 調査対象 平成22年度「病院薬剤部門の現状調 査」の設問62「抗MRSA薬のTDMによる 処方提案と副作用回避」の中で塩酸バン コマイシン注を6月に新規に使用し、7月 末日までに使用が終了した患者306名 除外条件 8月以降も入院中の患者、データ記 載に不備が認められる患者 調査対象患者 175名 薬剤師の関与有 131名 薬剤師の関与無 44名 調査項目 z生命予後 z細菌学的効果 z臨床効果 z入院期間 z医療費 z医薬品費 zバンコマイシンの投与に対して薬剤師が貢献した内容 zバンコマイシンによる有害事象の有無 z有害事象による死亡 統計学的解析 2群間における単変量比較にはFisher’s exact testあるいはMann‐Whitney testを使用 し、p< 0.05を有意差有りとした。 薬剤師の関与有 薬剤師の関与無 P value 生命予後(生存/死亡) 86/45 30/14 0.8545 細菌学的効果 60/71 8/36 0.0012 臨床効果 94/37 16/28 < 0.0001 入院期間(中央値、最小値 ‐ 最大値) 41 (5 – 288) N = 121 36 (4 – 179) N = 43 0.3899 医療費 1,647,105 (91,255, 31,712,145) 2,276,492 (106,779, 26,344,890) 0.3172 医薬品費 303,600 (1,384, 13,923,000) 258,020 (561, 11,231,610) 0.3270 薬剤師の関与に対する各因子の比較 薬剤師の関与内容 12 111 36 21 0% 20% 40% 60% 80% 100% 件数 医薬品の変更 用法用量の変更 副作用の回避 投与期間の提案

薬剤師の関与有 薬剤師の関与無 P value 腎障害 9/122 2/42 0.7237 第8脳神経障害 0/131 0/44 ‐ Red neck症候群 0/131 0/44 ‐ 皮疹 1/130 0/44 1.0000 骨髄抑制 1/130 0/44 1.0000 下痢 1/130 0/44 1.0000 肝障害 0/131 1/43 0.2514 有害事象による死亡 0/131 0/44 ‐ 薬剤師の関与に対する各因子の比較

(10)

ま と め z薬剤師が関与した患者における細菌学的効果あるいは臨床効果は関与しなかった患者と 比較し有意に改善が認められたが、生命予後においては差を認めなかった。 z入院期間や医療費、医薬品費についても差を認めなかった。 z薬剤師の関与内容は用法用量の変更が最も多く、副作用の回避については両群間に差を 認めなかった。 z今回の調査により薬剤師がバンコマイシンのTDMを介して患者の投与計画に貢献すること により臨床効果に影響を及ぼしている可能性が示唆された。 z調査対象期間が短かったため、医療費や医薬品費の抽出が行えず、除外した症例も多 かったため、次回調査時はより詳細に方法を定める必要性が考えられた。

最 後 に 今回の結果より、平成22年度における日本国内(本調査参加44施 設)の感染制御に関わる薬剤師の実態が明らかになった。また、専門 薬剤師における医療施設での取り組み内容や貢献度を数値として示 すことができた。さらに、全国を対象とし、集計方法を統一した抗菌薬 使用量調査を実施し、その使用量や施設背景との関係が明らかと なったことにより、今後専門薬剤師が各施設において感染制御の取り 組みを評価する指標として期待できることが示唆された。 次回調査は、より多くの施設における抗菌薬使用量調査の実施や 各施設における取り組みの評価を行う予定である。 今回の調査を実施するにあたりご協力いただいた協力施設の皆様 に厚く御礼申し上げます。 謝 辞 参加施設 協力者 参加施設 協力者 市立札幌病院 上田 晃 船橋総合病院 松木祥彦 中村記念南病院 山田和範 千葉大学医学部附属病院 長谷川 敦 山形大学医学部附属病院 細谷 順 金沢大学附属病院 伊藤 さつき 舟山病院 渡辺 暁子 愛知医科大学病院 木村 匡男 日本海総合病院 酒田医療センター 須藤 悦衛 公立陶生病院 勝野 晋哉 山形市立病院 済生館 西村 孝一郎 国立東名古屋病院 滝 久司 公立置賜総合病院 倉本美紀子 中部労災病院 中根 茂喜 北村山公立病院 高橋真由美、平浩幸 三重大学医学部附属病院 村木優一 秋田労災病院 伊藤功治 四日市社会保険病院 片山 歳也 新津医療センター病院 継田 雅美 静岡県立静岡がんセンター 望月 敬浩 新潟勤労者医療協会 下越病院 三星 知 大阪労災病院 前田頼伸 長岡赤十字病院 小林謙一 和歌山労災病院 満田正樹 長野赤十字病院 堀 勝幸 市立宇和島病院 影山恵美子 群馬大学医学部附属病院 佐藤 健司 香川労災病院 池上 英文 さいたま赤十字病院 伊賀 正典 高松赤十字病院 安西 英明 東京慈恵会医科大学附属病院 奥津利晃 山口労災病院 山崎博史 東京大学医学部附属病院 高山和郎 九州厚生年金病院 桑村 恒夫 NTT東日本関東病院 田中昌代 小倉記念病院 入江 利行 杏林大学医学部付属病院 西 圭史 飯塚病院 梅田 勇一 東京労災病院 松田 俊之 長崎大学病院 北原隆志 日本医科大学千葉北総病院 實川 東洋 佐世保中央病院 辻泰弘、佐道紳一 東邦大学医療センター佐倉病院 増田雅行 八代総合病院 藤井 裕史 敬称略

参照

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定性分析のみ 1 検体あたり約 3~6 万円 定性及び定量分析 1 検体あたり約 4~10 万円

大正13年 3月20日 大正 4年 3月20日 大正 4年 5月18日 大正10年10月10日 大正10年12月 7日 大正13年 1月 8日 大正13年 6月27日 大正13年 1月 8日 大正14年 7月17日 大正15年

※短期:平成 30 年度~平成 32 年度 中期:平成 33 年度~平成 37 年度 長期:平成 38 年度以降. ②

○「調査期間(平成 6 年〜10 年)」と「平成 12 年〜16 年」の状況の比較検証 . ・多くの観測井において、 「平成 12 年から