大学学生相談 システム再考
Pr o p o s a l sf o rt e ne wl ● n gt heCo l l e g eSt ud e ntSr e v i c e s
弘前大学保健管理 セ ンター 佐 々木大輔
Ⅰ
緒 言
Ⅱ
学生相談のモデル
Ⅲ
学生相談のモデル
Ⅳ 学生生活の充実 に関す る調査研究会 か ら
Ⅴ
メ ンタルヘルス研究協議会か ら
Ⅵ セ ンター ・共同社会 モデルにおけ る学生相談の在 り方
Ⅶ 結語
Ⅷ 参考文献
Ke yW o r d s: s t u d e n ts r e v i c e s . me n t elh e a l t h . c o u n c e l i n gc e n t e r
Ⅰ 緒 言
平成 1 1 年 7 月か ら 「 大学 における学生生活 の充実 に関す る調査研究会」の協力者 と して調査研究会 に 参加す る機会 をいただいた。本調査研究会 は山 口大学,虞 中平祐学長 を座長 にほぼ月 1 回の割合 で平成
1 2 年 6 月 まで 1 0 回に亘 って開催 され た。平成 1 2 年 6 月に 「 大学 における学生生活の充実方策 について」
‑学生 の立場 に立 った大学づ くりを 目指 して‑ と題 した報告書 を出 している。報告書の中の 「 学生 に対 す る指導体制の充実 」 の項 目に学生相談 を取 りあげてい る。一方,平成
8年 か ら,国立大学等保健管理 施設協議会 ・文部省 ・当番大学の主催 によ り,全国の国立大学および高等専 門学校 の事務官 ・教官の参 加 を得て, メ ンタルヘル ス研究協議会 が 1 年 に 1 回開催 され,学生相談のメ ンタルヘルス面 を中心 に研 究協議 がなされて きた。筆者 は本研究協議会の当初か ら協議会運営 に関わ ってい る。本稿 は,上記の 2
つの会 に参加 して学んだ こと,および文部省在外研究員 と して見聞 して きた欧米の保健管理 の実情 など か ら,今後の学生相談 の在 り方,特 にシステムの構築 について再考 した私見 を述べ る。
Ⅰ 学生相談のモデル
学生相談 の業務の範 囲は広い。 S t u d e n tP e r s o n n elS e r vi c e s( S P S ) に挙げ られてい る項 目は,入学許 可, オ リエ ンテーシ ョン,宿舎 と給食, カウンセ リング,学生活動,経済援助,保健指導,就職斡旋 の
8 項 目である。 S P S は学生助青 と訳 されてい るが, S t u d e n t ‑学生, P e r s o n n e l‑全職見 S e r vi c e s ( 複)
‑業務 の意味であると捉 え るのが よい。 S P S は 1 9 51 年 に米国か ら入 って きたが,厚生補導 の基本的指針 である。すでに半世紀 を経 てお り現在 の大学 の実情 に相応 しくない点 もあるが,現在で も基本的枠組み と しての意義 は失 ってはい ない。藤原 l ) は S P S 導入か ら現在 までの学生相談 の歩み を踏 まえ,新 しい学 生相談 の視点 と輪郭 と して次の
5つ を挙げてい る
。①学生主体への個別的 な相談活動であ ること。②修 学問題 を主た る接点 に した相談活動 であること。③臨床心理学的 な専門方法 による相談活動 であ ること。
④人生の一時期 における学生期 の意味 を考え る相談活動 であること。⑤全学的 な学生教育組織の一環 と しての相談活動であること。藤原の視点 と輪郭 は適切 な方向性 にあると思われ る。 ここで更 に,学生相
‑ 5‑
談のシステムの構築については学生相談のモデルをいかに捉えるかという視点が必要 となって くる。
学生相談モデルについては幾つかの提案がある。藤原2)が指摘 しているのは学生相談には二大潮流 があ り,一つは国立大学の保健管理センターを中心に展開 してきた疾病予防を中心 とす る保健 ・健康教 育的かかわ り,すなわち 「保健管理センターモデル
」
と,公 ・私立大学での学生関係事務業務の一環で ある相談施設において.事務官 ・教官が修学進路および 自己開発促進的な心理教育的相談が中心の 「共 同社会 (コミュニテ ィ)モデル」
である。以下.両モデルについて考察する。1)保健管理センターモデル
保健管理センターモデルであるが,保健管理センターの所長が精神科,心療内科の医師,あるいは 臨床心理士の場合,臨床水準の心理的問題 にまで対応可能である。 また,保健管理センター内に設置 されている学生相談室においてはカウンセラーが学生相談を担当 し,カウンセ リングをおこなってい る。いずれにせよ学生相談が 「保健管理センターモデル
」
とい った来談者に対 してのみの対応を業務 とす るならば,来談者はそうは多 くはならない.保健管理センターの学生相談というと精神異常者 を 対象に した話かという誤解 も受けやすい。 また,精神障害や行動異常のある臨床水準の学生は全学生 の3‑5%に過ぎないので,保健管理センターの医師あるいはカウンセラーが対応するか,治療が必 要 ならば他機関に託すればよい。大学内の相談検閲では,残 りの大多数の学生の人間的成長を促 し, 充実 した学生生活を送れるようにすることを援助する部門が必要である。2)共同社会モデル
これまでの学生相談は来談に訪れた学生のみを対象に している。学生相談室を開いても,ほとんど 利用者がいないとか,本校ではそんなに問題をかかえる学生が多いとは思えないとい った声 も聞 く。
確かに青年の苦悩などは過去のものとなり,豊かさのなかで学生生活を楽 しみ.すんな りと卒業 して い く学生 も多い。 しか し,一方では自我が傷つきやす く,友人同士の会話でも心の中に入 るようなこ とはなく,表面的な交流のみに終始する。そ して少 しで も自我が傷つ くとキ レるという行動に走 る学 生 もいる。す ぐ泣 きじゃくった り,過食に走 った り,引きこもる学生に対 しては従来型の学生相談で は人的対応能力も,相談機能的にも十分に対応 しきれなくなっている。そ こで,最高学府の事務官 ・ 教官は高い資質 ・教養 ・人格を兼ね備えた人が多いのは確かであ り,積極的に活用すべきである。 ま た,大学 という共同社会は,社会への適応能力が十分ではない学生にとっては,認知行動療法に基づ いた社会技能訓練 (ソーシャルスキル ・トレーニング)の絶好の機会である。従 って,共同社会モデ ルと しての相談組織の構築は必要である。
Ⅲ 欧米の事情
平成11年8月2日か ら8月
2 9
日の期間,短期在外研究員 として米国, ドイツの大学を訪問 し,学生サ ービスの実情を目にする機会を得た. ここにおいては米国のユタ大学および ドイツの トリア‑大学の, カウンセ リング ・センターについての実情を紹介する3).I)ユタ大学
ユタ大学の学生数は約
2 6 , 0 0 0
人,学生の年齢は2 2
歳〜2 7
歳で,卒業時の平均年齢は2 6 . 7
歳 と日本の 大学生 より年齢が高いo学生サー ビス関連部門は,学生部,総務部, 自治部,副学長補佐部の4部門 か らなる.学生部にはさらに, コミュニテ ィ ・センター,職能訓練, カウンセ リング ・センター,障 害者センター,修学援助,留学生センター,健康管理センター,女性人材センターがある。 カウンセ リング ・センターは9部門に分かれている.事務担当の組織運営機構,臨床的援助,職能開発,筋弛‑ 6 ‑
緩法やバイオ フィー ドバ ックなどの各種訓練,心理 テス ト部 門, 自己啓発,一般的相談,修学援助, アルコール ・薬物中毒治療セ ンターの各部門である。カウンセ リング ・セ ンターの スタッフは
18人で, カウンセラーが
10人, ソー シ ャル ワーカーが
3人,精神科 ナー スが
3人,精神科 医が
2人であ る
.図
1にユタ大学 における学生サー ビス関連の組織系統 を示す。
図 1 ユタ大学学生サー ビス関連組織系統
カウンセ リン
が発見の きっかけになることもあ るとい う。
表 1 は 1 年間の クライエ ン トの内容であ る。平均年齢 は
28.45歳,女性 が約 6 割, 白人 が
85.7%, 独身が
53.1%,既婚 が
29.5%,紹介者 は 自発来談 が
49.2%,友人が
15.7%と多い。既往治療 はな しが
37.1%と再治療者 が多い。学業への影響 はな しが
11.7%,軽度 が
18%と,多 くは学業 へ影響があると 答 えてい る。
表 1 ユ タ大学 カウンセ リング ・セ ンターの クライエ ン ト
(1997年秋〜1998年夏 637
人) 平均年齢
28.45歳 女性
59.7%男性
40.3%
人種 白人
85.7%独身
53.1%
アジア系
4.8%既婚
29.5% ヒスパニ ック
3.0%離婚/離別
10.9%黒人
1.4%同棲
5.9インデ ィア ン
1.3%%
紹介者
49.2%
既往治療
自発来談
15.7%
友人
9.2%な し
37.1%親戚
8.6%外来
10セ ッシ ョン以下
24.7%
教官
2.8%外来
10セ ッ
シ ョン以上
25.0%学生 サー ビス
4.4%数年
7.6%保健担 当
10.1%入院 1 回
3.2%
その他 入院数 回
1.8%
学業への影響
な し
ll.7%軽度
18.0%中等皮
25.4%か
な り
22.3%極 めて
22.7%
主要 な問
題 を図 2 に示す。
うつ状態が
最 も多い。ついで 不安,易疲
労感である。易疲 労感 は慢性
疲労症候群 と診断 され るもの
が多い とい う
。う つ状態,易
疲労感,集中力 ・ 記名力低下
の訴 えが多い。 な お,不登校
や引 きこもり ( ア パ シー) に
ついてはプライバ シーの問題 があ り, 自発的来 談 がない限 り対応 して
いない
ので,実数 は不 明 との ことで 図
2ク
ライエ ン トの主要 な問題 ( ユタ大学)
うつ状態 不安 易疲労感 自己不全感 集 中力 ・
記名力低下 焦燥感 ・怒 り 不眠 他人の考えが気 になる 不快な考 え 生きがいの不満足 罪 ・恥の意識
ある。最近,暴力的学生がいて,教官がおそれを感 じているとのことである。 日本で も今後,キ レる 大学生が出現す ることを予測 させ られた。一方, 日本の学生相談担当者 に聞いてみると,「日本では 引 きこもりや不登校 をそのままには しておけない」 という答えである。 日本ではプライバ シーは侵害 して も許 され る, というよりも放置 してお くことに対す る大学の責任 と,保護者の何 とか対応 して欲 しい という大学への依存的な声があるからであろう。大学 における学生生活の充実に関す る調査研究 会報告書 にも不登校への対応が記載 されてい るが.大学生の不登校の詳細 については小柳の著書4)
を参照 された し。
2)トリアー大学
トリア‑市はフランクフル トか ら汽車で約3時間の, ドイツでも最 も古い都市である.学生数は約 15,000人, カウンセラーは常勤が
1
名,非常勤が1
名のみである. カウンセ リング施設 と しては,学 生寮の1
階に3室のスペースがある。1
セ ッシ ョン約1
時間,年間900セ ッシ ョンの相談がある。相 談内容は修学,私生活の悩み.アイデンテ ィテ ィーの悩み,食行動異常, うつ状態.強迫性障害など である。その他 に,職員のみを対象 とする,アル コールと薬物中毒の専門のカウンセラーが非常勤で, 週2,3回相談 にの っている. ドイツでは市中に多 くのカウンセラーが営業 してお り,学生の多 くは そちらを利用 してい る。 また,身体面の健康診断は行われていない。米国, ドイツの大学 におけるカウンセ リング ・センターの実情は, 日本 とは多 くの点で異な り,直 接的 な参考 にはな らない。SPSが米国からもた らされ,日本の実情 に合わな くなっている点 も多いが, 米国においてはSPSを更に発展 させている。 また, 日本のよい点は,保健管理セ ンターにおいて,健 康管理,健康相談 と心理相談が一緒に行われてお り,密接 な連携のあるところが多いことである。学 ぶべ き点は,米国においては学生サー ビスの総合化が進んでお り,学生生活が充実 した ものになるよ
うに計画されている点である
Ⅳ 学生生活の充実に関する調査研究か ら
大学 における学生生活の充実に関す る調査研究会報告書には 「何でも相談窓 口
」
の設置が提案されて いる。本報告書のなかで も際だ って特色ある提案の一つである。 「学生のあ らゆる相談 に応 じる全学的 な 「何でも相談窓 口」 を設け,そ こで基本的な相談に応 じつつ,相談内容に応 じて適切 な学 内外の相談 機関や教職員を紹介す ることが有効であると考え られ る。 この窓 口が担当すべき機能によ り,心理学の 教員や,専任 カウンセラー, さらにカウンセ リングの研修 を受けた学生部担当部門の事務職員や, カウ ンセラーを 目指す学生 などを起用す ることも考え られ るo 」
と述べてい るo ピア ・カウンセラー制度の 導入は広島大学をは じめ,数大学では意欲的な取 り組みが始 まってお り,今後の成果に期待 したい。 カ ウンセ リングの研修 を受けた学生部担当部門の事務職員は具体的にどのような能力が求め られ るのであ ろうか。 ここで,ユタ大学のカウンセ リング ・セ ンターの組織 をもう一度み ると, 日本の大学にはいな いソーシャル ワーカーが配属 されている.学生部担当部門の事務職員は, カウンセラー的要素 よりも, ソーシャルワーカー的要素を持つのがよいのではなかろうか.社会技能訓練の指導には行動療法,認知 療法,認知行動療法の理論や技法 を修得 したソーシャルワーカー的立場の人が担当す るのがよい。なお, 文部科学省は何でも相談窓口として各大学の学生課に学生生活支援専門官を順次設置 していく方針である。さて, ソーシャル ワークとは何かを明確に定義づけることは難 しい. 日本では主に臨床医療の場での 業務が主であるが, ソーシャル ワークには事例対応,グル‑プワ‑ク, コミュニ イティワーク,社会研 究,社会活動,ケアマネージメン ト, スーパー ビジ ョンなどがある. ソーシャルワーカーの役割 には援
‑ 9‑
助 ・支援,連絡 ・調整,企画 ・開発,組織化,予防,研究 ・教育などとされ る。方法 としては心理 ・社 会的モデル,課題中心,問題解決,解決志向. など来談者中心的手法が主体 となる。 しか し, ソーシャ ルワークは個人に焦点をあてての援助なのか,環境に焦点をあてての援助なのかという基本的な点にお いて不明確さがあり,方法は様 々な科学を応用 しているとはいうものの,基盤 となる明確 な理論体系が 確立 していない。
Ⅴ メンタルヘルス研究協議会から
平成10年度のメンタルヘルス研究協議会の分科会ではサポー トシステムと制度について協議 されてい るoそ こにおいて表
2
に示す提案がなされている5).提案は保健管理セ ンターモデルと共同社会モデル の両者に言及 している。学生相談を保健管理セ ンターモデルあるいは,共同社会モデルと捉えるかの議 論は, ソーシャルワーカーが,個人に焦点をあてるのか,環境 に焦点をあてるのかという議論 と類似す る。学生相談を単一のモデルで解釈するよりは,共同社会の中のサポー トシステムとして機能させ,シ ステムの芯 として学生相談室,保健管理センターを位置づけ. システムへの情報の入力, インテークと して何でも相談窓 口があ り,さらにオフィスアワー,就職相談 などの多 くの窓 口からも情報の入力がな され るようになればよいのではなかろうか。 さらに,情報は逆方向へ も流れ るようにすべ きである。必 要に応 じて学生相談担当者から窓 口担当者へ,あるいは大学上層部への情報提供 ・伝達がシステムとし てなされ る必要がある。表2 サポー トシステムと制度 (文献5)か ら転載)
「機能や役割の分担 と相互連携
」
が重要・大学の規模に合わせた組織作 り
・現在実際に試み られていることを把握 し、各大学の個性に合 った方法 を考えてい く
・実際に事例が生 じた場合のシュミレーシ ョンを十分に行 ってい く 1.実際に試み られていること
<教官 ・事務官 >
学生に向けて
成績不振者や休学者への連絡 ・一カウンセ リング
オフィスアワー ・クラスアワーの設置、各学部に学習相談室を設置 復学後の判定、復学者のフォローア ップ (復学委員会)
教官 ・事務官 自身の対応技術の向上
<学生 >
サポー トの受け手 として
メンタルヘルスの重要性の認識 (授業、広報、講演会、ホームページ開設など) 各種相談 ・カウンセ リングの利用
サポー トの担い手 として ピア ・カウンセ リングなど
<保健管理センター及び学生相談室>
センター ・相談室の試み
より良質の個別 ・集団カウンセ リング、精神科治療の提供
スタッフ ・施設の充実 (開設時間延長、精神科医 ・カウンセラ‑の増員)
相談 しやすい環境づ くり ・(精神障害に関する学生の啓蒙、場所や相談員の学生への紹介) 学生の保護者への啓蒙
その他の試み
ペ ットの貸 し出 し、農作業
‑ 10‑
入学者の全員面接、あるいは要注意者の面接 自己発見セ ミナー合宿
電話相談、テ レビ電話相談、
E ‑ m ai l
相談 たま り場の設置休息と慰安の場、キャンパス内の避難所、仲間形成 (保健管理センター利用中の学生に限a) 2.制度 と して試み られているもの
修得単位15単位未満で除籍‑引 きこもり学生の抽出 復学委員会
クラスアワー (チュ一夕 リング制度)の導入
遇 1
時間教官 と学生の交流の場情緒的支援 と手段的支援
Ⅵ セ ンター ・共同社会モデルにおける学生相談の在 り方
共同社会のサポー トシステムの中で,相談業務 に携わ る事務官 ・教官は様 々な人がいることとなる。
その人達の研修やマニュアル作 りは大切である。今後, メンタルヘルス研究協議会などにおいて研修が なされることを期待 したい。 また,ユタ大学のカウンセ リング ・センターにはあって, 日本の大学 には ない職種 の一つとして,精神科 ナースが挙げ られ る.精神科ナースの制度は 日本にはない。保健管理分 野でのナースはむ しろ産業医学分野での資格がよ り求め られ るのであろうが.相談員 と してはかな り重 要な立場 にある。今後,保健管理研究集会 などにおいて担当ナースの研修 を行い,向上をはかるのもよ いであろう。
保健管理セ ンターモデルの学生相談は今後 とも必須であ り, システ ムの芯 として相応 しい内容の充実 改善を図 ってい く。 一方,共同社会モデルに相当す る全学的学生相談機構 には次の事項が求め られ る。
①学生相談を教育の一環 としてとらえる。②学生 にキャンパス内で社会の雛型的な環境 を経験 させ る, 社会技能訓練の場 とす る。③学生指導に学生 を組み込むことによ り,学生 自身も成長 させ る。④大学業 務や学生指導 に対 して,学生に補助的役割 を持たせ,相談 を受ける立場 まで成長 さ●せる。⑤相談 内容に ついては全学的に配慮す る。⑥学生 に知識以外の基本的な人間 としての力をつけさせ る。
少子化は大学入学希望者は大学 を選ばないならばどこかには入学できるという時代 を迎えた。大学 に おいて学業 を続けてい く上での学生生活の充実改善を図 り,学生相談機構 を整え,機能 を強化す ること は,優秀 な学生を一人でも多 く集めるための有力な方策の一つである。国立大学 と私立大学の両方に入 学 している子を持つ親は,両者の対応にかな りの差のあることを実感 してい る。大学側が学生生悲,学 生環境心理 などを把握す る,すなわち学生の欲求や学生のあ りかたを把握す る努力を払い,学生生活を より充実 した ものにす る,言い換えれば 「学生のキ ャンパス
Q O L
を向上す る」意識 をもつ ことが大切で あろう。更に学生相談の活動は大学教育の質的向上に直結 した教育的活動 と位置づけることもで き,大 学の特色の一面 を打ち出せる一つの方策ではなかろうか 8)0Ⅶ 結 語
学生相談の分野は,箱物を造 ることではない し,定削の時代 に人員増 は望むべ くもない.一般 の事務 官や教官は,今でさえ仕事が手一杯 なのに, さらに学生相談などとてもかなわないと考える人はいるで あろう。 また,上司も口を開けば学生相談,メンタルヘルスは大切 と言いなが ら.手を出 してい る部下 に余計なことを しないで仕事を片づけろと命令す るごともあろう。 しか し, このような態度に終始 して
‑ ll‑