長崎大学風土病紀要 第2巷第2号:123〜130頁1960年6月 123
長崎及び諫早地区に於ける家畜の レプトスピラ抗体保有状況
畏怖大学風土病研究所臨林部(主任 片 時 教 授)
吉田静磨 西田公一 山根孝夫
よL ′ご Lす ま にL だ さるかず JPは ね 上し 封
Distribution in Domestic Animals of Antileptospiral Antibodies in Nagasaki and Isahaya Districts. Shizuma YOSHIDA, Kimikazu NISHIDA, Yoshiwo YAMANE.Clinical Department, Research Institute of Endemics, Nagasaki University (Director : Prof. D. KATAMINE).
緒 言 ..
人に,於けるレノ℃トスピラ病の感兼備として,主とし て鼠嵐が考えられてきたのであるが,その後更に人と 口常接触の漂い関係にある犬をはじめ,猫,牛,,琶,
却山 j:どの家商類も妖原Lepto−Pira〔以下Lept.と瞭〕
の壬宿主となり,これらの動物が又感染源となって動 物問或ほ人えの感染がおこなわれていることも知られ てきた。即ち犬についてほ,19ユ9年Uhlenb−th−・
F∬Ommeがワイノ1氏兢様疾患の犬から初めてLept・
を証明し,1923年L−kesはワイノ「%氏病棟の黄迫型以 外にiコ粘膜の潰店と重篤な胃脱炎を主徴とする Stuttgarter HundeSeuCheなる疾患がLept_によ るものであることを報告したが,].934年−ch山王ner はこれ在Lept.canicola と命令した。大のレプト スピラ病発性分てmこ就いてほ既に世界各地にて調査さ れ,我が国にても久保,山本,北開,操等の報告があ り,著者等も1955年長崎市に放ける野犬のLept、抗 体保有率を調査し,31.9チ右の感染率に達する成績を得
た。
咋のレノントスピラ柄に就いての研究ほ,1935年ソ聯 のⅣHnchin等が黄旭と血色尿症を発した牛の組織片 で Lept.を認めてより,イスラユル,アメリカ,オ ーストラリア等世界各地にて同様の症状を呈した病牛 より Lept・が桧山されている。我が匡てでは以前より 中田の和牛の吐産地ノ割こ血尿症はたほ血色素尿症とよ ばれる疾蛸が牛にみられ,30%右内外の死亡率を示し つゝ原因不明のは\であった。然るに山本等は(/)1951年 兵庫県北部に存在する牛の血色素昆症を有するものに
長崎大学風土病研究所業績 第341号
就いて,Schtiffner−Mochtar凝集第菌反応を行い,殆 んど凡べて打牛が陽性を示すことを明かにし,動こ発 熱,食欲不軌重軌怪黄軌血色素尿等の特徴を有 する病牛よりLept・を検出同定して,本痛がLept
に起因するものであることを証明した.其の後坪臓■
等,梁川等,操等,矢野等によって各地の牛のレプト スピラ病に就いて調査され,その分布が次第に明かに されつゝある・
豚ほLept_に怯染すれば軽い胃腸障第発熱,不安 等の症状を起すと云われ,家畜レプトスピラ病の大き な感染源として,アメリカでほ現在非常に警戒されて いる・第Il等は腰ほもともと肥育され食用に供される 関係上主要家畜の中でほ吐存期間が最も短いに拘らず 相当数のものがIJept8 に感染しているように思われ ると述べている.1933年フランスに於いてPen−0が・
又スイスに於いてUrechが陣と接触する機会の多い 人に発生する疾病を報告して以来,我が国でもOKADA,
坪崎等,深川等,操等,大乱 岩科等により陣の Lept.感染に就いての報告がある.
紅第毛様凧脈絡膜の炎症を呈する月盲症尼有す る馬の血清に就いてLept.の反応を試みたのほ1948年 スイスの He−SSer等の報告で,病馬血清が高率に Lept・に反応することを明かにし,我が国でも山水は 九州地方の月冒属の血清に就いてLei〕t・の反応を行 い,大多数が陽性反応を呈したと述べている・このよ
に鼠簸以外に各種の家畜類が病原Lept・甲主宿主とな り,レプトスピラ病がこれら諸動物問の疾患として獣 医学上宝璽な問題となっているばかりでなく,これら の悍患動物が人えの感染源となることも考えられ,暁
124 吉田静磨 _ ■西田公一 1. 山根孝夫 学上重要視されてきた申
そこで著者等ほ長崎県下に於けるレプトスピラ病発 姓分布に関する研究の一還として,年夕伸・山羊及び 緬羊に於ける Lept・の浸性状況に就いて調査検索し たので軌こ報告する。尚馬に就いては屠殺されるもの が殆んど無く従って検査することが山来なかった。
検査材料並びに方法
検査した対象ほ軋軌山羊及び席羊の4種の動物 にして,昭和33年4月より翌34年3月に至る帆諌早 屠殺場に於いて取扱われたものを無撰択的に採血した ものと昇昭和34年7月より同年9月に至る期間,畏怖 屠殺場に於いて取扱われた凡べてのものより採血し,
無菌的に分離した血清に0.5%の割に石炭酸を加えて 冷蔵庫に保存した。
検査方はばこれらの血清に就いて Lept・icterロー
haemorrhaglae) aut−mnali−,hebdomadi−,
au−trali−A,PyrOgene−及び Canicolaの6程の吐 きたLept.を抗原として,−ch竜ffnerpMochtar凝 集溶菌反応を行い,免疫血清学的にLept感染の有 無幸をl調べた.即ち終末凝集潜菌価100倍以上のものを 以って陽性とし,類属反応を示すものでは終末凝集溶 菌仰がより著しく高いものを採用した。尚血清尼分離 した動物でほ,その生産地,年令並びに性別をも出来 るだけ調査すべく努めた缶
検 査 成 績
検査例数は罪1表にみる如く,訣別云殺現に肘ナる ものは牛25例,陣86例,山羊34例・緬羊20例であり,
馴奇屠殺軌こ於けるものは牛112例,怖108例,山羊44 例,緬羊3例にして,諌軋良愉両屠殺軌こ於けるも のを合すれば牛137例,打田94例,山羊78恥緬羊23例 である.
算1表 家畜の検査例数
怖 い力羊』紆羊
地 区 牛
20
3
23 34
44
78 85
108 早 25
諌
︹ノ
︼
11
惰︸昆 4917−31一.■.
Ⅰ牛のLept.感劉夫況
牛に就いて地区別に感染状況をみるに,節2表にみ る如く,昆臨諌軌大村,島原の4市及び東彼杵郡 にては1例の陽性例もなく,北高来郡にて14例中1例
〔7−1%,Lept1.hebdomadi−〕,南高来抑こて12例中 1例〔81.3フる,Lept・icterohaemorrhagiae〕,西彼杵郡 にて76例中5例(6.7‰IJePt■icterohaemorr−
節 2表 牛 の 地 区 別 感 染 状 況
地 区 検査例数 長崎市 11 諌早市 6 大村市 1 島原市 1 東彼杵郡 2 北高来郡 14 南高来郡 12 西彼杵郡 76 五 島 5 不 明
計
9
13了
陽性例数 L・icter■
L
L.autum.L.hebd.L.all−t.A
1
3 1
1
2 0
0
0
0
0
1〔7.1ヲ右〕
1〔8.3%〕 1 5〔6.7%〕 1
1〔201.0%〕
2〔22.2ヲ右〕
1D〔フ■3ヲ叫 2 0 了 1
IJ1.pyrO.
l
L.canl.
卜++ ‥
℃ 巳 ℃
島崎及び諌早地区に於ける家畜のレプトスピラ抗体保有状況 125 hagiael例,Lept_ hebdomadi− 3例,Lept・
australi−Al例〕,五島にて5例中1例(20.0乳 IJePt.hebdomadi−〕,生産地不明のもの9例中2例
(22.27右,Lept− hebdomadis)が陽性であり,
137例中10例(7.3%〕に Lep七・の感染が認められ,
感染原 Lept.の碑軒別にみるに,Lept・ic十eroha−
emorrhagiae2軌 Lept・hebdomadi−7例,Lept・
au−tralis Al例にて,Lept・hebdomadi−に感染し たものが最も多い.
年令別に感染状況をみるに,節3衷の如く,3年未 満のものに1例の敵性例もなく,3才のもの17例中1 例(5.9%〕,4才のもの20例中1例(5.0ヲ砧 5才の もの34例中2例(51.9ヲ右上 6才のもの44例中6例
〔131.即右)が陽性にして,3〜6才の問にLept・の感 染がみられ,而も6才のものにて陽性率は最も高い℃
節3表 牛の年令別感染率
年 令 検査例数 陽性例数 1′)2年 3
2%)3 6
3%)4
4′、ノ5
5′)6
6(一
)%Vフ
了
不 明
17
20
34
44
13
5
計 137
0
0
1
1
2
0
0
5
(%)1.9
5.05.9
6 13.6
≡』−『「㌃
10 7.3
性別に感染状況をみるに,第4真の如く,牡7例中 2例(28.6%〕,中性92例中5例(51.4%〕,牝32例中 3例〔9_4%)が陽性で,牡の感染するものが比較的 多い.
罪4裏 年の性別感染率
性 別
牡 中 性
牝 不 明
計
検査例数
7
陽性例数
2
92
32
6
137
5
3
% 2B.6
51.4
10i7・3
(9.4)
Ⅱ 豚のLept.感染状況
豚に就いて地区別に感染状況をみるに,罪5表の如 く,長崎市,北高来郡及び南高来郡にてほ陽性例な く,諌早市にて22例中3例(13−6%,Lept・ictero−
haem℃rrhagiael例,Lept.hebdomadi− 1例 Lept.pyrogene−1例),西彼杵郡にて65例中2例
〔3−1%,Lept.icterohaemorrhagiae〕,蛙産地不明 のもの53例中5例〔9.4%Lept・icterohaemorrhagiae 2例,Lept.autumnali− 2例,Lept・hebdomadi−
1例)が第性であり,194例中10例(5.2%〕にLept・
の感染が認められ,感染原 Lept_の種類ほ,Lept−
icterohaemorrhagiTle 5例,Lept・autt.mnali−
2例,Lept・hebdomadis 2例,Lept・PyrOgene−
1例にして,Lept・icterohaemorrhagiaeによる感染 が最も多い.
罪 5 表 腰 の 地 区 別 感 染 状 況
地 区 検査例数 長崎市
諌早市 北高来郡 南高来郡 西彼杵郡 不 明
計
『
33
22
9
陽性例数 L.icter1. L.autum− L.hebd1. L.au−t.A L.pyro. L.cani1.
0
3〔131.6%〕
0 120 652〔3・1%〕
535〔9_4%〕
194LlO〔5「2チ右〕
1
2
2
5
1
2 1
2 2 0
1
1 0
126 吉田静磨 一 西田公一・山根孝夫 年令別に発吐状況をみるに,罪6表の如く,6ケ月
未満のもの40例巾1例の陽性例もなく,7〜12ケ月の もの46例中3例〔6.即右〕,1才のもの42例中1例
〔2_4%〕,2才のもの15例中1例〔6_ファ右〕が陽性であ る。
節6表 腰の年令別感染率
年 令 検査例数
1〜6ケ月 (、)40
陽性例数 %
1
0 0
フ〜12ケ月 46 1〜2 年岳 42 2〜3 年. 15
l
不 明! (l)51 計 1 194
3 . 6.5 1. 2 4 1 (1)6z7
5 9.8
 ̄ ̄ ̄l
10・ (1)5.2
什別では牝19例中1例(51.3%〕,牝83例王【r_15例
〔61.0%),中性90例中4例(4.4ワノ右)が陸抑I二であり,
両性の間に有意の差があるとは思われない。
貨7衷 腰の性別感染率
% 35
4
∩
︺ 4 仁 U
∩︺つム
︻h
︺
陽性例数
(1
)
4− 01
0
数
−‖‖‖﹂伊査検
﹂ロ〃
一 一
行L
19
09
3
︹
∠
■
4
819
一
︼
. 一 r
一 F
﹂
−
■
■
■
一 一 戸 ト
+■
仲 明 牡 牝‖
Ⅲ ■不
一口
Ⅱ 山守及び緬ギのLep七.感染状況
山芋に就いて地区別に感染状況をみるに,卯8表の 如く,長崎,諌早,大村の3市及び東彼杵,北高来の 両郡にては1例の陽性もなく,西独杵郡にて24例巾1 例〔Lept・PyrOgene−〕仁牡産地不明のもの1∈脚」巾1 例〔Lept・icterohacmorrhagiae二)がl射/巨にして,7E例
[【L12例〔2.6プる)にLept・の感染が認められ,Lept・
icterohaemorrhaglae によるもの1脚, Lept4 pyr仁唱ene一によるもの1例であり,年令並びに凹別 による感染率の比較枚討は節9表,節10表にみる如 く,陽性例数が余りにも少いので不可能である。
欝 8 表 山羊の二地区別感染状況
L
(ter.).aut.m_iIJ.h。bd_至L.a.−t.AL.pyro∴L1. Cani.
馴奇市_壷 21 諌早市室 4 大村市; 2 東彼杵郡 4 北高来郡
西彼杵郡
50 0
0
0
0
24 1 不 明 = 18
」−____山_■一l仙++
計 (ゴ)78
1
2〔2.即右〕
し
l
1
1
≡__肌皿L
−ト劃川
1
1 岳
l
∴______▲__.....▲ ▲ .
又緬羊に就いても罪11表にみる如く,23例巾1例 而も牲産地は不明であり,地区肌年令札付州こ就
〔41.3%)のみがLe‡〕t・a−t−mnali− に院津=こして, いて比楷検討することば出来ない.
長崎及び諌早地区に於ける家畜のレプトスピラ抗体保有状況 127
罪9義 山芋の年令別感染率
年 令 検査例数
〜1年 10
1%〜2 31
2%}3 2
3へ%4 6
4%V5 3
5′)6 2
6%V7 2
不 明 22 計 78
陽性例数
1
1
2
罪10表 山羊の性別感染率
性 別 検査例数 牡 ∃ 29 中 性 1 牝 32 不 明 16 計 『 78
陽性例数
0
0
1
1
2
罪11表 緬 羊 の 地 区 別 感 染 状 況
地 区 検査例数 陽性例数 L.icter.L.autum− L.hebd.L.aust.A L1. PyrO・
]
L.canl.
長崎市 2 諌早市 7 北高来郡 2 西彼杵郡 2 不 明 10
計 23
0
0
0
0
1
1〔4■3%〕i O l(1) 0 ℃ 0 ℃
総括並びに考案
レプトスピラ病が人のみでなく,人と日常関係の深 い家畜類の疾患であり,これらの家畜が多数Lept・
に感染していることば人がLept・に感染する機会も 亦それだけ多いことを物語り,然もこれらの悍患動物 が人えの感染源となることが明かにされてより,家畜 類のレブースピラ病が公衆衛生上の問題となり,これ ら家畜類のLept1.感染状況に就いての検索が各地に於 いて行われている.
著者等の成績ほ長崎県下でもほんの一部である諌早 及び長崎両屠殺場に於いて屠殺されたものに就いての 検索であり,地区的にも諌早市,長崎市,北高来郡,
及び西彼杵郡と大村市,東彼杵郡,島原市,南高来郡 及び五島の一部に限られている.
被検例数は罪12表にみる如く,牛137例,豚194例,
山羊78例,緬羊23例にして‥馴ま僅か1例にすぎず,
而も −chiiffner−Mochtar凝集溶菌反応は陰性であ った.検索したものa二)中で −chtiffner−M℃Chtar 凝 集溶菌反応陽性は牛10例〔7_3チ拍,豚10例(51.2%〕,
山羊2例(2.印右〕,緬芋1例(4.3%〕,であり,総数 432例中23例(5.2チ右)陽性であって,4種の家畜の中 では牛の感染率がやゝ高いようであり,これはこれら の中で牛のみが農耕に使役されて,水田等に於ける感 染の機会が多いためかとも考えられる.
感染原Lept.の種類ほLept.icterohaemorrhagiae 8例,Lept・autumnali− 3例,Lept・hebd口m−
adis9例,Lept・a−Stralis Al例及び Lep七1.Py−
r℃gene−2例の5種にして,Leptthebdomadis及び icterohaem℃rrhagiaeによるものが多く,他の地方で ほLept.canicolaによるものが認められているに拘ら ず我々の成績では1例も見出されなかった・このこと
128 吉田静磨 _ 西田公一・山根孝夫 第12表 各 種 動 物 の 感 染 状 況
動 物 検査例数 第性例数 L.icter. L.autum.L。hebd.L.au−t.Ar L.pyro.
牛 腰 山 羊 緬 羊
計
137 194
78 23 432
1弼ブ.3%〕 2 10(51.2%〕 5 2〔2.即石〕 1 ユ〔4.3%〕
23(5.3%〕 8 L
(」).cani.
1
1 フ1 1
2 2
1
3 9 1 2 0
ほ長崎県 ̄Fに於いてLep七・Canicolaによる感染がそ の好宿主たる犬に認められているのみで,人ではその 存在が報告されていないだけにうなづけられる問題で ほないかと思う。然るに Lept.pyrog■ene−による感 染は人でほ未だ証明されていないので,2例のLept1.
pyro酢ne一 による家畜の感染は,疫学的に興味ある 問題でありz 今後更に検討を必要とする.
地区別の感染状況ほ第13表にみる如く,昆崎市6フ例,
大村市3例音 島原市1ヰ札 束彼杵郡6例の中では1例 の陽性もない。来校披郡ほ披佐見熟の存在する所にし て,この郡の家畜にほ可成りの程度にLeptzの授産 を予想していたのであるが,1例の陽性例もなかっ
た.これは例数が少く又果して波佐見地方の動物であ るか否かも不明であるので,波佐見地方に於ける家畜 のLept1.浸淫状況に就いての調査は今後の研究に傑た ねばならない.諌早市では39例中3例(7_7%〕,北高 来郡では30例中1例(3_3%〕ナ 南高来郡では24例中1 例〔4_2チ昌〕,西彼杵郡では167例中8軌〔4.8%〕,五島で は5例中1例(20.岬昌〕が陽性にして,これにより家 畜のレプトスピラ病の分布の状態が凡そ推定される.
次に各動物の感染率,菌種,年令別,性別に就いて 考察するに,坪崎等は高知県の屠殺頓に就いて取扱っ た牛583例の中−chtiffner−Mochtar凝集溶菌反応80 倍以上を陽性とすれば,80例(13.6チ昌〕が陽性であ
第13表 地 区 別 感 染 状 況
地 区
昆橋市 諌早市 大村市 島原市 電彼杵郡 北高来郡 南高来郡 西彼杵郡 五 島 不 明
計
陽
(検査例数)性例数]L・icteriIJ・autum・LL・hebd・iLau−t.AL1.PyrO・」L・Cani
1
1
3
3
8
1
1
3
1i 1
3 3
3 9 1
1
1
2 0 6了 0
39 3〔7.7%)
3 0
1 0
6 0
30 1〔3.3チ右〕
24 1〔4.2チ晶〕
16ブ 8〔4.8ア損 5 ユ〔20.0チ昌〕
90 9( 10.岬右〕
432 23〔5.3ヲ右〕
長崎及び諌早地区に於ける家畜のレプトスピラ抗体保有状況 129 り,矢野は福岡市の屠殺場に於いて取扱った牛369例
中100倍以上を陽性とすれば35例(9.5フ右)が陽性であ り,又梁川等は我が国各地より第められた血清に就い て300倍以上を陽性とすれば1621例中263例〔161.2%〕
がⅠ第性であったと云う.血清反応術式には色々あるが,
現今国際的に広く用いられているのは −cb扇fner1.
M℃Chtar 凝集溶菌反応であり,その諫性限界に就い ても人により異っているが,著者等ほ一応1℃0倍以上 の終末凝集溶菌価を有するものを以って陽性とすれば,
牛では7.3%の感染にして他の報告者の成績に出して 必ずしも高いとは思われず,寧ろ歩い傾向が認められ る.感染原Lept.の菌種はLept■icter0haemorrh−
agiaze,hebdomadis及びau−trali−Aの3樺にして,
Lept.hebdomadi−によるものが最も多く,Lept.
au−trali−Aによるものは他の動物には認められず,
特にのみ1例語められているにすぎない.梁川等は
Lept−icterohaem℃rrhaglae,autumnalj−,hebd℃−
madi−,au−trali−A及びjavanicaの5程のLept1.
を証明しているが,著者等ほ Lept・javanica を抗 原として用いていないので,島崎県下に果してLept・
javanicaによる感染が有るかどうか不明である.
年令別にほ年令の増加するにつれて陽性率の高まるの は当然であり,性別でほ牡の方が牝に比して感染率が 高い傾向が認められるが,矢野ほ牡と牝の問に推計学 的に有意の差は認められなかったと述べている.
陳ほ5.2%の感染率にして,OE・ADAは4.2チ左,坪崎 等は高知県にて221.4チ右,中谷も同地にて16.2チ左,操等 は九州にて3.即右,矢野は福岡にて3.0チ右と報告してお り,陣の感染率は高知県にてやゝ高い傾向が認められ るがナ 九州に於ける操等の成績と著者等の成績は近似 L%ている.感染原 Lep七_ の種類ほ Lept・ictero−
haemorrhagiae,autumnaJlis,hebdomadi− 及び Pyr℃gene− の4種にして,牛と異りIJePt・icter℃q haemorrhagiae によるものが最も多い.先人の宰臣告 ではその外にLeptz pomona及びCanic℃1aによる ものを証明しており,OKA一〕Aは揮はLept・POm℃n
の宿主として重要であると述べている.著者等ほ Lept.pomonaを抗原として用いなかったのでLept・
pomona によるものの有無は不明であり,Lept・
Canicolaによるものはl例もない.Lept・PyrOgene一 による陳の感染は坪崎等が高知県に於いて証明してい る.年令別た6ケ月未満のものに陽性ほ1例もなくI 性別では有意の差が認められないのは先人の報告とほ
ゞ同様である.
山羊は2.即右,緬羊は23例中1例の感染であり■,感 染原Lept.はLept.icterohaemorrhagiae− aut−
−mnalis及びPyr℃gene−の3種である.緬羊に関 する報告は少く,梁川は79例中2例が陽性で Lept・
icterohacmorrhagiae によるものであったと述べて いる.緬羊は牛,豚と異り屠殺されるものが少かった ので,之に就いての検討は将来にゆずる・
結 語
長崎県下に於けるレプトスピラ病発生分布に関する 研究の一環として,人の日常生活と深い関係にある家 畜の中軋月乱山羊及び緬羊に就いて Lept・感染状 況を調査検索したのであるが,諌早及び長崎両屠殺場 に於いて屠殺された牛137例中10例〔■了.3%〕,陳194例 中10例(上∋.2ヲ右)山羊78例中2例(2−6%〕,緬羊23例 中1例(41.37i,)がtScbiiffner−Mochtar凝集溶菌反 応に第性にして,認められたLept・の種類ほLept・
icterohaemorrhaglae,autumnalis,hebdomadi−,
au−trali一・A及び PyrOgene−の5種にして Lept1.
canicola によるものほ見出されなかった.尚 Lept・
PyrOgene一 によるものは昆崎県下の人のレプトスピ ラ病に認められていないだけに今後更に検討すべき問 題ではないかと考えている.
年令別には牛及び腰に於いて年令の増加と共に感染 率の高まる傾向があり,性別では牛にて牡が牝に比し て感染率の高い傾向が認められ,陣にては有意の差が 認められなかった.締羊では陽性例が少いので比較検 討出来なかった.
参 考 文 献
1)rIlaken0r畳℃kada:Bulletin of Univer−ityof O−akaPrefecture−erieSB,Vo18,1858,3g〜42
2)℃− GSell Lepto−PlrO−en;二Medizinischen Verlag■Haa−H−ber,Bern,1鮎之_
3)W.]Rimpau:Die Lept℃−Plr℃−en,Urban
& −chuarzenberg,Mtichen−Bern,195℃・
4)坪崎治男外5名=レプトスピラの感染源に関する 研究,牛におけるレプトピスラの分布について,日
本細菌学維詩12(4):4第昭32.
130 吉田静磨 一 西田公一 ■ 山根孝夫 5)岩科帥治外2名:家畜のレプトスピラ症に関する
研究 SM二反応による怖血清の調査 日木組歯学雑誌10〔7〕;604,旺31中 6〕梁川良外2名:牛 Lep七0−Pira病に関する研究
日本獣医師会雑誌 日〔9〕:421〜426,暇30。
7)山本情太郎タほ名:レプトスピラに関する研究
〔節4報)日本における牛のレブースピラ柄に就て 日本細菌学雑誌 6(3〕:175,相5王_
8)渡辺守校外9名:日本に於ける牛のLepto−Piro−i−
に関する研究 日永細菌学雑誌6〔3〕:175,1951,
9〕操担道外5名:レプトスピラ病の疫学についての 観察福岡医学椎誌 42(7):185,昭31。
10〕東野 隆:レプトスピラの分布に関する研究 福間医学拙誌 40(10):1622〜1633,昭32。
11)山本情太郎:Lepto−piraに関する研究 日新医学
41(9):46B〜477,昭29■
12)旗藤正彦,富田静癖:昆崎県下の秋季レプトスピ ラ病分布調査補遺続報,長崎医学会雑誌28(9):
945%V951,1953・
13〕吉田静第 西田且−:長崎市に於ける野犬の LeptospiTa抗体保有率に就いて,長崎医学会雑誌30
(11):1485〜1490,1955。
Summary
A
serological investigation, using Schuffner-Mochtar's agglutination lysis test, into the state of infection with leptospirae of some domestic animals butchered in slaughterhouses
was exercised in Nagasaki city, from July to September 1959, and in Isahaya city, from April 1958 to March 1959. A positive reaction was obtained in 10 out of 137 head of cattle (7.3%), in 10 out of 194 head of swine (5.2%), in 2 out of 78 head of goat
(2.6%), and in 1 out of 23 head of sheep (4.3%). Leptospiral species which gave a
positive reation in the test were icterohaemorrhagiae in 8 cases (34.8%), autumnalis in 3 cases (13.0%), hebdomadis in 9 cases (39.1%), australis A in one case (4.3%), and pyrogenes in 2 cases (8.7%). There was no case of canicola to be witnessed. (Authors)
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