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r ne r st oRe c o n s t r uc t o f Th i nk i n g

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Academic year: 2021

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(1)

読みの伝え合いを重視した小学校文学教材の学習指 導:消極的な学習者への思考再構成の支援の有効性 について

著者 折川 司

雑誌名 金沢大学教育学部紀要.教育科学編

55

ページ 43‑47

発行年 2006‑02‑28

URL http://hdl.handle.net/2297/6270

(2)

読みの伝 え合いを重視 した小学校文学教材 の学習指導

‑消極的な学習者‑の思考再構成の支援の有効性 について‑

I mp r o v e me n t o f Li t e r a t u r eI n s t r u c t i o nt oAc t i v a t eI n t e r a c t i o no f Le a r n e r s ' o p n1 ●● 0 n S : Th eEf fe c t o f S u p p o r t i v eDi r e c t io n s f o rPa s s i v e ea

L

r ne r st oRe c o n s t r uc t o f Th i nk i n g

TsukasaORIKAWA

1 は じめに

対話や 「相互交流と言 われ るものは, 従来,国語科学習指導の様 々な場面に導入 され, 活用 されてきた。1998年に告示 された学習指導 要領に,国語科の学習指導 における核 となる概 念 として 「伝え合 う力」 とい う言葉が示 された ことによって,対話的実践が一層重視 され るよ うになった。 こ うした中,各教室においては, 伝 え合い活動を組み込んだ様 々な実践が積み重 ね られている。

しか し,た とえ伝 え合い活動を導入 した とし て も, 口頭での即時的なや りとりに対 して消極 的な学習者 には,伝 え合いの効果が十分現れな いのではないか とい う懸念がある。

そこで本稿においては,文学的文章教材の学 習指導における 「変容」 とい う伝 え合い効果に 焦点を定め,伝 え合いに対 して消極的な学習者 が 「変容」するための方略 を授業論の視点か ら 示 し,その有効性 を事例分析 によって確認 して い く。

2 伝 え合いの導入によって期待できる効果 教育課程審議会の答 申が示 された 1998年 7 29日か らの3年間に発行 された雑誌『教育科 学国語教育『実践国語研究』を対象に先行研究 を整理す ると,伝 え合いの学習効果は大き く次 の三種類 に分類できる1)

①変容

認識 を拡げ深めた り,新たな思考を生み 出 した りできる。

②共生 ・相互理解

よ り良い人間関係 を築 くことができる。

③言語能力の育成

日常生活 に生 きる言語運用 の力が育成 できる。

これ らは どれ も重要な ものばか りであるが, 思考力や創造力の育成 にあたっては特に「変容」

とい う効果 を軽視す ることはできない。

小 田辿夫は,伝 え合いを 「何かをつ くり出 し てい く」行為,つま り思考や認識 に揺 らぎを与 え,変容 を引き起 こす行為 として位置づけ,吹 のよ うに述べている。

所有する思想,意見,情報な どをお互いに伝 え合 って,共有物にす るとい うだけでな く, 相手 が伝 える ものを 自分が伝 える もの とつ

きあわせ,新 しい思考内容 を創 りだ してい く。

その よ うな対話活動が営 まれ る指導 を 目指 すのである。それは思考創造の活動である。

2)

これは,伝 え合いを単なる分かち合いに とど めず,異言語混交のよ うに新 しい思考を創 り出 す生産的 ・創造的な営み として授業の中で成立

平成17年 930日受理

(3)

44 金沢大学教育学部紀要 (教育科学編) 55 平成17

させていく必要があるとい うことであろ う。

甲斐睦朗もまた,伝え合いのもつ生産的な性 質について次のように述べている。

日本が国際化の道をたどっている,あるいは 情報化の道を進んでいる。また,人口も都市 に集中する。そのことからい うと,「伝え合 う」,あるいは 「相互伝達は, 自分の思い や考えを人に伝え,相手の言 うことを聞き, 考えをより合わせることによって,何かをつ

くり出 していく。あるいは自分を磨いていく。

そ うい う能力を育てていこうとい うのが,新 しい指導要領の根本だ と思っているわけで す。3)

国際化や情報化 といった現代 日本の有 り様を ふまえ,こうした社会をよりよく生きていくた めには,伝え合いにおいて他者 と考えをより合 わせ,新 しい思考を生み出 していくことが必要

となっているとい うことであろ う。

小 田や 甲斐 らが指摘す る 「変容の効果 を 狙って伝え合いを導入 している事例は,本稿に おいて対象化する文学的文章教材の学習指導に は多く見られる。それは,文学的文章教材の学 習指導の方向性の一つに 「読みを深めていく」

とい うベク トルがあ り,そこでは学習者が どう 考え,読みがどう変わっていくか とい うことを 中心的に扱っていくからである。

しか し,教材の読みを深めていく学習活動に 伝え合いを導入 しても,一部の消極的な学習者 が口頭での思考のや りとりを十分行わず,受動 的な姿勢を崩 さなかった場合,この学習者は生 産的な形で読みを変容 させることができるので あろ うか。

3お知恵拝借的な伝え合いにおける思考の再 構成

(1)変容が引き出される伝え合い‑の転換 中岡成文は,対話が ともすると事なかれ主義 にもとづ く安易な妥協や打算的な同調,お知恵

拝借的な行為に陥って しま うことを指摘 し,「 たす ら他 と融和すればよいとい うものではない。

各 自の思想的根拠が溶解すれば,対話そのもの が生気 も意味も失って しま うと,対話的実践 そのものが非生産的なものとな り,存在意義を 薄れ させて しま うことを危倶 している4)0

確かに,教師のように熟達 した他者や制圧力 のある他者が学習活動を強い力でコン トロール した場合,学習者たちの開かれた対話活動は押 さえつけられて しまい,教師や一部の優れた学 習者が発するモ ノローグ‑の融和 と同調の連続 になって しま う。 これでは,たとえ文学的文章 教材の学習において読みの 「変容があったと しても,それは学習者一人ひとりによって導き 出されたものではなく,「教える‑教えられる」

とい う関係の中でもたらされたネガテ ィブな変 容で しかない。

複数の他者のいる,こうしたモノローグでは なく,生産的な変容が引き出され る本当の意味 での伝え合い (ダイアローグ)が求められてい るのである。

(2)思考を再構成するステ ップを織 り込む 授業論の視点か ら考えた場合,変容を引き出 す伝え合い‑の転換は 「思考を再構成す る テ ップを学習過程に丁寧に織 り込んでいくこと によって実現 させることができるであろ う。一 見お知恵拝借的な伝え合いであっても,そこで 得た思考を学習者が自らの内面で対象化 し,帆 曝 し,再構成する5)機会を設けてい く。そ うす ることによって,伝え合いによって得たものを 学習者 自身が自分にとってどのような意味があ るかを考 え, 自分の思考に合わせて一貫性 を もった新たな思考‑ と変換することができるか らである。

次に,文学的文章教材の学習指導における事 例を取 り上げ,伝え合い‑の消極的参加者の一 人であった学習者Yの読みの過程を分析 してい く。そ して,思考を再構成するステ ップを導 入する前 と後では,教材の読みにどのような差

(4)

が見 られるかとい う比較検討 を試みたい。

4消極的な伝え合い参加者Yの事例分析 (l)他者の読みを流用で完結す る学習者Yの伝

え合い

1は,小学校5年生を対象 とした文学的文 章教材 (椎名誠 「ヤ ドカ リ探検隊平成8年度 版光村図書五年上)の読みの授業において,学 習者Yが行った伝え合いを整理 したものである。

軌みの着眼点を決める

払みの着眼点)守にとって.どんな=E)闇だったのだろう.

自分なりの読みを生成する 着眼点に対するく自分の考え①)

免人島で<らすの まはじめてだから,楽u/1二日間だった と思う。

他の学習者と読みを伝え合 う 今までの生活 とはち がう。電気もおふろもな いってかいである。だか ら不安だった。

ASさん】

たった三人 しかいな いから,こわかったんじ ゃないれ 何がおきても たすけに来なH.

lT.Hくん】

守は自然のすぼ らし さに気づいて.また来年 も来たいと思ったん じ ゃないれ

AHさん】

むちゆうでヤ ドカ リ をおいかけた り,イソギ ンチャクをあきずに見 ていた りしているうち に不安がなくなってい る。

lT.Hくん

学習者Yは,「守にとって,どんな二 日間だっ たのだろ うとい う読みの着眼点を設定 し,そ の着眼点に対する読みを (自分の考え①) とし て書き出 している。

Yは,自分な りの読み として 「無人島で暮 ら すのは初めてだか ら,楽 しい二 日間だった と思 」とい う考えを提示 している。確かに作中に 登場す る少年たちは,無人島でのキャンプを楽 しみ,「またやってみたいと感 じている。しか し,そ うした意識に至るまでに,少年たちは様々 な不安や感動を経験 してお り,そ うい う経験が

あったか らこそ,無人島で過 ごした時間のすぼ らしさや少年たちの成長が引き出 され, 「また キャンプ したい」 とい う思いに結びついたので ある。そ う考えると,少年たちの認識の変化や 成長に関す る記述がない学習者Yの読みには質 的にも量的にも物足 りな さを覚えて しま う。

そ こで,学習者たちの思考に揺 らぎを生 じさ せ,読みを深めさせるために,教師は次のステ ッ プにおいて伝 え合いを導入 している。学習者Y も (自分の考え①)をもとに して,四名の学習 者 と,一対一の 口頭での伝 え合い行 っている.

そ して,心に残 った他者の読み として,図 1に 整理 した四つの読みを自分のワークシー トに記 録 している。

ここにおいて確認 しておきたいことは,学習 者Yは,その他の多 くの学習者 と,伝 え合いの 取 り組み方において違いがあった とい うことで ある。多 くの学習者は積極的に思考をや りとり する中で他者 との共同作業 として新たな思考を 即時的に構築 していっているが,学習者Yの場 合,他者の考えを聞き受 けることに終始 してお り (そ うした実態がYを抽出 した理由であるの だが),互いの思考に刺激 を与えるような指摘や 確認の発言は見 られない。学習者Yは領きゃ表 情によって反応 を示 していたに過 ぎず,つま り 中岡のい うお知恵拝借的な受動的参加者であっ た といえる。

そ こで,伝 え合いを終えた時点で,学習者Y に実験的に立ち止ま りさせ,伝え合い後の読み が どのよ うなものになっているかを確かめてみ た。つま り,「思考を再構成するステ ップを踏 む前の読みの確認である。

す ると,学習者Yは次のような読みを持って いることが明 らかになった。

無人島で くらすのはは じめてだか ら,楽 し い二 日間だった と思 う。けど,たった三人 し かいないか ら,最初はかな りこわかった と思 う。今までの生活 とは全然ちが うのだか ら, 何がおきて もたすけにきてくれない。でもヤ

(5)

46 金沢大学教育学部紀要 (教育科学編) 55 平成17

ドカ リやイ ソギンチャクな どの無人島の 自 然に出会ってすぼらしさに気がついたか ら, 楽 しくなったんだ と思 う。

Yの読みは,先の (自分の考え①)に比べて, 質的にも量的にも改善されてお り,大きな変容 を確認することができる。物語に登場する少年 たちの意識が自然 とふれ合 うことで変化 し,楽 しいとい う思いを抱 くに至ったこと‑の気づき も記述 されている。

□三人 しかいないから,かな りこわかった。

□今までの生活 とは全然ちが う。

□だれ もたすけにきてくれない。

ロヤ ドカ リやイ ソギンチャク

ロ自然に出会ってすぼらしさに気がついた

とい う部分は,中岡の危倶する通 り,他者の読 みをほぼそのまま流用 した形 となってお り,そ のため 「教える一教えられるとい う関係から 導き出されたネガティブな変容で しかないと厳

しい評価を下す こともできる。

文学的文章教材 の学習指導において伝 え合 いを行っても,学習者が読みを変容 させない, もしくは,Yの事例のように他者からのお知恵 拝借的な変容に満足 して しま うとい うことは, 実はさして珍 しいことではない。

(2)遂行役 とモニター役のいる相互交流 三宅なはみは,お互いに違いがないと相互作 用は起きないとい う交流の前提条件に対 して,

「 1

人が当た り前だと思っていることが,相手 にとっては当た り前ではないとい う状況を越 えて認識や思考をや りとりすることが実は大変 なことであるとい う認識 を示 している。そ して,

私の知っていることを出す,あなたの知っ ていることを出す,その知っていること同士 をインターラク トさせるとい うことはむず か しいけれ ども,そ うではないような形のイ

ンタ‑ラク シ ョンがあるのではないか.

と述べ,そ うした一つの例 として,課題 を遂行 する役 とモニターする役に分担 された相互交流 の可能性 を指摘 している6)0

三宅は,航空管制官のシミュレーターゲーム の事例を示 し,ゲームの参加者に仕事を均一に 分けた場合 よりも,一人が中心的に課題 を遂行 し,もう一人がそれをモニターするとい う形の 方が成果を上げることができるとい う報告をし ている。そ して,こうした遂行役 とモニター役 に分かれた交流が,実は身の回 りの 「あちこち にあると述べている7)0

三宅の研 究報告 をふまえて学習者Yの行為 をとらえ直す と,他の学習者の読みを聞き受け, それに対 して領きゃ表情 (もしくは短い言葉) で反応 し,それによって相手のコメン トを控え めにコン トロールする 「消極的モニターの役 割をYが果た していた と考えることができる。

たとえば,ワークシー トにはA.H.は 「守は自 然のすぼらしさに気づいて,また来年 も来たい と思ったん じゃないか。」とい う読みを示 したこ とだけが記録 されているが,口頭では,その直 後に,「自然のすぼらしさかあ。」Yが短 く応 答 している。こうした応答が,「積極的なとは 言えないまでも一応のモニタリング機能をもっ ていると判断す ることができる。なぜなら,Y の応答が,自然の素晴 らしさに関す るさらなる 読みを暗に要求 し,その場にいた でH.に 「 ちゅ うでヤ ドカ リをおいかけた り,イ ソギン チャクをあきずに見ていた りとい う読みを引 き出させていったからである。 さらに 「知 らな い うちに不安がなくなっているとい う新たな 視点までも浮かび上が らせているか らである。

(3)消極的モニ ター を変容 させ る再構成 のス テ ップ

三宅の事例 において二人の被験者が共同で 成果をあげることができたのは,遂行役が,も う一方の参加者のモニタリングによって自らの

(6)

活動を制御 した り,活動の意味を頭の中です ぐ さま再構成 した りす ることができたか らである。

学習者Yが取 り組 んでい る文学的文章教材 の読みの学習の場合,一人ひ とりが読みの課題 をもっているため,他者か ら提示 された読みを Y自身が再構成す る機会を教師が確実に設定 し てい く必要がある。 とい うのは,い くらYが他 者か ら読みを受け取っても,また他者の読みを モニター して別の読みを引き出 しても,それ ら を再構成 し,自分 自身に引きつけて生産的に深 化変容 させなければ,お知恵拝借的な学びか ら 脱却す ることはできないか らである。

2は,学習者Yの学習展開の続 きである。

伝 え合いが終わった後,教師はYに対 して,他 者の読みをもとに考えたことをコメン トす るよ うに指示を出 している。再構成の前に,まず, 他者の読みを岨曝 し,それを 目に見える形で記 録する場を設けよ うとしたのである。

他の学習者の臨み 今までの生活 とはち が う。電気もおふろもな いってかいてある。だか

ら不安だった。

ASさん】

たった三人 しかいな いから.こわかったん じ ゃない如 何がおきても たすけに来なしヽ

托 H くん】

守は 自然のすぼ らし さに気づいて.また来年 も来たい と思ったん じ ゃないれ

AH さん】

むちゆうでヤ ドカ リ をおいかけた り,イソギ ンチャクをあきずに見 ていた りしている うち に不安がなくなってい る。

lT.Hくん

学習者rのコメント でも.テ レビや屯気は ないけど,たくさんの星 があって,すごくおもし ろくなった。

ヤ ドカ リにはげまさ れて,元気づけられて楽

しくなった。

二日間のはじめは.長 いと思ったと思 うけど, 最ごには,短いなと思っ たと思 う。

tH くんがい うよ う に,守自身が不安を消 し たん じゃなくて.無人島 にいる自然 (いきもの) が消 しさってくれた。無 人島の 自然にたす け ら

2を見 ると,

今までの生活 とはちが う○電気もおふろもないつて かいてあるoだか ら不安だった

とい うA.S.の読みに対 してYが, でも,テ レビや電気はないけど,た くさ

んの星が あって,す ごくお もし

ろくなったo とい う気づ きをメモ して

い ることが分か る

A.S.の読みを受 けて,登場

人物の少年たちが不 安の中にも次第に無人島に

いる寂 しさを忘れて いった とい う読みを新たに提示 し

ている。

また,

むちゆうでヤ ドカ リをおいかけ

た り,イ ソギンチャ クをあきずに見ていた りして

いるうちに知 らない う ち

に不安がな くなっているo とい

うでH.の読みに対 しては, T.Hくんがい うよ う

に,守 自身が不安を消したん じゃなくて,無人島にい

る自然 (いきもの)が消 しさつ てくれ

た○無人島の 自然にたすけられたo とい う反応を示

している. この読みは,T.H. 読みを自

分の中で岨曝 し,その結果新たに生み 出 され た も

ので あるが,TH.‑ の コメン トと A.S.‑のコメン トとを総合す る形で提示 され

もの ととらえることもできよ う。他者の

読みを岨噴す るステ ップの後,読みを 再構成 し

,これ も目に見える形で残 してい く。

(自分の考え②

)の生成である。(自分の考え②) が生産的な変容 となっているとい うのは

,次の 比較 を見れば明 らかである。思考を再構成す るステ ップを踏む前の読み

一実験的な立ち止ま り‑】

無人島でくら

(7)

48 金沢大学教育学部紀要 (教育科学編) 55 平成17

だったと思う。けど,たった三人 しかいないから,最初 はかなりこわかったと思 う。今までの生活とは全然ち が うのだから,何がおきてもたすけにきてくれない。

でもヤ ドカリやイソギンチャクなどの無人島の旦塵 に出会ってすぼらしさに気がついたから,楽 しくなっ たんだと思 う。

【再構成す るステ ップを踏 んだ後 の読み

‑ (自分の考え②) ‑】

はじめ守はとても不安だったと思う。なぜなら,無人 島には三人しかいないし,なにがあってもだれもたす けてくれない。それに,今までの生活とはちが ラ無人 島では.何もかも自分たちでやらなければならないか ら。

,さいしょに考えていたように.はじめからずっ と楽しったわけではない。

も,ヤ ドカサや海にい

しらないうちに守の不 安をつぶ し

てしまった。

それ

に.守はいろんなけいけんをした。そして自然の す

ぼらしさや紫援茸に気がついた た来たいと思ったんじ

ゃないかな だから,来年も塞

※下線部は他者の読

みがそのまま流用されている部 分であり,網掛け部は他者の読みをふまえて生み出さ れた部分である。また,ゴシックのところは再構

成す る過程において新たに付け加えられた読み

となって お り,便宜的に区別 している。Y

の (自分の考 え② ) を読む と, 「最初 ,守 は不安

で一杯 だ った」とい うことと 「無人島の 自然が,

守の不安 を消 し去 って しまった」とい うこと

,そ して,「決 して最初 か ら楽 しかったわ けではな く,いろんな経験 を した ことによって, 自然 の素晴 ら しさや 楽 しさに気 がつ い てい っ たとい うことを発見 した ことが うかがえる。

単 に他者 の読 み を丸 ご と取 り入 れ , それ を

パ ッチ ワー クのよ うに繋 ぎ合わせてい くのでは な

く,他者 の読みに対 して 自分 な りの考 え も引 き

出 し,それ らを総合 し,文章 と して再構成 し てい

く。 こ うした

思考 を再構成す る」ステ ッ プを経 た ことに よって,学習者Yの読みは,最 初の 「無人島で くらす のは

は じめてだったか ら, 楽 しい二 日間だ った と思 う。」

と比べ て,深 ま り を もった読み‑ と変容 していってい

5以上の よ うに,本稿 においては,文学まとめ る。

的文章 教材 の学習指導 にお ける 「変容とい う伝 え合

い効果 に焦点 を定 め,伝 え合 いに対 して消極的 な学習

者 が 「変容」す るためには 「思考 の再構 成」とい う学びのステ ップが重要であ

る とい う こ とを示 して きた。伝 え合 い に対 して消極 的

な学 習者 で あ って も,他者 の読み に向き合 い,

それ を岨曝 し,再 構成 してい く場 を設 定す ることに よ

って,読み の生産的な変容

を引き出す ことがで きる。伝 え 合 いに よって得 た他者 の読み を, 自己の読み と

してそのまま流用 してい く 「お知恵拝借的な変 容

ら脱却す るこ とがで きるので ある。

注 および引用 ・参考

1整理の詳細とその分析については,文献 第97回

参照

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