• 検索結果がありません。

過渡流体近似法による移動無線パケット通信網の特 性解析

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "過渡流体近似法による移動無線パケット通信網の特 性解析"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

過渡流体近似法による移動無線パケット通信網の特 性解析

著者 椋本 介士

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 16

ページ 139‑141

発行年 1995‑03‑28

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1270

(2)

氏名・

(本

籍 )            士 (静 岡県 )

学 位 の 種 類    博    (工 学 )

学 位 記 番 号    工博乙第   50         ̲

学位授与の日付    平 成 5年 10月 5日

学位授与の要件    学位規則第 4条 第 2項 該当

学位論文題目     過渡流体近似法による移動無線パケッ ト通信網の特性解析

論文審査委 員    (委 員長

)

教 授 池 田 弘 明

教 授 宮 川 達 夫   教 授 堀 部 安 一 教 授   市 り │1  朗   教 授   福 田   明

論 文 内 容 の 要 旨

本論文では、ランダムアクセス方式を用いた陸上移動無線パケ ッ ト通信網 において、端末の移動に 関連 して生 じる

2つ

の大 きな問題、即 ち伝送路状態の時間変動 に関する問題 とゾーン構成の通信網 に関 す る問題 を扱 つている。 これらの問題 においては、システムの状態 を正確 に記述するために、各端末 の動作状態に加えて、その位置状態 をも考慮す る必要がある。そのため、これ らの問題の厳密な特性 解析 は極めて複雑なもの となる。そこで本論文では、そ うした複雑 なシステムの特性 を比較的容易に 解析することがで きる新 しい解析手法

(過

渡流体近似解析 )の 開発 も行 っている。

過渡流体近似解析の説明は、スロッ ト付 きアロハ システムを例 として行われる。ここでは、また、

従来か ら知 られているランダムアクセスシステムの代表的な解析手法、即 ち S― G解 析、マルコフ解析、

及び平衡点解析の紹介が行 われ、過渡流体近似解析 との比較が行われる。過渡流体近似解析 は、

1ス

ロッ ト毎の平均的なシステム状態の変化 を個 々の端末の状態遷移確率行列を用いて漸近的に求めて行

く手法であ り、スループッ ト、平均伝送遅れな どの定常特性は、漸近的に得 られるシステム状態ベク トルの極限値 を基に計算 される。 この極限値 は、ランダムアクセスシステムの特性 を考察する上で極 めて重要な意味 を持つ平衡点の

1つ

と一致することが示 され、過渡流体近似解析 により得 られる定常特 性が平衡点を基にシステムの特性解析 を行 う平衡点解析 による解析結果 と一致することが明 らか とな る。 さらに、スロッ ト付 きアロハシステムの過渡特性が、この過渡流体近似解析 を用いて求められる。

この解析結果は、マルコフ解析 による厳密な解析結果 と比較 され、近似誤差等の検討が行われる。そ の結果、過渡流体近似解析 による解析結果はスロツ ト付 きアロハシステムの過渡特性 をよく近似 して いることが示 される。 また、スロッ ト付 きアロハ システム以外のランダムアクセスシステムヘの過渡

‑139‑

(3)

流体近似解析の適用例は付録で示 されている。

この過渡流体近似解析 を用いて、本論文では、次に、端末の移動 により生 じる各端末 と局間の伝送 路状態の時間変化がスロ ッ ト付 きアロハシステムの特性 に与 える影響 を考察 している。従来のこの種 の研究では、各端末 と局間の伝送路モデルとして、無記憶伝送路モデルが仮定 されていた。 しか し、

端末の移動速度は、一般 にパケ ッ ト送信間隔に比べて緩慢であると考えられ、パケッ ト送信時点毎の 各端末の伝送路状態には、通常強い相関があるもの と考 えられる。そ こで本論文では、そうした記憶 のある伝送路の解析モデルとして、

3つ

の極端な状態 を持つマルコフ伝送路モデルを仮定 して過渡流体 近似解析 による特性解析 を行 つている。 この解析結果はシミュ レーション結果 と比較 され、その有用 性が確かめ られる。 また、シ ミュ レーションを用いた考察によ り、平均が同 じであれば各伝送路状態 での滞在時間の分布形の違いはスループッ ト特性 に対 してほとん ど影響 しないことが示 される。ここ では、また、

2つ

の特別な場合、即 ち各端末 と局間の伝送路状態 としてシャ ドー状態 と良好な状態のみ を仮定 した場合、及び各伝送路状態間の遷移確率が全て等 しい場 合、における時変伝送路の影響が解 析 され、その解析結果 を基に伝送路状態 の時間変化が システム特性 に与える基本的な影響が示 される。

また、そこで考察 された特徴は、一般的な状況下で も存在することが示 される。

次 に、より現実的な伝送路上でのスロッ ト付 きアロハシステムの特性 を考察するため、捕捉効果及 び雑音による伝送誤 りの影響 を考慮 した特性解析が行われる。 ここでは、各端末から送信 されたバケッ トの局における平均受信電力の大 きさが、その端末の位置によって変化するものと仮定 される。 また、

レイリーフェージングとガウス雑音の存在が仮定 され、受信電力の違いによる捕捉効果、及び雑音 に よる伝送誤 りの影響 を考慮 して過渡流体近似解析が行われる。その結果、端末位置による受信電力の 差が大 き。 な場合ほど端末の移動速度の影響が顕著であ り、移動速度が早 くなるにつれてスループ ッ ト が増加することなどが、定性的、定量的 に示 される。

最後に、端末の移動 に関連 した もう

1つ

の重要な問題 として、近年注 目されているゾーン構成の ス ロッ ト付 きアロハシステムについて考察が行われる。ゾーン構成のランダムアクセスシステムは、比 較的新 しい研究分野であ り、その基本的な特性の考察 も十分 には行 われていない。そこでここでは、

2つ

の基地局 を持つスロッ ト付 きアロハ システムを例 として、 S‐ G解 析 による静特性解析 t及 び過渡流

体近似解析による動特性解析 を行い、端末の移動速度やゾー ンの重 な り具合が システム特性 に与 える

基本的な影響 を考察する。

(4)

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

本論文では、ランダムアクセス方式 を用いた陸上移動無線パケッ ト通信網の特性解析が行われてい る。この分野では、パケッ ト衝突 に起因するランダムアクセス方式特有の問題 に加えて、次の

2点

が主 要な課題 となっている。即 ち、伝送路状態の時間変動 に関する問題 と端末のゾーン間移動 に関する間 題である。 しか し、そうした問題 に対する従来の研究では、パケ ット送信時点毎の端末位置の従属性 が考慮 されてお らず、端末の移動速度等の影響が不明確であつた。本論文では、各端末の位置状態の 変化をマルコフ連鎖で表すことにより、位置状態の従属性 を考慮 した特性解析が行われている。

各端末の状態 として動作状態の他に位置状態 を考慮 した場合、システムの状態は多次元のベク トル として表 されることになる。そのため、従来の手法ではそ うした複雑なシステムモデルの特性解析は 困難であった。この論文では、過渡流体近似解析 と呼ぶ新 しい解析手法を提案 し、近似解の導出を行っ ている。 この過渡流体近似解析法は、システムの平均的な動 きに着 目して導出 した漸化式を用いて数 値解 を求める巧妙な手法であるといえる。 また、この解析手法は、従来の手法では解析が困難であっ たランダムアクセス方式の過渡特性の解析 にも利用で きるとい う特長を持つている。この解析手法の 開発 も本論文の大 きな成果の一つ といえる。

本論文は、

6章

か らなる。第

1章

では、本論文の 目的 と構成が示 され、加えて論文の背景 となる基礎 知識が簡明に紹介 されている。

第2章 では、従来から知 られているランダムアクセスシステムの代表的な解析法 (S‐ G解 析、マルコ フ解析、平衡点解析 )及 び過渡流体近似法が、スロッ ト付 きアロハシステムを具体例 として簡明に示 されている。

3章

及び第樟 では、各移動端末 と基地局間の伝送路 は、端末の移動に伴 つて変化する時変伝送路 であるとい う点に着 目し、その影響 を考慮 した特性解析がスロッ ト付 きアロハシステムに対 して行わ れている。

第5章 では、ゾーン構成のスロッ ト付 きアロハ方式の特性解析を行つている。ここでは、端末のゾー ン間移動速度やゾーし の重な り具合、   トラヒックの偏 りな どが システム特性 に与える基本的な影響が 考察 されている。

第6章 では、本研究のまとめが述べ られている。

以上の様 に、本論文では、スロッ ト付 きアロハ システムにおける移動端末の影響が様々な角度から 具体的に考察 され、システム設計時に有用な数多 くの成果が得 られている。 また、問題設定、解析法 などが新規性 に富み、今後のこの方面の研究に大 きな影響 を与えるものとしても高 く評価できる。よっ て、本論文は、博士

(工

学 )の 学位 を授与するに十分 な内容 を持つ ものであると認める。

‑141‑

参照

関連したドキュメント

(コールサイン、 MMSI 等)捜索救助機関に正確な情報を提供する必要がある

を提案 した。提案手法では、対象 となる線形回路網全体 を拡張特性モデルヘ変換する。実際に、提案 手法 を用いて例題回路の解析 を行 ったところ、 AWE法

将来の超高速通信システム実現のための共通的基盤技術であるミリ波帯通信用デバイス技術の研究開発を行う。高性

⑶ 旧TAOのプロジェクト 第4世代移動通信システム実現のための研究開発 の ソフトウェア無線状態管理技術

モバイルインターネット基盤技術の研究開発

で与えられる。さらに,溺在七月/盲に㍑−る呼が綱の どこかで通話完了する確率好古は,再生理論的考察によ 机:掛経式 m ・ 一、  ̄‥、・

本報告 は,以上 の考 えを踏 まえて,均質等方 な弾 性遷移層 による超音波の反射透 過解析 を整理 してみ た.い くつかの代表的 な計算例( 1 ) を基 に して,波動伝

信関連,アプリケーションなどシステム全体を制御するソフトウェアである.アプリケーシ