• 検索結果がありません。

雑誌名 長野県短期大学紀要

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "雑誌名 長野県短期大学紀要"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

緑黄色野菜の鮮度とビタミンCならびにミネラル類 含有量の関係について

著者 荻原 和夫, 箱山 年子

雑誌名 長野県短期大学紀要

巻 45

ページ 15‑20

発行年 1990‑12

URL http://id.nii.ac.jp/1118/00000538/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

緑黄色野菜の鮮度とビタミンCならびにミネラル類 含有量の関係について

荻 原 和 夫  箱 山 年 子

Relationship between Freshness ana Vitamin C an昆Minerals

Contentsin Green and.Yellow Vegetables

Kazuo OGIWARA and Toshiko HAKOYAMA

Abgの和一アブ・q角Cわ‡つ′αg CogJegg,49−7,朗わ〃α8−C如7ク7g,肋gの相,3即,Jbやα乃

ABSTRACT〔7Ⅵβ♪〟γ乃αgげ肋g(Z乃0−アブ′〆eC如才′αgCoggegg,♪わ.44,やクエ5〜2()(ヱ99の〕

The relationship between freshness and vitamin C and minerals contentsin

green and yellow vegetables wereinvestigated.

The resultS Obtained were as follows.

(1)The content of vitamin Cin greenandyellow vegetables decreased with anincreaseinthe amount of weightloss duringstrage at room.

(2)Theloss ofmineralsinthose vegetables were observed hardlynoneduring Strage at room.

緒 言

葉菜類は線黄色野菜に属するものが多く,カロ

チン,ピタミソC,ミネラル塀の給源とな・つてい ることは既に知られていることである。また野菜 叛の保存条件によるピタミソC含有量の変化につ いても多くの報告1),2)があり,それらの結果が生 かされて,日頃の取り扱いにも注意が払われて来 ている3)。

栽培技術の進歩や輸送機関の発達により,今や 野菜類に季節感がなくなってんまっているが,反 面いつでも,何でも比較的容易に入手出来る状態 にある。現在市場に出ているものは,収礫してか ら店頭に並ぶまでの時間や,栽培方法のちがいな

どにより,栄養素含有量にも差があることも周知

の事実とされている。

これらの現状から,今回栽培条件(産地)のち

がいによる線色度の差,および放置による線色度

の退色,または黄色への変化や乾娩状況など,鮮 度や外観変化にともなうビタミンCおよびミネラ ル頻の含有量の変化について検討し,外観を観察

するだけで野菜規の栄養成分の含有状況などを判

断することの可能性をさぐってみたいと考えた。

実験材料および実験方法

1.試料

線黄色野菜の中から葉菜紋を中心に,こまつな,

しゅんぎく,チソゲソ菜,ほうれんそう,リーフ レタスと,葉菜ではないがピーマソを選び試料と した。いずれも市販品を中心に,各試料につき産 地の異なった3〜5種族について鄭定した。

なお,だいこん葉,モロヘイヤについては入手 出来た1種類ずつ測定した。

(3)

長野県短期大学紀要 第45号(1990)

2.測定方法

まず,入手直後の試料についてピタミソCを測 定するため,こまつな,しゅんぎく,だいこん 葉,ほうれんそう,モロヘイヤは試料の一定量

(100g)をとり,2cmほどのざく切りとして全体 を均一になるように混ぜ,その中から10gを秤取

してイソドフェノール法により還元型ピタミソC を測定した。

チソゲソ菜は1枚そのままを,リーフレタスは 1枚を最にたて割りとした一方を,またピーマソ は1個(約65g)を用い,切断してまぜ合わせ,

全体の中からそれぞれ均一になるように10gを秤 取し,測定した。

一方,各試料の一定量を搾り,室温(26〜28℃)

で24時間放置後のビタミンC量を測定し,入手直

後との変化をみた。

こまつな,はうれんそうについては,ピタミソ Cの他に同時にミネラル頬も測定した。

測定方法は前報と同様に,ピタミソCについて はイソドフェノール法4)により還元型ピタミソC を測定した。

また,ミネラル頬の測定にはカルシウムは過マ ソガン酸容量法5),リソはモリブデソ青比色絵6),

鉄はフェナソトロリソ比色絵7)を用いた。

鮮度の判定は外見観察と乾燥度(重量変化)を

測定することによって行った。

実験結果ならびに考嚢

(1)乾燥によるピタミソCの変化

各試料とも栽培条件のちがいにより緑色度に差

があることを考えて,1試料につき産地の異なる 3種嬢(はうれんそうは2種類,チソゲソ菜は5 種類)をとりあげた。

だいこん葉は時期的に入手が容易でないこと,

またモロヘイヤは近年ようやく市場に出始めたこ となどから1種類ずつの試料しか得られなかった。

まず,各試料の入手直後のピタミソC含有量を 測定した結果を表1に,24時間放置後のビタミン

表1各試料中のピタミソC含有量

ピタミソ

C含有量  産 地

(mg%)

77.9 入間東(埼玉)

44.6 入間東(〝)

76.4 地物

色調等 深緑

1日前入荷 やや黄色の葉も

ある

黄色の葉もある

‡ゆんぎ…ll…;…芸隅藍城)苦言蓋芸蓋艮

テンゲソ

誓言れん;l…:;≡≡

リーフレ1

タス    2 3

128.6 鹿 島

121.0 信濃町

171.8 裾 花

∴∵■+‥二

図124時間放置後のピタミソC消失率の比較 C消失の様子を図1に示した。

各試料中のピタミソC含有量をみると,全体的

刊榔 怜佃

間   〃   〃

3   2   0   3   6 7   6   5   2   6 4   0   4   9   5 1 1   2   3   4   5

平 科 花 菅 蓼 裾

2   4   4 0   5   1 1   2   1

モロヘイヤ

だいこん薬

ピ ー マ ン

チンゲン某

しゅんぎく

(4)

線黄色野菜の鮮度とピタミソCならびにミネラル頼含有量の関係について

に産地のちがいによる試料間格差があり,特にし

ゆんぎくで大きかった。

夏場は野菜の鮮度低下が著しく,また店顕でも

鮮度(外観)保持のためにさまざまな手段を工夫

して販売している実状にあり,一見新鮮らしく見 えても収模してからの時間がかなり経過している ことも考えられる。今回使用したしゅんぎくは特 に,店頭に並んでから時間が経過しているものし か入手出来なかったのでこのような結果になった ことと思われる。

また,各試料を室温(26〜28℃)で24時間放置 後のピタミソCの変化をみると,ピーマソほ消失 が少なく9%の消失率であった。リーフレタスは 46%,だいこん葉では56%の消失となり,しゅん ぎく,モロヘイヤはもっとも高く67′)68%の消失 であった。

24時間放置したこれらの葉菜類の状態は,しゅ んぎく,だいこん葉,モロヘイヤは比較的葉がう すいせいか乾燥が著しく,ピタミソCの消失率も 著しく高い。

1こまつな 2しゅんぎく 3チンゲン菜 4ほうれんそう 5リーフレタス

6 ピ、一マン

7だいこん業 8モロヘイヤ

●6

0.5

1.0

水分陳持度

註水分保持虔(鮮度保持度)=型些周遊塵選重量 新鮮物量量 図2 24時間放置後の水分蒸発皮とビタミンC消失

率の関係

チソゲソ菜のように葉肉が厚く,しかも1株が 大きく重量もあるものは水分が陳持され,24時間 放置後もしおれる程度で,鮮度の低下が遅いため かビタミンCの消失率もやや少ない結果であった。

なお,ピーマソについては24時間放置後の重量 変化は殆んどなく,ピタミソCの消失も10%で他

の試料に比べ低かった。

図2は24時間放置後における試料重畳の新鮮物

重畳に対する比率,即ち水分保持率を鮮度判断の

指標の1つとし,それとピタミソCの消失との関 係をみたものである。

それによると,概して水分陳特の高いものがピ タミソCの消失が低い結果となっている。これら

のことから,今回の実験結果からみて,水分保持

のよいものの方がピタミソCの消失率が低いとい える。またこのことは他の生鮮野菜類の取り扱い と保存において,水分陳持にっとめるのが望まし いなどの留意点を示唆している。

保存条件や方法の違いによる野菜類中のピタミ

ソC含有量の変化については他者による報告1)2)

もあり,また著者らも既に一部報告してある8)。

今回用いた試料葉菜頬の放置による変化の実態 を写実で示した。

放置を続けると乾燥状態となり,さらに線色度 の退色と黄変が起るが,それに伴って栄養素の変

化も生じてくる。

緑色野菜の線色の消失や黄色化についての研究

は古くより行われており,野菜塀は収穫後も呼吸

を続けていることにより有校酸の蓄積,増加があ り,その酸の作用でクロ∵Pフィルが分解される ため,ならびに酵素作用によると考えられてい る9)10)が,そのことがピタミソCの消失にも影響 を与える作用になっているかどうかは今後の検討 課題としたい。

チソゲソ菜については48時間放置後のピタミソ

C畳も測定してみた。その結果はさらに消失が進

み41%の消失率であった。

一敗に野菜はあまりしおれたものは利用しない

0

線元ご誅0\∵W hも

(5)

長野県短期大学紀要 第45号(1990)

こまつな

入手直後 しゅんぎく

入手直後 チンゲン莱

入手直後

実状にあると思われたので,他の試料については 24時間以上放置した場合のビタミンC量の測定は 実施しなかったが,野菜棟の有効利用の観点から 検討を加えておく必要があると考える。

今回の実験の目的の一つは,野菜類の外観の様 子から栄養成分の含有状況の判断の可能性を探る ことにあったが,ビタミンCに関してはある程度 相関性のあることが知れた。

24時間放置後

24時間放置後

24時間放置後

(2)乾燥によるミネラル類の変化

表2はこまつな,ほうれんそうについて,入手 直後と24時間放置後のミネラル類を測定し,両者 の変化をみた結果である。みられるように総体的 には放置によるミネラル類の変化はみられない結 果となっている。

まず産地のちがいによるこまつなの3種類につ いてみると,リソは36.9〜44.8mgタ左,鉄は2.30〜

(6)

緑黄色野菜の鮮度とピタミソCならびにミネラル類含有量の関係について 表2 24時間放置後のミネラル類の消失   (平均値)

リソ(喝%)      鉄(喝%)     カルシウム(町g%)

直後 24時間後消失率  直後 24時間後消失率  直後 24時間後消失率

40.8±3,2    0%  2.73±0.38   0%  191.4±12.5  0%

41.1±6.7         2.80±0.28         191.1±47.6 こ ま つ な

ほうれんそう

40.0±8.2   1595  ユ.68±0.09  3.695   53.2±6.1   0%

34.0±2.9        1.62±0.06         54.0±3.7

3.23mg%,カルシウムは178.6〜208.4喝%の含有 量であった。

一方ほうれんそうではリンは31.8〜48.1喝%,

鉄は1.59〜1.76喝%,カルシウムは44.7′、ノ58.7mg

%となり,リソの一部を除くとこまつなの方が高 く,特にカルシウムではほうれんそうの約4倍量 であった。

24時間放置によるこまつな,ほうれんそう車の ミネラル叛の消失率をみると,ほうれんそうのリ

ソにやや減少傾向がみられるものの,他は殆んど 変化がみられなかった。

これらのことからこまつな,ほうれんそう中の ミネラル類は24時間放置後の含有量にもそれほど

変化がないことが確認された。むしろ両者とも試 料個々,即ち産地による含有量のちがいの方が大

きかった。ほうれんそうのリソが減少した原因に

ついては再検討する必要があると考える。

今回ミネラル類を測定した試料は,こまつなと ほうれんそうのみであるが,既報にも報告したよ うに緑黄色の葉菜類にはカルシウム含有量の高い ものが多く11)12),カルシウムの不足しがちな日本 人において,カルシウム給源として再認識してよ いと思われる。

また野菜をミネラル類の給源として考えた場合 には,多少鮮度の低下したものや乾燥品であって

も十分利用価値のあることがわかった。

要 約

緑黄色野菜類の産地のちがい,放置・乾燥,

変・退色によるピタミソC,ミネラル類の含有量 の変化について検討し,次の結果を得た。

(1)ビタミンCの含有量は産地のちがいによる試

料間格差もあるが,共通に鮮度が大きく関係して

いることが知れた。

24時間放置後のピタミソC消失率はピーマン9

%,こまつな,チソゲソ菜,ほうれんそう28〜35

%,リーフレタス44%,だいこん葉56%,しゅん ぎく,モロヘイヤはもっとも高く67〜68%の消失 率であった。

特に保水性のよいもの(鮮度低下が少ないと考

えられるもの)の方が,ピタミソCの消失率ほ低 かった。

(2)ミネラル類については試料間格差の方が大き く,放置によるミネラル演の消失はこまつなでは リソ,鉄,カルシウムいずれも測定誤差の範囲の

値であり,殆んど消失しない結果であった。

ほうれんそうではリソの消失率が15.0%と少し あったものの,鉄,カルシウムは殆んど消失がみ

られなかった。

文 献

1)芦田淳:栄養化学概論(謹賢堂)311′、ノ312貢(19

66)

2)青田企世子:ⅤIC NEWS工点TTER No.19(ピ タミソ広報セソター)(1984)

3)緒方邦安:臨床栄養48(6)515貢1979

4)永原太郎他:食品分析法(柴田書店)232′一236貢

(1976)

5)永原太郎他‥同 上153′、ノ157貢 6)永原太郎他:同 上159′、ノ163貢

(7)

長野県短期大学紀要 第45号(1990)

7)永原太郎他:同 上163′一165京       (1985)

8)胡桃さよ子他:食物研究No.2,6′、ノ9貢(1985) 11)箱山年子:荻原和夫:長野県短期大学紀要 払 9)下田善人他:調理と化学(朝倉書店)154貫(19    1′一6貢(1986)

71)       12)科学技術庁資源調査会編:四訂食品標準成分表 10)並木満夫他:現代の食品化学(三共出版)99京    (1982)

参照

関連したドキュメント

 本研究におけるアラブ・イスラーム伝承とは、ア

通り、質問紙調査を実施した最終回のプログラムに 参加した保護者の多くが、5 期生の保護者であった こと(図 5)が要因の一つであると推察された。5 期生の開講式は

 アルゴリズム的思考法の学習を後期に実施した 2010 年 度,2011 年 度 で は, 学 習 を 導 入 す る 前 の 2008

24 年間は 1 本もなく、1977 年に 1 本、さらに約 20 年間はなく、1995 年に 1 本、1996 年に 1 本と、政

概要 2011 年 3 月に発生した東日本大震災においては、情報共有と情報発信のプラットフォームとして

 本稿では、第二言語獲得において UG が機能する か否かを検証するための 1

また次の文献 には、慾法制定議会期における立慾勤労党のユダヤ系議員と ユダヤ人クラブに隠する議員との激しい確執の機子がユ

官製説の立場を取る社会学著に秋元律邸がい